JPH04368006A - 酸化物超伝導マイクロ波部品 - Google Patents
酸化物超伝導マイクロ波部品Info
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- JPH04368006A JPH04368006A JP3169157A JP16915791A JPH04368006A JP H04368006 A JPH04368006 A JP H04368006A JP 3169157 A JP3169157 A JP 3169157A JP 16915791 A JP16915791 A JP 16915791A JP H04368006 A JPH04368006 A JP H04368006A
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- oxide superconducting
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数制御あるいは遅
延時間制御が可能な酸化物超伝導薄膜を用いた酸化物超
伝導マイクロ波部品に関するものである。
延時間制御が可能な酸化物超伝導薄膜を用いた酸化物超
伝導マイクロ波部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波領域で使用される各種
フィルタ、共振器、遅延線等の受動部品は、無酸素銅や
金といった表面抵抗の低い常伝導金属が利用されていた
。マイクロ波部品で導体損失を支配する表面抵抗は、常
伝導金属では周波数の1/2乗に比例し、超伝導材料で
は周波数の2乗に比例して増大する。
フィルタ、共振器、遅延線等の受動部品は、無酸素銅や
金といった表面抵抗の低い常伝導金属が利用されていた
。マイクロ波部品で導体損失を支配する表面抵抗は、常
伝導金属では周波数の1/2乗に比例し、超伝導材料で
は周波数の2乗に比例して増大する。
【0003】超伝導材料は数百GHz以下の領域で銅よ
り抵抗損失が少なく、低い周波数になるにつれ抵抗損失
は一層低減できる。しかし従来、ニオブ等のように極低
温で超伝導を発現する金属系超伝導材料は冷却などの問
題で一部の特殊な分野のみに限定して応用されていた。
り抵抗損失が少なく、低い周波数になるにつれ抵抗損失
は一層低減できる。しかし従来、ニオブ等のように極低
温で超伝導を発現する金属系超伝導材料は冷却などの問
題で一部の特殊な分野のみに限定して応用されていた。
【0004】近年、ヨットリウム系、ビスマス系、タリ
ウム系といった酸化物超伝導材料が発見され、これらの
材料の薄膜化技術も大幅に進展しつつある。これにより
、従来の常伝導金属よりはるかに抵抗損失が少なく、低
い分散を利用した小形の超伝導マイクロ波部品が期待で
きると共に、77K動作が可能であることから、金属系
超伝導材料よりも冷却実装が容易になるという特徴があ
る。それ故、酸化物超伝導薄膜を利用したマイクロ波部
品の研究が勢力的に進められている。
ウム系といった酸化物超伝導材料が発見され、これらの
材料の薄膜化技術も大幅に進展しつつある。これにより
、従来の常伝導金属よりはるかに抵抗損失が少なく、低
い分散を利用した小形の超伝導マイクロ波部品が期待で
きると共に、77K動作が可能であることから、金属系
超伝導材料よりも冷却実装が容易になるという特徴があ
る。それ故、酸化物超伝導薄膜を利用したマイクロ波部
品の研究が勢力的に進められている。
【0005】マイクロ波部品は基本的に中心導体とグラ
ンドプレーンから構成される。これらの基本的な構成を
第6図に示す。第6図(a)はマイクロトリップ型、第
6図(b)はストリップライン型である。第6図におい
て1は中心導体、2aは下部グランドプレーン、3は中
心導体1を含む中間基板、4は上部グランドプレーン2
bを含む上部基板、5は下部グランドプレーン2aを含
む下部基板、6は中間基板3と上部基板4との間の隙間
である。
ンドプレーンから構成される。これらの基本的な構成を
第6図に示す。第6図(a)はマイクロトリップ型、第
6図(b)はストリップライン型である。第6図におい
て1は中心導体、2aは下部グランドプレーン、3は中
心導体1を含む中間基板、4は上部グランドプレーン2
bを含む上部基板、5は下部グランドプレーン2aを含
む下部基板、6は中間基板3と上部基板4との間の隙間
である。
【0006】現在、MIC,MMIC等ではマイクロス
トリップ型が最も多く用いられており、放射損失や導体
損失を抑えるには中心導体1の回りをグランドプレーン
で囲みストリップライン型に近づける必要がある。この
ことは特に、低損失を利用した超伝導マイクロ波部品で
は重要となる。
トリップ型が最も多く用いられており、放射損失や導体
損失を抑えるには中心導体1の回りをグランドプレーン
で囲みストリップライン型に近づける必要がある。この
ことは特に、低損失を利用した超伝導マイクロ波部品で
は重要となる。
【0007】グランドプレーンも超伝導材料で形成する
場合、良好な高周波特性を有する酸化物超伝導薄膜は現
在のところ基板の裏表に形成できないため、マイクロス
トリップ型で2枚、ストリップライン型で3枚の基板を
重ね合わせて構成することになる。今後、基板の裏表に
超伝導薄膜を形成できる技術が開発された場合、中心導
体1と下部グランドプレーン2aは同一基板上に形成で
きるものの、中心導体1はパターンニングする必要があ
るため、中心導体1を含む中間基板3と上部グランドプ
レーン2bを含む上部基板4とは別にならざるおえない
。
場合、良好な高周波特性を有する酸化物超伝導薄膜は現
在のところ基板の裏表に形成できないため、マイクロス
トリップ型で2枚、ストリップライン型で3枚の基板を
重ね合わせて構成することになる。今後、基板の裏表に
超伝導薄膜を形成できる技術が開発された場合、中心導
体1と下部グランドプレーン2aは同一基板上に形成で
きるものの、中心導体1はパターンニングする必要があ
るため、中心導体1を含む中間基板3と上部グランドプ
レーン2bを含む上部基板4とは別にならざるおえない
。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、低損失な超伝
導デバイスに有利なストリップライン構造を酸化物超伝
導薄膜で構成する場合には、上部基板4と中間基板3の
隙間6を避けることはできない。通常、マイクロ波部品
用酸化物超伝導薄膜はMgO,LaAlO3基板上に形
成されるが、これらの誘電率はそれぞれ9、25と大き
い。そのため特に中間基板3と下部基板5との空気隙間
は中心導体近傍の実効誘電率を大きく変化させ、中心導
体を伝搬するマイクロ波の位相速度、郡速度を設計値か
らシフトさせるという問題があった。
導デバイスに有利なストリップライン構造を酸化物超伝
導薄膜で構成する場合には、上部基板4と中間基板3の
隙間6を避けることはできない。通常、マイクロ波部品
用酸化物超伝導薄膜はMgO,LaAlO3基板上に形
成されるが、これらの誘電率はそれぞれ9、25と大き
い。そのため特に中間基板3と下部基板5との空気隙間
は中心導体近傍の実効誘電率を大きく変化させ、中心導
体を伝搬するマイクロ波の位相速度、郡速度を設計値か
らシフトさせるという問題があった。
【0009】第7図は代表的な酸化物超伝導受動デバイ
スの中心導体パターンを示す。第7図(a)は共振器、
(b)はチェビシェフ型帯域通過フィルタ、(c)は遅
延線であって、1は第6図と同様に中心導体を意味する
。これらの受動デバイスにおける実効誘電率変化による
位相速度、郡速度のシフトは、共振器では非常にシャー
プな共振ピークの周波数シフトを生じ、フィルタでは通
過帯域中心周波数のズレを生じるため、超伝導フィルタ
で有利な狭帯域通過特性を生かせない。
スの中心導体パターンを示す。第7図(a)は共振器、
(b)はチェビシェフ型帯域通過フィルタ、(c)は遅
延線であって、1は第6図と同様に中心導体を意味する
。これらの受動デバイスにおける実効誘電率変化による
位相速度、郡速度のシフトは、共振器では非常にシャー
プな共振ピークの周波数シフトを生じ、フィルタでは通
過帯域中心周波数のズレを生じるため、超伝導フィルタ
で有利な狭帯域通過特性を生かせない。
【0010】また、遅延線では遅延時間が設計値よりず
れるという課題がある。このように超伝導マイクロ波部
品はその性質上、極めてシャープな周波数特性を有する
ことから、高Q共振器や超狭帯域フィルタへの適用が極
めて有用である。反面、設計した中心周波数へ調整する
ことは極めて煩雑で、しかも困難である。更に、超伝導
マイクロ波は臨海温度以上では表面抵抗が大きく十分な
マイクロ波特性が期待できないために、室温での調整は
ほとんど不可能である。
れるという課題がある。このように超伝導マイクロ波部
品はその性質上、極めてシャープな周波数特性を有する
ことから、高Q共振器や超狭帯域フィルタへの適用が極
めて有用である。反面、設計した中心周波数へ調整する
ことは極めて煩雑で、しかも困難である。更に、超伝導
マイクロ波は臨海温度以上では表面抵抗が大きく十分な
マイクロ波特性が期待できないために、室温での調整は
ほとんど不可能である。
【0011】それ故、超伝導マイクロ波部品においては
冷却した後でも調整が容易になる部品構造が強く望まれ
ていた。また、周波数をスイープさせたり、遅延時間に
変調をかけるといった位相情報のスイープ・変調も機能
性付加の点から強く望まれていた。
冷却した後でも調整が容易になる部品構造が強く望まれ
ていた。また、周波数をスイープさせたり、遅延時間に
変調をかけるといった位相情報のスイープ・変調も機能
性付加の点から強く望まれていた。
【0012】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
もので、ストリップライン構造における高い誘電率を有
した基板間の隙間をグランドプレーンの外側に設けた圧
電積層セラミックスにより制御することによって、周波
数あるいは遅延時間を外部より容易に調整・制御できる
高性能で、信頼性の高い、新しい機能性を有した装置を
提供することにある。
もので、ストリップライン構造における高い誘電率を有
した基板間の隙間をグランドプレーンの外側に設けた圧
電積層セラミックスにより制御することによって、周波
数あるいは遅延時間を外部より容易に調整・制御できる
高性能で、信頼性の高い、新しい機能性を有した装置を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、上部基板と中間基板の隙間を何らか
の方法で制御できれば、中心導体近傍の実効誘電率を任
意に変化させることができるので中心導体を伝搬するマ
イクロ波の位相速度、郡速度を外部より制御することが
可能になるという思想に基づくものである。具体的には
、導電材料で形成されたグランドプレーンをそれぞれ外
側に向けかつ対向面に所定の隙間を設けて配設した第1
および第2の基板と、一方の基板の対向面側に酸化物超
伝導材料によって前記隙間を一部残す状態で形成した中
心導体と、いずれかの基板のグランドプレーン側に設け
たピエゾ素子とで構成したものである。
るために本発明は、上部基板と中間基板の隙間を何らか
の方法で制御できれば、中心導体近傍の実効誘電率を任
意に変化させることができるので中心導体を伝搬するマ
イクロ波の位相速度、郡速度を外部より制御することが
可能になるという思想に基づくものである。具体的には
、導電材料で形成されたグランドプレーンをそれぞれ外
側に向けかつ対向面に所定の隙間を設けて配設した第1
および第2の基板と、一方の基板の対向面側に酸化物超
伝導材料によって前記隙間を一部残す状態で形成した中
心導体と、いずれかの基板のグランドプレーン側に設け
たピエゾ素子とで構成したものである。
【0014】
【作用】ストリップライン構造における高い誘電率を有
した酸化物超伝導基板間の隙間を圧電積層セラミックス
により制御することによって、中心導体近傍の実効誘電
率を変化させ、その結果として中心導体を伝搬するマイ
クロ波の位相速度、郡速度を制御することにより、酸化
物超伝導マイクロ波部品の周波数、あるいは遅延時間を
外部より容易に制御することを特徴とし、冷却した後で
も容易に調整・制御できる酸化物超伝導マイクロ波部品
に適した構造を実現している。
した酸化物超伝導基板間の隙間を圧電積層セラミックス
により制御することによって、中心導体近傍の実効誘電
率を変化させ、その結果として中心導体を伝搬するマイ
クロ波の位相速度、郡速度を制御することにより、酸化
物超伝導マイクロ波部品の周波数、あるいは遅延時間を
外部より容易に制御することを特徴とし、冷却した後で
も容易に調整・制御できる酸化物超伝導マイクロ波部品
に適した構造を実現している。
【0015】
【実施例】図1は本発明によるを適用した酸化物超伝導
マイクロ波デバイスの構造例である。図1において11
は酸化物超伝導薄膜による中心導体、12aは酸化物超
伝導薄膜による上部グランドプレーン、12bは酸化物
超伝導薄膜による下部グランドプレーン、13は中心導
体パターン11を含むMgOまたはLaAlO3等の結
晶中間基板、14は上部グランドプレーン12aを含む
単結晶上部基板、15は下部グランドプレーン12bを
含む単結晶下部基板、16は中間基板13と上部基板1
4との隙間、17は上部基板14の上端面と機械的に密
着させた圧電積層セラミックス素子、18aはピエゾ素
子の一つである圧電セラミックス素子17を機械的に支
持する面、18bは下部基板15を機械的に支持する面
である。
マイクロ波デバイスの構造例である。図1において11
は酸化物超伝導薄膜による中心導体、12aは酸化物超
伝導薄膜による上部グランドプレーン、12bは酸化物
超伝導薄膜による下部グランドプレーン、13は中心導
体パターン11を含むMgOまたはLaAlO3等の結
晶中間基板、14は上部グランドプレーン12aを含む
単結晶上部基板、15は下部グランドプレーン12bを
含む単結晶下部基板、16は中間基板13と上部基板1
4との隙間、17は上部基板14の上端面と機械的に密
着させた圧電積層セラミックス素子、18aはピエゾ素
子の一つである圧電セラミックス素子17を機械的に支
持する面、18bは下部基板15を機械的に支持する面
である。
【0016】すなわち、本装置は酸化物超伝導薄膜で形
成されたグランドプレーン12a,12bをそれぞれ外
側に向けかつ対向面に所定の隙間16を設けて第1の基
板13および第2の基板14を対向させ、例えば基板1
3の対向面側に酸化物超伝導材料によって隙間16を一
部残す状態中心導体11を形成し、いずれかの基板(こ
の例では基板14)のグランドプレーン12a側に設け
たピエゾ素子17によって構成される。εsは上部基板
14と中間基板13との隙間(スペーシング)における
誘電率であって、この例では充填材料が空気であるから
その誘電率は1である。
成されたグランドプレーン12a,12bをそれぞれ外
側に向けかつ対向面に所定の隙間16を設けて第1の基
板13および第2の基板14を対向させ、例えば基板1
3の対向面側に酸化物超伝導材料によって隙間16を一
部残す状態中心導体11を形成し、いずれかの基板(こ
の例では基板14)のグランドプレーン12a側に設け
たピエゾ素子17によって構成される。εsは上部基板
14と中間基板13との隙間(スペーシング)における
誘電率であって、この例では充填材料が空気であるから
その誘電率は1である。
【0017】中間基板13、下部基板15を誘電損失等
の損失を生じないように、接着剤あるいはバネ材等で下
部機械的支持面18aに固定する。一方、上部基板14
は圧電積層セラミックス17を介して上部機械的支持面
18bに固定する。上部基板14の重心Aは、圧電セラ
ミックス素子17に直流電圧を供給することにより、矢
印方向の変位が起こる。それにともないスペーシングは
最大0.5〜1.9μmの範囲で変化させることができ
る。
の損失を生じないように、接着剤あるいはバネ材等で下
部機械的支持面18aに固定する。一方、上部基板14
は圧電積層セラミックス17を介して上部機械的支持面
18bに固定する。上部基板14の重心Aは、圧電セラ
ミックス素子17に直流電圧を供給することにより、矢
印方向の変位が起こる。それにともないスペーシングは
最大0.5〜1.9μmの範囲で変化させることができ
る。
【0018】図2は圧電積層セラミックス素子17の変
位と電圧の関係を示す。a,bの素子はそれぞれ素子長
18,9mmのものである。0〜150Vの直流電圧で
、それぞれほぼ19,8μmの長さ方向の変位、即ちス
ペーシングを0.5〜19μmの範囲で制御できること
が図からわかる。
位と電圧の関係を示す。a,bの素子はそれぞれ素子長
18,9mmのものである。0〜150Vの直流電圧で
、それぞれほぼ19,8μmの長さ方向の変位、即ちス
ペーシングを0.5〜19μmの範囲で制御できること
が図からわかる。
【0019】図3は実効誘電率の変化率とスペーシング
の関係を計算機シミュレーションにより求めた例である
。基板には0.5mm厚さのMgO(εr=9.1)単
結晶基板、あるいは0.5mm厚さのLaAlO3(ε
r=25)単結晶基板を用い、中心導体幅は500,1
60μmであり、厚さは0.5μmで数値解析している
。隙間(スペーシング)は空気(εs=1)を想定し、
最大変位は8μmとしておりこれは図3の記号bの素子
に対応している。
の関係を計算機シミュレーションにより求めた例である
。基板には0.5mm厚さのMgO(εr=9.1)単
結晶基板、あるいは0.5mm厚さのLaAlO3(ε
r=25)単結晶基板を用い、中心導体幅は500,1
60μmであり、厚さは0.5μmで数値解析している
。隙間(スペーシング)は空気(εs=1)を想定し、
最大変位は8μmとしておりこれは図3の記号bの素子
に対応している。
【0020】中心導体幅500μmの場合、スペーシン
グ8μmまで広げたとき、MgOの基板で約−10%、
LaLlO3の基板で約−20%の実効誘電率変化を示
す。LaAlO3の基板で、中心導体幅を160μmま
で短くすると、誘電率変化は一層顕著になる。
グ8μmまで広げたとき、MgOの基板で約−10%、
LaLlO3の基板で約−20%の実効誘電率変化を示
す。LaAlO3の基板で、中心導体幅を160μmま
で短くすると、誘電率変化は一層顕著になる。
【0021】共振器、帯域通過型フィルタにおける共振
あるいは中心周波数は、中心導体付近の実効誘電率で大
きく変化する。また、遅延線における遅延時間も中心導
体を伝搬するマクロ波の郡速度(Vg)で決定され、こ
の際にも中心導体付近の実効誘電率で大きく変化する。 ストリップライン構造で隙間の無い場合、実効誘電率は
基板の誘電率εrで与えられるが、空気等の隙間が介在
する場合、実効誘電率εrは隙間の分だけ低下する。
あるいは中心周波数は、中心導体付近の実効誘電率で大
きく変化する。また、遅延線における遅延時間も中心導
体を伝搬するマクロ波の郡速度(Vg)で決定され、こ
の際にも中心導体付近の実効誘電率で大きく変化する。 ストリップライン構造で隙間の無い場合、実効誘電率は
基板の誘電率εrで与えられるが、空気等の隙間が介在
する場合、実効誘電率εrは隙間の分だけ低下する。
【0022】この誘電率の変化率(δεr/εr)は周
波数の変化率(δf/f)=−0.5×(δεr/εr
)の関係があり、また遅延線で重要となる郡速度の変化
率も同様に、(δVg/Vg)=−0.5×(δεr/
εr)の関係がある。例えば空気隙間等によって見かけ
上の誘電率変化率(δεr/εr)が−20%となると
、+10%の周波数シフト、あるいは+10%の郡速度
変化を招くことになる。
波数の変化率(δf/f)=−0.5×(δεr/εr
)の関係があり、また遅延線で重要となる郡速度の変化
率も同様に、(δVg/Vg)=−0.5×(δεr/
εr)の関係がある。例えば空気隙間等によって見かけ
上の誘電率変化率(δεr/εr)が−20%となると
、+10%の周波数シフト、あるいは+10%の郡速度
変化を招くことになる。
【0023】図2に示した記号bの圧電素子を用いるこ
とにより最大8μmの範囲でスペーシングを制御でき、
その結果MgO基板でほぼ−10%、LaLlO3基板
でほぼ−20%の実効誘電率変化を招く。従ってMgO
基板で約+5%、LaAlO3基板で約+10%の範囲
で位相速度、郡速度を制御できる。
とにより最大8μmの範囲でスペーシングを制御でき、
その結果MgO基板でほぼ−10%、LaLlO3基板
でほぼ−20%の実効誘電率変化を招く。従ってMgO
基板で約+5%、LaAlO3基板で約+10%の範囲
で位相速度、郡速度を制御できる。
【0024】超伝導による狭帯域通過型フィルタでは、
例えば中心周波数10GHz、通過帯域1000MHz
(1%)といった特性が要求され、この仕様が周波数調
整を大幅に困難にしているが、本発明によって調整・制
御を行えばMgOで±250MHz、LaAlO3で±
500MHzの調整が容易にできるため、冷却後の調整
を容易にできるのみならず、外部入力による周波数のス
イープ・変調も可能になる。
例えば中心周波数10GHz、通過帯域1000MHz
(1%)といった特性が要求され、この仕様が周波数調
整を大幅に困難にしているが、本発明によって調整・制
御を行えばMgOで±250MHz、LaAlO3で±
500MHzの調整が容易にできるため、冷却後の調整
を容易にできるのみならず、外部入力による周波数のス
イープ・変調も可能になる。
【0025】このことは共振器にもあてはまり、共振器
の場合には特に、温度変化による共振周波数のシフトが
問題であるが、本発明による構造で共振周波数を制御信
号とし、圧電積層セラミックスにフィードバック制御を
組み込むことによって、共振周波数の温度変化を抑制す
ることが可能である。
の場合には特に、温度変化による共振周波数のシフトが
問題であるが、本発明による構造で共振周波数を制御信
号とし、圧電積層セラミックスにフィードバック制御を
組み込むことによって、共振周波数の温度変化を抑制す
ることが可能である。
【0026】一方、超伝導マイクロ波部品として有効な
遅延線においても、遅延時間をアナログ的に変化させる
ことは困難なため、スイッチングにより遅延線を切り換
え、遅延時間をステップ的に変化させている。本発明で
は郡速度をMgO基板で±2.5%、LaLlO3基板
で±5%制御できる。つまり、遅延時間をこの範囲で変
化させることが可能であり、遅延時間を制御信号とし、
圧電セラミックスにフィードバック系を組み込むことに
より、遅延時間に安定化あるいは前記範囲での可変遅延
線が可能になる。
遅延線においても、遅延時間をアナログ的に変化させる
ことは困難なため、スイッチングにより遅延線を切り換
え、遅延時間をステップ的に変化させている。本発明で
は郡速度をMgO基板で±2.5%、LaLlO3基板
で±5%制御できる。つまり、遅延時間をこの範囲で変
化させることが可能であり、遅延時間を制御信号とし、
圧電セラミックスにフィードバック系を組み込むことに
より、遅延時間に安定化あるいは前記範囲での可変遅延
線が可能になる。
【0027】このような酸化物超伝導マイクロ波部品に
おける位相情報を制御信号とした基本的な制御ループの
概念図を図4に示す。(a)は周波数、遅延時間の調整
・安定化制御系であり、(b)はスイープ・変調の制御
系を示す。
おける位相情報を制御信号とした基本的な制御ループの
概念図を図4に示す。(a)は周波数、遅延時間の調整
・安定化制御系であり、(b)はスイープ・変調の制御
系を示す。
【0028】図5は特性インピーダンスとスペーシング
の関係を計算機シミュレーションしたものである。モデ
ル条件は図3と同一である。中心導体幅500μmの場
合には、スペーシングを8μmまで広げても1Ω以内に
納まるものの、160μm幅では4Ω近く変化する。し
かし、全体としてみれば、スペーシングを8μmまで広
げてもあまり大きな特性インピーダンス変化は招かない
。但し、これらは20Ω、30Ω系であり、フィルタ、
共振器の場合は問題ないが、遅延線の場合は50Ω系と
の変成器等を設ける必要がある。
の関係を計算機シミュレーションしたものである。モデ
ル条件は図3と同一である。中心導体幅500μmの場
合には、スペーシングを8μmまで広げても1Ω以内に
納まるものの、160μm幅では4Ω近く変化する。し
かし、全体としてみれば、スペーシングを8μmまで広
げてもあまり大きな特性インピーダンス変化は招かない
。但し、これらは20Ω、30Ω系であり、フィルタ、
共振器の場合は問題ないが、遅延線の場合は50Ω系と
の変成器等を設ける必要がある。
【0029】なお、以上の実施例ではグランドプレーン
も超伝導材料であるとして説明したが、超伝導材料の方
が特性が良くなるものの、特性の劣化を厭わなければ常
伝導材料であっても良い。
も超伝導材料であるとして説明したが、超伝導材料の方
が特性が良くなるものの、特性の劣化を厭わなければ常
伝導材料であっても良い。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、上部基板
と中間基板との隙間を圧電積層セラミックスの伸縮によ
って制御することによって、特性インピーダンスをあま
り変化させず、実効誘電率を10〜20%程度減少でき
る。従って中心導体を伝搬するマイクロ波の伝搬速度を
5〜10%変化させることが可能になる。つまり最大±
5%の範囲で中心周波数、遅延時間を調整・安定化でき
るのみならず、周波数、遅延時間を制御信号としてスペ
ーシングをフィードバック制御することにより、周波数
、遅延時間のスイープ・変調が可能になるといった特長
があり、その結果として冷却後でも調整が容易である。 また適切なフィードバック系を組むことによって周波数
スイープ・変調等の新しい機能を有した酸化物超伝導マ
イクロ波デバイスが可能になる。
と中間基板との隙間を圧電積層セラミックスの伸縮によ
って制御することによって、特性インピーダンスをあま
り変化させず、実効誘電率を10〜20%程度減少でき
る。従って中心導体を伝搬するマイクロ波の伝搬速度を
5〜10%変化させることが可能になる。つまり最大±
5%の範囲で中心周波数、遅延時間を調整・安定化でき
るのみならず、周波数、遅延時間を制御信号としてスペ
ーシングをフィードバック制御することにより、周波数
、遅延時間のスイープ・変調が可能になるといった特長
があり、その結果として冷却後でも調整が容易である。 また適切なフィードバック系を組むことによって周波数
スイープ・変調等の新しい機能を有した酸化物超伝導マ
イクロ波デバイスが可能になる。
【図1】本発明による酸化物超伝導マイクロ波デバイス
【図2】圧電セラミックスにおける変位と電圧の関係を
示す図
示す図
【図3】実効誘電率の変化率とスペーシングの関係を示
す図
す図
【図4】基本的な制御ループの概念図
【図5】特性インピーダンスとスペーシングの関係を示
す図
す図
【図6】マイクロ波部品の構造例を示す図
【図7】典型
的なマイクロ波部品の中心導体パターンを示す図
的なマイクロ波部品の中心導体パターンを示す図
1 中心導体
2 グランドプレーン
3 中間基板
4 上部基板
5 下部基板
6 隙間
7 圧電積層セラミックス
8 支持面
Claims (2)
- 【請求項1】 導電材料で形成されたグランドプレー
ンをそれぞれ外側に向けかつ対向面に所定の隙間を設け
て配設した第1および第2の基板と、一方の基板の対向
面側に酸化物超伝導材料によって前記隙間を一部残す状
態で形成した中心導体と、前記いずれかの基板のグラン
ドプレーン側に設けたピエゾ素子とから構成される酸化
物超伝導マイクロ波部品。 - 【請求項2】 請求項1において、周波数,位相速度
,郡速度,遅延時間等の位相情報を制御信号とし、その
制御信号と基準設定信号との差分を圧電積層セラミック
スにフィードバックする制御手段を設けたことを特徴と
するマイクロ波部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3169157A JPH04368006A (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 酸化物超伝導マイクロ波部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3169157A JPH04368006A (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 酸化物超伝導マイクロ波部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04368006A true JPH04368006A (ja) | 1992-12-21 |
Family
ID=15881343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3169157A Pending JPH04368006A (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 酸化物超伝導マイクロ波部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04368006A (ja) |
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-
1991
- 1991-06-14 JP JP3169157A patent/JPH04368006A/ja active Pending
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