JPH04346944A - 塩素化メタンの製造方法 - Google Patents
塩素化メタンの製造方法Info
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- JPH04346944A JPH04346944A JP14981491A JP14981491A JPH04346944A JP H04346944 A JPH04346944 A JP H04346944A JP 14981491 A JP14981491 A JP 14981491A JP 14981491 A JP14981491 A JP 14981491A JP H04346944 A JPH04346944 A JP H04346944A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタン、メタノールおよ
び塩素を原料として実質的に四塩化炭素を副生しない状
態で塩素化メタンを製造する方法に関するものである。
び塩素を原料として実質的に四塩化炭素を副生しない状
態で塩素化メタンを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特定フロン等の化学物質による地
球オゾン層の破壊が大きな社会的問題となってきている
。この特定フロンについては今世紀中に全廃するという
内外の決議が行なわれ産業界もそれに従う方向で計画が
進められている。オゾンの破壊能という点では、特定フ
ロン以外にもこれに匹敵する能力を持つ物質があり、四
塩化炭素(CCl4)もその一つである。オゾン破壊係
数ではフロン−11、同−12が各々 1.0であるの
に対し、四塩化炭素は 1.0〜 1.2と同等もしく
はそれ以上の破壊能を持つ。また四塩化炭素はオゾン破
壊能力に加え地球温暖化の元凶の一つに数えられている
。このため四塩化炭素もまたフロンと同様に今世紀中の
全廃が国際的に決議されるに至った。
球オゾン層の破壊が大きな社会的問題となってきている
。この特定フロンについては今世紀中に全廃するという
内外の決議が行なわれ産業界もそれに従う方向で計画が
進められている。オゾンの破壊能という点では、特定フ
ロン以外にもこれに匹敵する能力を持つ物質があり、四
塩化炭素(CCl4)もその一つである。オゾン破壊係
数ではフロン−11、同−12が各々 1.0であるの
に対し、四塩化炭素は 1.0〜 1.2と同等もしく
はそれ以上の破壊能を持つ。また四塩化炭素はオゾン破
壊能力に加え地球温暖化の元凶の一つに数えられている
。このため四塩化炭素もまたフロンと同様に今世紀中の
全廃が国際的に決議されるに至った。
【0003】この四塩化炭素の工業的製法には、1)二
硫化炭素法: CS2 +3Cl2 → CCl4+ S2Cl
22)メタンまたは塩化メチルの塩素化法: CH4 +4Cl2 → CCl4+4HClC
H3Cl +3Cl2 → CCl4+3HCl である。前者は四塩化炭素を選択的に製造する方法のた
め、製造中止になったとしても、それ以外への影響は小
さい。しかし、後者はCH4 + Cl2 → C
H3Cl + HCl、 CH3Cl +
Cl2 → CH2Cl2+ HClCH2Cl2
+ Cl2 → CHCl3 + HCl、
CHCl3 + Cl2 → CCl4+ HC
lというように、CH4 →CH3Cl →CH2Cl
2→CHCl3 を経由して最後に四塩化炭素が得られ
る逐次併発塩素化法であり、この生成物は未反応メタン
や塩化メチルから四塩化炭素に至るクロロメタン類の混
合物となる。これらメタンの中途塩素化物は、それ自身
有用な大きなマーケットを持っているので、この製造法
を中止した場合には他に及ぼす影響が極めて大きい。そ
の上CH3Cl、CH2Cl2または CHCl3を得
るには、この反応機構の特性上、四塩化炭素(CCl4
)の副生を避けられない宿命にある。
硫化炭素法: CS2 +3Cl2 → CCl4+ S2Cl
22)メタンまたは塩化メチルの塩素化法: CH4 +4Cl2 → CCl4+4HClC
H3Cl +3Cl2 → CCl4+3HCl である。前者は四塩化炭素を選択的に製造する方法のた
め、製造中止になったとしても、それ以外への影響は小
さい。しかし、後者はCH4 + Cl2 → C
H3Cl + HCl、 CH3Cl +
Cl2 → CH2Cl2+ HClCH2Cl2
+ Cl2 → CHCl3 + HCl、
CHCl3 + Cl2 → CCl4+ HC
lというように、CH4 →CH3Cl →CH2Cl
2→CHCl3 を経由して最後に四塩化炭素が得られ
る逐次併発塩素化法であり、この生成物は未反応メタン
や塩化メチルから四塩化炭素に至るクロロメタン類の混
合物となる。これらメタンの中途塩素化物は、それ自身
有用な大きなマーケットを持っているので、この製造法
を中止した場合には他に及ぼす影響が極めて大きい。そ
の上CH3Cl、CH2Cl2または CHCl3を得
るには、この反応機構の特性上、四塩化炭素(CCl4
)の副生を避けられない宿命にある。
【0004】Encyclo. Chem. Proc
ess Des. 1979, vol.8, p21
4 〜270 によると、 CH4とCl2 との反応
生成物の組成は、 Cl2/CH4比で一義的に図3に
示されるように決まる。四塩化炭素の生成量を極端に抑
えることは可能であるが、そのときにはCH3−Clま
たはCH2Cl2が主成分となる組成しか得られず、各
塩素化メタンについての市場要求量の合計からの組成比
率とは、かけ離れたものとなる。また四塩化炭素の生成
をゼロにするには無限に Cl2/CH4比を0に近づ
けなければならず、大量のメタンが未反応として残る結
果となり、経済性の点から実用価値のないものとなるだ
けでなく、組成的にも生成物は CH3Clだけとなり
、他の塩素化メタンを製造することは不可能となってし
まう。
ess Des. 1979, vol.8, p21
4 〜270 によると、 CH4とCl2 との反応
生成物の組成は、 Cl2/CH4比で一義的に図3に
示されるように決まる。四塩化炭素の生成量を極端に抑
えることは可能であるが、そのときにはCH3−Clま
たはCH2Cl2が主成分となる組成しか得られず、各
塩素化メタンについての市場要求量の合計からの組成比
率とは、かけ離れたものとなる。また四塩化炭素の生成
をゼロにするには無限に Cl2/CH4比を0に近づ
けなければならず、大量のメタンが未反応として残る結
果となり、経済性の点から実用価値のないものとなるだ
けでなく、組成的にも生成物は CH3Clだけとなり
、他の塩素化メタンを製造することは不可能となってし
まう。
【0005】一方、従来のメタン、メタノールおよび塩
素からの塩素化メタンの代表的な製造方法をフローシー
トで示したのが図4である。図において1、2が主工程
で、3は4種類の塩素化メタンの生成比率を調整する目
的で必要に応じて付加される工程である。工程1では
CH4(または CH4と工程2からの CH3Cl)
と Cl2とを原料として、350〜 450℃、 大
気圧〜10kg/cm2G の条件下で反応を行う。反
応生成物から、吸収・放散、圧縮・液化、蒸留等の通常
の手段によって CH3Cl、CH2Cl2、 CHC
l3、CCl4、 HClおよび未反応 CH4の各成
分が精製分離される。これらの内、未反応 CH4は再
び原料に供するため自工程内に再循環される(図示せず
)。 CH3Clも同様に循環再使用されるが、組成比
率を調整するため一部が後述する工程3に回され、必要
ならばさらに一部が製品として系外へ抜き出される。C
H2Cl2は同様に組成比率を調整するため一部が工程
3へ回され、残りが製品として系外へ抜き出される。
CHCl3およびCCl4はすべて製品として系外へ抜
き出される。 HClは濃塩酸水溶液の形でルート■よ
り工程2へ回される。この工程1では前述したように反
応機構上CCl4の副生が避けられない。その割合は他
の3者の組成次第で変動するが2〜20重量%に達する
。
素からの塩素化メタンの代表的な製造方法をフローシー
トで示したのが図4である。図において1、2が主工程
で、3は4種類の塩素化メタンの生成比率を調整する目
的で必要に応じて付加される工程である。工程1では
CH4(または CH4と工程2からの CH3Cl)
と Cl2とを原料として、350〜 450℃、 大
気圧〜10kg/cm2G の条件下で反応を行う。反
応生成物から、吸収・放散、圧縮・液化、蒸留等の通常
の手段によって CH3Cl、CH2Cl2、 CHC
l3、CCl4、 HClおよび未反応 CH4の各成
分が精製分離される。これらの内、未反応 CH4は再
び原料に供するため自工程内に再循環される(図示せず
)。 CH3Clも同様に循環再使用されるが、組成比
率を調整するため一部が後述する工程3に回され、必要
ならばさらに一部が製品として系外へ抜き出される。C
H2Cl2は同様に組成比率を調整するため一部が工程
3へ回され、残りが製品として系外へ抜き出される。
CHCl3およびCCl4はすべて製品として系外へ抜
き出される。 HClは濃塩酸水溶液の形でルート■よ
り工程2へ回される。この工程1では前述したように反
応機構上CCl4の副生が避けられない。その割合は他
の3者の組成次第で変動するが2〜20重量%に達する
。
【0006】工程2では工程1(または工程3:図示せ
ず)からの副生HClとメタノールとを原料に、液相8
0〜 130℃、 常圧もしくは加圧下で反応を行う。 CH3OH +HCl → CH3Cl+H2O 工程1からの HClは濃塩酸水の形態でルート■から
供給され、反応で副生するH2Oで希釈されて、希塩酸
水の形態でルート■から排出される。これは一部が系外
に排出され、残りは工程1に戻されて再び濃塩酸となる
。主生成物である CH3Clは系外に排出されるが、
その一部が全プロセスの組成調整のため工程1に戻され
る場合もある。
ず)からの副生HClとメタノールとを原料に、液相8
0〜 130℃、 常圧もしくは加圧下で反応を行う。 CH3OH +HCl → CH3Cl+H2O 工程1からの HClは濃塩酸水の形態でルート■から
供給され、反応で副生するH2Oで希釈されて、希塩酸
水の形態でルート■から排出される。これは一部が系外
に排出され、残りは工程1に戻されて再び濃塩酸となる
。主生成物である CH3Clは系外に排出されるが、
その一部が全プロセスの組成調整のため工程1に戻され
る場合もある。
【0007】工程3では CH3Cl、CH2Cl2の
少なくとも一方と Cl2(図示せず)とを原料に、光
照射下もしくは適当なラジカル反応開始剤の存在下、常
温〜100 ℃、大気圧もしくは加圧下で反応を行う。 未反応原料と反応生成物との混合物、すなわち CH3
Cl、CH2Cl2の少なくとも一方と CHCl3、
CCl4、 HClはルート■より工程1に送られ、こ
こでの生成物と共に各成分に精製分離される。本工程に
おいても工程1と同じ理由で5〜35重量%のCCl4
の副生は避けられない。以上から実質的に四塩化炭素を
排出しない塩素化メタンの製造プロセスの確立が望まれ
ていた。
少なくとも一方と Cl2(図示せず)とを原料に、光
照射下もしくは適当なラジカル反応開始剤の存在下、常
温〜100 ℃、大気圧もしくは加圧下で反応を行う。 未反応原料と反応生成物との混合物、すなわち CH3
Cl、CH2Cl2の少なくとも一方と CHCl3、
CCl4、 HClはルート■より工程1に送られ、こ
こでの生成物と共に各成分に精製分離される。本工程に
おいても工程1と同じ理由で5〜35重量%のCCl4
の副生は避けられない。以上から実質的に四塩化炭素を
排出しない塩素化メタンの製造プロセスの確立が望まれ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的はメタン、メタノールおよび塩素から四塩化炭素を副
生することなく塩素化メタンを経済的に得る製造方法を
提供しようとするものである。
的はメタン、メタノールおよび塩素から四塩化炭素を副
生することなく塩素化メタンを経済的に得る製造方法を
提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるメタン、メ
タノールおよび塩素からの塩素化メタンの製造方法は、
A.メタンまたはメタンと塩化メチルに塩素を反応させ
て、四塩化炭素を含む塩素化メタンと塩化水素を得る工
程、B.前記工程Aで副生した塩化水素とメタノールと
から、塩化メチルと未反応塩化水素としての希塩酸を得
る工程およびC.周規律表の1B族、2A族、2B族、
6B族、7B族および8族の内の少なくとも一種の元素
のハロゲン化物または酸化物を多孔質支持体に担持させ
た触媒の存在下、前記工程Aで副生した四塩化炭素を、
水または前記工程Bから排出される希塩酸を用いて気相
で加水分解する工程からなるか、または前記工程A、B
およびD.前記触媒の存在下、工程Aで副生した四塩化
炭素またはこの四塩化炭素と工程Bから排出される希塩
酸とにメタノールを気相で反応させる工程からなるもの
としたことを要旨とするものである。
タノールおよび塩素からの塩素化メタンの製造方法は、
A.メタンまたはメタンと塩化メチルに塩素を反応させ
て、四塩化炭素を含む塩素化メタンと塩化水素を得る工
程、B.前記工程Aで副生した塩化水素とメタノールと
から、塩化メチルと未反応塩化水素としての希塩酸を得
る工程およびC.周規律表の1B族、2A族、2B族、
6B族、7B族および8族の内の少なくとも一種の元素
のハロゲン化物または酸化物を多孔質支持体に担持させ
た触媒の存在下、前記工程Aで副生した四塩化炭素を、
水または前記工程Bから排出される希塩酸を用いて気相
で加水分解する工程からなるか、または前記工程A、B
およびD.前記触媒の存在下、工程Aで副生した四塩化
炭素またはこの四塩化炭素と工程Bから排出される希塩
酸とにメタノールを気相で反応させる工程からなるもの
としたことを要旨とするものである。
【0010】以下、本発明の詳細を図1および図2に示
したフローシートに基づいて説明する。本発明の製造方
法を一言でいえば、前記した図4における工程1および
2(本発明での工程AおよびBに相当)に、さらに上記
工程CまたはDを付加したことにより、メタン、メタノ
ールおよび塩素から四塩化炭素を副生せずに塩素化メタ
ンを製造することに成功したものである。したがって、
本発明における工程A、Bと、必要に応じて付加される
工程Eとは、図4における工程1、2および3と同一の
ため詳細な説明を省略する。なお、本発明の方法におけ
る各工程の反応を反応式で示すと、工程Aでは1) C
H4+ Cl2→ CH3Cl+ HCl、 2
) CH3Cl+ Cl2→CH2Cl2+ HCl、
3)CH2Cl2+ Cl2→ CHCl3+ HCl
、 4) CHCl3+ Cl2→CCl4+ HC
l、工程Bでは 5) CH3OH+ HCl→ C
H3Cl+ H2O、工程Cでは 6)CCl4+2
H2O→ CO2+4HCl、工程Dでは結果的に5)
式と6)式とを併合した、7)CCl4+4CH3OH
→ CO2+4CH3Cl+2H2O、(図4の工程3
に相当する)工程Eでは 2)〜4)式または3)〜
4)式となる。
したフローシートに基づいて説明する。本発明の製造方
法を一言でいえば、前記した図4における工程1および
2(本発明での工程AおよびBに相当)に、さらに上記
工程CまたはDを付加したことにより、メタン、メタノ
ールおよび塩素から四塩化炭素を副生せずに塩素化メタ
ンを製造することに成功したものである。したがって、
本発明における工程A、Bと、必要に応じて付加される
工程Eとは、図4における工程1、2および3と同一の
ため詳細な説明を省略する。なお、本発明の方法におけ
る各工程の反応を反応式で示すと、工程Aでは1) C
H4+ Cl2→ CH3Cl+ HCl、 2
) CH3Cl+ Cl2→CH2Cl2+ HCl、
3)CH2Cl2+ Cl2→ CHCl3+ HCl
、 4) CHCl3+ Cl2→CCl4+ HC
l、工程Bでは 5) CH3OH+ HCl→ C
H3Cl+ H2O、工程Cでは 6)CCl4+2
H2O→ CO2+4HCl、工程Dでは結果的に5)
式と6)式とを併合した、7)CCl4+4CH3OH
→ CO2+4CH3Cl+2H2O、(図4の工程3
に相当する)工程Eでは 2)〜4)式または3)〜
4)式となる。
【0011】図1における工程Cでは、工程A、E(図
示せず)で副生する四塩化炭素を水または工程Bから排
出される希塩酸により、気相で 150〜250℃、大
気圧〜10kg/cm2の圧力、前記触媒の存在下で、
上記6)式に示す加水分解反応が行われる。この際の原
料比は下記数1で示される関係にあることが好ましい。
示せず)で副生する四塩化炭素を水または工程Bから排
出される希塩酸により、気相で 150〜250℃、大
気圧〜10kg/cm2の圧力、前記触媒の存在下で、
上記6)式に示す加水分解反応が行われる。この際の原
料比は下記数1で示される関係にあることが好ましい。
【数1】
ここでモル比が2未満では反応速度が低下し、四塩化炭
素の加水分解反応が完結しなくなる。モル比が50を超
えると、水を蒸発させるためのエネルギーを過剰に必要
とし経済的に不利となる。
素の加水分解反応が完結しなくなる。モル比が50を超
えると、水を蒸発させるためのエネルギーを過剰に必要
とし経済的に不利となる。
【0012】図2における工程Dでは、工程A、E(図
示せず)で副生する四塩化炭素、またはこの四塩化炭素
と工程Bから排出される希塩酸と、メタノールとの反応
が、気相で 150〜 250℃、大気圧〜10kg/
cm2の圧力、前記触媒の存在下で、上記5)式と7)
式にしたがって行われる。工程Bからの排出希塩酸とメ
タノールとの反応を同時に行うことで原料 Cl2のク
ロロメタンへの有効利用が図れる。この際の原料比は下
記数2で示される関係にあることが好ましい。なお、式
中の添加塩化水素は工程Bから排出される希塩酸の内、
工程Dで同時に処理される分を示す。
示せず)で副生する四塩化炭素、またはこの四塩化炭素
と工程Bから排出される希塩酸と、メタノールとの反応
が、気相で 150〜 250℃、大気圧〜10kg/
cm2の圧力、前記触媒の存在下で、上記5)式と7)
式にしたがって行われる。工程Bからの排出希塩酸とメ
タノールとの反応を同時に行うことで原料 Cl2のク
ロロメタンへの有効利用が図れる。この際の原料比は下
記数2で示される関係にあることが好ましい。なお、式
中の添加塩化水素は工程Bから排出される希塩酸の内、
工程Dで同時に処理される分を示す。
【数2】
ここでモル比が1.01未満では、メタノールの未反応
物が増え、かつ〔2CH3OH → (CCH3)2
O + H2O〕の副反応によるジメチルエーテルが増
加する。モル比の上限の1.30は臨界値ではないが、
この比が増すほど塩素分の塩化メチルへの転換が非効率
的となり、塩化水素の形態での未反応物が増加する。こ
の反応で生じた CO2、 CH3Cl、 H2Oの混
合物は反応工程に続く精製工程(図示せず)で各成分に
分離される。
物が増え、かつ〔2CH3OH → (CCH3)2
O + H2O〕の副反応によるジメチルエーテルが増
加する。モル比の上限の1.30は臨界値ではないが、
この比が増すほど塩素分の塩化メチルへの転換が非効率
的となり、塩化水素の形態での未反応物が増加する。こ
の反応で生じた CO2、 CH3Cl、 H2Oの混
合物は反応工程に続く精製工程(図示せず)で各成分に
分離される。
【0013】上記工程CおよびDで用いられる触媒は、
前述したように周規律表の1B族(Cu) 、2A族(
Mg、Ca、Ba) 、2B族(Zn、Cd、Hg)
、6B族(Cr、Mo) 、7B族(Mn) 、8族(
Fe、Co、Ni) の金属のハロゲン化物または酸化
物を多孔質支持体に担持させたものであるが、これらの
内では反応速度の速い8族の金属のハロゲン化物または
酸化物、とりわけ塩化亜鉛が好ましく、また担体として
は活性炭が好ましい。これにより、反応6)が際立って
促進され、高収率で高速度の四塩化炭素の加水分解とメ
タノールと四塩化炭素との反応が可能となる。
前述したように周規律表の1B族(Cu) 、2A族(
Mg、Ca、Ba) 、2B族(Zn、Cd、Hg)
、6B族(Cr、Mo) 、7B族(Mn) 、8族(
Fe、Co、Ni) の金属のハロゲン化物または酸化
物を多孔質支持体に担持させたものであるが、これらの
内では反応速度の速い8族の金属のハロゲン化物または
酸化物、とりわけ塩化亜鉛が好ましく、また担体として
は活性炭が好ましい。これにより、反応6)が際立って
促進され、高収率で高速度の四塩化炭素の加水分解とメ
タノールと四塩化炭素との反応が可能となる。
【0014】前述したように、工程CおよびDでの反応
は 150℃位から始まるが、 250℃位までが好ま
しい。高温になれば反応速度はさらに増すが、 250
℃を超えると腐食性が増し、恒久材質の選定が困難にな
る。反応圧力は加圧になれば、それだけ容積が少なくて
済むが、腐食を考慮した強度から恒久材質の選定がやは
り困難となり、結局大気圧から5kg/cm2G 位ま
でが好ましい。以上の条件下では、滞留時間10〜20
秒で四塩化炭素の95%以上が加水分解またはメタノー
ルと反応し、塩素分は塩化水素または塩化メチルに、炭
素分は二酸化炭素に転換される。
は 150℃位から始まるが、 250℃位までが好ま
しい。高温になれば反応速度はさらに増すが、 250
℃を超えると腐食性が増し、恒久材質の選定が困難にな
る。反応圧力は加圧になれば、それだけ容積が少なくて
済むが、腐食を考慮した強度から恒久材質の選定がやは
り困難となり、結局大気圧から5kg/cm2G 位ま
でが好ましい。以上の条件下では、滞留時間10〜20
秒で四塩化炭素の95%以上が加水分解またはメタノー
ルと反応し、塩素分は塩化水素または塩化メチルに、炭
素分は二酸化炭素に転換される。
【0015】以上説明したように、本発明の方法は工程
AおよびBに工程CまたはDを付け加えたことを特徴と
するものであるが、図1および2に示されるように、こ
れにさらに従来公知の(図4における工程3に相当する
)工程Eを付加してもよく、これにより4種類の塩素化
メタンの生成比率を調整することができる。
AおよびBに工程CまたはDを付け加えたことを特徴と
するものであるが、図1および2に示されるように、こ
れにさらに従来公知の(図4における工程3に相当する
)工程Eを付加してもよく、これにより4種類の塩素化
メタンの生成比率を調整することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例により説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1. CH4/CH3Cl/Cl2(モル比)=1.49/0
.96/1.00の原料を 420℃の温度下気相で塩
素化し、生成塩素化メタンを液化捕集した。これをさら
に蒸留分離し、 CH3Clは全量を反応原料として再
循環することで、 CH2Cl2/CHCl3/CCl
4=0.692/0.267/0.039(モル比)と
なる3種の塩素化メタンを各々単独で得た。30重量%
の ZnCl2を坦持させた活性炭を充填した直径50
mm×高さ1000mmのガラス製反応器に、上記CC
l4を 538g/Hr、20重量%塩酸水を 709
g/Hrで供給し、 195〜 225℃で反応させた
。反応ガス中の HClおよび水を20重量%塩酸水2
240g/Hrに吸収し、33重量%塩酸水3330g
/Hrを得た。未吸収の CO2は後続するガスメータ
ーにより計量し 78Nl/Hrを得た。CCl4は塩
酸水中にも CO2ガス中にも検出されなかった。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1. CH4/CH3Cl/Cl2(モル比)=1.49/0
.96/1.00の原料を 420℃の温度下気相で塩
素化し、生成塩素化メタンを液化捕集した。これをさら
に蒸留分離し、 CH3Clは全量を反応原料として再
循環することで、 CH2Cl2/CHCl3/CCl
4=0.692/0.267/0.039(モル比)と
なる3種の塩素化メタンを各々単独で得た。30重量%
の ZnCl2を坦持させた活性炭を充填した直径50
mm×高さ1000mmのガラス製反応器に、上記CC
l4を 538g/Hr、20重量%塩酸水を 709
g/Hrで供給し、 195〜 225℃で反応させた
。反応ガス中の HClおよび水を20重量%塩酸水2
240g/Hrに吸収し、33重量%塩酸水3330g
/Hrを得た。未吸収の CO2は後続するガスメータ
ーにより計量し 78Nl/Hrを得た。CCl4は塩
酸水中にも CO2ガス中にも検出されなかった。
【0017】実施例2.
前例と同様に塩素化反応によりCCl4を得た。30重
量%の ZnCl2を坦持させた活性炭を充填した直径
50mm×高さ1000mmのガラス製反応器に、上記
CCl4を 538g/Hr、20重量%塩酸水を 3
93g/Hr、メタノールを469g/Hrでそれぞれ
供給し 200℃で反応させた。反応器出口でのガス組
成はCH3Cl: 721g/Hr、MeOH: 12
g/Hr、HCl:67g/Hr、H2O:446g/
HrおよびCO2:154g/HrでCCl4は検出さ
れなかった。
量%の ZnCl2を坦持させた活性炭を充填した直径
50mm×高さ1000mmのガラス製反応器に、上記
CCl4を 538g/Hr、20重量%塩酸水を 3
93g/Hr、メタノールを469g/Hrでそれぞれ
供給し 200℃で反応させた。反応器出口でのガス組
成はCH3Cl: 721g/Hr、MeOH: 12
g/Hr、HCl:67g/Hr、H2O:446g/
HrおよびCO2:154g/HrでCCl4は検出さ
れなかった。
【0018】
【発明の効果】従来の塩素化メタン製造法では四塩化炭
素の規制が進むと規制値に見合った四塩化炭素の排出量
にするために、塩素化メタン全体の生産を減少するか全
廃するしかないが、本発明によれば他の塩素化メタン(
CH3Cl、CH2Cl2、 CHCl3)に対して
は量的、組成比率的制約を受けることなく、従来通りの
メタン、メタノール、塩素を原料にして従来の製造工程
を温存したまま、これに小規模の改造を加えるだけで基
幹物質である CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3
の製造が可能となり、事業をそのまま継続することがで
きる。
素の規制が進むと規制値に見合った四塩化炭素の排出量
にするために、塩素化メタン全体の生産を減少するか全
廃するしかないが、本発明によれば他の塩素化メタン(
CH3Cl、CH2Cl2、 CHCl3)に対して
は量的、組成比率的制約を受けることなく、従来通りの
メタン、メタノール、塩素を原料にして従来の製造工程
を温存したまま、これに小規模の改造を加えるだけで基
幹物質である CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3
の製造が可能となり、事業をそのまま継続することがで
きる。
【図1】本発明の具体的態様を示したフローシートであ
る。
る。
【図2】本発明の別の具体的態様を示したフローシート
である。
である。
【図3】メタンに対する塩素のモル比(横軸)と生成物
の組成(縦軸)との関係を示したグラフである。
の組成(縦軸)との関係を示したグラフである。
【図4】従来のメタン、メタノールおよび塩素からの塩
素化メタンの代表的な製造方法を示したフローシートで
ある。
素化メタンの代表的な製造方法を示したフローシートで
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】A.メタンまたはメタンと塩化メチルに塩
素を反応させて、四塩化炭素を含む塩素化メタンと塩化
水素を得る工程、B.前記工程Aで副生した塩化水素と
メタノールとから、塩化メチルと未反応塩化水素として
の希塩酸を得る工程、およびC.周規律表の1B族、2
A族、2B族、6B族、7B族および8族の内の少なく
とも一種の元素のハロゲン化物または酸化物を多孔質支
持体に担持させた触媒の存在下、前記工程Aで副生した
四塩化炭素を、水または前記工程Bから排出される希塩
酸を用いて気相で加水分解する工程からなるメタン、メ
タノールおよび塩素からの塩素化メタンの製造方法。 - 【請求項2】A.メタンまたはメタンと塩化メチルに塩
素を反応させて、四塩化炭素を含む塩素化メタンと塩化
水素を得る工程、B.前記工程Aで副生した塩化水素と
メタノールとから、塩化メチルと未反応塩化水素として
の希塩酸を得る工程、およびD.周規律表の1B族、2
A族、2B族、6B族、7B族および8族の内の少なく
とも一種の元素のハロゲン化物または酸化物を多孔質支
持体に担持させた触媒の存在下、前記工程Aで副生した
四塩化炭素またはこの四塩化炭素と前記工程Bから排出
される希塩酸とに、メタノールを気相で反応させる工程
からなるメタン、メタノールおよび塩素からの塩素化メ
タンの製造方法。 - 【請求項3】E.前記工程Aで生成した塩化メチルおよ
び/または塩化メチレンと塩素とから四塩化炭素を含む
塩素化メタンと塩化水素を得る工程を包含する、請求項
1または2記載の塩素化メタンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14981491A JPH04346944A (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 塩素化メタンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14981491A JPH04346944A (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 塩素化メタンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04346944A true JPH04346944A (ja) | 1992-12-02 |
Family
ID=15483296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14981491A Pending JPH04346944A (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 塩素化メタンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04346944A (ja) |
-
1991
- 1991-05-24 JP JP14981491A patent/JPH04346944A/ja active Pending
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