JPH04318085A - 缶内面用水性被覆組成物 - Google Patents
缶内面用水性被覆組成物Info
- Publication number
- JPH04318085A JPH04318085A JP11262691A JP11262691A JPH04318085A JP H04318085 A JPH04318085 A JP H04318085A JP 11262691 A JP11262691 A JP 11262691A JP 11262691 A JP11262691 A JP 11262691A JP H04318085 A JPH04318085 A JP H04318085A
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- Japan
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- epoxy resin
- monomer
- modified epoxy
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- resin
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲物、肉類、野菜、果
物などの食用缶の内面を被覆するのに有用な缶内面用水
性被覆組成物に関し、特に加工性、付着性、耐食性、耐
水性、耐薬品性、衛生性、フレーバー性等の性能に優れ
た缶内面用水性被覆組成物に関する。
物などの食用缶の内面を被覆するのに有用な缶内面用水
性被覆組成物に関し、特に加工性、付着性、耐食性、耐
水性、耐薬品性、衛生性、フレーバー性等の性能に優れ
た缶内面用水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、有機溶剤を溶媒又は分
散媒とする缶内面用塗料は、環境衛生上及び火災安全上
好ましくないばかりか、塗装適正粘度を維持するために
基質樹脂の分子量を低くする必要があり、そのためにフ
レーバー性などが低下するという問題があった。これら
の問題点を解決するために、有機溶剤を全くもしくは殆
ど含有しない缶内面用水性塗料の開発も行なわれている
。これまでに開発されている主な缶内面用水性塗料とし
ては、例えば、(I)カルボキシル基含有ビニル樹脂と
エポキシ樹脂とを3級アミンの存在下でエステル化して
得られる自己乳化性エマルジョン塗料(特開昭55−3
481号公報);(II)エポキシ樹脂に重合性不飽和
酸モノマーを含むビニルモノマーを過酸化物を触媒とし
てグラフト重合して得られる自己乳化型エマルジョン塗
料(特開昭53−1285号公報);及び(III)エ
ポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物と、芳
香族ビニルモノマー、α、β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸
からなるモノマー混合物とを反応(重合)させて得られ
る自己乳化型エマルジョン塗料(特開昭58−1985
13号公報、同60−106805号公報)などがあげ
られる。
散媒とする缶内面用塗料は、環境衛生上及び火災安全上
好ましくないばかりか、塗装適正粘度を維持するために
基質樹脂の分子量を低くする必要があり、そのためにフ
レーバー性などが低下するという問題があった。これら
の問題点を解決するために、有機溶剤を全くもしくは殆
ど含有しない缶内面用水性塗料の開発も行なわれている
。これまでに開発されている主な缶内面用水性塗料とし
ては、例えば、(I)カルボキシル基含有ビニル樹脂と
エポキシ樹脂とを3級アミンの存在下でエステル化して
得られる自己乳化性エマルジョン塗料(特開昭55−3
481号公報);(II)エポキシ樹脂に重合性不飽和
酸モノマーを含むビニルモノマーを過酸化物を触媒とし
てグラフト重合して得られる自己乳化型エマルジョン塗
料(特開昭53−1285号公報);及び(III)エ
ポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物と、芳
香族ビニルモノマー、α、β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸
からなるモノマー混合物とを反応(重合)させて得られ
る自己乳化型エマルジョン塗料(特開昭58−1985
13号公報、同60−106805号公報)などがあげ
られる。
【0003】しかしながら、上記(I)〜(III)の
エマルジョン塗料について種々検討を行なった結果、こ
れらのエマルジョン塗料は塗膜の硬化性、付着性および
加工性等はすぐれているが、フレーバー性、耐食性、耐
水性、耐薬品性等が不十分であることが判明した。すな
わち、該塗料における自己乳化型樹脂の基本的構造はエ
ポキシ樹脂に軟質化された線状ビニル樹脂がペンダント
に結合してなるものと推定される。そして、該自己乳化
型樹脂において、■該樹脂の高融点化や高粘度化を抑制
して塗膜に可とう性を与え、■エポキシ樹脂とビニル樹
脂との反応や得られた樹脂の水分散化などをスムーズに
行なわしめ、■硬化剤との硬化反応を滞りなく進行させ
、さらに、■加熱による塗膜の硬化時の応力残留を抑え
、付着性および加工性などを向上させるためには、上記
線状ビニル樹脂には、その構成モノマー成分として、例
えば、直鎖アルキル基をそのエステル部分にもつα、β
−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステルなど
の軟質化ビニルモノマーが不可欠であることが見い出さ
れた。ところが、軟質化ビニルモノマーを用いることに
よって、上記■〜■の目的はほぼ達成されるが、その反
面、塗膜の衛生性及びフレーバー性などは十分でなく、
しかも、形成される塗膜の酸素、水分並びにイオンの透
過性が高くなり、かつ加水分解を受けやすくなるために
、耐薬品性、耐食性及び耐水性などが劣るということが
わかった。
エマルジョン塗料について種々検討を行なった結果、こ
れらのエマルジョン塗料は塗膜の硬化性、付着性および
加工性等はすぐれているが、フレーバー性、耐食性、耐
水性、耐薬品性等が不十分であることが判明した。すな
わち、該塗料における自己乳化型樹脂の基本的構造はエ
ポキシ樹脂に軟質化された線状ビニル樹脂がペンダント
に結合してなるものと推定される。そして、該自己乳化
型樹脂において、■該樹脂の高融点化や高粘度化を抑制
して塗膜に可とう性を与え、■エポキシ樹脂とビニル樹
脂との反応や得られた樹脂の水分散化などをスムーズに
行なわしめ、■硬化剤との硬化反応を滞りなく進行させ
、さらに、■加熱による塗膜の硬化時の応力残留を抑え
、付着性および加工性などを向上させるためには、上記
線状ビニル樹脂には、その構成モノマー成分として、例
えば、直鎖アルキル基をそのエステル部分にもつα、β
−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステルなど
の軟質化ビニルモノマーが不可欠であることが見い出さ
れた。ところが、軟質化ビニルモノマーを用いることに
よって、上記■〜■の目的はほぼ達成されるが、その反
面、塗膜の衛生性及びフレーバー性などは十分でなく、
しかも、形成される塗膜の酸素、水分並びにイオンの透
過性が高くなり、かつ加水分解を受けやすくなるために
、耐薬品性、耐食性及び耐水性などが劣るということが
わかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記(I)〜(III)の缶内面用水性塗料におけるす
ぐれた性能を低下させることなく、前記種々の欠陥を解
消することを目的に鋭意検討した結果、エポキシ樹脂に
反応せしめるカルボキシル基含有樹脂として、(無水)
マレイン酸及び/又はフマル酸とエチレン列炭化水素と
を必須モノマー成分とする共重合体を用いることにより
、上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成
した。
前記(I)〜(III)の缶内面用水性塗料におけるす
ぐれた性能を低下させることなく、前記種々の欠陥を解
消することを目的に鋭意検討した結果、エポキシ樹脂に
反応せしめるカルボキシル基含有樹脂として、(無水)
マレイン酸及び/又はフマル酸とエチレン列炭化水素と
を必須モノマー成分とする共重合体を用いることにより
、上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成
した。
【0005】かくして、本発明は、(1)カルボキシル
基含有樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを反応させて
なる変性エポキシ樹脂(X)及び/又は該変性エポキシ
樹脂(X)に重合性不飽和ビニルモノマー(C)をグラ
フト重合してなるグラフト重合体(Y)の水性分散体を
主成分として含有し、かつ、上記カルボキシル基含有樹
脂(A)が、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸
から選ばれる少なくとも1種以上のα、β−エチレン性
不飽和基含有多塩基酸モノマー(以下、「多塩基酸モノ
マー」と略すことがある。)とエチレン列炭化水素(以
下、「エチレン」と略すことがある。)とを必須モノマ
ー成分とする共重合体(a)であることを特徴とする缶
内面用水性被覆組成物及び、(2)上記の変性エポキシ
樹脂(X)及び/又はグラフト重合体(Y)の水性分散
体中で重合性不飽和ビニルモノマー(D)をシード重合
してなる水分散体(Z)主成分として含有することを特
徴とする缶内面用水性被覆組成物を提供するものである
。
基含有樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを反応させて
なる変性エポキシ樹脂(X)及び/又は該変性エポキシ
樹脂(X)に重合性不飽和ビニルモノマー(C)をグラ
フト重合してなるグラフト重合体(Y)の水性分散体を
主成分として含有し、かつ、上記カルボキシル基含有樹
脂(A)が、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸
から選ばれる少なくとも1種以上のα、β−エチレン性
不飽和基含有多塩基酸モノマー(以下、「多塩基酸モノ
マー」と略すことがある。)とエチレン列炭化水素(以
下、「エチレン」と略すことがある。)とを必須モノマ
ー成分とする共重合体(a)であることを特徴とする缶
内面用水性被覆組成物及び、(2)上記の変性エポキシ
樹脂(X)及び/又はグラフト重合体(Y)の水性分散
体中で重合性不飽和ビニルモノマー(D)をシード重合
してなる水分散体(Z)主成分として含有することを特
徴とする缶内面用水性被覆組成物を提供するものである
。
【0006】本発明の組成物の主たる特徴は、エポキシ
樹脂に反応せしめるカルボキシル基含有ビニル樹脂とし
て、多塩基酸モノマーとエチレンとを必須成分とする共
重合体(a)を用いる点にある。かくして、本発明の組
成物は以下に述べる如き種々の利点を達成することがで
きる。共重合体(a)において、エチレンは多塩基酸モ
ノマーとの共重合によって結晶性が低下し、軟質成分と
して作用するので、共重合体(a)の使用により、塗膜
の付着性、可とう性及び加工性などが向上するものと思
われる。また、エチレンと多塩基酸モノマーとは極性が
著しく異なり、該両成分が明確に区分されるため、共重
合体(a)の多塩基酸モノマー成分のカルボキシル基は
被塗面に集中的に作用して被塗面への接着に有効に寄与
し、一方、塗膜表面にはエチレンが集中して耐食性、耐
水性及び耐薬品性などが著しく向上させるのに貢献する
ものと推察される。さらに、共重合体(a)におけるエ
チレン成分は加水分解を受けることが全くないため、水
分、酸素及びイオンなどが塗膜内を透過するのを防止す
る能力にもすぐれ、その結果、本発明の組成物から形成
される塗膜は耐水性及び耐薬品性なども改良される。ま
た、共重合体(a)は水やアルコールなどによって抽出
されることが殆どないので、本発明の組成物はフレーバ
ー(flavor)性や衛生性などにもすぐれている。
樹脂に反応せしめるカルボキシル基含有ビニル樹脂とし
て、多塩基酸モノマーとエチレンとを必須成分とする共
重合体(a)を用いる点にある。かくして、本発明の組
成物は以下に述べる如き種々の利点を達成することがで
きる。共重合体(a)において、エチレンは多塩基酸モ
ノマーとの共重合によって結晶性が低下し、軟質成分と
して作用するので、共重合体(a)の使用により、塗膜
の付着性、可とう性及び加工性などが向上するものと思
われる。また、エチレンと多塩基酸モノマーとは極性が
著しく異なり、該両成分が明確に区分されるため、共重
合体(a)の多塩基酸モノマー成分のカルボキシル基は
被塗面に集中的に作用して被塗面への接着に有効に寄与
し、一方、塗膜表面にはエチレンが集中して耐食性、耐
水性及び耐薬品性などが著しく向上させるのに貢献する
ものと推察される。さらに、共重合体(a)におけるエ
チレン成分は加水分解を受けることが全くないため、水
分、酸素及びイオンなどが塗膜内を透過するのを防止す
る能力にもすぐれ、その結果、本発明の組成物から形成
される塗膜は耐水性及び耐薬品性なども改良される。ま
た、共重合体(a)は水やアルコールなどによって抽出
されることが殆どないので、本発明の組成物はフレーバ
ー(flavor)性や衛生性などにもすぐれている。
【0007】さらに、本発明の組成物は、共重合体(a
)中の多塩基酸モノマー成分等に由来するカルボキシル
基がエポキシ樹脂(B)中の2級の水酸基又はオキシラ
ン基等と反応するので、架橋剤フリーでも硬化させるこ
とができる。また、共重合体(a)は粘度が低いため、
硬化反応に伴う粘度の上昇をおさえ、架橋反応を十分に
進行させることができ、その結果架橋密度の高い塗膜の
形成が可能となる。
)中の多塩基酸モノマー成分等に由来するカルボキシル
基がエポキシ樹脂(B)中の2級の水酸基又はオキシラ
ン基等と反応するので、架橋剤フリーでも硬化させるこ
とができる。また、共重合体(a)は粘度が低いため、
硬化反応に伴う粘度の上昇をおさえ、架橋反応を十分に
進行させることができ、その結果架橋密度の高い塗膜の
形成が可能となる。
【0008】さらにまたは、本発明の組成物は水性媒体
を用いることができるので、環境衛生、火災安全性及び
省資源などからも有利である。
を用いることができるので、環境衛生、火災安全性及び
省資源などからも有利である。
【0009】本発明の組成物は、変性エポキシ樹脂(X
)及び/又はグラフト重合体(Y)の水分散体を主成分
として含有するものである。該変性エポキシ樹脂(X)
は、カルボキシル基含有ビニル樹脂(A)としての共重
合体(a)の1種もしくは2種以上とエポキシ樹脂(B
)とを反応させることに得られ、一方、グラフト重合体
(Y)は該変性エポキシ樹脂(X)に重合性不飽和ビニ
ルモノマー(C)をグラフト重合せしめてなるものであ
る。以下、これらの各成分についてさらに具体的に説明
する。
)及び/又はグラフト重合体(Y)の水分散体を主成分
として含有するものである。該変性エポキシ樹脂(X)
は、カルボキシル基含有ビニル樹脂(A)としての共重
合体(a)の1種もしくは2種以上とエポキシ樹脂(B
)とを反応させることに得られ、一方、グラフト重合体
(Y)は該変性エポキシ樹脂(X)に重合性不飽和ビニ
ルモノマー(C)をグラフト重合せしめてなるものであ
る。以下、これらの各成分についてさらに具体的に説明
する。
【0010】共重合体(a):
エポキシ樹脂(B)と反応せしめるもので、エチレンと
多塩基酸モノマーとを必須のモノマー成分とする共重合
体である。該エチレンとしては、例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、ヘキシレンなどが包含される。
多塩基酸モノマーとを必須のモノマー成分とする共重合
体である。該エチレンとしては、例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、ヘキシレンなどが包含される。
【0011】該共重合体(a)は、エチレン及び多塩基
酸モノマーなどを必須成分とし、さらに必要に応じて、
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル、ス
チレンなどの他のエチレン性不飽和モノマーから選ばれ
る1種以上を共重合させることによって得られる。
酸モノマーなどを必須成分とし、さらに必要に応じて、
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル、ス
チレンなどの他のエチレン性不飽和モノマーから選ばれ
る1種以上を共重合させることによって得られる。
【0012】該共重合における各モノマーの構成比率は
特に制限されるものではなく、本発明の組成物に要求さ
れる特性等に応じて任意に選択できるが、一般には、エ
チレンと多塩基酸モノマーなどとの両成分の合計重量に
基いて、エチレンは98〜5重量%、特に95〜90重
量%の範囲内が好ましく、多塩基酸モノマーなどは2〜
95重量%、特に5〜10重量%の範囲内が適している
。さらに、必要に応じて使用できる酢酸ビニルなどの他
のエチレン性不飽和モノマーはエチレンと多塩基酸モノ
マーなどとの合計100重量部あたり500重量部以下
の量で用いるのが好ましい。また、多塩酸モノマーとし
て、無水マレイン酸を用いて得られる共重合体(a)は
樹脂(B)と反応させる前に水により開環を行なって無
水カルボキシル基をカルボキシル基にしておくことが必
要である。
特に制限されるものではなく、本発明の組成物に要求さ
れる特性等に応じて任意に選択できるが、一般には、エ
チレンと多塩基酸モノマーなどとの両成分の合計重量に
基いて、エチレンは98〜5重量%、特に95〜90重
量%の範囲内が好ましく、多塩基酸モノマーなどは2〜
95重量%、特に5〜10重量%の範囲内が適している
。さらに、必要に応じて使用できる酢酸ビニルなどの他
のエチレン性不飽和モノマーはエチレンと多塩基酸モノ
マーなどとの合計100重量部あたり500重量部以下
の量で用いるのが好ましい。また、多塩酸モノマーとし
て、無水マレイン酸を用いて得られる共重合体(a)は
樹脂(B)と反応させる前に水により開環を行なって無
水カルボキシル基をカルボキシル基にしておくことが必
要である。
【0013】共重合体(a)は上記モノマー成分を例え
ば高圧重合反応によって共重合せしめること及びエチレ
ン(共)重合体の存在下で多塩基酸モノマーをグラフト
共重合させることによって得られる。
ば高圧重合反応によって共重合せしめること及びエチレ
ン(共)重合体の存在下で多塩基酸モノマーをグラフト
共重合させることによって得られる。
【0014】エポキシ樹脂(B):
1分子中にエポキシ基を有する化合物で、フェノール性
水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール化合
物とエピクロルヒドリンとの縮合物が一般に好適であり
、具体的には、例えば2,2’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)、ハロ
ゲン化ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン(通称:ビスフェノールF)、2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブチル、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン(通称:ビスフエノールS)
、レゾルシノール、テトラヒドロキシエタン、フェノー
ルまたはクレゾールとホルマリンとより縮合されるノボ
ラック型多官能フェノールなどのビスフェノール化合物
とエピクロルヒドリンとの縮合物が挙げられる。さらに
具体的には、エピクロルヒドリン1モルに対してビスフ
ェノール化合物0.5〜2.0モル、好ましくは0.8
〜1.2モルを配合した混合物を、アルカリ金属系触媒
又はアルカリ土類金属系触媒の存在下で、反応生成物が
分子量約1,000〜約29,000の範囲内になるま
で反応を続けるか、或は上記ビスフェノール化合物とエ
ピクロルヒドリンとを上記触媒の存在下で反応させて得
られる1分子中に2個のエポキシ基を有する低分子量縮
合物出発原料として、該低分子量縮合物1モルに対して
ビスフェノール化合物を0.5〜1.5モル、好ましく
は0.8〜1.2モル配合した混合物を縮合触媒の存在
下に反応生成物の分子量が約1,000〜約29,00
0の範囲内になるまで反応を続けることによって得られ
るものが包含される。上記アルカリ(土類)金属系触媒
としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、ま
た、上記縮合触媒としては、上記のアルカリ(土類)金
属系触媒の他に、n−ブチルアミン、トリn−ブチルア
ミン、トリエタノールアミン、ピリジン、炭酸カルシウ
ム、塩化カルシウム、第4級アンモニウム塩等が使用で
きる。
水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール化合
物とエピクロルヒドリンとの縮合物が一般に好適であり
、具体的には、例えば2,2’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)、ハロ
ゲン化ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン(通称:ビスフェノールF)、2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブチル、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン(通称:ビスフエノールS)
、レゾルシノール、テトラヒドロキシエタン、フェノー
ルまたはクレゾールとホルマリンとより縮合されるノボ
ラック型多官能フェノールなどのビスフェノール化合物
とエピクロルヒドリンとの縮合物が挙げられる。さらに
具体的には、エピクロルヒドリン1モルに対してビスフ
ェノール化合物0.5〜2.0モル、好ましくは0.8
〜1.2モルを配合した混合物を、アルカリ金属系触媒
又はアルカリ土類金属系触媒の存在下で、反応生成物が
分子量約1,000〜約29,000の範囲内になるま
で反応を続けるか、或は上記ビスフェノール化合物とエ
ピクロルヒドリンとを上記触媒の存在下で反応させて得
られる1分子中に2個のエポキシ基を有する低分子量縮
合物出発原料として、該低分子量縮合物1モルに対して
ビスフェノール化合物を0.5〜1.5モル、好ましく
は0.8〜1.2モル配合した混合物を縮合触媒の存在
下に反応生成物の分子量が約1,000〜約29,00
0の範囲内になるまで反応を続けることによって得られ
るものが包含される。上記アルカリ(土類)金属系触媒
としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、ま
た、上記縮合触媒としては、上記のアルカリ(土類)金
属系触媒の他に、n−ブチルアミン、トリn−ブチルア
ミン、トリエタノールアミン、ピリジン、炭酸カルシウ
ム、塩化カルシウム、第4級アンモニウム塩等が使用で
きる。
【0015】本発明で使用するエポキシ樹脂(B)は、
一般に、1分子中に平均0.6〜2.0個、好ましくは
0.8〜1.9個のエポキシ基を有し、また分子量は約
1,000〜約29,000、好ましくは1,600〜
6,000の範囲内にあることが望ましい。1分子中の
エポキシ基が0.6個より少なくなると共重合体(a)
に化学的に結合する未反応のエポキシ樹脂成分が多くな
り、形成される変性エポキシ樹脂(X)の水分散性や貯
蔵性も悪くなるおそれがある。
一般に、1分子中に平均0.6〜2.0個、好ましくは
0.8〜1.9個のエポキシ基を有し、また分子量は約
1,000〜約29,000、好ましくは1,600〜
6,000の範囲内にあることが望ましい。1分子中の
エポキシ基が0.6個より少なくなると共重合体(a)
に化学的に結合する未反応のエポキシ樹脂成分が多くな
り、形成される変性エポキシ樹脂(X)の水分散性や貯
蔵性も悪くなるおそれがある。
【0016】しかして、本発明の組成物において使用し
うるエポキシ樹脂(B)としては、例えば、EPON8
28、1001、1007、1009及び1010(以
上、シェル・ケミカル社製品)、XAC5025、60
71、7072、6084、7097、6097及び6
099(以上、チバ・ガイギー社製品)、DER662
、664、667、668及び669(以上、ダウ・ケ
ミカル社製品)等の市販品を挙げることができる。
うるエポキシ樹脂(B)としては、例えば、EPON8
28、1001、1007、1009及び1010(以
上、シェル・ケミカル社製品)、XAC5025、60
71、7072、6084、7097、6097及び6
099(以上、チバ・ガイギー社製品)、DER662
、664、667、668及び669(以上、ダウ・ケ
ミカル社製品)等の市販品を挙げることができる。
【0017】変性エポキシ樹脂(X):共重合体(a)
の少なくとも1種とエポキシ樹脂(B)との反応によっ
て得られる。この反応では主として、3級アミンの存在
下で、■共重合体(a)が有するカルボキシル基とエポ
キシ樹脂(B)中のエポキシ基とのエステル化反応、及
び■共重合体(a)が有するカルボキシル基とエポキシ
樹脂(B)中のエポキシ基と3級アミンとから形成され
る第4級アンモニウム塩化反応とのいずれか一方もしく
は■と■が同時に行なわれているものと思われる。この
反応において、共重合体(a)とエポキシ樹脂(B)と
比率は形成される変性エポキシ樹脂(X)に望まれる物
性等に応じて任意に選択できるが、たとえば、共重合体
(a)とエポキシ樹脂(B)との合計重量に基づいて、
共重合体(a)は5〜90重量%、特に10−50重量
%、エポキシ樹脂(B)は10〜95重量%、特に50
〜90重量%の範囲内とするのが好ましい。
の少なくとも1種とエポキシ樹脂(B)との反応によっ
て得られる。この反応では主として、3級アミンの存在
下で、■共重合体(a)が有するカルボキシル基とエポ
キシ樹脂(B)中のエポキシ基とのエステル化反応、及
び■共重合体(a)が有するカルボキシル基とエポキシ
樹脂(B)中のエポキシ基と3級アミンとから形成され
る第4級アンモニウム塩化反応とのいずれか一方もしく
は■と■が同時に行なわれているものと思われる。この
反応において、共重合体(a)とエポキシ樹脂(B)と
比率は形成される変性エポキシ樹脂(X)に望まれる物
性等に応じて任意に選択できるが、たとえば、共重合体
(a)とエポキシ樹脂(B)との合計重量に基づいて、
共重合体(a)は5〜90重量%、特に10−50重量
%、エポキシ樹脂(B)は10〜95重量%、特に50
〜90重量%の範囲内とするのが好ましい。
【0018】さらに上記反応を促進させるための触媒と
して、例えばジメチルエタノールアミン、ジメチルベン
ジルアミン、トリエタノールアミン、モノメチルジエタ
ノールアミン、モルフォリンなどを使用することが好ま
しく、その使用量は、共重合体(a)とエポキシ樹脂(
B)との合計固型分を基準して1〜20重量%の範囲内
が適している。
して、例えばジメチルエタノールアミン、ジメチルベン
ジルアミン、トリエタノールアミン、モノメチルジエタ
ノールアミン、モルフォリンなどを使用することが好ま
しく、その使用量は、共重合体(a)とエポキシ樹脂(
B)との合計固型分を基準して1〜20重量%の範囲内
が適している。
【0019】上記共重合体(a)とエポキシ樹脂(B)
との反応はこれらの各成分を溶解もしくは分散しうる有
機溶剤中で行なうことが好ましく、このような有機溶剤
としては例えば、n−ブチルアルコール等のアルコール
系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル等のセ
ロソルブ系溶剤が挙げられる。反応温度及び時間は樹脂
の種類、溶剤の種類等により異なるが、一般に反応温度
は40℃〜200℃、特に60℃〜150℃の範囲内が
好ましい。得られる変性エポキシ樹脂(X)の酸価は通
常10〜400、特に20〜100の範囲内にあるのが
好都合である。
との反応はこれらの各成分を溶解もしくは分散しうる有
機溶剤中で行なうことが好ましく、このような有機溶剤
としては例えば、n−ブチルアルコール等のアルコール
系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル等のセ
ロソルブ系溶剤が挙げられる。反応温度及び時間は樹脂
の種類、溶剤の種類等により異なるが、一般に反応温度
は40℃〜200℃、特に60℃〜150℃の範囲内が
好ましい。得られる変性エポキシ樹脂(X)の酸価は通
常10〜400、特に20〜100の範囲内にあるのが
好都合である。
【0020】グラフト重合体(Y):
以上に述べた如き変性エポキシ樹脂(X)に重合性不飽
和ビニルモノマー(C)をグラフト重合したものであり
、具体的には、例えば変性エポキシ樹脂(X)に、有機
溶剤溶液中で、フリーラジカル発生剤の存在下に、重合
性不飽和ビニルモノマヘ(C)をグラフト重合せしめる
ことによって製造することができる。
和ビニルモノマー(C)をグラフト重合したものであり
、具体的には、例えば変性エポキシ樹脂(X)に、有機
溶剤溶液中で、フリーラジカル発生剤の存在下に、重合
性不飽和ビニルモノマヘ(C)をグラフト重合せしめる
ことによって製造することができる。
【0021】グラフト重合しうる重合性不飽和ビニルモ
ノマー(C)は1分子中に重合性不飽和結合を1つ以上
有する化合物で、例えば、次のものが挙げられる。
ノマー(C)は1分子中に重合性不飽和結合を1つ以上
有する化合物で、例えば、次のものが挙げられる。
【0022】■メチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i
−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、t
ert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレ
ート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、アクリル酸デシル等の
如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜2
4個のアルキル又はシクロアルキルエステル;
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i
−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、t
ert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレ
ート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、アクリル酸デシル等の
如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜2
4個のアルキル又はシクロアルキルエステル;
【002
3】■スチレン、ビニルトルエン、プロピオン酸ビニル
、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル
、メタアクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルピバレート、ベオバモノマヘ(シェル化学製品)の如
きビニル単量体:
3】■スチレン、ビニルトルエン、プロピオン酸ビニル
、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル
、メタアクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルピバレート、ベオバモノマヘ(シェル化学製品)の如
きビニル単量体:
【0024】■2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等
の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜
8個のヒドロキシアルキルエステル;
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等
の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜
8個のヒドロキシアルキルエステル;
【0025】■アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド
、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキ
シメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリル
アミドの如き官能性アクリル又はメタクリルアミド;
−メチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド
、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキ
シメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリル
アミドの如き官能性アクリル又はメタクリルアミド;
【
0026】■アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸などのカルボキシル基含有ビニルモノマーな
ど。これらのモノマーは1種もしくは2種以上組合わせ
て用いることができる。
0026】■アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸などのカルボキシル基含有ビニルモノマーな
ど。これらのモノマーは1種もしくは2種以上組合わせ
て用いることができる。
【0027】また用いうるフリーラジカル発生剤として
は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パーブチルオ
クテート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル、2,
2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ハイドロクロラ
イド等が挙げられ、これらは変性エポキシ樹脂(X)と
重合性不飽和ビニルモノマー(C)との合計量100重
量部に対し一般に0.5〜20重量部の割合で使用する
ことができる。
は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パーブチルオ
クテート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル、2,
2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ハイドロクロラ
イド等が挙げられ、これらは変性エポキシ樹脂(X)と
重合性不飽和ビニルモノマー(C)との合計量100重
量部に対し一般に0.5〜20重量部の割合で使用する
ことができる。
【0028】グラフト重合における変性エポキシ樹脂(
X)とビニルモノマー(C)との構成比率は、厳密に制
限されるものではないが、一般には、該両成分の合計重
量に基づいて、変性エポキシ樹脂(X)は10〜95重
量%、特に50〜90重量%、ビニルモノマー(C)は
90〜5重量%、特に50〜10重量%の範囲内がそれ
ぞれ好ましい。
X)とビニルモノマー(C)との構成比率は、厳密に制
限されるものではないが、一般には、該両成分の合計重
量に基づいて、変性エポキシ樹脂(X)は10〜95重
量%、特に50〜90重量%、ビニルモノマー(C)は
90〜5重量%、特に50〜10重量%の範囲内がそれ
ぞれ好ましい。
【0029】グラフト重合反応は、通常有機溶剤系中で
行なうことが好ましく、使用しうる有機溶剤は変性エポ
キシ樹脂(X)、ビニルモノマー(C)、該ビニルモノ
マーから形成される重合体およびグラフト重合体(Y)
などを溶解しかつ水との混和性がすぐれている溶剤が好
ましい。そのような有機溶剤としては、例えば一般式H
O−R1 HO−Cm H2m−O−R2 及び HO−Cm H2m−O−Cm H2m−O−R2上記
各式中、R1 は炭素原子数1〜12個のアルキル基を
表わし、R2 は炭素原子数1〜6個のアルキル基を表
わし、mは1〜6の整数である、で示されるアルコール
系溶剤、セロソルブ系溶剤及びカルビトール系溶剤があ
げられる。かかる有機溶剤として具体的には、イソプロ
パノール、n−ブチルアルコール、2−ヒドロキシ−4
−メチルペンタン2−エチルヘキシルアルコール、シク
ロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
等を挙げることができる。また、水と混合しない不活性
有機溶剤もまた使用可能であり、かかる有機溶剤として
は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類などである。これらの有
機溶剤は、反応終了後に常圧又は減圧下での蒸留により
除去できるものが好ましい。
行なうことが好ましく、使用しうる有機溶剤は変性エポ
キシ樹脂(X)、ビニルモノマー(C)、該ビニルモノ
マーから形成される重合体およびグラフト重合体(Y)
などを溶解しかつ水との混和性がすぐれている溶剤が好
ましい。そのような有機溶剤としては、例えば一般式H
O−R1 HO−Cm H2m−O−R2 及び HO−Cm H2m−O−Cm H2m−O−R2上記
各式中、R1 は炭素原子数1〜12個のアルキル基を
表わし、R2 は炭素原子数1〜6個のアルキル基を表
わし、mは1〜6の整数である、で示されるアルコール
系溶剤、セロソルブ系溶剤及びカルビトール系溶剤があ
げられる。かかる有機溶剤として具体的には、イソプロ
パノール、n−ブチルアルコール、2−ヒドロキシ−4
−メチルペンタン2−エチルヘキシルアルコール、シク
ロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
等を挙げることができる。また、水と混合しない不活性
有機溶剤もまた使用可能であり、かかる有機溶剤として
は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類などである。これらの有
機溶剤は、反応終了後に常圧又は減圧下での蒸留により
除去できるものが好ましい。
【0030】グラフト重合におけるモノマー組成は、最
終の塗料及び硬化塗膜に要求される特性等により任意に
選択することができる。たとえばカルボキシル基官能性
モノマーをグラフト重合モノマー組成に組み込むことに
より、未反応のエポキシ樹脂とも反応して水性化するこ
とができ、その結果、塗料の安定性、硬化時の造膜性等
を向上させることができる。
終の塗料及び硬化塗膜に要求される特性等により任意に
選択することができる。たとえばカルボキシル基官能性
モノマーをグラフト重合モノマー組成に組み込むことに
より、未反応のエポキシ樹脂とも反応して水性化するこ
とができ、その結果、塗料の安定性、硬化時の造膜性等
を向上させることができる。
【0031】グラフト重合時の温度、時間等の反応条件
は特別なものではなく、それ自体既知の条件を用いて行
なうことができる。このグラフト重合は開始剤の存在下
での水素引き抜き反応によるものと思われる。
は特別なものではなく、それ自体既知の条件を用いて行
なうことができる。このグラフト重合は開始剤の存在下
での水素引き抜き反応によるものと思われる。
【0032】また、グラフト反応点は、エポキシ樹脂骨
格中では、3級の水素(2級の水酸基が結合している炭
素上の水素)であり、そしてビニル樹脂骨格中では、エ
チレン骨格中の分枝により生じた炭素上の3級の水素等
が考えられる。
格中では、3級の水素(2級の水酸基が結合している炭
素上の水素)であり、そしてビニル樹脂骨格中では、エ
チレン骨格中の分枝により生じた炭素上の3級の水素等
が考えられる。
【0033】最終的に得られるグラフト共重合体(Y)
は、一般に10〜400、特に20〜100の範囲内の
酸価をもつことが好ましい。
は、一般に10〜400、特に20〜100の範囲内の
酸価をもつことが好ましい。
【0034】本発明の組成物は、上記変性エポキシ樹脂
(X)および/またはグラフト重合体(Y)をそのまま
水性媒体中に分散させるか、又は塩基性化合物などで中
和してから水性媒体中に溶解もしくは分散することによ
って得られる。
(X)および/またはグラフト重合体(Y)をそのまま
水性媒体中に分散させるか、又は塩基性化合物などで中
和してから水性媒体中に溶解もしくは分散することによ
って得られる。
【0035】中和剤の塩基性化合物としてはそれ自体既
知のものが使用でき、好ましい具体例とては例えば、一
般式R3 R4 R5 N(式中、R3 およびR4
は各々アルキル部分中に1または2個の炭素原子を含有
する置換または未置換の一価アルキル基を表わし、そし
てR5 は1〜4個の炭素原子を含有する置換または未
置換の一価アルキルを表わす)で示される化合物、N−
メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、
N−メチルピロール、N−メチルピペリジン、およびそ
れらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種が
あげられる。 上記式R3R4R5 Nで示される化合物の具体例には
、次のものが挙げられる:トリメチルアミン、ジメチル
エタノールアミン(ジメチルアミノエタノール)、メチ
ルジエタノールアミン、エチルメチルエタノールアミン
、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジ
メチル−3−ヒドロキシ−1−プロピルアミン、ジメチ
ルベンジルアミン、ジメチル−2−ヒドロキシ−1−プ
ロピルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチル−1−
ヒドロキシ−2−プロピルアミンおよびそれらの混合物
。最も好ましくはトリメチルアミンまたはジメチルエタ
ノールアミンが使用される。
知のものが使用でき、好ましい具体例とては例えば、一
般式R3 R4 R5 N(式中、R3 およびR4
は各々アルキル部分中に1または2個の炭素原子を含有
する置換または未置換の一価アルキル基を表わし、そし
てR5 は1〜4個の炭素原子を含有する置換または未
置換の一価アルキルを表わす)で示される化合物、N−
メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、
N−メチルピロール、N−メチルピペリジン、およびそ
れらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種が
あげられる。 上記式R3R4R5 Nで示される化合物の具体例には
、次のものが挙げられる:トリメチルアミン、ジメチル
エタノールアミン(ジメチルアミノエタノール)、メチ
ルジエタノールアミン、エチルメチルエタノールアミン
、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジ
メチル−3−ヒドロキシ−1−プロピルアミン、ジメチ
ルベンジルアミン、ジメチル−2−ヒドロキシ−1−プ
ロピルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチル−1−
ヒドロキシ−2−プロピルアミンおよびそれらの混合物
。最も好ましくはトリメチルアミンまたはジメチルエタ
ノールアミンが使用される。
【0036】中和は通常0.1〜2の中和当量で行なう
ことが好ましい。このように中和すると変性エポキシ樹
脂(X)および/またはグラフト共重合体(Y)は自己
乳化型となり、水性媒体中に溶解もしくは分散するため
に乳化剤や分散剤などを併用する必要がなくなる。
ことが好ましい。このように中和すると変性エポキシ樹
脂(X)および/またはグラフト共重合体(Y)は自己
乳化型となり、水性媒体中に溶解もしくは分散するため
に乳化剤や分散剤などを併用する必要がなくなる。
【0037】さらに、本発明によれば、別の態様として
、上記変性エポキシ樹脂(X)および/又はグラフト重
合体(Y)の水性分散液中で、フリーラジカル発生剤の
存在下に、重合性不飽和ビニルモノマー(D)をシード
重合せしめてなる水性分散体(Z)を主成分として含有
する缶内面用水性被覆組成物もまた提供される。
、上記変性エポキシ樹脂(X)および/又はグラフト重
合体(Y)の水性分散液中で、フリーラジカル発生剤の
存在下に、重合性不飽和ビニルモノマー(D)をシード
重合せしめてなる水性分散体(Z)を主成分として含有
する缶内面用水性被覆組成物もまた提供される。
【0038】シード重合せしめうる重合性不飽和ビニル
モノマー(D)としては、前記重合性不飽和ビニルモノ
マー(C)として前述したモノマーの中から選ばれる少
なくとも1種のモノマーが適している。
モノマー(D)としては、前記重合性不飽和ビニルモノ
マー(C)として前述したモノマーの中から選ばれる少
なくとも1種のモノマーが適している。
【0039】ここで、シード重合は、水分散化した前記
変性エポキシ樹脂(X)および/又はグラフト重合体(
Y)の粒子がビニルモノマー(D)の重合場となり、該
水分散化した粒子内でモノマー(D)の重合を行なわせ
る重合である。シード重合時の温度、時間等の重合条件
は、使用するモノマー種、開始剤種等により異なるが、
普通、反応温度は約30〜約100℃の範囲内であり、
また、重合時間は30分〜10時間程度とすることがで
きる。
変性エポキシ樹脂(X)および/又はグラフト重合体(
Y)の粒子がビニルモノマー(D)の重合場となり、該
水分散化した粒子内でモノマー(D)の重合を行なわせ
る重合である。シード重合時の温度、時間等の重合条件
は、使用するモノマー種、開始剤種等により異なるが、
普通、反応温度は約30〜約100℃の範囲内であり、
また、重合時間は30分〜10時間程度とすることがで
きる。
【0040】使用できるモノマー(D)の量は一般に変
性エポキシ樹脂(X)および/またはグラフト樹脂(Y
)の固形分100重量部に対して1〜300重量部、好
ましくは10〜150重量部の範囲内が適当である。
性エポキシ樹脂(X)および/またはグラフト樹脂(Y
)の固形分100重量部に対して1〜300重量部、好
ましくは10〜150重量部の範囲内が適当である。
【0041】このようなシード重合によって得られる水
性分散体(Z)は、該組成物中の(B)成分の割合を、
変性エポキシ樹脂(X)やグラフト重合体(Y)を主成
分とする、前記の組成物に比べ低くすることができたの
で、被覆組成物のコストの低減が可能となる。
性分散体(Z)は、該組成物中の(B)成分の割合を、
変性エポキシ樹脂(X)やグラフト重合体(Y)を主成
分とする、前記の組成物に比べ低くすることができたの
で、被覆組成物のコストの低減が可能となる。
【0042】本発明によれば、さらに別の態様として、
前記変性エポキシ樹脂(X)および/またはグラフト重
合体(Y)の水性分散体を主成分とする組成物、或いは
水性分散体(Z)を主成分とする組成物に、さらにマレ
イン酸を必須モノマー成分とする重合体(E)を含有さ
せてなる缶内面用水性被覆組成物が提供される。
前記変性エポキシ樹脂(X)および/またはグラフト重
合体(Y)の水性分散体を主成分とする組成物、或いは
水性分散体(Z)を主成分とする組成物に、さらにマレ
イン酸を必須モノマー成分とする重合体(E)を含有さ
せてなる缶内面用水性被覆組成物が提供される。
【0043】該共重合体(E)はマレイン酸(無水物も
含む)を必須モノマー成分としており、マレイン酸と共
重合させうるコモノマー成分としては、例えばメチルビ
ニルエーテル、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、エチレン、酢酸ビニルな
どから選ばれる少なくとも1種のモノマーを挙げること
ができる。
含む)を必須モノマー成分としており、マレイン酸と共
重合させうるコモノマー成分としては、例えばメチルビ
ニルエーテル、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、エチレン、酢酸ビニルな
どから選ばれる少なくとも1種のモノマーを挙げること
ができる。
【0044】共重合体(D)におけるマレイン酸とコモ
ノマー成分との構成比率は、一般には、該両成分の合計
重量に基いて、マレイン酸は2〜100重量%、特に3
0〜70重量%、コモノマー成分は98〜0重量%、特
に70〜30重量%の範囲内がそれぞれ好ましい。
ノマー成分との構成比率は、一般には、該両成分の合計
重量に基いて、マレイン酸は2〜100重量%、特に3
0〜70重量%、コモノマー成分は98〜0重量%、特
に70〜30重量%の範囲内がそれぞれ好ましい。
【0045】また、共重合体(D)の使用量は、組成物
中に含まれるエポキシ樹脂(B)100重量部あたり、
通常5〜100重量部の範囲内が適している。
中に含まれるエポキシ樹脂(B)100重量部あたり、
通常5〜100重量部の範囲内が適している。
【0046】以上述べたとおり、本発明の組成物は、前
記変性エポキシ樹脂(X)およびグラフト重合体(Y)
から選ばれる1種以上の未中和物または中和物の水性分
散液、或いは前記水性分散体(Z)を必須成分とする缶
内面用水性被覆用組成物である。
記変性エポキシ樹脂(X)およびグラフト重合体(Y)
から選ばれる1種以上の未中和物または中和物の水性分
散液、或いは前記水性分散体(Z)を必須成分とする缶
内面用水性被覆用組成物である。
【0047】本発明の組成物には、さらに必要に応じて
、硬化剤(架橋剤)として水溶性もしくは疎水性の尿素
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂など(これらには
、メチロール化物やアルキルエーテル化物も含む)混合
することもできる。本発明の組成物から形成される塗膜
は加熱するとすみやかに架橋硬化し、高度の耐沸騰水性
や加工性等にすぐれた塗膜を形成することができ、さら
に、ポリエステル樹脂、ポリブタジエンおよびその変性
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−共重合体系樹脂等を混
合することも可能である。
、硬化剤(架橋剤)として水溶性もしくは疎水性の尿素
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂など(これらには
、メチロール化物やアルキルエーテル化物も含む)混合
することもできる。本発明の組成物から形成される塗膜
は加熱するとすみやかに架橋硬化し、高度の耐沸騰水性
や加工性等にすぐれた塗膜を形成することができ、さら
に、ポリエステル樹脂、ポリブタジエンおよびその変性
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−共重合体系樹脂等を混
合することも可能である。
【0048】本発明の組成物を缶内面に適用するには、
例えば、缶用金属素材の表面にが組成物を塗布し、次い
で形成塗膜を焼付ける。缶用金属素材としては、アルミ
ニウム板、鉄鋼板及び鉄鋼板の表面に亜鉛、クロム、ス
ズ、アルミニウム等をメッキしたメッキ鋼板、或いは鉄
鋼板の表面をクロム酸、リン酸鉄、リン酸亜鉛で化成処
理した処理鋼板等が使用できる。また、缶用金属素材の
表面に該組成物を塗布する手段としては例えば、ロール
コーティング、スプレー塗装、刷毛塗り、吹付け塗り、
浸漬、電着等でのそれ自体既知の任意の方法を用いるこ
とができる。塗布膜厚は通常5〜30μmの範囲で充分
と思われる。塗膜の焼付けは一般に、約150〜約22
0℃、好ましくは約180〜約200℃で60〜600
秒、好ましくは約60〜300秒間行なわれる。
例えば、缶用金属素材の表面にが組成物を塗布し、次い
で形成塗膜を焼付ける。缶用金属素材としては、アルミ
ニウム板、鉄鋼板及び鉄鋼板の表面に亜鉛、クロム、ス
ズ、アルミニウム等をメッキしたメッキ鋼板、或いは鉄
鋼板の表面をクロム酸、リン酸鉄、リン酸亜鉛で化成処
理した処理鋼板等が使用できる。また、缶用金属素材の
表面に該組成物を塗布する手段としては例えば、ロール
コーティング、スプレー塗装、刷毛塗り、吹付け塗り、
浸漬、電着等でのそれ自体既知の任意の方法を用いるこ
とができる。塗布膜厚は通常5〜30μmの範囲で充分
と思われる。塗膜の焼付けは一般に、約150〜約22
0℃、好ましくは約180〜約200℃で60〜600
秒、好ましくは約60〜300秒間行なわれる。
【0049】次に本発明を実施例、比較例により、さら
に具体的に説明する。実施例、比較例中の部及び%は特
にことわらない限り重量に基づくものである。
に具体的に説明する。実施例、比較例中の部及び%は特
にことわらない限り重量に基づくものである。
【0050】I.製造例
1.変性エポキシ樹脂(X)
(X−1):エチレン/無水マレイン酸=95/5(重
量比)共重合体に脱イオン水1部を加えて開環させた共
重合体(酸価57)101部、エポン1010(シェル
化学製、商品名、エポキシ樹脂、数平均分子量5500
、エポキシ基約1個/1分子、不揮発分100%)27
部およびn−ブタノール190部を反応容器に仕込み、
100℃に加熱して各成分を溶解させてから、ジメチル
アミノエタノールを2部添加し、同温度で2時間維持し
た。エポキシ基の殆どは反応し、得られた樹脂の酸価は
43で、不揮発分は40%であった。
量比)共重合体に脱イオン水1部を加えて開環させた共
重合体(酸価57)101部、エポン1010(シェル
化学製、商品名、エポキシ樹脂、数平均分子量5500
、エポキシ基約1個/1分子、不揮発分100%)27
部およびn−ブタノール190部を反応容器に仕込み、
100℃に加熱して各成分を溶解させてから、ジメチル
アミノエタノールを2部添加し、同温度で2時間維持し
た。エポキシ基の殆どは反応し、得られた樹脂の酸価は
43で、不揮発分は40%であった。
【0051】2.グラフト重合体(Y)(Y−1):上
記変性エポキシ樹脂液(X−1)200部を100℃に
加熱し、重合性不飽和ビニルモノマー(C−1)[メタ
クリル10%、スチレン80%およびエチルアクリレー
ト10%からなる]20部と過酸化ベンゾイル1部とか
らなる混合物を5時間を要して滴下後、2時間熟成させ
てグラフト重合を行なった。得られたグラフト重合体の
不揮発分は45%であった。
記変性エポキシ樹脂液(X−1)200部を100℃に
加熱し、重合性不飽和ビニルモノマー(C−1)[メタ
クリル10%、スチレン80%およびエチルアクリレー
ト10%からなる]20部と過酸化ベンゾイル1部とか
らなる混合物を5時間を要して滴下後、2時間熟成させ
てグラフト重合を行なった。得られたグラフト重合体の
不揮発分は45%であった。
【0052】3.水性分散体(Z)
(Z−1):上記グラフト重合体液(Y−1)222部
にジメチルアミノエタノールを加えて完全中和してから
水を加えて不揮発分20%の水分散液に調製した。次い
で、減圧によって該水分散液中に含まれるn−ブタノー
ルの殆どを除去した。不揮発分は26%であった。n−
ブタノールを除去した水分散液を80℃に加熱してから
、重合性不飽和ビニルモノマー[スチレン/n−ブチル
アクリレート=80/20(重量比)からなる)30部
およびアゾイソブチロニトリル1部を3時間を要して滴
下し、同温度で3時間熟成してシード重合を行なった。
にジメチルアミノエタノールを加えて完全中和してから
水を加えて不揮発分20%の水分散液に調製した。次い
で、減圧によって該水分散液中に含まれるn−ブタノー
ルの殆どを除去した。不揮発分は26%であった。n−
ブタノールを除去した水分散液を80℃に加熱してから
、重合性不飽和ビニルモノマー[スチレン/n−ブチル
アクリレート=80/20(重量比)からなる)30部
およびアゾイソブチロニトリル1部を3時間を要して滴
下し、同温度で3時間熟成してシード重合を行なった。
【0053】II.実施例
上記製造例で得た変性エポキシ樹脂(X−1)およびグ
ラフト重合体(Y−1)のそれぞれにジメチルアミノエ
タノールを加えて完全中和し、次いで水を加えて分散し
たのち、n−ブタノールを減圧除去して本発明が目的と
する組成物を得た。また、前記水性分散体(Z−1)は
そのまま本発明の組成物として用いることができる。
ラフト重合体(Y−1)のそれぞれにジメチルアミノエ
タノールを加えて完全中和し、次いで水を加えて分散し
たのち、n−ブタノールを減圧除去して本発明が目的と
する組成物を得た。また、前記水性分散体(Z−1)は
そのまま本発明の組成物として用いることができる。
【0054】III.性能試験結果
上記実施例で得た組成物及びさらに該組成物に硬化剤を
配合してなる組成物を、バーコーターを用いて、アルミ
ニウム板(アルミ5052材)およびブリキ板(#25
電気メッキブリキ)のそれぞれに硬化塗膜に基づいて1
5〜20μになるように塗装し、180℃で25分間加
熱して塗膜を硬化せしめた。該硬化塗膜の性能試験結果
は下記表−1のとおりである。
配合してなる組成物を、バーコーターを用いて、アルミ
ニウム板(アルミ5052材)およびブリキ板(#25
電気メッキブリキ)のそれぞれに硬化塗膜に基づいて1
5〜20μになるように塗装し、180℃で25分間加
熱して塗膜を硬化せしめた。該硬化塗膜の性能試験結果
は下記表−1のとおりである。
【表1】
【0055】表−1において、
(*1)比較例
(X−1′):前記(X−1)におけるエチレン/無水
マレイン酸共重合体100部をアクリル酸/スチレン/
エチルアクリレート=7.3/60/32.7(重量%
)からなる共重合体100部に代替し、それ以外は(X
−1)と同様に反応し、次いでジメチルアミノエタノー
ルで中和し、水を加えて分散したのち、n−ブタノール
を減圧除去した。
マレイン酸共重合体100部をアクリル酸/スチレン/
エチルアクリレート=7.3/60/32.7(重量%
)からなる共重合体100部に代替し、それ以外は(X
−1)と同様に反応し、次いでジメチルアミノエタノー
ルで中和し、水を加えて分散したのち、n−ブタノール
を減圧除去した。
【0056】(Y−1′):前記(Y−1)における(
X−1)を上記(X−1′)に固形分に基づいて同量代
替し、それ以外はすべて(Y−1)と同様にグラフト重
合せしめ、次いでジメチルアミノエタノールで中和し、
水を加えて分散したのち、n−ブタノールを減圧除去し
た。 (z−1′):前記(Z−1)における(Y−1)を上
記(Y−1′)に固形分に基づいて同量代替し、それ以
外はすべて(Z−1)と同様にシード重合を行なった。
X−1)を上記(X−1′)に固形分に基づいて同量代
替し、それ以外はすべて(Y−1)と同様にグラフト重
合せしめ、次いでジメチルアミノエタノールで中和し、
水を加えて分散したのち、n−ブタノールを減圧除去し
た。 (z−1′):前記(Z−1)における(Y−1)を上
記(Y−1′)に固形分に基づいて同量代替し、それ以
外はすべて(Z−1)と同様にシード重合を行なった。
【0057】(*2)組成物
各実施例は同欄に記載の(X−1)…(Z−1)のそれ
ぞれを用いてなる水性被覆組成物であり、それによって
形成された塗膜の性能も併記した。
ぞれを用いてなる水性被覆組成物であり、それによって
形成された塗膜の性能も併記した。
【0058】(*3)硬化剤
同欄において「○」を付した実施例は、硬化剤として、
ヒタノール4010(日立化成工業(株)製商品名、フ
ェノール樹脂)を、組成物中の樹脂固形分100重量部
あたり、固形分に基いて10重量部配合したことを示す
。なお、同欄の「−」は硬化剤を配合していないことを
示す。
ヒタノール4010(日立化成工業(株)製商品名、フ
ェノール樹脂)を、組成物中の樹脂固形分100重量部
あたり、固形分に基いて10重量部配合したことを示す
。なお、同欄の「−」は硬化剤を配合していないことを
示す。
【0059】(*4)フレーバー性:各々の水性被覆組
成物を缶内面に塗装し、200℃で5分間加熱して硬化
させたのち(膜厚15〜20μ)、この缶内に、活性炭
処理した水道水を250ml充填し巻締を行い、100
℃−30分の殺菌処理後、37℃で3ヶ月保存した後風
味試験を実施。 ◎ 全く変化なし ○ ごくわずか変化あり △ 少し変化あり × 著しく変化あり
成物を缶内面に塗装し、200℃で5分間加熱して硬化
させたのち(膜厚15〜20μ)、この缶内に、活性炭
処理した水道水を250ml充填し巻締を行い、100
℃−30分の殺菌処理後、37℃で3ヶ月保存した後風
味試験を実施。 ◎ 全く変化なし ○ ごくわずか変化あり △ 少し変化あり × 著しく変化あり
【0060】(*5)衛生性:(*4)で得た缶内にイ
オン交換水250mlを充填し、巻締を行い、60℃−
30分および100℃−30分の処理を行い、食品衛生
法記載の試験法に準じて測定した。過マンガン酸カリウ
ムの消費量をppmで示した。 ◎ 0〜2未満 ○ 2〜5未満 △ 5〜10未満 × 10以上
オン交換水250mlを充填し、巻締を行い、60℃−
30分および100℃−30分の処理を行い、食品衛生
法記載の試験法に準じて測定した。過マンガン酸カリウ
ムの消費量をppmで示した。 ◎ 0〜2未満 ○ 2〜5未満 △ 5〜10未満 × 10以上
【0061】(*6)耐酸性:10%の塩酸水溶液に試
験片を浸漬し、20℃1週間浸漬後の塗膜を目視で評価
を行った。 ◎ 全く異常なし ○ ごくわずか白化 △ 少し白化 × 著しく白化
験片を浸漬し、20℃1週間浸漬後の塗膜を目視で評価
を行った。 ◎ 全く異常なし ○ ごくわずか白化 △ 少し白化 × 著しく白化
【0062】(*7)耐アルカリ性:10%のカセイソ
ーダ水溶液に試験片を浸漬し、20℃1週間浸漬後の塗
膜を目視で評価を行った。評価は(*6)と同じ。
ーダ水溶液に試験片を浸漬し、20℃1週間浸漬後の塗
膜を目視で評価を行った。評価は(*6)と同じ。
【0063】(*8)耐食性:塗板を150×70mm
に切断し、塗膜を素地に達するようにクロスカットした
後、塩水噴霧試験装置に入れる。3週間後に試料を取り
出し、カット部からの片側の錆発生巾を測定した。 ◎ 0〜1mm未満 ○ 1〜2mm未満 △ 2〜6mm未満 × 6mm以上
に切断し、塗膜を素地に達するようにクロスカットした
後、塩水噴霧試験装置に入れる。3週間後に試料を取り
出し、カット部からの片側の錆発生巾を測定した。 ◎ 0〜1mm未満 ○ 1〜2mm未満 △ 2〜6mm未満 × 6mm以上
【0064】(*9)耐水性:(*8)と同様にクロス
カット後、100℃−30分で水中に浸漬した後、塗膜
を室温で乾燥し、その塗面にセロハン粘着テープを貼着
し、強く剥離したのちの塗面の評価を行った。 ◎ 全く剥離なし ○ ごくわずか剥離 △ 少し剥離 × 著しく剥離
カット後、100℃−30分で水中に浸漬した後、塗膜
を室温で乾燥し、その塗面にセロハン粘着テープを貼着
し、強く剥離したのちの塗面の評価を行った。 ◎ 全く剥離なし ○ ごくわずか剥離 △ 少し剥離 × 著しく剥離
【0065】(*10)付着性:塗膜面にナイフを使用
して約1.5mmの巾で縦、横それぞれ11本の切り目
をゴバン目状に入れる。24mm巾のセロハン粘着テー
プを密着させ、強く剥離した時の残存付着ゴバン目の数
を観察した。 ◎:100コ ○:95〜99コ △:80〜94コ ×:79コ以下
して約1.5mmの巾で縦、横それぞれ11本の切り目
をゴバン目状に入れる。24mm巾のセロハン粘着テー
プを密着させ、強く剥離した時の残存付着ゴバン目の数
を観察した。 ◎:100コ ○:95〜99コ △:80〜94コ ×:79コ以下
【0066】(*11)衝撃加工性:塗板を大きさ40
mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして、試験部位
が40mmになるように2つ折りにし、この2つ折りに
した試験片の間に厚さ0.23mmのテインフリースチ
ールを2枚はさみ、3kgの荷重を高さ42cmから折
り曲げ部に落下させた後、折り曲げ先端部に6.5V×
6秒通電し、加工部2cm巾の電流値(mA)を測定し
た。 ◎ 0〜1未満 ○ 1〜3未満 △ 3〜10未満 × 10以上
mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして、試験部位
が40mmになるように2つ折りにし、この2つ折りに
した試験片の間に厚さ0.23mmのテインフリースチ
ールを2枚はさみ、3kgの荷重を高さ42cmから折
り曲げ部に落下させた後、折り曲げ先端部に6.5V×
6秒通電し、加工部2cm巾の電流値(mA)を測定し
た。 ◎ 0〜1未満 ○ 1〜3未満 △ 3〜10未満 × 10以上
【0067】(*12)硬化性:被塗物から分離させた
硬化塗膜をメチルエチルケトン還流下で2時間溶剤抽出
を行い、溶剤抽出後の残存塗膜の重量変化により評価し
た。 ◎ 100〜97% ○ 96〜90% △ 89〜80% × 79%以下
硬化塗膜をメチルエチルケトン還流下で2時間溶剤抽出
を行い、溶剤抽出後の残存塗膜の重量変化により評価し
た。 ◎ 100〜97% ○ 96〜90% △ 89〜80% × 79%以下
【0068】(*13)引張り加工性:硬化塗膜の伸び
率をテンシロン(「テンシロンUTN II−20」
、東洋ボールドウィン(株)製、商品名)を使用して測
定した。なお引張り速度は20℃4mm/minで行い
、10試料の伸び率の平均値より加工性の評価を行った
。 伸び率 0〜10%:× 11%〜20%:△ 21〜30%:○ 31%以上:◎
率をテンシロン(「テンシロンUTN II−20」
、東洋ボールドウィン(株)製、商品名)を使用して測
定した。なお引張り速度は20℃4mm/minで行い
、10試料の伸び率の平均値より加工性の評価を行った
。 伸び率 0〜10%:× 11%〜20%:△ 21〜30%:○ 31%以上:◎
【0069】(*14)
A:アルミニウムに塗装した試験板の性能B:ブリキに
塗装した試験板の性能
塗装した試験板の性能
Claims (2)
- 【請求項1】 カルボキシル基含有樹脂(A)とエポ
キシ樹脂(B)とを反応させてなる変性エポキシ樹脂(
X)及び/又は該変性エポキシ樹脂(X)に重合性不飽
和ビニルモノマー(C)をグラフト重合してなるグラフ
ト重合体(Y)の水性分散体を主成分として含有し、か
つ、上記カルボキシル基含有樹脂(A)が、無水マレイ
ン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも
1種以上のα、β−エチレン性不飽和基含有多塩基酸モ
ノマーとエチレン列炭化水素とを必須モノマー成分とす
る共重合体(a)であることを特徴とする缶内面用水性
被覆組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の変性エポキシ樹脂(
X)及び/又はグラフト重合体(Y)の水性分散体中で
重合性不飽和ビニルモノマー(D)をシード重合してな
る水性分散体(Z)を主成分として含有することを特徴
とする缶内面用水性被覆組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11262691A JPH04318085A (ja) | 1991-04-17 | 1991-04-17 | 缶内面用水性被覆組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11262691A JPH04318085A (ja) | 1991-04-17 | 1991-04-17 | 缶内面用水性被覆組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04318085A true JPH04318085A (ja) | 1992-11-09 |
Family
ID=14591446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11262691A Pending JPH04318085A (ja) | 1991-04-17 | 1991-04-17 | 缶内面用水性被覆組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04318085A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012052039A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Hosokawa Yoko Co Ltd | 異種材料との熱接着性を有するポリオレフィン系樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-04-17 JP JP11262691A patent/JPH04318085A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012052039A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Hosokawa Yoko Co Ltd | 異種材料との熱接着性を有するポリオレフィン系樹脂組成物 |
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