JPH04297550A - 耐遅れ破壊性浸炭肌焼鋼とその製造法 - Google Patents
耐遅れ破壊性浸炭肌焼鋼とその製造法Info
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- JPH04297550A JPH04297550A JP41601290A JP41601290A JPH04297550A JP H04297550 A JPH04297550 A JP H04297550A JP 41601290 A JP41601290 A JP 41601290A JP 41601290 A JP41601290 A JP 41601290A JP H04297550 A JPH04297550 A JP H04297550A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車,建設機械等
における“ネジ部が存在する浸炭部品”用として好適な
浸炭肌焼鋼並びにその製造法に関するものである。
における“ネジ部が存在する浸炭部品”用として好適な
浸炭肌焼鋼並びにその製造法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、自動車,土木建設機械
,産業機械等における摩耗が生じやすい部位には浸炭処
理を施した浸炭肌焼鋼部材が重宝されている。この“浸
炭処理”は、例えばCO,N2 ,H2 等のガス雰囲
気中で熱処理を施して鋼の表層部に炭素を浸入させ、該
表層部の炭素濃度(炭素含有量)を高めることにより焼
入れ後の硬さを増加させる熱処理で、耐摩耗性,疲労特
性の向上を目的とした処理であることは周知であるが、
一方で、鋼材に浸炭処理を施すと“遅れ破壊”を生じや
すくなると言う事実がある。
,産業機械等における摩耗が生じやすい部位には浸炭処
理を施した浸炭肌焼鋼部材が重宝されている。この“浸
炭処理”は、例えばCO,N2 ,H2 等のガス雰囲
気中で熱処理を施して鋼の表層部に炭素を浸入させ、該
表層部の炭素濃度(炭素含有量)を高めることにより焼
入れ後の硬さを増加させる熱処理で、耐摩耗性,疲労特
性の向上を目的とした処理であることは周知であるが、
一方で、鋼材に浸炭処理を施すと“遅れ破壊”を生じや
すくなると言う事実がある。
【0003】特に、引張応力が生じる場合にはその傾向
は更に著しくなるため、引張応力の発生が避けられない
ボルト類(ネジ部を有する部品)では上述のような浸炭
処理が誘因となる遅れ破壊が大きな問題となっている。 従って、ネジ部を有する(締付け時に引張応力が発生)
浸炭部品においては、ネジ部の浸炭を防止するために浸
炭防止剤を塗布したり、ネジ部にカバ−を設けて浸炭防
止を図る等の工夫が強いられていた。しかしながら、浸
炭防止に係わるこれらの工夫は著しい作業性の低下につ
ながるものであり、しかも製造コストの増加を招くもの
であることから、その改善策が切望されていた。
は更に著しくなるため、引張応力の発生が避けられない
ボルト類(ネジ部を有する部品)では上述のような浸炭
処理が誘因となる遅れ破壊が大きな問題となっている。 従って、ネジ部を有する(締付け時に引張応力が発生)
浸炭部品においては、ネジ部の浸炭を防止するために浸
炭防止剤を塗布したり、ネジ部にカバ−を設けて浸炭防
止を図る等の工夫が強いられていた。しかしながら、浸
炭防止に係わるこれらの工夫は著しい作業性の低下につ
ながるものであり、しかも製造コストの増加を招くもの
であることから、その改善策が切望されていた。
【0004】このようなことから、本発明が目的とした
のは、コスト高を招く煩雑な作業等を要することなく、
十分な耐摩耗性(硬さ)が確保でき、かつ耐遅れ破壊性
にも優れた浸炭肌焼鋼を実現する手立てを見出すことで
あった。
のは、コスト高を招く煩雑な作業等を要することなく、
十分な耐摩耗性(硬さ)が確保でき、かつ耐遅れ破壊性
にも優れた浸炭肌焼鋼を実現する手立てを見出すことで
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記目的を達成すべく数多くの実験を繰り返しながら研究
を重ねた結果、次のような知見を得ることができた。 (a) 浸炭肌焼鋼の構成成分として特にMo及びVの
同時添加を図ると共に他の成分の含有割合を適正に調整
した場合には、 所望の耐摩耗性(硬さ)並びに耐遅れ
破壊性を兼備させることのできる浸炭肌焼鋼が得られる
こと,(b) 更に、前記化学成分組成の鋼を浸炭焼入
れした後に、焼戻し温度を従来よりも高い温度範囲に制
御しつつ焼戻し処理を行うと、十分に優れた耐摩耗性(
硬さ)及び耐遅れ破壊性を兼ね備えた鋼材が安定して実
現されること。
記目的を達成すべく数多くの実験を繰り返しながら研究
を重ねた結果、次のような知見を得ることができた。 (a) 浸炭肌焼鋼の構成成分として特にMo及びVの
同時添加を図ると共に他の成分の含有割合を適正に調整
した場合には、 所望の耐摩耗性(硬さ)並びに耐遅れ
破壊性を兼備させることのできる浸炭肌焼鋼が得られる
こと,(b) 更に、前記化学成分組成の鋼を浸炭焼入
れした後に、焼戻し温度を従来よりも高い温度範囲に制
御しつつ焼戻し処理を行うと、十分に優れた耐摩耗性(
硬さ)及び耐遅れ破壊性を兼ね備えた鋼材が安定して実
現されること。
【0006】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたもので、「浸炭肌焼鋼を、C:0.10〜0.3
0%(以降、 成分割合を表す%は重量割合とする),
Si:0.50%以下, Mn:2.00%以下
, Mo:0.30〜2.00%,V:0.10
〜0.50%を含有すると共に、Cu:1.0 %以下
, Ni:3.50%以下, C
r:5.0 %以下,Al:0.010 〜0.100
%, Ti:0.010 〜0.100
%,B:0.0003〜0.0050%,
Nb:0.010 〜0.100 %,Pb:0.50
%以下の1種以上をも含み、 残部がFe及び不可避的
不純物から成る化学成分組成に構成することによって、
優れた耐遅れ破壊性を備えしめ得るようにした点」に
特徴を有し、更には「上記化学成分組成の鋼を浸炭焼入
れした後、 焼戻し処理を400〜450℃の温度域で
行うことによって、 耐遅れ破壊性に優れた浸炭肌焼鋼
が安定して実現されるようにした点」をも特徴としてい
る。
されたもので、「浸炭肌焼鋼を、C:0.10〜0.3
0%(以降、 成分割合を表す%は重量割合とする),
Si:0.50%以下, Mn:2.00%以下
, Mo:0.30〜2.00%,V:0.10
〜0.50%を含有すると共に、Cu:1.0 %以下
, Ni:3.50%以下, C
r:5.0 %以下,Al:0.010 〜0.100
%, Ti:0.010 〜0.100
%,B:0.0003〜0.0050%,
Nb:0.010 〜0.100 %,Pb:0.50
%以下の1種以上をも含み、 残部がFe及び不可避的
不純物から成る化学成分組成に構成することによって、
優れた耐遅れ破壊性を備えしめ得るようにした点」に
特徴を有し、更には「上記化学成分組成の鋼を浸炭焼入
れした後、 焼戻し処理を400〜450℃の温度域で
行うことによって、 耐遅れ破壊性に優れた浸炭肌焼鋼
が安定して実現されるようにした点」をも特徴としてい
る。
【0007】ここで、本発明により耐遅れ破壊性に優れ
た浸炭肌焼鋼が実現される機構を、本発明者等の研究過
程をたどりながらより詳細に説明する。
た浸炭肌焼鋼が実現される機構を、本発明者等の研究過
程をたどりながらより詳細に説明する。
【作用】まず、本発明者等は“浸炭処理”と“遅れ破壊
”との関係について基礎的な検討を重ねたところ、次の
ような事実が解明された。即ち、浸炭肌焼鋼に浸炭処理
を施すと、その浸炭処理時に鋼中へ水素が侵入する。 そして、浸炭肌焼鋼の遅れ破壊はこの“浸炭処理時に侵
入した水素”に起因するものであり、侵入した水素は通
常の焼戻し(200℃)を施しても完全に放散されるこ
とはない。
”との関係について基礎的な検討を重ねたところ、次の
ような事実が解明された。即ち、浸炭肌焼鋼に浸炭処理
を施すと、その浸炭処理時に鋼中へ水素が侵入する。 そして、浸炭肌焼鋼の遅れ破壊はこの“浸炭処理時に侵
入した水素”に起因するものであり、侵入した水素は通
常の焼戻し(200℃)を施しても完全に放散されるこ
とはない。
【0008】もっとも、200℃で焼戻しを実施した場
合、該焼戻しによって侵入水素量の約65%までは減少
する。但し、それ以降は時間が経過しても減少すること
は殆ど無く、安定した状態で半永久的に残留することと
なる。ところが、本発明者等により、浸炭後、従来常識
から掛け離れた400℃以上の高い温度で焼戻しを施し
た場合には侵入水素が殆ど放散されてしまい、浸炭処理
前の状態まで戻ることが見出された。
合、該焼戻しによって侵入水素量の約65%までは減少
する。但し、それ以降は時間が経過しても減少すること
は殆ど無く、安定した状態で半永久的に残留することと
なる。ところが、本発明者等により、浸炭後、従来常識
から掛け離れた400℃以上の高い温度で焼戻しを施し
た場合には侵入水素が殆ど放散されてしまい、浸炭処理
前の状態まで戻ることが見出された。
【0009】なお、焼戻し温度によって水素の放散率が
異なる理由は以下の通りと考えられた。 (1) 浸炭後、直ちに200℃近傍で焼戻しをする
場合には、焼戻し処理中に浸炭層でχ(カイ)炭化物(
Fe2■3Cなる化学式で示される特殊炭化物)が極め
て 微細に析出する。そして、このχ炭化物と地
鉄の界面に水素がトラップされ 、焼戻処理中に
水素が完全に拡散放出することができなくなる。 (2) 一方、400℃以上の温度で焼戻しを行う
とχ炭化物は析出せず、θ炭化物(セメンタイト Fe
3C)が析出する。このθ炭化物は地鉄との整合性が良
好であるため、水素が界面にトラップされることはなく
、加熱処理によって容易に拡散放出される。
異なる理由は以下の通りと考えられた。 (1) 浸炭後、直ちに200℃近傍で焼戻しをする
場合には、焼戻し処理中に浸炭層でχ(カイ)炭化物(
Fe2■3Cなる化学式で示される特殊炭化物)が極め
て 微細に析出する。そして、このχ炭化物と地
鉄の界面に水素がトラップされ 、焼戻処理中に
水素が完全に拡散放出することができなくなる。 (2) 一方、400℃以上の温度で焼戻しを行う
とχ炭化物は析出せず、θ炭化物(セメンタイト Fe
3C)が析出する。このθ炭化物は地鉄との整合性が良
好であるため、水素が界面にトラップされることはなく
、加熱処理によって容易に拡散放出される。
【0009】しかし、400℃以上の温度で焼戻しを実
施すると浸炭層の硬さがビッカ−ス硬さで800以下に
低下してしまい、本来の浸炭肌焼鋼の主目的である耐摩
耗性が劣化すると言う問題が生じた。そこで、400℃
以上で焼戻しをしても硬度低下を生じにくい浸炭肌焼鋼
の成分系について更に検討を行ったところ、「MoとV
を同時添加すると、 Mo,Vの単独添加の場合には期
待できなかった程の著しい焼戻し軟化抵抗の向上がなさ
れ、400℃以上での焼戻しによっても格別な硬度低下
(耐摩耗性の低下)を生ぜずに耐遅れ破壊性が著しく向
上する鋼が得られる」ことを知見した訳である。
施すると浸炭層の硬さがビッカ−ス硬さで800以下に
低下してしまい、本来の浸炭肌焼鋼の主目的である耐摩
耗性が劣化すると言う問題が生じた。そこで、400℃
以上で焼戻しをしても硬度低下を生じにくい浸炭肌焼鋼
の成分系について更に検討を行ったところ、「MoとV
を同時添加すると、 Mo,Vの単独添加の場合には期
待できなかった程の著しい焼戻し軟化抵抗の向上がなさ
れ、400℃以上での焼戻しによっても格別な硬度低下
(耐摩耗性の低下)を生ぜずに耐遅れ破壊性が著しく向
上する鋼が得られる」ことを知見した訳である。
【00010】上述のように、本発明は、焼戻し処理に
おける炭化物析出と水素捕獲との関連性を詳細に究明す
ると共に、これに基づいて焼戻し軟化抵抗の高い新たな
成分系の浸炭肌焼鋼を見出し、耐摩耗性等の必要性能を
損なうことなく浸炭部品の水素による遅れ破壊を防止で
きるようにしたものであるが、以下、本発明において鋼
の化学成分組成,焼戻し温度を前記の如くに数値限定し
た理由を更に詳細に説明する。
おける炭化物析出と水素捕獲との関連性を詳細に究明す
ると共に、これに基づいて焼戻し軟化抵抗の高い新たな
成分系の浸炭肌焼鋼を見出し、耐摩耗性等の必要性能を
損なうことなく浸炭部品の水素による遅れ破壊を防止で
きるようにしたものであるが、以下、本発明において鋼
の化学成分組成,焼戻し温度を前記の如くに数値限定し
た理由を更に詳細に説明する。
【00011】A) 鋼の化学成分組成C
Cには、鋼に所定の静的強度を付与する作用がある反面
、靱性を劣化させる元素でもある。特に、浸炭処理を施
す肌焼鋼においては静的強度と靱性のバランスが必要で
あるが、C含有量が0.10%未満では所望の静的強度
が確保できず、一方0.30%を超えてCを含有させる
と靱性の低下を招く。従って、C含有量は0.10〜0
.30%と定めた。
、靱性を劣化させる元素でもある。特に、浸炭処理を施
す肌焼鋼においては静的強度と靱性のバランスが必要で
あるが、C含有量が0.10%未満では所望の静的強度
が確保できず、一方0.30%を超えてCを含有させる
と靱性の低下を招く。従って、C含有量は0.10〜0
.30%と定めた。
【00012】Si
Siは鋼の脱酸に必要な元素であると共に、鋼に所定の
静的強度を付与する作用を有している。しかし、0.5
0%を超えて含有させると浸炭性が劣化して浸炭処理を
条件とする肌焼鋼においては不利となる上、浸炭異常層
の生成が著しくなって最表面の硬度軟化を招くようにな
る。従って、Si含有量は0.50%以下とした。
静的強度を付与する作用を有している。しかし、0.5
0%を超えて含有させると浸炭性が劣化して浸炭処理を
条件とする肌焼鋼においては不利となる上、浸炭異常層
の生成が著しくなって最表面の硬度軟化を招くようにな
る。従って、Si含有量は0.50%以下とした。
【00013】Mn
Mnも、Siと同様、鋼の脱酸処理に必要な元素である
が、同時に焼入れ性を付与するのに必要な元素でもある
。しかし、2.00%を超えて含有させると高温軟化抵
抗が低下し、静的強度の低下を招くようになる。従って
、Mn含有量は2.00%以下と定めた。
が、同時に焼入れ性を付与するのに必要な元素でもある
。しかし、2.00%を超えて含有させると高温軟化抵
抗が低下し、静的強度の低下を招くようになる。従って
、Mn含有量は2.00%以下と定めた。
【00014】Mo
Moは、鋼に所定の焼入れ性を与え、静的強度及び靱性
を向上させるのに必要な元素であるが、同時にVと共に
高温軟化抵抗を向上させる重要な作用をも発揮する。そ
して、400℃以上の焼戻し処理後でも所望の浸炭層の
硬さ(Hv800以上)を確保するためには、所定量の
Vと共にMoを0.30%以上含有させる必要がある。 しかし、2.00%を超えてMoを含有させても上記効
果が飽和してしまって経済性を損なうことから、Mo含
有量の上限は2.00%と定めた。
を向上させるのに必要な元素であるが、同時にVと共に
高温軟化抵抗を向上させる重要な作用をも発揮する。そ
して、400℃以上の焼戻し処理後でも所望の浸炭層の
硬さ(Hv800以上)を確保するためには、所定量の
Vと共にMoを0.30%以上含有させる必要がある。 しかし、2.00%を超えてMoを含有させても上記効
果が飽和してしまって経済性を損なうことから、Mo含
有量の上限は2.00%と定めた。
【00015】V
Vは、Moと共に浸炭肌焼鋼の高温軟化抵抗を向上させ
る作用を有している。そして、400℃以上の焼戻し処
理後でも所望の浸炭層の硬さ(Hv 800以上)を確
保するためには、0.30%以上のMoと共にVを0.
10%以上含有させる必要がある。しかし、0.50%
を超えてVを含有させても上記効果が飽和してしまって
経済性を損なうことから、V含有量の上限は0.50%
と定めた。
る作用を有している。そして、400℃以上の焼戻し処
理後でも所望の浸炭層の硬さ(Hv 800以上)を確
保するためには、0.30%以上のMoと共にVを0.
10%以上含有させる必要がある。しかし、0.50%
を超えてVを含有させても上記効果が飽和してしまって
経済性を損なうことから、V含有量の上限は0.50%
と定めた。
【00016】Cu,Ni,Cr,Al,Nb,Ti,
B及びPbこれらの成分は、各々、浸炭肌焼鋼の所望特
性を更に改善する作用を有しているので1種又は2種以
上を所定量添加するのが好ましいが、以下にそれぞれの
成分の添加量を限定した理由を説明する。
B及びPbこれらの成分は、各々、浸炭肌焼鋼の所望特
性を更に改善する作用を有しているので1種又は2種以
上を所定量添加するのが好ましいが、以下にそれぞれの
成分の添加量を限定した理由を説明する。
【00017】a) Cu
Cuは鋼の焼入れ性と静的強度を上昇させるのに有効な
元素である。その効果を発揮させるために適宜添加すれ
ば良いが、1%を超えて含有させると鋼の熱間加工性を
劣化させたり、静的強度も逆に低下するようになること
から、Cu含有量の上限を1.0%と定めた。
元素である。その効果を発揮させるために適宜添加すれ
ば良いが、1%を超えて含有させると鋼の熱間加工性を
劣化させたり、静的強度も逆に低下するようになること
から、Cu含有量の上限を1.0%と定めた。
【00018】b) Ni
Niも、Cuと同様、鋼に所定の焼入れ性を付与し静的
強度を上昇させるのに有効である上、鋼の靱性を向上さ
せる作用をも有しているので、所定の焼入れ性と靱性を
確保するため任意に添加することができる。しかし、
3.5%を超えて含有させてもその効果は飽和し経済性
を損なうことから、Ni含有量の上限を 3.5%と定
めた
強度を上昇させるのに有効である上、鋼の靱性を向上さ
せる作用をも有しているので、所定の焼入れ性と靱性を
確保するため任意に添加することができる。しかし、
3.5%を超えて含有させてもその効果は飽和し経済性
を損なうことから、Ni含有量の上限を 3.5%と定
めた
【00019】c) Cr
Crは鋼に焼入れ性を付与するのに有効な添加元素であ
る。また、浸炭特性を向上させることから、一般の肌焼
鋼には添加することが多い。しかし、 5.0%を超え
て含有させると、Cr酸化物が生成して逆に浸炭性を低
下させる。従って、Cr含有量の上限を 5.0%と定
めた。
る。また、浸炭特性を向上させることから、一般の肌焼
鋼には添加することが多い。しかし、 5.0%を超え
て含有させると、Cr酸化物が生成して逆に浸炭性を低
下させる。従って、Cr含有量の上限を 5.0%と定
めた。
【00020】d) Al
Alは高温の結晶粒を微細化して靱性を向上させる作用
を有しているが、その含有量が 0.010%未満であ
ると前記作用による所望の効果を得ることができない。 一方、0.100 %を超えてAlを含有させると鋼の
清浄度が悪化して切削性が損なわれ、また鋼の結晶粒を
粗大化させ、かえって靱性を低下させてしまう。従って
、Al含有量は 0.010〜0.100 %と定めた
。
を有しているが、その含有量が 0.010%未満であ
ると前記作用による所望の効果を得ることができない。 一方、0.100 %を超えてAlを含有させると鋼の
清浄度が悪化して切削性が損なわれ、また鋼の結晶粒を
粗大化させ、かえって靱性を低下させてしまう。従って
、Al含有量は 0.010〜0.100 %と定めた
。
【00021】e) Nb
Nbは、Alと同様、鋼の結晶粒を微細化して靱性を向
上させる作用を有しているが、その含有量が 0.01
0%未満であると前記作用による所望の効果を得ること
ができない。一方、0.100 %を超えてNbを含有
させると鋼部品を機械加工する時の切削性を損なうよう
になるばかりか、鋼の結晶粒を粗大化させ、かえって靱
性を劣化させてしまう。従って、Nb含有量は 0.0
10〜 0.100%と定めた。
上させる作用を有しているが、その含有量が 0.01
0%未満であると前記作用による所望の効果を得ること
ができない。一方、0.100 %を超えてNbを含有
させると鋼部品を機械加工する時の切削性を損なうよう
になるばかりか、鋼の結晶粒を粗大化させ、かえって靱
性を劣化させてしまう。従って、Nb含有量は 0.0
10〜 0.100%と定めた。
【00022】f) Ti
Tiは、Al或いはNbと同様、鋼の結晶粒を微細化し
て鋼の靱性を向上させる作用を有しているが、その含有
量が 0.010%未満であると前記作用による所望の
効果を得ることができない。一方、0.100 %を超
えてTiを含有させると鋼の清浄度が低下して切削性が
悪くなると共に、鋼の結晶粒を粗大化させ、かえって靱
性を低下させてしまう。従って、Ti含有量は 0.0
10〜0.100 %と定めた。
て鋼の靱性を向上させる作用を有しているが、その含有
量が 0.010%未満であると前記作用による所望の
効果を得ることができない。一方、0.100 %を超
えてTiを含有させると鋼の清浄度が低下して切削性が
悪くなると共に、鋼の結晶粒を粗大化させ、かえって靱
性を低下させてしまう。従って、Ti含有量は 0.0
10〜0.100 %と定めた。
【00023】g) B
Bは、鋼の焼入れ性を向上させて静的強度を上昇させる
作用を有しているが、その含有量が0.0003%未満
であると前記作用による所望の効果を得ることができず
、一方、0.0050%を超えて含有させると鋼の結晶
粒を粗大化し靱性を低下させることから、B含有量は0
.0003〜0.0050%と定めた。
作用を有しているが、その含有量が0.0003%未満
であると前記作用による所望の効果を得ることができず
、一方、0.0050%を超えて含有させると鋼の結晶
粒を粗大化し靱性を低下させることから、B含有量は0
.0003〜0.0050%と定めた。
【00024】h) Pb
Pbには鋼の切削性を向上させる作用があるが、0.5
0%を超えて添加すると、静的強度,靱性ともに低下す
る。従って、Pb含有量の上限は0.50%と定めた。
0%を超えて添加すると、静的強度,靱性ともに低下す
る。従って、Pb含有量の上限は0.50%と定めた。
【00025】B) 焼戻し温度
浸炭時に侵入した水素を完全に放散させ(通常、 浸炭
前の水素濃度は0.3ppm以下である) て耐遅れ破
壊性を向上させるには、浸炭処理後の鋼を400℃以上
で加熱することが必要であり、該温度未満では十分な水
素の放散ができない。しかし、450℃を超える温度で
焼戻しを行うと、浸炭層の硬さが低下して所望の耐摩耗
性を確保することが困難になる。従って、焼戻しの温度
は400〜450℃と定めた。
前の水素濃度は0.3ppm以下である) て耐遅れ破
壊性を向上させるには、浸炭処理後の鋼を400℃以上
で加熱することが必要であり、該温度未満では十分な水
素の放散ができない。しかし、450℃を超える温度で
焼戻しを行うと、浸炭層の硬さが低下して所望の耐摩耗
性を確保することが困難になる。従って、焼戻しの温度
は400〜450℃と定めた。
【00026】続いて、本発明の効果を実施例によって
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【実施例】まず、150kg真空溶解炉にて表1及び表
2に示す如き化学成分組成の鋼を溶製した後、得られた
鋼塊を1250℃に1時間加熱し、30mmφに鍛伸し
た。 そして、更に925℃×1hrの焼ならし処理を施して
供試材とした。
2に示す如き化学成分組成の鋼を溶製した後、得られた
鋼塊を1250℃に1時間加熱し、30mmφに鍛伸し
た。 そして、更に925℃×1hrの焼ならし処理を施して
供試材とした。
【表1】
【表2】
【00027】次に、上記供試材を用い、「シャルピ−
衝撃試験」,「オ−ステナイト結晶粒度の測定」及び「
静的曲げ強度の測定」を行うと共に、「水素含有量の調
査」,「遅れ破壊試験」並びに「硬度測定」を実施した
。
衝撃試験」,「オ−ステナイト結晶粒度の測定」及び「
静的曲げ強度の測定」を行うと共に、「水素含有量の調
査」,「遅れ破壊試験」並びに「硬度測定」を実施した
。
【00028】水素含有量調査は、前記供試材を6mm
φ×12mml に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸
炭焼入れを行い、更に図2に示す焼戻し条件にて焼戻し
た後、直ちに実施した。その結果を表3及び表4に示す
。
φ×12mml に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸
炭焼入れを行い、更に図2に示す焼戻し条件にて焼戻し
た後、直ちに実施した。その結果を表3及び表4に示す
。
【表3】
【表4】
【00029】遅れ破壊試験は、前記供試材を図3に示
す試験片に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸炭焼入れ
を行い、更に図2に示す焼戻し条件にて焼戻した後、定
荷重引張試験機を用い荷重630kg(大気中)で実施
した。その結果を、表5及び表6に示す。
す試験片に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸炭焼入れ
を行い、更に図2に示す焼戻し条件にて焼戻した後、定
荷重引張試験機を用い荷重630kg(大気中)で実施
した。その結果を、表5及び表6に示す。
【表5】
【表6】
【00030】硬度測定は、前記供試材を30mmφ×
10mml に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸炭焼
入れを行い、更に図2に示す焼戻し条件にて焼戻した後
、ビッカ−ス硬度計にて硬さ分布を測定した。なお、浸
炭層の硬さとして表面から 0.1mm内部位置の硬さ
を測定した。 その結果を、表7及び表8に示す。
10mml に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸炭焼
入れを行い、更に図2に示す焼戻し条件にて焼戻した後
、ビッカ−ス硬度計にて硬さ分布を測定した。なお、浸
炭層の硬さとして表面から 0.1mm内部位置の硬さ
を測定した。 その結果を、表7及び表8に示す。
【表7】
【表8】
【00031】摩耗試験は、前記供試材を10mmφ×
100mmlに加工後、図1に示す浸炭条件で浸炭焼入
れを行い、更に400℃×1hrで焼戻した後、ガウジ
ング摩耗試験機を用いて行った。なお、試験条件は、面
圧:28kg/cm2,摩耗速度:33m/min,摩
耗距離:500m一定,研磨材:SiC,であった。そ
の結果を、表9及び表10に示す。
100mmlに加工後、図1に示す浸炭条件で浸炭焼入
れを行い、更に400℃×1hrで焼戻した後、ガウジ
ング摩耗試験機を用いて行った。なお、試験条件は、面
圧:28kg/cm2,摩耗速度:33m/min,摩
耗距離:500m一定,研磨材:SiC,であった。そ
の結果を、表9及び表10に示す。
【表9】
【表10】
【00032】シャルピ−衝撃試験は、前記供試材を2
0mmφに切削後、950℃×1hrにて焼入れし、更
に180℃×1hrにて焼戻した後、JIS3号(Uノ
ッチ)試験片に加工してシャルピ−衝撃試験機にかけ、
常温で実施した。その結果を、前記表9及び表10に併
せて示す。
0mmφに切削後、950℃×1hrにて焼入れし、更
に180℃×1hrにて焼戻した後、JIS3号(Uノ
ッチ)試験片に加工してシャルピ−衝撃試験機にかけ、
常温で実施した。その結果を、前記表9及び表10に併
せて示す。
【00033】静的曲げ強度については、図4に示す試
験片に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸炭焼入れを行
い、更に180℃×1hrにて焼戻した後、10−1/
sの歪速度で静的曲げ試験を実施して測定した。なお、
強度は破断荷重で評価した。その結果も、前記表9及び
表10に併せて示す。
験片に加工後、図1に示す浸炭条件にて浸炭焼入れを行
い、更に180℃×1hrにて焼戻した後、10−1/
sの歪速度で静的曲げ試験を実施して測定した。なお、
強度は破断荷重で評価した。その結果も、前記表9及び
表10に併せて示す。
【00034】なお、前記表9及び表10には、図1に
示す条件での浸炭焼入れの後に400℃で焼戻した際の
「浸炭層硬さ」,「遅れ破壊試験結果」及び「水素含有
量」も併記しておいた。
示す条件での浸炭焼入れの後に400℃で焼戻した際の
「浸炭層硬さ」,「遅れ破壊試験結果」及び「水素含有
量」も併記しておいた。
【00035】さて、表3及び表4に示される水素含有
量調査結果からも、浸炭時に侵入した水素を浸炭前のレ
ベル(≦0.3ppm)まで放散させるには400℃以
上での焼戻しが必要であることが分かる。また、表5及
び表6に示される遅れ破壊試験結果からは、耐遅れ破壊
性を著しく向上させる(目標破断時間≧1000hr)
には、同じく400℃以上で焼戻しをする必要のあるこ
とが確認できる。即ち、表3乃至表6に示される結果は
、「鋼の耐遅れ破壊性を向上させるためには、 400
℃以上で焼戻を行って含有水素量を0.3ppm以下に
制御する必要がある」ことを明示するものである。
量調査結果からも、浸炭時に侵入した水素を浸炭前のレ
ベル(≦0.3ppm)まで放散させるには400℃以
上での焼戻しが必要であることが分かる。また、表5及
び表6に示される遅れ破壊試験結果からは、耐遅れ破壊
性を著しく向上させる(目標破断時間≧1000hr)
には、同じく400℃以上で焼戻しをする必要のあるこ
とが確認できる。即ち、表3乃至表6に示される結果は
、「鋼の耐遅れ破壊性を向上させるためには、 400
℃以上で焼戻を行って含有水素量を0.3ppm以下に
制御する必要がある」ことを明示するものである。
【00036】浸炭焼入れ・焼戻し後の硬さを示す表7
及び表8からは、次のことが確認できる。即ち、浸炭肌
焼鋼の本来の目的である耐摩耗性を確保するためには浸
炭層の硬さ:Hv 800以上が確保されている必要が
あるが、そのHv 800以上の硬さを確保できる焼戻
し温度は、本発明鋼及び比較鋼の中でMo,Vが本発明
で規定する範囲内の鋼(但し、 比較鋼21のCr:5
.10%材を除く)においては0〜450℃までである
。言い換えれば、焼戻し温度は450℃以下にする必要
のあることが分かる。一方、比較鋼の中で、Mo,Vが
本発明で規定する範囲の下限を外れた鋼においてHv
800以上の硬さを確保できる焼戻し温度の範囲は「0
〜300℃」及び「0〜350℃」である。即ち、35
0℃以下で焼戻しを実施しなければならならず、この場
合には耐遅れ破壊性は低下する。
及び表8からは、次のことが確認できる。即ち、浸炭肌
焼鋼の本来の目的である耐摩耗性を確保するためには浸
炭層の硬さ:Hv 800以上が確保されている必要が
あるが、そのHv 800以上の硬さを確保できる焼戻
し温度は、本発明鋼及び比較鋼の中でMo,Vが本発明
で規定する範囲内の鋼(但し、 比較鋼21のCr:5
.10%材を除く)においては0〜450℃までである
。言い換えれば、焼戻し温度は450℃以下にする必要
のあることが分かる。一方、比較鋼の中で、Mo,Vが
本発明で規定する範囲の下限を外れた鋼においてHv
800以上の硬さを確保できる焼戻し温度の範囲は「0
〜300℃」及び「0〜350℃」である。即ち、35
0℃以下で焼戻しを実施しなければならならず、この場
合には耐遅れ破壊性は低下する。
【00037】前述したように、表9及び表10には浸
炭焼入れ後に400℃で焼戻をした場合の諸特性及びシ
ャルピ−吸収エネルギ−,オ−ステナイト結晶粒度,静
的曲げ強度が示されているが、この表9及び表10より
、「本発明鋼は、 耐遅れ破壊性を向上させる(水素を
浸炭前のレベルまで放散させる)と言う目的で400℃
と言う高温焼戻しを施しても浸炭層の硬さHv 800
以上が確保されており、 かつその他の特性値も全て良
好な値となっている」ことが確認できる。
炭焼入れ後に400℃で焼戻をした場合の諸特性及びシ
ャルピ−吸収エネルギ−,オ−ステナイト結晶粒度,静
的曲げ強度が示されているが、この表9及び表10より
、「本発明鋼は、 耐遅れ破壊性を向上させる(水素を
浸炭前のレベルまで放散させる)と言う目的で400℃
と言う高温焼戻しを施しても浸炭層の硬さHv 800
以上が確保されており、 かつその他の特性値も全て良
好な値となっている」ことが確認できる。
【00038】一方、比較鋼の中でMo,Vが本発明で
規定する範囲の下限を外れたものでは、耐遅れ破壊性に
ついては目標値を満足しているものの、浸炭層硬さが低
く(Hv800未満)、耐摩耗性が劣っている。また、
C含有量が本発明で規定する範囲の下限を外れたもので
は、静的曲げ強度が目標値以下であり、逆にC含有量が
本発明で規定する範囲の上限を外れたものでは衝撃特性
(シャルピ−吸収エネルギ−)が著しく低下している。 そして、Si含有量,Mn含有量が本発明で規定する範
囲の上限を外れたものは、浸炭異常層の発達が顕著であ
る。 Ti含有量,Al含有量が本発明で規定する範囲を外れ
たものについては、オ−ステナイト結晶粒が粗大化し衝
撃特性が著しく劣っている。なお、Cr含有量が本発明
で規定する範囲を外れたものでは、Cr酸化物の生成に
よって浸炭特性が劣り、浸炭層硬さが著しく低い結果と
なっている。
規定する範囲の下限を外れたものでは、耐遅れ破壊性に
ついては目標値を満足しているものの、浸炭層硬さが低
く(Hv800未満)、耐摩耗性が劣っている。また、
C含有量が本発明で規定する範囲の下限を外れたもので
は、静的曲げ強度が目標値以下であり、逆にC含有量が
本発明で規定する範囲の上限を外れたものでは衝撃特性
(シャルピ−吸収エネルギ−)が著しく低下している。 そして、Si含有量,Mn含有量が本発明で規定する範
囲の上限を外れたものは、浸炭異常層の発達が顕著であ
る。 Ti含有量,Al含有量が本発明で規定する範囲を外れ
たものについては、オ−ステナイト結晶粒が粗大化し衝
撃特性が著しく劣っている。なお、Cr含有量が本発明
で規定する範囲を外れたものでは、Cr酸化物の生成に
よって浸炭特性が劣り、浸炭層硬さが著しく低い結果と
なっている。
【00039】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれば
、浸炭肌焼鋼として必要な諸特性が十分に確保され、し
かも著しく優れた耐遅れ破壊性を備えた浸炭肌焼鋼を作
業性良く安定して提供することが可能となるなど、産業
上極めて有用な効果がもたらされる。
、浸炭肌焼鋼として必要な諸特性が十分に確保され、し
かも著しく優れた耐遅れ破壊性を備えた浸炭肌焼鋼を作
業性良く安定して提供することが可能となるなど、産業
上極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】浸炭ヒ−トパタ−ンを示す線図である。
【図2】焼戻しパタ−ンを示す線図である。
【図3】遅れ破壊試験片の形状を説明した概略図である
。
。
【図4】静的曲げ試験片の形状を説明した概略図である
。
。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量割合にて、C:0.10〜0.3
0%, Si:0.50%以下, M
n:2.00%以下,Mo:0.30〜2.00%,
V:0.10〜0.50%を含有すると共に、C
u:1.0 %以下, Ni:3.50%以
下, Cr:5.0 %以下,Al:0.0
10 〜0.100 %, Ti:0.01
0 〜0.100 %,B:0.0003〜0.005
0%, Nb:0.010 〜0.100
%,Pb:0.50%以下の1種以上をも含み、残部が
Fe及び不可避的不純物から成ることを特徴とする、耐
遅れ破壊性に優れた浸炭肌焼鋼。 - 【請求項2】 重量割合にて、C:0.10〜0.3
0%, Si:0.50%以下, M
n:2.00%以下,Mo:0.30〜2.00%,
V:0.10〜0.50%を含有すると共に、C
u:1.0 %以下, Ni:3.50%以
下, Cr:5.0 %以下,Al:0.0
10 〜0.100 %, Ti:0.01
0 〜0.100 %,B:0.0003〜0.005
0%, Nb:0.010 〜0.100
%,Pb:0.50%以下の1種以上をも含み、残部が
Fe及び不可避的不純物から成る鋼を浸炭焼入れした後
、焼戻し処理を400〜450℃の温度域で行うことを
特徴とする、耐遅れ破壊性に優れた浸炭肌焼鋼の製造法
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41601290A JPH04297550A (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 耐遅れ破壊性浸炭肌焼鋼とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41601290A JPH04297550A (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 耐遅れ破壊性浸炭肌焼鋼とその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04297550A true JPH04297550A (ja) | 1992-10-21 |
Family
ID=18524267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41601290A Pending JPH04297550A (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 耐遅れ破壊性浸炭肌焼鋼とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04297550A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008231444A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Jfe Bars & Shapes Corp | 高強度部材締結用タッピングねじ |
CN105018851A (zh) * | 2014-04-30 | 2015-11-04 | 大同特殊钢株式会社 | 模具用钢和模具 |
JP2016125133A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 日産自動車株式会社 | 耐焼付性に優れた浸炭部材 |
CN105835232A (zh) * | 2016-05-17 | 2016-08-10 | 江苏超峰工具有限公司 | 一种新型高强度金刚石锯片 |
CN106003429A (zh) * | 2016-05-17 | 2016-10-12 | 江苏超峰工具有限公司 | 一种高强度耐磨金刚石锯片 |
-
1990
- 1990-12-28 JP JP41601290A patent/JPH04297550A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008231444A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Jfe Bars & Shapes Corp | 高強度部材締結用タッピングねじ |
CN105018851A (zh) * | 2014-04-30 | 2015-11-04 | 大同特殊钢株式会社 | 模具用钢和模具 |
EP2939763A3 (en) * | 2014-04-30 | 2016-01-06 | Daido Steel Co.,Ltd. | Steel for mold, and mold |
US10173258B2 (en) | 2014-04-30 | 2019-01-08 | Daido Steel Co., Ltd. | Steel for mold, and mold |
JP2016125133A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 日産自動車株式会社 | 耐焼付性に優れた浸炭部材 |
CN105835232A (zh) * | 2016-05-17 | 2016-08-10 | 江苏超峰工具有限公司 | 一种新型高强度金刚石锯片 |
CN106003429A (zh) * | 2016-05-17 | 2016-10-12 | 江苏超峰工具有限公司 | 一种高强度耐磨金刚石锯片 |
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