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JPH04227833A - 半透性複合膜 - Google Patents

半透性複合膜

Info

Publication number
JPH04227833A
JPH04227833A JP11307191A JP11307191A JPH04227833A JP H04227833 A JPH04227833 A JP H04227833A JP 11307191 A JP11307191 A JP 11307191A JP 11307191 A JP11307191 A JP 11307191A JP H04227833 A JPH04227833 A JP H04227833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
polysulfone
composite membrane
solution
chloromethylated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11307191A
Other languages
English (en)
Inventor
Shintaro Katayama
片山 信太郎
Toshikatsu Sada
佐田 俊勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Publication of JPH04227833A publication Critical patent/JPH04227833A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された半透性複合膜
に関する。更に詳しくは、ハロメチル基を有する芳香族
縮合系高分子からなる多孔質膜上にポリエチレンイミン
などポリアミンの薄膜を化学結合を用いて安定に存在さ
せることにより、耐熱性・耐薬品性及び中低分子量成分
の分画性にすぐれた半透性複合膜に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に膜処理による溶液、液体混合物等の液体状混合物から
特定の成分を選択的に透過させて分離、濃縮、精製を行
う方法は、省エネルギー手法であり広く実用に供されて
いる。特に最近、膜処理法は、食品加工、医薬品工業、
水処理などの各種分野に適用されている。
【0003】しかし、このような膜処理法において、中
低分子量、即ち分子量が50〜2000程度である成分
を、種々の分子量を有する液体状混合物の中から選択的
に分離すること(以下、分画ともいう)ができるという
性能を有する半透膜は、いくつか上市されているものの
、その分画性、透過流束、また耐熱性および耐薬品性等
の耐久性に対するユーザーの要求を満足するものが存在
していない。
【0004】上記した性能を有する半透膜の開発に対す
る要望は強く、種々の研究がなされている。それらの中
のいくつかを示すと、中低分子量の分画性を有する膜(
以下、単に分画性膜ともいう)として、まずセロファン
、酢酸セルロース、硝酸セルロース等を素材とし各種の
製膜条件、例えばポリマー濃度、溶剤の種類や蒸発速度
、添加剤の種類、凝固液組成、熱処理等を種々検討し、
目的とする性能の向上を図ろうとする試みがあるが、未
だ十分な成果は得られていない。
【0005】また、芳香族ポリカチオンと芳香族ポリア
ニオンからなるポリイオンコンプレックス膜も中低分子
量の分画性を示すとされているが、製品のバラツキが大
きく実用的な大面積の膜が製造できないのが実情である
【0006】さらに特開昭63−240901公報では
、膜上の芳香族エーテルイミド重合体をクロルメチル化
等のハロメチル化を行い、次いでポリアミン化合物を該
ハロメチル基と反応させて、第4級アンモニウム塩基と
することにより架橋構造を有する中低分子の選択透過性
膜の製造方法が開示されている。しかしながら、この架
橋剤として用いられているポリアミン化合物は比較的低
分子量のものであり、また第4級アンモニウム塩が膜全
体にわたり存在する一種の陰イオン交換膜であるために
、pHの変化に伴って容易に膜が伸縮してしまい、分画
性能が変化するという問題点がある。
【0007】一方では、多孔性支持体上に溶質排除性の
ある緻密層をつけるという複合化膜により、目的とする
中低分子量領域での分画性を発現させる方法が提案され
ている。例えば、米国特許第3744642号明細書で
は、セルロースエステルのような多孔性支持体上につけ
たポリアミンを酸クロライドを用いて界面重縮合反応に
より架橋させて複合膜をつくる方法が開示されている。 また、特開昭49−133282公報ではポリスルホン
のような多孔性支持体上に先ずポリエチレンイミンフィ
ルムを被覆し、次いでトリレンジイソシアネートのよう
な多官能性架橋剤を用いて界面重縮合反応により架橋さ
せることによる逆浸透膜の製造法が開示されている。し
かしながら、これら多孔性支持体上にポリアミンを被覆
した場合、ポリアミンが多孔性支持体の表面にだけとど
まることなく、支持体の内部にまで浸透しやすい。そし
て、内部に浸透したポリアミンが、後の操作の加熱時に
一部熱重合するため、一定の膜性能をもった膜を再現性
よく製造することが困難であった。また、界面重縮合反
応を利用する場合には、架橋剤の溶媒として通常はヘキ
サンやヘプタンのような水と混ざらない溶媒を用いるが
、このような溶媒で膜を後処理した場合に膜が反り返る
とか、あるいは界面での反応が均一に進行しにくいため
に、膜の各部分での膜性能が異なったものしか得られず
、そのために膜性能、特に透過流束の一定のものを得る
ことが困難である。さらに、膜の各部分での不均一性の
ために膜の耐薬品性や耐久性が劣るという問題がある。 そのほか特開昭54−15479公報では、多孔性支持
体上にポリエチレンイミンのアミノ基と反応することの
できる官能基をもつ多官能性架橋剤の薄膜を形成し、次
いで該薄膜をポリエチレンイミンの溶液で処理すること
により半透性複合膜を得る方法が開示されている。しか
しながら、この多孔性支持体と多官能性架橋剤の薄膜と
の間が吸着による弱い接着でしかないために、得られる
複合膜は構造的に不安定であり、その膜の耐熱性や耐薬
品性に劣るという問題がある。
【0008】また、特開昭57−174104公報では
、ハロメチル基等の種々の官能基を有するポリスルホン
類よりなる半透膜を、ポリアミン等の多官性架橋剤の溶
液で処理することにより架橋構造を有する半透膜を得る
方法が開示されている。この半透膜は、中低分子量領域
での分画性を示すとされている。しかしながら、この半
透膜は膜全体にわたって架橋構造が付与されているため
、膜の機械的性質が硬くて脆いという問題がある。即ち
、クラックが入りやすく、耐久性に乏しい。また、透水
性も低く、充分でない。
【0009】従って、本発明の目的は、以上の問題点を
有しない半透性複合膜の提供にある。即ち、中低分子量
領域での分画性に優れ、なおかつ製膜性、透水性、耐熱
性、耐薬品性などに優れる半透性複合膜を提供すること
にある。また、本発明の他の目的は、イオン性の物質を
良好に分離し得る荷電型の半透性複合膜を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題点に鑑み鋭意研究した。その結果、多孔質膜の表面
にポリアミンの薄層を特定した化学結合により存在させ
た複合膜が、目的とする所望の性能を発揮する知見に基
づき本発明を提供するに至ったものである。即ち、本発
明によれば、ハロメチル基を有する芳香族縮合系高分子
からなる多孔質膜の表面に、該ハロメチル基を介して化
学結合により分子量が500以上であるポリアミンの薄
層を形成させた半透性複合膜が提供される。
【0011】本発明の複合膜において基材となる多孔質
膜は、特に少くとも一方の表面に厚みが約5μm以下、
好ましくは1μm以下の緻密層を有し、かつ内部が多孔
性の非対称構造であり、一般に限外濾過膜に相当する性
状を有する分離膜が用いられる。また、多孔質膜の素材
である芳香族縮合系高分子としては、一般にエンジニア
リングプラスチックスとして広く知られている例えばポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリ−2,6−ジメチルフェニレンオキサイド、ポ
リフェニレンスルフィドなど、ハロメチル基が導入可能
な従来公知の芳香環を有する縮合系高分子がすべて有効
である。
【0012】このような多孔質膜は、芳香族縮合系高分
子を例えばN−メチル−2−ピロリドンなどの適当な溶
媒に溶解し、必要に応じて例えばポリビニルピロリドン
、塩化リチウム、硝酸カリウムなどを添加して溶液を調
製し、該溶液を平板上に流延したり、環状ノズルから押
出して、貧溶媒中における相転換法により、それぞれ平
状膜、中空糸状膜、管状膜など任意の形態で多孔質膜を
得ることができる。なお、平状膜および管状膜の場合、
補強のパッキング材として例えば織布、不織布、網など
を用いて、上記した芳香族縮合系高分子の溶液により、
機械的強度および寸法安定性に優れた多孔質膜を得るこ
とができる。
【0013】次に、芳香族縮合系高分子よりなる多孔質
膜には、適当な溶媒を用いて、あるいは気相反応を用い
てハロメチル化反応によりハロメチル基を導入する。勿
論、予めハロメチル基を導入した芳香族縮合系高分子を
用いて、上記と同様に多孔質膜を得ることもできる。ハ
ロメチル化反応は、一般にハロメチル化剤としてクロル
メチルメチルエーテルなどのハロメチルエーテル、また
触媒として、ZnCl2 、SnCl4 、TiCl4
 、AlCl3 などのルイス酸が触媒として用いられ
る。製膜する前に予め芳香族縮合系高分子をハロメチル
化する場合には、均一なハロメチル化を達成させるため
に、該芳香族縮合系高分子の溶解剤あるいは膨潤剤とし
て例えば1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン
などのハロゲン化炭化水素が好ましく用いられる。この
ようなハロメチル化した芳香族縮合系高分子におけるハ
ロメチル化の度合いは、元素分析により測定されるハロ
ゲン含有量で表示すれば、一般に1〜10重量%の割合
で導入することが好ましい。また、このハロゲン含量よ
り計算される芳香族縮合系高分子の繰り返し単位(ユニ
ット)当りの導入されたハロメチル基の個数は一般に0
.01〜2個、特に膜の伸縮を抑え、クラック等が入る
のを防ぎ、良好な耐久性を得るに、好ましくは0.01
〜1.2個の範囲、さらに好ましくは0.01〜0.4
5個の範囲である。このような所望するハロメチル基の
含量を再現性良く得るために、ハロメチル基を導入した
樹脂に未変性の樹脂を適当な比率で混ぜ合わせることに
より、製膜に供される樹脂全体としてのハロメチル基の
含量を制御することも有効な手法である。
【0014】なお、 1H−NMRの測定により、ハロ
メチル基が上記高分子の芳香環に導入されていることが
確認できる。
【0015】本発明の目的とする半透性複合膜は、上記
したハロメチル基を有する非対称構造の多孔質膜の表面
に、該ハロメチル基を介して化学結合により、分子量が
一般に500以上であるポリアミンの薄層を一般に0.
1μm以下の厚さで存在させることによって得られる。 本発明におけるポリアミンは、分子量が一般に500以
上の重合体で、該重合体に1ヶ以上の一級、二級または
三級のアミノ基を有する高分子体である。具体的には、
特に線状または分岐状のポリエチレンイミンが好ましい
が、そのほかポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポ
リエチレンイミンとエチレンオキサイドの部分反応物、
ポリエチレンイミンとプロピレンオキサイドの部分反応
物、アニリンとホルマリンの縮合物、ポリベンジルクロ
ライドとアンモニヤおよび/または一級、二級アミン類
の反応物などが好適である。ポリエチレンイミンは、一
般に水溶液として市販されているものがそのまま用いる
ことができる。通常は分子量が500以上、1,000
,000以下の広範囲のものが用いられるが、特に好適
なのは10,000〜100,000の範囲である。
【0016】本発明において、多孔質膜の表面にポリア
ミンの薄層を形成させた複合膜は、該膜を水または溶剤
に溶解したポリアミンの溶液と室温または加温下で接触
させ、該ポリアミンの第1級、第2級、第3級アミノ基
を該膜のハロメチル基と化学結合せしめて、それぞれ第
2級、第3級、第4級化する方法により得られる。ポリ
アミンの溶液は、一般に0.1重量%から10重量%、
特に0.2重量%から8重量%の範囲が好適である。市
販のポリエチレンイミンを用いる場合には、その樹脂が
30〜99%の水溶液として入手できるので、溶媒とし
て水を用い上記の濃度範囲に希釈した溶液として用いる
ことができるが、必要に応じて水の1部またはすべてを
アルコール類のような水と相溶可能な溶媒で置換して用
いることもできる。また、このようなポリエチレンイミ
ン溶液のpH値は、アミノ基がプロトネートしない塩基
性の領域が必要であり、必要に応じて水酸化ナトリウム
などを加えて溶液のpH値を7以上、好ましくは9〜1
2に保つことが推奨される。
【0017】多孔質膜とポリアミンの溶液を接触させる
方法としては、例えば該膜をポリアミン溶液上に浮かべ
る方法、該膜にポリアミン溶液を流延する方法、ポリア
ミン溶液をスプレーする方法、あるいはポリアミン溶液
に一定時間浸漬する方法などを挙げることができる。さ
らに、接触温度は、室温から150℃、好ましくは50
℃〜90℃で一定時間加熱することが望ましい。加熱に
要する時間は、1分から24時間あるいはそれ以上であ
り、好ましいのは5分から60分の範囲である。ポリア
ミンをそのアミノ基によって架橋させることができる官
能基を1ヶ以上有する化合物、例えばジュポキシ化合物
、アルデヒド類、ジイソシアネート化合物、ジハロゲン
化合物などを用いて該アミノ基を介して共有架橋構造を
付与することにより、耐薬品性、耐熱性に優れた半透性
複合膜を得ることができる。また、例えば硫酸、リン酸
、クエン酸、マロン酸などの多塩基酸の架橋剤を用いて
、イオン架橋構造を付与することも有効である。これら
の架橋剤を溶解する溶媒としては、水やメタノールある
いはこれらの混合物が好適であるが、多孔質膜およびポ
リアミンの薄層を溶解せず、かつ架橋剤を溶解するもの
であれば特に制限されない。架橋剤溶液の濃度は架橋剤
の種類、用いる溶媒により任意に選ぶことができるが、
好ましくは0.05重量%から35重量%である。
【0018】さらに、本発明の複合膜では、例えば塩酸
、リン酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸などで処理すること
により、該膜のポリアミンのアミノ基をプロトネートし
て正電荷を付与した半透性複合膜も有用である。即ち、
このような電荷を付与した本発明の半透性複合膜を用い
て、分子量あるいは分子径が同程度の荷電分子と非荷電
分子とを含有する溶液を濾過することにより、該非荷電
分子だけが透過し、正に荷電した分子が残留するとか負
に荷電した分子だけが透過し、非荷電分子が残留すると
いうふうな分離が可能であるため、例えば生体高分子の
分離において極めて有効である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示すが
、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
【0020】なお、実施例および比較例に示す透水性は
純水を用いて操作圧4kg/cm2 で測定した流束で
あり、また透過性は所定のポリエチレングリコール(P
EG)の単分散水溶液(濃度1,000ppm)を用い
て測定し、阻止率(%)を下記式で算出し、その阻止率
が90%以上となる標準PEGの分子量を分画分子量と
した。
【0021】 実施例1 アモコケミカルジャパンより入手した下記式で表わされ
る繰り返し単位
【0022】
【化1】
【0023】を有するポリスルホン(商品名: Ude
l  Polysulfone、重量平均分子量35,
000)30gをジクロロエタン570gに窒素雰囲気
下、50℃で加熱攪拌しながら均一に溶解した後、クロ
ルメチルメチルエーテル21gおよび塩化亜鉛4.2g
を投入し攪拌しながら50℃で8時間反応させた。次い
で、反応液を30℃まで冷却した後、大量のメチルアル
コール中に沈澱させ減圧乾燥後、クロロホルムで溶解、
再沈澱させて精製し膜の製造に供した。なお、得られた
クロルメチル化ポリスルホンは、元素分析によって測定
した塩素含量が7.5重量%であり、この含量から計算
で求められる上記したポリスルホンの繰り返し単位(ユ
ニット)あたりの導入されたクロルメチル基の数は1.
1個である。さらに、 1H−NMR法で評価した4.
57ppm に現われるメチレン基の濃度と一致し、ク
ロルメチル化されていることを確認した。これらの分析
結果より、クロルメチル化ポリスルホンの構造は下式と
同定された。
【0024】
【化2】
【0025】(式中、a+b=1) 上記のクロルメチル化ポリスルホン30g、重量平均分
子量40,000のポリビニルピロリドン5gおよびN
−メチル−2−ピロリドン150gよりなる混合物を室
温において10時間攪拌した後、粘度30ポイズの溶液
を得た。次いで、この溶液をガラス板上に約300μm
の厚さで流延した後、10℃の純水に浸漬して凝固させ
ることにより、厚さ約100μmのクロルメチル化ポリ
スルホン膜を得た。このクロルメチル化ポリスルホン膜
について、純水の透過流束を測定した結果、1260リ
ットル/m2・hrであった。また、重量平均分子量が
21,000であるPEGの単分散水溶液(濃度1,0
00ppm)の透過性を測定した結果、阻止率は98%
であった。同様に、重量平均分子量がそれぞれ12,6
00および7,100であるPEGの単分散水溶液の透
過性を測定した結果、阻止率はそれぞれ56%と3%で
あった。
【0026】次に、クロルメチル化ポリスルホン膜を用
いて、その緻密層の膜面を下にして第1表に示す所定条
件に調製した各種ポリエチレンイミン溶液の液面に50
℃で1時間浮かべ反応させ、ポリエチレンイミン−クロ
ルメチル化ポリスルホン複合膜を得た。その後、充分に
水洗した。得られた複合膜について、それぞれ純水の透
過流束とPEG水溶液の透過性を測定した結果を表1に
示す。
【0027】
【表1】
【0028】さらに、表1のNo.−10で得た複合膜
をpH2に調整した2重量%のクロム酸カリウム溶液に
浸漬して、ポリエチレンイミンのアミノ基をプロトネー
トしてクロム酸イオンとイオン交換させる処理を行った
後、X線マイクロアナライザーにより膜断面を観察の結
果、膜の表層部に厚みが約0.05μmであるクロムの
分布を確認した。また、走査型電子顕微鏡により膜断面
を観察の結果、クロルメチル化ポリスルホン膜の緻密層
上にさらに緻密な構造を有する厚さが約0.05μmの
層が観察された。また、この複合膜をN−メチル−2−
ピロリドンに浸漬させたところ、瞬時に溶解し、膜の形
状をとどめることはできなかった。
【0029】比較例1 実施例1と同一のポリスルホンを用いて、クロルメチル
化処理することなく、そのまま実施例1と同様の条件で
製膜した。この膜の純水透過流束は1150リットル/
m2・hrであり、阻止率は重量平均分子量が2100
0,12600,7100PEGに対して、それぞれ9
7%、53%、1%であった。
【0030】次いで、このポリスルホン膜を表1のNo
.−10と同様のポリエチレンイミン溶液を用いて、実
施例1と同様の条件で処理を行った。得られた膜の純水
透過流束は1090リットル/m2・hrであり、阻止
率は、重量平均分子量が21000,12600,71
00,4250のPEGに対して、それぞれ97%、5
2%、2%、0%であった。また、このX膜をクロム酸
カリウム水溶液で処理して、膜断面をX線マイクロアナ
ライザーにより観察したところ、クロムの存在を確認す
ることができなかった。
【0031】実施例2 実施例1における表1中No.−10で得たポリエチレ
ンイミン−クロルメチル化ポリスルホン複合膜に共有結
合の架橋構造を付与するために、その複合膜を0.5重
量%のグルタルアルデヒド水溶液に50℃で10時間浸
漬し、次いで水洗した。このような処理をして得られた
複合膜について、純水透過流束を測定した結果は62リ
ットル/m2・hrであり、また各種重量平均分子量の
PEG水溶液の阻止率は表2に示す通りであった。
【0032】
【表2】
【0033】次に、上記の架橋構造を有するポリエチレ
ンイミン−クロルメチル化ポリスルホン複合膜について
、耐熱性を調べるために、該膜を121℃の1.7kg
/cm2 の高圧水蒸気で約20分間処理した。この処
理した複合膜を用いて、上記と同様に透過流束とPEG
の阻止率を測定した結果、純水透過流束は61リットル
/m2・hrであり、各種平均分子量のPEGの阻止率
は表3に示す通りであった。
【0034】
【表3】
【0035】実施例3 実施例2と同様の条件でポリエチレンイミン−クロルメ
チル化ポリスルホン複合膜に共有結合またはイオン結合
による架橋構造を付与する処理を各種架橋剤を用いて行
った。
【0036】表4に、架橋剤の種類と得られた架橋構造
を有する複合膜について、純水透過流束および各種平均
分子量のPEGの阻止率を測定した結果を示す。
【0037】
【表4】
【0038】実施例4 実施例2で得た架橋構造を有するポリエチレンイミン−
クロルメチル化ポリスルホン複合膜の正電荷効果を調べ
るために、カチオン性物質である4級アンモニウム塩お
よびアニオン性物質である有機酸の水溶液(濃度100
0ppm)の透過試験を行った結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】実施例5 比較例1で得たポリスルホン膜を、クロルメチルメチル
エーテル21gおよび塩化亜鉛4.2gを570gのメ
チルアルコールに溶解した溶液に浸漬した。溶液の温度
を50℃に保ち、攪拌しながら10時間反応させた後、
大量の水またはメチルアルコールを用いて洗浄した。膜
の1部をサンプリングして元素分析を行ったところ塩素
含量が0.074重量%であり、この含量から計算で求
められるポリスルホンユニットあたりの導入されたクロ
ルメチル基の数は0.01個である。さらに、 1H−
NMR法で評価した4.57ppm に現われるメチレ
ン基も同様の値を示し、クロルメチル化されていること
を確認した。
【0041】次いで、上記のクロルメチル化ポリスルホ
ン膜を、その緻密層側を下にして、重量平均分子量10
0,000であるポリエチレンイミンの10重量%水溶
液に5時間浮かべ反応させ、ポリエチレンイミン−クロ
ルメチル化ポリスルホン複合膜を得た。その際、温度は
60℃に保った。その後、充分に水洗した。得られたポ
リエチレンイミン−クロルメチル化ポリスルホン複合膜
について、純水の透過流束を測定した結果、199リッ
トル/m2・hrであり、また重量平均分子量が147
0である単分散PEGの阻止率は92%であった。さら
に、クロム酸カリウム水溶液で処理して、膜断面をX線
マイクロアナライザーにより観察の結果、膜の表層部に
厚みが約0.02μmであるクロムの分布を確認した。 また、走査型電子顕微鏡により膜断面を観察の結果、ク
ロルメチル化ポリスルホン膜の緻密層上にさらに緻密な
構造を有する厚さが約0.02μmの層が観察された。
【0042】実施例6 実施例5で得たポリエチレンイミン−クロルメチル化ポ
リスルホン複合膜に共有結合の架橋構造を付与するため
に、1.0重量%のグルタルアルデヒド水溶液に70℃
で2時間浸漬し、次いで水洗した。このように得られた
架橋構造を有する複合膜について、純水透過流束を測定
した結果、59リットル/m2・hr、また表6に示す
各種の重量平均分子量を有するPEGの水溶液の阻止率
は、表6に示す通りであった。
【0043】
【表6】
【0044】実施例7 実施例1におけるクロルメチル化反応の時間を2時間と
した以外は全く同様の方法によりクロルメチル化ポリス
ルホンを得た。このクロルメチル化ポリスルホンは、元
素分析によって測定した塩素含量が3.2重量%であり
、この含量から計算で求められるポリスルホンの繰り返
し単位あたりの導入されたクロルメチル基の数は0.4
2個である。
【0045】次に、上記したクロルメチル化ポリスルホ
ンを用いて実施例1と同様の方法により製膜し、クロル
メチル化ポリスルホン膜を得た。このクロルメチル化ポ
リスルホン膜について、純水の透過流束を測定した結果
、1,220L/m2・hrであった。また、重量平均
分子量が21,000であるPEGの単分散水溶液(濃
度1,000ppm)の透過性測定した結果、阻止率は
99%であった。同様に、重量平均分子量がそれぞれ1
2,600および7,100であるPEGの単分散水溶
液の透過性測定した結果、阻止率はそれぞれ55%と4
%であった。
【0046】次に、クロルメチル化ポリスルホン膜を用
いて、その緻密層の膜面を下にして表7に示す所定の条
件に調製した各種ポリアリルアミン溶液の液面に40℃
で2時間浮かべ反応させ、ポリアリルアミン−クロルメ
チル化ポリスルホン複合膜を得た。なお、ポリアリルア
ミンは塩酸塩として市販されているため、強塩基性イオ
ン交換樹脂を用いて脱塩酸したものを用いた。また、溶
液のpHは水酸化ナトリウムを用いて調整した。反応後
、充分に水洗した。得られた複合膜について、それぞれ
純水の透過流束とPEG水溶液の透過性を測定した。そ
の結果を表7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】さらに、表7のNo.−9で得た複合膜を
pH2に調整した2重量%のクロム酸カリウム溶液に浸
漬して、ポリアリルアミンのアミノ基をプロトネートし
てクロム酸イオンとイオン交換させる処理を行った後、
X線マイクロアナライザーにより膜断面を観察の結果、
膜の表層部に厚みが約0.04μmであるクロムの分布
を確認した。また、走査型電子顕微鏡により膜断面を観
察の結果、クロルメチル化ポリスルホン膜の緻密層上に
さらに緻密な構造を有する厚さが約0.04μmの層が
観察された。
【0049】実施例8 実施例7における表7のNo.−9で得たポリアリルア
ミン−クロルメチル化ポリスルホン複合膜に共有結合の
架橋構造を付与するために、その複合膜を1.0重量%
のグルタルアルデヒド水溶液に60℃で20時間浸漬し
、次いで水洗した。このような処理をして得られた複合
膜について、純水透過流束を測定した結果は60L/m
2・hrであり、また各種重量平均分子量のPEG水溶
液の阻止率は表8に示す通りであった。
【0050】
【表8】
【0051】実施例9 実施例8において得た架橋構造を有するポリアリルアミ
ン−クロルメチル化ポリスルホン複合膜について、その
耐熱性を調べるために、該膜を121℃の1.7kg/
cm2 の高圧水蒸気で約20分間処理し、純水の透過
流束および重量平均分子量960のPEGの阻止率を測
定した。さらに、同様の処理を繰り返し行い、同様の膜
性能の測定を行った。その結果を表9に示す。
【0052】
【表9】
【0053】実施例10 実施例9と同様の条件でポリアリルアミン−クロルメチ
ル化ポリスルホン複合膜に共有結合またはイオン結合に
よる架橋構造を付与する処理を各種架橋剤を用いて行っ
た。表10に架橋剤の種類と得られた架橋構造を有する
複合膜について純水透過流束および各種重量平均分子量
のPEGの阻止率を測定した結果を示す。
【0054】
【表10】
【0055】実施例12 実施例9で得た架橋構造を有するポリアリルアミン−ク
ロルメチル化ポリスルホン複合膜について、その正電荷
の効果を調べるために、カチオン性物質である4級アン
モニウム塩及びアニオン性物質である有機酸の水溶液(
濃度1000ppm)の透過試験を行った結果を表1に
示す。
【0056】
【表11】
【0057】実施例13 実施例1で得た、元素分析によって測定した塩素含量が
7.5重量%であり、この含量から計算で求められるポ
リスルホンの繰り返し単位あたりの導入されたクロルメ
チル基の数が1.1個であるクロルメチル化ポリスルホ
ンを10g、未変性のポリスルホンを20g、重量平均
分子量10,000のポリビニルピロリドン5gおよび
N−メチル−2−ピロリドン150gよりなる混合物を
室温において10時間攪拌した後、粘度30ポイズの溶
液を得た。次いで、この溶液をポリエステル製の不織布
上に約300μmの厚さで流延した後、5℃の純水に浸
漬して凝固させることにより、厚さ約100μmのクロ
ルメチル化ポリスルホン/ポリスルホンブレンド膜を得
た。この膜におけるポリスルホン樹脂成分全体に対して
導入されたクロルメチル基の数は、ポリスルホンの繰り
返し単位あたり0.37個である。このクロルメチル化
ポリスルホン/ポリスルホンブレンド膜について、純水
の透過流束を測定した結果、1,250L/m2・hr
であった。また、重量平均分子量が21,000である
PEGの単分散水溶液(濃度1,000ppm)の透過
性測定した結果、阻止率は99%であった。同様に、重
量平均分子量がそれぞれ12,600であるおよび7,
100であるPEGの単分散水溶液の透過性測定した結
果、阻止率はそれぞれ57%と7%であった。
【0058】次に、該クロルメチル化ポリスルホン/ポ
リスルホンブレンド膜を用いて、その緻密層の膜面を下
にして表12に示す所定の条件に調製した各種ポリエチ
レンイミン溶液の液面に40℃で2時間浮かべ反応させ
、ポリエチレンイミン−クロルメチル化ポリスルホン/
ポリスルホンブレンド複合膜を得た。反応後、充分に水
洗した。得られた複合膜について、それぞれ純水の透過
流束とPEG水溶液の透過性を測定した。その結果を表
12に示す。
【0059】
【表12】
【0060】さらに、表12のNo.−8で得た複合膜
をpH2に調整した2重量%のクロム酸カリウム溶液に
浸漬して、ポリエチレンイミンのアミノ基をプロトネー
トとしてクロム酸イオンとイオン交換させる処理を行っ
た後、X線マイクロアナライザーにより膜断面を観察の
結果、膜の表層部に厚みが約0.05μmであるクロム
の分布を確認した。また、走査型電子顕微鏡により膜断
面を観察の結果、クロルメチル化ポリスルホン/ポリス
ルホンブレンド膜の緻密層上にさらに緻密な構造を有す
る厚さが約0.05μmの層が観察された。
【0061】実施例14 実施例13における表12のNo.−8で得たポリエチ
レンイミン−クロルメチル化ポリスルホン/ポリスルホ
ンブレンド複合膜に共有結合の架橋構造を付与するため
に、その複合膜を1.0重量%のグルタルアルデヒド水
溶液に60℃で20時間浸漬し、次いで水洗した。この
ような処理をして得られた複合膜について、純水透過流
束を測定した結果は63L/m2・hrであり、また各
種重量平均分子量のPEG水溶液の阻止率は表13に示
す通りであった。
【0062】
【表13】
【0063】実施例15 実施例14において得た架橋構造を有するポリエチレン
イミン−クロルメチル化ポリスルホン/ポリスルホンブ
レンド複合膜について、その耐熱性を調べるために、該
膜を121℃の1.7kg/cm2 の高圧水蒸気で約
20分間処理し、純水の透過流束および重量平均分子量
960のPEGの阻止率を測定した。さらに、同様の処
理を繰り返し行い、同様の膜性能の測定を行った。その
結果を表14に示す。
【0064】
【表14】
【0065】実施例16 実施例15と同様の条件でポリエチレンイミン−クロル
メチル化ポリスルホン/ポリスルホンブレンド複合膜に
共有結合またはイオン結合による架橋構造を付与する処
理を各種架橋剤を用いて行った。表15に架橋剤の種類
と得られた架橋構造を有する複合膜について純水透過流
束および各種重量平均分子量のPEGの阻止率を測定し
た結果を示す。
【0066】
【表15】
【0067】実施例17 実施例14で得た架橋構造を有するポリエチレンイミン
−クロルメチル化ポリスルホン/ポリスルホンブレンド
複合膜について、その正電荷の効果を調べるために、カ
チオン性物質である4級アンモニウム塩及びアニオン性
物質である有機酸の水溶液(濃度1000ppm)の透
過試験を行った結果を表16に示す。
【0068】
【表16】
【0069】実施例18 下記式で表される繰り返し単位
【0070】
【化3】
【0071】を有するポリエーテルイミド(商品名: 
ウルテム1000,ゼネラルエレクトリック社製、重量
分子量: 40,000)100gをジクロロエタン8
32gに窒素雰囲気下、50℃で加熱攪拌しながら均一
に溶解した後、クロルメチルメチルエーテル67gおよ
び塩化亜鉛11gを投入し攪拌しながら50℃で8時間
反応させた。次いで、反応液を30℃まで冷却した後、
大量のメチルアルコール中に沈澱させ減圧乾燥後、クロ
ロホルムで溶解、再沈澱させて精製し膜の製造に供した
。なお、得られたクロルメチル化ポリエーテルイミドは
、元素分析によって測定した塩素含量が6.6重量%で
あり、この含量から計算で求められるポリエーテルイミ
ドの繰り返し単位あたりの導入されたクロルメチル基の
数が1.2個である。さらに、 1H−NMR法で評価
した4.56ppm に現れるメチレン基の濃度と一致
し、クロルメチル化されていることを確認した。これら
の分析結果より、クロルメチル化ポリエーテルイミドの
構造は下記式と同定された。
【0072】
【化4】
【0073】(式中、a+b=1.2)上記のクロルメ
チル化ポリエーテルイミドを5.4重量%、未変性のポ
リエーテルイミドを10.8重量%、重量平均分子量4
0,000のポリビニルピロリドン2.7重量%および
N−メチル−2−ピロリドン81.1重量%よりなる混
合物を室温において10時間攪拌した後、粘度25ポイ
ズの製膜溶液を得た。次いで、この溶液を用いて中空糸
製造用環状ノズルから中空糸膜を押し出し、5℃の純水
を凝固液として中空糸の内部及び外部から凝固させ、ク
ロルメチル化ポリエーテルイミド/ポリエーテルイミド
ブレンドからなる内径0.79mm×外径1.3mmの
中空糸膜を得た。この中空糸膜におけるポリエーテルイ
ミド樹脂成分全体に対して導入されたクロルメチル基の
数は、ポリエーテルイミドの繰り返し単位あたり0.4
個である。このクロルメチル化ポリエーテルイミド/ポ
リエーテルイミドブレンド中空糸膜を用いて、長さ15
0mm、中空糸本数20本のモジュールを製作し、純水
の透過流束を測定した結果、750L/m2・hrであ
った。また、重量平均分子量が21,000であるPE
Gの単分散水溶液(濃度1,000ppm)の透過性測
定した結果、阻止率は99%であった。同様に、重量平
均分子量がそれぞれ12,600であるおよび7,10
0であるPEGの単分散水溶液の透過性測定した結果、
阻止率はそれぞれ65%と8%であった。
【0074】次に、該クロルメチル化ポリエーテルイミ
ド/ポリエーテルイミドブレンド中空糸膜モジュールを
用いて、その中空糸膜内部に表17に示す所定の条件に
調製した各種ポリエチレンイミン溶液を40℃で2時間
ポンプを用いて循環させ、反応させ、ポリエチレンイミ
ン−クロルメチル化ポリエーテルイミド/ポリエーテル
イミドブレンド複合中空糸膜を得た。反応後、充分に水
洗した。得られた複合膜について、それぞれ純水の透過
流束とPEG水溶液の透過性を測定した。その結果を表
17に示す。
【0075】
【表17】
【0076】さらに、表17のNo.−8で得た複合中
空糸膜モジュールを分解し複合中空糸膜を取り出し、p
H2に調整した2重量%のクロム酸カリウム溶液に浸漬
して、ポリエチレンイミンのアミノ基をプロトネートし
てクロム酸イオンとイオン交換させる処理を行った後、
X線マイクロアナライザーにより膜断面を観察の結果、
中空糸膜の内側の表層部に厚みが約0.05μmである
クロムの分布を確認した。また、走査型電子顕微鏡によ
り中空糸膜断面を観察の結果、クロルメチル化ポリエー
テルイミド/ポリエーテルイミドブレンド中空糸膜の内
側の緻密層上にさらに緻密な構造を有する厚さが約0.
05μmの層が観察された。
【0077】実施例19 実施例17における表17のNo.−8で得たポリエチ
レンイミン−クロルメチル化ポリエーテルイミド/ポリ
エーテルイミドブレンド複合中空糸膜に共有結合の架橋
構造を付与するために、その複合中空糸膜内部に1.0
重量%のグルタルアルデヒド水溶液を60℃で20時間
ポンプを用いて循環し反応させ、次いで水洗した。この
ような処理をして得られた複合中空糸膜モジュールにつ
いて、純水透過流束を測定した結果は45L/m2・h
rであり、また各種重量平均分子量のPEG水溶液の阻
止率は表18に示す通りであった。
【0078】
【表18】
【0079】実施例20 実施例19において得た架橋構造を有するポリエチレン
イミン−クロルメチル化ポリエーテルイミド/ポリエー
テルイミドブレンド複合中空糸膜モジュールについて、
その耐熱性を調べるために、該モジュールを121℃の
1.7kg/cm2 の高圧水蒸気で約20分間処理し
、純水の透過流束および重量平均分子量960のPEG
の阻止率を測定した。さらに、同様の処理を繰り返し行
い、同様の膜性能の測定を行った。その結果を表19に
示す。
【0080】
【表19】
【0081】実施例21 実施例20と同様の条件でポリエチレンイミン−クロル
メチル化ポリエーテルイミド/ポリエーテルイミドブレ
ンド複合中空糸膜に共有結合またはイオン結合による架
橋構造を付与する処理を各種架橋剤を用いて行った。表
20に架橋剤の種類と得られた架橋構造を有する複合膜
について純水透過流束および各種重量平均分子量のPE
Gの阻止率を測定した結果を示す。
【0082】
【表20】
【0083】実施例22 実施例19で得た架橋構造を有するポリエチレンイミン
−クロルメチル化ポリエーテルイミド/ポリエーテルイ
ミドブレンド複合中空糸膜モジュールについて、その正
電荷の効果を調べるために、カチオン性物質である4級
アンモニウム塩及びアニオン性物質である有機酸の水溶
液(濃度1000ppm)の透過試験を行った結果を表
21に示す。
【0084】
【表21】
【0085】比較例2 実施例1で得た、元素分析によって測定した塩素含量が
7.5重量%であり、この含量から計算で求められるポ
リスルホンの繰り返し単位あたりの導入されたクロルメ
チル基の数が1.1個であるクロルメチル化ポリスルホ
ンよりなる膜を分子量が10,000であるポリエチレ
ンイミンの濃度が3重量%、pHが10の水溶液に40
℃で2時間浸漬し反応させ、ポリエチレンイミン−クロ
ルメチル化ポリスルホン膜を得た。反応後、充分に水洗
した。得られた膜をN−メチル−2−ピロリドンに浸漬
したところ膜の形状に変化はなく不溶であった。
【0086】次いでこの膜の一部分を切り出して、pH
2に調整した2重量%のクロム酸カリウム溶液に浸漬し
て、ポリエチレンイミンのアミノ基をプロトネートして
クロム酸イオンとイオン交換させる処理を行った後、X
線マイクロアナライザーにより膜断面を観察の結果、膜
の断面全体にクロムの分布を確認した。
【0087】さらにこの膜1.0重量%のグルタルアル
デヒド水溶液に60℃で20時間浸漬し、次いで水洗し
た。得られた膜について、純水透過流束を測定した結果
は4.1L/m2・hrであり、また各種重量平均分子
量960のPEG水溶液の阻止率は97%であった。
【0088】この膜について、その耐熱性を調べるため
に、121℃の1.7kg/cm2 の高圧水蒸気で約
20分間処理し、純水の透過流束および重量平均分子量
960のPEGの阻止率を測定した。さらに、同様の処
理を繰り返し行い、同様の膜性能の測定を行った。その
結果、処理回数が4回までは性能の劣化は認められなか
ったが、5回目の処理で膜にクラックが発生し、PEG
の阻止率は0%になった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ハロメチル基を有する芳香族縮合系高
    分子からなる多孔質膜の表面に、該ハロメチル基を介し
    て化学結合により分子量が500以上であるポリアミン
    の薄層を形成させた半透性複合膜
  2. 【請求項2】  ポリアミンの薄層が架橋構造を有する
    特許請求の範囲第1項に記載の半透性複合膜【請求項3
    】  ポリアミンのアミノ基がプロトネートされた特許
    請求の範囲第1項に記載の半透性複合膜
JP11307191A 1990-05-18 1991-05-17 半透性複合膜 Pending JPH04227833A (ja)

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JP2-126597 1990-05-18
JP12659790 1990-05-18

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1059449C (zh) * 1996-07-08 2000-12-13 中国科学院生态环境研究中心 高粘度氯甲基化聚砜的制备方法

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