[go: up one dir, main page]

JPH04224360A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

Info

Publication number
JPH04224360A
JPH04224360A JP2414338A JP41433890A JPH04224360A JP H04224360 A JPH04224360 A JP H04224360A JP 2414338 A JP2414338 A JP 2414338A JP 41433890 A JP41433890 A JP 41433890A JP H04224360 A JPH04224360 A JP H04224360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotational speed
torque
shift
phase
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2414338A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Takanami
陽二 高波
Hiromichi Kimura
弘道 木村
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2414338A priority Critical patent/JPH04224360A/ja
Publication of JPH04224360A publication Critical patent/JPH04224360A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適正な学習補正を行う
ことにより、イナーシャ相の初期から最適な係合圧で変
速制御を行うことができるようにした自動変速機の変速
制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】一般に自動変速機は、歯車変速機構及び
複数の摩擦係合装置を備え、油圧制御装置を作動させる
ことによって該複数の摩擦係合装置の係合状態を選択的
に切換え、前記歯車変速機構において複数の変速段が達
成されるように構成してある。
【0003】近年、前記摩擦係合装置の係合圧を電気的
に制御することが可能となり、これに伴って、変速中に
摩擦係合装置の係合圧をリアルタイムでフィードバック
制御することにより、良好な変速特性を得るようにした
技術が提案されている(特開昭63−212137)。
【0004】このように係合圧をリアルタイムでフィー
ドバック制御する技術は、そのときのエンジン出力や油
圧、あるいは摩擦係合装置の摩擦係数等のばらつきや経
時変化の如何に拘らず変速特性を最適な目標値に沿って
制御することができるため、常に良好な変速特性を維持
することができるようになるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このフィードバック制
御においては、応答性を重視して高いフィードバックゲ
インを設定すると係合圧がハンチングして出力軸トルク
が振動する等の問題が発生する。一方、系の安定性を重
視してフィードバックゲインを低めに設定すると目標値
に対する追従性が低下してそれだけ理想的な変速特性を
実現することが困難になるという問題が発生する。
【0006】又、フィードバック制御は、イナーシャ相
(自動変速機の回転メンバが変速のための回転速度変化
を生ずる期間:実質的な変速期間)に入らないうちは変
速のための回転速度変化が生じないため、これを実行す
ることができない。そのため変速ショックの低減に最も
重要なイナーシャ相初期における制御の適正化を実現す
ることが前記応答性の問題と関連して難しいという問題
もある。
【0007】即ち、変速が実行されるときには、イナー
シャ相の直前にトルク相と呼ばれる回転速度の変化は未
だ生じないが出力軸トルクが急激に低下し始める領域が
あり、その後イナーシャ相に入って出力トルクが急増す
る特性となる。この低下→増加(場合によってはこの後
にオーバーシュートが生じる)の特性は、イナーシャ相
初期の係合圧が適正であるかどうかに依存する。ところ
が、フィードバック制御は、イナーシャ相が開始された
後でなければ実行できないため、この適正化が困難な面
があったものである。
【0008】このような点に鑑み、(フィードバック制
御を実行するか否かに拘らず)前回の変速時間を計測し
てこれが所定値からずれていたときに次回の変速の係合
圧を学習補正するという技術が提案されている(特開平
2−163561)。
【0009】しかしながら、変速時間は必ずしも変速中
のトルク変動と1対1に対応するものではないため、こ
のような学習補正では概略的な補正は可能であるが、正
確なチューニングを行うのは難しい面がある。
【0010】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであって、摩擦係合装置の係合圧をその初
期の段階から極めて適正に学習補正することのできる自
動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、変速指令後、
トルク相の開始を検出する手段と、イナーシャ相の開始
を検出する手段と、前記トルク相の開始からイナーシャ
相の開始までの経過時間を求める手段と、該経過時間に
基づいて油圧制御装置内の係合圧の初期値を学習補正す
る手段とを備えたことにより、上記課題を解決したもの
である。
【0012】
【作用】本発明においては、トルク相の開始及びイナー
シャ相の開始をそれぞれ検出し、トルク相の開始からイ
ナーシャ相の開始までの経過時間を演算し、この経過時
間に基づいて油圧制御装置内の係合圧の初期値を学習補
正するようにしている。
【0013】係合圧が低過ぎたときには、トルク相の開
始からイナーシャ相の開始までの時間が長くなり、高過
ぎたときには短くなる。この場合、たとえ係合圧が一定
であっても、例えばそのときのエンジン出力のばらつき
等により相対的に係合圧が不適になっても経過時間の長
短に反映されるため、結局エンジン出力のばらつき等を
も考慮した上で最適な係合圧の初期値を学習補正できる
ようになる。
【0014】なお、後述する実施例のように、本発明で
は、トルク相の開始とイナーシャ開始をそれぞれ検出す
る手段を有しているため、例えばトルク相の検出からイ
ナーシャ相検出までの経過時間に対するガードタイマを
設け、このガードタイマが経過するまでにイナーャ相が
開始しなかった場合には、係合圧が「非常に低い」と認
識し、変速の途中から油圧をリアルタイムで増大させる
ことによって当該変速がアキュムレータの干渉領域内で
終了できなくなるのを防止できるという発展的な効果を
得ることも可能となる。
【0015】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0016】この実施例においては、摩擦係合装置の係
合圧を制御するために、アキュムレータの背圧を制御す
るようにしている。
【0017】図2にこの実施例が適用される車両用自動
変速機の全体概要を示す。
【0018】この自動変速機は、そのトランスミッショ
ン部としてトルクコンバータ部20と、オーバードライ
ブ機構部40と、前進3段後進1段のアンダードライブ
機構部60とを備える。
【0019】前記トルクコンバータ部20は、ポンプ2
1、タービン22、ステータ23、及びロックアップク
ラッチ24を備えた周知のものである。
【0020】前記オーバードライブ機構部40は、サン
ギヤ43、リングギヤ44、プラネタリピニオン42、
及びキヤリヤ41からなる1組の遊星歯車装置を備え、
この遊星歯車装置の回転状態をクラッチC0 、ブレー
キB0 、一方向クラツチF0 によって制御している
【0021】前記アンダードライブ機構部60は、共通
のサンギヤ61、リングギヤ62、63、プラネタリピ
ニオン64、65及びキャリヤ66、67からなる2組
の遊星歯車装置を備え、この2組の遊星歯車装置の回転
状態、及び前記オーバードライブ機構との連結状態をク
ラッチC1 、C2 、ブレーキB1 〜B3 、及び
一方向クラッチF1 、F2 によって制御している。
【0022】このトランスミッション部はこれ自体周知
であるため、各構成要素の具体的な連結状態については
、図2においてスケルトン図示するにとどめ、詳細な説
明は省略する。
【0023】この自動変速機は、上述の如きトランスミ
ッション部、及びコンピュータ(ECU)84を備える
。コンピュータ84にはエンジン1の出力(トルク)を
反映させるためのスロットル開度θを検出するスロット
ルセンサ80、車速N0 を検出する車速センサ(出力
軸70の回転速度センサ)82、及びトルク相及びイナ
ーシャ相を検出するために自動変速機の前記タービン2
2の回転速度NTを検出するNTセンサ99等の各信号
が入力される。
【0024】コンピュータ84は予め設定されたスロッ
トル開度−車速の変速マップに従って油圧制御回路86
内の電磁弁S1 、S2 (シフトバルブ用)、SL(
ロックアップクラッチ用)及びリニヤソレノイドSD(
係合圧制御用)を駆動・制御し、図3に示されるような
各クラッチ、ブレーキ等の係合の組合せを行って変速を
実行する。
【0025】図4に上記油圧制御回路86の要部を示す
【0026】図4において、符号SDがリニヤソレノイ
ド、108がアキュムレータコントロールバルブ、11
0がモジュレータバルブ、112がアキュムレータ、1
14がシフトバルブである。
【0027】この図4においては、摩擦係合装置として
、ブレーキB2 が代表的に示されている。図3から明
らかなように、ブレーキB2 は第1速段から第2速段
への変速を達成するときに係合させられる摩擦係合装置
である。
【0028】図示せぬオイルポンプによって発生される
油圧を基圧として、ライン圧PLが周知の方法で作り出
される。このライン圧PLはモジュレータバルブ110
のポート110Aに印加される。モジュレータバルブ1
10は、このライン圧PLを受けて所定のモジュレータ
圧Pm を周知の方法でポート110Bに発生する。
【0029】リニヤソレノイドSDは、このモジュレー
タ圧Pm を受けて所定のソレノイド圧PS1 を発生
する。即ち、コンピュータ84から所定のデューティ比
に基づく負荷電流指令がリニヤソレノイドSDに印加さ
れ、リニヤソレノイドSDは、この負荷電流に応じたソ
レノイド圧PS1 を周知の方法で発生するものである
【0030】なお、この実施例ではデューティ比が大き
いと、発生されるソレノイド圧PS1 が大きくなるよ
うになつている。
【0031】このソレノイド圧PS1 は、アキュムレ
ータコントロールバルブ108のポート108Aに入力
される。アキュムレータコントロールバルブ108は、
ライン圧PL1 及びリニヤソレノイドSDからのソレ
ノイド圧PS1 を入力信号とし、ポート108Bのラ
イン圧PL2 をアキュムレータ背圧Pacに調圧する
【0032】即ち、アキュムレータ背圧Pacは、換言
すると基本的にライン圧PL2 がライン圧PL1 及
びスプリング108Cの付勢力によって調圧され、且つ
、リニヤソレノイドSDのソレノイド圧PS1 によっ
て補正されたものである。なお、このアキュムレータ背
圧Pacはデューティ比が大きいと低くなる特性となる
【0033】コンピュータ84によって変速判断(この
場合、第1速段から第2速段への変速判断)が行われる
と、電磁弁S1 を介してシフトバルブ114が周知の
方法で切換えられ、ライン圧PL(PB0 )がブレー
キB2に向って供給され始める。
【0034】この供給開始時の油圧の設定(デューティ
比の設定)がこの実施例装置での大きな特徴となってい
るものである。これについては後に詳述する。
【0035】この供給を受けてアキュムレータ112の
ピストン112Aが上昇を開始する。このピストン11
2Aが上昇している間は、ブレーキB2 に供給される
油圧(PB0 )が、スプリング112Bの下向きの付
勢力及びピストン112Aに働く下向きの力と釣合った
ほぼ一定の油圧に維持されることになる。ピストン11
2Aを下向きに押そうとする力は、アキュムレータ11
2の背圧室112Cにかかるアキュムレータ背圧Pac
によって発生される。そのため、アキュムレータ背圧P
acを前述のようにモジュレータバルブ110、リニヤ
ソレノイドSD及びアキュムレータコントロールバルブ
108を介して所定の油圧に制御することによってブレ
ーキB2 への係合時の過渡油圧PB0 を任意に制御
することが可能となる。具体的にはデューティ比が大き
い場合には係合圧はより低くなる特性となる。
【0036】ところで、車両間の製造時のばらつきや経
時変化等が生じたとしても、回転メンバが変速による回
転数変化を生じた後、即ち、イナーシャ相の開始後なら
ば、例えばフィードバック制御を実行することによって
ある程度対応することが可能である。しかしながら、変
速指令が出された後油圧が供給され始め、この供給によ
って回転メンバが回転変化を開始するまで(イナーシャ
相が開始されるまで)の間は、フィードバック制御を行
いようがないため、この係合圧の初期設定値が各種ばら
つき等によって高目あるいは低目にずれることがあり得
る。
【0037】その結果、甚しい時には、アキュムレータ
の緩衝領域内で変速が終了しきれず、該アキュムレータ
の緩衝領域の終了と共に出力軸トルクが急激に変化し、
これが変速ショックとなって感じられるようになってし
まう。
【0038】この不具合は、主に変速指令からイナーシ
ャ相が開始されるまでの係合圧の初期値が従来走行パラ
メータ(変速の種類及びスロットル開度)のみによって
決定され、エンジントルクや摩擦係合装置の摩擦材の摩
擦係数等のばらつきが全く考慮されていないことによっ
て生ずる。フィードバック制御が実行されないような場
合は、イナーシャ相後の補正が行われないためこの不具
合は一層顕著になってしまう。
【0039】従って、これを解決するためには、各種ば
らつきや経時変化をも考慮した初期係合圧の設定を行え
ばよいことになる。即ち、ある変速を行う場合、それ以
前に行われた同一のスロットル開度、同一の変速の種類
の変速特性からその時設定された初期係合圧が妥当であ
ったか否かを判定し、その結果に基づいて今回行おうと
する変速の初期係合圧を学習・決定すればよい。
【0040】以前行われた変速の初期係合圧の妥当性の
判定は、前述したように「変速時間」を基にする技術も
考えられるが、本実施例ではよりエンジントルクの変動
に対応した「トルク相からイナーシャ相までの時間」を
基にして行う。
【0041】図5に上記学習補正の制御フローを示す。
【0042】ステップ201で変速判断があった場合、
ステップ202に進んで変速指令が出される。例えば第
1速段から第2速段へアップシフトすべき旨の変速判断
があったときには、ブレーキB2 の係合指令(変速指
令)が出される。
【0043】ステップ203では変速の種類、スロット
ル開度θ等に応じたアキュムレータ背圧Pac(具体的
には当該アキュムレータ背圧Pacに対応するデューテ
ィ比Ds が設定される。このディユーティ比Ds が
係合圧の初期値を決定することになる。
【0044】ステップ204ではトルク相が開始された
か否かが判断される。このトルク相の開始の検出につい
ては従来未公知であるため後に詳述する。
【0045】ステップ204でトルク相が開始された判
断されると、ステップ205に進んでタイマT1 がカ
ウントスタートされる。このT1 タイマは、トルク相
の開始からイナーシャ相の開始までの経過時間をカウン
トするためのものである。
【0046】ステップ206では、現時点でのカウント
値T1 が所定値Tg に至ったか否かが判断される。 この所定値Tg は、イナーシャ相の開始に対するガー
ドタイマである。
【0047】もしトルク相の開始の検出から所定時間T
g が経過してもなおイナーシャ相が開始されなかった
ときには、ステップ207に進んでデューティ比Ds 
をリアルタイムでDs −D0 に変更し、係合圧をそ
の時点から上昇させアキュムレータの緩衝領域内で変速
が終了し切れなくなるのを防止する。このガードタイマ
Tg によるリアルタイムでの係合圧の補正は、本発明
の実施例に相当するものではないが、本発明によってト
ルク相の開始及びイナーシャ相の開始が共に検出される
ことから付随的に実行可能となった言わば発展的な効果
である。なお、この場合は次回の変速のデューティ比を
Ds−Da として学習補正する(ステップ208)。
【0048】カウント値T1 がTg を超えない限り
イナーシャ相の開始を待ち、ステップ210にてカウン
ト値T1 をストップさせトルク相からイナーシャ相開
始までの経過時間を計測する。
【0049】なお、イナーシャ相の開始は、従来と同様
に(1)で示されるような式が成立するか否かによって
検出できる。
【0050】       NT<N0 × iL−α       
                       ……
…(1)
【0051】ここで、 iLは低速段側のギヤ
比(第1速段から第2速段への変速の場合、第1速段の
ギヤ比)、αは定数である。
【0052】ステップ211ではこの計測されたカウン
ト値T1 を所定値Ta と比較し、変速の進行が遅過
ぎるか否かの判定を行う。T1 >Ta が成立してい
ればステップ212に進んで、次回の変速のデューティ
比Ds をDs −Ga1(T1 −Ta )とする。
【0053】ここで、Ga1は予め決めておいた定数で
ある。T1 >Ta が成立するということは、変速の
進行が遅いということであるため、デューティ比を下げ
て次回変速のアキュムレータの背圧設定を上げることに
なる。
【0054】ステップ211でT1 >Ta が成立し
ていなければステップ213に進んでT1 とTb を
比較し、変速の進行が速すぎるか否かを判定する。T1
 <Tb が成立していた場合には変速が速すぎると判
断されるため、ステップ214に進んで次回変速のデュ
ーティ比Ds をDs +Ga2(Tb −T1 )と
し、次回変速のアキュムレータの背圧設定を下げるよう
にする。なお、Ga2は予め決めておいた定数である。
【0055】T1 <Tb が成立していない場合は、
変速の進行が妥当であると判断されるため、ステップ2
15に進み次回変速のデューティ比Ds は特に変更し
ない。
【0056】以上の結果、例えばエンジントルクのばら
つき等をも含めた上で、摩擦係合装置の係合圧の初期値
を適正に学習補正することができるようになり、特にイ
ナーシャ相初期における係合圧を適正に制御することが
できるようになる。
【0057】次に、前記204において実行されるトル
ク相の開始の検出について詳細に説明する。
【0058】一般に、自動変速機がトルク相の領域に入
ってくると出力軸トルクの急降下が見られる。しかしな
がら、この段階では未だ回転メンバの回転速度変化が発
生していないため、(実際の発生トルクの検出が現実的
には困難であることもあって)従来はこのトルク相の開
始を知ることはできないとされていた。
【0059】ところが、この考え方は、あくまで自動変
速機、あるいはこれを含むパワートレイン系が完全剛体
であることを前提としたものであり、実際にはパワート
レイン系は完全剛体ではない。従って、トルク相におい
て出力軸トルクが急降下するということはパワートレイ
ン系にそれまで発生していた捩れが戻されるという現象
が起っている筈である。そしてこの捩れの戻しは「回転
速度の変化」として捕えることができる筈である。
【0060】即ち、例えばドライブシャフトを例にとる
と、トルク相においてドライブシャフトへの入力トルク
は図6のTA→TBのように変化し、それに伴いドライ
ブシャフトの捩れ角は図7のθA→θBのように変化す
る。従って、ベースとなる回転速度をω0 、A−B間
の時間をABt とすると、このA−B間における実回
転速度ωは近似的に(2)式で示されるようになる。
【0061】       ω0 −(θA−θB)/ABt    
                   ………(2)
【0062】他の部位についても、これと同様の変化が
見られ、結局それぞれの回転メンバの回転速度はタイヤ
接地点からそのメンバまでの剛性に起因する差回転(θ
A−θB)/ABt を積算した分だけ変化することと
なる。
【0063】しかしながら、従来はトルク相の捩れを検
出するという考え方自体が存在しなかっただけでなく、
具体的にも前述したように(1)で示されるような計算
式に基づいてイナーシャ相の検出を行っていたため、こ
の捩れの戻しによる回転速度変化を捕えることができな
かった。
【0064】即ち、図8に示されるように、パワートレ
イン系ではこのような捩れの戻しが発生し得る部位とし
てはエンジンの支持部位、自動変速機、プロペラシャフ
ト、ドライブシャフト、サスペンションあるいはデファ
レンシャルの支持部位、及びタイヤ等がある。
【0065】しかしながら、この中で1つでも相対的に
剛性の弱い部分があると、捩れの戻しは主にこの部分で
のみ発生し、他の部分では殆ど発生しない。車両の剛性
で最も弱い部分はドライブシャフトであり、従ってトル
ク相の急変による捩れの戻しは殆どこのドライブシャフ
トの部分で吸収されているのが実状である。
【0066】しかるに、図8の例から明らかなように、
自動変速機の入力軸及び出力軸は共にドライブシャフト
より動力伝達経路上で上流側にあり、このトルク相にお
ける捩れの戻しについては、該入力軸から出力軸までは
ほぼ完全剛体のように挙動する。
【0067】従って自動変速機の入力軸回転速度NTと
、出力軸の回転速度N0 にギヤ比 iLをかけた値N
0 × iLとは、このトルク相のトルクの急変によっ
ては殆ど差を生ぜず、従ってたとえ検出精度を高めたと
しても従来の方法でトルク相の開始を検出することは不
可能だったのである。
【0068】これに対し、本実施例では、当該変速時に
変速に起因した回転速度変化を生じる回転メンバの回転
速度、例えば自動変速機の入力軸の回転速度(タービン
回転速度)NTをリアルタイムで検出し、この回転速度
NTの変化履歴を判断するようにしている。即ち、該回
転メンバの回転速度の変化履歴に基づいて、例えばこの
勾配を判断し、該回転メンバの回転速度NTが今後変化
していくと推定される推定回転速度を求める。そして、
この推定回転速度とリアルタイムで刻々と検出される実
回転速度とを比較し、この両者に所定以上の差が開いた
ときにトルク相における捩れの戻しに起因した回転速度
変化が発生したと判断するようにした。
【0069】既に言及したように、トルク相の段階では
変速のための(ギヤ比が変更されるための)回転速度変
化は発生していない。従って、パワートレイン系の回転
メンバの回転速度はトルク相が開始されるまでは急激に
変化することはなく、例えば車速の増大に伴って回転メ
ンバの回転速度が増大している場合にはその増大が継続
して続けられる。
【0070】ところが、トルク相に入ってパワートレイ
ン系に伝達されるトルクが急変すると剛性の弱いドライ
ブシャフト付近で大きな捩れの戻しが発生し、これによ
り上流側の全てのパワートレイン系でこの捩れの戻しに
起因した回転速度変化が発生する。
【0071】従って、回転メンバの回転速度は今後変化
していくと推定される推定回転速度から実回転速度が離
れるという現象が発生する。そこで、この離れていく現
象を検出することにより、このトルク相の開始を検出で
きるのである。前述したように、ドライブシャフトの剛
性に対してほぼ完全剛体と考えられる自動変速機の入力
軸及び出力軸の差回転を検出することによってイナーシ
ャ相を検出していた従来の方法では、たとえ検出精度を
高めたとしてもトルク相は検出できない。
【0072】図8にこのトルク相の開始の判定に関する
具体的な制御フローを示す。
【0073】この制御フローは、前記図5のステップ2
02において変速指令が出されたときに開始される。
【0074】ステップ301において、タービン回転速
度NTが読込まれ、同時にタイマt のカウントがスタ
ートされる。
【0075】なお、この場合の読込対象は必ずしもター
ビン回転速度でなくてもよく、変速に起因して回転速度
の変化する部材の回転速度なら何でもよく、例えば自動
変速機の出力軸回転速度でもよい。
【0076】ステップ302では現在のカウント値t 
と所定値t1とが比較され、t >t1が成立した場合
、ステップ303に進んでそのときのタービン回転速度
NTがNT1 として記憶される。
【0077】ステップ304では、現在までのカウント
値t と所定値t2とが比較され、t >t2が成立し
た場合にステップ305に進み、そのときのタービン回
転速度NTがNT2 として記憶される。
【0078】即ち、変速指令からt1後とt2後のそれ
ぞれのタービン回転速度NT1 、NT2 を検出し、
このNT1 及びNT2からタービン回転速度の上昇勾
配(NT2 −NT1 )/(t2−t1)×t を予
測することができ、これにNT2 を加えることにより
変速指令からt 後のタービン回転速度を予測すること
ができる。
【0079】ステップ306においては、このt 秒後
の予測回転速度と実際のt 秒後のタービン回転速度N
Tとの差が所定値ΔNTより大きくなったか否かが判断
され、大きくなった場合にステップ307に進んでトル
ク相が開始されたと判断する。ここで、ΔNTは予め決
めておいた定数である。
【0080】このステップ307において、トルク相の
開始と判定された場合に、前述の図5のステップ204
における判定で「YES」が成立することになる。
【0081】図10に上記実施例の効果を示す。図中実
線はチューニングされた通りの変速特性である。ピーク
トルクが低く、且つ変速の速度も適正である。
【0082】しかしながら、エンジントルク、摩擦係合
装置の摩擦係数、発生される油圧等には必ずばらつきや
経時変化があり、必ずしも目標通りの変速にはならない
【0083】図10の点線は油圧が低めにばらついたと
きの様子を示している。この場合は変速の進行が緩やか
になり摩擦係合装置のエネルギ吸収量も大きく、アキュ
ムレータの緩衝領域に殆ど余裕がない。このときのトル
ク相開始からイナーシャ相開始までの時間T1 は長い
【0084】図10の一点鎖線は油圧が高めにばらつい
たときの様子を示しており、変速の進行が速くピークト
ルクが高い。このときのトルク相開始からイナーシャ相
開始までの時間T1 は短い。
【0085】図10の二点鎖線は油圧が極端に低くばら
ついたときの様子を示している。この場合はアキュムレ
ータの緩衝領域内で変速が終了し切れない可能性があり
、その結果変速途中で大きな変速ショックが発生する可
能性がある。このようなときは、トルク相開始からイナ
ーシャ相開始までの時間T1 がガードタイマTg を
超える程に長くなる。
【0086】上記実施例では、トルク相開始からイナー
シャ相開始までの時間T1 が所定時間Tg より長い
場合は、変速の途中でリアルタイムで係合圧を補正する
ため、アキュムレータの緩衝領域内で変速が終了し切れ
なくなるのが防止される。又、この場合には次の変速時
に経過時間T1 が所定の時間となるように大きく学習
補正がなされる。
【0087】一方、トルク相開始からイナーシャ相まで
の経過時間T1 が所定時間Tg より短いような場合
には、その長さに応じて3段階で次の変速の係合圧が適
正に学習補正される。この結果、特に変速中のエンジン
トルクの変動を良好に反映した学習補正を実行すること
ができるようになる。
【0088】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、特
に変速中のトルク変動を良好に反映した上で係合圧の適
正な学習補正を行うことができるようになり、各種ばら
つき、経時変化等の如何に拘らず良好な変速特性を得る
ことができるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の要旨を示すブロック図である
【図2】図2は、本発明が適用される車両用自動変速機
の概略構成図である。
【図3】図3は、上記自動変速機における各摩擦係合装
置の係合・解放状態を示す線図である。
【図4】図4は、上記自動変速機の油圧制御装置の要部
を示す油圧回路図である。
【図5】図5は、上記自動変速機で実行される制御フロ
ーを示す流れ図である。
【図6】図6は、ドライブシャフトにおけるトルク相付
近におけるトルクの変化を示した線図である。
【図7】図7は、ドライブシャフトにおけるトルク相か
らイナーシャ相に至るときの捩れを説明するための線図
である。
【図8】図8は、車両のパワートレイン系の剛性が問題
となる部分を説明したスケルトン図である。
【図9】図9は、トルク相を検出するための制御フロー
を示す流れ図である。
【図10】図10は、上記実施例装置の効果を説明する
ための変速特性線図である。
【符号の説明】
99…タービン回転速度センサ、 NT…タービン回転速度、 84…コンピュータ、 SD…リニアソレノイド、 Ds …ディーティ比。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速指令後、トルク相の開始を検出する手
    段と、イナーシャ相の開始を検出する手段と、前記トル
    ク相の開始からイナーシャ相の開始までの経過時間を求
    める手段と、該経過時間に基づいて油圧制御装置内の係
    合圧の初期値を学習補正する手段と、  を備えたこと
    を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
JP2414338A 1990-12-26 1990-12-26 自動変速機の変速制御装置 Pending JPH04224360A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2414338A JPH04224360A (ja) 1990-12-26 1990-12-26 自動変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2414338A JPH04224360A (ja) 1990-12-26 1990-12-26 自動変速機の変速制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04224360A true JPH04224360A (ja) 1992-08-13

Family

ID=18522828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2414338A Pending JPH04224360A (ja) 1990-12-26 1990-12-26 自動変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04224360A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0611034A (ja) * 1992-04-03 1994-01-21 General Motors Corp <Gm> 自動変速機の制御装置
KR100250633B1 (ko) * 1996-01-24 2000-04-01 하나와 요시카즈 기어 시프트 제어 장치
JP2005351484A (ja) * 1995-12-11 2005-12-22 Denso Corp 車両用自動変速機制御装置
JP2011106581A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Jatco Ltd 自動変速機の制御装置
WO2011125385A1 (ja) * 2010-04-02 2011-10-13 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 制御装置
JP2015229410A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 トヨタ自動車株式会社 車両用動力伝達装置の制御装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0611034A (ja) * 1992-04-03 1994-01-21 General Motors Corp <Gm> 自動変速機の制御装置
JP2005351484A (ja) * 1995-12-11 2005-12-22 Denso Corp 車両用自動変速機制御装置
JP4736643B2 (ja) * 1995-12-11 2011-07-27 株式会社デンソー 車両用自動変速機制御装置
KR100250633B1 (ko) * 1996-01-24 2000-04-01 하나와 요시카즈 기어 시프트 제어 장치
JP2011106581A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Jatco Ltd 自動変速機の制御装置
WO2011125385A1 (ja) * 2010-04-02 2011-10-13 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 制御装置
JP2011220362A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
CN102782373A (zh) * 2010-04-02 2012-11-14 爱信艾达株式会社 控制装置
US8678977B2 (en) 2010-04-02 2014-03-25 Aisin Aw Co., Ltd. Control device
JP2015229410A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 トヨタ自動車株式会社 車両用動力伝達装置の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1019116A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPH05126238A (ja) 自動変速機のセレクトシヨツク軽減装置
JPH0454362A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JPH0674327A (ja) 自動変速機の制御装置
JP3155027B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3399303B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JPH04224360A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2000266173A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3688226B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2959284B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2689493B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH05306752A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2689494B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP4097439B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2012072801A (ja) 車両用無段変速機の変速制御装置
JP3399302B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP2000352459A (ja) 動力伝達装置の制御装置
JP2537946B2 (ja) トルクコンバ―タのスリップ制御装置
JP3531513B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPH05180320A (ja) 自動変速機の制御装置
JP3291979B2 (ja) 自動変速機における摩擦要素の締結制御装置
JP2589728B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3536701B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3422176B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2667424B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置