JPH04137927U - 車両用折り畳み式シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】広い通路スペースを確保可能な車両用折り畳み
式シートを提供する。 【構成】折り畳み時に車体の壁面Ｗに沿って倒立するよ
うに上端部を壁面Ｗに上下方向へ回動可能に組付けたシ
ートバック２１、壁面Ｗに沿って倒立したシートバック
２１を壁面Ｗに対し解除可能にロックするシートバック
用ロック手段２７，２８、折り畳み時に壁面Ｗに沿って
倒立するように後端部を壁面Ｗに上下方向へ回動可能に
組付けたシートクッション２３、同クッション２３の前
端部に組付けられ裏面側に倒伏する折り畳み位置とシー
トクッション２３の前端部を車体フロアＦに対し支持す
る起立位置間で回動可能なシートレッグ２９、及び壁面
Ｗに沿って倒立したシートクッション２３を壁面Ｗに対
し解除可能にロックするシートクッション用ロック手段
３２，３３を備え、折り畳み時にシートバック２１とシ
ートクッション２３を壁面Ｗに沿って倒立して上下方向
に一列に並べる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用折り畳み式シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のシートの一形式として、小荷物の運搬、配達に使用する車両には図４ 及び図５に示すような助手席シート１０が知られている。当該助手席シート１０ は一端をシートクッション１１の前部に連結し、他端を車体フロアＦに前後方向 へ回動可能に組付けた左右一対のフロントシートレッグ１２、両端部をシートク ッション１１の後部に前後方向へ回動可能に組付けた略Ｕ字形のリヤシートレッ グ１３、同シートレッグ１３に組付けられ車体フロアＦに固定したストライカ１ ４に離脱可能に係合してリヤシートレッグ１３を車体フロアＦに対してロックす るフック１５、及びシートクッション１１の後端部に前後方向へ回動可能に組付 けられ、シートクッション１１に対して倒伏可能なシートバック１６を備えてい る。

【０００３】 かかる構成によれば、図４に示す使用状態から、シートバック１６をシートク ッション１１上に倒伏し、フック１５をストライカ１４から外してフロントシー トレッグ１２を前方へ倒すと、シートクッション１１とシートバック１６が図５ に示すように倒立して折り畳まれるので、助手席シート１０の背後のスペースを 通路として使用することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の車両用折り畳み式助手席シート１０では、フロントシートレッ グ１２を車体フロアＦとの連結端部を支点に前方へ回動することによりシートク ッション１１を折り畳むように構成しているので、通路として活用可能なスペー スがフロントシートレッグの連結端部の後方に限定され、広い通路スペースを確 保できない。本考案はかかる問題点に鑑み、広い通路スペースを確保可能な車両 用折り畳み式シートを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る車両用折り畳み式シートは、折り畳み時に車体の壁面に沿って倒 立するように上端部を同壁面に上下方向へ回動可能に組付けたシートバック、前 記壁面に沿って倒立した前記シートバックを同壁面に対し解除可能にロックする シートバック用ロック手段、折り畳み時に前記壁面に沿って倒立するように後端 部を同壁面に上下方向へ回動可能に組付けたシートクッション、同クッションの 前端部に組付けられ裏側に倒伏する折り畳み位置と前記前端部を車体フロアに対 して支持する起立位置間で回動可能なシートレッグ、及び前記壁面に沿って倒立 した前記シートクッションを同壁面に対し解除可能にロックするシートクッショ ン用ロック手段を備えたことを特徴とする。

【０００６】

【考案の作用・効果】

上記構成によれば、折り畳み時にシートバックとシートクッションが車体の壁 面に沿って倒立して上下方向に一列に並び、かつシートレッグがシートクッショ ンの裏面側に倒伏するので、車体壁面の前方のスペースを通路として有効に活用 でき、広い通路を確保できる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案を図面に基づき説明するに、図１及び図２には本考案の一実施例 に係る車両用折り畳み式助手席シート２０の使用状態が示され、図３には同シー ト２０の折り畳み状態が示されている。当該助手席シート２０を構成するシート バック２１は運転室の後壁Ｗに沿って倒立するように、同後壁Ｗに固定した左右 一対のブラケット２２に上端が上下方向へ回動可能に組付けられている。また、 シート２０を構成するシートクッション２３も後壁Ｗに沿って倒立するように、 同後壁Ｗに固定した左右一対のブラケット２４に後端部が上下方向へ回動可能に 組付けられている。

【０００８】 シートバック２１はリクライニングアジャスタ２５を介して左側のブラケット ２２に組付けられており、同アジャスタのノブ２６を操作することにより、図２ に示すようにシートクッション２３に対するシートバック２１の前後方向の傾斜 角度を調整したり、図３に示すようにシートバック２１を後壁Ｗに沿って倒立す るまで上方へ回動できる。このリクライニングアジャスタ２５の詳細については 説明を省略するが、例えば刊行物「新編自動車工学便覧第６編第２６頁（社団法 人自動車技術会発行）」に記載されているリクライニングアジャスタを用いるこ とができる。

【０００９】 シートバック２１の下端面にはバックル２７が固定されている。一方、後壁に はこのバックル２７と離脱可能に係合するタングプレート２８（図３参照）が固 定されている。シートバック２１を後壁Ｗに沿って倒立したとき、このバックル ２７とタングプレート２８によりシートバック２１を後壁Ｗに対し解除可能にロ ックすることができる。

【００１０】 シートクッション２３の前端部には略Ｕ字形のシートレッグ２９の両端部が前 後方向へ回動可能に組付けられている。このシートレッグ２９はリンク３０を介 して左側のブラケット２４に連結されており、図１及び図２に示すようにシート クッション２３が使用位置にあるとき、シートクッション２３の前端部裏面から 起立して同前端部を車体フロアＦに対して支持し、シートクッション２３を上方 へ回動して図３に示すように後壁Ｗに沿って倒立させると、これに連動してシー トクッション２３の裏面側に倒伏する。また、シートレッグ２９の中間部には起 立したとき車体フロアＦに弾性的に当接する緩衝材３１が取付けられている。

【００１１】 シートクッション２３の前端面にはバックル３２が固定されている。一方、後 壁Ｗにはこのバックル３２と離脱可能に係合するタングプレート３３が固定され ている。図３に示すようにシートクッション２３を後壁Ｗに沿って倒立したとき 、このバックル３２とタングプレート３３によりシートクッション２３を後壁Ｗ に対し解除可能にロックすることができる。

【００１２】 本実施例は以上の構成からなり、シート２０を折り畳むと、図３に示すように シートバック２１とシートクッション２３が後壁Ｗに沿って倒立して上下方向に 一列に並び、かつシートレッグがシートクッションに連動して同クッションの裏 面側に倒伏するので、後壁の前方のスペースを通路として有効に活用でき、広い 通路を確保できる。

【００１３】 なお、本実施例では本考案を助手席シート２０に適用した場合について説明し たが、本考案は助手席シート２０に限らず、例えば荷物室の側壁に沿って設けら れる補助シート等に適用することも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る車両用折り畳み式助手
席シートの使用状態を示す斜視図である。

【図２】同助手席シートの使用状態を示す側面図であ
る。

【図３】同助手席シートの折り畳み状態を示す側面図で
ある。

【図４】従来の助手席シートの使用状態を示す斜視図で
ある。

【図５】同助手席シートの折り畳み状態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

２０…車両用折り畳み式助手席シート、２１…シートバ
ック、２２，２４…ブラケット、２３…シートクッショ
ン、２５…リクライニングアジャスタ、２７，３２…バ
ックル、２８，３３…タングプレート、２９…シートレ
ッグ、３０…リンク、Ｆ…車体フロア、Ｗ…運転室後
壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り畳み時に車体の壁面に沿って倒立す
   るように上端部を同壁面に上下方向へ回動可能に組付け
   たシートバック、前記壁面に沿って倒立した前記シート
   バックを同壁面に対し解除可能にロックするシートバッ
   ク用ロック手段、折り畳み時に前記壁面に沿って倒立す
   るように後端部を同壁面に上下方向へ回動可能に組付け
   たシートクッション、同クッションの前端部に組付けら
   れ裏面側に倒伏する折り畳み位置と前記シートクッショ
   ンの前端部を車体フロアに対し支持する起立位置間で回
   動可能なシートレッグ、及び前記壁面に沿って倒立した
   前記シートクッションを同壁面に対し解除可能にロック
   するシートクッション用ロック手段を備えたことを特徴
   とする車両用折り畳み式シート。