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JPH04136217A - 楕円状凹凸断面ポリエステル繊維 - Google Patents

楕円状凹凸断面ポリエステル繊維

Info

Publication number
JPH04136217A
JPH04136217A JP25245690A JP25245690A JPH04136217A JP H04136217 A JPH04136217 A JP H04136217A JP 25245690 A JP25245690 A JP 25245690A JP 25245690 A JP25245690 A JP 25245690A JP H04136217 A JPH04136217 A JP H04136217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
leaves
cross
long axis
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25245690A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Tsukamoto
塚本 哲男
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP25245690A priority Critical patent/JPH04136217A/ja
Publication of JPH04136217A publication Critical patent/JPH04136217A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、防透は性があって染色性が良好で糸強度が高
く、発色性(深色性)、鮮明性に優れ、ミルキーな光沢
、ソフトで独特のサラ・ソとした新規な風合を有する高
級織編物に好適な楕円状凹凸断面ポリエステル繊維に関
する。
[従来の技術] ポリエステル繊維は、優れた物理的、化学的特性を有す
るので衣料用、工業用に広く使用されている。特に衣料
用においては高級化を狙った様々な異形断面繊維が提案
され、使用されている。中でも、多葉断面繊維に関する
技術の開示は多い。
例えば特開昭50−59524号公報には、毛皮状のパ
イル織物に使用するために適した4個のローブを持つ長
円形断面のポリエステル繊維が提案されており(第3図
)、滑らかな非粘着性の手ざわり、心地よい光沢、円形
繊維に比較して低い曲げこわさ、パイルにおける良好な
弾性力おょびフィブリル化の発現を抑制したパイル織物
の製造が可能であると記載されている。しかし、ローブ
が4個であり、したがって凹部が4個であり、しかも凹
部の深さが浅いために染色した通常の織編物にあっては
発色性(色の深み)、鮮明性が充分でない。また、サラ
ッとした感覚は認められるがなお不十分である。ここで
サラッとした感覚とは、布帛に軽く触れた時は「サラサ
ラ」という感覚であるが更に触れると適度な「きしみ」
を持つものである。
特開昭57−29626号公報には、編物において、潜
在捲縮性複合糸あるいは、ニット・デニ・ント糸より得
られる織物と同様な風合を呈するポリエステルフィラメ
ント糸を得るために横断面か細長断面形状であり、かつ
その長軸方向の直径と短軸方向の直径の比が1.5以上
の異形断面フィラメントが提案されている(第4図)。
該フィラメントの提案例として、楕円形、十字状扁平形
、まゆ形、スリット状扁平形があるが、いずれのフィラ
メント糸にも1m当り50〜2000の撚を施し、熱セ
ットした後に編物に編成した時、極めてシャリ感のある
特殊な風合の編物が製造されると記載されている。しか
し、提案例にある数種の異形断面フィラメントは、葉部
は高々4個であり、凹部も少なく、しかも凹部の深さも
浅く、通常の織編物に使用し、染色した場合には、発色
性、鮮明性が不十分であり、サラッとした風合も発現し
ない。
特開昭57−51808号公報、特開昭58−8181
号公報および特開昭63−190083号公報には、獣
毛状人造繊維、人造毛皮を得るためにくびれを持つ扁平
糸の技術が開示されている(第5図、第6図)がいずれ
も楕円状ではなく、通常の扁平糸即ち外形全体として短
軸方向の長さが長軸方向の任意の位置でほぼ一定の形を
しており、それに数個のくびれを付けたものである。該
繊維を一般衣料用の織編物にした場合には扁平状糸であ
るがゆえに、繊維断面において短軸方向へ折れ曲りやす
く、織編物にした時ハリ・腰がなくヘタリ易く、しかも
サラッとした風合もほとんどないものである。
特開昭61−152849号公報、特開昭63−1.2
737号公報には、内装用パイル布帛に用いた凹凸のあ
る扁平糸が開示されている(第7図、第8図)が、いず
れも前記した公知例と同様な繊維断面を有しており、一
般衣料用の織編物にした場合、ハリ・腰がなくヘタリ易
くサラッとした風合にも欠ける。
一方染色性に優れたポリマーとして塩基性可染型ポリエ
ステルが良く知られている。従来から塩基性可染型ポリ
エステルとして、特公昭34−10497号公報などで
金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分、たとえ
ば5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を共重合させ
たものが知られている。
しかし、このものでは染色性を満足なレベルに上げるた
めには、金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分
(以下S成分と略す)を多量に共重合したものでなけれ
ばならない。S成分を多量共重合するとS成分の増粘作
用のため、繊維として必要な重合度に高めたポリマーは
、紡糸が困難となる。従って、多量のS成分を共重合し
たポリマーを通常の方法で紡糸するには溶融粘度を通常
紡糸できる範囲までポリマーの重合度を低くしておく必
要がある。しかしながら、その結果、糸強度が低下し、
製糸性、高次工程通過性の低下を生じる欠点及びその用
途が限定される欠点があった。また多量のS成分の添加
は糸の耐アルカル性の低下、染色物の耐光堅牢度の低下
をも招来し、これによっても得られるポリエステル糸の
用途が制限されていた。
他方、特に薄地衣料分野においては光の透過性の制御、
いわゆる透けの防止を目的に、光遮へい剤として酸化チ
タン等の艶消し剤を含有させたポリエステル繊維が広く
用いられている。
また酸化チタン等の粒子は、単に光遮へい剤として働ら
くのみでなく最終製品である織編物の合成繊維特有のヌ
メリ感をなくし、ドライタッチ感やミルキーな色を付与
する効果を持っている。これは、繊維中の艶消し剤が光
を乱反射するとともに、織編物を製造する際にしばしば
行われるアルカリ減量処理により繊維表面の艶消し剤が
脱落し繊維表面に微細な凹凸が発現されるためと考えら
れている。
ところが、衣料に関する消費者意識の高揚とともに、消
費者の要求は、多様化、高級化されており、前記した従
来の技術だけでは、対応できなくなっている。特に高級
織編物では、発色性や独特の風合があるいわゆる特品化
された物の要求が高まっている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、防透は性があって染色性が良好で糸強
度が高く、発色性(深色性)、鮮明性に優れ、ミルキー
光沢、ソフトで独特のサラッとした新規な風合を有する
高級織編物に好適に適用できるポリエステル繊維を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、金属スルホネート基を含有す
るイソフタル酸成分を全ジカルボン酸成分に対して0,
7〜2.4モル%、分子量90〜6000のポリアルキ
レングリコール成分をポリエステルに対して0.2〜1
0重量%共重合し、艶消し剤を1.3重責%以上8.0
重量%以下含有する改質ポリエステルからなる繊維であ
って、繊維断面形状において下記(a)〜(e)を同時
に満足し、全体として楕円状で8個の葉部を有すること
を特徴とする楕円状凹凸断面ポリエステル繊維によって
達成できる。
(a)  繊維断面における最長線部である長軸Aと長
軸Aに垂直で最長線部である 短軸Bが下式の関係にある。
1.3≦A/B≦2.5 (b) 8葉が長軸Aの両端部および長軸Aを対称軸と
した両側部に各々3葉づつ 対向して配置され、かつ隣接する葉と 葉の間には凹部を有する。
(c)  長軸Aを対称軸として対向する両葉頂点間線
分のうち、中央部を除いて最 長の長さCが短軸Bと下式の関係にあ る。
0.5≦C/B≦0.8 (d)  短軸方向にある葉と葉の間の凹部の長軸Aを
対称軸として対向する両凹部 間の最短長さDが長さCと下式の関係 にある。
0.5≦D/C≦0.9 (e)  下記で定義された各交点間の線分のうち、最
長の線分を1とした時に他の 線分がいずれも0,6〜1.0である。
長軸Aを対称軸として対向する両葉 頂点間の線部と長軸との各交点および 短軸方向にある葉と葉の間の凹部の長 袖Aを対称軸として対向する両凹部の 底点を結ぶ線部と長軸Aとの各交点。
本発明のポリエステル繊維について以下説明する。
本発明の繊維の最大の特徴は、特定の断面形状にあり、
全体としては、楕円状を呈しており、8個の葉部をもつ
ところにある。以下図面(こ基づいて説明する。
第1図は、本発明の繊維の断面形状を説明するための模
式図である。各々の葉の最外側を結んで仮想した断面形
状(i、略楕円状であり、外周は直線部分がほとんどな
く、曲線によりなっている。断面における長軸X方向の
線分をA、短軸Y方向の線分をBで示す。本発明におい
て、短軸長Bに対する長軸長の比A/Bは発色性レベル
に重要な因子であり、1.3〜2.5の範囲が必要であ
る。A/Bが1.8未満では、発色性向上の効果が認め
られず、またA/Bが2.5を超えると製糸性や解舒性
が悪化するとともに、織編物にした時、ハリ拳腰が小さ
く、ヘタリやすいものとなる。A/Bは1.4〜2.3
が好ましく、1.5〜2.1がより好ましい。
本発明における8葉とは、短軸方向に長軸を対称軸とし
て、その両側に各々3葉即ち、a、b、c、ab″ a
′であり、長軸の両端部に各々1葉、即ちd、d−が存
在する。また、すべての葉と葉の間に凹部を有するもの
である。
ここで凹部とは、葉部dおよびa′に隣接した凹部は凸
状でないものであって、直線状も含むものであるが凹状
であることが好ましい。短軸方向にある葉の中央部でな
い葉の長軸に相対する両葉、即ちaとa′又はCとa′
の頂点間の最長の長さをCとした時、短軸長B(中央部
のす、b−の葉間長さ)に対するCの比C/Bは、0.
5〜068の範囲であることが必要である。これは、B
がCより大きいことを意味しており、織編物にした場合
に、サラッとした新規な風合を与えるために重要である
。また、独特のソフト感を与えるためにも重要である。
このことは、織編物に指を触れた場合の指と接触する繊
維の面積および指紋と凹凸の形、大きさに関係している
ものと思われる。
また、C/Bの値は優雅な光沢と発色性および鮮明性を
増すためにも重要である。短軸方向にある葉と葉の間の
凹部の長軸に相対する両凹部間の最短長さをDとした時
、C(前記葉頂点間長さ)に対するDの比D/Cは0.
5〜0.9の範囲であることが必要である。
D/Cの値は即ち、短軸方向にある葉と葉の間の凹部の
大きさを表わしており、D/Cが大きいと凹部は小さく
、D/Cが小さいと凹部が大きいことを意味している。
凹部の大きさは、発色性、鮮明性、光沢、グリツタ−お
よび手触り感に大きく影響する。D/Cが大きくなると
、凹部は浅く、しかも繊維外周部分に直線部分を与える
ことになり、発色性、鮮明性、光沢、グリツタ−および
手触り感の点で不利である。したがって、D/Cは0,
9以下にする必要がある。
また、D/Cがあまりにも小さいと織編物製品の加工中
、又は織編物を衣服として使用中に繊維断面のくびれ部
が折れ曲り易くなり、楕円状の形状を保つことが出来な
くなり、それゆえに発色性、鮮明性、光沢、グリツタ−
および手触り感がレベルダウンして良くない。このこと
からD/Cは0.5以上が必要である。D/Cは前述の
点から0.6〜0゜8の範囲が好ましい。
短軸方向にある葉の長軸に相対する葉の頂点を結んだ線
と長軸との交点及び短軸方向にある葉と葉の間の凹部の
長軸に相対する凹部の底点を結んだ線と長軸との交点の
隣り合う交点の全ての交点間の長さは、交点間のいずれ
かの線分のうち最長の線分の長さを1とした時、線分の
いずれもが0.6〜1.0の間にある必要がある。
このような範囲にすることは、短軸を対称軸としてみた
場合、左右の葉及び凹部が略対称形であることを意味し
ている。各交点間の線分の長さが著しく異なると発色性
、鮮明性、光沢などが不良となる。したがって、該交点
間の長さはバラツキが小さいほど良く、交点間の最長の
長さを1とした時、各交点間の線分は好ましくは0,7
〜1.0、より好ましくは、0.8〜1.0、−層好ま
しくは0.9〜1.0である。また、長軸を対称軸とし
た両側における上下の葉及び凹部は対称形であることが
好ましい。
次に本発明におけるポリエステルについて説明する。本
発明におけるポリエステルとは、S成分を0.7〜2.
4モル%、分子量90〜6000のボリアルキレングリ
コール成分を0.2〜IOi量%共重合しており、かつ
艶消し剤を1.3重量%以上8.0重量%以下含有する
ポリエステルである。
S成分共重合系でグリコール成分を共重合させることに
より、次のことが可能になる。
その一つはポリアルキレングリコール成分を共重合する
ことにより、S成分の共重合量を少なくしても満足でき
る染色性を付与できることである。これはポリアルキレ
ングリコール成分がポリマー中のS成分の塩基性染料に
対する有効利用率を上げる働きがあるからである。二つ
にはポリアルキレングリコール成分を共重合することに
より、S成分単独共重合系に比較して同一溶融粘度であ
っても重合度の高いポリマが得られるからである。これ
はポリアルキレングリコール成分がS成分共重合系にお
いて重合度を下げることなくポリマーの溶融粘度を下げ
る働きがあるからである。
本発明のポリエステル繊維は前記共重合ポリエステル繊
維断面の周表面に凹凸を有する繊維であるが、ポリアル
キレングリコールを実質的に含有せず染色性が同じレベ
ルとなるS成分共重合系ポリマーのみを使用した共重合
ポリエステルに比べ、次のような効果がある。
糸強度が高く、製糸性、高次工程通過性が良好であり、
耐アルカリ性が大きい。染色仕上げ加工においては、し
ばしばアルカリ減量加工が施こされるが、耐アルカリ性
が大きく、またポリマー自体が強度向上の能力があるの
で強度が相乗的に高くなる。
本発明においてS成分とは次式で示される化合物であり
、具体的にはジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフ
タレート、ビス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウ
ムスルホ)イソフタレート、ビス−4−ヒドロキシブチ
ル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート等が挙げら
れる。
303M (但し、MはNa、Li、になどのアルカリ金属を示し
、ASA−は−CH3または−(cH2)nOHを示す
。nは2以上の整数を示す。)好ましいS成分としては
ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート、ビ
ス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスルホ)イ
ソフタレートが挙げられる。S成分はポリエステルに対
し0.7〜2,4モル%共重合している必要があり、0
.9〜2.0モル%共重合していることが好ましい。S
成分が0.7モル%より少ないとグリコール共重合量を
増大させ、あるいは染色温度を上げても満足できる染色
性が得られない。
これは塩基性染料と反応するポリマー中のS成分が不足
するためである。一方S成分が2.4モル%を超えたポ
リマーとすると、増粘作用のため通常の方法での紡糸が
困難となる。ポリアルキレングリコール成分としては分
子量が90〜6000の範囲のものが必要である。分子
量が90未満であると染色性向上効果が小さくて好まし
くない。又分子量が6000を超えたポリアルキレング
リコール成分はこれを共重合したポリマーから得られる
繊維の染色物の耐光堅牢度が低下して好ましくない。よ
り好ましいポリアルキレングリコール成分の分子量は1
00〜4000であり、特に好ましくは100〜120
0である。分子量90〜6000のポリアルキレングリ
コール成分としてはネオペンチルグリコール、1.4−
ブタンジオール、1.5−ベンタンジオール、1.6−
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1.4−シクロヘキサンジメタツール、ビスフェノール
A−エチレンオキサイド付加物などであり、より好まし
くは次式で示すポリアルキレングリコールである。
A (cn H2n O) t H (AはCm H2114to又はOH,(1は1〜10
、nは2〜5、尻は2〜65) ポリアルキレングリコール成分の共重合量はポリエステ
ルに対して0.2〜10重量%とする必要がある。この
範囲より少ないと染色性改善効果が小さく、また多くす
ると物性、特に耐熱性の低下か大になる。そのため0.
3〜7重量%の範囲が一層好ましい。
本発明におけるポリエステルの重合度は80〜100で
あることが好ましく、90〜100であることが更に好
ましい。重合度が低すぎると糸強度が満足されるレベル
ではなくなり、また重合度が高すぎるとポリマーの溶融
粘度が高くなり紡糸が困難となるので好ましくない。
本発明の繊維は、上述のポリエステルに艶消し剤を1.
3重量%以上8.0重量%以下含存していることが必要
である。艶消し剤含有量が1.3重量%未満では、防透
は性、ミルキーな色、ドライタッチ感のいずれの特性も
不満足である。
艶消し剤含有量が8.0重量%を超えると、糸強度が低
(なり、製織又は製編時に毛羽発生や糸切れが生じるの
でよくない。また、艶消し剤含有量が8.0重量%を超
えると、製糸工程特に紡糸時のポリマ濾過において戸材
の目詰まり発生が速くなるために長時間安定した紡糸が
困難となり、この点からもよくない。上記のことがら艶
消し剤含有量は2.0〜7.0重量%が好ましい。
本発明の繊維に含有する艶消し剤としては、酸化チタン
、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、タング
ステン酸鉛、タングステン酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等、本発明の効果を発現し、ポリエス
テルに安定して分散できるものであればいずれでもかま
わないが、分散性の面から酸化チタン、酸化ケイ素、酸
化亜鉛、炭酸カルシウムが好ま(7く、酸化チタンがよ
り好ましい。艶消し剤の平均粒径は、分散性の点から1
ミクロン以下が好ましく、0.7ミクロン以下がより好
ましい。
また製糸性の点から最大粒径は、5ミクロン以下が好ま
しく、3ミクロン以下がより好ましい。
本発明の繊維の染色温度はポリマー組成によって適宜変
更できるが好ましくは1.10−140 ℃の範囲を用
いる。また本発明で言うポリエステルとは構成単位の少
なくとも80モル%がエチレンテレフタレート又はブチ
レンテレフタレートであり、上記S成分及びポリアルキ
レングリコル成分以外に10モル%以下、好ましくは5
モル%以下の他の成分を共重合していても良い。
本発明の繊維は、改質ポリエステルによって糸強度、製
糸性、高次通過性、染色性、耐アルカリ性、耐光性など
を向上できるものであるが、更に繊維の形状を持続する
効果もある。また、適度に艶消し剤を含有しているので
、防透は性がありミルキー光沢が発現でき、ドライタッ
チ感も付与できる。更に、特異な断面形状と組合せるこ
とによって、発色性、鮮明性が向上し、しかもソフトで
独特のサラッとした新規な風合が付与できる。
本発明の繊維には、本発明の効果を阻害しない範囲で抗
酸化剤、蛍光増白剤、難燃剤、紫外線吸収剤などのよく
知られた添加剤が含有されていてもよい。
本発明の繊維は、フィラメント状あるいは綿状のいずれ
でもかまわないもので、繊度は通常衣料用として使用さ
れている0、5〜10デニールの範囲か好ましく、繊度
ミックス、熱収縮ミックスとすること、あるいは他の繊
維と混合して用いることもできる。
以上説明したように本発明の楕円状凹凸断面ポリエステ
ル繊維は、防透は性があって、染色性が良好で糸強度が
高く、発色性、鮮明性に優れ、ミルキーな光沢があり、
ソフトで独特のサラッとした新規な風合を有する高級織
編物、特に高級織物に好適である。
また、仮撚、流体加工など公知の嵩高加工を施こしても
同様な効果が発揮できる。
本発明の楕円状凹凸断面ポリエステル繊維は、次の方法
によって好適に製造できる。
第2図は、本発明の繊維を溶融紡糸するための紡糸口金
のポリマー吐出孔形状の一例を示す平面図である。前記
した吐出孔を有する紡糸口金を用いて、本発明における
ポリエステルを常法により溶融紡糸し、冷却追油しなが
ら巻取った後、所望の延伸倍率で延伸することにより得
ることができる。
[実施例J 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。実施例
中の各測定値は次の方法に従った。
A、ポリアルキレングリコール成分量 ポリマーをアミン分解したのちガスクロマトグラフィを
用いて行なった。
B、重合度 単位重量当りの末端基数を通常用いられる方法で求め、
次式により算出した。
重合度= C1耐光堅牢度 フェードメータを用いてJIS−L  1044に準じ
て光退色させたときのブルースケール基準で測定した。
D、染色性 マラカイトグリーン(商標名関東化学製)5%o w 
f、酢酸0.5g/ff、酢酸ソータ0.2g/Q、浴
比1 : too 、温度120℃溶媒水なる条件下で
の染色による染料吸尽率によって求めた。
E8発色性 SNカラーコンピューター[スガ試験機(株)製]を用
いて黒染料が一定の吸尽率の布帛を5枚以上重ね、照射
光が透過しない状態で測定したL値で評価した。(L値
が小さいほど発色性は大きい) F、鮮明性、光沢感、手触り感 一定の染色条件で染色した布帛を官能評価した。
G、ポリエステル繊維の断面形状 繊維の断面写真から測定し、算出した。
H9防透は性 8Mカラーコンピューター[スガ試験機(株)製]を用
いて、布帛の背後に白色体及び黒色体を置いて測定した
それぞれのL値の差を3ランクに分は防透は性の尺度と
した。
実施例1 酸成分にテレフタル酸98.3モル%とジメチル(5−
ナトリウムスルホ)イソフタル酸を1.7モル%、ポリ
アルキレングリコールとして第1表に示す種類、量を共
重合したポリエステルに平均粒径0.5ミクロンで最大
粒径2ミクロンの酸化チタンを2.3重量%含有するポ
リマー(重合度は90〜100のもの)を第2図に示す
吐出孔形状の紡糸口金を用いて、紡糸温度300℃にて
溶融紡糸し、1600m /分で巻取った。引続き、延
伸速度600m/分、加熱ローラ温度90℃で、延伸糸
伸度が30±2%になるような延伸倍率でホットロール
延伸し、75デニール24フイラメントの延伸糸を得た
。延伸糸の繊維の断面形状は、第1図に示す如くの楕円
状凹凸断面を有するものであった。これらの延伸糸を経
糸としては、200T/mの撚と糊を施し、緯糸として
はそのままで織密度経110本/インチ、緯90本/イ
ンチとして羽二重を製織した。
繊維の断面形状の詳細と繊維の特性など各種評価結果を
第1表に示す。
繊維の断面形状は、大略第1図の如くであり、例えば、
実験No、l(本発明)の繊維のAは2547ミクロン
、Bは15.5ミクロン、Cは1.0.2ミクロン、D
は7.5ミクロンであり、またA/BはI。
66、C/Bは0.66、D/Cは0.74であり、他
の実験水準はA/Bが1.65〜1.75、C/Bは0
.65〜0.72、D/Cは0.66〜0.75の範囲
の形状であった。
実験No、  1〜7(本発明)使いの織物は、糸強力
が大きく、染色性、発色性、耐光堅牢度が良好で鮮明性
、ミルキーな光沢があり、ソフトでサラッとした新規な
風合であった。また、防透は性も良好であった。
実験No、 8 (比較例)使いの織物は、糸強力が低
く発色性も充分でなかった。実験N099(比較例)使
いの織物は染色性が低く、発色性も不充分であり、実験
No、lO(比較例)使いの織物は耐光堅牢度か不良で
あった。また、実験No、  8 (比較例)の製織時
に経糸に基つく糸切れは、36回/107mと多かった
のに対し、他の水準ではいずれも0.4回/107m以
下で良好であった。
(以下余白) 実施例2 酸成分にテレフタル酸98.3モル%とジメチル(5−
ナトリウムスルホ)イソフタル酸を1.7モル%、ポリ
アルキレングリコールとして分子量1000のポリエチ
レングリコールを2.0重量%共重合したポリエステル
(重合度91)に酸化チタンが2.3重量%含有するポ
リマーを第2図に示す吐出孔形状でその寸法を種々変更
した紡糸口金を用いた以外は、実施例1と同様な紡糸、
延伸、製織を行ない評価した。その結果を第2表に示す
。延伸糸の繊維の断面形状は、第1図に示す如くの種々
の形状をした楕円状断面であり、詳細は第2表に示す通
りの断面形状を有していた。
実験No、LL  (比較例)使いの織物は、A/Bが
小さいがために発色性が悪く、サラ・ソとした風合も不
充分で、ハリ・腰が強くソフト感に欠けていた。また、
鮮明性、ミルキー光沢も不足であった。
実験No、12〜15、実験No、1g 、No、21
 、No、22 (いずれも本発明)の繊維は、断面形
状のA/Bが1.40〜2.41、C/Bが0.59〜
0,7■、D/Cが0.59〜0.81の範囲にあり、
隣接する葉と葉の間に凹部を有しており、織物の特性は
発色性が良好でソフトでサラッとした風合があり、ミル
キー光沢、鮮明性も良好であった。
実験No、1B  (比較例)は、紡糸時に単糸切れが
発生し、巻取ドラムの単糸落ちも発生し、ドラムの解舒
性不良による延伸時の糸切れが発生した。また、該糸使
いの織物は、ハリ・腰がなく、鮮明性も不足で高級感が
欠けていた。
実験No、17 、No、19 、No、20 、No
、23  (いずれも比較例)使いの織物は、繊維の断
面形状において、C/B及びD/Cが小さすぎたり大き
すぎたりして、いずれも発色性が不良であり、また各々
表に示したような欠点があり、高級感もなかった。
なお、すべての水準において、防透は性、ドライタッチ
感は、良好であった。
(以下余白) 実施例3 実施例2のポリエステルに第3表に示す含有量の酸化チ
タン(組成は実施例1と同じもの)を含有するポリマー
を実施例1と同様に紡糸、延伸、製織を行ない評価した
。その結果を第3表に示す。
実験No、24  (比較例)は、酸化チタン含有量が
少ないので防透は性、ミルキー光沢、ドライタッチ感が
不良であった。また、サラッとした風合も若干不良であ
った。
実験No、30  (比較例)は、防透は性、ミルキー
光沢、ドライタッチ感は良好であったが、発色性及び鮮
明性が低く、また糸強度が低いために織物の引き裂き強
力が低く、また製織時に発生した多数の毛羽のために品
位がきわめて悪く商品価値がないものであった。また、
紡糸時の:濾過層の目詰まりによる;戸圧上昇が大きく
、糸切れ発生も多く、10時間以」二安定した紡糸が不
可能であった。
本発明の実施例である実験No、25〜No、29は発
色性、鮮明性、防透は性、ミルキー光沢、ドライタッチ
感ともに満足できるものであった。
但し、実験No、29は糸強度の低下によると考えられ
る引き裂き強力の若干の低下が見られた。
なお、実験の全水準において、延伸糸の繊維の断面形状
は、A/Bは1.67〜■、75、C/Bは0.6〜0
.7 、D/Cは0.65〜0.75の範囲にあった。
また、実験No、24以外の全水準において、織物はソ
フトでサラッとした風合を有したものであった。
(以下余白) 実施例4 実施例2のポリマーを使用し、紡糸口金としてその吐出
孔形がQ形、Y形、f形、+H−1−形、H形のものを
用いて、実施例1と同様に紡糸、延伸、製織を行ない評
価した。得られた繊維の断面形状と、織物の評価結果を
第4表に示す。
実験No、31−No、35  (比較例)使イノ織物
は、発色性、1明性が不良であり、各々表に示した欠点
を有しており、高級織物への適用には、不適当なもので
あった。なお、防透は性は、どの水準も大差なく良好な
ものであった。
(以下余白) [発明の効果] 本発明の楕円状凹凸断面ポリエステル繊維は、次の効果
を有する。
(1)  構成するポリエステルか金属スルホネート基
を含有するイソフタル酸成分を0.7〜2,4モル%、
分子量90〜6000のポリアルキレングリコール成分
を0.2〜10重量%共重合した改質ポリエステルのた
め、糸強度が高く、染色性と染色物の耐光堅牢度に優れ
ている。
(2)繊維の断面形状が全体として、楕円状であり、そ
の外周に凹凸を有しているため、丸断面糸や三角断面糸
に比べて、ソフトなタッチ感があり、反射光が広角度に
乱反射されるので、優雅な光沢があり、発色性、鮮明性
に優れ、高級なイメージを発現する。
(3)織編物に適度なハリ・腰を与え、ドレープ性も良
好である。
(4)艶消し剤含有量が特定の改質ポリエステル、特定
の断面形状の相乗効果によって、織編物の発色性、鮮明
性を向上させ、優雅なミルキ光沢を発現し、独特のドラ
イタッチ感とサラッとした新規な風合を与える。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における代表的な繊維の横断面図である
。第2図は、本発明における繊維を製造するための紡糸
口金のポリマー吐出孔形状の一例を示す平面図である。 第3図〜第8図は、従来の凹凸を有する繊維の一例を示
す横断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分
    を全ジカルボン酸成分に対して0.7〜2.4モル%、
    分子量90〜6000のポリアルキレングリコール成分
    をポリエステルに対して 0.2〜10重量%共重合し、艶消し剤を1.3重量%
    以上8.0重量%以下含有する改質ポリエステルからな
    る繊維であって、繊維断面形状において下記(a)〜(
    e)を同時に満足し、全体として楕円状で8個の葉部を
    有することを特徴とする楕円状凹凸断面ポリエステル繊
    維。 (a)繊維断面における最長線部である長軸Aと長軸A
    に垂直で最長線部である短軸Bが下式の関係にある。 1.3≦A/B≦2.5 (b)8葉が長軸Aの両端部および長軸Aを対称軸とし
    た両側部に各々3葉づつ対向して配置され、かつ隣接す
    る葉と葉の間には凹部を有する。 (c)長軸Aを対称軸として対向する両葉頂点間線分の
    うち、中央部を除いて最長の長さCが短軸Bと下式の関
    係にある。 0.5≦C/B≦0.8 (d)短軸方向にある葉と葉の間の凹部の長軸Aを対称
    軸として対向する両凹部間の最短長さDが長さCと下式
    の関係にある。 0.5≦D/C≦0.9 (e)下記で定義された各交点間の線分のうち、最長の
    線分を1とした時に他の線分がいずれも0.6〜1.0
    である。 長軸Aを対称軸として対向する両葉頂点間の線部と長軸
    との各交点および短軸方向にある葉と葉の間の凹部の長
    軸Aを対称軸として対向する両凹部の底点を結ぶ線部と
    長軸Aとの各交点。
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