JPH04123875U - 電動式動力舵取装置 - Google Patents
電動式動力舵取装置Info
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- JPH04123875U JPH04123875U JP3776091U JP3776091U JPH04123875U JP H04123875 U JPH04123875 U JP H04123875U JP 3776091 U JP3776091 U JP 3776091U JP 3776091 U JP3776091 U JP 3776091U JP H04123875 U JPH04123875 U JP H04123875U
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Landscapes
- Gears, Cams (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電動モータからステアリングシャフトへの回
転伝達用歯車機構でのギヤ噛合い時に、バックラッシュ
による歯打ち音の発生や摺動音の伝達を防ぐ。 【構成】 ギヤ部11aを一側面側に有する被駆動側の
大ギヤ11を、ピニオン軸3上に設ける。また、この大
ギヤ11のギヤ部11aに側方から噛合い電動モータ1
0からの回転駆動力を伝達する小ギヤ12aを設け、軸
違い歯車による回転伝達用歯車機構13を構成する。そ
して、小ギヤと噛合う大ギヤの他側面側に、大ギヤを小
ギヤに対し常時噛み合わせる弾性支持用の付勢手段30
を設ける。さらに、ピニオン軸上にフランジ部材40
を、回転方向において連結して軸支させる。そして、こ
のフランジ部材に弾性部材41を介して弾性的に保持さ
れる止めねじ42を介して大ギヤを連結して設ける。
転伝達用歯車機構でのギヤ噛合い時に、バックラッシュ
による歯打ち音の発生や摺動音の伝達を防ぐ。 【構成】 ギヤ部11aを一側面側に有する被駆動側の
大ギヤ11を、ピニオン軸3上に設ける。また、この大
ギヤ11のギヤ部11aに側方から噛合い電動モータ1
0からの回転駆動力を伝達する小ギヤ12aを設け、軸
違い歯車による回転伝達用歯車機構13を構成する。そ
して、小ギヤと噛合う大ギヤの他側面側に、大ギヤを小
ギヤに対し常時噛み合わせる弾性支持用の付勢手段30
を設ける。さらに、ピニオン軸上にフランジ部材40
を、回転方向において連結して軸支させる。そして、こ
のフランジ部材に弾性部材41を介して弾性的に保持さ
れる止めねじ42を介して大ギヤを連結して設ける。
Description
【0001】
本考案は電動モータを操舵補助力発生手段として用いてなる電動式動力舵取装
置に関し、特に電動モータの回転駆動力をステアリングシャフトに伝達する回転
動力伝達系を構成する歯車機構でのギヤ同士の噛合い時においてバックラッシュ
等によって生じる歯打ち音等の発生や摺動音等のシャフト側への伝達を防止する
ようにした電動式動力舵取装置の改良に関する。
【0002】
電動モータを操舵補助力発生手段として用いる電動式の動力舵取装置が、従来
からたとえば特開昭61ー226362号公報等を始めとして種々提案されている。そし
て、この種の電動式の装置は、従来一般的な油圧式のものに比べて構成が簡素化
され、装置全体の小型、軽量かつコンパクト化などが図れ、しかも運転者の舵取
り操作や車輛の各種走行条件等に応じて適切かつ確実な操舵補助力を操舵輪側に
伝達制御でき、また操舵必要時においてのみ駆動するだけでよいため省エネルギ
化も図れる等の利点を奏するものであった。
【0003】
ところで、上述したように電動モータを操舵補助力発生手段として採用するに
あたって、モータのステアリング系に対する連結構造やモータの動作制御を始め
とする応答性などの動作性能の面で種々の問題があり、各部に対してまだまだ改
良の余地が残されている。
たとえば上述した電動式動力舵取装置を構成するうえで問題とされることの一
つに、電動モータのモータ軸上のピニオン(小ギヤ)と噛合するステアリングシ
ャフト側の被駆動側の大ギヤとの間に生じるバックラッシュがある。
すなわち、このような回転動力伝達用の歯車機構において、その回転伝達を適
切かつ確実に行うためには、ギヤ間にバックラッシュが当然必要となるが、この
場合においてバックラッシュが必要以上に大きいと、これらギヤ間での噛合い部
にがた付きが生じ、これにより左、右回転方向に操舵したときに歯打ち音、がた
付き音が生じたり、噛合いによるトルク変動も生じ易く、回転伝達時に応答不良
を生じたりするといった問題を招いてしまうものであった。これは、このような
モータ側のピニオンと被駆動側の大ギヤとの間のバックラッシュは、歯車機構各
部の寸法誤差やその動きを保証するために必要となる間隙等によっても大きくな
ってしまうことから容易に理解されよう。また、一方において、ステアリングシ
ャフトにおいて入力側の軸に対し舵取ハンドル側のハンドル軸がユニバーサルジ
ョイント等で所定の傾きをもって連結されており、操舵時等において生じる軸の
曲がりや振れ等によって、上述した入力側の軸、さらにはこれにトーションバー
を介して連結されている出力側の軸が揺動動作し、上述したバックラッシュが必
要以上に大きくなるという問題もあり、上述したがた付きは避けられないもので
あった。
そして、このようなバックラッシュが増大し、がた付きが大きくなると、その
分だけモータが正転、逆転駆動されて回転伝達を行う際にあたってモータに空転
状態が生じ、車輛走行時に悪路走行、縁石乗り上げ等を生じた場合に、操舵輪が
接地面側から作用力で転舵され、いわゆるキックバックと言われる衝撃回転力が
操舵輪側から逆入力として加わり、ギヤ部同士が衝突することによって歯打ち音
等が生じる等の問題をも招いてしまうものであった。
勿論、上述したバックラッシュを零とすれば、がた付きをなくし、歯打ち音等
をなくすことは可能となるが、これには厳密な加工精度が必要となるばかりでな
く、これらギヤ部同士の噛合いによる回転伝達を行うことはできなくなるもので
、現実的には不可能であった。
このため、本出願人は、実開平2ー100876号公報などにより、一側面側にギヤ部
を有するハイポイドギヤ等による大ギヤを、ステアリングシャフト上で軸線方向
に摺動可能な状態で軸支し、かつこの大ギヤを、小ギヤとしてのピニオンとの噛
合い方向に付勢するコイルばね、板ばねあるいは波ワッシャ等の付勢手段を設け
、上述したピニオンに対しての大ギヤの噛合い部におけるバックラッシュを、非
操舵時においてほとんど零とするように調整し得るようにした構成を、先に提案
している。
しかしながら、このような従来構造では、大ギヤ全体をシャフト上でピニオン
側に付勢しているだけの構成であり、この大ギヤとその側面のギヤ部の一部に噛
合うようにピニオンを配置させてなる軸違い歯車であるハイポイドギヤにあって
は、大ギヤがシャフト回りでピニオンとの噛合い部分と非噛合い部分での軸線方
向への作用力の相違によって片寄りを生じ、大ギヤのシャフトへの軸支部分に加
工精度等によって生じる隙間内でいわゆる倒れ現象を生じる虞れがあった。そし
て、このような倒れ現象が生じると、大ギヤの軸支部分とシャフトとの間でこじ
りや引っ掛かり現象を生じることを避けられず、大ギヤのがた付き、これによる
歯打ち音の発生、さらにトルク変動、あるいは大ギヤとピニオンとのギヤ部の噛
み込み等といった問題を招いてしまうもので、これらの問題点を解決し得る何ら
かの対策を講じることが望まれている。
また、上述したようなハイポイドギヤ等による大ギヤを、ステアリングシャフ
ト上で摺動動作自在に設けるにあたっては、該大ギヤをスプライン結合またはキ
ー結合等で直接シャフト側に軸支する構造が従来から一般に採用されており、こ
の場合に上述した歯車機構での噛合い時やその回転動力伝達時に、ギヤ噛合い部
分で生じる摺動音、打音等が、シャフト側に伝達されてしまうのを避けられない
もので、このような問題点をも一掃し得るような何らかの配慮も必要とされてい
る。
【0004】
このような要請に応えるために本考案に係る電動式動力舵取装置は、ギヤ部を
一側面側に有しステアリングシャフト上に軸支される被駆動側の大ギヤと、この
大ギヤのギヤ部の一部に側方から噛合い電動モータからの回転駆動力を伝達する
小ギヤからなる軸違い歯車による回転動力伝達用の歯車機構を備えてなり、前記
大ギヤにおける小ギヤのギヤ部への噛合い部分に対応する他側面側に、この大ギ
ヤの一部を軸線方向に押圧して小ギヤに対して噛合わせる付勢手段を付設すると
ともに、ステアリングシャフト上にフランジ部材を、回転方向において連結させ
た状態で設け、かつこのフランジ部材に弾性部材を介して保持させた止めねじに
よって前記大ギヤを、該フランジ部材に一体的に設けたものである。
【0005】
本考案によれば、ステアリングシャフト上にフランジ部材を介して回転方向に
連結した状態で軸支される大ギヤの一側面側のギヤ部において電動モータ側の小
ギヤに対しての噛合い部分のみを、付勢手段により常時適切な噛合い状態が得ら
れるように直接軸線方向に押圧して付勢し、これにより両ギヤのギヤ部間でのバ
ックラッシュを、非操舵時には実質的に零となるようにし、左、右方向への操舵
時においてがた付きによる歯打ち音等を防止することが可能で、しかもこれら左
、右いずれの方向への操舵時にあっては、大ギヤが、付勢手段の弾性支持力にて
小ギヤから若干逃げてこれら両ギヤの噛合い部において、上述した歯打ち音等が
問題とならず、所要の噛合い動作が可能となる程度のバックラッシュを確保する
ことも可能で、所要の回転伝達を適切に行え、またこの大ギヤへの小ギヤの噛合
いによって生じる摺動音等のステアリングシャフト側への伝達を、前記フランジ
部材に大ギヤを組付けるための止めねじを保持する弾性部材の存在によって、吸
収し得るものである。
【0006】
図1および図2は本考案に係る電動式動力舵取装置の一実施例を示し、これら
の図において、まず、全体を符号1で示す電動式動力舵取装置の概略構成を図1
および図2を用いて簡単に説明すると、2は図示せぬ舵取ハンドル側に連結され
る入力軸、3は図示せぬ操舵輪側に連結されるピニオン3aを有する出力軸とし
てのピニオン軸で、これら両軸2,3は圧入等で一体に連設された状態で同一軸
線上に配置され、これらによってステアリングシャフトが構成されている。この
ステアリングシャフトを構成する軸2,3は、ピニオン3aと噛合するラック歯
4aを有するラック4と共に、ステアリングギヤボディ5,6内に貫通して配設
され、舵取操作に伴なって回転駆動される。なお、7a,7b,7cはこれら両
軸2,3をボディ6,5内で回転自在に支持するボールベアリング等の軸受で、
またラック4は、図示せぬタイロッド等と共に操舵輪間を連結する舵取リンク機
構を構成するようになっている。
ここで、図中8はステアリングボディ6内で入力軸2の回転トルクを検出する
ことで、舵取ハンドル側から伝達される操舵要求を検知するためのトルクセンサ
で、本実施例ではたとえば特開平2-281115号公報などに示されるような磁歪式ト
ルク検出器を用いた場合を例示している。すなわち、入力軸2上に高透磁率軟磁
性材からなる歪検出層が設けられるとともに、その周囲を取り囲むようにしてボ
ディ6側に歪検出層の歪による透磁率変化を検出する検出コイルを設けてなる構
成となっている。そして、この検出コイルで得られた出力が、操舵補助力発生源
である電動モータ10の電気制御系に送られるようになっている。しかし、この
ようなトルクセンサとしては、たとえばトーションバーにより二軸を所定角度宛
回動可能に連結するとともに、その相対的な角度変位を非接触型センサ等により
検出するような構造を有するものを用いてもよいことは言うまでもない。
また、図中9はピニオン軸3の軸端側に臨んで設けられ舵取り操作に応じて操
舵輪側に操舵補助力を与える操舵系での出力側部材であるピニオン軸3先端側で
の回転変位にて操舵角度、その角速度を検出する操舵角速度センサである。
【0007】
また、ステアリングシャフト機構部において、本実施例では、舵取ハンドル側
の入力軸2に一体に連結されている操舵輪側のピニオン軸3上に、該ピニオン軸
3側の側面が歯面(ギヤ部)11aとされた被伝達用ギヤとなる大ギヤ11を軸
支するとともに、この大ギヤ11を介してピニオン軸3側に操舵補助力を与える
電動モータ10およびそのモータ軸10aから回転伝達を受けるギヤ軸12を、
前記ピニオン軸3に略直交して同軸上に配置させ、そのギヤ軸12先端に、大ギ
ヤ11と共に操舵補助力伝達用の歯車機構13となる減速歯車機構を構成する伝
達用ギヤである小ギヤ(ピニオン)12aを、前記大ギヤ11の歯面11aの一
部に側方から噛み合わせて設け、モータ10からの操舵補助力をピニオン軸3側
に伝達可能に構成している。このような構成によれば、ステアリングシャフト(
2,3)を有するギヤボディ6,7、ピニオン軸3にハイポイドギヤ、傘歯車等
による減速歯車機構を介して直接的に連結される電動モータ10などを効率よく
連結でき、装置全体の小型、軽量かつコンパクト化が可能となる。特に、本実施
例のようなハイポイドギヤによれば、軸の食違い分だけ軸線方向での小型化が可
能となる。
ここで、本実施例では、操舵輪側のステアリングシャフトであるピニオン軸3
(出力軸系)に操舵補助力を伝達する電動モータ10からの小ギヤ12aおよび
大ギヤ11による歯車機構13の途中に介在されモータ軸10a側とピニオン軸
3側への伝達用の小ギヤ12aを有するギヤ軸12側との間での回転伝達を選択
的に連結、遮断する電磁クラッチ20を備えている。この電磁クラッチ20は、
周知の通りの構造を有するものであって、そのクラッチロータ21がモータ軸1
0a上に設けられるとともに、フィールドコア22により該ロータ21に磁気吸
着されるアーマチュア23を前記ギヤ軸12側に設けてなる構造をもち、選択的
にモータ10側の回転をギヤ軸12に伝達するように構成されている。なお、図
中24a,24b,24cはモータ軸10aとこれとインロー結合されているギ
ヤ軸12を回転自在に軸支する軸受である。また、これらの電磁クラッチ20や
モータ10はそれぞれ周知の構造を有し、さらに周知の動作を行なうものであり
、その詳細な説明は省略する。
【0008】
さて、本考案に係る電動式動力舵取装置1によれば、ギヤ部11aを一側面側
に有しステアリングシャフト(ピニオン軸3)上に回転方向において連結して軸
支される被駆動側の大ギヤ11と、この大ギヤ11のギヤ部11aの一部に側方
から噛合い電動モータ10からの回転駆動力を伝達する小ギヤ12aからなるハ
イポイドギヤ等の軸違い歯車による回転動力伝達用の歯車機構13において、前
記大ギヤ11における小ギヤ12aのギヤ部への噛合い部分に対応する他側面側
に、この大ギヤ11の一部を小ギヤ12aに対して常時噛み合わせるように局部
的に軸線方向に押圧する弾性支持用の付勢手段30を付設するとともに、前記大
ギヤ11を、ピニオン軸3上に回転方向において連結した状態で軸支させるフラ
ンジ部材40に弾性筒体41,41を介して弾性的に保持させた複数本(たとえ
ば3本)の止めねじ42を介して連結して一体的に設けるようにしたところに特
徴を有している。
【0009】
ここで、本実施例では、上述した大ギヤ11とギヤ軸12側の小ギヤ12aと
の噛合い部分に、直接押圧付勢力を与える付勢手段30として、ボディ6の一部
に穿設したねじ孔31に螺合して設けられるプラグホルダ32内に、ボール33
を受け部材34にて保持した状態で軸線方向に移動可能に支持させ、これをばね
35にて常時大ギヤ11の小ギヤ12aへの噛合い部分を背面側から押圧して小
ギヤ12aとの噛合い部分にバックラッシュがほとんど零となるように付勢し得
る構成を採用している。なお、図中36はばね35を保持しボディ6に螺合して
設けられることで付勢力を調整可能なホルダ32の外方端側に螺合されたロック
ナットである。
そして、このような構成によれば、大ギヤ11の一側面側にギヤ部11aにお
いて、電動モータ10側のギヤ軸12先端側の小ギヤ12aに対しての噛合い部
分のみを、付勢手段30により常時適切な噛合い状態が得られるように直接押圧
して付勢し、これによりこれら大ギヤ11のギヤ部11aと小ギヤ12のギヤ部
間でのバックラッシュを、非操舵時には実質的に零となるようにし、左、右方向
への操舵時においてがた付きによる歯打ち音等を防止することが可能で、しかも
これら左、右いずれの方向への操舵時にあっては、大ギヤ11が、付勢手段30
の弾性支持力にて小ギヤ12aから若干逃げてこれら両ギヤ11,12aの噛合
い部において、上述した歯打ち音等が問題とならず、所要の噛合い動作が可能と
なる程度のバックラッシュを確保することも可能で、従来のような倒れ現象等を
招くことなく、所要の回転伝達を適切に行えるものである。ここで、上述した大
ギヤ11の小ギヤ12aへの噛合いは、上述した付勢手段30で一旦バックラッ
シュを零とした後、若干緩めてボール33の調整逃げ分だけのバックラッシュを
確保することで、所要の回転伝達を行える状態とし得るものである。
そして、本実施例によれば、上述したような僅かなバックラッシュによる両ギ
ヤ11,12aによる噛合い時の摺動音や打音によって生じる騒音問題を解決す
るために、大ギヤ11を、ピニオン軸3上に設けたフランジ部材40を、ピニオ
ン軸3上にキー43にて軸線方向には摺動可能な状態で設けるとともに、このフ
ランジ部材40の周方向において等配した位置に孔部44を形成し、この孔部4
4に両側から一対をなす鍔付きの弾性筒体41,41を嵌め込んで全体が略つつ
み形状を呈するようにし、この部分に止めねじ42を差し込んでその先端側を前
記大ギヤ11に連結し、ナット45で固定することにより、該大ギヤ11を、ピ
ニオン軸3に対して弾性的に支持するようにしている。なお、このような鍔付き
弾性筒体41,41としては、二つ割り形状に限らず、一体構造のものを用いて
もよいことは言うまでもない。また、大ギヤ11は、通常ピニオン軸3やこの軸
上に設けられるキー43とは径方向において隙間を有し、非常に大きなトルクが
作用したときにのみ、弾性筒体41,41を保護するために接触するように構成
されている。さらに、この実施例では、大ギヤ11が取付け保持されるフランジ
部材40を、ピニオン軸3上で軸線方向に摺動可能に軸支させた場合を示したが
、これに限定されず、軸線方向で固定した状態で設けてもよいものである。すな
わち、弾性筒体41,41の存在によって大ギヤ11は軸線方向において僅かで
はあるが、可動可能であり、これにより所要の機能を得られることは容易に理解
されよう。
そして、このような構成によれば、これら両ギヤ11,12aの噛合い部にお
いて、所要の噛合い動作が可能となる程度のバックラッシュを確保して所要の回
転伝達を行なえるようにした場合に、この大ギヤ11と小ギヤ12aとの噛合い
によって生じる摺動音、打音等のステアリングシャフト側(ピニオン軸3)への
伝達を、前記フランジ部材40に大ギヤ11を組付ける止めねじ42を保持する
弾性筒体41,41の存在によって、適切かつ確実に吸収して遮断し得るもので
、従来に比べて騒音問題を解消し得るという利点がある。ここで、このような弾
性筒体41,41の弾性支持状態は、止めねじ42とナット45との間でプリロ
ードをかけることによって得られるものである。
また、上述した付勢手段30による付勢力としては、大ギヤ11の噛合い部分
のみを小ギヤ12aに対し直接軸線方向に押圧して付勢することで、両ギヤ部1
1a,12a間でのバックラッシュを実質的に零とするか、あるいは歯打ち音が
微少で外部に聞こえない範囲で接している程度の大きさであって、操舵時等では
大ギヤ11を逃がして所要の噛合い状態を得られるような弾性支持力を有するよ
うに設定するとよい。また、大ギヤ11を保持するフランジ部材40のピニオン
軸3への軸支部は、回転方向にのみ連結されておればよく、大ギヤ11の揺動変
位と径方向への多少の動きとを許容し得る程度のものでよい。
【0010】
なお、本考案は、上述した実施例構造に限定されず、各部の形状、構造等を必
要に応じて適宜変形、変更することは自由で、種々の変形例が考えられよう。た
とえば、上述した実施例では、モータ10からの操舵補助力伝達用の歯車機構1
3として、ハイポイドギヤを用いた場合を例示したが、本考案はこれに限定され
ず、平歯車を始め、はすば歯車、遊星歯車、傘歯車等による軸違い歯車からなる
歯車機構13であってもよいもので、種々の変形例が考えられる。
また、上述した実施例では、大ギヤ11を保持するフランジ部材40のステア
リングシャフトとしてのピニオン軸3上に、キー結合によって軸線方向に摺動可
能に軸支するようにした場合を示しているが、大ギヤ11を回転方向において連
結した状態で支持し得る支持構造であればよいもので、従来から周知の支持構造
を採用し得るものである。
【0011】
以上説明したように本考案に係る電動式動力舵取装置によれば、ギヤ部を一側
面側に有しステアリングシャフト上に軸支される被駆動側の大ギヤと、そのギヤ
部の一部に側方から噛合い電動モータからの回転駆動力を伝達する小ギヤからな
る軸違い歯車による回転動力伝達用歯車機構を備えてなり、大ギヤにおける小ギ
ヤのギヤ部への噛合い部分に対応する他側面側に、この大ギヤを軸線方向に押圧
して小ギヤに対して噛合わせる付勢手段を付設するとともに、ステアリングシャ
フト上に回転方向において連結して設けたフランジ部材に対して大ギヤを、弾性
部材を介して保持させる止めねじによって一体的に設けるようにしたので、簡単
かつ安価な構成にもかかわらず、大ギヤの一側面側にギヤ部を、付勢手段により
電動モータ側の小ギヤに対し常時適切な噛合い状態が得られるように直接押圧し
て付勢し、これにより両ギヤのギヤ部間でのバックラッシュを、非操舵時には実
質的に零となるようにし、左、右方向への操舵時の噛合いやキックバック時にお
いて従来生じていたがた付きによる歯打ち音等の発生を防止することが可能で、
しかもこれら左、右いずれの方向への操舵時にあっては、大ギヤが、付勢手段の
弾性支持力にて小ギヤから若干逃げてこれら両ギヤの噛合い部において、上述し
た歯打ち音等が問題とならず、所要の噛合い動作が可能となる程度のバックラッ
シュを確保することも可能で、従来のような倒れ現象を招く虞れもなく、所要の
回転伝達を、応答不良等を招くことなく、適切かつ確実に行え、さらにこの大ギ
ヤへの小ギヤの噛合いによって生じる摺動音等のステアリングシャフト側への伝
達を、フランジ部材に大ギヤを組付ける止めねじを保持する弾性部材の存在によ
って、適切かつ確実に吸収し得る等の種々優れた効果がある。
【図1】本考案に係る電動式動力舵取装置の一実施例を
示す要部を拡大した概略側断面図である。
示す要部を拡大した概略側断面図である。
【図2】装置全体の概略構成を説明するための概略断面
図である。
図である。
1 電動式動力舵取装置
2 スタブ軸(入力軸)
3 ピニオン軸(出力軸)
4 ラック
5 ステアリングギヤボディ
6 ステアリングギヤボディ
10 電動モータ
10a モータ軸
11 大ギヤ(被伝達側歯車)
11a ギヤ部
12 ギヤ軸
12a 小ギヤ(伝達歯車としてのギヤ部を有するピニ
オン) 13 操舵補助力伝達用の歯車機構 30 弾性支持用の付勢手段 33 ボール 34 受け部材 35 ばね 36 調整用部材 40 フランジ部材 41 弾性筒体(弾性部材) 42 止めねじ 43 キー
オン) 13 操舵補助力伝達用の歯車機構 30 弾性支持用の付勢手段 33 ボール 34 受け部材 35 ばね 36 調整用部材 40 フランジ部材 41 弾性筒体(弾性部材) 42 止めねじ 43 キー
Claims (1)
- 【請求項1】 ギヤ部を一側面に有しステアリングシャ
フト上に軸支される被駆動側の大ギヤと、この大ギヤの
ギヤ部の一部に側方から噛合い電動モータからの回転駆
動力を伝達する小ギヤからなる軸違い歯車による回転動
力伝達用の歯車機構を備えてなり、前記大ギヤにおける
小ギヤのギヤ部への噛合い部分に対応する他側面側に、
この大ギヤの一部を軸線方向に押圧して小ギヤに対して
噛合わせる付勢手段を付設するとともに、前記ステアリ
ングシャフト上にフランジ部材を、回転方向に連結した
状態で設け、かつこのフランジ部材に弾性部材を介して
保持させた止めねじによって前記大ギヤを、該フランジ
部材に一体的に設けたことを特徴とする電動式動力舵取
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991037760U JP2549141Y2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 電動式動力舵取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991037760U JP2549141Y2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 電動式動力舵取装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04123875U true JPH04123875U (ja) | 1992-11-10 |
JP2549141Y2 JP2549141Y2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=31919420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991037760U Expired - Fee Related JP2549141Y2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 電動式動力舵取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2549141Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002284023A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Showa Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2002284020A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Showa Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2007090974A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Honda Motor Co Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02100876U (ja) * | 1989-01-30 | 1990-08-10 |
-
1991
- 1991-04-25 JP JP1991037760U patent/JP2549141Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02100876U (ja) * | 1989-01-30 | 1990-08-10 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002284023A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Showa Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2002284020A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Showa Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2007090974A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Honda Motor Co Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2549141Y2 (ja) | 1997-09-30 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |