JPH04112078U - 鮮度保持段ボール容器 - Google Patents
鮮度保持段ボール容器Info
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- JPH04112078U JPH04112078U JP1482591U JP1482591U JPH04112078U JP H04112078 U JPH04112078 U JP H04112078U JP 1482591 U JP1482591 U JP 1482591U JP 1482591 U JP1482591 U JP 1482591U JP H04112078 U JPH04112078 U JP H04112078U
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- Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
- Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】鮮度保持段ボール容器の鮮度保持性能、作業
性、経済性等を改善する。 【構成】該容器7の内装ライナー材1を、セルロース繊
維と樹脂繊維とを混合し熱処理した層3を含む多層構造
とする。 【効果】花卉、青果物等の貯蔵、輸送に際し、それらの
鮮度を長く保持することが出来る。
性、経済性等を改善する。 【構成】該容器7の内装ライナー材1を、セルロース繊
維と樹脂繊維とを混合し熱処理した層3を含む多層構造
とする。 【効果】花卉、青果物等の貯蔵、輸送に際し、それらの
鮮度を長く保持することが出来る。
Description
【0001】
本考案は、花卉及び青果物等を貯蔵、輸送する際に、それら花卉及び青果物等
を収納し、それらの鮮度を長く保持出来る鮮度保持段ボール容器に関するもので
ある。
【0002】
従来、花卉及び青果物等の鮮度保持方法としては、
(イ)通常の段ボールの側壁に空気流通用の複数の孔を開ける方法、
(ロ)ポリエチレン袋に代表されるプラスチックフィルム製の袋に花卉及び
青果物等を詰めた後、段ボールに収納する方法、
(ハ)紙の片面全体にポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の
合成樹脂フィルムをラミネートする方法、
(ニ)通常の段ボールの表面にエチレン吸着剤やエマルジョンをコーティン
グする方法
等が採用されている。
【0003】
しかしながら、前記従来の鮮度保持方法は、種々の問題点があり広く普及する
には至っていない。
【0004】
すなわち、上記(イ)の方法については、通気性が高すぎるために鮮度保持に
不可欠な水分保持機能に欠け、萎びを発生させる問題がある。また、上記(ロ)
の方法については、プラスチックフィルムの袋を使用することは作業性の面で著
しく不利となり、また通気性、透湿性が低すぎるため、結露による腐敗やかびの
発生の心配もある。また、上記(ハ)の方法については、段ボール原紙に合成樹
脂フィルムをラミネートする手間のかかること、製函に際して、接着の場合特殊
な接着剤が必要で作業効率が著しく低下することなどの問題がある。更に、上記
(ニ)の方法については、特別な設備が必要なことからも、製造コストが高くな
るという問題がある。
【0005】
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は鮮度保持性能
、作業性、経済性等の面で所望の特性を有しており、花卉及び青果物等の鮮度を
長く保持できる鮮度保持段ボール容器を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本考案は、花卉及び青果物等の段ボール容器にお
いて、少なくとも1層がセルロース繊維と樹脂繊維とが混合され熱処理された層
からなる多層構造の紙状物を内装ライナー材とした段ボールシートを箱状に組み
立ててなる構成としたものである。
【0007】
また本考案は、前記内装ライナー材が、セルロース繊維とライナー重量比5〜
80%の範囲の樹脂繊維とが混合された少なくとも1層と、セルロース繊維の層
からなり、透湿度が50〜300g/m2・24Hの範囲にあること、及び前記
内装ライナー材に透湿度抑制効果を有する無機鉱物粉体をライナー重量比1〜2
0%の範囲で混合させたことをそれぞれ望ましい構成とするものである。
【0008】
上記構成においては、内装ライナー材が多層構造の紙状物からなり、その少な
くとも1層がセルロース繊維と樹脂繊維とが混合され熱処理された層から構成さ
れる。このため、該混合層は、樹脂繊維が紙層中で溶融して繊維間結合を強化し
、水蒸気不透過膜を形成し、その膜が透湿度を抑制する作用を有する。従って、
段ボール容器の内装ライナー材自体に鮮度保持機能があり、段ボールシート加工
と同時に鮮度保持機能をもたせることができるので、フィルムラミネートのよう
に後加工の必要がなく、又袋等を使用する方法に比べて作業性の面で格段に優れ
たものとなり、鮮度保持性能、作業性、経済性等の面で所望の特性を有し、花卉
及び青果物等の鮮度を長く保持し得る所期の目的が達成される。
【0009】
なお、本考案の上記構成とその作用の顕著性は、以下の説明から一層明確に理
解されよう。
【0010】
本考案者らは、前述した従来の事情に鑑み、種々研究した結果、花卉及び青果
物等からの水分蒸散による萎びと結露による腐敗・かびの発生を同時に抑制して
鮮度保持を行うには、透湿度を50〜300g/m2・24Hの範囲にした紙状
物を使用することが有効であることを見いだした。
【0011】
ここで、透湿度が50g/m2・24H以下であると、呼吸熱の蓄積による水
分過多により腐敗やかびの発生の危険性があり、300g/m2・24H以上で
あると鮮度保持に不可欠である水分保持機能に欠ける。
【0012】
この透湿度条件を満たすには、セルロース繊維と樹脂繊維を特定の配合割合で
、通常と全く同様の抄紙方法で抄造し、これを内装ライナー材として使用して、
段ボールシートに加工し、箱状に組み立ててなる容器を使用することが有効であ
ることを見いだした。
【0013】
すなわち、本考案は、セルロース繊維:樹脂繊維=20〜95:80〜5(重
量%)から構成される層と、セルロース繊維からなる層の多層構造とした紙状物
を内装ライナー材として使用し、段ボールシートを箱状に組み立て、透湿度が5
0〜300g/m2・24Hの範囲内にあることを特徴とする鮮度保持段ボール
容器を望ましい構成とするものである。
【0014】
このような構成とすれば、花卉及び青果物等の段ボール容器の内装ライナー材
自体に鮮度保持機能があるために段ボールシート加工と同時に鮮度保持機能をも
たせることができるので、フィルムラミネートのように後加工の必要がなく、又
袋等を使用する方法に比べて作業性の面でも格段に優れている。
【0015】
本考案に用いる樹脂繊維としては、熱溶融性樹脂繊維や熱可塑性樹脂繊維等が
ある。これらの樹脂繊維は、抄造時ドライヤーで高温を付与することにより、紙
層中で溶融して繊維間結合を強化し、水蒸気不透過膜を形成し、その膜が透湿度
を制御する作用を有する。
【0016】
なお、樹脂繊維の含有量は、鮮度保持効果、紙の強度、経済性から一定の制約
を受け、5〜80重量%が適当である。
【0017】
すなわち、樹脂繊維の配合割合が5重量%よりも少なくなると透湿度が大きく
なり、鮮度保持効果が著しく低下する。一方、80重量%よりも多くなると、経
済性の面でコスト高となり、又強度が低くなり、段ボールシート成形時に紙切れ
等の支障を来す。
【0018】
さらに、種々研究を重ねた結果、該内装ライナー材に透湿度抑制効果を有する
無機鉱物粉体を更に混合させることにより所期の目的を達成できることを見いだ
した。
【0019】
すなわち、本考案は、セルロース繊維:樹脂繊維:無機鉱物粉体=29〜70
:70〜10:1〜20(重量%)の構成の層と、セルロース繊維からなる層の
多層構造とした紙状物を内装ライナー材として使用し、段ボールシートを箱状に
組み立て、透湿度を前記範囲内にすることを特徴とする鮮度保持段ボール容器を
望ましい構成としている。
【0020】
ここで透湿度抑制効果を有する無機鉱物粉体は、高価な樹脂繊維と置換が可能
であり、コストが低くなり経済性の面で非常に有用である。
【0021】
透湿度抑制効果を有する無機鉱物粉体としては、粒子形状が板状あるいは燐片
状であるマイカ、カオリン、タルク、クレー等を用いることができる。
【0022】
なお、無機鉱物粉体の含有量は、鮮度保持効果、紙の強度から一定の制約を受
け、1〜20重量%の範囲が適当である。
【0023】
すなわち、無機鉱物粉体の配合割合が1重量%以下だと透湿度が大きくなり鮮
度保持効果が著しく低下する。一方、20重量%以上になると紙の強度が低くな
り、段ボールシート成形時に支障を来す
又、無機鉱物粉体の平均粒径は80〜400μmであるのが望ましい。80μ
m以下だと透湿度が大きくなり鮮度保持効果が著しく低くなり、400μm以上
だと紙の強度が低下する要因となる。
【0024】
本考案の鮮度保持段ボール容器は、概ね上記のように構成される。
【0025】
なお、上記各実施態様において、セルロース繊維からなる層にガス吸着性を有
する多孔質無機粉体を混合させて鮮度保持効果を高めることも有効である。
【0026】
ここで、多孔質無機粉体は、炭酸ガスと酸素のバランスを適度に保ち、老化ホ
ルモンと言われているエチレンガスを吸着除去したりすることにより鮮度保持効
果を高める作用を有する。この多孔質無機粉体としては、クリストバライト、ゼ
オライト、セピオライト、活性アルミナ等があるが、ガス吸着性を有するもので
あれば、これらの粉体に限定されない。
【0027】
セルロース繊維と多孔質無機粉体の配合割合は、セルロース繊維:多孔質無機
粉体=60〜95:40〜5(重量%)が望ましい。
【0028】
すなわち、多孔質無機粉体が40重量%よりも多いと強度が低くなり、段ボー
ルシート成形時に紙切れを起こしたり、裁断時の刃の摩耗、切断面の状態悪化の
欠点がある。一方、5重量%よりも少なくなると鮮度保持機能が著しく低下する
。
【0029】
以下、本考案の実施例及び比較例をあげてさらに詳しく説明する。
【0030】
実施例1
図1および図2において、鮮度保持段ボール容器7の内装ライナー材1を、樹
脂繊維として湿熱溶融性繊維状ビニロンバインダーを70%、セルロース繊維を
30%の配合割合で坪量80g/m2となる層3と、セルロース繊維からなる層
として、セルロース繊維100%でそれぞれ坪量80g/m2及び40g/m2の
層2及び層4の3層の構成で円網式抄紙機にて抄造し加熱乾燥して使用した。な
お、中芯5として坪量125g/m2の通常中芯(以下、SCP125という)
、外装ライナー材6として坪量210g/m2のKライナー(以下、K210と
いう)を使用した。
【0031】
実施例2
鮮度保持段ボール容器7の内装ライナー材1を、樹脂繊維として湿熱溶融性繊
維状ビニロンバインダーを70%、セルロース繊維を30%の配合割合で坪量8
0g/m2となる層3と、ガス吸着性を有する無機鉱物粉体を混合させた層とし
て、クリストバライト20%、セルロース繊維80%で坪量100g/m2の層
2と、セルロース繊維からなる層として、セルロース繊維100%で坪量40g
/m2の層4の3層の構成で円網式抄紙機にて抄造し加熱乾燥して使用した。な
お、中芯5としてSCP125、外装ライナー材6としてK210を使用した。
【0032】
実施例3
鮮度保持段ボール容器7の内装ライナー材1を、樹脂繊維として湿熱溶融性繊
維状ビニロンバインダーを30%、セルロース繊維を57%、透湿度抑制効果を
有する無機鉱物粉体(マイカ、平均粒径280μm、アスペクト比70)を13
%の配合割合で坪量80g/m2となる層3と、ガス吸着性を有する無機鉱物粉
体を混合させた層として、クリストバライト20%、セルロース繊維80%で坪
量100g/m2の層2と、セルロース繊維からなる層として、セルロース繊維
100%で坪量40g/m2の層4の3層の構成で円網式抄紙機にて抄造し加熱
乾燥して使用した。なお、中芯5としてSCP125、外装ライナー材6として
K210を使用した。
【0033】
比較例1
内装ライナー材1としてK210、中芯5としてSCP125、外装ライナー
材6としてK210を使用した。
【0034】
比較例2
内装ライナー材1として厚さ20μmのポリエチレン樹脂をラミネートした紙
を使用し、中芯5としてSCP125、外装ライナー材6としてK210を使用
した。
【0035】
上記本考案による各実施例1〜3、比較例1及び2によって、製函された形式
A−1型段ボール箱(寸法:200×300×210mm)内にバラ生花を収納
し、密閉した後、常温の貯蔵庫内にて保存し、2日後及び3日後に開封し、各々
について重量減、箱内温湿度及び外観の萎び、結露状況について調べた結果を表
1に示す。
【0036】
表1から明らかなように、実施例1〜3の本考案品は重量減がいずれも少なく
、萎び、結露の発生もなく、比較例1、2よりも鮮度保持効果に優れていた。
【0037】
以上の結果より、本考案実施例の段ボール容器は明らかに比較例に係る段ボー
ル容器に比べて優れた鮮度保持効果を有することが分かる。
【0038】
【表1】
【0039】
以上の説明から分かるように、本考案による鮮度保持段ボール容器は、鮮度保
持性能、作業性、経済性等の面で所望の特性を有しており、花卉及び青果物等の
鮮度保持資材として有効に使用することが出来る。
【図1】図1は本考案による段ボールシートの1部の拡
大断面図である。
大断面図である。
【図2】図2は本考案の鮮度保持段ボール容器の断面図
である。
である。
1 内装ライナー材
2、3、4 内装ライナー材を構成する層
5 中芯
6 外装ライナー材
7 段ボール容器
Claims (3)
- 【請求項1】 花卉及び青果物等の段ボール容器におい
て、少なくとも1層がセルロース繊維と樹脂繊維とが混
合され熱処理された層からなる多層構造の紙状物を内装
ライナー材とした段ボールシートを箱状に組み立ててな
ることを特徴とする鮮度保持段ボール容器。 - 【請求項2】 前記内装ライナー材が、セルロース繊維
とライナー重量比5〜80%の範囲の樹脂繊維とが混合
された少なくとも1層と、セルロース繊維の層とからな
り、透湿度が50〜300g/m2・24Hの範囲にあ
ることを特徴とする、請求項1記載の鮮度保持段ボール
容器。 - 【請求項3】 前記内装ライナー材に、透湿度抑制効果
を有する無機鉱物粉体をライナー重量比1〜20%の範
囲で混合させたことを特徴とする、請求項1記載の鮮度
保持段ボール容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1482591U JPH04112078U (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 鮮度保持段ボール容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1482591U JPH04112078U (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 鮮度保持段ボール容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04112078U true JPH04112078U (ja) | 1992-09-29 |
Family
ID=31902203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1482591U Pending JPH04112078U (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 鮮度保持段ボール容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04112078U (ja) |
-
1991
- 1991-03-14 JP JP1482591U patent/JPH04112078U/ja active Pending
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