JPH0364194B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、網状体を有する油吸着材に関する。

従来油の流出等における油の処理方法としては
シート状吸着マツト、油処理剤等がもつぱら採用
されていた。しかしながらシート状油吸着マツト
は緊急時等に使用する場合にはある程度便利であ
るが、油を吸着した後の回収作業に手数がかか
り、さらに最大の欠点は長期間使用することがで
きないことであつた。従つて油吸着マツトは油流
出を防止するいわゆる予防的な使用方法が不可能
であつた。また油処理剤は使用後における二次公
害を招く憂いがあり好ましくない。

本発明は、これら従来の欠点を解決すべく種々
研究を重ねた結果特に長期間水中に配設すること
ができる油吸着（吸収）材を完成するに至つた。

すなわち、本発明は網状体を構成するロープ状
物体に浮体層、油吸着層および必要により表面保
護層を順次設けてなる油吸着（吸収）材（以下単
に油吸着材と称する）に関する。

次に図面を参照しながら本発明を説明する。

第１図は第２図に示す本発明に係る網状油吸着
材のＡ−A′断面図を示す。１はロープ状物体、
２は浮体層、３は油吸着層、４は表面保護層であ
る。第１図から明らかなように本発明は、まずロ
ープ状物体１の表面を覆うように浮体層２が設け
られている。この浮体層２は例えばシート状ある
いはメツシユ状の発泡性合成樹脂体を前記ロープ
状物体１に一重または多重に巻付けるか、発泡性
合成樹脂あるいはコルク等からなる中空筒体を例
えばロープ状物体１で編んで網状体を構成する前
にロープ状物質１に挿入するか、あるいは前記中
空筒体の半割体によつてローブ状物体１を挾着す
るようにして設けることができる。このように浮
体層２を設けられたローブ状物体１は、さらにそ
の上に油吸着層３を設ける。この油吸着層３の素
材としてはポリオレフイン繊維等の合成繊維、レ
ーヨン等の化学繊維、天然繊維、故紙パルブ、ぼ
ろパルブ、バルブ粕等の天然繊維で綿状を呈した
物質、不織物、吸油性鉱石〔オイルドライ（ユニ
オンカーバイド製）、パーライト（三井鉱山製）〕、
プラスチツク海綿状発泡体等が挙げられる。これ
らの油吸着素材は一種または二種以上を用いて油
吸着層を形成することができる。またこれらの油
吸着層３はさらに界面活性剤で処理することによ
つて一層油の吸着（吸収）を向上させることがで
きる。

ローブ状物体１に浮体層２、油吸着層３を設け
た油吸着材は必要によりさらに油吸着層を覆うよ
うに表面保護層４を設けることができる。かかる
表面保護層４に使用される素材としてはプラスチ
ツク製ネツト、多数の孔を有するゴムシート、無
孔ゴムシート等が挙げられる。これらの素材を用
いて表面保護層４を設けることによつて油吸着材
の保型性を維持すると共に油の吸着（吸収）速度
を調整することができる。

前記のように構成された本発明の油吸着材は第
２図に示す網状体を構成している。

本発明のこのような油吸着材を油の流出が可能
な製油所附近の海洋、各種養魚、のりひび等の航
路に展張することによつて船舶から排出される油
類を吸着（吸収）することができる。そして本発
明の油吸着材は浮体層２を有することから長期間
水面に浮いていることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の紐状油吸着材の断面図、第２
図は網状油吸着材の平面図を示す。 １……ロープ状物体、２……浮体層、３……油
吸着層、４……表面保護層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 網状体を構成するロープ状物体に浮体層、油
   吸着層および必要により表面保護層を順次設けて
   なる油吸着材。