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JPH0354671B2 - - Google Patents

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Publication number
JPH0354671B2
JPH0354671B2 JP57210840A JP21084082A JPH0354671B2 JP H0354671 B2 JPH0354671 B2 JP H0354671B2 JP 57210840 A JP57210840 A JP 57210840A JP 21084082 A JP21084082 A JP 21084082A JP H0354671 B2 JPH0354671 B2 JP H0354671B2
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JP
Japan
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iron
complex
solution
solvent
oxygen
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JP57210840A
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JPS59101489A (ja
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Publication date
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Priority to US06/555,474 priority patent/US4530794A/en
Priority to DE8383112016T priority patent/DE3370484D1/de
Priority to EP83112016A priority patent/EP0110396B1/en
Publication of JPS59101489A publication Critical patent/JPS59101489A/ja
Publication of JPH0354671B2 publication Critical patent/JPH0354671B2/ja
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般式 (ここでnは1〜20の整数)で表わされるホスホ
リルコリン基を1つ有する鉄−5,10,15,20−
〔α,α,α,α−o−(置換アミド)フエニル〕
ポルフイン錯体に関する。 有機溶媒中室温で酸素錯体を生成できる鉄−ポ
ルフイリン錯体は従来多く報告されている。特に
J.P.Collman他、Journal of the American
Chemical Society,97,1427(1975)に報告され
ている鉄()−5,10,15,20−テトラ〔α,
α,α,α−o−(ピバラミド)フエニル〕ポル
フイン錯体は無水非プロトン性溶媒中では非常に
安定の酸素錯体を生成する点で有用であるが、少
量でも水が存在すると直ちに酸化してしまう欠点
がある。有用な酸素吸脱着剤として、特に生体へ
の応用を考えた場合には、水中室温もしくは37℃
で有効に酸素を吸脱着する鉄−ポルフイリン錯体
が望まれる。E.Hase−gawa他、Biochemical
and Biophysical Research Communications,
105、1416(1982)に報告されたリン脂質から成る
リポソームへ鉄()−5,10,15,20−テトラ
〔α,α,α,α−o−(ピバラミド)フエニル〕
ポルフイン錯体を包埋させる方法により、水系媒
質中室温で酸素錯体の生成が可能となつた。ただ
しこの鉄−ポルフイリン錯体は4つのピバラミド
基による酸素錯体の安定化の効果は大きいもの
の、その構造からリポソームへの包埋量の点で難
点がある。 本発明の目的は鉄−5,10,15,20−テトラ
〔α,α,α,α−o−(ピバラミド)フエニル〕
ポルフイン錯体をその酸素吸脱着機能を残したま
まで、より容易にリン脂質から成るリポソーム中
へ包埋できうる鉄−ポルフイン錯体を提供するこ
とにある。安定な酸素錯体を得るのに必要なピバ
ラミド基の部分構造を持ち、しかも天然あるいは
合成のリン脂質、特にホスフアチジルコリンの親
水部に類似するホスホリルコリン基をその末端に
親水部分として持つ一般式で示される新規な化
合物により目的が達成できる。本発明の化合物は
3つのピバラミド基を含むテトラフエニルポルフ
イン核部分が疎水部、末端のホスホリルコリン部
分が親水部となり、ホスフアチジルコリン等のリ
ン脂質から成るリポソーム膜のアルキル鎖の疎水
部、ホスホリルコリン部分等の親水部との類似に
より包埋が容易となる。しかも酸素錯体の安定性
には何ら影響がない点でも非常に有用な化合物で
ある。 一般式で示される新規な鉄−テトラフエニル
ポルフイン錯体は、本発明によれば式 (ここでnは1〜20の整数)で示されるカルボン
酸クロリド1当量を公知の5,10,15,20−テト
ラ〔α,α,α,α−o−アミノフエニル〕ポル
フイン(以下H2TamPPと省略する。)1当量と
反応させ、さらにピバロイルクロリド3当量を反
応させて得られる式 (ここでnは先に定義したと同様である。)で示
される化合物をアニソール存在下、無水塩化アル
ミニウムと反応させ、得られる式 (ここでnは先に定義したと同様である。)で示
される化合物をピリジン存在下臭化第一鉄と反応
させ得られる、式 (ここでnは先に定義したと同様である。)で示
される化合物を2−クロロ−2−オキソ−1,
3,2−ジオキサホスホランと反応させ、さらに
過剰のトリメチルアミンと反応させることにより
製造できる。 一般式の出発原料は新規化合物であるが以下
の方法で合成した。ω−ベンジルオキシアルキル
ハライドをGeorge R.NewKome他、Synthesis、
1975、517.の報告に従つて生成させた2−メチル
プロピオン酸のジリチウムアニオンと初め低温
(−70℃〜−20℃)でそののち昇温して30〜45℃
で反応させた。次に反応混合物を冷希塩酸で分解
し、溶媒で抽出した粗生成物を非極性溶媒、例え
ば石油エーテル、n−ヘキサン、n−ヘプタン中
で再結晶してω−ベンジルオキシ−2,2−ジメ
チルアルカン酸を無色結晶として得た。これを非
極性溶媒、好ましくはベンゼンまたは四塩化炭素
中あるいは無溶媒で過剰量の塩化チオニルと反応
させたのち減圧濃縮して一般式で示されるω−
ベンジルオキシ−2,2−ジメチルアルカン酸ク
ロリドを得た。原料の式 (ここでnは先に定義したと同義であり、X′は
塩素または臭素を表わす。)で示されるω−ベン
ジルオキシアルキルハライドは、n=1X′=Clの
場合はA.J.Hll他、Journal of the American
Chemical Society、48、257(1926)、の報告によ
つて、n=2、X′=Brの場合はS.Cremer他、
Journal of the American Chemical Soeiety、
86、4197(1964)の報告に従つて合成できる。ま
たn=3〜20、X′=Brについてはα、ω−ジブ
ロモアルカンを1当量のナトリウムベンジルオキ
シドとベンゼン中還流反応することで得られる。 一般式のカルボル酸クロリド1当量を公知の
H2TamPP(J.P.Collman他、Journal of the
American Chemical Society、97、1427(1975)
参照)1当量を含む無水非プロトン性溶媒中、好
ましくはテトラヒドロフラン、クロロホルム、ジ
クロルメタン、N,N−ジメチルホルムアミドま
たはアセトン中で過剰の塩基、好ましくはピリジ
ン、トリエチルアミン、4−(N,N−ジメチル
アミノ)ピリジンの存在下に1時間ないし24時
間、0℃ないし室温で反応させたのち、ついで3
当量以上のピバロイルクロリドを加えて室温で1
ないし24時間反応させた。反応溶液に水に注ぎエ
ーテル、クロロホルムまたはジクロルメタンで抽
出し、水洗ののち分離した有機溶媒を芒硝で乾燥
し蒸発乾固させて得た残渣をシリカゲルクロマト
グラフイーにより精製することで一般式で表わ
される化合物が得られた。 この化合物のベンジル保護基を除去するため
に、ジクロルメタン:ニトロメタンの混合溶媒中
で過剰量のアニソール存在下、過剰の無水塩化ア
ルミニウムと−5℃ないし30℃、好ましくは15℃
ないし25℃で2時間ないし12時間反応させた。反
応混合物を氷水中に注ぎクロロホルムで抽出し、
抽出液を水洗ついで4%炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗滌後、分離した有機溶媒層を芒硝で乾燥
し、クロロホルムを蒸発させて得た残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフイーで精製するか、または適
当な溶媒、例えばベンゼン、石油エーテル、エー
テル、メタノールあるいはそれら混合溶媒から再
結晶することで、一般式で示されるアルコール
体を得た。 得られた一般式の化合物を導入するには、J.
P.Collman他、Journal of the American
Chemical Society、97、1427(1975)、の報告の
方法に従い、窒素ガス雰囲気下で還流した無水テ
トラヒドロフラン中ピリジンの存在下で過剰の臭
化第一鉄と反応させた。得られた一般式の化合
物は中心鉄3価の状態で対イオンとして1個の臭
素イオンを持つ。 一般式の化合物のホスホリルコリン化はN.
S.Chandrakumar他、Tetrahedron Letters、
23、1043(1982)、の報告にあるアルコールのホス
ホリルコリン化の反応を改良した。一般式の化
合物を無水の非プロトン性溶媒、例えばジクロル
メタン、クロロホルムまたはベンゼン中で、アル
コール基に対し1ないし2当量のピリジン存在下
2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサ
ホスホランの1ないし2当量を0℃ないし室温で
滴下し、その後室温で6ないし24時間反応させ
た。反応溶液を減圧留去して得られた残渣をアセ
トニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミド
に溶解し、トリメチルアミンを加えステンレス製
封管容器中で50℃ないし65℃で12時間ないし24時
間反応させた。反応溶液を減圧下濃縮して得られ
た残渣をアセトン、メタノール、アセトニトリ
ル、クロロホルムまたはジクロルメタンなどの溶
媒に溶解し、不溶部を過して除いた溶液をセフ
アデツクスLH−20、セフアデツクスLH−60(以
上フアルマシア社製)またはトヨパールHW−40
(東洋曹達(株)製)などの適当なゲルを用いてカラ
ムクロマトグラフイーすることで精製して所望の
一般式()で示される化合物を得た。 この化合物1当量に対し、置換イミダゾール配
位子例えば1−n−ラウリルイミダゾール、1−
n−ステアリルイミダゾール、1−フエネチルイ
ミダゾール、1−トリチルイミダゾールなどの1
〜300当量、好ましくは5〜150当量とリン脂質例
えば卵黄レシチン、大豆レシチン、卵黄ホスフア
チジルエタノールアミン、スフインゴミエリン、
ジパルミトイルホスフアチジルコリン、ジステア
ロイルホスフアチジルコリン、ジミリストイルホ
スフアチジルコリンなどの単一または混合物質30
〜1000当量の有機溶媒溶液を減圧下容器器壁に薄
膜となる様に乾固した。これに水系媒質例えば純
水、緩衝水溶液(PH5〜9)、生理食塩水などを
リン脂質が25%(w/v)濃度以下となる様に加
え、振とうして膜をはがしさらに超音波処理して
一般式で示される鉄()ポルフイン錯体を含
むリポソーム分散水溶液とした。中心鉄を3価か
ら2価へ還元するには、当量ないし少過剰量の亜
二チオン酸ナトリウムかまたは水素化ホウ素ナト
リウムもしくはアスコルビン酸を、窒素ガスをし
ばらく吹き込んで窒素雰囲気としたこのリポソー
ム分散溶液に加えれば良い。もしくは還元にはE.
Hasegawa他、Biochemical and Bio−physical
Research Communications、104、793(1982)
に報告された酵素系による還元方法も使用でき
る。こうして得られた鉄()−ポルフイン錯体
のリポソーム分散溶液に、室温で酸素を吹き込む
と酸素錯体となり、これに窒素を吹き込むと元の
鉄()錯体へと可逆的に可視吸収スペクトルが
変化することより、酸素の吸脱着剤として作用す
ることが確認された。特に一般式で示される化
合物とリン脂質のモル比が1対75ないし1対40で
も容易にリポソーム溶液を生成できる点が、従来
の鉄−5,10,15,20−テトラ〔α,α,α,α
−o−(ピバラミド)フエニル〕ポルフイン錯体
とリン脂質の場合少なくとも1対100、好ましく
は1対150以上がリポソーム分散溶液とするのに
必要である点に比べ大きな改善点である。 本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明
するがこれは本発明を限定するものではない。 参考例 1 10−ベンジルオキシデカニルブロミドは1,10
−ジブロモデカン100gと当量のナトリウムベン
ジルオキシドをテトラヒドロフラン中で還流反応
させ、沈澱を過し濃縮後減圧蒸留した。収量46
g、沸点185〜189℃/3mmHg。 George R.Newkome他、Synthesis、1975
517,の報告に従つて、窒素雰囲気下、テトラフ
ラン中でリチウムジイソプロピルアミドにより2
−メチルプロピオン酸のリチウムジアニオンを発
生させ、−20℃で10−ベンジルオキシデカニルブ
ロミド18gを滴下後、45℃で2時間反応させた。
冷希塩酸中に反応混合物を加え、エーテルで抽出
し、分離したエーテル層を希塩酸、次いで水で洗
い、分離して芒硝で乾燥させた。蒸発乾固して得
た粗油状物を石油エーテルから再結晶させ、無色
結晶の12−ベンジルオキシ−2,2−ジメチルド
デカン酸を収量8.4g、収率46%で得た。融点53
〜55℃、元素分析:C21H34O3として計算値
(%);C75.4、H10.25、分析値(%);C75.64、
H10.09。プロトン核磁気共鳴スペクトル
(CDCl3)δppm:1.18(6H,s,−CH3)、1.26
(16H,S,−CH2)、3.46(2H,t,
PhCH2OCH2CH2−)、4.51(2H,s,PhCH2O
−)、7.33(5H,s,フエニルプロトン)。 得られたこのカルボン酸3.34gを無水ベンゼン
5mlに溶解し塩化チオニル1.2mlを加え室温で12
時間反応させ、減圧下乾固して無色オイルの12−
ベンジルオキシ−2,2−ジメチルドデカン酸ク
ロリドを収量3.53gで得た。赤外吸収スペクトル
(CCl4)ν1790cm-1【式】。プロトン核磁気共 鳴スペクトル(CDCl3)δppm:1.28(22H,S,−
CH3及び−CH2−)、3.46(2H,t,PhCH2OCH2
CH2−)、4.50(2H,s,PhCH2 O−)、7.32(5H,
s,フエニルプロトン)。 実施例 1 5,10,15,20−テトラ〔α,α,α,α−o
−(アミノフエニル)ポルフイン(以下
H2TamPPと省略する。)2.1gをジクロルメタン
(300ml)溶液としピリジン1mlを加え、ついで12
−ベンジルオキシ−2,2−ジメチルドデカン酸
クロリド1.09gを滴下し室温で3時間反応後ピバ
ロイルクロリド5ml(大過剰)とピリジン5mlを
それぞれ滴下しさらに2時間反応をさせたのち、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml)を加え
て、分離した有機層を4%炭酸水素ナトリウム水
溶液(200ml)、水(200ml)で2回洗滌し、芒硝
で乾燥した。減圧乾固して得た残渣を溶媒として
ベンゼン/エーテル=7/1(v/v)を用いて
シリカゲルカラムクロマトグラフイーにより精製
して、さらにエーテル−メタノール混合溶媒から
再結晶することにより、赤褐色結晶の5,10,
15,20−〔トリ(α,α,α−o−ピバラミドフ
エニル)−α−o−(12−ベンジルオキシ−2,2
−ジメチルドデカンアミド)フエニル〕ポルフイ
ンを収量1.26g、収率33%で得た。融点87.5〜89
℃。磁場脱離マススペクトルM+1242
(C80H90N8O5=1242)。赤外吸収スペクトル
(KBr)ν:3440、3330、2960、2940、2860、
1690、1580、1510、1450、1300、1160、970、
810、760、740cm-1プロトン核磁気共鳴スペクト
ル(CDCl3)δppm:−2.60(4H,S,ポルフイン
環内N)、−0.21(6H,S,−CH2C(CH3
2CONH−)0.05,0.09(27H,eachs,(CH3 3C
−CONH−)、3.46(2H,t,J=6.4Hz,
PhCH2OCH2 CH2−)、4.50(2H,s,PhCH2
−)7.85(5H,s,ベンジル基フエニルプロト
ン)。元素分析:C80H90N8O5として計算値
(%);C77.26,H7.30,N9.01、分析値(%);
C76.89,H7.31,N8.88 実施例 2 実施例1で得られたベンジルエーテル体0.65g
をジクロルメタン(15ml)−ニトロメタン(15ml)
の混合溶媒溶液としアニソール1ml、無水塩化ア
ルミニウム2gを加え室温で3時間反応させた。
氷水(200ml)中に注ぎクロロホルム50mlで抽出
し、分離したクロロホルム層を水(100ml)、4%
炭酸水素ナトリウム水溶液(2回×100ml)で洗
い、芒硝で乾燥した。減圧乾固して得られた残渣
をクロロホルム/エーテル=10/1の混合溶媒で
シリカゲルカラムクロマトグラフイーにより精製
し、さらにベンゼン−n−ヘキサン混合溶媒から
再結晶することで、赤紫色結晶の5,10,15,20
−〔トリ(α,α,α−o−ピバラミドフエニル)
−α−o−(12−ヒドロキシ−2,2−ジメチル
ドデカンアミド)フエニル〕ポルフインを収量
0.43g、収率72%で得た。融点220〜221℃。赤外
吸収スペクトル(KBr)ν=3650〜3200
(broad)、3440、3330、2960、2930、2860、
1690、1580、1510、1445、1300、1160、970、
805、750、740cm-1。プロトン核磁気共鳴スペク
トル(CDCl3)δppm:−2.60(2H,S,ポルフイ
ン環内NH)、−0.19(6H,s,−CH2CH2C
CH3 2−CONH−)0.10,0.06(27H,eachs,
CH3 3CCONH−)、3.79(2H,t,J=6.5Hz,
HOCH2CH2−)、8.82(8H,s,ポルフイン環β
−位プロトン)。元素分析:C73H84N8O5として計
算値(%);C76.01,H7.34,N9.72,分析値;
C76.17,H7.46,N9.43。 実施例 3 実施例2で得られたポルフイン0.575gをピリ
ジン0.3mlとテトラヒドロフラン40mlに溶解し、
窒素ガス雰囲気下で臭化第一鉄、4水和物0.6g
を加え還流条件で4時間反応させた。減圧乾固し
て得た残渣をクロロホルム/メタノール=50/1
の混合溶媒を用いてアルミナカラムクロマトグラ
フイーで精製し、溶出溶液に48%臭化水素酸1ml
を加え撹拌ののち芒硝で乾燥した。減圧乾固した
のち、残渣をメタノール/ジクロルメタン混合溶
媒から再結晶して黒紫色結晶のブロモ{5,10,
15,20−〔トリ(α,α,α−o−ピバラミドフ
エニル)−α−o−(12−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルドデカンアミド)フエニル〕ポルフイナ
ト}鉄()を収量0.56g、収率87%で得た。融
点235〜237℃。磁場脱離マススペクトル(M+
1)+1287、〔(M+1)−Br〕+1207(C73H82O5
FeBr=1286、Fe=57、Br=79として)。赤外吸
収スペクトル(KBr)ν:3440、2970、2940、
2860、1690、1585、1510、1445、1300、1260、
1000、810、760cm-1。元素分析:C73H82N8O5
FeBrとして計算値(%);C68.11,H6.42,
N8.70、分析値(%);C67.84,H6.46,N8.58。 実施例 4 実施例3で得られた化合物0.345gとトリエチ
ルアミン0.15gのジクロルメタン(20ml)溶液
に、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサスホラン0.2gを加え室温で12時間反応させ
たのち、減圧乾固した。残渣をアセトニトリル
(20ml)に溶解し、トリメチルアミン10mlを加え
封管して60℃で15時間反応させたのち、溶媒を減
圧下留去した。得られた残固体をクロロホルム
(100ml)に溶解し水洗ののち、クロロホルム層を
分離して芒硝で乾燥して減圧乾固した。ついでメ
タノールに溶解しトヨパールゲルHW−40s(東洋
曹(株)製)によりメタノールを溶媒としてカラムク
ロマトグラフイーして精製した。こうして鉄
()−5,10,15,20−{トリ(α,α,α−o
−ピバラミドフエニル)−α−o−〔12−(2′−ト
リメチルアミノエチル)ホスホリルオキシ−2,
2−ジメチルデカンアミド〕フエニル}ポルフイ
ン錯体(以下Fe(piv3.dodop)と省略する)を収
量0.086g、収率23%で得た。融点178〜180℃。
赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3600〜3200
(broad)、3440、2960、2940、2860、1690、
1582、1510、1445、1300、1070、1000、810、760
cm-1。元素分析:C78H94N9O8P・Fe・3H2Oとし
て計算値(%);C65.67,H7.07,N8.83,分析値
(%);C65.34,H7.48,N8.80 酸素吸着試験 実施例4で合成した鉄()−ポルフイン錯体
1.24mg、N−ラウリルイミダゾール1.06mg(鉄
()錯体に対し5倍当量)および卵黄ホスフア
チジルコリン66mg(鉄()錯体に対し約50倍当
量)のクロロホルム−メタノール混合溶液を、減
圧下容器壁に薄膜として乾固した。0.1M−リン
酸緩衝溶液10mlを加えて振とうして乳濁溶液と
し、さらに窒素雰囲気下にて超音波撹拌処理(30
分間)して、鉄()錯体を含むリポソーム分散
均一水溶液を得た。この溶液に窒素ガスを20分間
吹き込んで脱酸素化したのち、還元酵素類として
NADP+1mg、グルコース−6−リン酸10mg、フ
エレドキシン0.02mg、フエレドキシン−NADP+
リダクターゼ0.1mg、カタラーゼ0.05mgおよびグ
ルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ0.08mgを
加えて室温で6時間静置して還元し、鉄()−
ポルフイン錯体リポリーム溶液を得た。可視吸収
スペクトルを測定し、この溶液の吸収極大波長が
427、533、560nmを示す還元型であることを確
認し、ついで酸素ガスを30秒吹き込んだ。直ちに
スペクトルが変化し、吸収極大波長が424、538n
mを示す酸素錯体となることを確認した。再度窒
素ガスを2分間吹き込んで窒素雰囲気とすると元
の還元型のスペクトル(427、533、560nm)に
戻ることから、酸素の吸脱着は可逆的に生起でき
ると結論された。さらに生成した酸素錯体の経時
変化の追跡結果から求めた半寿命は約2時間であ
つた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 (ここでnは1〜20の整数)で示されるホスホリ
    ルコリン基を1つ有する鉄−5,10,15,20−
    〔α,α,α,α−o−(置換アミド)フエニル〕
    ポルフイン錯体。
JP57210840A 1982-12-01 1982-12-01 ホスホリルコリン基を1つ有する鉄−ポルフィン錯体 Granted JPS59101489A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57210840A JPS59101489A (ja) 1982-12-01 1982-12-01 ホスホリルコリン基を1つ有する鉄−ポルフィン錯体
US06/555,474 US4530794A (en) 1982-12-01 1983-11-28 Iron-tetraphenylporphine complex having phosphocholine group
DE8383112016T DE3370484D1 (en) 1982-12-01 1983-11-30 Iron-tetraphenylporphine complex having phosphocholine group and oxygen adsorbing and desorbing agent
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