JPH0331304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、医療用継手キヤツプに関し、さら
に詳しく言うと、医療用チユーブの継手部に取付
ける医療用継手キヤツプに関する。

［従来技術と考案が解決しようとする課題］ 従来、たとえば血液透析を行うに際して、静脈
内に留置した注射針側のチユーブと透析器側のチ
ユーブとを継続するために用いられる継手には、
通常、前記継手の化学的および生物学的清浄を保
つために医療用継手キヤツプが装着されている。

ところで、従来においては、第２図に示すよう
に、医療用チユーブ１側の継手２に第１キヤツプ
３の一端を嵌合し、他端を第２キヤツプ６に嵌合
してなる医療用継手キヤツプが知られている。

しかしながら、前記医療用継手キヤツプは、前
記注射針側のチユーブとの接続に先立ち医療用チ
ユーブ１等の液流路の洗浄を行うに際し、前記第
２キヤツプ６を、一旦前記第１キヤツプ３から取
りはずしてから、前記医療用チユーブ１側からた
とえば生理食塩水を流して前記医療用チユーブ１
等を洗浄し、ついで医療用チユーブ１等の液流路
に生理食塩水を流しつつ前記第２キヤツプ６を第
１キヤツプ３に再び装着することにより、前記液
流路に生理食塩水を満たして前記注射針側のチユ
ーブとの接続に備えるという煩雑な作業を強いら
れていた。

また、このような医療用継手キヤツプにおいて
は、前記のように第１キヤツプ３から第２キヤツ
プ６を脱着する作業を頻繁に行うことにともな
い、前記第２キヤツプ６の粉失を防止する目的
で、通常、第１キヤツプ３と第２キヤツプ６とを
互いに、連結部材１３で結合し、その結果、前記
第２キヤツプ６は、前記連結部材１３についたク
セにより前記第１キヤツプ３の開口部近傍に位置
することになり、それによつて前記洗浄時に第１
キヤツプ３の開口部から流出する生理食塩水は、
前記第２キヤツプ６に当り、飛散してたとえばベ
ツドサイドを汚染するという新たな不都合をも生
じた。

また、従来の医療用継手キヤツプは、その液流
路の一端が前記第２キヤツプ６で閉鎖されている
ことから、製品化前に行う前記液流路部分をガス
滅菌するに際して、前記液流路部分を充分に滅菌
することができなかつた。

そこで、係る不都合を解消すべく、第１キヤツ
プ３と第２キヤツプ６との嵌合面に、若干の間隙
１４を設けることにより、医療用継手キヤツプの
内部にまで殺菌することができるようにした医療
用継手キヤツプも知られてはいるが、前記間隙１
４は、前記の液流路に生理食塩水を満たして前記
注射針側のチユーブとの接続に備える際に、その
間隙１４から液漏れを防止するために、医療用記
チユーブをクランプしなければならないという煩
雑性を有するとともに、前記の注射針側のチユー
ブとの接続までの間に、前記間隙１４から前記液
流路がたとえば細菌で汚染されるおそれがあると
いう不都合をも有していた。

この考案は、前記事情を考慮して、なされたも
のである。

この考案の目的は、液流路の滅菌を容易にかつ
充分に行うことができるとともに、使用する場合
にあつては、ベツドサイドを汚染することなく前
記液流路の洗浄を行うことができ、また前記洗浄
から注射針側のチユーブとの接続までの間に、医
療用チユーブをクランプしなくとも液漏れがな
く、さらに前記液流路が汚染することのない医療
用継手キヤツプを提供することにある。

［前記課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するための請求項１に記載の考
案は、一方に医療用チユーブの継手に結合可能に
開口する結合端部と他方に開口する開口端部とを
有する管状の第１キヤツプと、一方に前記開口端
部に対し段階的な装着が可能に開口する装着端部
と他方に前記開口端部の開口部を封止する封止手
段と貫通孔とを有する第２キヤツプとからなり、
前記第２キヤツプの第１キヤツプに対する段階的
は装着により前記開口端部の開口部の封止または
開放を可能にしてなることを特徴とする医療用継
手キヤツプである。

請求項２に記載の考案は、封止手段は開口端部
の開口部に密嵌可能な突出部であることを特徴と
する請求項１に記載の医療用継手キヤツプであ
る。

請求項３に記載の考案は、封止手段は開口端部
の開口部を封止する平面であることを特徴とする
請求項１に記載の医療用継手キヤツプである。

すなわち、この考案の医療用継手キヤツプは、
第１キヤツプと第２キヤツプとからなる。

前記第１キヤツプは、一方に医療用チユーブの
継手と液密に結合することのできる結合端部を有
し、他方に後述する第２キヤツプを液密にかつ段
階的に装着することのできる開口端部を有する。

また、前記第１キヤツプは、その芯部に、医療
用チユーブの継手側と後述する第２キヤツプ側と
を流通可能にする液流路を有する管状の形態をと
る。

前記第２キヤツプは、一方に、前記第１キヤツ
プの開口端部に対して、液密にかつ段階的に装着
することのできるように開口する装着端部を有
し、他方の端部には前記開口端部の開口部を封止
する封止手段と、この考案の医療用継手キヤツプ
を医療用チユーブの継手に装着し、前記継手側か
ら前記第１キヤツプを介してたとえば液体を流し
たときに、前記液体をこの考案の医療用継手キヤ
ツプ外に排出可能な貫通孔とを有する。

［作用］ この考案の医療用継手キヤツプにおいては、医
療用チユーブの継手と第１キヤツプの結合端部と
を液密に結合し、前記第１キヤツプの開口端部に
対して第２キヤツプの装着端部を、液密にかつ段
階的な装着が可能に接続する。

この場合、前記開口端部の開口部は第２キヤツ
プの封止手段で封止されていない状態になつてい
る。

この考案の医療用継手キヤツプでは、医療用チ
ユーブは、継手、医療用継手キヤツプ等の液流路
の洗浄を行う場合、たとえば洗浄用の生理食塩水
が前記医療用チユーブを経由して継手側から流入
し、前記第１キヤツプの液流路を洗浄しつつ前記
第２キヤツプ内に至る。

ついで、前記第２キヤツプ内の生理食塩水は、
第２キヤツプ内を洗浄しつつ第２キヤツプの貫通
孔から医療用継手キヤツプ外に排出され、前記洗
浄を完了する。

このように、この考案の医療用継手キヤツプで
は、前記第２キヤツプを前記第１キヤツプから取
りはずす必要がないので、前記生理食塩水を飛散
することなく前記医療用チユーブ等の液流路を洗
浄しつつ医療用継手キヤツプ外に排出する。

なお、この考案の医療用継手キヤツプを、たと
えばガス滅菌する場合にあつては、第１キヤツプ
の結合端部側からと第２キヤツプの前記貫通孔側
からとの両方から内部を滅菌することができるの
で医療用継手キヤツプの液流路を充分に滅菌する
ことができる。

また、この考案の医療用継手キヤツプでは、前
記液流路に生理食塩水を満たして前記注射針側の
チユーブとの接続に備えるにあたり、前記液流路
に生理食塩水を流しつつ前記第２キヤツプを前記
第１キヤツプ方向に移動する。

このとき、第１キヤツプの前記開口端部の開口
部は前記第２キヤツプに設けた封止手段により密
封されるので、前記医療用チユーブをクランプす
る必要なく前記液流路に生理食塩水を満たして前
記注射針側のチユーブとの接続に備えることがで
きる。

なお、開口端部の開口部は、前記のように密封
されているので、前記液流路あるいは開口端部の
外周面が外部から汚染される恐れがない。

この考案の医療用継手キヤツプでは、前記注射
針側のチユーブとの接続を行う場合、前記第２キ
ヤツプを前記第１キヤツプから取りはずし、つい
で第１キヤツプの開口端部を継手側に嵌合するこ
とにより行う。

［実施例］ 次に、この考案の一実施例につき、図を参照し
ながら、さらに具体的に説明する。

第１図に示すように、この実施例の医療用継手
キヤツプは、第１キヤツプ３と第２キヤツプ６と
からなる。

前記第１キヤツプ３と前記第２キヤツプ６との
材質としては、従来から医療用継手キヤツプに使
用されている公知の材質を好適に採用することが
できるが、これらの中でもさらに好ましいのは、
軟質弾性体である。

前記軟質弾性体としては、シリコンゴム、ブチ
ルゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、軟質塩化ビニル等を挙げることができる。

なお、この実施例においては、ブタジエンゴム
を用いた。

前記第１キヤツプ３は、一方に医療用チユーブ
１の継手２と液密に嵌合することのできる結合端
部４を有し、他方に後述する第２キヤツプ６と液
密にかつ段階的に装着することのできる開口端部
５を有する。

なお、前記嵌合は医療用チユーブ１の継手２と
第１キヤツプ３の結合端部４とを密接に結合する
ことができれば、その結合状態は特に制限される
ものではなく、第１図に示すように医療用チユー
ブ１の継手２を結合端部４の開口部に挿入する形
態をとるものであつてもよいし、また継手２側の
開口部に結合端部４を挿入する形態をとるもので
あつてもよい。

前記第１キヤツプ３は、一方に医療用チユーブ
１の継手２側と後述する第２キヤツプ６側とを流
通可能にする流路を有する管状の形態をとる。

なお、前記第１キヤツプ３の流路は、医療用チ
ユーブ１の継手２側と後述する第２キヤツプ６側
とを流通可能にする流路であれば、その形状を特
に制限するものではない。

前記第２キヤツプ６は、一方に前記第１キヤツ
プ３の開口端部５に対し液密にかつ段階的に装着
することのできる装着端部７を有する。

前記段階的装着は、前記第１キヤツプ３に向つ
て前記第２キヤツプ６を移動することのできる構
造を有するものであれば特に制限するものではな
く、たとえば、第１図に示すように、前記開口端
部５と前記装着端部７とが嵌合するものであつて
もよいし、また前記開口端部５と前記装着端部７
とが螺合するものであつてもよい。

前記第２キヤツプ６は、他方の端部には前記開
口端部５の開口部を封止する封止手段９とこの考
案の医療用継手キヤツプの前記液流路に存する、
たとえば生理食塩水を前記医療用継手キヤツプ外
に排出するための貫通孔８とを有する。

前記封止手段９は、前記第１キヤツプ３に向つ
て前記第２キヤツプ６を移動して装着したとき
に、前記開口端部５の開口部を封止することがで
き、また前記移動方向に対して反対方向に前記第
２キヤツプ６を移動して装着したときに前記開口
端部５の開口部を開放することのできる構造を有
するものであれば特に制限はない。

前記封止手段９としては、第１図に示すよう
に、第２キヤツプ６の端面に設けた突出部をその
手段とするもの、第２キヤツプ６の端面自体をそ
の手段とするものが好適である。

なお、この実施例の医療用継手キヤツプは、前
記のように前記第１キヤツプ３に対して前記第２
キヤツプ６を移動して装着するときに、前記開口
端部５の開口部の封止または開放の認知判断を容
易ならしめるため合に、前記第１キヤツプ３の開
口端部５の外周面に設けた外フランジ１０と前記
第２キヤツプ６の装着端部７の内周面に前記外フ
ランジ１０と係合すべく設けた第１凹部１１およ
び第２凹部１２とからなる係合手段を形成した。

すなわち、第１図に示すように、前記第１キヤ
ツプ３方向に前記第２キヤツプ６を移動し、前記
開口端部５の開口部が前記封止手段９により封止
されたときに、前記外フランジ１０と前記凹部１
１とが係合し、その状態を触感で認知することに
より前記封止を判断し、一方、前記移動方向に対
して反対の方向に前記第２キヤツプ６を移動し、
前記開口端部５の開口部が開放されたときに、前
記外フランジ１０と前記凹部１２とが係合し、そ
の状態を触感で認知することにより前記開放を判
断する。

なお、前記係合手段としては、装着端部７の内
周面に設けた内フランジと前記開口端部５の外周
面に前記内フランジと係合すべく設けた凹部とか
らなる構成であつてもよい。

いずれにせよ、前記係合手段は、前記第１キヤ
ツプ３に対して前記第２キヤツプ６を移動して装
着するときに、前記開口端部５の開口部の封止ま
たは開放を、たとえば触感で認知することのでき
る構造を有するものであれば特に制限はない。

前記貫通孔８は、第１キヤツプ３の前記開口端
部５の開口部が開放の状態において、前記医療用
継手キヤツプ内に存する生理食塩水等の液体を前
記医療用継手キヤツプ外に排出する機能を有する
ものであれば、特にその数、その形状等を制限す
るものではない。

前記貫通孔８を設ける位置としては、前記貫通
孔８の機能を阻害しない限り、またこの考案の目
的を阻害しない限りにおいて特に制限するもので
はなく、たとえば前記端面、前記端面の近傍であ
つて前記第２キヤツプ６の周側面等を挙げること
ができる。

前記貫通孔８を設ける位置のうち好ましいの
は、第１図に示すように、前記第２キヤツプ６の
端面である。

この実施例の医療用継手キヤツプにおいては、
このような第１キヤツプ３と第２キヤツプ６と
を、第１図に示すように、段階的は装着が可能
に、接続する。

なお、この実施例の医療用継手キヤツプにおい
ては、第１図に示すように、第１キヤツプ３と第
２キヤツプ６とを、連結部材１３で結合した。

前記連結部材１３は、第１キヤツプ３と第２キ
ヤツプ６とを成型するときに、第１キヤツプ３お
よび第２キヤツプ６と一体成型して得るものであ
つてもよいし、第１キヤツプ３と第２キヤツプ６
とは別部材で構成するものであつてもよい。

なお、第１キヤツプ３と第２キヤツプ６との段
階的は装着が螺合による場合においては、前記連
結部材１３を前記第２キヤツプ６とは別部材で構
成し、かつ前記第２キヤツプ６の回転を阻害しな
い状態、たとえば、第２キヤツプ６と連結部材１
３との結合部が第２キヤツプ６の周側面を回動可
能な状態に取り付けることもできる。

この実施例の医療用継手キヤツプは、医療用チ
ユーブ１の継手２に第１キヤツプ３の前記結合端
部４を嵌合して使用する。

この実施例の医療用継手キヤツプは、医療用チ
ユーブ１等の液流路の洗浄を行う場合、たとえば
洗浄用の生理食塩水を前記医療用チユーブ１を経
由して継手２側から流す。

このとき、前記第１キヤツプ３と前記第２キヤ
ツプ６とは、前記ストツパーにより前記開口端部
５の開口部が開放された状態に保持する。

前記生理食塩水は、前記第１キヤツプ３の液流
路を洗浄しつつ前記第２キヤツプ６内に至り、つ
いで第２キヤツプ６内を洗浄しつつ第２キヤツプ
６の貫通孔８から医療用継手キヤツプ外に排出さ
れる。

このように、この考案の医療用継手キヤツプで
は、前記第２キヤツプ６を前記第１キヤツプ３か
ら取りはずす必要がないので、前記生理食塩水が
飛散することなく前記医療用チユーブ１等の液流
路を洗浄しつつ医療用継手キヤツプ外に排出す
る。

なお、この考案の医療用継手キヤツプを、たと
えばガス滅菌する場合にあつては、第１キヤツプ
３の嵌合端部４側からと第２キヤツプ６の前記貫
通孔８側からとの両方から滅菌することができる
ので医療用継手キヤツプの液流路を充分に滅菌す
ることができる。

また、この考案の医療用継手キヤツプでは、前
記液流路に生理食塩水を満たして前記注射針側の
チユーブとの接続に備えるにあたり、前記液流路
に生理食塩水を流しつつ前記第２キヤツプ６を前
記第１キヤツプ３に向つて移動し、前記係合手段
により、前記開口端部５の開口部が前記封止手段
９で封止された状態に保持する。

このとき、第１キヤツプ３の前記開口端部５の
開口部は前記第２キヤツプ６に設けた封止手段９
により密封されるので、前記医療用チユーブ１を
クランプする必要なく前記液流路に生理食塩水を
満たして前記注射針側のチユーブとの接続に備え
ることができる。

なお、開口端部５の開口部は、前記のように密
封されているので、前記液流路が外部から汚染さ
れる恐れがない。

この考案の医療用継手キヤツプでは、前記注射
針側のチユーブとの接続を行う場合、第１キヤツ
プ３および第２キヤツプ６を同時に継手２から取
り外し、継手２側に結合することにより行う。

［考案の効果］ この考案によると、 (1) 液流路の滅菌を容易にかつ充分に行うことが
できるとともに、 (2) 医療用チユーブ等の液流路の洗浄を行う場合
には、ベツドサイドを汚染することなく行うこ
とができ、 (3) 前記洗浄から注射針側のチユーブとの接続ま
での間に、医療用チユーブをクランプしなくと
も液漏れがなく、さらに前記液流路が汚染する
ことのない等の利点を有する医療用継手キヤツ
プを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、この考案の医療用継手キヤツプの形態
を例示する概念図である。第２図は、公知の医療
用継手キヤツプを例示する概念図である。 １……医療用チユーブ、２……継手、３……第
１キヤツプ、４……結合端部、５……開口端部、
６……第２キヤツプ、７……装着端部、８……貫
通孔、９……封止手段、１０……外フランジ、１
１……第１凹部、１２……第２凹部、１３……連
結部材、１４……間隙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一方に医療用チユーブの継手に結合可能に開
   口する結合端部と他方に開口する開口端部とを
   有する管状の第１キヤツプと、一方に前記開口
   端部に対し段階的な装着が可能に開口する装着
   端部と他方に前記開口端部の開口部を封止する
   封止手段と貫通孔とを有する第２キヤツプとか
   らなり、前記第２キヤツプの第１キヤツプに対
   する段階的な装着により前記開口端部の開口部
   の封止または開放を可能にしてなることを特徴
   とする医療用継手キヤツプ。 (2) 封止手段は開口端部の開口部に密嵌可能な突
   出部であることを特徴とする請求項１に記載の
   医療用継手キヤツプ。 (3) 封止手段は開口端部の開口部を封止する平面
   であることを特徴とする請求項１に記載の医療
   用継手キヤツプ。