JPH03294459A - 析出硬化型銅合金の溶体化処理方法 - Google Patents
析出硬化型銅合金の溶体化処理方法Info
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- JPH03294459A JPH03294459A JP9629990A JP9629990A JPH03294459A JP H03294459 A JPH03294459 A JP H03294459A JP 9629990 A JP9629990 A JP 9629990A JP 9629990 A JP9629990 A JP 9629990A JP H03294459 A JPH03294459 A JP H03294459A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、Cu−Fe−P系およびCu−FeCo−P
系の析出硬化型銅合金の溶体化処理方法に関する。
系の析出硬化型銅合金の溶体化処理方法に関する。
[従来の技術]
析出硬化型銅合金の時効硬化を充分に行うには、溶体化
処理によって析出に寄与する成分の固溶・均質化を行っ
た後に時効硬化処理を行う必要がある。このような時効
硬化処理の結果、析出相を銅母相中に微細に分布させる
ことができる。
処理によって析出に寄与する成分の固溶・均質化を行っ
た後に時効硬化処理を行う必要がある。このような時効
硬化処理の結果、析出相を銅母相中に微細に分布させる
ことができる。
しかし、溶体化処理で析出硬化型銅合金の冷却が遅いと
、銅合金母相中に析出硬化にあまり寄与しない析出相が
析出する。これは、溶体化処理時に析出硬化型銅合金母
相中に導入された空孔が、その析出を促進するからであ
る。析出硬化にあまり寄与しない析出相が析出した析出
硬化型銅合金は、時効硬化処理を行っても充分に強化で
きない。
、銅合金母相中に析出硬化にあまり寄与しない析出相が
析出する。これは、溶体化処理時に析出硬化型銅合金母
相中に導入された空孔が、その析出を促進するからであ
る。析出硬化にあまり寄与しない析出相が析出した析出
硬化型銅合金は、時効硬化処理を行っても充分に強化で
きない。
そこで、従来の析出硬化型銅合金の溶体化処理方法は、
溶体化処理の際に析出硬化型銅合金を1000℃/分程
度の冷却速度で急冷していた。
溶体化処理の際に析出硬化型銅合金を1000℃/分程
度の冷却速度で急冷していた。
なお、母相の単相化する温度まで加熱した押出加工前の
ビレット溶体化処理、熱間圧延前のケーク溶体化処理等
も溶体化処理の範鴫に包含される。
ビレット溶体化処理、熱間圧延前のケーク溶体化処理等
も溶体化処理の範鴫に包含される。
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、溶体化処理で析出硬化型銅合金を効率よ
く急冷するには、急冷処理の可能な溶体化処理設備が必
要である。このような溶体化処理設備は、大型であり、
設備価格も高い。しかも、従来の場合には、材料の熱容
量を小さくしなげればならず、工業的な処理方法として
適さない問題があった。
く急冷するには、急冷処理の可能な溶体化処理設備が必
要である。このような溶体化処理設備は、大型であり、
設備価格も高い。しかも、従来の場合には、材料の熱容
量を小さくしなげればならず、工業的な処理方法として
適さない問題があった。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、簡
易な設備で実施可能であり、しかも、最終の冷却工程中
に析出硬化に寄与しない析出相が析出するのを防止でき
る析出硬化型銅合金の溶体化処理方法を提供するもので
ある。
易な設備で実施可能であり、しかも、最終の冷却工程中
に析出硬化に寄与しない析出相が析出するのを防止でき
る析出硬化型銅合金の溶体化処理方法を提供するもので
ある。
[課題を解決するための手段]
本発明は、Cuを主成分とし、析出硬化成分として0.
05〜5.0重量%のFeおよび0.005〜0.5重
量%のPを含有する析出硬化型銅合金を930〜102
0℃の温度で10分以上加熱してCuにFeおよびPを
固溶させる第1溶体化処理工程と、該第1溶体化処理後
の銅合金を所定の温度まで冷却する第1冷却工程と、8
30〜900℃の温度で5分以上の加熱を施してCuに
FeおよびPを固溶させる第2溶体化処理工程と、該第
2溶体化処理後の銅合金を5℃/分以上の冷却速度で冷
却する第2冷却工程とを具備することを特徴とする析出
硬化型銅合金の溶体化処理方法である。
05〜5.0重量%のFeおよび0.005〜0.5重
量%のPを含有する析出硬化型銅合金を930〜102
0℃の温度で10分以上加熱してCuにFeおよびPを
固溶させる第1溶体化処理工程と、該第1溶体化処理後
の銅合金を所定の温度まで冷却する第1冷却工程と、8
30〜900℃の温度で5分以上の加熱を施してCuに
FeおよびPを固溶させる第2溶体化処理工程と、該第
2溶体化処理後の銅合金を5℃/分以上の冷却速度で冷
却する第2冷却工程とを具備することを特徴とする析出
硬化型銅合金の溶体化処理方法である。
また、本発明は、Cuを主成分とし、析出硬化成分とし
て0.05〜5.0重量%のFeおよび0.1〜2.0
重量96のCo、および0.05−0.2重量%のPを
含有する析出硬化型銅合金を930〜1020℃の温度
で10分以上加熱してCuにFe、CoおよびPを固溶
化させる第1溶体化処理工程と、該第1溶体化処理後の
銅合金を所定の温度まで冷却する第1冷却工程と、83
0〜900℃の温度で5分以上の加熱を施してCuにF
e、CoおよびPを固溶させる第2溶体化処理工程と、
該第2溶体化処理後の銅合金を5℃/分以上の冷却速度
で冷却する第2冷却工程とを具備することを特徴とする
析出硬化型銅合金の溶体化処理方法である。
て0.05〜5.0重量%のFeおよび0.1〜2.0
重量96のCo、および0.05−0.2重量%のPを
含有する析出硬化型銅合金を930〜1020℃の温度
で10分以上加熱してCuにFe、CoおよびPを固溶
化させる第1溶体化処理工程と、該第1溶体化処理後の
銅合金を所定の温度まで冷却する第1冷却工程と、83
0〜900℃の温度で5分以上の加熱を施してCuにF
e、CoおよびPを固溶させる第2溶体化処理工程と、
該第2溶体化処理後の銅合金を5℃/分以上の冷却速度
で冷却する第2冷却工程とを具備することを特徴とする
析出硬化型銅合金の溶体化処理方法である。
[作用コ
本発明の析出硬化型銅合金の溶体化処理方法によれば、
まず、第1溶体化処理により、析出硬化に寄与する成分
が固溶化する。次に、これを所定温度まで冷却する。次
いで、冷却後の銅合金に第2溶体化処理を所定時間施す
。この第2溶体化処理の際に第1溶体化処理で析出硬化
型銅合金母相中に導入された空孔の濃度が減少する。こ
れにより、析出硬化型銅合金を急冷することなく、しか
も、最終の冷却工程で析出硬化に寄与しない析出相か析
出するのを抑えることができる。この結果、均質な過飽
和固溶体を得ることができ、時効処理の際に析出硬化に
寄与する成分を充分に析出させて、析出硬化型銅合金を
充分に強化できる。
まず、第1溶体化処理により、析出硬化に寄与する成分
が固溶化する。次に、これを所定温度まで冷却する。次
いで、冷却後の銅合金に第2溶体化処理を所定時間施す
。この第2溶体化処理の際に第1溶体化処理で析出硬化
型銅合金母相中に導入された空孔の濃度が減少する。こ
れにより、析出硬化型銅合金を急冷することなく、しか
も、最終の冷却工程で析出硬化に寄与しない析出相か析
出するのを抑えることができる。この結果、均質な過飽
和固溶体を得ることができ、時効処理の際に析出硬化に
寄与する成分を充分に析出させて、析出硬化型銅合金を
充分に強化できる。
[実施例コ
以下、本発明の析出硬化型銅合金の溶体化処理方法をそ
の工程順に説明する。
の工程順に説明する。
強化する析出硬化型銅合金は、Cu−Fe−P系および
Cu−Fe−Co−P系のものである。
Cu−Fe−Co−P系のものである。
Cu−Fe−P系の析出硬化型銅合金は、Cuを主成分
とし、0.05〜5.0重量%のFe。
とし、0.05〜5.0重量%のFe。
0.005〜0.5重量%のP1不可避不純物、および
必要に応じて固溶強化成分を含有するものである。Fe
の含有量が0.05重量%未満であると、充分に強化さ
れた析出硬化型銅合金が得られない。また、Feの含有
量が5.0重量%を超えると、析出硬化型銅合金が溶体
化処理の際に過剰のFeを固溶化し、析出硬化型銅合金
結晶に歪みを発生させる。この歪みによって、析出硬化
型銅合金結晶に格子欠陥ができる。その結果、優れた特
性を有する析出硬化型銅合金を得ることができない。P
の含有量の限定理由は、Feの場合と同様である。
必要に応じて固溶強化成分を含有するものである。Fe
の含有量が0.05重量%未満であると、充分に強化さ
れた析出硬化型銅合金が得られない。また、Feの含有
量が5.0重量%を超えると、析出硬化型銅合金が溶体
化処理の際に過剰のFeを固溶化し、析出硬化型銅合金
結晶に歪みを発生させる。この歪みによって、析出硬化
型銅合金結晶に格子欠陥ができる。その結果、優れた特
性を有する析出硬化型銅合金を得ることができない。P
の含有量の限定理由は、Feの場合と同様である。
また、Cu−Fe−Co−P系の析出硬化型銅合金は、
Cuを主成分とし、0.05〜5.0重量%のFe、0
.1〜2.0重量%のC010,05〜0.2重量%の
P1不可避不純物、および必要に応じて固溶強化成分を
含有するものである。Co5Pの含有量の限定理由は、
Feの場合と同様である。
Cuを主成分とし、0.05〜5.0重量%のFe、0
.1〜2.0重量%のC010,05〜0.2重量%の
P1不可避不純物、および必要に応じて固溶強化成分を
含有するものである。Co5Pの含有量の限定理由は、
Feの場合と同様である。
固溶強化成分は、時効硬化処理後も合金中に固溶して強
度向上に寄与する。このようなものとして、P、AI
5SnSZn、Mn、S iが挙げられる。また、固溶
強化成分の含有量は、SnおよびMnについては3重量
%以下、その他のものについては0.5重量%以下であ
ることが好ましい。
度向上に寄与する。このようなものとして、P、AI
5SnSZn、Mn、S iが挙げられる。また、固溶
強化成分の含有量は、SnおよびMnについては3重量
%以下、その他のものについては0.5重量%以下であ
ることが好ましい。
このような析出硬化型合金を次のように溶体化処理する
。
。
まず、析出硬化型銅合金に次のような加熱温度で10分
以上の第1溶体化処理を施す。第1溶体化処理の際の加
熱温度は、930〜1020℃に設定する。第1溶体化
処理は、析出硬化型銅合金中の析出硬化に寄与する成分
を固溶させるためのものである。したがって、第1溶体
化処理の際の加熱温度は、析出硬化型銅合金の銅器相が
単相化する温度よりも高く、銅器相単相域で素材の酸化
や溶融等の劣化が起こらない範囲で、可能なかぎり高く
設定するのが好ましい。しかし、銅器相が、単相化する
温度付近では、銅器相が均質化するまでに非常に長い時
間を要し、非能率的である。そこで、第1溶体化処理の
際の加熱温度は、銅器相が単相化する温度よりも少なく
とも50℃以上高く設定する方がよい。
以上の第1溶体化処理を施す。第1溶体化処理の際の加
熱温度は、930〜1020℃に設定する。第1溶体化
処理は、析出硬化型銅合金中の析出硬化に寄与する成分
を固溶させるためのものである。したがって、第1溶体
化処理の際の加熱温度は、析出硬化型銅合金の銅器相が
単相化する温度よりも高く、銅器相単相域で素材の酸化
や溶融等の劣化が起こらない範囲で、可能なかぎり高く
設定するのが好ましい。しかし、銅器相が、単相化する
温度付近では、銅器相が均質化するまでに非常に長い時
間を要し、非能率的である。そこで、第1溶体化処理の
際の加熱温度は、銅器相が単相化する温度よりも少なく
とも50℃以上高く設定する方がよい。
また、第1溶体化処理の時間は、析出硬化型銅合金中に
析出硬化に寄与する成分が均質に固溶するに充分な時間
に設定する。この第1溶体化処理時間は、具体的には1
0分以上に設定するのが望ましい。
析出硬化に寄与する成分が均質に固溶するに充分な時間
に設定する。この第1溶体化処理時間は、具体的には1
0分以上に設定するのが望ましい。
次に、第1溶体化処理後の析出硬化型銅合金を第2溶体
化処理を行う際の温度まで冷却する。次いで、析出硬化
型銅合金に第2溶体化処理を所定時間施す。なお、第1
溶体化処理後の析出硬化型銅合金を第2溶体化処理の温
度まで冷却するときの冷却速度は、工業的に問題がなけ
れば、どのような冷却速度に保持してもさしつかえない
。
化処理を行う際の温度まで冷却する。次いで、析出硬化
型銅合金に第2溶体化処理を所定時間施す。なお、第1
溶体化処理後の析出硬化型銅合金を第2溶体化処理の温
度まで冷却するときの冷却速度は、工業的に問題がなけ
れば、どのような冷却速度に保持してもさしつかえない
。
また、第2溶体化処理の際の加熱温度は、830〜90
0℃に設定する。
0℃に設定する。
第2溶体化処理は、第1溶体化処理によって析出硬化型
銅合金母相中に導入された空孔を減少させるためのもの
である。銅合金母相中の空孔濃度が高いと、冷却工程の
際に析出する成分元素の拡散が活発になる。また、空孔
自体が核生成サイトを形成して析出硬化に寄与しない析
出相を増加させる。そこで、第2溶体化処理によって空
孔密度を減少させて、平衡空孔濃度にするものである。
銅合金母相中に導入された空孔を減少させるためのもの
である。銅合金母相中の空孔濃度が高いと、冷却工程の
際に析出する成分元素の拡散が活発になる。また、空孔
自体が核生成サイトを形成して析出硬化に寄与しない析
出相を増加させる。そこで、第2溶体化処理によって空
孔密度を減少させて、平衡空孔濃度にするものである。
平衡空孔濃度とは、時効硬化処理に支障を与えない程度
の空孔濃度をいう。第2溶体化処理の際の温度を銅合金
母相が単相化する温度付近の温度に保持することによっ
て、銅合金母相内で平衡空孔濃度を達成することができ
る。
の空孔濃度をいう。第2溶体化処理の際の温度を銅合金
母相が単相化する温度付近の温度に保持することによっ
て、銅合金母相内で平衡空孔濃度を達成することができ
る。
また、第2溶体化処理の際の時間は、銅合金母相内に平
衡空孔濃度か得られるように設定する。
衡空孔濃度か得られるように設定する。
この第2溶体化処理の時間は、具体的には5分以上に設
定するのか好ましい。
定するのか好ましい。
第2溶体化処理後の析出硬化型銅合金の冷却速度は、5
℃/分以上に設定する。これは、冷却速度が5℃/分未
満であると、第2冷却工程で析出硬化に寄与しない析出
相の析出を充分に抑えられないからである。
℃/分以上に設定する。これは、冷却速度が5℃/分未
満であると、第2冷却工程で析出硬化に寄与しない析出
相の析出を充分に抑えられないからである。
このようにCu−Fe−P系およびCu−FeCo−P
系の析出硬化型銅合金に第1溶体化処理を施し、析出硬
化に寄与する成分を銅器相中に固溶させる。次いて、析
出硬化型銅合金を第1冷却工程を経て第2溶体化処理の
際の温度まで冷却する。次いで、これに第2溶体化処理
を施して、第1溶体化処理で析出硬化型銅合金母相中に
導入された空孔の濃度を減少させる。その後、第2冷却
工程によって、析出硬化型銅合金内に、均質な過飽和固
溶体を形成させる。これにより、その後の時効硬化処理
において析出硬化に寄与する成分が微細に分布する。こ
の結果、析出硬化型銅合金を充分に強化することができ
る。
系の析出硬化型銅合金に第1溶体化処理を施し、析出硬
化に寄与する成分を銅器相中に固溶させる。次いて、析
出硬化型銅合金を第1冷却工程を経て第2溶体化処理の
際の温度まで冷却する。次いで、これに第2溶体化処理
を施して、第1溶体化処理で析出硬化型銅合金母相中に
導入された空孔の濃度を減少させる。その後、第2冷却
工程によって、析出硬化型銅合金内に、均質な過飽和固
溶体を形成させる。これにより、その後の時効硬化処理
において析出硬化に寄与する成分が微細に分布する。こ
の結果、析出硬化型銅合金を充分に強化することができ
る。
以下、本発明の効果を確認にするために行った実験例に
ついて説明する。
ついて説明する。
実験例1〜3
まず、析出硬化成分として1.0重量%のFe。
0.07重量%のPを含有する析出硬化型銅合金を、電
気炉内で1200℃に加熱し、溶解した。
気炉内で1200℃に加熱し、溶解した。
この溶解した析出硬化型銅合金を鋳造して長さ200鰭
、幅80mm、厚さ20關の寸法の板状体とした。この
板状体を800℃で厚さ5 mmに熱間圧延した。さら
に、これを厚さ1 amに冷間圧延して薄板状体を作製
した。
、幅80mm、厚さ20關の寸法の板状体とした。この
板状体を800℃で厚さ5 mmに熱間圧延した。さら
に、これを厚さ1 amに冷間圧延して薄板状体を作製
した。
次に、得られた薄板状体に950℃で30分間加熱して
第1溶体化処理を施した。第1溶体化処理後、薄板状体
を900℃まで10℃/分の冷却速度で冷却した。次に
、これを900℃の温度で30分間保持して、薄板状体
に第2溶体化処理を施した。その後、第2溶体化処理後
の薄板状体を室温まで250℃/分の冷却速度で冷却し
た。
第1溶体化処理を施した。第1溶体化処理後、薄板状体
を900℃まで10℃/分の冷却速度で冷却した。次に
、これを900℃の温度で30分間保持して、薄板状体
に第2溶体化処理を施した。その後、第2溶体化処理後
の薄板状体を室温まで250℃/分の冷却速度で冷却し
た。
このようにして、本発明を適用して溶体化処理を行った
析出硬化型銅合金薄板状体(実験例1)を得た。また、
室温まで冷却する冷却速度を100℃/分、40℃/分
にした点以外は、上記と同様にして析出硬化型銅合金薄
板状体(実験例2.3)を得た。
析出硬化型銅合金薄板状体(実験例1)を得た。また、
室温まで冷却する冷却速度を100℃/分、40℃/分
にした点以外は、上記と同様にして析出硬化型銅合金薄
板状体(実験例2.3)を得た。
このようにして得た3つの析出硬化型銅合金薄板状体に
600℃で30分間の時効硬化処理を施した後、氷水中
に投入して焼入れした。その後、それぞれの析出硬化型
銅合金薄板状体の引張り強度を調べた。その結果を溶体
化処理条件と共に下記第1表に示す。
600℃で30分間の時効硬化処理を施した後、氷水中
に投入して焼入れした。その後、それぞれの析出硬化型
銅合金薄板状体の引張り強度を調べた。その結果を溶体
化処理条件と共に下記第1表に示す。
なお、引張強度は、前記薄板状体を所定の寸法に切断し
て引張り試験片を作製し、この試験片をアムスラー型引
張り試験機に取り付けて測定した。
て引張り試験片を作製し、この試験片をアムスラー型引
張り試験機に取り付けて測定した。
比較例1〜3
実験例1と同様の薄板状体を用いて、これに950℃で
60分間溶体化処理を施した。その後、加熱処理後の薄
板状体を室温まで250℃/分の速度で冷却した。
60分間溶体化処理を施した。その後、加熱処理後の薄
板状体を室温まで250℃/分の速度で冷却した。
このようにして、従来の溶体化処理を施した析出硬化型
銅合金薄板状体(比較例1)を得た。
銅合金薄板状体(比較例1)を得た。
また、室温まで冷却する速度を100℃/分、40℃/
分にした点以外は比較例1と同様にして比較例2.3の
析出硬化型銅合金薄板状体を得た。
分にした点以外は比較例1と同様にして比較例2.3の
析出硬化型銅合金薄板状体を得た。
これらの析出硬化型銅合金薄板状体の引張り強度を、実
験例1と同様にして調べた。その結果を下記第1表に併
記する。
験例1と同様にして調べた。その結果を下記第1表に併
記する。
実験例4〜6
まず、析出硬化成分として1.0重量%のFe。
1.0重量%のCo、および0.08重量%のPを含有
する析出硬化型銅合金を電気炉内で1200℃に加熱し
溶解した。これに実験例1と同様に圧延処理して薄板状
体を得た。
する析出硬化型銅合金を電気炉内で1200℃に加熱し
溶解した。これに実験例1と同様に圧延処理して薄板状
体を得た。
次に、得られた薄板状体に950℃で30分間加熱して
第1溶体化処理を施した。第1溶体化処理工程後、薄板
状体を900℃まで10℃/分の冷却速度で冷却した。
第1溶体化処理を施した。第1溶体化処理工程後、薄板
状体を900℃まで10℃/分の冷却速度で冷却した。
次に、900℃の温度で30分間保持して、薄板状体に
第2溶体化処、理を施した。その後、第2溶体化処理後
の薄板状体を室温まで250℃/分の冷却速度で冷却し
た。
第2溶体化処、理を施した。その後、第2溶体化処理後
の薄板状体を室温まで250℃/分の冷却速度で冷却し
た。
このようにして、実験例4の析出硬化型銅合金薄板状体
を得た。また、室温まで冷却する速度を100℃/分、
40℃/分にした点以外は実験例4と同様にして実験例
5.6の析出硬化型銅合金薄板状体を得た。
を得た。また、室温まで冷却する速度を100℃/分、
40℃/分にした点以外は実験例4と同様にして実験例
5.6の析出硬化型銅合金薄板状体を得た。
これらの析出硬化型銅合金薄板状体の引張り強度を時効
硬化処理の温度を500℃にしだ点以外は実験例1と同
様にして調べた。実験例1と同様にして調べた。その結
果を、下記第1表に併記する。
硬化処理の温度を500℃にしだ点以外は実験例1と同
様にして調べた。実験例1と同様にして調べた。その結
果を、下記第1表に併記する。
比較例4〜6
実験例4と同様の薄板状体を用いて、これに950℃で
60分間溶体化処理を施した。その後、加熱処理後の薄
板状体を室温まで250℃/分の冷却速度で冷却した。
60分間溶体化処理を施した。その後、加熱処理後の薄
板状体を室温まで250℃/分の冷却速度で冷却した。
このようにして、従来の溶体化処理を施した比較例4の
析出硬化型銅合金薄板状体を得た。また、室温まで冷却
する速度を100℃/分、40℃/分にした点景外は比
較例4と同様にして比較例5.6の析出硬化型銅合金薄
板状体を得た。
析出硬化型銅合金薄板状体を得た。また、室温まで冷却
する速度を100℃/分、40℃/分にした点景外は比
較例4と同様にして比較例5.6の析出硬化型銅合金薄
板状体を得た。
これらの析出硬化型銅合金薄板状体の引張り強度を、実
験例4と同様にして調べた。その結果を、下記第1表に
併記する。
験例4と同様にして調べた。その結果を、下記第1表に
併記する。
第
表
第1表から明らかなように、本発明の溶体化処理方法を
行って得た析出硬化型銅合金(実験例1〜6)は、時効
硬化処理後の引張強度が高いものであった。これに対し
て、従来の溶体化処理方法を行って得られた析出硬化型
銅合金(比較例1〜6)は、いずれも時効硬化後の引張
強度が低いものであった。
行って得た析出硬化型銅合金(実験例1〜6)は、時効
硬化処理後の引張強度が高いものであった。これに対し
て、従来の溶体化処理方法を行って得られた析出硬化型
銅合金(比較例1〜6)は、いずれも時効硬化後の引張
強度が低いものであった。
以上の結果、明らかなように本発明の析出硬化型銅合金
の溶体化処理方法は、次のような効果を奏する。
の溶体化処理方法は、次のような効果を奏する。
■急冷することなしに優れた特性を有する析出硬化型銅
合金に効率よく溶体化処理することができる。
合金に効率よく溶体化処理することができる。
■熱間圧延時の加熱による溶体化処理、連続焼鈍炉やヘ
ル炉による溶体化処理が可能となる。
ル炉による溶体化処理が可能となる。
[発明の効果コ
以上説明した如く、本発明にががる析出硬化型銅合金の
溶体化処理方法によれば、簡易な設備で実施可能であり
、しがも、最終の冷却工程中に析出硬化に寄与しない析
出相が析出するの、を防止できるものである。
溶体化処理方法によれば、簡易な設備で実施可能であり
、しがも、最終の冷却工程中に析出硬化に寄与しない析
出相が析出するの、を防止できるものである。
Claims (2)
- (1)Cuを主成分とし、析出硬化成分として0.05
〜5.0重量%のFeおよび0.005〜0.5重量%
のPを含有する析出硬化型銅合金を930〜1020℃
の温度で10分以上加熱してCuにFeおよびPを固溶
させる第1溶体化処理工程と、該第1溶体化処理後の銅
合金を所定の温度まで冷却する第1冷却工程と、830
〜900℃の温度で5分以上の加熱を施してCuにFe
およびPを固溶させる第2溶体化処理工程と、該第2溶
体化処理後の銅合金を5℃/分以上の冷却速度で冷却す
る第2冷却工程とを具備することを特徴とする析出硬化
型銅合金の溶体化処理方法。 - (2)Cuを主成分とし、析出硬化成分として0.05
〜5.0重量%のFeおよび0.1〜2.0重量%のC
o、および0.05〜0.2重量%のPを含有する析出
硬化型銅合金を930〜1020℃の温度で10分以上
加熱してCuにFe、CoおよびPを固溶化させる第1
溶体化処理工程と、該第1溶体化処理後の銅合金を所定
の温度まで冷却する第1冷却工程と、830〜900℃
の温度で5分以上の加熱を施してCuにFe、Coおよ
びPを固溶させる第2溶体化処理工程と、該第2溶体化
処理後の銅合金を5℃/分以上の冷却速度で冷却する第
2冷却工程とを具備することを特徴とする析出硬化型銅
合金の溶体化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9629990A JP2889314B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 析出硬化型銅合金の溶体化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9629990A JP2889314B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 析出硬化型銅合金の溶体化処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03294459A true JPH03294459A (ja) | 1991-12-25 |
JP2889314B2 JP2889314B2 (ja) | 1999-05-10 |
Family
ID=14161159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9629990A Expired - Lifetime JP2889314B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 析出硬化型銅合金の溶体化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2889314B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0718355A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-01-20 | Mitsubishi Electric Corp | 電子機器用銅合金およびその製造方法 |
US5814168A (en) * | 1995-10-06 | 1998-09-29 | Dowa Mining Co., Ltd. | Process for producing high-strength, high-electroconductivity copper-base alloys |
US5837068A (en) * | 1993-08-03 | 1998-11-17 | Kazuaki Fukamichi And Ykk Corporation | Magnetoresistance effect material, process for producing the same, and magnetoresistive element |
JP2019011483A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 粉末冶金用銅系合金粉末及び該銅系合金粉末からなる焼結体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103540882B (zh) * | 2013-10-16 | 2015-07-22 | 河南科技大学 | 一种析出强化型铜合金的时效处理方法 |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP9629990A patent/JP2889314B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0718355A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-01-20 | Mitsubishi Electric Corp | 電子機器用銅合金およびその製造方法 |
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US6132529A (en) * | 1995-10-09 | 2000-10-17 | Dowa Mining Co., Ltd. | Leadframe made of a high-strength, high-electroconductivity copper alloy |
JP2019011483A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 粉末冶金用銅系合金粉末及び該銅系合金粉末からなる焼結体 |
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---|---|
JP2889314B2 (ja) | 1999-05-10 |
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