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JPH0326616B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0326616B2
JPH0326616B2 JP60149101A JP14910185A JPH0326616B2 JP H0326616 B2 JPH0326616 B2 JP H0326616B2 JP 60149101 A JP60149101 A JP 60149101A JP 14910185 A JP14910185 A JP 14910185A JP H0326616 B2 JPH0326616 B2 JP H0326616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collagen
bone
reconstituted
preparation according
purified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60149101A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6162459A (ja
Inventor
Jii Uoresu Donarudo
Eru Sumesutado Tomasu
Emu Makufuaason Jon
Ee Piizu Kaaru
Seiedein Seido
Aamusutorongu Rooza
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Collagen Aesthetics Inc
Original Assignee
Collagen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Collagen Corp filed Critical Collagen Corp
Publication of JPS6162459A publication Critical patent/JPS6162459A/ja
Publication of JPH0326616B2 publication Critical patent/JPH0326616B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は脊椎動物、特に哺乳動物及び人間の骨
の修復に関する。さらに詳しくは、本発明はコラ
ーゲンを基礎とする移植材料を用いて骨の伝導に
よる補修を促す骨の修復方法に関する。このコラ
ーゲン材料は高度に精製された非免疫性のもので
あり、望ましい場合は、被移植体と異なる種に属
するものでも良い。このコラーゲンは、皮膚又は
骨由来の材料又はこれらの混合物からの再構成材
料である。 [技術的背景] 欠陥のある骨の修復は何世紀にも亘つて人類を
悩ましてきた問題である。比較的最近までは折れ
た骨を固定し骨組織が損傷部に自然に再生長する
のに頼るのが唯一の実用的な方法だつた。だがし
かし、外科技術の進歩によつて、移植した骨代用
物を損傷を受けた骨や病気の骨構造体の補填のみ
ならず、骨格構造中の先天的及び後天的な欠陥の
修復にさえ利用できるようになつた。 それ以来、広範な材料が利用され、骨全体、例
えば股関節部(米国特許第3820167号)や歯(米
国特許第4186486号)を置換するための精妙な方
法が開示されている。使用された材料の中には、
チタニウム(EP公開0071242、1983年2月9日;
米国特許第3918100号)等の金属類、酸化アルミ
ニウム(米国特許第3919723号)等のセラミツク
類、成形もしくは処理した骨(米国特許第
3318774)、及び例えば可撓性のマツト状に圧縮し
た骨粉(米国特許第2621145号)等の種々の骨製
剤がある。 骨格組織が無機成分と有機成分を含むことは古
くから知られている。恐らくは骨構造の強度と硬
さを担つている無機成分の大半はリン酸カルシウ
ム、つまりヒドロキシアパタタイトの形で存在す
る。また、有機成分は主として単一の種類の蛋白
質、つまりコラーゲンから構成され、これは弾性
を保持して骨構造が不当にもろくなるのを防止し
ている。もちろん骨格組織は生きているので、骨
構造中には代謝活性のある付加的な有機成分が存
在しなければならず、こうした骨細胞やその活性
な代謝物が自然治癒過程や治療の維持過程に寄与
している。 しかしながら、骨の主成分は量的にはコラーゲ
ンとセラミツクなので、同様の又は異なるセラミ
ツク材料並びに種々の型のコラーゲン製剤を含む
多様な再構成に移植物も使用されている。例え
ば、林(Hayashi、K.、et al、Arc Orthop
Traumat Surg(1982)99:265、及び米国特許第
4314380号)を参照の事。 骨の修復は次の二つのうちのいずれかの機構又
はこれらが組み合わさつた機構で起きることが判
つている。すなわち、伝導修復
(conductiverepair)においては既に骨細胞とし
ての特性を備えた細胞(原骨細胞)が近接する骨
から欠陥部の空間に移動し直接骨を形成する。こ
の場合は(非特異的な栄養素以外は)何等特別な
因子は必要としない。しかしながら、誘導修復
(induction repair)においてはこの過程の前に、
分化していない複数の可能性を持つた細胞の原骨
細胞への変換がなされる。原骨細胞は先ず軟骨を
形成し、これが石灰化されて変質し骨に変わる。
この様にする能力を得るためには特定の蛋白質因
子を必要とする。これらの因子の性質は現時点で
は理解されていない。伝導修復、誘導修復のいず
れについても、宿主の生体組織から最終的な骨格
組織が提供される必要がある。従つて、こうした
過程を媒介する移植物は、欠陥のある骨や除去さ
れた骨の代替物として働くのではなく、むしろ欠
けている組織の再生を活性化するための基質的支
持体として働く。 従つて、まさにこうしたことを目的として、欠
陥のある骨格組織用又は骨や歯の病巣用の移植物
を考案する試みがなされている。これらの移植物
は欠けている骨の組成を模倣するものではなく
て、構造的な支持体、及び最終的に隣接する新鮮
な骨から生じる骨の沈着物を徐々に侵入させる案
内基質として働く。こうした支持体は単に基質的
支持体としての機能を提供する(つまり、伝導修
復を媒介する)だけでなく、現在「骨形成因子」
(OF)又は「骨形態発生蛋白質」(BMP)として
知られているものを付与することによつて、さら
に未分化の細胞の原骨細胞への分化を促す因子を
含む場合もある。コラーゲンは骨の成長に伴う代
謝的に生存可能な細胞中で既に良く知られた物質
なので、誘導的骨修復及び伝導的修復のいずれの
目的のためにも、大部分がコラーゲンから成る移
植物を使用する試みがなされている。 誘導修復に有用な移植物については、米国特許
第4294753に骨形態発生蛋白質の製造方法が開示
されている。恐らく前述の特許のBMPとは異な
る、OFの精製方法が米国特許第4434094号(1984
年2月28日発行)に開示されている。これらの因
子は骨中、並びに移植片の製造に使用され恐らく
はこの因子を有効な形で放出する、無機成分を除
去した骨の粒子製剤中に天然に存在する。これら
の因子は精製及び未精製の形で多くの移植片に使
用されている。 また、伝導的骨修復活性のための基質として、
すなわち原細胞を骨発生細胞に成熟させるための
因子を含まず従つて伝導修復を媒介する製剤とし
て、コラーゲン製剤のみを利用しようとする試み
について開示した研究者もいる。 クレケラー(Krekeler、V.G.、et al、J.Oral
Surg(1981)10:Suppl.1:151)は自己由来の海
綿質、コラーゲン製剤(コラーゲンフリース;商
標名、ペンタフアーム社)、及び結合性ゼラチン
についてビーグル犬の歯根膜欠陥用充填物として
の有効性を比較した。これらの製剤は人工的に設
けた骨の空洞中に巣に充填し、癒着過程をポリク
ロム逐次ラベリングで追跡した。コラーゲンフリ
ースは癒着を媒介することが判つたが、自己由来
の海綿質移植片に比較すると効果が小さかつた。 上述の製剤で用いたコラーゲンフリースは豚の
皮膚から米国特許第4066083号に開示の方法に従
つて製造したものである。豚の皮膚を細かく分割
し、洗剤で脱脂後洗浄する。次いでペプシンで消
化して粘稠な懸濁液とし飽和塩溶液を加えてコラ
ーゲンを沈殿させる。この沈殿物を酸中に懸濁し
た後、塩溶液中に繊維状の白色沈殿物として再沈
殿させる。沈殿物を必要な回数洗浄してからアル
コール洗浄して脱塩する。精製コラーゲンを酸溶
液中に懸濁し、凍結乾燥する。これをγ線照射で
減菌するが、この工程で製剤が劣化や架橋する場
合がある。この製剤はコラーゲンフリース
(Collagen fleece)の名称で市販され、何件かの
他の骨の修復の研究に使用されている。 ジヨーズ等(Joos、U.、et al、Biomaterials
(1980):23〜26)コラーゲンフリースを人工
的に傷つけたウサギの下顎骨の移植片として利用
し、2週間後に欠陥が網状の骨粉で満たされ、4
週間後には完全に骨化することを見出した。ゼツ
トマン等(Zetzmann、D.、et al、Schweiz
Mschr Sabnhelik(1982)92:119)もコラーゲ
ンフリースを移植片として用いて顔面外科におけ
る骨の再生に成功した。スプリンゴラム等
(Springorum、H.W.、et al、Z.Orthop(1977)
115:686)はコラーゲンフリースを皮質層の欠陥
に用いて同様の結果を得た。 ジヤフイ等(Jaffee、A.、et al、Archs Oral
Biol(1978)23:415;ibid.(1982)27:999)は犬
の皮膚から酢酸抽出しトリクロロ酢酸/エタノー
ルで精製して製造したコラーゲン溶液を使つて、
犬におけるアクリル酸樹脂歯移植片の固定に成功
したことを報告している。固定に成功した移植片
は1年後にも損われなかつた。 クウシン等(Cucin、R、L.、et al、New
York State Journal of Medecine(1979)1856)
は、γ線照射した、子牛の皮膚からのアテロペプ
チド・コラーゲンをウサギの助骨の修復に使用し
た。また、ゼラチン状スポンジ材料又は自己由来
の骨粉で支持して、犬の頭蓋の穴の修復に使用し
た。 恐らくテロペプチドを含んだままで、γ線照射
により架橋したコラーゲン製剤の歯髄腔の充填及
び皮下「骨代用、移植片としての利用が、それぞ
れEP公開0012443(1980年6月25日)及びEP公開
0012959(1980年7月9日)で開示されている。 [解決すべき問題点] 上述のコラーゲン修復方法はいずれも完全には
成功しておらず、炎症が起きたり(特に被移植部
と異種のコラーゲンを用いた場合)癒着が不完全
だつたりする。本発明は上述の欠点を解消するこ
とを基本目的とし、内方に成長する骨修復組織
を、所定の骨細胞から修復が望まれる欠陥に伝達
し得る移植可能なコラーゲン製剤を提供すること
を課題とする。 [発明の開示] 本発明は、被移植部とは異種のコラーゲンを使
用可能なため、多量に入手することができ、極め
て応用性が広い。さらに、本発明は耐応力性を要
求される広範囲の用途に対して極めて適用性が高
い。 本発明は欠陥に、(必要であれば)修復される
側とは異種の生物から得た、精製非免疫原性コラ
ーゲンを移植することによつて哺乳類(特に人
間)の骨の欠陥を修復したり、骨格基質を再生し
たりするためのコラーゲン製剤を提供する。従つ
て、本発明は高度に精製され、新しい骨の生長の
ための基質を提供し得る汎用コラーゲン製剤を使
つて生体組織の骨の欠陥の自然な修復機構を媒介
する方法も提供する。 本発明においては、生きている原骨細胞
(osteoprogenitor cell)を含む新鮮な骨を欠陥部
に露出し、これを骨及び皮膚のいずれか又は両方
から得た組成物であるコラーゲン製剤と接触させ
る。骨起源のコラーゲンは無機成分を除去した骨
(DMB)から製造し、テロペプチドを事実上除
去した型から実質的に構成される。これは、誘
導修復を媒介する因子を破壊し、かつテロペプチ
ドを除去するトリプシン等のコラーゲン非分解性
の蛋白質分解酵素でDMBを処理して製造する。
この物質は粉末状で得られ、骨コラーゲン粉末
(BCP)と言う。皮膚起源のコラーゲンは主とし
て型コラーゲンで少量の型を含み、典型的に
は子牛の皮膚から得られる。この型のコラーゲン
はザイダーム(Zyderm、商標名)コラーゲン移
植物という名称で市販されている。ZCIを典型と
するこのコラーゲン製剤は再構成された微繊維状
のアテロペプチドコラーゲンである。さらに、皮
膚起源のコラーゲン製剤は移植する前に凍結乾燥
することができる。 これらのペプチドの混合物のBCPとZCIの比を
変化させることによつて修復材料の物性を調節
し、欠陥の特定の要求や周囲環境に適応させるこ
とができる。 従つて本発明は一つの視点において、(a)生きて
いる原骨細胞を有する新鮮な骨の表面を欠陥部に
露出し、(b)前記欠陥部にコラーゲン製剤を充填し
新鮮な骨の表面と接触させることから成る骨の欠
陥の修復方法に関する。前記コラーゲン製剤は精
製再構成アテロペプチド微繊維状皮膚コラーゲン
又は骨コラーゲン粉末(前記した定義の通り)、
或いはこれらの混合物である。 精製再構成微繊維状コラーゲンは凍結乾燥体で
も良い。この凍結乾燥製剤(凍結乾燥コラーゲン
ゲル又はLCG)は取り扱い易く圧延もしくは注
型して板状にすることができ、これは容易に移植
物(片)として利用できる。 皮膚起源のコラーゲンは典型的には皮膚から、
可溶化形態への解離、ろ過による滅菌、及びテロ
ペプチド除去後の微繊維形態への再構成という工
程を経て製造する。代表的な製剤は軟部組織の修
復に有用だと記載されており、この目的のために
ザイダーム・コラーゲン移植物(ZCI)の名で市
販されている。これの製造方法は米国特許第
3949073号に詳細に記載されている。 骨コラーゲン粉末は無機成分を除去した骨
(DMB)から得られ、実質的に、テロペプチド
を除去された型コラーゲンから成る。これは
DMBをトリプシンで処理して製造する。トリプ
シンは骨形成及びテロペプチドに関連する因子を
共に破壊する。この方法によつて得られる骨コラ
ーゲン粉末(BCP)は上述の好ましい性質と共
に耐応力性も有し、骨格の欠陥用の負荷支持体と
なる。 本発明は別の諸視点においては、本発明に有用
なコラーゲン製剤及びその製造方法に関する。 [発明の実施態様] A 定義 本明細書において、骨の欠陥の「伝導」
(conductive)修復とは欠けている骨が補充さ
れる過程又は所望の新しい骨が成長する過程の
ことを言い、序め指令を受けた(committed、
即ち分化した)原骨細胞(osteoprogenitor
cell)の代謝を含む。これらの細胞は、一般に
骨形成性又は形態発生性蛋白因子として知られ
る蛋白因子による誘導なしに軟骨及び/又は骨
を生成することができるこの過程は分化した細
胞によつて骨形生が直接的に行われる機能を含
むが、分化した細胞の生成に蛋白因子の添加は
必要としない。 未分化の細胞の原骨細胞への変化は生体に固
有の蛋白質によつても行われ得ることは理解さ
れる。しかし、ここで定義する「伝導性」骨修
復は外部から供給される支持基質のみによつて
媒介されるもので、異種の生体組織や非内在的
な骨形成因子は提供しない。 「骨の欠陥」とは骨組織の付着が望まれる骨
格組織の隙間のことで、この隙間は生体に対す
る傷害もしくは生体の骨格組織の先天性異常又
は劣化によつて生じる。こうした欠陥は単なる
骨折、病気による骨組織の崩壊、病気の骨組織
又は望ましくない先天性異常の外科的な除去、
或いは整形外科又は美容外科の結果として生じ
ることがある。 「新鮮な骨」とは健康な状態にあり、切開し
て生体組織を露出すること等によつて処理され
る生体組織の骨格系中の骨のことを言う。本発
明の方法において欠陥部の骨の再生用に生きて
いる細胞を提供するためには、新鮮な骨を欠陥
部に接触させる必要があることが判つている。 「コラーゲン製剤」とは主成分としてある種
のコラーゲン蛋白質を含む組成物を言う。 「異種の」(xenogeneic)とは治療される生
体中の種(species)とは異なる種について言
う。 「不純物を含まない」又は「精製された」と
は自然状態でコラーゲン等の製剤中に通常伴わ
れる不純物の存在しないことを言う。すなわ
ち、子牛の皮膚から調製したコラーゲンは、子
牛の皮膚以外の成分を実質的に除去してしまえ
ば不純物を含まず、骨からのコラーゲン製剤に
ついて言えば骨以外の成分を除去すれば不純物
を含まないことになる。 「再構成(reconstituted)」コラーゲンとは
3本らせん状の分子をテロペプチド伸長部が付
いた状態又は付いていない状態で別々に分離し
て溶液中に導入し、次いで微繊維状
(fibrillar)に再構成したコラーゲンのことを
言う。この形状において微繊維は細長いコラー
ゲン分子から成り、相互にじぐざぐ状に重なり
合つて長さの約1/4の幅を有する。この結果、
帯状構造をなし、さらに凝集して繊維状になる
ことができる。 「実質的に架橋がない」とはテロペプチドを
除去し本来の架橋形成能力を欠く製剤としたコ
ラーゲンについていう。この様な製剤は、例え
ばグルタルアルデヒド処理したり、こうした結
合の擬似的な形態を形成するような処理を行う
ことによつて意図的に架橋させない限り実質的
に架橋しない。例えば高温やγ線照射等の滅菌
を目的としてしばしば行われる処理により、ら
せん状分子間に付加的に架橋が形成される。本
発明に使用される製剤では、皮膚起源のコラー
ゲンを溶液中に分散したままの状態で微細ろ過
(microfiltration)して滅菌した後滅菌条件下
で処理するので望ましくない架橋の形成が回避
される。 「骨コラーゲン粉末」(BCP)とは無機成分
を除去した骨起源のコラーゲンの精製アテロペ
プチド製剤を言う。この製剤は実質的にコラー
ゲン自体から成り、代謝的に活性な蛋白質を含
まない。これは骨由来なので型コラーゲンか
ら成り、骨において見られる固有の3次元構造
と良く似た構造を持つ。 B 詳細な説明 B1 適用 本発明が適用される骨の欠陥には、骨格組
織を完全化するために充填する必要がある骨
組織中の空所が含まれる。本発明の方法の適
用手段として適当な骨欠陥修復の医学的又は
獣医学的な方法には、整形外科、病気の骨組
織の除去並びに重ね合わせ又は補てつによる
補充、ゆるんだ歯の固定、歯の補充、外傷の
修復等がある。本発明のコラーゲン製剤の的
確な適用方法は、当業者に理解される通り、
骨の欠陥の性質並びに選択する治療法によつ
て変化する。しかしながら一般的には、本発
明の組成物はペースト状又はゲル状となし、
ペーストを欠陥部に外科的に充填して欠陥部
の形状に成形することができる。本発明のコ
ラーゲン製剤は、また、混合してより希薄な
懸濁液とすれば欠陥部に注入することもでき
る。だが、いずれの場合も治療すべき欠陥部
は先ず洗浄して新鮮な骨の表面を露出させ、
生きている骨細胞が欠陥部と連通するように
しなければならない。新鮮な骨の表面は、恒
久的な骨構造の合成に要する骨原細胞を得る
ために必要となる。 B2 コラーゲン製剤 天然コラーゲンは大部分が三重らせん構造
から成り、このらせん構造はグリシンが2種
類のアミノ酸(通常、プロリン及びヒドロキ
シプロリン)に結合したトリプレツトシーケ
ンスの繰り返しを含み、従つてグリシンが鎖
中で3個目ごとに現れる。さらに、全てのコ
ラーゲン鎖の各端末には、グリシンのトリプ
レツトシーケンスを含まずらせん状でない領
域が存在する。これらの領域は大抵のコラー
ゲン製剤に伴う免疫原性に関連するものと考
えられる。免疫原性は、こうした領域を除去
して「アテロペプチド」コラーゲンとするこ
とによつて大方消去できる。これはトリプト
シン又はペプシン等の蛋白質分解酵素による
消化によつて達成できる。こうした蛋白質分
解酵素の特異性の違いのためテロペプチド除
去の完全さに差が生じる。従つて最も完全に
除去し得る特定の蛋白質分解酵素が好まし
い。こうした酵素としてトリプシンがあり、
これは実質的に全てのテロペプチド部を除去
することができる。 非らせん状のテロペプチド領域は架橋を形
成して微繊維構造を安定化するためにも必要
である。これらの領域はリジン残基に架橋可
能なアルデヒド類を含む。必要な場合は、ア
テロペプチドコラーゲンは人工的に架橋しな
ければならない。 全てのコラーゲンは上述の特性を共有する
が、コラーゲンは三重らせんの個々の鎖にお
けるアミノ酸の正確な順序、炭水化物含量、
及びジスルフイド架橋の存在の有無に基づい
て約10種類に副分類されている。最も普通の
亜型は型及び型で、型は皮膚、腱及び
骨中に存在し繊維芽細胞から形成される。ま
た、型は主に皮膚中に存在する。他の型は
特殊な膜又は軟骨、もしくは細胞表面に存在
する。型及び型はそのらせん中に同数の
アミノ酸を含むが、三重らせんのC端末に近
接する2個のシステインを含みこれで内部的
に架橋し得るが、型はこれを含まない。 型コラーゲンは1本のα2()鎖と2本
のα1()鎖を含み、この各々がその三重の
領域に1014のアミノ酸を含む。また、各々の
鎖上には数個の炭水化物成分が存在する。
型コラーゲンはα1()(3本の鎖)しか含
まず、これらはその三重らせん領域に1026の
残基を含む。前述のように、型コラーゲン
の三重領域のカルボキシ端末にある一対の近
接システインにより内部架橋が安定化され
る。いずれのコラーゲンも短い非三重らせん
状の端部(テロペプチド)を含む。本発明に
用いる再構成微繊維状アテロペプチドコラー
ゲンは型及び型の両方のアテロペプチド
形態を含むが、骨コラーゲン粉末は専ら型
のアテロペプチド形態から成る。 皮膚起源コラーゲン 本発明の組成物として有用なアテロペプチ
ド再構成微繊維状皮膚コラーゲン製剤の代表
的なものとして、通常商品名ザイダーム
(ZYDERM)・コラーゲン移植物(ZCI)と
して販売されている、精製子牛皮膚起源アテ
ロペプチドコラーゲン再構成微繊維状懸濁物
がある。 これ及び他の皮膚起源精製アテロペプチド
再構成微繊維状コラーゲンは当業者に良く知
られている。ZCIはしわ取りや皮膚直下への
製剤の注入による凹んだ傷害部の修復を始め
として、軟部組織に広く利用されている。し
かしながら、この様な製剤は、OFをも含み
誘導的骨修復を目的とする支持材料との関連
使用を除くと、骨の修復には使用されていな
い。こうした応用例は米国特許出願番号
348414(1982年2月12日出願)に開示されて
いる。 このコラーゲン製剤は子牛の皮膚から得た
ものなので、主として型コラーゲンと約1
〜5%の型コラーゲンを含む。アテロペプ
チドコラーゲンは適当なろ過技術を使つて溶
液中に懸濁したままの状態で滅菌されるので
劣化や架橋が生じない。これを微繊維状に再
構成し滅菌条件下で包装する。 凍結乾燥皮膚コラーゲン このコラーゲンを凍結乾燥して凍結乾燥コ
ラーゲンゲル(LCG)とすると、移植又は
充填された空所中にしつかりと固定化し、優
れた構造保持性により所望の位置からの移動
に抵抗する能力を示す。さらに、LCGマト
リツクスは移植部分への骨組織の癒合や再生
長を支持するという望ましく、かつ必要な性
質を示す。後により詳細に説明する様に、本
発明のLCG製剤はPH、凍結速度、及び凍結
時の懸濁液の濃度を制御して広範な物性を得
ることができる。所望する特性にかかわら
ず、本発明のLCG製剤の特徴の一部は、実
質的に不純物を含まないアテロペプチド再構
成微繊維状コラーゲンから成ることにある。
この製剤を微細ろ過によつて滅菌後、滅菌条
件下で処理しても、やはり架橋は実質的に存
在しない。付加的に凍結乾燥処理するとマツ
ト状になり、はさみ又は鋭い刃物を使うだけ
で簡単に切断して医療用の適当な形状にする
ことができるほどの結合力を示す。このマツ
トを濡らすとパテ状の材料が得られ、これは
任意の形状に成形して欠陥部に挿入すること
ができる。 他の形態の医療用凍結乾燥コラーゲンにつ
いても開示されているが、これらは本発明の
コラーゲン製剤とは異なる。バチスタ
(Battista、米国特許第3471598号)は牛の皮
膚を塩酸で処理して膨潤後コラーゲン繊維を
分離して得られる中間的な微結晶形態のコラ
ーゲン製剤の凍結乾燥体を開示している。こ
のコラーゲンは精製しておらず、テレペプチ
ドも除去していない。この様にして製造した
材料は吸水性スポンジとして適するが、不純
物を含み免疫原性を有するため、明らかに直
接的な医療用には適さない。さらに、この中
間的形態の製造に用いる酸がスポンジ中に残
存する。クンツ等(Kuntz et al、米国特許
第3368911号)は、酸が残存しないようにバ
チスタの使用した比較的不揮発性の酸の代わ
りにカルボン酸を用いる吸水性コラーゲンス
ポンジの製造方法を開示した。この製剤には
実質的に純粋なコラーゲン繊維を用いること
が開示されているが、テレペプチドは除去し
ていない。宮田(Miyata、米国特許第
4294241号)は皮膚包帯用の凍結乾燥コラー
ゲンシートを開示している。このシートは微
繊維状に再構成したアテロペプチドコラーゲ
ンから製造されるが、本発明のLCGとはこ
れらが人工的に架橋されている点で異なる。
リース(Ries、米国特許第4066083号)は、
傷の治療用の市販製品、コラーゲンフリース
(Collagen fleece、商標名)の製造方法を開
示している。ラツクとダニエルス(Luck、
Daniels、米国特許第4233360号)は凍結乾燥
製剤について記載しているが、これは本発明
のようなマツトではなく発泡体になる。 本発明のLCGは通常、精製再構成微繊維
状アテロペプチドコラーゲン、例えばザイダ
ーム(Zyderm)コラーゲン移植物又はザ
イダームコラーゲン移植物(共に牛の皮膚
から製造した再構成コラーゲン製剤の商標
名)から製造される。他の再構成精製皮膚コ
ラーゲン原料、例えば他の哺乳動物の皮膚も
用いることができる。しかしいずれの場合
も、出発材料は、可溶化した形態から再構成
した実質的に純粋なコラーゲン微繊維とする
工程によつて、これらの原料から製造しなけ
ればならない。さらに、テロペプチドは適当
な工程、例えばトリプシン消化等によつて除
去しなければならない。典型的にはこうした
精製製剤は出発材料を微細に分割後、酸素及
び/又は適当なPH条件下で非コラーゲン物質
を破壊又は抽出し、続いてコラーゲンをトリ
プシン等の消化性酵素で処理してテロペプチ
ドを除去し、微細ろ過して滅菌し、PH及び塩
濃度を適当に調節して(つまり、酸性から中
性で)コラーゲン微繊維を再構成して製造す
る。この様な製剤は当業者に知られており、
事実、これを用いた製品が市販されている。 凍結乾燥形態の製造への再構成コラーゲン
の使用は、滅菌過程での劣化防止の観点から
も重要である。コラーゲンは製造過程の一段
階で可溶化形をとるため微細ろ過が可能で、
この工程は完全に中性の工程なので構造に顕
著な化学的、物理的な変化が生じない。以後
の工程を滅菌状態で実施すれば、これ以上は
滅菌を必要としないので、生成物に加熱又は
γ線照射等のより過酷な滅菌条件を用いた場
合に生じる様な劣化や架橋が生じない。 本発明のLCGの製造においては、適当な
コラーゲンの懸濁液を濃度約20〜100mg/ml
として注型するか、シート状に押出成形す
る。これらの成形体を続いて約−10〜−50℃
で凍結後コンデンサー温度約−45〜−55℃、
シエルフ温度約−30℃として約10〜
100millitorrで凍結乾燥する。1〜7日間凍
結乾燥後シエルフ温度を15〜25℃に上昇し、
さらに24時間後に凍結乾燥器からLCGを取
り出す。 別法として、可溶化形の精製コラーゲンを
用いることもできる。この様な溶液は精製ア
テロペプチドコラーゲンを約PH2〜3で水溶
液中に溶解し、随時微細ろ過で滅菌後、例え
ばリン酸塩緩衝液を用いてPHをほぼ中性とし
再構成形態を沈澱させて製造する。生成した
沈澱コラーゲンを遠心分離法で採集し、ペレ
ツト化したコラーゲンを中性の緩衝液中に再
懸濁させて前述のように処理する。 特定の用途においてより優れた結果が得ら
れる、前述の方法の改良方法に相当する別の
凍結乾燥方法がある。コラーゲン懸濁液を滅
菌した培養板(例えば、35mm)中に注型し、
得られた注型体をスパチユラ等で平滑にす
る。次いでこの注型体を凍結し約−100〜−
50℃、好ましくは約−80℃に1時間保持後凍
結乾燥する。約10〜100millitorr約24時間凍
結乾燥して乾燥させ、厚さ数mmの多孔質のマ
ツトを得る。 骨起源コラーゲン 本発明で用いる骨コラーゲン粉末(BCP)
は無機成分を除去した骨から得たもので、従
つてそのコラーゲン成分は専ら型コラーゲ
ンである。このコラーゲン製剤は従来構造さ
れた形態のコラーゲンとは物理的、化学的特
性が異なる新物質であり、乾燥粉末状で便利
に貯蔵することができる。通常、牛、豚等の
哺乳動物の骨、好ましくは緻密な骨を洗浄、
凍結、粉砕後、常法を用いては塩酸等の適当
な酸で無機物を除去する。残存有機物を分離
し、蛋白質分解酵素を逐次的にもしくは組み
合わせて使用して消化する。オリバーとグラ
ント(Oliver、Grant、英国特許、
GB1565340A)が記載する様に、非コラーゲ
ン質の蛋白を選択的に劣化させるトリプシン
等の中性蛋白質分解酵素が好ましい。ペプシ
ン等の特定の酸性蛋白質分解酵素はコラーゲ
ンを部分的に消化するので好ましくない。非
蛋白性の骨成分もコンドロイチナーゼ、ヒア
ルロニダーゼ、及び種々のヌクレアーゼ等の
適当な酵素を用いて除去できる。もちろんコ
ラゲナーゼの使用は不適当である。適当な酵
素を使用して処理した後の不溶性物質は
BCP形の精製アテロペプチドから成る。こ
れはγ線照射又は加熱等の既知の方法で滅菌
後使用することができる。トリプシン処理後
に残存する全てのテロペプチドの残存抗原性
効果が緩和されるので、この型のコラーゲン
での架橋の存在は好ましい場合が多い。 この様にして得たBCPは新規なものであ
る。これは本質的に型コラーゲンから成
り、見掛け上、骨コラーゲンの元の分子構造
を保持しているが、テロペプチドは含まな
い。 このBCPは、適当に前処理した骨の欠陥
中に圧入して使用するために生理的緩衝液中
に再懸濁する。 混合物 混合物を使つて本発明の移植片又はペース
ト状修復材料を製造する場合は、材料の取り
扱い上の必要性及び修復部位にかかることが
予想される応力に対処するのに必要な物性に
応じた比率範囲の、ZCI等の再構成微繊維状
アテロペプチドコラーゲンの懸濁液及び
BCPを使つて製造する。BCP量を増すと組
成物に耐重量性及び耐応力性を付与すること
ができるのに対して、ZCIに対するBCP比率
を減らすと柔軟性が増し適用性が良くなる。
従つて本発明の方法は、従来方法に比較して
生体の欠陥を修復する際、その性質に応じて
極めて順応性に富む。 比率の範囲はもちろんいずれかの成分を単
独で使用できるほど大きい。好適な混合物は
欠陥の性質によるので、一般的に好ましい単
一の範囲は特定できない。だが、一般的に
は、重量がかかる欠陥部に対しては約50%
ZCI/50%BCP〜約10%ZCI/90%BCP(重
量%)の範囲が好ましく、歯根膜又は表面部
の欠陥に対しては約90%ZCI/10%BCP〜約
50%ZCI/50%BCP(重量%)が好ましい。
(上記の比率はZCIの35mg/ml懸濁液を想定
したもので、重量は全懸濁液の重量を言う)。 C 実施例 以下に本発明を説明するが、これは本発明を限
定しようとするものではない。 C.1 ZCI製剤 ザイダーム・コラーゲン移植物(Collagen
Corporation、カリフオルニア州、パロアルト
から購入)を再構成微繊維状アテロペプチド成
分として使用した。再構成天然型コラーゲン微
繊維を濃度約35mg/mlで用いた。この製剤は加
工時にろ過して滅菌したので、加熱又は照射等
の劣化を被むる工程は受けていない。 C.2 ICG製剤 A 微細ろ過で滅菌した約PH2〜3のペプシン
可溶化牛皮コラーゲン水溶液をリン酸塩緩衝液
でPH7.4に調節した。沈澱したコラーゲンを遠
心分離して捕集後、PH7.4のリン酸塩緩衝液中
に濃度35mg/mlで懸濁させた。懸濁液をシート
状に注型し、このシートを−25℃で凍結後コン
デンサー温度−50℃、25millitorrで凍結乾燥し
た。凍結乾燥したシートを−30℃で5日間貯蔵
後、温度を再び20℃に上げ使用直前の24時間保
持した。 B 別法(或いは改良法)として、約5c.c.のザ
イダーム・コラーゲン移植物(インプラント)
を滅菌した35mm組織培養板中に注型し、スパチ
ユラで平滑化した。このコラーゲンゲルを凍結
し、−80℃に約1時間保持した。続いてコラー
ゲンゲルを乾燥するまで約24時間凍結乾燥し、
直径35mm、圧さ3〜5mmの多孔質白色デイスク
を得た。 C.3 BCP製剤(牛) 牛の大腿骨を手洗いして付着する軟部組織を
除き、骨の関節端を骨端板近くで除去して本質
的に緻密な骨を得た。骨幹を液体窒素(LN2
で冷却し、軸方向に割つて骨髄を取り除いた。
緻密な骨片をLN2温度でジヨークラツシヤーを
使つて粒径5mm以下の破片に破砕した。この骨
片をハンマーミルを使い、やはりLN2温度で粉
砕した。 骨粉を流水下でふるつて、125〜250μmと
250〜450μmの2つの粒径部分に分けた。この
2種類の粒径部分を平行して、個別に加工し
た。 0.5M HClを用い(骨粉1gに対してHCl溶
液25ml)1〜1.5時間後に新しい酸と交換して、
室温下3時間かけて骨粉から無機成分を除去し
た。無機成分除去工程の終りに、骨粉を3回水
洗し酸溶性無機物を除去した。無機物を除去し
た骨粉を、蛋白質分解処理に先立つて凍結乾燥
した。 凍結乾燥した骨粉をトリプシンで消化した
(0.5mg/ml NaN3を含む0.1M Na2HPO4
ml当り骨粉50mg及びトリプシン2mg;すなわち
トリプシン:骨粉=1:25)。酵素による消化
を15℃で10日間行つた。消化上澄液をビユレツ
ト法で加溶性蛋白質について分析し、消化の進
行を監視した。 トリプシン消化生成物を除くため、骨粉を沈
降させてから上澄み液を分離し、固体分に4M
NaCl溶液(10:1/容積:重量)を加えた。
骨粉を室温で1時間撹拌し、その時点で粉末を
沈降させてデカンテーシヨンした。4M NaCl
による抽出を合計3回繰り返した。 塩化ナトリウムを除くため、10倍量の米国薬
局方注射用水(WFI)中でNaCl抽出について
の記載と同様にして10分間撹拌して6回洗浄し
た。 次いで骨粉を10倍量のアセトンで2回抽出し
存在する全ての脂質を除去した。アセトン抽出
後、骨粉をWFIで5回洗浄し、真空ろ過して
から凍結乾燥して骨コラーゲン粉末(BCP)
を得た。 BCP試料を脂質、グリコスアミノグリカン
(glycosamino−glycan)、及びアミノ酸組成物
について化学的に、残存トリプシン、牛赤血球
細胞、及び牛コラーゲンテロペプチド(コラー
ゲンの抗原性端末)について免疫学的に、さら
に超微細構造について電子顕微鏡的に分析し
た。トリプシン処理が進むにつれて、好ましく
は4〜10日で、BCPは次第にテロペプチドを
ほとんど含まない純粋の型牛コラーゲンにな
つた。電子顕微鏡により、特徴的な帯状をなす
コラーゲン微繊維と牛骨の組織が認められた。
また、アミノ酸組成から、化学的に純粋なコラ
ーゲンであることが判つた。 この様にして製造したBCPには2種類にの
粒径があり、さらに第1表に示すようにトリプ
シン処理度合の異なるものがあつた。全ての試
料は1.5Mradでγ線照射して滅菌した。 【表】 C.4 BCP、ZCI混合製剤 前項で2C及び3Cと命名した骨コラーゲン粉
末(BCP)を55/45(重量比)で混合し、
1.5Mradでγ線照射して滅菌した。 この滅菌BCP混合物を使つて2バツチの
BCP/ZCI混合物を製造した。すなわち、乾燥
BCP0.33gをZCI(35mg/mlの懸濁液、つまり
固体分約0.67g/0.035g/mlとして)0.67gと
混合しZCIの33%BCP混合物を調製した。ま
た、BCP0.17gをZCI(35mg/ml懸濁液)0.83g
と混合して第2の混合物を調製した。これらの
材料をそれぞれ十分に混合して1〜1/4c.c.の注
射器に満たし、以下の手順に用いた。 C.5 ZCIによる骨の欠陥の修復 生後6〜8週間の45匹のラツトに麻酔をか
け、頭皮を反転して頭蓋骨膜を除去した。歯科
用ドリルを使つて頭蓋側壁骨に3×7mmの貫通
欠陥を左右対称に設けた。C.1に記載した注入
可能なコラーゲンゲルを小型スパチユラを使つ
て欠陥中に充填し、頭皮を元に戻して縫合し
た。欠陥内の癒合速度を移植後2、4、8及び
16週間後にX線並びに組織学的に監視した。 2週間後にはコラーゲンゲル内に組織学的に
新しい骨細胞(骨芽細胞)の島と基質が認めら
れた。4週間後までには大半の事例で新しい骨
が欠陥全体に広がり、欠陥の切断端部間の融合
物及びこの新しい骨が生じ始めた。8〜16週間
の間に、新旧の骨の結合部がほとんど見分けら
れなくなつた。また、新しい骨は再構成され
て、欠陥部に元から存在する骨に典型的な明瞭
な骨髄腔を有する緻密な骨の層となつた。ラツ
トから除り去つた頭蓋のX線から、16週間後の
欠陥中に多量のX線不透過性の骨の存在が確認
された。移植していない左右対称の頭蓋側壁骨
欠陥を有するラツトでは観察期間16週間では顕
著な癒合は認められなかつた。後者の場合、骨
形成活動は欠陥の切断端の小部分に限定され、
欠陥の残部はゆるい結合組織で満たされてい
た。 この様に、再構成コラーゲン繊維によつて、
伝導骨生長の支持基質を提供するための新規で
有用な方法が得られる。 C.6 LCGを用いる頭蓋欠陥の修復 生後約8週間のラツトに麻酔を施し、頭皮を
反転して頭蓋骨膜を除去した。歯科用ドリルを
使つて頭蓋側壁の骨に3×7mmの貫通欠陥を左
右対称に設けた。C.2Bに準じて製造した凍結
乾燥コラーゲンを欠陥より若干大きめの細片状
に切断し、移植片が欠陥部にしつかり封入され
るようにした。一部の細片は欠陥中に乾燥状態
で入れその中で水和させたが、一部は移植に先
立つて水和させた。移植後、頭皮を元に戻して
縫合した。欠陥内部の癒合速度を、移植2及び
4週間後に組織学的に評価した。 2週間後には移植片中に結合組織及び血管が
十分浸潤したが、新しい骨の形成は極めて限定
されていた。前項に記載した型の非移植欠陥は
癒合せず軟部組織で満たされたままだつたが、
修復した欠陥では28日後までには移植片全体に
新しい骨の形成が認められた。また、欠陥の切
断端部と移植片の界面に早くも既存の骨との融
合の徴候が認められた。56日後までには、明瞭
な骨髄腔を有する成熟した骨の存在が欠陥全体
に認められた。 LCGは容易に切断して、伝導骨生長を支持
可能な挿入物を成形することができる。得られ
た凍結乾燥再構成コラーゲン繊維のマツトはこ
の目的に好適な材料である。 C.7 骨の修復へのBCPの使用 生後6週間のラツトに麻酔を施し、頭蓋の左
右の壁骨に3×7mmの欠陥を設けた。歯科用ド
リルで頭蓋に貫通孔を開け、前述の様にして調
製したBCPを滅菌食塩水で湿潤後欠陥に充填
した。対照用欠陥は未充填のまま残した。前記
第1表のBCP試料2B、3Z、3A、3B、及び3C
を試験した。移植後2及び4週間後に試料を採
取し、組織学的に検査した。 試料3Z(トリプシン消化実施せず)及び3A
(トリプシン消化1日)は抗原性成分の証拠を
伴う炎症を示した。試料2B、3B、及び3Cは2
週間で多核性細胞反応、骨芽細胞反応を伴う
BCPの消化、並びに新しい緻密な骨の沈着を
示した。4週間の時点で、移植片全体に多量の
骨が形成され、新旧骨の融合の徴候が認められ
た。対照欠陥には切断端部で僅かな骨の生長が
認められたに過ぎなかつた。 BCP試料3Zを移植したラツトの血清中には
BCPに対する循環抗体が存在した。試験した
他のBCP試料は抗体反応を誘発しなかつた。 これらの結果を第2表に要約して示す。 【表】 C.8 BCPの免疫原性反応についての腹膜潅流分
析 BCP試料2Z、2A、2B、及び3B、30mgをリ
ン酸塩で緩衝した食塩水(PBS)7mlに懸濁
させ、ラツトの腹腔内に注入した。1、3、
14、及び28日後に腹腔をPBS100mlで潅流して
細胞を選別計数及び全数計数し、炎症の定量的
尺度とした。また、BCP移植片を組織学的に
検査し、血清を循環抗体の尺度とした。 全試料で1日後に遷移的な好中球反応が認め
られ、この材料に特異的な性質に関連するもの
と考えられた。3、14、及び28日の時点では応
答細胞はマイクロフアージが支配的になり、移
植片の組織学的検査によれば28日後において明
らかに多量のBCPの消化が認められた。極く
微量の免疫性細胞(リンパ球)が常時存在し
た。血清学検査の結果、2Zを移植したラツト
でBCPに対する抗体の滴定量がかなりの量に
達することが判つた。2A、2B、2C、又は3B
を移植したラツトでは抗体反応が発現しなかつ
た。 BCPは伝導機構での骨の修復に有用な、骨
を原料とする新規な基材である。骨コラーゲン
粉末(BCP)は骨の欠陥部の形状にすること
ができる損逸した骨の耐応力性の補填物で、新
しい骨の生長を支持する。 C.9 骨の修復へのBCP/ZCI混合物の使用 生後6〜8週間のラツト24匹に麻酔を施し、
頭蓋の左右の側骨に3×7mmの欠陥を設けた。
歯科用ドリルを使つて頭蓋に貫通孔を設け、前
記の様にして製造した2種類のBCP/ZCI混合
物を孔中に充填した。対照欠陥にはBCP又は
ZCI単体を充填するか未充填とした。移植後2
及び4週間後に試料を採取し組織学的に検査し
た。 BCP/ZCI混合物を充填した欠陥では移植後
2週間で普通よりも早い骨の生長が生じた、だ
が、BCP/ZCI混合物は必ずしも均一でないた
め、欠陥の特定部位に存在するコラーゲン質移
植片中の支配種(つまり、BCP又はZCI)によ
つて骨の形成パターンが変化した。 4週間目までにはBCP/ZCI混合物のZCI成
分中で新しい骨が多量に形成され、BCP粒子
は新しい骨形性活性の中心部に取り込まれつつ
あつた。これが早期の再構成と相俟つて、欠陥
部に広がる新しい骨の外観が14日の時点よりも
均一性を帯びていた。移植した対照欠陥(つま
り、BCP単独及びZCI単独)には上述の研究で
観察された特徴的な形式の骨発生活性が認めら
れた。移植しなかつた対照欠陥では欠陥の切断
端部に僅かな骨の生長が認められたに過ぎなか
つた。 弾性のゲル状懸濁物を形成する精製アテロペ
プチド再構成微繊維状コラーゲンと圧縮強度を
付与する骨コラーゲン粉末との相対量を変える
ことによつて、伝導による骨の修復に適する基
質を得る上で、多様性に富む有用な移植材料を
製造できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i) 無機成分を除去した骨起源のコラーゲン
    の精製アテロペプチド製剤から成る骨コラーゲ
    ン粉末、 (ii) 精製アテロペプチド再構成微繊維状皮膚コラ
    ーゲン、 (iii) 精製アテロペプチド再構成微繊維状皮膚コラ
    ーゲンの凍結乾燥ゲル、及び (iv) (i)及び(ii)の混合物 から成るグループから選択される一つから成るこ
    とを特徴とする骨の欠陥中に充填して新鮮な骨と
    接触させるための哺乳動物の骨の欠陥の伝導修復
    用コラーゲン製剤。 2 前記(ii)及び(iii)のコラーゲン製剤を子牛の皮膚
    から製造することを特徴とする請求の範囲第1項
    に記載の製剤。 3 前記(iii)のコラーゲン製剤をマツト状に押出成
    形したことを特徴とする請求の範囲第1項に記載
    の製剤。 4 前記(ii)及び(iii)のコラーゲン製剤が実質的に架
    橋していないことを特徴とする請求の範囲第1項
    記載の製剤。 5 前記精製アテロペプチド再構成微繊維状皮膚
    コラーゲンの凍結乾燥ゲルは、懸濁液から凍結乾
    燥した精製アテロペプチド再構成微繊維状皮膚コ
    ラーゲン製剤から実質的に成る再構成コラーゲン
    繊維の凍結乾燥マツトであることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載のコラーゲン製剤。 6 前記コラーゲンが実質的に架橋していないこ
    とを特徴とする請求の範囲第5項に記載のコラー
    ゲン製剤。 7 前記凍結乾燥マツトは、 (a) 精製アテロペプチド再構成微繊維状皮膚コラ
    ーゲンの懸濁液を板状に注型し、 (b) 注型生成物を凍結乾燥する工程から成る骨移
    植片としての使用に適した凍結乾燥コラーゲン
    マツトであることを特徴とする特許請求の範囲
    第5項に記載のコラーゲン製剤。 8 前記骨コラーゲン粉末は、実質的に骨コラー
    ゲン粉末から成ることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の精製コラーゲン製剤。 9 前記骨コラーゲン粉末は、無機成分を除去し
    た骨粉をトリプシン及びペプシンから選ばれた少
    なくとも一種類の蛋白質分解酵素で処理した、骨
    の欠陥の修復への使用に適する骨コラーゲン粉末
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項又
    は第8項記載のコラーゲン製剤。
JP60149101A 1984-07-06 1985-07-06 骨の修復用コラーゲン製剤 Granted JPS6162459A (ja)

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US628328 1984-07-06
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