JPH0323082B2 - - Google Patents
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- JPH0323082B2 JPH0323082B2 JP19221383A JP19221383A JPH0323082B2 JP H0323082 B2 JPH0323082 B2 JP H0323082B2 JP 19221383 A JP19221383 A JP 19221383A JP 19221383 A JP19221383 A JP 19221383A JP H0323082 B2 JPH0323082 B2 JP H0323082B2
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Description
本発明は塩化ビニル系単量体の改良された重合
方法に関するものである。さらに詳しくは塩化ビ
ニル単量体又は塩化ビニル単量体を主体とし、こ
れと共重合可能な単量体との混合物(以下、これ
らを総称して、「塩化ビニル系単量体」といい、
この単量体を重合して得られる重合体を「塩化ビ
ニル系重合体」という。)を重合するにあたり、
重合器内壁面及び/又は重合器付帯機器の表面に
生ずる重合体スケールの付着を防止する方法に関
するものである。 塩化ビニル系単量体の重合は通常、重合開始剤
の存在下に乳化剤または分散剤を含む水性媒体中
で塩化ビニル系単量体を乳化または懸濁させて実
施される。この重合過程において、重合器内壁、
重合器の付帯機器である撹拌翼、バツフル、還流
冷却器壁面及び重合器に設置されている各種配管
壁面など塩化ビニル系単量体が接触する部分(以
下、これらを総称して「重合器内壁等」という)
に重合体スケールが付着し、このために重合体収
率が低下し、重合器の冷却能力が低下するほか、
剥離スケールが製品中に混入することにより、製
品の物性(例えばフイツシユアイ)が低下すると
共に、付着スケール除去のために過大な労力と時
間とを要し、重合器の稼動率が低下する。さら
に、重合器内に入つて、付着スケールを除去しよ
うとすれば塩化ビニル単量体に暴露され、労働衛
生上好ましくない。従つて、これらの諸問題を解
決することは塩化ビニル系重合体を製造する者に
とつて、長年の懸案事項であつた。 従来より、重合器内壁等に重合体スケールが付
着するのを防止する方法として重合器内壁等にア
ミン化合物、キノン化合物、アルデヒド化合物等
の極性化合物(特公昭45−30343号)、染料(特公
昭45−30835号)及びフリーラジカル禁止剤(特
開昭48−44375号)などを塗布する方法が知られ
ている。しかしながら、これらの方法はスケール
付着の防止効果が十分でなく、かつ、その防止効
果の持続性が低いという欠点がある。また、塗膜
形成樹脂と重合抑制剤との混合物を塗布する方法
(特開昭52−98081号)では、該塗膜形成樹脂が水
に不溶であるため、有機溶剤に溶解させて使用す
る必要があり、有機溶剤による毒性および安全性
において問題がある。 本発明者等は従来法のかかる問題を解決すべく
鋭意検討を重ねた結果、親水性アニオン染料及び
親水性カチオン染料をメチロールメラミン及びメ
チロールメラミンと反応して架橋重合体物質を形
成しうる親水性重合体物質を固着剤として塗布処
理することにより、スケール付着防止に極めて顕
著な効果を発揮し、かつその防止効果を長時間に
わたり持続させ得ることを見出し、本発明を完成
した。 即ち、本発明は塩化ビニル系単量体の重合反応
を工業的有利に実施することを目的とし、かかる
目的は、塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量
体を主体としこれと共重合可能な単量体との混合
物を水性媒体中で重合するにあたり、あらかじめ
重合器内壁及び/又は重合器付帯機器の表面に、
親水性アニオン染料、親水性カチオン染料、メチ
ロールメラミン及びメチロールメラミンと反応し
て架橋重合体物質を形成しうる親水性重合体物質
の4成分を、それぞれの溶媒溶液にして又はそれ
ぞれを組合せた溶媒溶液にして塗布処理すること
により、容易に達成される。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明は親水性アニオン染料、親水性カチオン
染料、メチロールメラミン及びメチロールメラミ
ンと反応して架橋重合体物質を形成しうる親水性
重合体物質を必須成分として重合器内壁等に塗布
処理する方法である。該方法において、親水性ア
ニオン染料及び親水性カチオン染料の固着剤とし
て用いるメチロールメラミン及びメチロールメラ
ミンと反応して架橋重合体物質を形成しうる親水
性重合体物質の2成分のみを重合器内壁等に塗布
処理して塩化ビニル系単量体の重合反応を行なう
場合には、十分なスケール付着防止効果は得られ
ない。また、親水性アニオン染料及び親水性カチ
オン染料を重合器内壁等に塗布して塩化ビニル系
単量体の重合反応を行なう場合には、比較的良好
なスケール付着防止効果が得られるが、短時間で
スケール付着防止効果が消失してしまう。しかし
ながら、上記したようにスケール防止効果の持続
性の低い親水性アニオン染料及び親水性カチオン
染料を本発明方法に従つて、メチロールメラミン
及び親水性重合体物質と組合わせて使用すること
により優れたスケール付着防止効果が得られ、か
つその防止効果を長時間にわたり持続させ得ると
いう予期し得ない効果が得られる。 本発明方法で使用する親水性アニオン染料とし
ては、水に可溶なもの(塗布液として使用するの
に十分な程度の水溶解性を有するもの)であれば
よく、通常水に対して0.05重量%以上、好ましく
は0.1重量%以上溶解するものが使用される。こ
れらの親水性アニオン染料として例えば、C.I.ア
シツドオレンジ7、C.I.アシツドブラツク1、C.
I.アシツドブルー158、C.I.アツシドグリーン12、
C.I.ダイレクトレツド2、C.I.ダイレクトブラウ
ン1、C.I.ダイレクトイエロー12等の親水性アゾ
染料、C.I.アシツドブラツク2、C.I.アシツドブ
ルー59等の親水性アジン染料、C.I.アシツドブル
ー40等の親水性アントラキノン染料、C.I.アシツ
ドレツド87、C.I.アシツドレツド52等の親水性キ
サンテン染料、C.I.アシツドイエロー3等の親水
性キノリン染料、C.I.アシツドイエロー7等の親
水性ナフタルイミド染料、C.I.アシツドイエロー
1等の親水性ニトロ染料等が挙げられる。これら
は単独でも二種以上の混合物であつてもよい。 また、親水性アニオン染料と併用して用いる親
水性カチオン染料としては、水に可溶なもの(塗
布液として使用するのに十分な程度の水溶解性を
有するもの)であればよく、通常水に対して0.05
重量%以上、好ましくは0.1重量%以上溶解する
ものが使用される。これらの親水性カチオン染料
としては、例えば、C.I.ベイシツクレツド2、C.
I.ベイシツクブラツク2等の親水性アジン染料、
C.I.ベイシツクブルー1、C.I.ベイシツクバイオ
レツト3、C.I.ベイシツクブルー5、C.I.ベイシ
ツクブルー7等の親水性トリフエニルメタン染
料、C.I.ベイシツクブルー9等の親水性チアジン
染料、C.I.ベイシツクイエロー1等の親水性チア
ゾール染料、C.I.ベイシツクイエロー11等の親水
性メチン染料を挙げることができる。これらは単
独でも二種以上の混合物であつてもよい。 さらに、メチロールメラミンとしては、モノメ
チロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリ
メチロールメラミン、テトラメチロールメラミ
ン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロー
ルメラミン等が挙げられ、これらは単独あるいは
2種以上の混合物であつてよい。また該メチロー
ルメラミン中にメチロールメラミンの混合物を水
に可溶な範囲で含有していてもよい。さらに該メ
チロールメラミンがアルコール等でアルキル化さ
れたアルキル化メチロールメラミン、例えばメチ
ル化メチロールメラミン等も使用可能である。 また、親水性重合体物質としてはメチロールメ
ラミンと反応して架橋した重合体物質を形成する
親水性重合体物質が用いられ、メチロールメラミ
ンのメチロール基、イミノ基またはアルコキシ基
と反応し得る官能基、例えば水酸基、カルボキシ
ル基またはアミド基等を有し、且つ、親水性のも
のが用いられる。具体的には、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、部分けん化ポリ酢酸ビニル等
が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上の混
合物であつてよい。 本発明方法に従つて親水性アニオン染料及び親
水性カチオン染料をメチロールメラミン及び親水
性重合体物質を固着剤として重合器内壁等に塗布
処理するには、これらの成分の溶液(作業面から
みて水溶液として用いるのがよい。)を夫々単独
で又は組合わせて重合器内壁等の面に塗布しても
よいが、塗布作業をより能率的に実施するために
は親水性アニオン染料、親水性カチオン染料及び
親水性重合体物質を水に溶解しておき、塗布直前
にメチロールメラミンを添加し、4成分混合の水
溶液として塗布するのが好ましい。また、上記塗
布液を重合器内壁等の面に塗布するに際しては、
該塗布液の液性を酸性にして用いるのが好まし
い。このため、塗布液を単独で用いる場合には、
親水性アニオン染料及び親水性カチオン染料を含
有する水溶液をPH調整剤を用いてPH値7以下、好
ましくはPH値6以下として用いるのがよく、また
上記4成分を混合して用いる場合には、上記4成
分を含有する水溶液をPH調整剤を用いてPH値7以
下、好ましくはPH値6以下として用いるのがよ
い。 上記したPH調整剤としては硫酸、硝酸、リン酸
等の無機酸、酢酸、乳酸、グリコール酸等の親水
性有機酸及びそれらの酸性塩が用いられる。 さらに上記のようにして調整された塗布液に炭
素原子数4〜6の一価アルコールを1〜20重量%
含有させて用いると塗布液の重合器内壁等への塗
布作業性が改善され、さらにスケールの付着防止
効果もさらに向上するので好ましい。 上記した一価アルコールとしてはn−ブチルア
ルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、t−ブチルアルコール、n−アミル
アルコール、iso−アミルアルコール、sec−アミ
ルアルコール、t−アミルアルコール、n−ヘキ
シルアルコール、sec−ヘキシルアルコールなど
が挙げられる。これらは単独でも二種以上の混合
物であつてもよい。 上記4成分の混合比は特に限定されるものでは
ないが、良好な塗布性能を得るには親水性アニオ
ン染料及び親水性カチオン染料/メチロールメラ
ミン/親水性重合体物質の比が重量割合で100/
10〜1000/10〜1000の範囲内にあるのが好まし
い。また、親水性アニオン染料と親水性カチオン
染料との比は重量比で100/10〜100の範囲内であ
るのが好ましい。さらに粘度等による塗布作業性
の面から上記4成分を0.1〜30重量%含有する水
溶液とすることが好ましい。この水溶液はスプレ
ー等、通常用いられる塗布手段で重合器内壁等に
塗布すればよい。塗布膜においてはメチロールメ
ラミンと親水性重合体物質とが架橋反応を起こし
て水不溶性となり、親水性アニオン染料及び親水
性カチオン染料を重合器内壁等の面に強固に密着
させる。この架橋反応は常温で長時間放置するこ
とによつても遂行できるが、好ましくは50〜150
℃に加熱して反応を促進させるのがよい。 前記4成分の塗布量はその総量が塗布される
面、すなわち重合器内壁等の面に対し、通常0.01
g/m2以上、好ましくは0.01〜10g/m2の範囲で
ある。該塗布量が0.01g/m2以下ではスケールの
発生を十分抑制することはできない。また10g/
m2以上では防止効果の増加が期待できず、逆に塗
布物質の壁面に対する接着力が弱くなる傾向があ
る。 本発明方法におけるビニル系単量体の重合に
は、通常知られている重合処方が全て採用され、
使用される分散剤、乳化剤、重合開始剤などは特
殊のものである必要はなく、汎用されている分散
剤、乳化剤、重合開始剤を用いることができる。
例えば分散剤、乳化剤としては、ポリ酢酸ビニル
の部分ケン化物、アクリル酸共重合体、無水マレ
イン酸共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、
デン粉などのような保護コロイド性の薬剤、又は
天然高分子化合物、高級脂肪酸と多価アルコール
とのエステル類、ポリオキシエチレン誘導体など
のノニオン界面活性剤、高級脂肪酸の金属塩、高
級アルコール硫酸エステルのアルカリ塩などのア
ニオン界面活性剤などが用いられる。 重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、ジオクチルペルオ
キシカルボナート、アセチルシクロヘキシルスル
ホニルペルオキシドなどの有機過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジメチルバレロニトリル
などのアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムなどの過硫酸塩等が使用される。 本発明方法で使用される塩化ビニル系単量体
は、塩化ビニル単量体それ自体のほか、塩化ビニ
ル単量体を主体とする、塩化ビニル単量体及びこ
れと共重合可能な単量体の混合物であつてもよ
い。この共重合可能な単量体としては、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフイン類、酢酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニルなどのビニスエステル
類、エチルビニルエーテル、セチルビニルエーテ
ルなどのビニルエーテル類、アクリル酸エステ
ル、マレイン酸或いはフマル酸のエステル類及び
無水物などの不飽和カルボン酸誘導体、スチレン
などの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルな
どの不飽和ニトリル化合物のような従来知られて
いる塩化ビニルと共重合可能な単量体は何れも使
用できる。 本発明方法によれば重合反応において、重合器
内壁等へのスケールの付着が皆無か又は取るに足
らぬ微量であるため、最終加工製品にフイツシユ
アイ等が生ずることは激減して製品の品質は向上
し、更に重合器内壁等の清掃回数が著しく少なく
なるので長時間にわたり清掃することなく引続き
運転を続けることができ、生産性も向上し、コス
トの面からも極めて有利な結果が得られる。また
冷却等、操作管理の面も容易となるばかりでな
く、新たな冷却手段として還流冷却器の使用も可
能となる。その他本発明方法で使用する塗布物質
は水溶性であり、水に溶解して使用されるので、
有機溶剤を使用する場合の溶剤の回収や、塗布膜
乾燥時の作業環境の悪化等の弊害もない、さら
に、本発明方法は従来スケール付着の生成が特に
著しい低沸点の重合開始剤、例えばt−ブチルペ
ルオキシピバラートまたはジイソプロピルペルオ
キシジカルボナート等が用いた場合、或は品質改
良のために特殊な助剤、例えばソルビタンエステ
ル等を添加した場合においても安定したスケール
付着の防止効果が発揮される。 以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例によつて限定されるものではない。 実施例 1 ポリエチレンイミンの2重量%水溶液にメチロ
ールメラミン(住友化学社製、商品名スミマール
M−50W)、C.I.アシツドブラツク2、C.I.ベイ
シツクブルー9、水及びリン酸をそれぞれ特定量
添加混合し、ポリエチレンイミンを1重量%、メ
チロールメラミンを5重量%、C.I.アシツドブラ
ツク2を0.15重量%、及びC.I.ベイシツクブルー
9を0.05重量%含有する液PH2.5の水溶液の塗布
液を調製した。この塗布液を内容積400のステ
ンレス製重合器の内壁、撹拌翼の表面にアイロン
用スプレーを用いて塗布面積1m2当り塗布液量
100gとなるように吹き付け、80℃で30分間加熱
乾燥し、内壁面上に被膜を形成させた。この重合
器を用い、脱イオン水150Kg、ポリ酢酸ビニル部
分ケン化物60g、塩化ビニルモノマー100Kg及び
t−ブチルペルオキシピバラート25gを仕込み、
約58℃で所定の重合率に達するまで重合を行なつ
た。生成した塩化ビニル重合体スラリーを抜き出
した後、器内を水洗し、乾燥後、スケール付着量
を測定した。結果を第一表に示す。更に上記と同
様の重合を30バツチ連続して行なつた場合のスケ
ール付着量の測定結果を第一表に示す。 実施例 2 ポリエチレンイミンのかわりにポリビニルアル
コールを使用したこと以外は実施例1と同様に行
なつた。結果を第一表に示す。 実施例 3 ポリエチレンイミンのかわりに部分ケン化ポリ
酢酸ビニルを使用したこと以外は実施例1と同様
に行なつた。結果円第一表に示す。 実施例 4 ポリエチレンイミンのかわりにポリアクリルア
ミドを使用したこと以外は実施例1と同様に行な
つた。結果を第一表に示す。 実施例 5 塗布液としてポリエチレンイミンを1重量%、
メチロールメラミンを5重量%、C.I.アシツドブ
ルー59を0.05重量%、C.I.ベイシツクイエロー11
を0.05重量%及びn−ブチルアルコールを5重量
%含有する液PH2.5の水溶液を用いたこと以外は
実施例1と同様に行なつた。結果を第一表に示
す。 実施例 6 ポリエチレンイミンのかわりにポリアクリル酸
を使用したこと以外は実施例5と同様に行なつ
た。結果を第一表に示す。 実施例 7 塗布液として部分ケン化ポリ酢酸ビニルを1重
量%、メチロールメラミンを5重量%、C.I.アシ
ツドブルー59を0.08重量%、C.I.ベイシツクブル
ー9を0.02重量%およびn−ブチルアルコールを
5重量%含有する液PH2.5の水溶液を使用したこ
と以外は実施例1と同様に行なつた。結果を第一
表に示す。 実施例 8 部分ケン化ポリ酢酸ビニルのかわりにポリビニ
ルアルコールを使用したこと以外は実施例7と同
様に行なつた。結果を第一表に示す。 実施例 9 塗布液としてポリアクリルアミドを0.2重量%、
メチロールメラミンを1重量%、C.I.ダイレクト
グリーン26を0.03重量%、C.I.ベイシツクブルー
9を0.02重量%およびn−ブチルアルコールを5
重量%含有する液PH2.5の水溶液を使用したこと
以外は実施例1と同様に行なつた。結果を第一表
に示す。 実施例 10 ポリアクリルアミドのかわりにポリエチレンイ
ミンを使用したこと以外は実施例9と同様に行な
つた。結果を第一表に示す。 実施例 11 塗布液としてポリビニルアルコールを0.5重量
%、メチロールメラミンを5重量%、C.I.ダイレ
クトブラウンを0.1重量%及びC.I.ベイシツクレツ
ド2を0.1重量%含有する液PH2.5の水溶液を用い
たこと以外は実施例1と同様に行なつた。結果を
第一表に示す。 実施例 12 ポリビニルアルコールのかわりに部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルを使用したこと以外は実施例11と同
様に行なつた。結果を第一表に示す。 実施例 13 塗布液としてポリビニルアルコールを0.5重量
%、メチロールメラミンを2重量%、C.I.アシツ
ドブラツク2を0.08重量%及びC.I.ベイシツクイ
エロー11を0.02重量%含有する液PH2.5の水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。
結果を第一表に示す。 実施例 14 ポリビニルアルコールのかわりにポリエチレン
イミンを使用したこと以外は実施例13と同様に行
なつた。結果を第一表に示す。 実施例 15 ポリビニルアルコールのかわりに部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルを用いたこと以外は実施例13と同様
に行なつた。結果を第一表に示す。 実施例 16 ポリビニルアルコールのかわりにポリアクリル
アミドを用いたこと以外は実施例13と同様に行な
つた。結果を第一表に示す。 比較例 1 塗布液を重合器の内壁、撹拌翼の表面に全く塗
布しなかつたこと以外は実施例1と同様に行なつ
た。。結果を第二表に示す。 比較例 2 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
ポリビニルアルコール1重量%を含有する水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。
結果を第二表に示す。 比較例 3 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
部分ケン化ポリ酢酸ビニル1重量%を含有する水
溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に行なつ
た。結果を第二表に示す。 比較例 4 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
ポリアクリルアミド1重量%を含有する水溶液を
用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。結
果を第二表に示す。 比較例 5 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
ポリエチレンイミン1重量%を含有する水溶液を
用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。結
果を第二表に示す。 比較例 6 塗布液としてC.I.アシツドブラツク2を0.2重量
%含有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫
酸を用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同
様に行なつた。結果を第二表に示す。 比較例 7 塗布液としてポリエチレンイミンを1重量%、
メチロールメラミンを5重量%及びC.I.アシツド
ブラツク2を0.15重量%含有する液PH2.0の水溶
液(PH調整剤として硫酸を用いた。)を用いたこ
と以外は実施例1と同様に行なつた。結果を第二
表に示す。 比較例 8 塗布液としてC.I.ベイシツクブルー9を0.2重量
%含有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫
酸を用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同
様に行なつた。結果を第二表に示す。 比較例 9 塗布液としてポリビニルアルコールを1重量
%、メチロールメラミンを5重量%およびC.I.ベ
イシツクブルー9を0.15重量%含有する液PH2.0
の水溶液(PH調整剤として硫酸を用いた。)を用
いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。結果
を第二表に示す。 比較例 10 塗布液としてC.I.アシツドブルー59を0.05重量
%及びC.I.ベイシツクイエロー11を0.05重量%含
有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫酸を
用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同様に
行なつた。結果を第二表に示す。 比較例 11 塗布液としてC.I.アツシドブラツク2を0.15重
量%及びC.I.ベイシツクブルー9を0.05重量%含
有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫酸を
用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同様に
行なつた。結果を第二表に示す。
方法に関するものである。さらに詳しくは塩化ビ
ニル単量体又は塩化ビニル単量体を主体とし、こ
れと共重合可能な単量体との混合物(以下、これ
らを総称して、「塩化ビニル系単量体」といい、
この単量体を重合して得られる重合体を「塩化ビ
ニル系重合体」という。)を重合するにあたり、
重合器内壁面及び/又は重合器付帯機器の表面に
生ずる重合体スケールの付着を防止する方法に関
するものである。 塩化ビニル系単量体の重合は通常、重合開始剤
の存在下に乳化剤または分散剤を含む水性媒体中
で塩化ビニル系単量体を乳化または懸濁させて実
施される。この重合過程において、重合器内壁、
重合器の付帯機器である撹拌翼、バツフル、還流
冷却器壁面及び重合器に設置されている各種配管
壁面など塩化ビニル系単量体が接触する部分(以
下、これらを総称して「重合器内壁等」という)
に重合体スケールが付着し、このために重合体収
率が低下し、重合器の冷却能力が低下するほか、
剥離スケールが製品中に混入することにより、製
品の物性(例えばフイツシユアイ)が低下すると
共に、付着スケール除去のために過大な労力と時
間とを要し、重合器の稼動率が低下する。さら
に、重合器内に入つて、付着スケールを除去しよ
うとすれば塩化ビニル単量体に暴露され、労働衛
生上好ましくない。従つて、これらの諸問題を解
決することは塩化ビニル系重合体を製造する者に
とつて、長年の懸案事項であつた。 従来より、重合器内壁等に重合体スケールが付
着するのを防止する方法として重合器内壁等にア
ミン化合物、キノン化合物、アルデヒド化合物等
の極性化合物(特公昭45−30343号)、染料(特公
昭45−30835号)及びフリーラジカル禁止剤(特
開昭48−44375号)などを塗布する方法が知られ
ている。しかしながら、これらの方法はスケール
付着の防止効果が十分でなく、かつ、その防止効
果の持続性が低いという欠点がある。また、塗膜
形成樹脂と重合抑制剤との混合物を塗布する方法
(特開昭52−98081号)では、該塗膜形成樹脂が水
に不溶であるため、有機溶剤に溶解させて使用す
る必要があり、有機溶剤による毒性および安全性
において問題がある。 本発明者等は従来法のかかる問題を解決すべく
鋭意検討を重ねた結果、親水性アニオン染料及び
親水性カチオン染料をメチロールメラミン及びメ
チロールメラミンと反応して架橋重合体物質を形
成しうる親水性重合体物質を固着剤として塗布処
理することにより、スケール付着防止に極めて顕
著な効果を発揮し、かつその防止効果を長時間に
わたり持続させ得ることを見出し、本発明を完成
した。 即ち、本発明は塩化ビニル系単量体の重合反応
を工業的有利に実施することを目的とし、かかる
目的は、塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量
体を主体としこれと共重合可能な単量体との混合
物を水性媒体中で重合するにあたり、あらかじめ
重合器内壁及び/又は重合器付帯機器の表面に、
親水性アニオン染料、親水性カチオン染料、メチ
ロールメラミン及びメチロールメラミンと反応し
て架橋重合体物質を形成しうる親水性重合体物質
の4成分を、それぞれの溶媒溶液にして又はそれ
ぞれを組合せた溶媒溶液にして塗布処理すること
により、容易に達成される。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明は親水性アニオン染料、親水性カチオン
染料、メチロールメラミン及びメチロールメラミ
ンと反応して架橋重合体物質を形成しうる親水性
重合体物質を必須成分として重合器内壁等に塗布
処理する方法である。該方法において、親水性ア
ニオン染料及び親水性カチオン染料の固着剤とし
て用いるメチロールメラミン及びメチロールメラ
ミンと反応して架橋重合体物質を形成しうる親水
性重合体物質の2成分のみを重合器内壁等に塗布
処理して塩化ビニル系単量体の重合反応を行なう
場合には、十分なスケール付着防止効果は得られ
ない。また、親水性アニオン染料及び親水性カチ
オン染料を重合器内壁等に塗布して塩化ビニル系
単量体の重合反応を行なう場合には、比較的良好
なスケール付着防止効果が得られるが、短時間で
スケール付着防止効果が消失してしまう。しかし
ながら、上記したようにスケール防止効果の持続
性の低い親水性アニオン染料及び親水性カチオン
染料を本発明方法に従つて、メチロールメラミン
及び親水性重合体物質と組合わせて使用すること
により優れたスケール付着防止効果が得られ、か
つその防止効果を長時間にわたり持続させ得ると
いう予期し得ない効果が得られる。 本発明方法で使用する親水性アニオン染料とし
ては、水に可溶なもの(塗布液として使用するの
に十分な程度の水溶解性を有するもの)であれば
よく、通常水に対して0.05重量%以上、好ましく
は0.1重量%以上溶解するものが使用される。こ
れらの親水性アニオン染料として例えば、C.I.ア
シツドオレンジ7、C.I.アシツドブラツク1、C.
I.アシツドブルー158、C.I.アツシドグリーン12、
C.I.ダイレクトレツド2、C.I.ダイレクトブラウ
ン1、C.I.ダイレクトイエロー12等の親水性アゾ
染料、C.I.アシツドブラツク2、C.I.アシツドブ
ルー59等の親水性アジン染料、C.I.アシツドブル
ー40等の親水性アントラキノン染料、C.I.アシツ
ドレツド87、C.I.アシツドレツド52等の親水性キ
サンテン染料、C.I.アシツドイエロー3等の親水
性キノリン染料、C.I.アシツドイエロー7等の親
水性ナフタルイミド染料、C.I.アシツドイエロー
1等の親水性ニトロ染料等が挙げられる。これら
は単独でも二種以上の混合物であつてもよい。 また、親水性アニオン染料と併用して用いる親
水性カチオン染料としては、水に可溶なもの(塗
布液として使用するのに十分な程度の水溶解性を
有するもの)であればよく、通常水に対して0.05
重量%以上、好ましくは0.1重量%以上溶解する
ものが使用される。これらの親水性カチオン染料
としては、例えば、C.I.ベイシツクレツド2、C.
I.ベイシツクブラツク2等の親水性アジン染料、
C.I.ベイシツクブルー1、C.I.ベイシツクバイオ
レツト3、C.I.ベイシツクブルー5、C.I.ベイシ
ツクブルー7等の親水性トリフエニルメタン染
料、C.I.ベイシツクブルー9等の親水性チアジン
染料、C.I.ベイシツクイエロー1等の親水性チア
ゾール染料、C.I.ベイシツクイエロー11等の親水
性メチン染料を挙げることができる。これらは単
独でも二種以上の混合物であつてもよい。 さらに、メチロールメラミンとしては、モノメ
チロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリ
メチロールメラミン、テトラメチロールメラミ
ン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロー
ルメラミン等が挙げられ、これらは単独あるいは
2種以上の混合物であつてよい。また該メチロー
ルメラミン中にメチロールメラミンの混合物を水
に可溶な範囲で含有していてもよい。さらに該メ
チロールメラミンがアルコール等でアルキル化さ
れたアルキル化メチロールメラミン、例えばメチ
ル化メチロールメラミン等も使用可能である。 また、親水性重合体物質としてはメチロールメ
ラミンと反応して架橋した重合体物質を形成する
親水性重合体物質が用いられ、メチロールメラミ
ンのメチロール基、イミノ基またはアルコキシ基
と反応し得る官能基、例えば水酸基、カルボキシ
ル基またはアミド基等を有し、且つ、親水性のも
のが用いられる。具体的には、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、部分けん化ポリ酢酸ビニル等
が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上の混
合物であつてよい。 本発明方法に従つて親水性アニオン染料及び親
水性カチオン染料をメチロールメラミン及び親水
性重合体物質を固着剤として重合器内壁等に塗布
処理するには、これらの成分の溶液(作業面から
みて水溶液として用いるのがよい。)を夫々単独
で又は組合わせて重合器内壁等の面に塗布しても
よいが、塗布作業をより能率的に実施するために
は親水性アニオン染料、親水性カチオン染料及び
親水性重合体物質を水に溶解しておき、塗布直前
にメチロールメラミンを添加し、4成分混合の水
溶液として塗布するのが好ましい。また、上記塗
布液を重合器内壁等の面に塗布するに際しては、
該塗布液の液性を酸性にして用いるのが好まし
い。このため、塗布液を単独で用いる場合には、
親水性アニオン染料及び親水性カチオン染料を含
有する水溶液をPH調整剤を用いてPH値7以下、好
ましくはPH値6以下として用いるのがよく、また
上記4成分を混合して用いる場合には、上記4成
分を含有する水溶液をPH調整剤を用いてPH値7以
下、好ましくはPH値6以下として用いるのがよ
い。 上記したPH調整剤としては硫酸、硝酸、リン酸
等の無機酸、酢酸、乳酸、グリコール酸等の親水
性有機酸及びそれらの酸性塩が用いられる。 さらに上記のようにして調整された塗布液に炭
素原子数4〜6の一価アルコールを1〜20重量%
含有させて用いると塗布液の重合器内壁等への塗
布作業性が改善され、さらにスケールの付着防止
効果もさらに向上するので好ましい。 上記した一価アルコールとしてはn−ブチルア
ルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、t−ブチルアルコール、n−アミル
アルコール、iso−アミルアルコール、sec−アミ
ルアルコール、t−アミルアルコール、n−ヘキ
シルアルコール、sec−ヘキシルアルコールなど
が挙げられる。これらは単独でも二種以上の混合
物であつてもよい。 上記4成分の混合比は特に限定されるものでは
ないが、良好な塗布性能を得るには親水性アニオ
ン染料及び親水性カチオン染料/メチロールメラ
ミン/親水性重合体物質の比が重量割合で100/
10〜1000/10〜1000の範囲内にあるのが好まし
い。また、親水性アニオン染料と親水性カチオン
染料との比は重量比で100/10〜100の範囲内であ
るのが好ましい。さらに粘度等による塗布作業性
の面から上記4成分を0.1〜30重量%含有する水
溶液とすることが好ましい。この水溶液はスプレ
ー等、通常用いられる塗布手段で重合器内壁等に
塗布すればよい。塗布膜においてはメチロールメ
ラミンと親水性重合体物質とが架橋反応を起こし
て水不溶性となり、親水性アニオン染料及び親水
性カチオン染料を重合器内壁等の面に強固に密着
させる。この架橋反応は常温で長時間放置するこ
とによつても遂行できるが、好ましくは50〜150
℃に加熱して反応を促進させるのがよい。 前記4成分の塗布量はその総量が塗布される
面、すなわち重合器内壁等の面に対し、通常0.01
g/m2以上、好ましくは0.01〜10g/m2の範囲で
ある。該塗布量が0.01g/m2以下ではスケールの
発生を十分抑制することはできない。また10g/
m2以上では防止効果の増加が期待できず、逆に塗
布物質の壁面に対する接着力が弱くなる傾向があ
る。 本発明方法におけるビニル系単量体の重合に
は、通常知られている重合処方が全て採用され、
使用される分散剤、乳化剤、重合開始剤などは特
殊のものである必要はなく、汎用されている分散
剤、乳化剤、重合開始剤を用いることができる。
例えば分散剤、乳化剤としては、ポリ酢酸ビニル
の部分ケン化物、アクリル酸共重合体、無水マレ
イン酸共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、
デン粉などのような保護コロイド性の薬剤、又は
天然高分子化合物、高級脂肪酸と多価アルコール
とのエステル類、ポリオキシエチレン誘導体など
のノニオン界面活性剤、高級脂肪酸の金属塩、高
級アルコール硫酸エステルのアルカリ塩などのア
ニオン界面活性剤などが用いられる。 重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、ジオクチルペルオ
キシカルボナート、アセチルシクロヘキシルスル
ホニルペルオキシドなどの有機過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジメチルバレロニトリル
などのアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムなどの過硫酸塩等が使用される。 本発明方法で使用される塩化ビニル系単量体
は、塩化ビニル単量体それ自体のほか、塩化ビニ
ル単量体を主体とする、塩化ビニル単量体及びこ
れと共重合可能な単量体の混合物であつてもよ
い。この共重合可能な単量体としては、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフイン類、酢酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニルなどのビニスエステル
類、エチルビニルエーテル、セチルビニルエーテ
ルなどのビニルエーテル類、アクリル酸エステ
ル、マレイン酸或いはフマル酸のエステル類及び
無水物などの不飽和カルボン酸誘導体、スチレン
などの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルな
どの不飽和ニトリル化合物のような従来知られて
いる塩化ビニルと共重合可能な単量体は何れも使
用できる。 本発明方法によれば重合反応において、重合器
内壁等へのスケールの付着が皆無か又は取るに足
らぬ微量であるため、最終加工製品にフイツシユ
アイ等が生ずることは激減して製品の品質は向上
し、更に重合器内壁等の清掃回数が著しく少なく
なるので長時間にわたり清掃することなく引続き
運転を続けることができ、生産性も向上し、コス
トの面からも極めて有利な結果が得られる。また
冷却等、操作管理の面も容易となるばかりでな
く、新たな冷却手段として還流冷却器の使用も可
能となる。その他本発明方法で使用する塗布物質
は水溶性であり、水に溶解して使用されるので、
有機溶剤を使用する場合の溶剤の回収や、塗布膜
乾燥時の作業環境の悪化等の弊害もない、さら
に、本発明方法は従来スケール付着の生成が特に
著しい低沸点の重合開始剤、例えばt−ブチルペ
ルオキシピバラートまたはジイソプロピルペルオ
キシジカルボナート等が用いた場合、或は品質改
良のために特殊な助剤、例えばソルビタンエステ
ル等を添加した場合においても安定したスケール
付着の防止効果が発揮される。 以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例によつて限定されるものではない。 実施例 1 ポリエチレンイミンの2重量%水溶液にメチロ
ールメラミン(住友化学社製、商品名スミマール
M−50W)、C.I.アシツドブラツク2、C.I.ベイ
シツクブルー9、水及びリン酸をそれぞれ特定量
添加混合し、ポリエチレンイミンを1重量%、メ
チロールメラミンを5重量%、C.I.アシツドブラ
ツク2を0.15重量%、及びC.I.ベイシツクブルー
9を0.05重量%含有する液PH2.5の水溶液の塗布
液を調製した。この塗布液を内容積400のステ
ンレス製重合器の内壁、撹拌翼の表面にアイロン
用スプレーを用いて塗布面積1m2当り塗布液量
100gとなるように吹き付け、80℃で30分間加熱
乾燥し、内壁面上に被膜を形成させた。この重合
器を用い、脱イオン水150Kg、ポリ酢酸ビニル部
分ケン化物60g、塩化ビニルモノマー100Kg及び
t−ブチルペルオキシピバラート25gを仕込み、
約58℃で所定の重合率に達するまで重合を行なつ
た。生成した塩化ビニル重合体スラリーを抜き出
した後、器内を水洗し、乾燥後、スケール付着量
を測定した。結果を第一表に示す。更に上記と同
様の重合を30バツチ連続して行なつた場合のスケ
ール付着量の測定結果を第一表に示す。 実施例 2 ポリエチレンイミンのかわりにポリビニルアル
コールを使用したこと以外は実施例1と同様に行
なつた。結果を第一表に示す。 実施例 3 ポリエチレンイミンのかわりに部分ケン化ポリ
酢酸ビニルを使用したこと以外は実施例1と同様
に行なつた。結果円第一表に示す。 実施例 4 ポリエチレンイミンのかわりにポリアクリルア
ミドを使用したこと以外は実施例1と同様に行な
つた。結果を第一表に示す。 実施例 5 塗布液としてポリエチレンイミンを1重量%、
メチロールメラミンを5重量%、C.I.アシツドブ
ルー59を0.05重量%、C.I.ベイシツクイエロー11
を0.05重量%及びn−ブチルアルコールを5重量
%含有する液PH2.5の水溶液を用いたこと以外は
実施例1と同様に行なつた。結果を第一表に示
す。 実施例 6 ポリエチレンイミンのかわりにポリアクリル酸
を使用したこと以外は実施例5と同様に行なつ
た。結果を第一表に示す。 実施例 7 塗布液として部分ケン化ポリ酢酸ビニルを1重
量%、メチロールメラミンを5重量%、C.I.アシ
ツドブルー59を0.08重量%、C.I.ベイシツクブル
ー9を0.02重量%およびn−ブチルアルコールを
5重量%含有する液PH2.5の水溶液を使用したこ
と以外は実施例1と同様に行なつた。結果を第一
表に示す。 実施例 8 部分ケン化ポリ酢酸ビニルのかわりにポリビニ
ルアルコールを使用したこと以外は実施例7と同
様に行なつた。結果を第一表に示す。 実施例 9 塗布液としてポリアクリルアミドを0.2重量%、
メチロールメラミンを1重量%、C.I.ダイレクト
グリーン26を0.03重量%、C.I.ベイシツクブルー
9を0.02重量%およびn−ブチルアルコールを5
重量%含有する液PH2.5の水溶液を使用したこと
以外は実施例1と同様に行なつた。結果を第一表
に示す。 実施例 10 ポリアクリルアミドのかわりにポリエチレンイ
ミンを使用したこと以外は実施例9と同様に行な
つた。結果を第一表に示す。 実施例 11 塗布液としてポリビニルアルコールを0.5重量
%、メチロールメラミンを5重量%、C.I.ダイレ
クトブラウンを0.1重量%及びC.I.ベイシツクレツ
ド2を0.1重量%含有する液PH2.5の水溶液を用い
たこと以外は実施例1と同様に行なつた。結果を
第一表に示す。 実施例 12 ポリビニルアルコールのかわりに部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルを使用したこと以外は実施例11と同
様に行なつた。結果を第一表に示す。 実施例 13 塗布液としてポリビニルアルコールを0.5重量
%、メチロールメラミンを2重量%、C.I.アシツ
ドブラツク2を0.08重量%及びC.I.ベイシツクイ
エロー11を0.02重量%含有する液PH2.5の水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。
結果を第一表に示す。 実施例 14 ポリビニルアルコールのかわりにポリエチレン
イミンを使用したこと以外は実施例13と同様に行
なつた。結果を第一表に示す。 実施例 15 ポリビニルアルコールのかわりに部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルを用いたこと以外は実施例13と同様
に行なつた。結果を第一表に示す。 実施例 16 ポリビニルアルコールのかわりにポリアクリル
アミドを用いたこと以外は実施例13と同様に行な
つた。結果を第一表に示す。 比較例 1 塗布液を重合器の内壁、撹拌翼の表面に全く塗
布しなかつたこと以外は実施例1と同様に行なつ
た。。結果を第二表に示す。 比較例 2 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
ポリビニルアルコール1重量%を含有する水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。
結果を第二表に示す。 比較例 3 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
部分ケン化ポリ酢酸ビニル1重量%を含有する水
溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に行なつ
た。結果を第二表に示す。 比較例 4 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
ポリアクリルアミド1重量%を含有する水溶液を
用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。結
果を第二表に示す。 比較例 5 塗布液としてメチロールメラミン5重量%及び
ポリエチレンイミン1重量%を含有する水溶液を
用いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。結
果を第二表に示す。 比較例 6 塗布液としてC.I.アシツドブラツク2を0.2重量
%含有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫
酸を用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同
様に行なつた。結果を第二表に示す。 比較例 7 塗布液としてポリエチレンイミンを1重量%、
メチロールメラミンを5重量%及びC.I.アシツド
ブラツク2を0.15重量%含有する液PH2.0の水溶
液(PH調整剤として硫酸を用いた。)を用いたこ
と以外は実施例1と同様に行なつた。結果を第二
表に示す。 比較例 8 塗布液としてC.I.ベイシツクブルー9を0.2重量
%含有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫
酸を用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同
様に行なつた。結果を第二表に示す。 比較例 9 塗布液としてポリビニルアルコールを1重量
%、メチロールメラミンを5重量%およびC.I.ベ
イシツクブルー9を0.15重量%含有する液PH2.0
の水溶液(PH調整剤として硫酸を用いた。)を用
いたこと以外は実施例1と同様に行なつた。結果
を第二表に示す。 比較例 10 塗布液としてC.I.アシツドブルー59を0.05重量
%及びC.I.ベイシツクイエロー11を0.05重量%含
有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫酸を
用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同様に
行なつた。結果を第二表に示す。 比較例 11 塗布液としてC.I.アツシドブラツク2を0.15重
量%及びC.I.ベイシツクブルー9を0.05重量%含
有する液PH2.0の水溶液(PH調整剤として硫酸を
用いた。)を用いたこと以外は実施例1と同様に
行なつた。結果を第二表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
参考例 1〜6
実施例3、実施例9、実施例13、比較例1、比
較例7及び比較例11において、特定のバツチの重
合反応で得られた塩化ビニル重合体について夫々
下記の方法で品質評価を行なつた。 得られた塩化ビニル重合体100部、ジオクチル
フタレート50部及び鉛系安定剤3部を十分混合し
て得られた混合物を155℃のロールで5分間混練
した。得られたロールシートについて25cm2中に認
められるフイツシユアイの数をカウントした。結
果を第三表に示す。
較例7及び比較例11において、特定のバツチの重
合反応で得られた塩化ビニル重合体について夫々
下記の方法で品質評価を行なつた。 得られた塩化ビニル重合体100部、ジオクチル
フタレート50部及び鉛系安定剤3部を十分混合し
て得られた混合物を155℃のロールで5分間混練
した。得られたロールシートについて25cm2中に認
められるフイツシユアイの数をカウントした。結
果を第三表に示す。
Claims (1)
- 1 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体を
主体としこれと共重合可能な単量体との混合物を
水性媒体中で重合するにあたり、あらかじめ重合
器内壁及び/又は重合器付帯機器の表面に、親水
性アニオン染料、親水性カチオン染料、メチロー
ルメラミン及びメチロールメラミンと架橋反応し
うる親水性重合体物質の4成分を、それぞれの溶
媒溶液にして又はそれぞれを組合せた溶媒溶液に
して塗布処理することを特徴とする塩化ビニル系
単量体の重合法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19221383A JPS6084308A (ja) | 1983-10-14 | 1983-10-14 | 塩化ビニル系単量体の重合法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19221383A JPS6084308A (ja) | 1983-10-14 | 1983-10-14 | 塩化ビニル系単量体の重合法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6084308A JPS6084308A (ja) | 1985-05-13 |
JPH0323082B2 true JPH0323082B2 (ja) | 1991-03-28 |
Family
ID=16287540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19221383A Granted JPS6084308A (ja) | 1983-10-14 | 1983-10-14 | 塩化ビニル系単量体の重合法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6084308A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA1289297C (en) * | 1987-12-08 | 1991-09-17 | Toshihide Shimizu | Method of preventing polymer-scale formation |
JPH0674284B2 (ja) * | 1988-08-10 | 1994-09-21 | 信越化学工業株式会社 | 重合体スケールの付着防止方法 |
-
1983
- 1983-10-14 JP JP19221383A patent/JPS6084308A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6084308A (ja) | 1985-05-13 |
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