[go: up one dir, main page]

JPH03156103A - 相対移動装置 - Google Patents

相対移動装置

Info

Publication number
JPH03156103A
JPH03156103A JP29307789A JP29307789A JPH03156103A JP H03156103 A JPH03156103 A JP H03156103A JP 29307789 A JP29307789 A JP 29307789A JP 29307789 A JP29307789 A JP 29307789A JP H03156103 A JPH03156103 A JP H03156103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
turbo
film layer
turbocharger
coating layer
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29307789A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritaka Miyamoto
典孝 宮本
Takashi Tomota
隆司 友田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29307789A priority Critical patent/JPH03156103A/ja
Priority to EP90309851A priority patent/EP0416954B1/en
Priority to DE69010122T priority patent/DE69010122T2/de
Priority to US07/578,650 priority patent/US5185217A/en
Publication of JPH03156103A publication Critical patent/JPH03156103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ターボチャージャやガスタービン等のように
高温下で近接して相対的に移動する可動部材と固定部材
とをもつ相対移動装置に関し、詳しくは、固定部材と可
動部材との間隙を運転中に0に近づけることができる相
対移動装置に関する。
[従来の技術] 従来の相対移動装置として、例えば第12図に示す自動
車用ターボチャージャを例にとり説明する。このターボ
チャージャは、可動部材としてターボロータ100とイ
ンペラー200とをもち、固定部材としてターボハウジ
ング101とコンプレッサハウジング201とをもつも
のである。かかるターボチャージャは、ターボロータ1
00がエンジン(図示せず)の排気エネルギによって回
転してシャフト300を回転させ、シャフト300の回
転によってインペラー200が回転してエンジンに空気
を過給する作用を行なうものである。
このようにターボロータ100とターボハウジング10
1及びインペラー200とコンプレッサハウジング20
1は、ターボチャージャの運転時にそれぞれ高温下で近
接して相対移動運動をする。
ところで、これらターボロータ100とターボハウジン
グ101との間隙C100やインペラー200とコンプ
レッサハウジング201との間隙C200をなるべく小
さくすれば、ターボチャージャの効率が上がることが知
られている。しかし、これらの間隙C100,C200
を小さくすると、シャフト300の製造時にあCブるわ
ずかな偏心等によって、運転時にターボロータ100が
ターボハウジング101と接触又は衝突したり、インペ
ラー200がコンプレッサハウジング201と接触又は
衝突したりするため、ターボロータ100やインペラー
200が破損する可能性があった。
このため、従来のターボチャージャにあっては、ターボ
ロータ100とターボハウジング101との間隙C10
0を約0.6〜0.8mm、インヘラ−200とコンプ
レッサハウジング201との間隙C200を約0.3〜
0.5mmとする必要があり、効率上不十分であった。
このように相対移!7I装置にあっては、可動部材と固
定部材との間隙をなるべく小さくして効率の改善ができ
、かつ可動部材の破損を防止できる技術の開発が望まれ
ていた。従来、かかる技術として、コンプレッサハウジ
ング側に軟質金属と樹脂又はグラフフィトとが混合され
た皮膜層を溶射によって形成する技術の開示がある。こ
の従来技術では、形成された皮膜層はシャフトの偏心等
でインペラーがコンプレッサハウジングと接触等するこ
とによって容易に削り取られるため、削り取られた後の
インペラーとコンプレッサハウジングとの間隙をOに近
づけることができる。なお、これによりインペラーが破
損されることはない。このような皮膜層の被削性を利用
して可動部材と固定部材との間隙をOに近づける他の技
術として、特開昭49−18085号公報及び米国特許
No。
4405284がある。これらは、Ni−グラファイト
やN i CrFeA l −BNを被覆する技術を開
示している。
また、米国特許No、4269903は、セラミックシ
ールに係る発明として、20〜33%の気孔率をもつポ
ーラスな安定化ジルコニア層を被覆する技術を開示して
いる。この技術も基本的に上記発明と同様であり、この
技術によっても相対移動装置における可動部材と固定部
材との間隙をポーラスな安定化ジルコニア層の被削性で
Oに近づけることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の技術によって相対移動装置を製造し
ても種々の欠点が存在する。
すなわち、米国特許No、4269903開示の技術は
、高温使用を考慮してサーマルショックに強いジルコニ
アを皮膜層として用い、かつ皮膜層の被削性を確保する
ためジルコニアをポーラスにしたものである。しかしな
がら、この技術におけるジルコニアのみで溶射した20
〜33%の気孔率をもつ皮膜層では、ジルコニアがHV
100O以上の高い硬度を有しているため、皮膜層の相
手材となる可動部材が皮膜層によって摩耗されやすいと
いう欠点がある。また、皮膜層の被削性をより向上させ
ようと33%以上、例えば40%の気孔率をもつジルコ
ニアを皮膜層とすれば、耐サーマルツショック性が低下
し、皮膜層の剥離や脱落を生じるという欠点がある。
また、特開昭49−18085号公報、米国特許No、
4405284の技術では、皮膜層が金属系であるため
、例えば航空機のジェットエンジン(ガスタービンエン
ジン)における最高的10OO℃という高温に長時間耐
えることは不可能であり、やがて酸化して腐蝕するため
補修しなければならないという欠点がある。
本発明は、上記従来の困難性に鑑みてなされたものであ
って、高温下で使用されても被削性が良好な皮膜層を−
備えた相対移動装置を提供することを目的とするもので
ある。
なお、特公昭50−690号公報は、皮膜層の被剛性を
利用した技術ではないが、ガスタービンエンジンに係る
発明として、タービンケーシングをタービンブレードよ
り軟質のセラミックス材で成形・焼結し、タービンブレ
ードの破損を防止する技術を開示している。しかし、こ
の技術では、セラミックス材の結合力が弱く、耐久性に
欠けるという欠点がある。
また、特開昭62−1’68926号公報は、ターボハ
ウジング又はコンプレッサハウジングの内面に複合部材
をコーティングしてターボハウジングとターボロータと
の間隙あるいはコンプレッサハウジングとインペラーと
の間隙を運転中に適切化する技術を開示している。しか
し、これは皮膜層の材質を開示するものではない。
[課題を解決するための手段] 本発明の相対移動装置は、高温下で近接して相対的に移
動する可動部材と固定部材とをもつ相対移動装置であっ
て、 前記固定部材の前記可動部材と近接する部分は、溶射に
より形成され、セリアを10体積%以上含み、かつ該可
動部材によって被削されて創成された創成面をもつ皮膜
層を具備することを特徴とするものである。
本発明における相対移動装置は、自動車用又は航空機用
ターボチャージャやガスタービン等であって、高温下で
近接して相対的に移動する可動部材と固定部材とをもつ
ものである。例えば、タボチャージャを相対移動装置と
すれば、インペラやターボロータが可動部材に該当し、
コンプレッサハウジングやターボハウジングが固定部材
に該当する。ガスタービンを相対移動装置とすれば、タ
ービンブレードが可動部材に該当し、タービンケーシン
グが固定部材に該当する。また、゛可動部材と固定部材
との相対移動は回転移動でも直線移動でもよい。
固定部材の可動部材と近接する部分は、皮膜層を具備し
ている。皮膜層は、被削助剤としてのセリア(Ce02
 )粉末を10体積%以上含むアブレーダブル材料で溶
射により形成する。
皮膜層中のセリアが10体積%未満では皮膜層の被削性
の向上が充分ではなく、セリアの体積剤゛合が高いはど
被削性が向上する。酸化物のうちセリアが相対移動装置
における間隙調整用アブレーブル材料として極めて適し
ているのは、第1表に主な酸化物粉末等のモース硬さと
熱膨脹係数とを示すように、セリアが他の酸化物と比較
して軟かく、800〜1000℃の高温で使用される部
品に溶射することを考慮すると、金属に近い熱膨脹係数
をもっためである。ただし、酸化物のうちcao、sa
o、5rot、tモース硬さは好マシイ値を示している
が、大気中の水分と反応して水酸化物を生成するため、
アブレーダブル材料中にこ第1表 れらを含むことは好ましくない。なお、セ・リア粉末の
粒径は10〜100μmが実用上好ましい。
アブレーダブル材料中にせリアとともに含むことができ
る粉末としては、アルミナ(Al2O2>、ジルコニア
(ZrO2)、イツトリア(Y2O2)等の酸化物粉末
や六方晶(以下略)窒化ホウ素(BN)粉末、グラファ
イト粉末、マイカ粉末を用いることができる。BN粉末
、ブライファイト粉末、マイカ粉末は被削性を向上させ
る被削助剤とされる。例えば、セリアにBNを混入する
と、BNの積層構造により一層被削性が向上する。なお
、これらの粉末の粒径は、酸化物粉末では10〜100
μTW、BN粉末等では5〜50μmが実用上好ましい
溶射の方法としては、プラズマジェット溶剣法、ガス溶
射法を採用することができる。
皮膜層は創成面をもつ。かかる創成面は、相対移動装置
の運転時に可動部材によって被削されて創成される。
[作用] 本発明の相対移動装置は、固定部材の可動部材と近接す
る部分にセリアを10体積%以上含む皮膜層を具備して
いる。かかる皮膜層では、第10図に模式的に示すよう
に、酸化物粒子51の境界にBNやグラファイト等の被
削助剤粒子52が積層構造で存在し、かつ酸化物粒子5
1や被削助剤粒子52の境界に気孔53も存在している
。なお、図中、固定部材を符号61で示す。
本発明者は、第11図に模式的に示ずように、固定部材
61と相対的tこ移動づる可動部材62によって上記構
造の皮膜層が被削されるメカニズムには、次の4種類が
あると考察する。
■酸化物粒子51のせん断破壊(a−1>■気孔53を
境界とした酸化物粒子51の脱落(a−2> ■被削助剤粒子52を境界とした酸化物粒子51の脱落
(a−3) ■被削助剤粒子52のせん断破壊(a−4>上記メカニ
ズムのうち、気孔53を境界とする酸化物粒子51の脱
落(a−2>は、気孔53が境界に存在して酸化物粒子
51か弱い密着力で密着されていると考えられるため、
中程度の力が必要であると考えられる。また、被削助剤
粒子52を境界とする酸化物粒子51の脱落(a−3)
は、温性が低い被削助剤粒子52によって酸化物粒子5
1か弱い結合力で結合されていると考えられるため、小
さな力で済むと考えられる。このため、皮vA層の被削
性を大きく支配するのは酸化物粒子51のせん断破壊(
a−1)及び被削助剤粒子52のせん断破壊(a−4>
に要する力であり、他の条件が同じであればこれらのせ
ん断破@(a−1、a−4)に要する力が小さいほど被
削し易い皮#!A層となる。酸化物粒子51のせん断破
壊〈a−1)に要する力はおよそ酸化物粒子51自体の
硬さに比例すると考えられるため、軟かい酸化物粒子5
1としてセリアを皮膜層中に含めば被削に要する力が小
さくて済むと考えられる。
したがって、本発明の相対移動装置では、可動部材はさ
ほど大きな力を要さずに皮膜層を被削できる。このため
、皮膜層は、可動部材を損傷することなく、容易に被削
されて創成面が創成される。
この創成面の創成によって、可動部材と固定部材との間
隙がOに近づけられるため、ガス漏れ等が最小限に食い
止められ、効率が向上する。
また、本発明の相対移動装置では、皮膜層の気孔率を上
げたり、皮膜層を金属系で形成したりしない。このため
、皮膜層が高温下で剥離、脱落又は腐食されない。
[実施例] 以下、ターボチャージャに具体化した実施例を比較例と
ともに説明する。
〈実施例1〉 このターボチャージャは、第1図に部分断面図を示すよ
うに、前記従来のもの(第12図参照)と基本的に同一
のものであり、内径55mmのタボハウジング81と、
シャフト80に連結されたターボロータ82とを備えた
ものである。このターボチャージャは、ターボハウジン
グ81のターボロータ82と近接する部分Pに、皮膜層
85を具備している。以下にこのターボハウジングの作
成手順を示す。
■このターボチャージャは、第2図に示すように、皮膜
層85等を形成する前にはターボハウジング81とター
ポロ〜り82との間隙COが約0゜8mmであった。
■ターボハウジング81のターボロータ82と近接する
部分Pに、粒径1200〜1400μmの焼成アルミナ
粉末を用いてショツトブラスト処理を施した。
、■第3図に示すように、ショツトブラスト処理を施し
たその部分Pに、密着性を向上させるため、予め下地と
してN i CrA I (94(8ON 120Cr
) −6A I )合金を0.08〜0,1mmの厚さ
tlでプラズマ溶射し、合金層84を形成した。
■粒径10〜74μ卯のCeO2粉末(昭和電工製)を
用意し、アブレーダブル材料とした。
■合金層84を形成したその部分Pに、上記アブレーダ
ブル材料を約1.Ommの厚さt2でプラズマ溶射し、
皮膜層85を形成した。
■皮膜層85の形成後、NC機械加工によりターボハウ
ジング81とターボロータ82との間隙C1が0.05
mmとなるよう皮膜層85を加工した。なお、形成した
皮膜層85の気孔率は23%であった。
こうして実施例1のターボチャージャを作成した。
〈実施例2〉 このターボチャージャは、アブレーダブル材料としてC
eO2粉末7粉末7亢 Y203粉末25体積%とからなるものを用いた以外は
実施例1のターボチャージャと同一のものである。なお
、ZrO2・20Y203粉末(昭和電工製)は粒径1
0〜44μm.CeO2粉末は実施例1と同じものであ
り、形成した皮膜層の気孔率は21%であった。
〈実施例3〉 このターボチャージャは、アブレーダブル材料としてC
eO2粉末3粉末3亢 Y203粉末70体積%とからなるものを用いた以外は
実施例1のターボチャージャと同一のものである。なお
、ZrO2・20Y2 03粉末及びCeO2粉末は実
施例1と同じものであり、形成した皮膜層の気孔率は1
9%であった。
く比較例11〉 このターボチャージャは、アブレーダブル材料としてZ
rO2・20Y2 03粉末を用いた以外は実施例1の
ターボチャージャと同一のものである。なお、ZrO2
・20Y2 03粉末は粒大流側1と同じものであり、
形成した皮膜層の気孔率は30%であった。
く比較例12〉 このターボチャージャは、アブレーダブル材料としてA
l2O3粉末を用いた以外は実施例1のターボチャージ
ャと同一のものである。なお、Al2O3粉末(メテコ
1 01 B>は粒径35〜74μm、形成した皮膜層
の気孔率は28%であった。
く評価〉 実施例1、2、3及び比較例11、12のタボチャージ
ャを用いて、300hrの実機耐久試験を行ない、異音
調査、運転後の皮膜層の状態調査及び運転後のターボロ
ータの状態調査を行なうとともに、運転後のターボロー
タの重量減少(g)を測定した。これにより優れている
と思われるものに○、劣っていると思われるものにXを
付して総合評価を下した。結果を第2表に示す。
この°結果に示されるように、実施例1、2のターボチ
ャージャは、第4図に示すように、ターボロータ82が
運転時に皮膜層85に接触又は衝突しても、皮膜層85
がターボロータ82によって容易に被削され、皮膜層8
5に創成面851を創成するものであるため、異音、皮
膜層の状態及びターボロータの状態ともに異常がなかっ
た。また、実施例3のターボチャージャは異音が少々発
生した以外は特に問題がなかった。
一方、比較例11、12のターボチャージャは、皮膜層
の被削性が悪いため、運転中にターボロータが接触する
ときに大きな異音を生じた。また、運転後の皮膜層の状
態では、比較例11のターボチャージャは、皮膜層にタ
ーボロータが接触するときに、皮膜層が削れるというよ
りも剥がれてしまい、運転後にロータ田の変形を生じ、
かつ摩耗による重量減少もあった。さらに、比較例12
のターボチャージャは、ターボ使用最高温度の950′
Cにあける皮膜層の耐サーマルショック性が劣るため、
皮膜層の1/3が剥離してしまうとともに、皮膜層の被
削性の悪さと剥離した皮膜同士の衝突とに起因すると思
われるロータ翼の変形及び割れを生じ、その摩耗量も1
2Qと最も大きかった。
なお、実施例1.2のターボチャージャを用い、ロータ
回転数10万rpmの条件下で単体性能の評価を総合効
率(%)として測定したところ、皮膜層をもたないター
ボチャージャの51%と比較して、実施例1のものは5
.3%効率が向上し、実施例2のものは5.1%効率が
向上していた。
これは、第4図に示すように、創成面851がタボロー
タ82との間隙をほとんどOにするものであるため、ガ
ス漏れを最小限に食上めることができるからである。
したがって、セリアを含む皮膜層をもつ実施例1.2.
3のターボチャージャは、ターボロータの損傷を防止で
きるとともに、効率を向上できるものである。
[試験例] 次に、本発明を試験例により説明する。
(1)第3表に組成を示すアブレーダブル材料を用いて
、実施例4〜8及び比較例13〜20の試験片を作成し
、これらアブレーダブル材料の比較試験を行なった。
各試験片は、345C製の平板(30X30X5mm)
の上に各アブレーダブル材料を1.0mmの厚さでプラ
ズマ溶射することにより得た。なお、BN粉末(昭電U
HP−EX)は粒径35〜45μm、CeO2粉末、A
l2O3粉末、ZrO2・20Y203粉末は、前記と
同じものである。
実施例4〜B及び比較例13〜20の各試験片における
皮膜層の被削性を評価した。評価は、第5図に示すよう
に、各試験片の上でターボ、ロータと同材質のΦ10イ
ンコネル製リング90を面負荷150Q/mm2の荷重
W、回転数”looorpm、回転時間1分の条件で図
中の矢印の方向に回転させることにより行なった。そし
て、リング90によって各試験片の皮膜層が削られた深
さを被削深さ(mm)とし、相手攻撃性をリング摩耗量
(mci>として測定した。結果を第6図に示す。
第6図から、セリア入りの実施例4〜8の試験片は、気
孔率の大きいZrO2・20Y203入りの比較例14
の試験片や現に航空機に採用されている比較例17の試
験片と比較して、削られやすく好ましいことがわかる。
なお、比較例13.14の試験片と比較例15.16に
試験片とを比較すると、ZrO2・20Y203系の皮
膜層ではBNの混入により被削性が向上することがわか
る。しかし、これらにおいても相手攻撃性が大きく、相
対移動装置における間隙を調整するアブレーダブル材料
としては未だ不十分であることがわかる。一方、実施例
4〜8の試験片におけるCeO2系の皮膜層は、BN等
の他の被削助剤を混入しなくとも小さな相手攻撃性及び
優れた被削性を示していることがわかる。
(2)第3表の各アブレーダブル材料を上記(1)と同
様にプラズマ溶射した皮膜層のビッカース硬さ(1−I
 V )を測定した。結果を第7図に示す。
第7図より、CeO2を含む実施例4〜8の皮膜層は、
比較例13〜20の皮膜層と比較して、特に軟かく、削
られ易いことがlit定される。また、実施例4と実施
例5.6とを比較することにより、BNを含めば一層被
削性が向上することがわかる。
(3)CeO2を含むアブレーダブル材料で皮膜層を溶
射するとその皮膜層の被削性が良好であったことから、
被削性及び耐サーマルショック性からCeO2の最適値
を検討した。
く被削性からの試験〉 アブレーダブル材料としてのCeO2とZrO2・20
Y203との混合粉中におけるCeO2の割合をO〜1
00体積%の範囲で種々変え、上記(1)の試験と同様
に試験片を用意した。ここにZrO2・20Y203及
びCeO2は前記と同じものである。そして、各試験片
における皮膜層の被削深さ(mm)及びリング摩耗量(
mq>を上記(1)の試験と同様に測定した。結果を第
8図に示す。
第8図かられかるように、アブレーダブル材料中にCe
O2が多い皮膜層はど被削性が良好となっていく。そし
て、CeO2が10体積%のときには米国特許である上
記(1)の比較例]4の試験片と同程度まで被削性が悪
化しており(第6図参照)、CeO2が10体積%を下
回れば被削性が顕著に悪化している。したがって、良好
な被削性の皮膜層を得んとすれば、10体積%以上のC
eO2が必要であるとわかる。
く耐サーマルッショク性からの試験〉 CeO2を含んだ皮膜層の耐サーマルッショク性を熱サ
イクル試験により測定した。まず、アブレーダブル材料
としてのZrO2・8Y203又はAl2O3との混合
粉中におけるCeO2の割合をO〜100体積%の範囲
で種々変え、上記(1)の試験とほぼ同様に試験片を用
意した。また、上記(1)の比較例]4.17と同じア
ブレーダブル材料を用いた試験片も同様に用意した。
なお、本試験では、各アブレーダブル材料を溶射する前
に前記N i Cr、A、 lからなる合金を0.1m
m厚さでプラズマ溶射した。ここにZrO2・8Y20
3 (昭電に90)は粒径10〜74μm、Al2O3
及びCeO2は前記と同じものである。
そして、1サイクルとして、各試験片を02−C2H2
バーナで32秒間・約1000°Cまで加熱し、これら
を水中に入れて急冷した。皮膜層の一部又は全部が剥離
又は脱落するまでサイクルを繰返し、剥離等までのサイ
クル数で耐サーマルショック性を評価した。なお、確認
は50サイクル毎に行い、最高2000サイクルまでと
した。結果を第9図に示す。
第9図から、耐サーマルショック性は、比較例14.1
7とほぼ同様であるが、CeO2が10体積%以上であ
れば比較例14.17と同等若しくはそれ以上となるこ
とがわかる。なお、酸化物粉末としては、ZrO2・8
Y203の方・がAl2O3よりも耐サーマルショック
性に優れていることがわかる。
上記被削性及び耐サーマルショック性からの試験より、
第8図及び第9図に示されるように、10体積%以上の
CeO2が被削性、耐サーマルショック性から考えて有
効な皮膜層を形成できると確認できた。
以上、(1)、(2)、(3)の試験から、10、体積
%以上のセリア粉末を含むアブレーダブル材料は、相対
移動装置における間隙調整用溶射材料として最適である
といえる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の相対移動装置は、固定部
材の可動部材と近接する部分が溶射により形成され、セ
リフを10体積%以上含み、かつ可動部材によって被削
されて創成された創成面をもつ皮膜層を具備しているた
め、高温下においても被削性に優れたものでおる。した
がって、本発明の相対移動装置は、可動部材が損傷され
にくく、かつ高温下で長時間使用する場合においても皮
膜層が剥離、脱落又は腐食することなく、可動部材と固
定部材との間隙をOに近くすることができ、効率及び寿
命に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のターボチャージャにおける部分断面図
である。第2図、第3図及び第4図は実施例のターボチ
ャージャにおける一部拡大断面図である。第5図は試験
片の試験方法を示す斜視図である。第6図、第7図、第
8図及び第9図は実施例及び比較例の特性を比較する特
性図である。 第10図及び第11図は本発明の作用の理由を示す模式
断面図である。第12図は従来のターボチャージャの断
面図である。 82・・・ターボロータ(可動部材) 81・・・ターボハウジング(固定部材)P・・・近接
する部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高温下で近接して相対的に移動する可動部材と固
    定部材とをもつ相対移動装置であつて、前記固定部材の
    前記可動部材と近接する部分は、溶射により形成され、
    セリアを10体積%以上含み、かつ該可動部材によって
    被削されて創成された創成面をもつ皮膜層を具備するこ
    とを特徴とする相対移動装置。
JP29307789A 1989-09-08 1989-11-10 相対移動装置 Pending JPH03156103A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29307789A JPH03156103A (ja) 1989-11-10 1989-11-10 相対移動装置
EP90309851A EP0416954B1 (en) 1989-09-08 1990-09-07 Abradable material for a turbo machine
DE69010122T DE69010122T2 (de) 1989-09-08 1990-09-07 Abtragbares Material für eine Turbomaschine.
US07/578,650 US5185217A (en) 1989-09-08 1990-09-07 Relatively displacing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29307789A JPH03156103A (ja) 1989-11-10 1989-11-10 相対移動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03156103A true JPH03156103A (ja) 1991-07-04

Family

ID=17790153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29307789A Pending JPH03156103A (ja) 1989-09-08 1989-11-10 相対移動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03156103A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348942A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Sulzer Metco (Us) Inc アルミナドーパントを含有するセラミック製アブレイダブル材料
EP2372104A3 (en) * 2010-04-01 2014-01-29 United Technologies Corporation Blade outer air seal with improved efficiency
JP2017179542A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 トヨタ自動車株式会社 溶射用粉末およびこれを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法
JPWO2016135973A1 (ja) * 2015-02-27 2018-01-18 三菱重工業株式会社 過給機の製造方法
JP2021134717A (ja) * 2020-02-27 2021-09-13 ダイハツ工業株式会社 排気ターボ過給機

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5943265A (ja) * 1982-08-09 1984-03-10 ユナイテツド・テクノロジ−ズ・コ−ポレイシヨン シ−ル方法及びシ−ル構造
JPS6096751A (ja) * 1983-10-28 1985-05-30 Toshiba Corp 耐熱構造体
JPS6267160A (ja) * 1985-09-18 1987-03-26 Toshiba Corp 耐熱構造体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5943265A (ja) * 1982-08-09 1984-03-10 ユナイテツド・テクノロジ−ズ・コ−ポレイシヨン シ−ル方法及びシ−ル構造
JPS6096751A (ja) * 1983-10-28 1985-05-30 Toshiba Corp 耐熱構造体
JPS6267160A (ja) * 1985-09-18 1987-03-26 Toshiba Corp 耐熱構造体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348942A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Sulzer Metco (Us) Inc アルミナドーパントを含有するセラミック製アブレイダブル材料
EP2372104A3 (en) * 2010-04-01 2014-01-29 United Technologies Corporation Blade outer air seal with improved efficiency
JPWO2016135973A1 (ja) * 2015-02-27 2018-01-18 三菱重工業株式会社 過給機の製造方法
JP2017179542A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 トヨタ自動車株式会社 溶射用粉末およびこれを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法
JP2021134717A (ja) * 2020-02-27 2021-09-13 ダイハツ工業株式会社 排気ターボ過給機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4936745A (en) Thin abradable ceramic air seal
US9598973B2 (en) Seal systems for use in turbomachines and methods of fabricating the same
US5520516A (en) Zirconia-based tipped blades having macrocracked structure
CA2549600C (en) Ceramic abradable material with alumina dopant
KR100813544B1 (ko) 연마성 밀봉 시스템
EP2281913B1 (en) Lubricated abradable coating
JP4031631B2 (ja) 遮熱コーティング材及びガスタービン部材並びにガスタービン
US20090098394A1 (en) Strain tolerant corrosion protecting coating and tape method of application
US8770927B2 (en) Abrasive cutter formed by thermal spray and post treatment
US20090123722A1 (en) Coating system
JP4130894B2 (ja) ガスタービンエンジンおよびその製造方法
Mohammad et al. Criteria for abradable coatings to enhance the performance of gas turbine engines
US7165946B2 (en) Low-mid turbine temperature abradable coating
Schmid et al. An overview of compressor abradables
JP2015531822A (ja) 低表面粗度を有する材料からなる摩耗性コーティング
JPH03156103A (ja) 相対移動装置
CN112334601A (zh) 用于制造可磨层的方法
JP2009235476A (ja) 高温シール用コーティング
JP2010151267A (ja) シール構造、およびこれを用いたガスタービン
JPH0396601A (ja) 相対移動装置
JPH0476225A (ja) 相対移動装置
JP2001059151A (ja) 高温被削性構造
JPH04362168A (ja) 遮熱コーティング膜
JPH0729201Y2 (ja) タービン翼端のシール装置