JPH03100134A - 耐高温腐食性に優れるFe―Ni系合金およびその製造方法 - Google Patents
耐高温腐食性に優れるFe―Ni系合金およびその製造方法Info
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- JPH03100134A JPH03100134A JP23558389A JP23558389A JPH03100134A JP H03100134 A JPH03100134 A JP H03100134A JP 23558389 A JP23558389 A JP 23558389A JP 23558389 A JP23558389 A JP 23558389A JP H03100134 A JPH03100134 A JP H03100134A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合金およ
びその製造方法に関し、特に高温下において高濃度の塩
化物含有物質と接触するような厳しい腐食環境の下でも
、なお優れた耐食性を示すFe −Ni系合金とそれの
製造法について提案する。
びその製造方法に関し、特に高温下において高濃度の塩
化物含有物質と接触するような厳しい腐食環境の下でも
、なお優れた耐食性を示すFe −Ni系合金とそれの
製造法について提案する。
近年、調理用電気器具類が普及してきたが、これらは、
例えば電気コンロの調理用ヒータ外部被覆管の場合、塩
化物による高温腐食(酸化や硫化)や溶接性の問題があ
り、現在種々の研究、開発が進められている。とくにこ
の種の分野に適合する材料は、高温の塩化物存在下であ
るから、NaC1が鋼表面に接触すると、鋼中のFeと
NaC1とが反応して揮発性の高いNaFeC1mを発
生して腐食が促進されるので、通常の耐高温酸化性とは
別の視点で考察しなければならないものである。
例えば電気コンロの調理用ヒータ外部被覆管の場合、塩
化物による高温腐食(酸化や硫化)や溶接性の問題があ
り、現在種々の研究、開発が進められている。とくにこ
の種の分野に適合する材料は、高温の塩化物存在下であ
るから、NaC1が鋼表面に接触すると、鋼中のFeと
NaC1とが反応して揮発性の高いNaFeC1mを発
生して腐食が促進されるので、通常の耐高温酸化性とは
別の視点で考察しなければならないものである。
上述の調理用ヒータ外部被覆管のように、醤油や食塩な
どが付着しやすいものでは、それらが付着したまま高温
大気に曝されるとすれば、高温腐食(乾食)を受けて、
温度が高くなればなるほどその損傷は著しくなる。
どが付着しやすいものでは、それらが付着したまま高温
大気に曝されるとすれば、高温腐食(乾食)を受けて、
温度が高くなればなるほどその損傷は著しくなる。
このような高温腐食を受けるシースヒータ外部被覆管に
は、従来、NCF300(JIS G490wt)材や
NCF600材などが使用されている。これに対し、N
CF300のVA材として、従来、Niを低く抑えた鋼
も提案されている。例えば、特公昭64−8695号(
塩化物の存在する高温腐食環境用鋼)においては、Ni
は16〜30wt%(以下は単に「%」で表示する。
は、従来、NCF300(JIS G490wt)材や
NCF600材などが使用されている。これに対し、N
CF300のVA材として、従来、Niを低く抑えた鋼
も提案されている。例えば、特公昭64−8695号(
塩化物の存在する高温腐食環境用鋼)においては、Ni
は16〜30wt%(以下は単に「%」で表示する。
)の範囲で、特に肋やW、■の添加によるNi低減効果
を提案しており、また、特開昭64−73056号では
、Niが内部侵食を促進し有害である旨、およびSiは
耐酸化性に有効である旨を開示している。
を提案しており、また、特開昭64−73056号では
、Niが内部侵食を促進し有害である旨、およびSiは
耐酸化性に有効である旨を開示している。
さらに、特開昭63−65058号では、Silを多(
したことを特徴とする耐高温腐食性に優れた鋼を提案し
ている。
したことを特徴とする耐高温腐食性に優れた鋼を提案し
ている。
また、上掲のものの他、高温腐食に対する合金元素の影
響については、多くの報告例があり、例えば、食塩を含
む高温腐食環境でのCrの有害性について、品出ら(第
30同席食防食討論会(1983)p50〜53)の報
告があり、またNiの耐食性については−,R,D、に
、 Misra et al(OxdaLion of
MetalsVal、25(1986)P83〜83
)において、NiOのNaC1に対する保護性を報告し
ている。さらに、富士用らの(材料とプ0セスVo1.
1 (1988) p1799)(7)報告では、3.
5%Siを含んでいても550℃以上で著しい侵食が生
ずることを報告している。
響については、多くの報告例があり、例えば、食塩を含
む高温腐食環境でのCrの有害性について、品出ら(第
30同席食防食討論会(1983)p50〜53)の報
告があり、またNiの耐食性については−,R,D、に
、 Misra et al(OxdaLion of
MetalsVal、25(1986)P83〜83
)において、NiOのNaC1に対する保護性を報告し
ている。さらに、富士用らの(材料とプ0セスVo1.
1 (1988) p1799)(7)報告では、3.
5%Siを含んでいても550℃以上で著しい侵食が生
ずることを報告している。
以上説明したように、塩化物を含む環境下での高温腐食
に対する合金元素の影響については、従来、それぞれ有
効性の面と有害性の面の両方が相反する形で報告されて
いて、未だに確定していないのが実情である。
に対する合金元素の影響については、従来、それぞれ有
効性の面と有害性の面の両方が相反する形で報告されて
いて、未だに確定していないのが実情である。
また、Siを含むFe−Cr−Ni系合金における溶接
性については、(溶接学会全国大会講演概要第40集(
1987)ll&h4. p12B)によると、Moの
添加が効果がある旨報告されている。
性については、(溶接学会全国大会講演概要第40集(
1987)ll&h4. p12B)によると、Moの
添加が効果がある旨報告されている。
さて、近年、一般家庭への200 V配線が推進されて
いるが1、それに伴って、電気ヒータの需要拡大が見込
まれている。特に、上述した調理用のシースヒータも高
電力化が進み、それの外部被覆材も、JISのNCF6
00材のような高温用材料の使用が多くなることが予想
される。ところが、このNCF600材は、コストおよ
び高温腐食性についてなお解決を必要とする大きな問題
(塩化物含有高温腐食環境における耐食性)を抱えてお
り、最近ではその代替材の出現が強く望まれているとこ
ろである。
いるが1、それに伴って、電気ヒータの需要拡大が見込
まれている。特に、上述した調理用のシースヒータも高
電力化が進み、それの外部被覆材も、JISのNCF6
00材のような高温用材料の使用が多くなることが予想
される。ところが、このNCF600材は、コストおよ
び高温腐食性についてなお解決を必要とする大きな問題
(塩化物含有高温腐食環境における耐食性)を抱えてお
り、最近ではその代替材の出現が強く望まれているとこ
ろである。
しかしながら、上述した特公昭64−8695号公報な
どで提案されている鋼は、いずれも前記NCF600材
よりも耐食性が劣り、目標とする特性が得られないのが
実情である。しかも、これらの合金については、耐高温
腐食性向上のため添加したSiとNiとの低融点共晶の
ために、熱間加工性および溶接性が著しく劣化すること
が指摘されており、今なおそれらについて解決を見るに
至っていないのが実情である。
どで提案されている鋼は、いずれも前記NCF600材
よりも耐食性が劣り、目標とする特性が得られないのが
実情である。しかも、これらの合金については、耐高温
腐食性向上のため添加したSiとNiとの低融点共晶の
ために、熱間加工性および溶接性が著しく劣化すること
が指摘されており、今なおそれらについて解決を見るに
至っていないのが実情である。
本発明の目的は、塩化物存在下の高温腐食環境での耐食
性に優れることはもちろん、溶接性にも優れた材料を提
供することにより、上述した先行技術の課題を克服する
ことにある。
性に優れることはもちろん、溶接性にも優れた材料を提
供することにより、上述した先行技術の課題を克服する
ことにある。
上述した課題を解決するために鋭意研究した結果、本発
明者らは、塩化物を含む高温腐食環境下での耐食性に対
する合金元素の影響について、新たな知見を得た。それ
は、単独添加の場合と異なり、ある種の合金元素間では
相乗作用が働くことによって予期しない優れた作用効果
を発揮する場合があるということである。すなわち本発
明においては、16〜25%Crを含むFe−Cr−N
i系合金について、それら各添加元素相互の影響から次
のことが明らかとなった。
明者らは、塩化物を含む高温腐食環境下での耐食性に対
する合金元素の影響について、新たな知見を得た。それ
は、単独添加の場合と異なり、ある種の合金元素間では
相乗作用が働くことによって予期しない優れた作用効果
を発揮する場合があるということである。すなわち本発
明においては、16〜25%Crを含むFe−Cr−N
i系合金について、それら各添加元素相互の影響から次
のことが明らかとなった。
(1) この3元系合金では、驚(ことに、Ni:≧
35%という高Niにおいて、他に著しい障害を招くこ
となく粒界侵食などの局部侵食が防止できる。
35%という高Niにおいて、他に著しい障害を招くこ
となく粒界侵食などの局部侵食が防止できる。
(2)そして、Siの作用について、Ni量が少ないと
ピット状の局部侵食を誘発する作用があるが、Ni量を
多くすると、却って耐高温腐食性が著しく向上する。
ピット状の局部侵食を誘発する作用があるが、Ni量を
多くすると、却って耐高温腐食性が著しく向上する。
すなわち、本発明は、NiとSiの相乗作用に着目した
ところに特徴があり、従来のNCF600材よりもNi
量は少なくても、所定量以上でNiおよびSiを同時添
加することにより、却って耐高温腐食性に優れる合金を
得ることができた点に着目して完成した。
ところに特徴があり、従来のNCF600材よりもNi
量は少なくても、所定量以上でNiおよびSiを同時添
加することにより、却って耐高温腐食性に優れる合金を
得ることができた点に着目して完成した。
また、熱間加工性と同様、SiとNiの共晶生成のため
、溶接性が劣化する。しかし、溶接性改善について、従
来低Ni合金で知られていたNoの作用と同時に、新た
にNi≧35%の高Ni側では、Niを高くすると溶接
性が改善することを新たに見い出し、溶接性保持のため
にはNi、 Si、 Noの間の好適な定量的関係が存
在することが判った。
、溶接性が劣化する。しかし、溶接性改善について、従
来低Ni合金で知られていたNoの作用と同時に、新た
にNi≧35%の高Ni側では、Niを高くすると溶接
性が改善することを新たに見い出し、溶接性保持のため
にはNi、 Si、 Noの間の好適な定量的関係が存
在することが判った。
このような知見の下で、本発明は次の如きを要旨構成と
するFe−Ni系合金を開発した。
するFe−Ni系合金を開発した。
その第1のものは、C≦0.05wt%、 Si :
1.5〜4.5 wt%、 Mn≦1.0 wt%
、P≦0.03wt%。
1.5〜4.5 wt%、 Mn≦1.0 wt%
、P≦0.03wt%。
S≦0.03wt%、 Ni : 35.0〜?5.O
wt%およびCr:12.0〜25.0wt%を含有し
、かつNiとSiとが次式;3Ni≧105 + 20
5 i を満足するように含み、残部がFeと不純物
とからなる耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合金であ
り、 その第2のものは、C≦0.05wt%、 Si :
1.5〜4.5wt%、 Mn≦1.0 wt%、
P S 0.03wt%、S≦0.03wt%、 Ni
: 35.0〜75.0wt%、 Cr : 12.
0〜25.0社%を含み、そして、Mo≦6.Owt%
、 W≦3.0wt%および■≦3.0社%のうちから
選ばれる少なくとも1種以上を含有し、かつNiとSi
とが次式;3 Ni + 10Mo≧105 + 20
Siを満足するように含み、残部がFeと不純物とから
なる耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合金であり、 なお、上記各合金において、さらに、REM≦0.05
wt%、 Ca≦0.02wt%およびMg≦0.02
wt%のうちのいずれか少な(とも1種以上を添加した
ことを特徴とする耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合
金もまた本発明合金である。
wt%およびCr:12.0〜25.0wt%を含有し
、かつNiとSiとが次式;3Ni≧105 + 20
5 i を満足するように含み、残部がFeと不純物
とからなる耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合金であ
り、 その第2のものは、C≦0.05wt%、 Si :
1.5〜4.5wt%、 Mn≦1.0 wt%、
P S 0.03wt%、S≦0.03wt%、 Ni
: 35.0〜75.0wt%、 Cr : 12.
0〜25.0社%を含み、そして、Mo≦6.Owt%
、 W≦3.0wt%および■≦3.0社%のうちから
選ばれる少なくとも1種以上を含有し、かつNiとSi
とが次式;3 Ni + 10Mo≧105 + 20
Siを満足するように含み、残部がFeと不純物とから
なる耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合金であり、 なお、上記各合金において、さらに、REM≦0.05
wt%、 Ca≦0.02wt%およびMg≦0.02
wt%のうちのいずれか少な(とも1種以上を添加した
ことを特徴とする耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合
金もまた本発明合金である。
そして、これらの合金は、上記各成分組成にかかる合金
素材を、1150℃〜1280℃の温度範囲で(但し、
tは均熱時間(分)、Tは加熱温度(’C)である。)
の均質化熱処理し、その後熱間加工を施すことにより耐
高温腐食性に優れるFe−Ni系合金とすることができ
る。
素材を、1150℃〜1280℃の温度範囲で(但し、
tは均熱時間(分)、Tは加熱温度(’C)である。)
の均質化熱処理し、その後熱間加工を施すことにより耐
高温腐食性に優れるFe−Ni系合金とすることができ
る。
本発明者らの研究によると、耐高温腐食性に有効なNi
を35%以上含有するFe−Cr−Ni合金においては
、Siを1.5%以上含有させたときには、Niとの相
乗的作用により、通常のSi添加の効果を予測の範囲を
趨えて著しく向上させることができ、それは従来の低N
i−Cr−Fe系合金では得られなかった耐高温腐食性
の高い合金となることが判った。
を35%以上含有するFe−Cr−Ni合金においては
、Siを1.5%以上含有させたときには、Niとの相
乗的作用により、通常のSi添加の効果を予測の範囲を
趨えて著しく向上させることができ、それは従来の低N
i−Cr−Fe系合金では得られなかった耐高温腐食性
の高い合金となることが判った。
以下に、本発明合金の成分組成の詳細について、限定理
由の説明に併せて説明する。
由の説明に併せて説明する。
C:高温強度を得るためには必要な元素であるが、Cは
高温でCr元素と結合し、粒界にCr、、C,として析
出し、粒界近傍にCr欠乏相を形成するので高温塩腐食
の進行を助長するとともに、休止時に凝縮水による粒界
腐食が生じるので低い方が望ましく、上限を0.05%
以下とした。
高温でCr元素と結合し、粒界にCr、、C,として析
出し、粒界近傍にCr欠乏相を形成するので高温塩腐食
の進行を助長するとともに、休止時に凝縮水による粒界
腐食が生じるので低い方が望ましく、上限を0.05%
以下とした。
Si:本発明合金において、最も重要な作用を担う元素
であり、Ni≧35%で、このNiとの相乗作用によっ
て耐食性に著しい効果を示す。それは、塩化物の存在す
る高温環境での耐食性改善作用があるとされるSiの有
する一般的な効果をはるかに超えて発揮される。従って
、Ni≧35%という条件の下で、その添加効果は1.
5%を下限として生ずる。一方、添加量が4.5%を超
えると、高Niの完全オーステナイト鋼の溶接性を害し
、またσなどの金属間化合物の析出を促進するために高
温長時間使用後の延性や靭性を劣化するので、Si含有
量は1.5〜4.5%と定めた。
であり、Ni≧35%で、このNiとの相乗作用によっ
て耐食性に著しい効果を示す。それは、塩化物の存在す
る高温環境での耐食性改善作用があるとされるSiの有
する一般的な効果をはるかに超えて発揮される。従って
、Ni≧35%という条件の下で、その添加効果は1.
5%を下限として生ずる。一方、添加量が4.5%を超
えると、高Niの完全オーステナイト鋼の溶接性を害し
、またσなどの金属間化合物の析出を促進するために高
温長時間使用後の延性や靭性を劣化するので、Si含有
量は1.5〜4.5%と定めた。
Mn:鋼の熱間加工性を維持するために必要な元素であ
るが、1.0%を趙えて含有させると塩化物の存在する
高温環境下での耐食性が劣化するようになることから、
Mn含有量を1.0%以下と定めた。なお、Mn含有量
は、できれば0.1〜0.5%に調整するのが好ましい
。
るが、1.0%を趙えて含有させると塩化物の存在する
高温環境下での耐食性が劣化するようになることから、
Mn含有量を1.0%以下と定めた。なお、Mn含有量
は、できれば0.1〜0.5%に調整するのが好ましい
。
Ni:塩化物を含む高温腐食環境での高温耐食性を改善
するのに極めて有効であり、特にこのNi含有量が35
%以上で、Siの高温耐食性を飛躍的に向上させる効果
があり、それ以下では、むしろ高Niとすることのデメ
リットが助長されてしまい好ましくない、従って、Ni
は35%以上とする。
するのに極めて有効であり、特にこのNi含有量が35
%以上で、Siの高温耐食性を飛躍的に向上させる効果
があり、それ以下では、むしろ高Niとすることのデメ
リットが助長されてしまい好ましくない、従って、Ni
は35%以上とする。
また、このNiの添加は、CrやSi、 Noなどから
成る金属間化合物の析出に対する組織安定性および溶接
性改善にも有効であり、この意味において、多いほどよ
く、50%以上がより好ましい。
成る金属間化合物の析出に対する組織安定性および溶接
性改善にも有効であり、この意味において、多いほどよ
く、50%以上がより好ましい。
Cr:塩化物の存在する環境での高温耐食性および90
0℃付近での一般耐酸化性改善に対して有効であるが、
その量が12%未満では塩化物による高温腐食環境でも
スケール剥離性が大きく、所望の効果が得られないので
、12%以上とする。
0℃付近での一般耐酸化性改善に対して有効であるが、
その量が12%未満では塩化物による高温腐食環境でも
スケール剥離性が大きく、所望の効果が得られないので
、12%以上とする。
しかし、多すぎると内部侵食を促進するので、25%を
上限とする。好ましくは16.0〜20.0%の範囲内
がよい。
上限とする。好ましくは16.0〜20.0%の範囲内
がよい。
Mo:塩化物の存在する高温環境中での耐食性改善に極
めて有効に作用する元素の一つであると共に、とくに内
部侵食抑制および溶接性には有効である。しかし、この
Moの添加量が多すぎると、逆にスケール剥離性が大き
くなるので、6.0%以下とする。好ましくは4%以下
がよい。
めて有効に作用する元素の一つであると共に、とくに内
部侵食抑制および溶接性には有効である。しかし、この
Moの添加量が多すぎると、逆にスケール剥離性が大き
くなるので、6.0%以下とする。好ましくは4%以下
がよい。
W、V:塩化物存在下の耐高温腐食性に対してMoと同
様の効果がある。しかし、いずれの元素も3.0%を超
えて含有させると、金属間化合物の析出を促して加工性
に害を及ぼしたりスケール剥離性を大きくするので、い
ずれも3.0%を上限とした。
様の効果がある。しかし、いずれの元素も3.0%を超
えて含有させると、金属間化合物の析出を促して加工性
に害を及ぼしたりスケール剥離性を大きくするので、い
ずれも3.0%を上限とした。
REM、 Ca、 Mg :これらの元素は、脱酸剤お
よび脱硫剤として有効に作用し、熱間加工性を高める効
果がある。しかし、多すぎると塩化物高温腐食を却って
促進させるように働(ので、それぞれの添加上限をRE
M :0.05%、 Ca : 0.02%、Mg:0
.02%とした。
よび脱硫剤として有効に作用し、熱間加工性を高める効
果がある。しかし、多すぎると塩化物高温腐食を却って
促進させるように働(ので、それぞれの添加上限をRE
M :0.05%、 Ca : 0.02%、Mg:0
.02%とした。
この他、本発明合金においては、AI、 Cu、 Ti
。
。
Nbを各々0.5%以下添加してもよく、それによって
上述の主要成分添加の効果に特別の変化を生じない。
上述の主要成分添加の効果に特別の変化を生じない。
次に、溶接性の観点から上記成分組成を検討すると、N
i−5i−Noの関係はつぎのように規定されることが
必要である。
i−5i−Noの関係はつぎのように規定されることが
必要である。
すなわち、第1図は、溶接性に及ぼすNo、 Ni量依
存性を示す図である。溶接性の試験は、第工表に示す本
発明合金と17%Cr−3%5i−Feを基本にNo、
Niを種々変化させた合金の2.On+を板を用いて
突合わせ拘束TIG溶接を行い、100mmJのビード
長さ割れ率で評価したものである。ベース合金(17%
Cr−3%5i−Fe)の場合、10Mo+ 3 Ni
≧165の条件のときに割れの発生がないことが判る
。
存性を示す図である。溶接性の試験は、第工表に示す本
発明合金と17%Cr−3%5i−Feを基本にNo、
Niを種々変化させた合金の2.On+を板を用いて
突合わせ拘束TIG溶接を行い、100mmJのビード
長さ割れ率で評価したものである。ベース合金(17%
Cr−3%5i−Fe)の場合、10Mo+ 3 Ni
≧165の条件のときに割れの発生がないことが判る
。
ベース合金(17%Cr−3%5t−Fe)からSiを
1.5%に変化させた場合、第1図の境界線は点vA(
10Mo + 3 Ni = 135)に移動する。S
i含有量を1.5%増大させるとNi量を約10%増大
させる必要があり、Si量依存性を加味すると、結局1
0Mo+ 3 Ni≧105+20Siとなる。従って
、Noを含まない場合は、3Ni≧105 +205i
を満たす必要がある。
1.5%に変化させた場合、第1図の境界線は点vA(
10Mo + 3 Ni = 135)に移動する。S
i含有量を1.5%増大させるとNi量を約10%増大
させる必要があり、Si量依存性を加味すると、結局1
0Mo+ 3 Ni≧105+20Siとなる。従って
、Noを含まない場合は、3Ni≧105 +205i
を満たす必要がある。
次に、本発明合金の製造方法、とくに熱処理の条件を中
心に説明する。
心に説明する。
上述の如き成分組成よりなる合金素材(インゴット)は
、均質化熱処理が必要である。それは次のような理由に
よる。すなわち、Siを多く含むFe−Cr −Ni系
合金では、鋳込みのままでは、熱間加工性が著しく劣化
する場合がある。これは、凝固偏析が原因でSiとNi
の低融点の共晶を生ずるためと考えられるので、これに
対しては高温熱処理による均質化でこの熱間脆化を防止
できるからであリ、また本発明製造方法においてその処
理は不可欠である。
、均質化熱処理が必要である。それは次のような理由に
よる。すなわち、Siを多く含むFe−Cr −Ni系
合金では、鋳込みのままでは、熱間加工性が著しく劣化
する場合がある。これは、凝固偏析が原因でSiとNi
の低融点の共晶を生ずるためと考えられるので、これに
対しては高温熱処理による均質化でこの熱間脆化を防止
できるからであリ、また本発明製造方法においてその処
理は不可欠である。
このような理由の下に行われるこの熱処理の条件は、1
150℃〜1280℃の温度範囲で(但し、tは均熱時
間(分)、Tは加熱温度(℃))である。
150℃〜1280℃の温度範囲で(但し、tは均熱時
間(分)、Tは加熱温度(℃))である。
第2図は、熱間加工性についての検討結果を示す図であ
り、第1表中の本発明合金(随1)の大気溶解インゴッ
トを用いて、1150〜1280℃の範囲でソーキング
処理を行い、超高温引張りによる絞り値を調査したもの
である。なお、高温引張り試験は、1000〜1200
℃で行い、その中で絞り値の最小値により評価した。こ
の図より、本発明合金のの熱処理を施すと、加工性が良
好になることが判った。
り、第1表中の本発明合金(随1)の大気溶解インゴッ
トを用いて、1150〜1280℃の範囲でソーキング
処理を行い、超高温引張りによる絞り値を調査したもの
である。なお、高温引張り試験は、1000〜1200
℃で行い、その中で絞り値の最小値により評価した。こ
の図より、本発明合金のの熱処理を施すと、加工性が良
好になることが判った。
この実施例は、表1に示す成分組成の合金(隘1〜嵐1
0)を、大気誘導炉にて10kgインゴットとし、熱間
鍛造後冷間圧延して、2.0および0.5mflt板に
して試験に供した。高温腐食試験片は、厚さ0.5mm
t、幅20u、長さ30鶴に切断後、1100℃×10
分大気酸化して、次に示す高温腐食試験に供した。
0)を、大気誘導炉にて10kgインゴットとし、熱間
鍛造後冷間圧延して、2.0および0.5mflt板に
して試験に供した。高温腐食試験片は、厚さ0.5mm
t、幅20u、長さ30鶴に切断後、1100℃×10
分大気酸化して、次に示す高温腐食試験に供した。
高温腐食試験は、飽和食塩水浸漬(5分)−乾燥(10
分)−繰返し酸化(800℃×30分−空冷10分50
回)を1サイクルとして、4サイクル試験し、その結果
を第1表に示す。高温腐食試験結果に明らかなように、
本発明合金(隘1〜隘7)は、比較合金(患8〜魚10
)に比べていずれも最大侵食深さが小さく、それはNi
%の小さい隘8合金、隘10合金や、Ni%は高いがS
i%の小さいN11L9合金に比べた場合に顕著である
。
分)−繰返し酸化(800℃×30分−空冷10分50
回)を1サイクルとして、4サイクル試験し、その結果
を第1表に示す。高温腐食試験結果に明らかなように、
本発明合金(隘1〜隘7)は、比較合金(患8〜魚10
)に比べていずれも最大侵食深さが小さく、それはNi
%の小さい隘8合金、隘10合金や、Ni%は高いがS
i%の小さいN11L9合金に比べた場合に顕著である
。
(発明の効果〕
以上説明したように本発明は、塩化物を含む高温腐食環
境において優れた耐食性を有し、また溶接性に優れたF
e−Ni系合金を安価に提供することができる。それ故
に本発明合金は、 +1) li気コンロなどのシースヒータの外部被覆
管、 (2) ハロゲンやハロゲン化物を含むゴミ焼却炉な
どのボイラーや熱交換器、 (3] 高Si、高Ni含有鋼の板や帯、を有利に製
造するのに有効に用いられる。
境において優れた耐食性を有し、また溶接性に優れたF
e−Ni系合金を安価に提供することができる。それ故
に本発明合金は、 +1) li気コンロなどのシースヒータの外部被覆
管、 (2) ハロゲンやハロゲン化物を含むゴミ焼却炉な
どのボイラーや熱交換器、 (3] 高Si、高Ni含有鋼の板や帯、を有利に製
造するのに有効に用いられる。
り率で、○印は絞り>80%、
×印は絞り<50%を示す。
Δ印は50〜80%、
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、C≦0.05wt%、Si:1.5〜4.5wt%
、Mn≦1.0wt%、P≦0.03wt%、S≦0.
03wt%、Ni:35.0〜75.0wt%、および
Cr:12.0〜25.0wt%を含有し、かつNiと
Siとは次式;3Ni≧105+20Siを満足するよ
うに含み、残部がFeと不純物とからなる耐高温腐食性
に優れるFe−Ni系合金。 2、C≦0.05wt%、Si:1.5〜4.5wt%
、Mn≦1.0wt%、p≦0.03wt%、S≦0.
03wt%、Ni:35.0〜75.0wt%、Cr:
12.0〜25.0wt%を含み、そしてMo≦6.0
wt%、W≦3.0wt%およびV≦3.0wt%のう
ちから選ばれる少なくとも1種以上を含有し、かつ Ni、Siとは次式;3Ni+10Mo≧105+20
Siを満足するように含み、残部がFeと不純物とから
なる耐高温腐食性に優れるFe−Ni系合金。 3、請求項1または2に記載のものにおいて、さらに、
REM≦0.05wt%、Ca≦0.02wt%および
Mg≦0.02wt%のうちのいずれか少なくとも1種
以上を添加したことを特徴とする耐高温腐食性に優れる
Fe−Ni系合金。 4、請求項1、2、3のいずれかに記載された合金素材
を、1150℃〜1280℃の温度範囲でt・exp[
−1443/(T−1814)]≧1(但し、tは均熱
時間(分)、Tは加熱温度(℃)である。)の均質化熱
処理を行い、その後熱間加工を施すことを特徴とする耐
高温腐食性に優れるFe−Ni系合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23558389A JPH03100134A (ja) | 1989-09-13 | 1989-09-13 | 耐高温腐食性に優れるFe―Ni系合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23558389A JPH03100134A (ja) | 1989-09-13 | 1989-09-13 | 耐高温腐食性に優れるFe―Ni系合金およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03100134A true JPH03100134A (ja) | 1991-04-25 |
JPH0369977B2 JPH0369977B2 (ja) | 1991-11-06 |
Family
ID=16988147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23558389A Granted JPH03100134A (ja) | 1989-09-13 | 1989-09-13 | 耐高温腐食性に優れるFe―Ni系合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03100134A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007270175A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 耐高温腐食Ni基合金 |
JP2009500521A (ja) * | 2005-07-01 | 2009-01-08 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | 高温で使用するためのNi−Cr−Fe合金 |
JP2011046974A (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-10 | Mitsubishi Materials Corp | Ni基合金製ハロゲン系ガス用ボンベのバルブ部材 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6365058A (ja) * | 1986-09-08 | 1988-03-23 | Nisshin Steel Co Ltd | 加工用オーステナイト系耐熱鋼 |
JPS648695A (en) * | 1987-07-01 | 1989-01-12 | Hitachi Ltd | Printed circuit board processor |
-
1989
- 1989-09-13 JP JP23558389A patent/JPH03100134A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6365058A (ja) * | 1986-09-08 | 1988-03-23 | Nisshin Steel Co Ltd | 加工用オーステナイト系耐熱鋼 |
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JP2009500521A (ja) * | 2005-07-01 | 2009-01-08 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | 高温で使用するためのNi−Cr−Fe合金 |
KR101322091B1 (ko) * | 2005-07-01 | 2013-10-25 | 산드빅 인터렉츄얼 프로퍼티 에이비 | 고온용 Ni-Cr-Fe 합금 |
US8926769B2 (en) | 2005-07-01 | 2015-01-06 | Sandvik Intellectual Property Ab | Ni—Cr—Fe alloy for high-temperature use |
JP2007270175A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 耐高温腐食Ni基合金 |
JP2011046974A (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-10 | Mitsubishi Materials Corp | Ni基合金製ハロゲン系ガス用ボンベのバルブ部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0369977B2 (ja) | 1991-11-06 |
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