JPH027919B2 - - Google Patents
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- JPH027919B2 JPH027919B2 JP18707885A JP18707885A JPH027919B2 JP H027919 B2 JPH027919 B2 JP H027919B2 JP 18707885 A JP18707885 A JP 18707885A JP 18707885 A JP18707885 A JP 18707885A JP H027919 B2 JPH027919 B2 JP H027919B2
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Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明はタングステン・カーバイド(以下WC
と記載する)の結晶体の製造法、更に詳しくはフ
ローテイング・ゾーン法によるWCの結晶体の製
造法に関する。
と記載する)の結晶体の製造法、更に詳しくはフ
ローテイング・ゾーン法によるWCの結晶体の製
造法に関する。
WCは極めて高い温度(約2750℃)まで安定
で、高い硬度2000Kg/mm2)を有し、高い靭性を持
つているので、各種の超硬工具として広く実用に
供せられている。
で、高い硬度2000Kg/mm2)を有し、高い靭性を持
つているので、各種の超硬工具として広く実用に
供せられている。
従来技術
従来のWC結晶体の製造法としては、
(1) コバルト金属浴にWCを溶解し、一定温度に
保つた後、徐冷し、弗硝酸などによりコバルト
金属を溶解除去するコバルト金属をフラツクス
として用いるフラツクス法。
保つた後、徐冷し、弗硝酸などによりコバルト
金属を溶解除去するコバルト金属をフラツクス
として用いるフラツクス法。
(2) WCを溶解したコバルト金属上面から浴を徐
冷すると共にWCの結晶を引上げるモデイフア
イド・チヨコラルスキー法がある。
冷すると共にWCの結晶を引上げるモデイフア
イド・チヨコラルスキー法がある。
しかし、(1)の方法では一般に数mmの結晶しか得
られず、(2)の方法では1cm程度の結晶を得るのに
約1週間を要する問題点があつた。しかも(1)(2)は
いずれもフラツクス法であるため、フラツクス金
属やるつぼからの不純物の混入が避けられず、高
純度の結晶が得難い欠点があつた。
られず、(2)の方法では1cm程度の結晶を得るのに
約1週間を要する問題点があつた。しかも(1)(2)は
いずれもフラツクス法であるため、フラツクス金
属やるつぼからの不純物の混入が避けられず、高
純度の結晶が得難い欠点があつた。
一方、4族、5族遷移金属炭化物の大型単結晶
を得る方法としてフローテイング・ゾーン法(以
下FZ法と言う)が知られている。
を得る方法としてフローテイング・ゾーン法(以
下FZ法と言う)が知られている。
FZ法は第1図の概念図に示すように、目的と
する化合物の原料棒3の一部を例えば、高周波コ
イル7により加熱し、溶融帯6を形成させる。こ
の溶融帯6をはさんだ棒の両端をホールダー2で
保持し、一体に、上または下に移動させて結晶5
を成長させる方法である。図中1はシヤフト、4
は種子棒を示す。
する化合物の原料棒3の一部を例えば、高周波コ
イル7により加熱し、溶融帯6を形成させる。こ
の溶融帯6をはさんだ棒の両端をホールダー2で
保持し、一体に、上または下に移動させて結晶5
を成長させる方法である。図中1はシヤフト、4
は種子棒を示す。
この方法による4族、5族遷移金属炭化物の単
結晶育成においては、得られる結晶の組成を目的
の組成と一致させるために、溶融帯の組成を目的
固相組成と平衡共存する液相組成とする方法(特
許第1186975号)。また、育成中、溶融帯からの蒸
発により、溶融帯の組成が変化するのを防ぐた
め、これを補う目的で原料棒の組成を予め調整す
ることが行われている(特願昭55−37963号(特
開昭56−134599号)。
結晶育成においては、得られる結晶の組成を目的
の組成と一致させるために、溶融帯の組成を目的
固相組成と平衡共存する液相組成とする方法(特
許第1186975号)。また、育成中、溶融帯からの蒸
発により、溶融帯の組成が変化するのを防ぐた
め、これを補う目的で原料棒の組成を予め調整す
ることが行われている(特願昭55−37963号(特
開昭56−134599号)。
発明の目的
本発明FZ法により大型のWC結晶体の製造法を
提供せんとするものである。
提供せんとするものである。
発明の構成
本発明者らは前記目的を達成すべく、FZ法に
よりWC単結晶の育成を試みた。その結果、WC
の固相と平衡共存できるタングステンとカーボン
のみからなる液相組成は存在せず、そのような液
相組成と平衡共存するのは、カーボン欠損型の立
方晶WC(C−WC1-x)であることが分つた。
よりWC単結晶の育成を試みた。その結果、WC
の固相と平衡共存できるタングステンとカーボン
のみからなる液相組成は存在せず、そのような液
相組成と平衡共存するのは、カーボン欠損型の立
方晶WC(C−WC1-x)であることが分つた。
すなわち、タングステンとカーボンからのみな
る液相を用いる限り、FZ法ではWCの結晶体は育
成できないことが分つた。
る液相を用いる限り、FZ法ではWCの結晶体は育
成できないことが分つた。
この問題点を解決すべく更に研究の結果、WC
は昇温に伴い、約2750℃で固相分解するが、固相
分解によつて生ずるC−WC1-xは僅か数10℃の昇
温で更に液相とカーボンに分解する。この場合、
何らかの元素または化合物を添加することによ
り、WCを安定化させ直接液相に分解させるよう
にすればFZ法の適用が可能になる。WCと類似の
結晶構造を持ち、高温まで安定なタングステン化
合物にW2B5があり、これはWCと同じくタング
ステンの積層が単純六方の構造をとり、ボロンの
数がWC中のカーボンに比し2倍であるWB2を変
形した構造であり、比較的組成範囲が広く、一致
溶融組成はWB〜2.3とされている。従つて、WCと
WB〜2.3の間には固溶関係が存在し、その組成比
に応じ、WCの多い方から順に固相分解、液相へ
の分解、一致溶融と移行する。すなわち、モル比
でWC:WB〜2.3=1:0.06の組成比を持つ焼結体
を作り、これにFZ法を適用した結果、溶融帯の
移動に伴い、当初カーボンが多量に析出し、次い
でWCが単一層で析出することを究明した。
は昇温に伴い、約2750℃で固相分解するが、固相
分解によつて生ずるC−WC1-xは僅か数10℃の昇
温で更に液相とカーボンに分解する。この場合、
何らかの元素または化合物を添加することによ
り、WCを安定化させ直接液相に分解させるよう
にすればFZ法の適用が可能になる。WCと類似の
結晶構造を持ち、高温まで安定なタングステン化
合物にW2B5があり、これはWCと同じくタング
ステンの積層が単純六方の構造をとり、ボロンの
数がWC中のカーボンに比し2倍であるWB2を変
形した構造であり、比較的組成範囲が広く、一致
溶融組成はWB〜2.3とされている。従つて、WCと
WB〜2.3の間には固溶関係が存在し、その組成比
に応じ、WCの多い方から順に固相分解、液相へ
の分解、一致溶融と移行する。すなわち、モル比
でWC:WB〜2.3=1:0.06の組成比を持つ焼結体
を作り、これにFZ法を適用した結果、溶融帯の
移動に伴い、当初カーボンが多量に析出し、次い
でWCが単一層で析出することを究明した。
その時の溶融帯の組成はモル比でW:C:B=
1:0.7:0.1であつた。この知見に基いて本発明
を完成した。
1:0.7:0.1であつた。この知見に基いて本発明
を完成した。
本発明の要旨は、タングステン・カーバイド原
料棒の一部分を加熱して溶融帯を形成し、該溶融
帯を移動させてタングステン・カーバイドの結晶
体を製造する所謂フローテイング・ゾーン法によ
る製造法において、該溶融帯の組成をタングステ
ン・カーバイドの固相と平衡共存するタングステ
ン、カーボン及びボロンからなる液相組成とし、
結晶を育成することを特徴とするタングステン・
カーバイドの結晶体の製造法にある。
料棒の一部分を加熱して溶融帯を形成し、該溶融
帯を移動させてタングステン・カーバイドの結晶
体を製造する所謂フローテイング・ゾーン法によ
る製造法において、該溶融帯の組成をタングステ
ン・カーバイドの固相と平衡共存するタングステ
ン、カーボン及びボロンからなる液相組成とし、
結晶を育成することを特徴とするタングステン・
カーバイドの結晶体の製造法にある。
溶融帯域の組成は、WCの固相と平衡共存する
タングステン、カーボン及びボロンからなる液相
組成とする。そのためにはモル比で、W:C:B
=1:(0.4〜1.0):(0.03〜0.50)、望ましくは、
1:(0.6〜0.8):(0.05〜0.30)であることが好ま
しい。この組成からずれると、結晶育成の初期段
階に、カーボン濃度の高低に応じ、Cまたは
W2CがWC相内に析出し、また、ボロン濃度の高
低に応じ過大なボロンが結晶に含まれるか、低い
とWC相の安定な成長ができなくなる。従つて、
前記の組成であることが好ましい。
タングステン、カーボン及びボロンからなる液相
組成とする。そのためにはモル比で、W:C:B
=1:(0.4〜1.0):(0.03〜0.50)、望ましくは、
1:(0.6〜0.8):(0.05〜0.30)であることが好ま
しい。この組成からずれると、結晶育成の初期段
階に、カーボン濃度の高低に応じ、Cまたは
W2CがWC相内に析出し、また、ボロン濃度の高
低に応じ過大なボロンが結晶に含まれるか、低い
とWC相の安定な成長ができなくなる。従つて、
前記の組成であることが好ましい。
原料棒としては、溶融帯から蒸発により失われ
るカーボン及びボロン、また溶融帯と結晶の間の
界面の分配により結晶に取り込まれるボロンを丁
度補うように原料棒に、カーボン及びボロンを含
有させた組成のものとするのがよい。その組成の
好ましい範囲はモル比でW:C:B=1:(1.00
〜1.30):(0.00〜0.20)、望ましくはW:C:B=
1:(1.05〜1.20):(0.01〜0.07)である。C濃度
が低過ぎると、WC結晶中にW2C相が析出し、ま
た高過ぎるとC相が析出し、結晶の質を低下させ
る。
るカーボン及びボロン、また溶融帯と結晶の間の
界面の分配により結晶に取り込まれるボロンを丁
度補うように原料棒に、カーボン及びボロンを含
有させた組成のものとするのがよい。その組成の
好ましい範囲はモル比でW:C:B=1:(1.00
〜1.30):(0.00〜0.20)、望ましくはW:C:B=
1:(1.05〜1.20):(0.01〜0.07)である。C濃度
が低過ぎると、WC結晶中にW2C相が析出し、ま
た高過ぎるとC相が析出し、結晶の質を低下させ
る。
B濃度が低過ぎると、十分な長さの溶融帯の移
動ができない間にWCの安定な成長ができなくな
り、またB濃度が高過ぎるとWC結晶内にボロン
が取り込まれるので望ましくない。しかし、その
組成は一定のものではなく、溶融帯移動速度、雰
囲気ガスの種類、及び圧力等の結晶育成条件によ
つて変化するので実験的に決めればよい。
動ができない間にWCの安定な成長ができなくな
り、またB濃度が高過ぎるとWC結晶内にボロン
が取り込まれるので望ましくない。しかし、その
組成は一定のものではなく、溶融帯移動速度、雰
囲気ガスの種類、及び圧力等の結晶育成条件によ
つて変化するので実験的に決めればよい。
原料棒に相対し、溶融帯部をはさんで置かれる
種子棒の組成は、原料棒と同じでもまたは相違し
てもよく、また、W2C,WCの単結晶を用いて育
成する単結晶の方位を〔0001〕,〔1010〕,〔112
0〕等に平行にすることも可能である。
種子棒の組成は、原料棒と同じでもまたは相違し
てもよく、また、W2C,WCの単結晶を用いて育
成する単結晶の方位を〔0001〕,〔1010〕,〔112
0〕等に平行にすることも可能である。
本発明の方法を行う装置としては、例えば
ADL社製の高圧タイプの結晶育成炉が挙げられ、
この炉による結晶育成法を説明する。
ADL社製の高圧タイプの結晶育成炉が挙げられ、
この炉による結晶育成法を説明する。
直径約1cm、長さ10〜20cmの原料棒を上方に置
き、長さ3〜7cmの種子棒を下方に置き、該種子
棒の上に溶融帯部となる棒を置き、原料棒の下端
と接しさせる。前記溶融帯部となる棒は種子棒の
上部に置く方法のほか、種子棒自身を溶融帯の組
成と一致させてもよく、また、種子棒と原料棒の
間に必要量のW及びBまたはC及びBをはさみ、
この部分を溶融帯としてもよい。
き、長さ3〜7cmの種子棒を下方に置き、該種子
棒の上に溶融帯部となる棒を置き、原料棒の下端
と接しさせる。前記溶融帯部となる棒は種子棒の
上部に置く方法のほか、種子棒自身を溶融帯の組
成と一致させてもよく、また、種子棒と原料棒の
間に必要量のW及びBまたはC及びBをはさみ、
この部分を溶融帯としてもよい。
この溶融帯部を例えば高周波加熱(光集光方式
でもよいし)して溶融帯を作り、その後、原料棒
及び種子棒を一体に、または異なる速度で下方に
移動させる。この移動によつてWC結晶が成長を
続ける。
でもよいし)して溶融帯を作り、その後、原料棒
及び種子棒を一体に、または異なる速度で下方に
移動させる。この移動によつてWC結晶が成長を
続ける。
この時の種子棒移動速度は、結晶成長が溶融体
の固化ではなく、溶融帯からのWCの析出による
ものであるから、おそい方が良く、0.5〜10mm/
h、望ましくは1〜3mm/hとするのがよい。
の固化ではなく、溶融帯からのWCの析出による
ものであるから、おそい方が良く、0.5〜10mm/
h、望ましくは1〜3mm/hとするのがよい。
原料棒の移動速度は前記種子棒と同じ速度でも
よいが、溶融帯を安定に維持できる速度例えば種
子棒の移動速度の80〜90%であつてもよい。
よいが、溶融帯を安定に維持できる速度例えば種
子棒の移動速度の80〜90%であつてもよい。
また、原料棒、種子棒の上下関係を逆にし、上
方に移動するようにしてもよい。
方に移動するようにしてもよい。
溶融帯の組成を均一に保つためには回転操作を
加えることが効果的である。即ち上下の棒を固定
したシヤフトを逆方向に回転させ、溶融帯部を混
合させる。その回転速度は通常5〜30rpm程度が
適当である。
加えることが効果的である。即ち上下の棒を固定
したシヤフトを逆方向に回転させ、溶融帯部を混
合させる。その回転速度は通常5〜30rpm程度が
適当である。
結晶を育成する際の雰囲気は、ヘリウム、アル
ゴン等の不活性ガスの他、窒素、水素ガスであつ
てもよい。
ゴン等の不活性ガスの他、窒素、水素ガスであつ
てもよい。
雰囲気圧は大気圧(1×105Pa)でもよいが、
加圧雰囲気とすると、溶融帯からの成分の蒸発を
抑制するので有効である。しかし高過ぎると、対
流による熱損失が増大するので、通常2〜30×
105Pa、好ましくは3〜15×105Paであることが
適当である。
加圧雰囲気とすると、溶融帯からの成分の蒸発を
抑制するので有効である。しかし高過ぎると、対
流による熱損失が増大するので、通常2〜30×
105Pa、好ましくは3〜15×105Paであることが
適当である。
このようにして、約10時間溶融帯を移動する
と、直径8〜9mm、長さ30mm程度のWC単結晶を
育成することができる。
と、直径8〜9mm、長さ30mm程度のWC単結晶を
育成することができる。
実施例 1
市販のWC原料粉(平均粒径0.7μm、全炭素
6.11wt%)を用い、WC1モルに対し、カーボン
(発光分析用)0.15モル、ボロン0.01モルの比で
全重量が100gとなるように秤量し、粘着剤とし
てアルコールに溶解した樟脳を適量加えて十分混
合した。これを乾燥した後、8×107Paでラバー
プレスを行い、直径12mm、長さ130mmの棒とした。
この棒を真空中2000℃において1時間焼結した。
得られた焼結棒は約直径10mm、長さ110mmで、密
度は90%程度であつた。この焼結棒を原料棒とし
た。
6.11wt%)を用い、WC1モルに対し、カーボン
(発光分析用)0.15モル、ボロン0.01モルの比で
全重量が100gとなるように秤量し、粘着剤とし
てアルコールに溶解した樟脳を適量加えて十分混
合した。これを乾燥した後、8×107Paでラバー
プレスを行い、直径12mm、長さ130mmの棒とした。
この棒を真空中2000℃において1時間焼結した。
得られた焼結棒は約直径10mm、長さ110mmで、密
度は90%程度であつた。この焼結棒を原料棒とし
た。
一方種子棒として、WC1モルに対しタングス
テン0.41モル、ボロン0.05モルの比で、全重量が
40gとなるように、WC粉、W粉、アモルフアス
ボロン粉を秤量し、この混合物を原料棒と同じ条
件で焼結し、直径8mm、長さ50mmの種子棒とし
た。
テン0.41モル、ボロン0.05モルの比で、全重量が
40gとなるように、WC粉、W粉、アモルフアス
ボロン粉を秤量し、この混合物を原料棒と同じ条
件で焼結し、直径8mm、長さ50mmの種子棒とし
た。
原子棒を上方に、種子棒を下方に置き、両者の
間に、ボロン塊0.005gをはさんだ。
間に、ボロン塊0.005gをはさんだ。
内径約16mm、2段各3回巻の高周波コイルを、
コイル上端にほぼ種子棒上端がくるようにセツト
し、加熱して溶融帯を形成した。そして上下棒を
逆方向に各15rpmで回転させ、種子棒を3.0mm/
h、原料棒を2.7mm/hで、下方に移動させた。
雰囲気はHeガス8×105Paとした。
コイル上端にほぼ種子棒上端がくるようにセツト
し、加熱して溶融帯を形成した。そして上下棒を
逆方向に各15rpmで回転させ、種子棒を3.0mm/
h、原料棒を2.7mm/hで、下方に移動させた。
雰囲気はHeガス8×105Paとした。
溶融帯移動開始と殆んど同時に、WC相の析出
が認められ、約10時間の移動により直径約9mm、
長さ30mmのWCの結晶体が得られた。
が認められ、約10時間の移動により直径約9mm、
長さ30mmのWCの結晶体が得られた。
得られた結晶体を粉末X線法によつて調べた結
果、WC単一相であることが確認された。反射ラ
ウエ法により結晶成長方向がほぼ〔1120〕方向
に平行していることが分つた。また、結晶中のボ
ロンは化学分析の結果、300ppm(重量)と少な
く、高純度であることが分つた。
果、WC単一相であることが確認された。反射ラ
ウエ法により結晶成長方向がほぼ〔1120〕方向
に平行していることが分つた。また、結晶中のボ
ロンは化学分析の結果、300ppm(重量)と少な
く、高純度であることが分つた。
発明の効果
本発明の方法によると、従来FZ法ではWCの結
晶体の育成が不可能とされていたのを可能にし、
しかも良質大型の結晶体を極めて容易に製造し得
られる優れた効果を有する。
晶体の育成が不可能とされていたのを可能にし、
しかも良質大型の結晶体を極めて容易に製造し得
られる優れた効果を有する。
図面はFZ法の概念図である。
1:シヤフト、2:ホルダー、3:原料棒、
4:種子棒、5:結晶、6:溶融帯、7:高周波
コイル。
4:種子棒、5:結晶、6:溶融帯、7:高周波
コイル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 タングステン・カーバイド原料棒の一部分を
加熱して溶融帯を形成し、該溶融帯を移動させて
タングステン・カーバイドの結晶体を製造する所
謂フローテイング・ゾーン法による製造法におい
て、該溶融帯の組成をタングステン・カーバイド
の固相と平衡共存するタングステン、カーボン及
びボロンからなる液相組成とし、結晶を育成する
ことを特徴とするタングステン・カーバイドの結
晶体の製造法。 2 タングステン、カーボン及びボロンからなる
液相組成がモル比でW:C:B=1:(0.4〜
1.0):(0.03〜0.50)からなる液相組成である特許
請求の範囲第1項記載のタングステン・カーバイ
ドの結晶体の製造法。 3 タングステン・カーバイド原料棒の組成比
を、予めタングステンに対するカーボン及びボロ
ンの割合を調整する特許請求の範囲第1項記載の
タングステン・カーバイドの結晶体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18707885A JPS6247000A (ja) | 1985-08-26 | 1985-08-26 | タングステン・カ−バイドの結晶体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18707885A JPS6247000A (ja) | 1985-08-26 | 1985-08-26 | タングステン・カ−バイドの結晶体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6247000A JPS6247000A (ja) | 1987-02-28 |
JPH027919B2 true JPH027919B2 (ja) | 1990-02-21 |
Family
ID=16199746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18707885A Granted JPS6247000A (ja) | 1985-08-26 | 1985-08-26 | タングステン・カ−バイドの結晶体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6247000A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10043792A1 (de) * | 2000-09-06 | 2002-03-14 | Starck H C Gmbh | Ultragrobes, einkristallines Wolframkarbid und Verfahren zu dessen Herstellung; und daraus hergestelltes Hartmetall |
GB2509790B (en) * | 2013-03-27 | 2015-02-25 | Hardide Plc | Superabrasive material with protective adhesive coating and method for producing said coating |
-
1985
- 1985-08-26 JP JP18707885A patent/JPS6247000A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6247000A (ja) | 1987-02-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |