JPH0251606A - 軸力制御可能な締結装置および締結方法 - Google Patents
軸力制御可能な締結装置および締結方法Info
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- JPH0251606A JPH0251606A JP20208188A JP20208188A JPH0251606A JP H0251606 A JPH0251606 A JP H0251606A JP 20208188 A JP20208188 A JP 20208188A JP 20208188 A JP20208188 A JP 20208188A JP H0251606 A JPH0251606 A JP H0251606A
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- Japan
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- nut
- bolt
- axial force
- tapered
- tightening
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は複数の被締結部材を重ね合わせて締結する締結
装置および締結方法に関するものであり、特に、締結軸
力の制御が可能な締結装置および締結方法に関するもの
である。
装置および締結方法に関するものであり、特に、締結軸
力の制御が可能な締結装置および締結方法に関するもの
である。
従来の技術
従来から使用されている締結装置の一種に第8図に示す
ものがある。この締結装置は、(a)複数(図において
は2枚)の被締結部材100の貫通孔102に挿通され
るボルト104と、b)そのボルト104の軸部106
に形成された雄ねじに螺合されるナツト108と、(C
)そのナツト108を受けるナツト受部材110とから
構成されている。
ものがある。この締結装置は、(a)複数(図において
は2枚)の被締結部材100の貫通孔102に挿通され
るボルト104と、b)そのボルト104の軸部106
に形成された雄ねじに螺合されるナツト108と、(C
)そのナツト108を受けるナツト受部材110とから
構成されている。
ナツト108の座部112は、その座面114がナツト
108の軸心に直角に形成されており、ナツト受部材1
10に形成されたボルト挿通用の貫通孔116の周囲の
ナツト側平面118に着座するようになっている。被締
結部材100の締結時には、ポルl−104の軸部10
6を被締結部材100の貫通孔102およびナツト受部
材110の貫通孔116に挿通し、雄ねじに螺合された
ナツト108を回転させれば、ナツト108の座面11
4とナツト受部材110のナツト側平面118とが密着
して被締結部材100を締め付ける。
108の軸心に直角に形成されており、ナツト受部材1
10に形成されたボルト挿通用の貫通孔116の周囲の
ナツト側平面118に着座するようになっている。被締
結部材100の締結時には、ポルl−104の軸部10
6を被締結部材100の貫通孔102およびナツト受部
材110の貫通孔116に挿通し、雄ねじに螺合された
ナツト108を回転させれば、ナツト108の座面11
4とナツト受部材110のナツト側平面118とが密着
して被締結部材100を締め付ける。
この締結装置により常に一定の軸力で被締結物を締結す
る方法として、トルク締付法およびトルク勾配法がある
。
る方法として、トルク締付法およびトルク勾配法がある
。
トルク締付法は、締付トルクが一定値に達したとき締付
けを停止することにより一定の軸力を得る方法である。
けを停止することにより一定の軸力を得る方法である。
上記締締装置のボルト104の軸力とナラ!−108の
締付トルクとの関係を第2図に破線で示す。このグラフ
においてナツト108の締付トルクを一定値T1に設定
すれば、ボルト104の軸力N、が得られる。
締付トルクとの関係を第2図に破線で示す。このグラフ
においてナツト108の締付トルクを一定値T1に設定
すれば、ボルト104の軸力N、が得られる。
トルク勾配法は、締付トルクとボルトの軸力との関係を
示す特性線の勾配が一定ではなくなったとき締付けを停
止することにより、一定の軸力を得る方法である。第3
図に破線で示すグラフは、締付トルクをナツト108を
回転させるためのモータへの供給電流iに、ボルト10
4の軸力をナツト108の回転角θにそれぞれ置換し、
電流iとナツト10Bの回転角θとの関係を示すもので
ある。このグラフにおいて、電流iの増分とナツト回転
角θの増分が比例する状態では、iとθとの関係は、 i=aθ+b(a、bは定数) で表される直線となり、その勾配の変化率は、となる。
示す特性線の勾配が一定ではなくなったとき締付けを停
止することにより、一定の軸力を得る方法である。第3
図に破線で示すグラフは、締付トルクをナツト108を
回転させるためのモータへの供給電流iに、ボルト10
4の軸力をナツト108の回転角θにそれぞれ置換し、
電流iとナツト10Bの回転角θとの関係を示すもので
ある。このグラフにおいて、電流iの増分とナツト回転
角θの増分が比例する状態では、iとθとの関係は、 i=aθ+b(a、bは定数) で表される直線となり、その勾配の変化率は、となる。
それに対して、ボルト104が耐力点Aに達すると、電
流iとナツト108の回転角θとが比例しなくなる。ボ
ルト104は耐力点Aから降伏し始めるためナツト10
8が回転し易くなり、特性線の勾配が変化するのである
。この耐力点A以降における勾配の変化率は となるため、勾配の変化率が一定値に達したとき締付け
を停止すれば、軸力が耐力点A付近の一定値となる。
流iとナツト108の回転角θとが比例しなくなる。ボ
ルト104は耐力点Aから降伏し始めるためナツト10
8が回転し易くなり、特性線の勾配が変化するのである
。この耐力点A以降における勾配の変化率は となるため、勾配の変化率が一定値に達したとき締付け
を停止すれば、軸力が耐力点A付近の一定値となる。
発明が解決しようとする課題
しかしながら、従来の締結装置においては、トルク締付
法によった場合には軸力の誤差が大きくなるという問題
があった。締付トルクの測定値に誤差が生じた場合に、
軸力が大きく変化してしまうのである。第2図のグラフ
において、締付トルクT1として測定された締付トルク
が電流計に生じた誤差等により実際にはT ′+であっ
た場合には、軸力が所定の値N、よりも高いN ’ s
となってしまうのであり、逆に実際の締付トルクがT。
法によった場合には軸力の誤差が大きくなるという問題
があった。締付トルクの測定値に誤差が生じた場合に、
軸力が大きく変化してしまうのである。第2図のグラフ
において、締付トルクT1として測定された締付トルク
が電流計に生じた誤差等により実際にはT ′+であっ
た場合には、軸力が所定の値N、よりも高いN ’ s
となってしまうのであり、逆に実際の締付トルクがT。
よりも小さい値になった場合には軸力が低くなって所定
の軸力N3が得られず、締付けが不十分となってしまう
のである。また、締結装置の製造段階において、ボルト
ナツト、ナツト受部材等の摩擦係数が製造ロフト間に
おいてばらつくことを避は得ず、温度や湿度にも左右さ
れ易く、経時変化が生ずる場合もある。特に、ボルトと
ナツト間およびナツトとナツト受部材間の摩擦係数は締
付トルクに大きな影響を及ぼすため、各締結装置間にお
ける摩擦力の相違により締付トルクと軸力との関係が異
なり、一定の締付トルクによって適正な軸力を得ること
ができない場合があるという問題があった。
の軸力N3が得られず、締付けが不十分となってしまう
のである。また、締結装置の製造段階において、ボルト
ナツト、ナツト受部材等の摩擦係数が製造ロフト間に
おいてばらつくことを避は得ず、温度や湿度にも左右さ
れ易く、経時変化が生ずる場合もある。特に、ボルトと
ナツト間およびナツトとナツト受部材間の摩擦係数は締
付トルクに大きな影響を及ぼすため、各締結装置間にお
ける摩擦力の相違により締付トルクと軸力との関係が異
なり、一定の締付トルクによって適正な軸力を得ること
ができない場合があるという問題があった。
また、トルク勾配法には適用可能な場合が限られるとい
う問題があった。通常のボルト、ナツトの組み合わせに
おいては、勾配変化が生ずるのがボルトの耐力点Aの近
傍に限られるため、ボルトの目標軸力が弾性域内に設定
される場合にはトルク勾配法を適用することができない
のである。
う問題があった。通常のボルト、ナツトの組み合わせに
おいては、勾配変化が生ずるのがボルトの耐力点Aの近
傍に限られるため、ボルトの目標軸力が弾性域内に設定
される場合にはトルク勾配法を適用することができない
のである。
そこで、本発明は、締付トルクの測定誤差および各締結
装置間の摩擦係数のばらつきに左右されず、かつ、ボル
トの軸力が弾性域から耐力点近傍までのどこに設定され
た場合でも、常に適正なボルト軸力を得ることが可能な
締結装置および締結方法を得ることを課題として為され
たものである。
装置間の摩擦係数のばらつきに左右されず、かつ、ボル
トの軸力が弾性域から耐力点近傍までのどこに設定され
た場合でも、常に適正なボルト軸力を得ることが可能な
締結装置および締結方法を得ることを課題として為され
たものである。
課題を解決するための手段
そのために、本発明に係る締結装置は、(a)複数の被
締結部材の貫通孔に挿通されるボルトと、ら)そのボル
トの軸部に形成された雄ねじに螺合され、座部が30°
〜85°の勾配角度のテーパ突部とされたナツトと、(
C)そのナツトの座部とほぼ同勾配角度のテーパ穴を有
し、そのテーパ穴のテーパ面でテーパ突部を受けるナツ
ト受部材とを含むように構成され、かつ、ナツトのテー
パ突部が締結時にナツト受部材よりも早く降伏して縮径
するとともに、そのナツト降伏時にはボルトが破断する
に至らないように、ナツト、ナツト受部材およびボルト
の強度が決定される。ここにおいて、座部の勾配角度と
は、座面であるテーパ面がボルトの軸心に直角な平面に
対してなす角度である。
締結部材の貫通孔に挿通されるボルトと、ら)そのボル
トの軸部に形成された雄ねじに螺合され、座部が30°
〜85°の勾配角度のテーパ突部とされたナツトと、(
C)そのナツトの座部とほぼ同勾配角度のテーパ穴を有
し、そのテーパ穴のテーパ面でテーパ突部を受けるナツ
ト受部材とを含むように構成され、かつ、ナツトのテー
パ突部が締結時にナツト受部材よりも早く降伏して縮径
するとともに、そのナツト降伏時にはボルトが破断する
に至らないように、ナツト、ナツト受部材およびボルト
の強度が決定される。ここにおいて、座部の勾配角度と
は、座面であるテーパ面がボルトの軸心に直角な平面に
対してなす角度である。
また、この締結装置を用いた締結方法は、ボルトの軸部
を前記被締結部材およびナツト受部材に挿通し、前記雄
ねじに前記ナツトを螺合し、ボルトとナツトとを相対回
転させて締付けを行い、締付トルクの増分に対するボル
トの軸力の増分がそれまでより小さくなった状態で締付
けを停止するものである。
を前記被締結部材およびナツト受部材に挿通し、前記雄
ねじに前記ナツトを螺合し、ボルトとナツトとを相対回
転させて締付けを行い、締付トルクの増分に対するボル
トの軸力の増分がそれまでより小さくなった状態で締付
けを停止するものである。
作用および効果
上記構成の締結装置においては、ナツトの座部がテーパ
突部とされ、ナツト受部材に形成されたテーパ穴のテー
パ面で受けられるようになっているため、ボルトの軸力
が増大するにつれてテーパ突部がテーパ穴内に強く押し
込まれ、ボルトが耐力点に到達する以前にナツト受部材
の圧縮力によりナツトのテーパ突部がテーパ穴内で降伏
し、縮径する。そのため、締付トルクの増分に対するボ
ルトの軸力の増分がそれまでより小さくなる。
突部とされ、ナツト受部材に形成されたテーパ穴のテー
パ面で受けられるようになっているため、ボルトの軸力
が増大するにつれてテーパ突部がテーパ穴内に強く押し
込まれ、ボルトが耐力点に到達する以前にナツト受部材
の圧縮力によりナツトのテーパ突部がテーパ穴内で降伏
し、縮径する。そのため、締付トルクの増分に対するボ
ルトの軸力の増分がそれまでより小さくなる。
したがって、目標締付トルクを、ボルト軸力の増分が小
さくなる領域内に設定すれば、締付トルクの測定誤差に
殆ど左右されず、トルク締付法によって常にほぼ一定の
軸力を得ることができることとなる。また、ボルトの軸
力の増分が小さくなる際には、締付トルクとボルト軸力
との関係を示す特性線の勾配が大きく変化するため、ボ
ルトの軸力が耐′力点より低い領域においてトルク勾配
法を適用することができる。
さくなる領域内に設定すれば、締付トルクの測定誤差に
殆ど左右されず、トルク締付法によって常にほぼ一定の
軸力を得ることができることとなる。また、ボルトの軸
力の増分が小さくなる際には、締付トルクとボルト軸力
との関係を示す特性線の勾配が大きく変化するため、ボ
ルトの軸力が耐′力点より低い領域においてトルク勾配
法を適用することができる。
また、従来の締結装置においては、締結装置構成部材間
のg振力の変化に基づく締付トルクのばらつきが大きく
、これも一定の軸力が得られない理由の一つであったの
であるが、本発明によれば、後に詳述する理由によって
この摩擦力の変化の影響も小さくでき、この点からも軸
力を一定にし得ることとなる。
のg振力の変化に基づく締付トルクのばらつきが大きく
、これも一定の軸力が得られない理由の一つであったの
であるが、本発明によれば、後に詳述する理由によって
この摩擦力の変化の影響も小さくでき、この点からも軸
力を一定にし得ることとなる。
しかも、ナツトの降伏時期は、テーパ突部およびテーパ
穴のテーパ面の勾配角度やナツトの材料強度を変えるこ
とにより適宜変更することができるため、軸力を任意の
大きさに設定することができ、ボルトの締め過ぎや締付
不足を良好に回避することができる。
穴のテーパ面の勾配角度やナツトの材料強度を変えるこ
とにより適宜変更することができるため、軸力を任意の
大きさに設定することができ、ボルトの締め過ぎや締付
不足を良好に回避することができる。
実施例
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、2枚の被締結部材10にはそれぞれ貫
通孔12が設けられており、ボルト14の軸部16が挿
通されている。軸部16には雄ねじが形成され、これに
ナツト18が螺合されてボルト14の頭部19と共同し
て2枚の被締結部材lOを挟んで締め付けるようにされ
ている。軸部16の先端には反力支持部20が設けられ
、その外周面には軸方向に延びる溝22が適数本形成さ
れている。すなわち、本実施例においては、反力支持部
20に工具が係合させられてポル)14が固定された状
態でナツト18が回転させられることにより、締付けが
行われるようになっているのである8反力支持部20と
軸部16との間には両者より小径の狭窄部24が形成さ
れている。
通孔12が設けられており、ボルト14の軸部16が挿
通されている。軸部16には雄ねじが形成され、これに
ナツト18が螺合されてボルト14の頭部19と共同し
て2枚の被締結部材lOを挟んで締め付けるようにされ
ている。軸部16の先端には反力支持部20が設けられ
、その外周面には軸方向に延びる溝22が適数本形成さ
れている。すなわち、本実施例においては、反力支持部
20に工具が係合させられてポル)14が固定された状
態でナツト18が回転させられることにより、締付けが
行われるようになっているのである8反力支持部20と
軸部16との間には両者より小径の狭窄部24が形成さ
れている。
一方、ナラ)18の座部は、勾配角度θが約50度のテ
ーパ突部26とされており、被締結部材10とナツト1
8との間には、ナツト受部材たる座金28が設けられて
いる。座金28の中央部には、ナツト18に向かって開
いたテーバ穴30が形成されている。テーパ穴30はテ
ーパ突部26と同じ約50度の勾配角度のテーパ面32
を備えており、締付時にテーパ面32でナツト18のテ
ーパ突部26を受けるようにされている。
ーパ突部26とされており、被締結部材10とナツト1
8との間には、ナツト受部材たる座金28が設けられて
いる。座金28の中央部には、ナツト18に向かって開
いたテーバ穴30が形成されている。テーパ穴30はテ
ーパ突部26と同じ約50度の勾配角度のテーパ面32
を備えており、締付時にテーパ面32でナツト18のテ
ーパ突部26を受けるようにされている。
これらボルト14.ナラ)18および座金28を含む締
結装置において、トルク締付法に基づく被締結部材10
の締結は、次のようにして行われる。なお、締付トルク
は、第2図においてT3に設定されているものとする。
結装置において、トルク締付法に基づく被締結部材10
の締結は、次のようにして行われる。なお、締付トルク
は、第2図においてT3に設定されているものとする。
まず、ポル)14の軸部16を2枚の被締結部材10お
よび座金28に挿通し、雄ねじにナツト18を螺合する
。次に、ボルト14の反力支持部20とナツト18とに
工具を係合させ、反力支持部20を固定してナツト18
を回転させれば、ナツト18のテーパ突部26が座金2
8のテーパ穴30内へ進入してテーパ面32に受けられ
る。その後は、第2図に実線で示すグラフの直線部分の
ように、締付トルクの増大に比例してボルト14の軸力
が増大する。ボルト軸力が締付トルクTIに相当する大
きさに達すると、座金28の圧縮力によってナツト18
のテーパ突部26がテーバ穴30内で降伏し、縮径する
。すなわち、テーパ突部26は座金28よりも早く降伏
するようにその強度が定められているのである。したが
って、締付トルクがT3まで増大する間ボルト14の軸
力が殆ど変化しない。そして、締付トルクがT、に達す
れば、狭窄部24がねじり破断するため、それに応じて
締付けを停止することにより、締結が完了する。
よび座金28に挿通し、雄ねじにナツト18を螺合する
。次に、ボルト14の反力支持部20とナツト18とに
工具を係合させ、反力支持部20を固定してナツト18
を回転させれば、ナツト18のテーパ突部26が座金2
8のテーパ穴30内へ進入してテーパ面32に受けられ
る。その後は、第2図に実線で示すグラフの直線部分の
ように、締付トルクの増大に比例してボルト14の軸力
が増大する。ボルト軸力が締付トルクTIに相当する大
きさに達すると、座金28の圧縮力によってナツト18
のテーパ突部26がテーバ穴30内で降伏し、縮径する
。すなわち、テーパ突部26は座金28よりも早く降伏
するようにその強度が定められているのである。したが
って、締付トルクがT3まで増大する間ボルト14の軸
力が殆ど変化しない。そして、締付トルクがT、に達す
れば、狭窄部24がねじり破断するため、それに応じて
締付けを停止することにより、締結が完了する。
この締結装置においては、締付トルクT、の測定に誤差
が生じても、その誤差が±(T、−Tυ/2以内(この
領域を軸カ一定領域と称する)であれば、ボルト14の
軸力はN、からNtまでの範囲におさまり、良好に締付
けを行うことができる。しかも、ナツト18の降伏時に
はボルト14が耐力点に達しないようにボルト14の強
度が決定されているため、ボルト14が破断する恐れが
ないのである。
が生じても、その誤差が±(T、−Tυ/2以内(この
領域を軸カ一定領域と称する)であれば、ボルト14の
軸力はN、からNtまでの範囲におさまり、良好に締付
けを行うことができる。しかも、ナツト18の降伏時に
はボルト14が耐力点に達しないようにボルト14の強
度が決定されているため、ボルト14が破断する恐れが
ないのである。
このように目標締付トルクを軸カ一定領域の中央に設定
すれば、その締付トルクの測定に誤差が生じてもボルト
14の軸力は殆ど変化せず、はぼ一定の軸力が得られる
のであるが、それとともに異なる締結装置間の摩擦係数
のばらつきの影響を小さくすることができる。その理由
を以下に詳述する。
すれば、その締付トルクの測定に誤差が生じてもボルト
14の軸力は殆ど変化せず、はぼ一定の軸力が得られる
のであるが、それとともに異なる締結装置間の摩擦係数
のばらつきの影響を小さくすることができる。その理由
を以下に詳述する。
従来装置の締付トルクTは次式で表される。
T=T+ +Tz +T3
’r+ =fCN、d、、α)
T2 =f(N、 d l、μm)
’rz =f(N、 d 、、μ2)
ただし、
T、:ボルトの雄ねじの勾配に基づくトルクT! −ナ
ツトとボルトとの螺合部の摩擦力に基づく トルク T:I :ナットとナツト受部材との間の摩擦力に基づ
くトルク N :ボルトの軸力 d、:ボルトの呼び径 α :雄ねじのリード角 μl :ナットとボルトとの螺合部の摩擦係数d2 :
ナットの座面の外径と内径との平均径μ2 :ナットと
ナツト受部材との間の摩擦係数上記各変数のうち、α+
dl、dZを一定に管理することは容易なのであるが、
摩擦係数μm。
ツトとボルトとの螺合部の摩擦力に基づく トルク T:I :ナットとナツト受部材との間の摩擦力に基づ
くトルク N :ボルトの軸力 d、:ボルトの呼び径 α :雄ねじのリード角 μl :ナットとボルトとの螺合部の摩擦係数d2 :
ナットの座面の外径と内径との平均径μ2 :ナットと
ナツト受部材との間の摩擦係数上記各変数のうち、α+
dl、dZを一定に管理することは容易なのであるが、
摩擦係数μm。
μ2を一定に管理することは容易ではない。したがって
、従来の締結装置においてはこれら両摩擦係数μm、μ
2の変化によりトルクT z 、 ’r” 3の値が変
わり、締付トルクTと軸力Nとの関係が変動するのであ
る。
、従来の締結装置においてはこれら両摩擦係数μm、μ
2の変化によりトルクT z 、 ’r” 3の値が変
わり、締付トルクTと軸力Nとの関係が変動するのであ
る。
それに対して、本発明の締結装置においては、ナツト1
8のテーパ突部42が降伏する時期によってボルト軸力
がほぼ一義的に決まるのであり、そのボルト軸力N、は
次式で表される。
8のテーパ突部42が降伏する時期によってボルト軸力
がほぼ一義的に決まるのであり、そのボルト軸力N、は
次式で表される。
N5=fCμ3、S、β)
ただし、
μ3 :ナットとナツト受部材との間の摩擦係数S :
ナットの降伏点 β :ナットのテーパ突部の勾配角度 従来の締結装置においては、前述のようにボルト軸力が
2つの摩擦係数μm、μ2の影響を受けて変動するのに
対し、本実施例の締結装置においては、ボルト軸力がナ
ツト18の材料の降伏点Sと摩擦係数μ、との影響を受
けて変動するのである。そして、降伏点Sには多少のば
らつきが生ずるものの、摩擦係数μm、μ2.μ1等に
比較すれば一定に管理し易いものである。そのため、ナ
ツトの強度管理と形状管理とをきちんと行いさえすれば
、第4図および第5図に示すように、軸カ一定領域にお
けるボルト軸力のばらつきが従来の締結装置におけるば
らつきより小さくなり、本実施例の締結装置における方
が従来の締結装置におけるより異なる締結装置間の摩擦
係数のばらつきの影響を小さくすることができるのであ
る。
ナットの降伏点 β :ナットのテーパ突部の勾配角度 従来の締結装置においては、前述のようにボルト軸力が
2つの摩擦係数μm、μ2の影響を受けて変動するのに
対し、本実施例の締結装置においては、ボルト軸力がナ
ツト18の材料の降伏点Sと摩擦係数μ、との影響を受
けて変動するのである。そして、降伏点Sには多少のば
らつきが生ずるものの、摩擦係数μm、μ2.μ1等に
比較すれば一定に管理し易いものである。そのため、ナ
ツトの強度管理と形状管理とをきちんと行いさえすれば
、第4図および第5図に示すように、軸カ一定領域にお
けるボルト軸力のばらつきが従来の締結装置におけるば
らつきより小さくなり、本実施例の締結装置における方
が従来の締結装置におけるより異なる締結装置間の摩擦
係数のばらつきの影響を小さくすることができるのであ
る。
本締結装置を用いて、トルク勾配法により締結を行うこ
とも可能である。トルク勾配法は、従来装置においては
、ボルト14の耐力点A近傍においてしか適用し得なか
ったのであるが、本締結装置によれば、第2図に実線で
示すように、ボルト14が耐力点Aに達する以前に、ナ
ツト18の降伏に伴う勾配の変化点Pが得られるため、
ここにトルク勾配法を適用することが可能なのであり、
ボルト14の弾性域内でトルク勾配法を適用して一定の
軸力を得ることができるのである。
とも可能である。トルク勾配法は、従来装置においては
、ボルト14の耐力点A近傍においてしか適用し得なか
ったのであるが、本締結装置によれば、第2図に実線で
示すように、ボルト14が耐力点Aに達する以前に、ナ
ツト18の降伏に伴う勾配の変化点Pが得られるため、
ここにトルク勾配法を適用することが可能なのであり、
ボルト14の弾性域内でトルク勾配法を適用して一定の
軸力を得ることができるのである。
また、本実施例においては、テーバ突部26とテーパ穴
30のテーパ面32とのくさび効果による締結後のナツ
ト18の緩み止めの効果も得られる。
30のテーパ面32とのくさび効果による締結後のナツ
ト18の緩み止めの効果も得られる。
なお、本実施例では、ナツト受部材が座金28とされて
いたが、座金を省略して被締結部材にテーバ穴を形成し
、ナツトのテーバ突部を直接被締結部材に受けさせるこ
ともできる。
いたが、座金を省略して被締結部材にテーバ穴を形成し
、ナツトのテーバ突部を直接被締結部材に受けさせるこ
ともできる。
また、本発明のナツト18を第6図および第7図に示す
ものに変更することも可能である。第6図においてナツ
ト40の座部は、テーバ突部42とその先端から延びる
ストレート突部44とから成っている。ストレート突部
44の外径は座金46のテーパ穴48の小径部よりもわ
ずかに大きくされており(図には誇張して示されている
)、締付時に、第7図に示すように、テーパ面50の作
用によりストレート突部44が特に激しく縮径してボル
ト14を強く締め付けるのである。そのため、本発明の
効果が一層顕著に現れる。
ものに変更することも可能である。第6図においてナツ
ト40の座部は、テーバ突部42とその先端から延びる
ストレート突部44とから成っている。ストレート突部
44の外径は座金46のテーパ穴48の小径部よりもわ
ずかに大きくされており(図には誇張して示されている
)、締付時に、第7図に示すように、テーパ面50の作
用によりストレート突部44が特に激しく縮径してボル
ト14を強く締め付けるのである。そのため、本発明の
効果が一層顕著に現れる。
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形。
改良を施した態様で、本発明を実施することができる。
第1図は、本発明の一実施例である締結装置を示す正面
断面図である。第2図は、上記締結装置における締付ト
ルクと軸力との関係を示すグラフであり、第3図は同じ
くナツト回転角と締結装置のモータ電流との関係を示す
グラフである。第4図は複数の締結装置における第2図
と同様の図であり、第5図は第3図と同様の図である。 第6図および第7図は本発明の別の実施例であるナット
の締付前と後との状態を示す正面断面図であり、第8図
は従来の締結装置を示す正面断面図である。 10:被締結部材 12:貫通孔14:ボルト
16:軸部 18:ナツト 26:テーバ突部:座金 :テーパ面 ニテーパ突部 :テーパ穴 =1−ハノ( :ナット :座金 :テーパ面
断面図である。第2図は、上記締結装置における締付ト
ルクと軸力との関係を示すグラフであり、第3図は同じ
くナツト回転角と締結装置のモータ電流との関係を示す
グラフである。第4図は複数の締結装置における第2図
と同様の図であり、第5図は第3図と同様の図である。 第6図および第7図は本発明の別の実施例であるナット
の締付前と後との状態を示す正面断面図であり、第8図
は従来の締結装置を示す正面断面図である。 10:被締結部材 12:貫通孔14:ボルト
16:軸部 18:ナツト 26:テーバ突部:座金 :テーパ面 ニテーパ突部 :テーパ穴 =1−ハノ( :ナット :座金 :テーパ面
Claims (2)
- (1)複数の被締結部材を重ね合わせて締結する装置で
あって、 それら複数の被締結部材の貫通孔に挿通されるボルトと
、 そのボルトの軸部に形成された雄ねじに螺合され、座部
が30°〜85°の勾配角度のテーパ突部とされたナッ
トと、 そのナットの座部とほぼ同勾配角度のテーパ穴を有し、
そのテーパ穴のテーパ面で前記テーパ突部を受けるナッ
ト受部材と を含み、かつ、前記ナットのテーパ突部が締結時に前記
ナット受部材よりも早く降伏して縮径するとともに、そ
のナット降伏時には前記ボルトが破断するに至らないよ
うに、ナット、ナット受部材およびボルトの強度が決定
されたことを特徴とする軸力制御可能な締結装置。 - (2)請求項1記載の締結装置により複数の被締結部材
を重ね合わせて締結する方法であって、前記ボルトの軸
部を前記被締結部材およびナット受部材に挿通し、前記
雄ねじに前記ナットを螺合し、ボルトとナットとを相対
回転させて締付けを行い、締付トルクの増分に対するボ
ルトの軸力の増分がそれまでより小さくなった状態で締
付けを停止することを特徴とする締結方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20208188A JPH0251606A (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 軸力制御可能な締結装置および締結方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20208188A JPH0251606A (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 軸力制御可能な締結装置および締結方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0251606A true JPH0251606A (ja) | 1990-02-21 |
Family
ID=16451647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20208188A Pending JPH0251606A (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 軸力制御可能な締結装置および締結方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0251606A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5586851A (en) * | 1994-06-23 | 1996-12-24 | Fischerwerke, Artur Fischer Gmbh & Co Kg | Prestress-monitoring element for screw-type anchors |
US6086479A (en) * | 1998-01-30 | 2000-07-11 | Bayside Controls, Inc. | Alignment device |
JP2002372021A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-26 | Daiwa House Ind Co Ltd | ボルト締結構造 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5138159B1 (ja) * | 1971-07-14 | 1976-10-20 | ||
JPS5533493A (en) * | 1978-08-25 | 1980-03-08 | Ciba Geigy Ag | Metal salt complex*its use as adhesion aid* curable elastomer containing said complex and method of adhering said curable elastomer to metal surface |
-
1988
- 1988-08-12 JP JP20208188A patent/JPH0251606A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5138159B1 (ja) * | 1971-07-14 | 1976-10-20 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6086479A (en) * | 1998-01-30 | 2000-07-11 | Bayside Controls, Inc. | Alignment device |
JP2002372021A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-26 | Daiwa House Ind Co Ltd | ボルト締結構造 |
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