JPH0235693B2 - - Google Patents
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- JPH0235693B2 JPH0235693B2 JP57195683A JP19568382A JPH0235693B2 JP H0235693 B2 JPH0235693 B2 JP H0235693B2 JP 57195683 A JP57195683 A JP 57195683A JP 19568382 A JP19568382 A JP 19568382A JP H0235693 B2 JPH0235693 B2 JP H0235693B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、FeおよびPbを少くとも含むZn含有
物からの塩基性炭酸亜鉛(以下、炭酸亜鉛とい
う)の回収方法に関する。 〔従来の技術と背景〕 塗料の顔料やタイヤの加硫促進剤として用いら
れる酸化亜鉛(ZnO)は一般に次のような製法に
よつて得られる。 (1) 乾式法 この乾式法には、亜鉛地金を原料とするフラ
ンス法と、亜鉛鉱石から製造するアメリカ法と
がある。フランス法は、亜鉛地金をるつぼに入
れ約1000℃に加熱気化し、熱空気で酸化するも
のである。他方、アメリカ法は、(ZnMn)
FeO4などの揮発分の少い鉱石に、石炭などの
還元剤を加え、レトルトまたは反射炉等で焙焼
すると亜鉛が還元されて蒸気となつて揮発する
ので、これを熱空気で酸化するものである。 (2) 湿式法 この湿式法は、金属亜鉛を塩酸に溶解し、20
度ボーメとし、これに20度ボーメの炭酸ソーダ
溶液を加え、炭酸亜鉛を沈澱させ、これを水洗
乾燥後約600℃で〓成するものである。 一方、製鉄所設備、たとえば還元鉄設備のキル
ンダストからZnOとして回収することが行なわれ
ている。そのキルンダスト等の添加物において
は、亜鉛:7〜50%、鉄:90〜45%、鉛:2〜8
%、およびその他の成分を含んでおり、いずれも
酸化物の割合が多い。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このZn含有物を原料とし、ZnOを得るような
場合、前記の乾式法を採用すると、ダスト中の鉄
は粉塵となつて外部に飛散し、鉛は蒸発し製品に
数千PPM混入してしまう。また湿式法によると、
ダストを塩酸に溶解すると、鉄も溶解し、それが
数万PPMとなり商品となり得ない。 一般に、鉄、鉛分が数千PPMであつても用途
によつては支障がないことがあるが、用途によつ
て100PPM以下が望まれることが多い。 本発明は、このような要請に答え、少くとも
Fe、Pbを含むZn含有物からFe、Pb分を極力少
い炭酸亜鉛を得て、そのままメツキ用として、あ
るいはさらに焼成してZnO等の原料とする回収方
法を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本第1発明は、少
くともFe、Pbを含むZn含有物を、少くともそれ
ぞれ5〜40wt%のNH4OHおよび(NH4)2CO3を
含む水溶液と接触させて、該溶液にZnを溶解さ
せるとともに、この溶解過程で金属亜鉛を添加
し、Znの溶解によつて生ずる未溶解残渣を除去
し、次いで溶解処理後の溶液について、金属亜鉛
を添加し、金属亜鉛と不純物との間にイオン置換
反応を行ない残渣分を除去した後、炭酸亜鉛の結
晶化を行うことを特徴とするものである。 また本第2発明は、少くともFe、Pbを含むZn
含有物を、少くともそれぞれ5〜40wt%の
NH4OHおよび(NH4)2CO3を含む水溶液と接触
させて、該溶液にZnを溶解させるとともに、こ
の溶解過程で金属亜鉛を添加し、Znの溶解によ
つて生ずる未溶解残渣を除去し、次いで溶解処理
後の溶液について、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛
と不純物Fe、Pb等との間にイオン置換反応を行
ない、その後塩基性炭酸亜鉛の部分晶析を行な
い、溶液中に不純物として溶存する重金属イオン
の大部分を水酸化物および/または炭酸塩もしく
は塩基性炭酸塩として共沈させ、沈澱物を分別
し、その後その溶液について塩基性炭酸亜鉛の本
析出を行うことを特徴とするものである。 本第3発明は、少くともFe、Pbを含むZn含有
物を、少くともそれぞれ5〜40wt%のNH4OHお
よび(NH4)2CO3を含む水溶液と接触させて、該
溶液にZnを溶解させるとともに、この溶解過程
で金属亜鉛を添加し、Znの溶解によつて生ずる
未溶解残渣を除去し、その後溶解処理後の溶液に
気曝または酸化剤の添加により酸化処理を行い、
3価の水酸化鉄の除去を行い、次いでその溶液に
ついて、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物
Fe、Pb等との間にイオン置換反応を行ない、そ
の後塩基性炭酸亜鉛の部分晶析を行ない、溶液中
に不純物として溶存する重金属イオンの大部分を
水酸化物および/または炭酸塩もしくは塩基性炭
酸塩として共沈させ、沈澱物を分別し、その後そ
の溶液について塩基性炭酸亜鉛の本析出を行うこ
とを特徴とするものである。 さらに本第4発明は、少くともFe、Pbを含む
Zn含有物を、少くともそれぞれ5〜40wt%の
NH4OHおよび(NH4)2CO3を含む水溶液と接触
させて、該溶液にZnを溶解させるとともに、生
ずる残渣を除去した後、前晶析操作を行い、不純
物を除去し、得られる炭酸亜鉛溶液に対してZn
含有物の溶解を行い、この溶解過程で金属亜鉛を
添加し、Znの溶解によつて生ずる未溶解残渣を
除去し、次いで溶解処理後の溶液について、金属
亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物との間にイオン
置換反応を行ない残渣分を除去した後、炭塩亜鉛
の結晶化を行うことを特徴とするものである。 〔作用〕 このように、本発明は、湿式法を基本とするも
ので、亜鉛が両性金属であることに着目したもの
である。また基本的な考え方は、Zn含有物を溶
解液と接触させZnを溶解させ、亜鉛化合物を沈
澱させ、未溶解残渣を除去した残液を結晶化処理
することによつて炭酸亜鉛を、 〔ZnCO3〕2〔Zn(OH)2〕3および/またはZnCO3と
して回収しようとするものである。 前述のように、従来の湿式法は塩酸による溶解
であつた。そして従来の湿式法では、出発物質が
金属亜鉛単味であるが故に、不純物処理について
考慮を払わなくてよい。しかし、本発明は、Fe、
Pbを少くとも含む還元鉄設備のキルンダスト等
のZn含有物を対象とするので、いかに主にFe、
Pbを除去して不純物の少い炭酸亜鉛を得るかに
最大の注意を払わなくてはならない。 そこで、本発明は、Znが幸い両性金属である
が故に、Zn溶解液としてNH4OHと(NH4)2CO3
とを少くとも含む水溶液(以下溶解液という)が
適しているとの従来にない知見を基礎としてい
る。 本発明によれば、Zn含有物はまずZn溶解液と
接触され、Zn溶解が行なわれる。Zn含有物とZn
溶解液との接触は、たとえばZn溶解液槽にZn含
有物を投入し、必要ならば撹拌状態にて行う。こ
こに、Zn溶解を行い、Znを含有する前記溶解液
を以下に亜鉛溶液という。 一方、亜鉛溶液をそのまま晶析しても、得られ
る結晶体のFe分およびPb分の含有量は数千PPM
のオーダーとなり、実用に供し得ない。そこで
Znの溶解過程で金属亜鉛を添加すると、Fe分お
よびPb分ともにかなり低下することが認められ
ていたが、未だ高純度炭酸亜鉛を得ることができ
ない。 また、金属亜鉛の添加を行うことなしに得られ
た亜鉛溶液に対して、金属亜鉛を添加し、後に晶
析を行なうと、Fe分およびPb分の低下が認めら
れたが、未だ満足する高純度炭酸亜鉛を得ること
ができない。 これに対して、驚くべきことに、Znの溶解過
程で金属亜鉛の添加を行い残渣を除去した後の亜
鉛溶液に対して、さらに金属亜鉛を添加してZn
とFeおよびPbとのイオン置換反応を行なうと、
Fe分およびPb分の含有量が共に十分に満足でき
る程度に低下した高純度の炭酸亜鉛を得ることが
できることを知見した。 他方、イオン置換反応後の亜鉛溶液に対して、
部分晶析を行つた後、本晶析を行うと、高純度化
にきわめて有効であることが判明した。 また、特にFe分の含有量を低下させようとす
る場合、金属亜鉛添加を伴う溶解工程とイオン置
換反応工程との間に酸化処理工程を設けると、
Fe分が少い高純度炭酸亜鉛を得ることができる
ことも知見した。酸化処理は部分晶析を行う場合
に比較して、設備費の低減が可能となる。 またZnの溶解に先立つて、前晶析操作を行う
とともに、その晶析により不純物を結晶とともに
濾過した後の濾液(亜鉛溶液)に対して、Zn含
有物の溶解を行うと、より純度の高い製品結晶を
得ることができる。 〔実施例〕 以下種々の実施例を挙示しながら、本発明の構
成および作用効果について明らかにする。 実施例 1 Znの溶解に当つて、溶解液の濃度は重要なフ
アクターであり、NH4OHおよび(NH4)2CO3の
それぞれの濃度は、5〜40wt%、特に10〜30wt
%が好ましい。この理由は、次の実験1および2
を参照しながら説明する。 <実験1> アンモニアNH4OHと炭酸アンモニウム
(NH4)2CO3との濃度を種々変えながらある製鉄
所から得られたZn含有ダストのZn(OH)2の形で
の溶解度(単位:g/)を調べたところ、第1
表の結果を得た。
物からの塩基性炭酸亜鉛(以下、炭酸亜鉛とい
う)の回収方法に関する。 〔従来の技術と背景〕 塗料の顔料やタイヤの加硫促進剤として用いら
れる酸化亜鉛(ZnO)は一般に次のような製法に
よつて得られる。 (1) 乾式法 この乾式法には、亜鉛地金を原料とするフラ
ンス法と、亜鉛鉱石から製造するアメリカ法と
がある。フランス法は、亜鉛地金をるつぼに入
れ約1000℃に加熱気化し、熱空気で酸化するも
のである。他方、アメリカ法は、(ZnMn)
FeO4などの揮発分の少い鉱石に、石炭などの
還元剤を加え、レトルトまたは反射炉等で焙焼
すると亜鉛が還元されて蒸気となつて揮発する
ので、これを熱空気で酸化するものである。 (2) 湿式法 この湿式法は、金属亜鉛を塩酸に溶解し、20
度ボーメとし、これに20度ボーメの炭酸ソーダ
溶液を加え、炭酸亜鉛を沈澱させ、これを水洗
乾燥後約600℃で〓成するものである。 一方、製鉄所設備、たとえば還元鉄設備のキル
ンダストからZnOとして回収することが行なわれ
ている。そのキルンダスト等の添加物において
は、亜鉛:7〜50%、鉄:90〜45%、鉛:2〜8
%、およびその他の成分を含んでおり、いずれも
酸化物の割合が多い。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このZn含有物を原料とし、ZnOを得るような
場合、前記の乾式法を採用すると、ダスト中の鉄
は粉塵となつて外部に飛散し、鉛は蒸発し製品に
数千PPM混入してしまう。また湿式法によると、
ダストを塩酸に溶解すると、鉄も溶解し、それが
数万PPMとなり商品となり得ない。 一般に、鉄、鉛分が数千PPMであつても用途
によつては支障がないことがあるが、用途によつ
て100PPM以下が望まれることが多い。 本発明は、このような要請に答え、少くとも
Fe、Pbを含むZn含有物からFe、Pb分を極力少
い炭酸亜鉛を得て、そのままメツキ用として、あ
るいはさらに焼成してZnO等の原料とする回収方
法を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本第1発明は、少
くともFe、Pbを含むZn含有物を、少くともそれ
ぞれ5〜40wt%のNH4OHおよび(NH4)2CO3を
含む水溶液と接触させて、該溶液にZnを溶解さ
せるとともに、この溶解過程で金属亜鉛を添加
し、Znの溶解によつて生ずる未溶解残渣を除去
し、次いで溶解処理後の溶液について、金属亜鉛
を添加し、金属亜鉛と不純物との間にイオン置換
反応を行ない残渣分を除去した後、炭酸亜鉛の結
晶化を行うことを特徴とするものである。 また本第2発明は、少くともFe、Pbを含むZn
含有物を、少くともそれぞれ5〜40wt%の
NH4OHおよび(NH4)2CO3を含む水溶液と接触
させて、該溶液にZnを溶解させるとともに、こ
の溶解過程で金属亜鉛を添加し、Znの溶解によ
つて生ずる未溶解残渣を除去し、次いで溶解処理
後の溶液について、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛
と不純物Fe、Pb等との間にイオン置換反応を行
ない、その後塩基性炭酸亜鉛の部分晶析を行な
い、溶液中に不純物として溶存する重金属イオン
の大部分を水酸化物および/または炭酸塩もしく
は塩基性炭酸塩として共沈させ、沈澱物を分別
し、その後その溶液について塩基性炭酸亜鉛の本
析出を行うことを特徴とするものである。 本第3発明は、少くともFe、Pbを含むZn含有
物を、少くともそれぞれ5〜40wt%のNH4OHお
よび(NH4)2CO3を含む水溶液と接触させて、該
溶液にZnを溶解させるとともに、この溶解過程
で金属亜鉛を添加し、Znの溶解によつて生ずる
未溶解残渣を除去し、その後溶解処理後の溶液に
気曝または酸化剤の添加により酸化処理を行い、
3価の水酸化鉄の除去を行い、次いでその溶液に
ついて、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物
Fe、Pb等との間にイオン置換反応を行ない、そ
の後塩基性炭酸亜鉛の部分晶析を行ない、溶液中
に不純物として溶存する重金属イオンの大部分を
水酸化物および/または炭酸塩もしくは塩基性炭
酸塩として共沈させ、沈澱物を分別し、その後そ
の溶液について塩基性炭酸亜鉛の本析出を行うこ
とを特徴とするものである。 さらに本第4発明は、少くともFe、Pbを含む
Zn含有物を、少くともそれぞれ5〜40wt%の
NH4OHおよび(NH4)2CO3を含む水溶液と接触
させて、該溶液にZnを溶解させるとともに、生
ずる残渣を除去した後、前晶析操作を行い、不純
物を除去し、得られる炭酸亜鉛溶液に対してZn
含有物の溶解を行い、この溶解過程で金属亜鉛を
添加し、Znの溶解によつて生ずる未溶解残渣を
除去し、次いで溶解処理後の溶液について、金属
亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物との間にイオン
置換反応を行ない残渣分を除去した後、炭塩亜鉛
の結晶化を行うことを特徴とするものである。 〔作用〕 このように、本発明は、湿式法を基本とするも
ので、亜鉛が両性金属であることに着目したもの
である。また基本的な考え方は、Zn含有物を溶
解液と接触させZnを溶解させ、亜鉛化合物を沈
澱させ、未溶解残渣を除去した残液を結晶化処理
することによつて炭酸亜鉛を、 〔ZnCO3〕2〔Zn(OH)2〕3および/またはZnCO3と
して回収しようとするものである。 前述のように、従来の湿式法は塩酸による溶解
であつた。そして従来の湿式法では、出発物質が
金属亜鉛単味であるが故に、不純物処理について
考慮を払わなくてよい。しかし、本発明は、Fe、
Pbを少くとも含む還元鉄設備のキルンダスト等
のZn含有物を対象とするので、いかに主にFe、
Pbを除去して不純物の少い炭酸亜鉛を得るかに
最大の注意を払わなくてはならない。 そこで、本発明は、Znが幸い両性金属である
が故に、Zn溶解液としてNH4OHと(NH4)2CO3
とを少くとも含む水溶液(以下溶解液という)が
適しているとの従来にない知見を基礎としてい
る。 本発明によれば、Zn含有物はまずZn溶解液と
接触され、Zn溶解が行なわれる。Zn含有物とZn
溶解液との接触は、たとえばZn溶解液槽にZn含
有物を投入し、必要ならば撹拌状態にて行う。こ
こに、Zn溶解を行い、Znを含有する前記溶解液
を以下に亜鉛溶液という。 一方、亜鉛溶液をそのまま晶析しても、得られ
る結晶体のFe分およびPb分の含有量は数千PPM
のオーダーとなり、実用に供し得ない。そこで
Znの溶解過程で金属亜鉛を添加すると、Fe分お
よびPb分ともにかなり低下することが認められ
ていたが、未だ高純度炭酸亜鉛を得ることができ
ない。 また、金属亜鉛の添加を行うことなしに得られ
た亜鉛溶液に対して、金属亜鉛を添加し、後に晶
析を行なうと、Fe分およびPb分の低下が認めら
れたが、未だ満足する高純度炭酸亜鉛を得ること
ができない。 これに対して、驚くべきことに、Znの溶解過
程で金属亜鉛の添加を行い残渣を除去した後の亜
鉛溶液に対して、さらに金属亜鉛を添加してZn
とFeおよびPbとのイオン置換反応を行なうと、
Fe分およびPb分の含有量が共に十分に満足でき
る程度に低下した高純度の炭酸亜鉛を得ることが
できることを知見した。 他方、イオン置換反応後の亜鉛溶液に対して、
部分晶析を行つた後、本晶析を行うと、高純度化
にきわめて有効であることが判明した。 また、特にFe分の含有量を低下させようとす
る場合、金属亜鉛添加を伴う溶解工程とイオン置
換反応工程との間に酸化処理工程を設けると、
Fe分が少い高純度炭酸亜鉛を得ることができる
ことも知見した。酸化処理は部分晶析を行う場合
に比較して、設備費の低減が可能となる。 またZnの溶解に先立つて、前晶析操作を行う
とともに、その晶析により不純物を結晶とともに
濾過した後の濾液(亜鉛溶液)に対して、Zn含
有物の溶解を行うと、より純度の高い製品結晶を
得ることができる。 〔実施例〕 以下種々の実施例を挙示しながら、本発明の構
成および作用効果について明らかにする。 実施例 1 Znの溶解に当つて、溶解液の濃度は重要なフ
アクターであり、NH4OHおよび(NH4)2CO3の
それぞれの濃度は、5〜40wt%、特に10〜30wt
%が好ましい。この理由は、次の実験1および2
を参照しながら説明する。 <実験1> アンモニアNH4OHと炭酸アンモニウム
(NH4)2CO3との濃度を種々変えながらある製鉄
所から得られたZn含有ダストのZn(OH)2の形で
の溶解度(単位:g/)を調べたところ、第1
表の結果を得た。
【表】
また、溶解液温度40℃のときの溶解度を第1図
に示す。 この第1図に着目すると、たとえばNH4OH=
171g/、(NH4)2CO3=100g/の溶液には、
亜鉛がZn(OH)2の形で140g/溶解する。 そこで、この実験につき、これに従う溶解度の
操作と共に考えてみると、Zn溶解液を加温およ
びまたは真空としてアンモニアを蒸発すると得ら
れる結晶は、塩基性炭酸亜鉛〔ZnCO3〕2〔Zn
(OH)2〕3であり、亜鉛の一部が炭酸と結合して析
出するので、溶液中の炭酸アンモニウム
(NH4)2CO3の濃度が減少し、溶解度状態は、同
図A→Bへの点線に沿つて移行し、Zn(OH)2の
溶解度が減少し、〔ZnCO3〕2〔Zn(OH)2〕3の結晶を
得ることができる。 またA点の溶解液にCO2ガスを吹込むと、水酸
化アンモニウムNH4OHと反応して、炭酸アンモ
ニウム(NH4)2CO3となるので、NH4OH濃度は
減少し、他方(NH4)2CO3濃度は増大するので、
溶解度状態はA→Cへの点線に沿つて移行し、
Zn(OH)2の溶解度は減少し、炭酸亜鉛の結晶を
得ることができる。 そして結晶量を多く得るためには、NH4OH濃
度変化に対してZn(OH)2の溶解度変化が最も大
きい所で行うのが有利であり、第1図では
(NH4)2CO3=200g/、NH4OH=171g/
の所からアンモニアを蒸発することにより炭酸亜
鉛を析出するのがよいことを示している。また
NH4OH濃度が高くたとえば300g/を超えた
り、低くたとえば50g/未満であると、析出量
が少いことが判る。このように、50g/未満で
は析出量が少いし、400g/特に300g/を超
えると、加えるZn溶解薬剤量に対する析出量の
割合が少く、薬剤量を多く使用することにより経
済的でなく、またあまり大量に溶解させてもその
場合にはアンモニアの蒸発量が多くなり熱的にみ
て経済的でない。さらに、第1図によると、
NH4OHまたは(NH4)2CO3単独では溶解度が低
く、両者の併用によることが望ましいことが判
る。 <実験2> NH4OH濃度を0〜300g/、(NH4)2CO3濃
度を0〜400g/に変化させた溶解20mlに、Zn
含有ダストを浸漬し、亜鉛を溶解後濾過し、濾液
を加熱しアンモニアを蒸発し〔ZnCO3〕2〔Zn
(OH)2〕3の結晶を得て、この中に含まれる不純物
としてのFe、Pbの量を分析した。 その結果を第2表に示す。
に示す。 この第1図に着目すると、たとえばNH4OH=
171g/、(NH4)2CO3=100g/の溶液には、
亜鉛がZn(OH)2の形で140g/溶解する。 そこで、この実験につき、これに従う溶解度の
操作と共に考えてみると、Zn溶解液を加温およ
びまたは真空としてアンモニアを蒸発すると得ら
れる結晶は、塩基性炭酸亜鉛〔ZnCO3〕2〔Zn
(OH)2〕3であり、亜鉛の一部が炭酸と結合して析
出するので、溶液中の炭酸アンモニウム
(NH4)2CO3の濃度が減少し、溶解度状態は、同
図A→Bへの点線に沿つて移行し、Zn(OH)2の
溶解度が減少し、〔ZnCO3〕2〔Zn(OH)2〕3の結晶を
得ることができる。 またA点の溶解液にCO2ガスを吹込むと、水酸
化アンモニウムNH4OHと反応して、炭酸アンモ
ニウム(NH4)2CO3となるので、NH4OH濃度は
減少し、他方(NH4)2CO3濃度は増大するので、
溶解度状態はA→Cへの点線に沿つて移行し、
Zn(OH)2の溶解度は減少し、炭酸亜鉛の結晶を
得ることができる。 そして結晶量を多く得るためには、NH4OH濃
度変化に対してZn(OH)2の溶解度変化が最も大
きい所で行うのが有利であり、第1図では
(NH4)2CO3=200g/、NH4OH=171g/
の所からアンモニアを蒸発することにより炭酸亜
鉛を析出するのがよいことを示している。また
NH4OH濃度が高くたとえば300g/を超えた
り、低くたとえば50g/未満であると、析出量
が少いことが判る。このように、50g/未満で
は析出量が少いし、400g/特に300g/を超
えると、加えるZn溶解薬剤量に対する析出量の
割合が少く、薬剤量を多く使用することにより経
済的でなく、またあまり大量に溶解させてもその
場合にはアンモニアの蒸発量が多くなり熱的にみ
て経済的でない。さらに、第1図によると、
NH4OHまたは(NH4)2CO3単独では溶解度が低
く、両者の併用によることが望ましいことが判
る。 <実験2> NH4OH濃度を0〜300g/、(NH4)2CO3濃
度を0〜400g/に変化させた溶解20mlに、Zn
含有ダストを浸漬し、亜鉛を溶解後濾過し、濾液
を加熱しアンモニアを蒸発し〔ZnCO3〕2〔Zn
(OH)2〕3の結晶を得て、この中に含まれる不純物
としてのFe、Pbの量を分析した。 その結果を第2表に示す。
【表】
結晶は、NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=
100g/の条件下での結晶は色も白く、収量操
作も易しいことが判つた。(NH4)2CO3濃度につ
いてみれば、200g/の条件下のものが、Fe、
Pb不純物含有量が多く、焼いた亜鉛華も掲色に
着色する。(NH4)2CO3濃度が100g/と200
g/とを比較すると、NH4OH濃度の低い方が
鉄不純物量が多くなつているのに対して、鉛不純
物量はNH4OH濃度が高い方が多くなつている。 NH4OHおよび(NH4)2CO3が共に300g/
の条件下では、Fe=108PPM、Pb=1120PPMと
なつて少くなり、(NH4)2CO3=400g/の条件
では、(NH4)2CO3がアンモニア水溶液に溶け難
くなり、下に未溶解の結晶が残る。不純物のFe
またはPbの何れに着目するかによつて各濃度を
選択するが、ともあれ各々50〜400g/、特に
50〜300g/の濃度が好ましい。 一方、前記説明で触れたように、炭酸亜鉛の結
晶化手段としては、未溶解残渣溶液を(1)加温また
は真空により、あるいはそれらの併用によりアン
モニアを蒸発させる方法、(2)前記溶液に直接CO2
ガスを吹込む方法、(3)(1)の方法の後にCO2ガスを
吹込む方法がある。(1)の場合には、〔ZnCO3〕2
〔Zn(OH)2〕3の形で、(2)に場合ZnCO3の形で、(3)
の場合両形態でそれぞれ炭酸亜鉛が得られる。 実施例 2 また、用途により不純物含有量を著しく嫌う場
合がある。この場合、本晶出に先立つて部分晶出
を行う次の方法が適していることが判つた。 この結論に至る過程で、本発明者は、(1)結晶析
出時不純物が結晶と共に析出するか否か、(2)それ
とも不純物は溶液中に溶解し、炭酸亜鉛を濾過す
るときに炭酸亜鉛結晶に付着するものか、(3)炭酸
亜鉛結晶が出はじめたときと最終に出る結晶とで
は不純物量が違うのか、(4)再結晶すれば不純物を
除去できるのか、(5)電気分解により不純物を除去
できるかをそれぞれ検討してみたが、経済性およ
び操作性などの点で、部分晶出方法が最適な方法
であることが判明した。 部分晶出法は具体的に次のように行う。まず、
Zn含有物を前述のZn溶解液と接触させ、Znを溶
解させ、未溶解残渣を除去し、さらにイオン置換
反応を行つた後の亜鉛溶液に対して炭酸亜鉛の部
分析出(晶出)操作を行う。この部分晶析の場
合、先に述べた炭酸亜鉛の本晶析操作のいずれの
操作も行い得る。アンモニアの蒸発による部分析
出に当つては、前記溶液を好ましくは40〜85℃に
加温するおよび/または真空にしてアンモニアを
部分蒸発させる。40℃未満では、アンモニアの蒸
発に当つて、加温操作単独では無理でありかつか
なり高い真空度とせねばならず不適である。85℃
を超えた場合、結晶の収率が落ちるし、部分晶出
を行うことなく本晶出のみを行つたのと同様とな
り、不純物除去効果が見出せない。この方法に代
えてあるいは併用してCO2ガスの吹込みを行つて
もよい。 部分晶出が終つたならば、濾過による濾液また
は静置分離による上澄液に対して、同様な操作に
より本晶出を行う。もしアンモニア蒸発法による
場合、85%を超える温度の加温および/または真
空にして行う。ここで、85℃を境にして析出形態
が異なるのは、理由は明らかでないが、現象的に
みれば、85℃以上に加温すると、アンモニアを然
程飛んだと思われないのに、結晶が大量に析出す
るところからみると、85℃付近で何らかの熱的平
衡関係があるのではないかと推測される。 <実験3> Fe、Pbを多く溶解させるために濃度を上げ、
NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=300g/
の水溶液に、亜鉛含有ダストを浸漬し、Zn溶解
を行い、不溶解残渣を濾過した溶液を各々10ml試
験管に取り、16.1NH2SO4を別々に量を変えて加
え、析出した結晶中のZn、Fe、Pbの含有量を分
析したところ、第3表の通りであつた。
100g/の条件下での結晶は色も白く、収量操
作も易しいことが判つた。(NH4)2CO3濃度につ
いてみれば、200g/の条件下のものが、Fe、
Pb不純物含有量が多く、焼いた亜鉛華も掲色に
着色する。(NH4)2CO3濃度が100g/と200
g/とを比較すると、NH4OH濃度の低い方が
鉄不純物量が多くなつているのに対して、鉛不純
物量はNH4OH濃度が高い方が多くなつている。 NH4OHおよび(NH4)2CO3が共に300g/
の条件下では、Fe=108PPM、Pb=1120PPMと
なつて少くなり、(NH4)2CO3=400g/の条件
では、(NH4)2CO3がアンモニア水溶液に溶け難
くなり、下に未溶解の結晶が残る。不純物のFe
またはPbの何れに着目するかによつて各濃度を
選択するが、ともあれ各々50〜400g/、特に
50〜300g/の濃度が好ましい。 一方、前記説明で触れたように、炭酸亜鉛の結
晶化手段としては、未溶解残渣溶液を(1)加温また
は真空により、あるいはそれらの併用によりアン
モニアを蒸発させる方法、(2)前記溶液に直接CO2
ガスを吹込む方法、(3)(1)の方法の後にCO2ガスを
吹込む方法がある。(1)の場合には、〔ZnCO3〕2
〔Zn(OH)2〕3の形で、(2)に場合ZnCO3の形で、(3)
の場合両形態でそれぞれ炭酸亜鉛が得られる。 実施例 2 また、用途により不純物含有量を著しく嫌う場
合がある。この場合、本晶出に先立つて部分晶出
を行う次の方法が適していることが判つた。 この結論に至る過程で、本発明者は、(1)結晶析
出時不純物が結晶と共に析出するか否か、(2)それ
とも不純物は溶液中に溶解し、炭酸亜鉛を濾過す
るときに炭酸亜鉛結晶に付着するものか、(3)炭酸
亜鉛結晶が出はじめたときと最終に出る結晶とで
は不純物量が違うのか、(4)再結晶すれば不純物を
除去できるのか、(5)電気分解により不純物を除去
できるかをそれぞれ検討してみたが、経済性およ
び操作性などの点で、部分晶出方法が最適な方法
であることが判明した。 部分晶出法は具体的に次のように行う。まず、
Zn含有物を前述のZn溶解液と接触させ、Znを溶
解させ、未溶解残渣を除去し、さらにイオン置換
反応を行つた後の亜鉛溶液に対して炭酸亜鉛の部
分析出(晶出)操作を行う。この部分晶析の場
合、先に述べた炭酸亜鉛の本晶析操作のいずれの
操作も行い得る。アンモニアの蒸発による部分析
出に当つては、前記溶液を好ましくは40〜85℃に
加温するおよび/または真空にしてアンモニアを
部分蒸発させる。40℃未満では、アンモニアの蒸
発に当つて、加温操作単独では無理でありかつか
なり高い真空度とせねばならず不適である。85℃
を超えた場合、結晶の収率が落ちるし、部分晶出
を行うことなく本晶出のみを行つたのと同様とな
り、不純物除去効果が見出せない。この方法に代
えてあるいは併用してCO2ガスの吹込みを行つて
もよい。 部分晶出が終つたならば、濾過による濾液また
は静置分離による上澄液に対して、同様な操作に
より本晶出を行う。もしアンモニア蒸発法による
場合、85%を超える温度の加温および/または真
空にして行う。ここで、85℃を境にして析出形態
が異なるのは、理由は明らかでないが、現象的に
みれば、85℃以上に加温すると、アンモニアを然
程飛んだと思われないのに、結晶が大量に析出す
るところからみると、85℃付近で何らかの熱的平
衡関係があるのではないかと推測される。 <実験3> Fe、Pbを多く溶解させるために濃度を上げ、
NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=300g/
の水溶液に、亜鉛含有ダストを浸漬し、Zn溶解
を行い、不溶解残渣を濾過した溶液を各々10ml試
験管に取り、16.1NH2SO4を別々に量を変えて加
え、析出した結晶中のZn、Fe、Pbの含有量を分
析したところ、第3表の通りであつた。
【表】
この結果から、初めに出る結晶ほど、Fe、Pb
共多く含まれていることが判る。Feは、液のPH
が8.5〜7では160〜270PPMで一定し、8.5以上お
よび2以下になれば970PPMに近づく。Pbは、
溶液中にPH=9で860PPM、PH=8.5で130、PH=
8以下では50PPM以下であり、初めに出る結晶
ほど良い結晶であるという通念は逆の結果となつ
ている。 <実験4> 再結晶および電気分解によるFe、Nn含有量を
測定した。NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=
100g/の水溶液にZn含有ダストを浸漬しZnを
溶解し、残渣を濾別し、濾液を90℃に昇温し、ア
ンモニアを蒸発し、炭酸亜鉛の結晶を沈殿させ濾
別し、Fe=123PPM、Pb=1790PPMの結晶を得
て、この結晶を、NH4OH=200g/、
(NH4)2CO3=100g/の溶液と、この液に
(NH4)2S=100g/、NH4SCN=100g/を
溶解した液とで、それぞれ再結晶を行つた。また
NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=100g/
の溶液中にZn含有ダスト浸漬残渣濾別した溶解
液を、亜鉛電極を使用して電気分解を行つた後、
90℃に昇温し、結晶を採取したものについて、
Fe、Pbの分析値を第4表に示す。不純物(Fe、
Pb)量の単位はPPM。上段は結晶状態での、下
段は濾液での不純物量である。
共多く含まれていることが判る。Feは、液のPH
が8.5〜7では160〜270PPMで一定し、8.5以上お
よび2以下になれば970PPMに近づく。Pbは、
溶液中にPH=9で860PPM、PH=8.5で130、PH=
8以下では50PPM以下であり、初めに出る結晶
ほど良い結晶であるという通念は逆の結果となつ
ている。 <実験4> 再結晶および電気分解によるFe、Nn含有量を
測定した。NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=
100g/の水溶液にZn含有ダストを浸漬しZnを
溶解し、残渣を濾別し、濾液を90℃に昇温し、ア
ンモニアを蒸発し、炭酸亜鉛の結晶を沈殿させ濾
別し、Fe=123PPM、Pb=1790PPMの結晶を得
て、この結晶を、NH4OH=200g/、
(NH4)2CO3=100g/の溶液と、この液に
(NH4)2S=100g/、NH4SCN=100g/を
溶解した液とで、それぞれ再結晶を行つた。また
NH4OH=200g/、(NH4)2CO3=100g/
の溶液中にZn含有ダスト浸漬残渣濾別した溶解
液を、亜鉛電極を使用して電気分解を行つた後、
90℃に昇温し、結晶を採取したものについて、
Fe、Pbの分析値を第4表に示す。不純物(Fe、
Pb)量の単位はPPM。上段は結晶状態での、下
段は濾液での不純物量である。
【表】
この結果から、再結晶法や電気分解法によつて
も鉛の含有量を低減させることが難しいことが判
明されよう。これは、濾液中のFe、Pbの溶解量
をみれば、8〜3PPMしか濾液に溶けないので結
晶中に出てしまうからである。NH4SCNを加え
たものは、Pb量が10以下となり、濾液に
200PPM溶けているので、再結晶化が可能である
が、結晶に付着したNH4SCNは約200℃でなけれ
ば分解しないので、混入される許される所の用途
が限られる。 <実験5> このように、一旦晶出操作した結晶を処理して
も、不純物量を下げることができないので、結晶
を出す前に不純物を除去しなければならない。そ
こで次の分別晶析実験を行つた。 すなわち、アンモニア蒸発量を制御することは
難しいので、たとえば常圧760mmHg・absで温度
とアンモニア濃度と分圧は一定となるので、温度
を中間温度70〜85℃に上げ、結晶を一部析出濾過
し、濾液を90℃に昇温し、本晶析し、不純物を分
析したところ第5表に示す結果を得た。同表中の
「処理方法」の欄の数値は、〔ZnCO3〕2〔Zn
(OH)2〕3の結晶量(単位gr)である。
も鉛の含有量を低減させることが難しいことが判
明されよう。これは、濾液中のFe、Pbの溶解量
をみれば、8〜3PPMしか濾液に溶けないので結
晶中に出てしまうからである。NH4SCNを加え
たものは、Pb量が10以下となり、濾液に
200PPM溶けているので、再結晶化が可能である
が、結晶に付着したNH4SCNは約200℃でなけれ
ば分解しないので、混入される許される所の用途
が限られる。 <実験5> このように、一旦晶出操作した結晶を処理して
も、不純物量を下げることができないので、結晶
を出す前に不純物を除去しなければならない。そ
こで次の分別晶析実験を行つた。 すなわち、アンモニア蒸発量を制御することは
難しいので、たとえば常圧760mmHg・absで温度
とアンモニア濃度と分圧は一定となるので、温度
を中間温度70〜85℃に上げ、結晶を一部析出濾過
し、濾液を90℃に昇温し、本晶析し、不純物を分
析したところ第5表に示す結果を得た。同表中の
「処理方法」の欄の数値は、〔ZnCO3〕2〔Zn
(OH)2〕3の結晶量(単位gr)である。
【表】
以上の通り、本発明によれば、最終的に得られ
た塩基性炭酸亜鉛が、不純物Fe、Pbなどの含有
量が極めて微量の高純度の塩基性炭酸亜鉛を、廃
棄物としてのZn含有物から回収することができ
る。
た塩基性炭酸亜鉛が、不純物Fe、Pbなどの含有
量が極めて微量の高純度の塩基性炭酸亜鉛を、廃
棄物としてのZn含有物から回収することができ
る。
第1図は本発明Zn溶解液に対するZn溶解度を
示す関係図、第2図および第3図は本発明工程例
を実験結果とともに示したフローシート、第4図
は本発明法の有効性の理由について確認した実験
結果を示すグラフである。
示す関係図、第2図および第3図は本発明工程例
を実験結果とともに示したフローシート、第4図
は本発明法の有効性の理由について確認した実験
結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少くともFe、Pbを含むZn含有物を、少くと
もそれぞれ5〜40wt%のNH4OHおよび
(NH4)2CO3を含む水溶液と接触させて、該溶液
にZnを溶解させるとともに、この溶解過程で金
属亜鉛を添加し、Znの溶解によつて生ずる未溶
解残渣を除去し、次いで溶解処理後の溶液につい
て、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物との間
にイオン置換反応を行ない残渣分を除去した後、
炭酸亜鉛の結晶化を行うことを特徴とするZn含
有物からの塩基性炭酸亜鉛回収方法。 2 少くともFe、Pbを含むZn含有物を、少くと
もそれぞれ5〜40wt%のNH4OHおよび
(NH4)2CO3を含む水溶液と接触させて、該溶液
にZnを溶解させるとともに、この溶解過程で金
属亜鉛を添加し、Znの溶解によつて生ずる未溶
解残渣を除去し、次いで溶解処理後の溶液につい
て、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物Fe、
Pb等との間にイオン置換反応を行ない、その後
塩基性炭酸亜鉛の部分晶析を行ない、溶液中に不
純物として溶存する重金属イオンの大部分を水酸
化物および/または炭酸塩もしくは塩基性炭酸塩
として共沈させ、沈澱物を分別し、その後その溶
液について塩基性炭酸亜鉛の本析出を行うことを
特徴とするZn含有物からの塩基性炭酸亜鉛回収
方法。 3 少くともFe、Pbを含むZn含有物を、少くと
もそれぞれ5〜40wt%のNH4OHおよび
(NH4)2CO3を含む水溶液と接触させて、該溶液
にZnを溶解させるとともに、この溶解過程で金
属亜鉛を添加し、Znの溶解によつて生ずる未溶
解残渣を除去し、その後溶解処理後の溶液に気曝
または酸化剤の添加により酸化処理を行い、3価
の水酸化鉄の除去を行い、次いでその溶液につい
て、金属亜鉛を添加し、金属亜鉛と不純物Fe、
Pb等との間にイオン置換反応を行ない、その後
塩基性炭酸亜鉛の部分晶析を行ない、溶液中に不
純物として溶存する重金属イオンの大部分を水酸
化物および/または炭酸塩もしくは塩基性炭酸塩
として共沈させ、沈澱物を分別し、その後その溶
液について塩基性炭酸亜鉛の本析出を行うことを
特徴とするZn含有物からの塩基性炭酸亜鉛回収
方法。 4 少くともFe、Pbを含むZn含有物を、少くと
もそれぞれ5〜40wt%のNH4OHおよび
(NH4)2CO3を含む水溶液と接触させて、該溶液
にZnを溶解させるとともに、生ずる残渣を除去
した後、前晶析操作を行い、不純物を除去し、得
られる炭酸亜鉛溶液に対してZn含有物の溶解を
行い、この溶解過程で金属亜鉛を添加し、Znの
溶解によつて生ずる未溶解残渣を除去し、次いで
溶解処理後の溶液について、金属亜鉛を添加し、
金属亜鉛と不純物との間にイオン置換反応を行な
い残渣分を除去した後、炭酸亜鉛の結晶化を行う
ことを特徴とするZn含有物からの塩基性炭酸亜
鉛回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19568382A JPS5988319A (ja) | 1982-11-08 | 1982-11-08 | Zn含有物からの塩基性炭酸亜鉛回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19568382A JPS5988319A (ja) | 1982-11-08 | 1982-11-08 | Zn含有物からの塩基性炭酸亜鉛回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5988319A JPS5988319A (ja) | 1984-05-22 |
JPH0235693B2 true JPH0235693B2 (ja) | 1990-08-13 |
Family
ID=16345259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19568382A Granted JPS5988319A (ja) | 1982-11-08 | 1982-11-08 | Zn含有物からの塩基性炭酸亜鉛回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5988319A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010159181A (ja) * | 2009-01-08 | 2010-07-22 | Hamada Heavy Industries Ltd | 炭酸亜鉛の製造方法 |
JP2012051772A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Hamada Heavy Industries Ltd | 炭酸亜鉛の製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4710215A (en) * | 1984-12-28 | 1987-12-01 | Tsukishima Kikai Co., Ltd. | Process for distillation-crystallization of zinc carbonate |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5114898A (en) * | 1974-07-30 | 1976-02-05 | Magune Kk | Pitsukuringuniokeru sanaraiekichuno keisono jokyohoho |
-
1982
- 1982-11-08 JP JP19568382A patent/JPS5988319A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010159181A (ja) * | 2009-01-08 | 2010-07-22 | Hamada Heavy Industries Ltd | 炭酸亜鉛の製造方法 |
JP2012051772A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Hamada Heavy Industries Ltd | 炭酸亜鉛の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5988319A (ja) | 1984-05-22 |
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