JPH0234800B2 - Ienoseizohoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、肌等に貼り付ける移絵の製造方法に
関するものである。

従来の技術 従来の移絵の製造方法は、台紙の表面に水溶性
の糊を塗布し、この糊の上にグラビア印刷又はシ
ルクスクリーン印刷に依つて逆になつた絵や模様
等の印刷を施して移絵を製造するように成つてい
た。

発明が解決しようとする問題点 従来の製造方法で作られた移絵は、水に濡らし
て糊を溶させて移絵（印刷部）を台紙から浮き上
がらせ、この状態で移絵を下にして肌等に貼り付
け、次に台紙を一旦移絵から横にずらして取り除
き、そしてこの移絵を乾燥させて、肌等に密着さ
せる様になつていた。しかしながら、子供が移絵
を使用する場合、水に濡らさずに、舐めて使用す
る事が多く、衛生面で問題となつており、水を使
用しない移絵の出現が望まれていた。

又、従来の製造方法では、グラビア印刷又はシ
ルクスクリー印刷に依つて印刷を施していたが、
これらの印刷の場合、印刷表面に艶が無く、余り
綺麗ではなかつた。この点オフセツト印刷は艶が
有り綺麗だが、このオフセツト印刷は、水を使用
する工程が有るため、この印刷を移絵の製造方法
に用いた場合、台紙に塗布してある水溶性の糊が
溶解してしまう不都合が生じてしまう。このた
め、従来の技術では、オフセツト印刷を移絵の印
刷手段として用いることができず、この問題の解
決も望まれていた。

問題点を解決するための手段 本発明は、このような事情に鑑み開発されたも
ので、水に濡らさなくても肌等に貼り付けられる
様にし、然もオフセツト印刷を用いても印刷でき
るようにした移絵の製造方法であり、本発明に係
る移絵の製造方法につき説明するに、その構成
は、合成樹脂製のシートにニスを塗布して乾燥さ
せた後、該ニス面上に印刷を施し、該印刷面上に
ニスを塗布して乾燥させ、然る後該ニス面上に粘
着剤を塗布し、該粘着剤上に剥離紙を貼着したこ
とを特徴とする。

作 用 本発明の作用を図面に基づいて説明すると、先
ず、合成樹脂製のシートににオフセツト印刷をし
た場合、合成樹脂製のシートにはインクが非常に
良く付着するものから、殆どインクが付着しない
ものまで有るが、本発明に用いる合成樹脂として
は、インクが中程度に付着するものが適する。し
かしこのままオフセツト印刷したのでは、多色刷
りした場合に、２回目の印刷の時に最初に印刷し
たものが合成樹脂シートから剥れてゴム胴に貼り
付いてしまう。そこで本発明は、合成樹脂製のシ
ート１の上面にニス２を塗布することに依つて、
シート１の上面をインクが良く付着する状態にし
てあり、これに依つてオフセツト印刷が可能とな
る。

一方、シート１にニス２を塗布して乾燥させた
後、これに印刷３を施したものを移絵にした場
合、このままではシート１とニス２の接着力が強
いので、移絵がシート１から旨く剥がれない。そ
こで本発明は、ニス面２上に印刷３を施した後、
この印刷３上に再度ニス４を塗布するようにして
ある。このようにすると、ニス４が乾燥するとき
に収縮し、これに依つて印刷面３及びニス面２に
も収縮し、この結果、シート１とニス面２の間に
応力が生じて移絵がシート１から剥がれ易い状態
になる。

次に、ニス面４上に粘着剤５を塗布するが、こ
の粘着剤５に依つて水を使用せずに直接移絵を肌
等に貼り付けることができる。

この粘着剤５には、剥離紙６を貼着するが、使
用時にはこの剥離紙６を剥がして肌等に移絵を貼
り付ける様に成つており、従つて使用するまで剥
離紙６に依つて粘着剤５は保護される。

以上の作用から、本発明に依り作られた移絵
は、水に濡らさなくても肌等に直接貼り付けるこ
とができ、又、水を使用しない移絵の製造に於い
て、初めてオフセツト印刷を用いることが可能と
なつた。

実施例 本発明を図面に示す一実施例に基づいて更に詳
説する。

図中１は合成樹脂製のシートである。このシー
ト１としては、ここにオフセツト印刷した場合
に、インクが中程度付着するものが適し、特に延
伸処理したポリプロピレン（O.P.P）シートでコ
ロナ放電処理をしたものが適する。このシートは
実験した中で一番良い結果を得られ、又、このシ
ートは張りが有るので、切断等の処理も容易に行
える効果が有る。しかしながら、オフセツト印刷
をした場合に、インクが中程度付着するものであ
れば、これ以外の合成樹脂製のシートでも良く、
このシート１は特に限定されない。

２はシート１に塗布するニス及び乾燥後これに
依つて形成されるニス面を示す。このニス２とし
ては、U.V.S.L.D.O.Pニスが適する。このニス
は、U.V（紫外線乾燥）装置て乾燥させる。

３はニス面２上に施される印刷及びこれに依つ
て形成される印刷面を示す。この印刷３の方法と
しては、オフセツト印刷が適するが、従来の如く
グラビア印刷、シルクスクリーン印刷等でも良
い。

４は印刷面３上に塗布するニス及び乾燥後これ
に依つて形成されるニス面を示す。このニス４と
しては、乾燥後収縮するものが適し、特にU.V.
S.L.D.O.Pニスが適する。

５はニス面４上に塗布される粘着剤を示す。

６は粘着剤５上に貼り付けられる剥離紙を示
す。この剥離紙６としては、シリコンペーパーが
適する。

尚、剥離紙６を粘着剤５上に貼り付けた後、剥
離紙６の上からシート１に達する打抜を印刷２の
形通りにすると良い。このようにすると、移絵を
肌等に貼り付けた後、シート１を剥す際に移絵が
シート１から綺麗に離れる。

発明の効果 以上のような構成からなる本発明は次のような
効果を有する。

本発明に依り製造された移絵は、従来のように
水に濡らす必要がなく、剥離紙を剥がせば、直接
移絵を肌等に貼り付けることができる。このため
子供が移絵を貼る時に舐めてしまうという様なこ
とも無くなるので、従来の衛生面の問題を解決す
ることが可能となつた。

又、本発明は、初めてオフセツト印刷を用いる
ことが可能となつたので、艶が有つて綺麗な移絵
を製造できるようになつた。このオフセツト印刷
を用いた移絵は、艶が有るので、肌等にこれを貼
り付けると、あたかも直接そこに絵等を描いた様
に見え、従来に無い効果をもたらす。

又、本発明に依つて製造された移絵は、剥離紙
を剥がして移絵を肌等に貼り付け、そしてシート
を剥せば貼り付け終るので、簡単且つ確実に移絵
を肌等に貼り付けることができ、従来の移絵のよ
うに移絵を水に濡らし、糊が溶解するまで待つ不
都合も無く、又、台紙から旨く肌等に移さないと
移絵が崩れてしまう不都合も起きない。

更に、本発明に依つて製造された移絵は、印刷
面の両面がニスで覆われているので、肌等に貼つ
た後に、水に漬けたり、擦つたりしても移絵が崩
れることが無い。

以上の如く、本発明は画期的な移絵の製造方法
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は本発明の構成を示す拡大図、第２図乃至第３図
は本発明に係る移絵の貼り付け手順を示す斜視図
である。 １……シート、２……ニス（面）、３……印刷
（面）、４……ニス（面）、５……粘着剤、６……
剥離紙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 合成樹脂製のシートにニスを塗布して乾燥さ
   せた後、該ニス面上に印刷を施し、該印刷面上に
   ニスを塗布して乾燥させ、然る後該ニス面上に粘
   着剤を塗布し、該粘着剤上に剥離紙を貼着したこ
   とを特徴とする移絵の製造方法。