JPH0234332B2 - - Google Patents
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- JPH0234332B2 JPH0234332B2 JP58015400A JP1540083A JPH0234332B2 JP H0234332 B2 JPH0234332 B2 JP H0234332B2 JP 58015400 A JP58015400 A JP 58015400A JP 1540083 A JP1540083 A JP 1540083A JP H0234332 B2 JPH0234332 B2 JP H0234332B2
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- acid decomposition
- reaction
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- resorcinol
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
本発明は、m−ジイソプロピルベンゼンジヒド
ロペルオキシド(以後m−DHPと略称する)の
酸分解によりレゾルシンを製造する方法に関す
る。さらに詳しくは、m−ジイソプロピルベンゼ
ン(以後m−DIPBと略称する)の酸化によつて
得られる酸化副生物を含むm−DHPに、酸分解
触媒としてヘテロポリ酸を用い、40ないし110℃
の還流条件下に酸分解率約92ないし約99.5%とな
る範囲の酸分解を行わせしめてレゾルシンを高収
率で製造する方法に関する。 m−DIPBを加熱下に、空気などの分子状酸素
含有ガスなどで酸化してm−DHPを主成分とす
る酸化生成物とし、これを酸性触媒の存在下に酸
分解してレゾルシンを製造することは従来から知
られており、種々の酸性触媒が提案されている。 例えば特公昭48−26744号には、フツ化水素の
存在下にm−DHPの酸分解を行わせしめてレゾ
ルシンを製造する方法が開示されている。この方
法によればかなり高収率でレゾルシンが得られる
がフツ化水素は金属材料、ガラスなどに対する腐
蝕性が高いため、工業的には装置費用が著しく高
くなり、好ましい方法とはいえない。 また特公昭56−27498号には、特定の前処理を
した合成シリカアルミナを用いる方法があり、さ
らにに特開昭54−55528号には、合成シリカアル
ミナを用い、かつ系内水分濃度を特定範囲に保持
することによつてレゾルシンを高収率で製造する
方法が提案されている。 しかし固体酸は、一般に反応速度が遅いという
不十分な点がある。 一方、特開昭52−5719号にはフエノールあるい
はヒドロキノンを製造する際に、対応するヒドロ
ペルオキシドをタングストケイ酸などのヘテロポ
リ酸の存在下に酸分解させる方法が開示されてい
る。このヘテロポリ酸は反応溶媒によつても異な
るが、総じて溶解性が高いので液体触媒として使
用でき、硫酸などの他の無機酸と比較しても、分
解速度および選択性の両面においてはるかに優れ
た性能を有している。 これらの酸分解の触媒は効果に多少の差はある
にせよ実用的見地からみても多くの場合使用可能
であるといえる。しかしm−DHPの酸分解によ
りレゾルシンを製造する場合には、クメンやp−
ジイソプロピルベンゼンなどの他の第3級アルキ
ルベンゼンのヒドロペルオキシドの酸分解の場合
に比較してはるかに副反応を起こし易く、レゾル
シンを高収率で得るのは容易でない。例えば一般
には酸分解条件下において生成したフエノール類
とケトン類の反応は無視しうる程度にしか起こら
ないが、レゾルシンは、他のフエノール類に比し
非常に反応性に富むため、アセトンとの縮合生成
物を作り易い。またレゾルシンは、副生するカル
ビノール類やオレフイン類とも容易に反応し、高
沸点物を形成する。従つて従来提案された触媒を
用い慢然とm−DHPの酸分解を行つても、到底
レゾルシンを高収率で製造することはできない。
とくに工業的には、純粋なm−DHPではなく、
他の酸化副生物を少量含んだ状態で酸分解できれ
ば、m−DHPの分離精製の費用が低減もしくは
節約でき有利であるが、このような原料を用いる
場合は、一層レゾルシンを高収率で得ることは困
難である。 本発明者らは、m−DIPBの酸化によつて得ら
れる酸化副生物を含むm−DHPを用い、これに
酸分解を行わせしめてレゾルシンを高収率で製造
する方法を詳細に検討した結果、本発明に到達し
たものであり、その要旨は、m−DIPBの酸化に
よつて得られる酸化副生物を含むm−DHPに、
酸分解触媒として、ヘテロポリ酸を用い、約40な
いし110℃の還流条件下に酸分解率約92ないし約
99.5%となる範囲の酸分解を行わせしめることを
特徴とするレゾルシンの製造方法に関する。 m−DIPBを酸化する方法としては、従来から
知られている方法を適用することができる。通常
はm−DIPBを必要に応じてラジカル開始剤およ
びアルカリ水溶液の存在下、分子状酸素含有ガス
で酸化する方法やあるいはさらに過酸化水素、そ
の他の酸化触媒などと接触させて酸化する方法が
採用される。 m−DIPBを酸化し、さらに過酸化水素で酸化
する方法に関しては例えば特開昭53−23939号に
開示された方法がある。 これらの酸化によつて得られる酸化反応生成物
は、必要に応じて酸化触媒を除去した後、酸分解
に供される。 酸化反応生成物中には、m−DHPばかりでな
く、酸化副生物として、メタ(2−ヒドロキシ−
2−プロピル)−α,α−ジメチルベンジルヒド
ロペルオキシド(以後m−HHPと略称する)、メ
タジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン
(以後m−DCと略称する)、メタジイソプロピル
ベンゼンモノヒドロペルオキシド(以後m−
MHPと略称する)などが含まれており、本発明
では、これらの酸化副生物を含むm−DHPが酸
分解に供される。 酸分解に用いられるヘテロポリ酸には、例えば
特開昭52−5719号に開示された化合物があり、一
般的には、リン、ケイ素、ホウ素、ヒ素、テル
ル、アルミニウム、ゲルマニウムなどの原子と他
の金属酸化物例えばタングステン、モリブデン、
バナジウム、クロム、ニオブなどの酸化物とから
構成される比較的高分子量の無機化合物である。 ヘテロポリ酸としてはさらに具体的には、モリ
ブドリン酸、モリブドケイ酸、モリブドホウ酸、
モリブドヒ酸、モリブドテルル酸、モリブドアル
ミン酸、モリブドゲルマニウム酸、タングストリ
ン酸、タングストケイ酸、タングストホウ酸、タ
ングストヒ酸、タングストテルル酸、タングスト
アルミン酸、タングストゲルマニウム酸、タング
ストチタン酸、タングストスズ酸、バナドリン
酸、バナドケイ酸などが例示され、中でも、モリ
ブドリン酸、モリブドケイ酸、タングストリン
酸、タングストケイ酸が好適に用いられる。 ヘテロポリ酸は、必要に応じて1種類または2
種類以上が用いられ、通常は稀釈剤、好ましくは
水、低級アルコールあるいは低級ケトンで稀釈し
て用いることが望ましい。この場合、ヘテロポリ
酸の濃度は、通常約0.001ないし約3000ミリモ
ル/、好ましくは約0.01ないし約300ミリモ
ル/程度になるようにして用いられる。 またヘテロポリ酸の使用割合は、酸分解に供さ
れる酸化反応生成物に対して通常約0.0005ないし
約10重量%、好ましくは約0.005ないし約3重量
%の範囲である。 本発明の酸分解は、均一反応系で行うことが望
ましい。そのため前記酸化反応生成物およびヘテ
ロポリ酸の両方を溶解する溶媒の存在下に、酸分
解を行うことが望ましい。溶媒としては、たとえ
はアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどの炭素数が3な
いし16のモノケトン類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、アニソールなどのアルキル
エーテル類、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、オクタノール、2−エチルヘ
キシルアルコールなどの炭素数1ないし8のアル
キルアルコール類、あるいはこれらと共に、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ク
メン、シメン、ジイソプロピルベンゼンなどの炭
素数が6ないし12の芳香族炭化水素との混合溶媒
を使用することが望ましい。 本発明ではとくに、モノケトン類またはモノケ
トン類と芳香族炭化水素からなる混合溶媒が好適
であり、前記混合溶媒を使用する場合のモノケト
ン類/芳香族炭化水素の重量比は、通常約50/1
ないし約0.1/1、とくに好ましくは約20/1な
いし約0.5/1の範囲である。 本発明の酸分解は、上記成分を含む混合物を約
40℃ないし約110℃、とくに好ましくは約50℃な
いし約100℃に加熱して還流条件下で行われる。
反応温度40℃未満では、反応がおそく所望の酸分
解率を得るためには長時間の反応あるいは多量の
触媒が必要となり経済的に不利であるばかりでな
く、これらの手段により所望の酸分率まで反応を
行つても副反応の併発する割合が増加するためレ
ゾルシン収率は向上しない。反応温度が110℃を
越えると、ヒドロペルオキシド類の熱分解がかな
りの割合でおこるため多量の高沸点不純物が副生
し、レゾルシン収率の低下がおこる。 本発明の酸分解は、酸分解率が約92ないし約
99.5当量%の範囲になるまで行われる。ここで酸
分率とは、酸分解の前後のヒドロペルオキシド濃
度の減少の程度を当量パーセントで表示するもの
であり、下記の方法により計算される値である。 酸分解率={1−C2×W2/C1×W1}×100 ただし C1;ヨードメトリー法で求めた原料酸化生成物
中のヒドロペルオキシド濃度(グラム当量/
g) W1;酸分解反応に供した原料酸化生成物の重量
(g) C2;ヨードメトリー法で求めた酸分解反応生成
物中のヒドロペルオキシド濃度(グラム当量/
g) W2;酸分解反応生成物の重量(g) なお、反応を連続方式で実施する場合には、
W1、W2は単位時間当りの各々の重量を示す。 酸分解率が約92当量%より低い段階で酸分解を
終了すると、レゾルシンの収率が低下するばかり
か、その後のレゾルシンの分離回収において、異
常反応が起こりやすく、操作上危険である。 また酸分解率が約99.5当量%よりも高くなるま
で酸分解を行うと生成したレゾルシンとケトン類
あるいは副生するオレフイン類との二次的な反応
が増加するため、かえつてレゾルシンの収率が低
下し、その色相も悪化し、通常の精製手段では高
純度のレゾルシンを得ることが困難になる。 従つて本発明では、酸分解率を上記範囲となる
まで行う必要があり、とくに約94ないし約99当量
%となる範囲まで行うことが望ましい。 酸分解によつて得られる酸分解反応混合物から
は常法に従つて、レゾルシンが分離回収される。
たとえば酸分解反応混合物からアセトンおよび溶
媒を留去して濃縮し、さらに抽出蒸留あるいは晶
析などの操作によつてレゾルシンが分離回収され
る。 本発明によればレゾルシンが高収率で得られ
る。 以下に実施例を示す。 参考例 1 m−DIPB1000重量部および3重量%の水酸化
ナトリウム水溶液100重量部から成る混合物100℃
の温度で撹拌下に空気を吹きこみながら22時間酸
化を行つた。その際、反応系内のPHを8ないし10
に保つように5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
1000重量部を間欠的に送入しながら酸化反応を行
つた。酸化終了後にトルエン1870重量部を加え、
分離したアルカリ水層を除いた。こうして得られ
たm−DIPB空気酸化生成物のトルエン溶液3200
重量部に10重量%の硫酸と20重量%の過酸化水素
を含む水溶液1600重量部を加え、50℃で15分間激
しく撹拌することにより空気酸化生成物中に含ま
れるカルビノール類の酸化反応を行つた。反応混
合物から水層を分離して得られた油層を中和した
のち減圧下に濃縮脱水し、表1に示した組成から
成るm−DIPB酸化生成物を得た。
ロペルオキシド(以後m−DHPと略称する)の
酸分解によりレゾルシンを製造する方法に関す
る。さらに詳しくは、m−ジイソプロピルベンゼ
ン(以後m−DIPBと略称する)の酸化によつて
得られる酸化副生物を含むm−DHPに、酸分解
触媒としてヘテロポリ酸を用い、40ないし110℃
の還流条件下に酸分解率約92ないし約99.5%とな
る範囲の酸分解を行わせしめてレゾルシンを高収
率で製造する方法に関する。 m−DIPBを加熱下に、空気などの分子状酸素
含有ガスなどで酸化してm−DHPを主成分とす
る酸化生成物とし、これを酸性触媒の存在下に酸
分解してレゾルシンを製造することは従来から知
られており、種々の酸性触媒が提案されている。 例えば特公昭48−26744号には、フツ化水素の
存在下にm−DHPの酸分解を行わせしめてレゾ
ルシンを製造する方法が開示されている。この方
法によればかなり高収率でレゾルシンが得られる
がフツ化水素は金属材料、ガラスなどに対する腐
蝕性が高いため、工業的には装置費用が著しく高
くなり、好ましい方法とはいえない。 また特公昭56−27498号には、特定の前処理を
した合成シリカアルミナを用いる方法があり、さ
らにに特開昭54−55528号には、合成シリカアル
ミナを用い、かつ系内水分濃度を特定範囲に保持
することによつてレゾルシンを高収率で製造する
方法が提案されている。 しかし固体酸は、一般に反応速度が遅いという
不十分な点がある。 一方、特開昭52−5719号にはフエノールあるい
はヒドロキノンを製造する際に、対応するヒドロ
ペルオキシドをタングストケイ酸などのヘテロポ
リ酸の存在下に酸分解させる方法が開示されてい
る。このヘテロポリ酸は反応溶媒によつても異な
るが、総じて溶解性が高いので液体触媒として使
用でき、硫酸などの他の無機酸と比較しても、分
解速度および選択性の両面においてはるかに優れ
た性能を有している。 これらの酸分解の触媒は効果に多少の差はある
にせよ実用的見地からみても多くの場合使用可能
であるといえる。しかしm−DHPの酸分解によ
りレゾルシンを製造する場合には、クメンやp−
ジイソプロピルベンゼンなどの他の第3級アルキ
ルベンゼンのヒドロペルオキシドの酸分解の場合
に比較してはるかに副反応を起こし易く、レゾル
シンを高収率で得るのは容易でない。例えば一般
には酸分解条件下において生成したフエノール類
とケトン類の反応は無視しうる程度にしか起こら
ないが、レゾルシンは、他のフエノール類に比し
非常に反応性に富むため、アセトンとの縮合生成
物を作り易い。またレゾルシンは、副生するカル
ビノール類やオレフイン類とも容易に反応し、高
沸点物を形成する。従つて従来提案された触媒を
用い慢然とm−DHPの酸分解を行つても、到底
レゾルシンを高収率で製造することはできない。
とくに工業的には、純粋なm−DHPではなく、
他の酸化副生物を少量含んだ状態で酸分解できれ
ば、m−DHPの分離精製の費用が低減もしくは
節約でき有利であるが、このような原料を用いる
場合は、一層レゾルシンを高収率で得ることは困
難である。 本発明者らは、m−DIPBの酸化によつて得ら
れる酸化副生物を含むm−DHPを用い、これに
酸分解を行わせしめてレゾルシンを高収率で製造
する方法を詳細に検討した結果、本発明に到達し
たものであり、その要旨は、m−DIPBの酸化に
よつて得られる酸化副生物を含むm−DHPに、
酸分解触媒として、ヘテロポリ酸を用い、約40な
いし110℃の還流条件下に酸分解率約92ないし約
99.5%となる範囲の酸分解を行わせしめることを
特徴とするレゾルシンの製造方法に関する。 m−DIPBを酸化する方法としては、従来から
知られている方法を適用することができる。通常
はm−DIPBを必要に応じてラジカル開始剤およ
びアルカリ水溶液の存在下、分子状酸素含有ガス
で酸化する方法やあるいはさらに過酸化水素、そ
の他の酸化触媒などと接触させて酸化する方法が
採用される。 m−DIPBを酸化し、さらに過酸化水素で酸化
する方法に関しては例えば特開昭53−23939号に
開示された方法がある。 これらの酸化によつて得られる酸化反応生成物
は、必要に応じて酸化触媒を除去した後、酸分解
に供される。 酸化反応生成物中には、m−DHPばかりでな
く、酸化副生物として、メタ(2−ヒドロキシ−
2−プロピル)−α,α−ジメチルベンジルヒド
ロペルオキシド(以後m−HHPと略称する)、メ
タジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン
(以後m−DCと略称する)、メタジイソプロピル
ベンゼンモノヒドロペルオキシド(以後m−
MHPと略称する)などが含まれており、本発明
では、これらの酸化副生物を含むm−DHPが酸
分解に供される。 酸分解に用いられるヘテロポリ酸には、例えば
特開昭52−5719号に開示された化合物があり、一
般的には、リン、ケイ素、ホウ素、ヒ素、テル
ル、アルミニウム、ゲルマニウムなどの原子と他
の金属酸化物例えばタングステン、モリブデン、
バナジウム、クロム、ニオブなどの酸化物とから
構成される比較的高分子量の無機化合物である。 ヘテロポリ酸としてはさらに具体的には、モリ
ブドリン酸、モリブドケイ酸、モリブドホウ酸、
モリブドヒ酸、モリブドテルル酸、モリブドアル
ミン酸、モリブドゲルマニウム酸、タングストリ
ン酸、タングストケイ酸、タングストホウ酸、タ
ングストヒ酸、タングストテルル酸、タングスト
アルミン酸、タングストゲルマニウム酸、タング
ストチタン酸、タングストスズ酸、バナドリン
酸、バナドケイ酸などが例示され、中でも、モリ
ブドリン酸、モリブドケイ酸、タングストリン
酸、タングストケイ酸が好適に用いられる。 ヘテロポリ酸は、必要に応じて1種類または2
種類以上が用いられ、通常は稀釈剤、好ましくは
水、低級アルコールあるいは低級ケトンで稀釈し
て用いることが望ましい。この場合、ヘテロポリ
酸の濃度は、通常約0.001ないし約3000ミリモ
ル/、好ましくは約0.01ないし約300ミリモ
ル/程度になるようにして用いられる。 またヘテロポリ酸の使用割合は、酸分解に供さ
れる酸化反応生成物に対して通常約0.0005ないし
約10重量%、好ましくは約0.005ないし約3重量
%の範囲である。 本発明の酸分解は、均一反応系で行うことが望
ましい。そのため前記酸化反応生成物およびヘテ
ロポリ酸の両方を溶解する溶媒の存在下に、酸分
解を行うことが望ましい。溶媒としては、たとえ
はアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどの炭素数が3な
いし16のモノケトン類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、アニソールなどのアルキル
エーテル類、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、オクタノール、2−エチルヘ
キシルアルコールなどの炭素数1ないし8のアル
キルアルコール類、あるいはこれらと共に、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ク
メン、シメン、ジイソプロピルベンゼンなどの炭
素数が6ないし12の芳香族炭化水素との混合溶媒
を使用することが望ましい。 本発明ではとくに、モノケトン類またはモノケ
トン類と芳香族炭化水素からなる混合溶媒が好適
であり、前記混合溶媒を使用する場合のモノケト
ン類/芳香族炭化水素の重量比は、通常約50/1
ないし約0.1/1、とくに好ましくは約20/1な
いし約0.5/1の範囲である。 本発明の酸分解は、上記成分を含む混合物を約
40℃ないし約110℃、とくに好ましくは約50℃な
いし約100℃に加熱して還流条件下で行われる。
反応温度40℃未満では、反応がおそく所望の酸分
解率を得るためには長時間の反応あるいは多量の
触媒が必要となり経済的に不利であるばかりでな
く、これらの手段により所望の酸分率まで反応を
行つても副反応の併発する割合が増加するためレ
ゾルシン収率は向上しない。反応温度が110℃を
越えると、ヒドロペルオキシド類の熱分解がかな
りの割合でおこるため多量の高沸点不純物が副生
し、レゾルシン収率の低下がおこる。 本発明の酸分解は、酸分解率が約92ないし約
99.5当量%の範囲になるまで行われる。ここで酸
分率とは、酸分解の前後のヒドロペルオキシド濃
度の減少の程度を当量パーセントで表示するもの
であり、下記の方法により計算される値である。 酸分解率={1−C2×W2/C1×W1}×100 ただし C1;ヨードメトリー法で求めた原料酸化生成物
中のヒドロペルオキシド濃度(グラム当量/
g) W1;酸分解反応に供した原料酸化生成物の重量
(g) C2;ヨードメトリー法で求めた酸分解反応生成
物中のヒドロペルオキシド濃度(グラム当量/
g) W2;酸分解反応生成物の重量(g) なお、反応を連続方式で実施する場合には、
W1、W2は単位時間当りの各々の重量を示す。 酸分解率が約92当量%より低い段階で酸分解を
終了すると、レゾルシンの収率が低下するばかり
か、その後のレゾルシンの分離回収において、異
常反応が起こりやすく、操作上危険である。 また酸分解率が約99.5当量%よりも高くなるま
で酸分解を行うと生成したレゾルシンとケトン類
あるいは副生するオレフイン類との二次的な反応
が増加するため、かえつてレゾルシンの収率が低
下し、その色相も悪化し、通常の精製手段では高
純度のレゾルシンを得ることが困難になる。 従つて本発明では、酸分解率を上記範囲となる
まで行う必要があり、とくに約94ないし約99当量
%となる範囲まで行うことが望ましい。 酸分解によつて得られる酸分解反応混合物から
は常法に従つて、レゾルシンが分離回収される。
たとえば酸分解反応混合物からアセトンおよび溶
媒を留去して濃縮し、さらに抽出蒸留あるいは晶
析などの操作によつてレゾルシンが分離回収され
る。 本発明によればレゾルシンが高収率で得られ
る。 以下に実施例を示す。 参考例 1 m−DIPB1000重量部および3重量%の水酸化
ナトリウム水溶液100重量部から成る混合物100℃
の温度で撹拌下に空気を吹きこみながら22時間酸
化を行つた。その際、反応系内のPHを8ないし10
に保つように5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
1000重量部を間欠的に送入しながら酸化反応を行
つた。酸化終了後にトルエン1870重量部を加え、
分離したアルカリ水層を除いた。こうして得られ
たm−DIPB空気酸化生成物のトルエン溶液3200
重量部に10重量%の硫酸と20重量%の過酸化水素
を含む水溶液1600重量部を加え、50℃で15分間激
しく撹拌することにより空気酸化生成物中に含ま
れるカルビノール類の酸化反応を行つた。反応混
合物から水層を分離して得られた油層を中和した
のち減圧下に濃縮脱水し、表1に示した組成から
成るm−DIPB酸化生成物を得た。
【表】
実施例 1
撹拌機、還流冷却器、原料および触媒供給口お
よび反応液抜出口を備えた反応器に、参考例1で
得た表1記載の組成から成るm−DIPB酸化生成
物を100重量部/hr、0.04重量%のタングストリ
ン酸を含むアセトンを100重量部/hrで各々供給
し、常圧、撹拌下、還流条件(66℃)で、平均滞
留時間10分となるように反応生成物を抜き出しな
がら酸分解反応を行つた。溌応生成物は固体の水
酸化カルシウムを加えて中和し、固型分は別し
た。得られた反応生成物は1時間当り197重量部
であり、この中には10.8重量%のレゾルシンと
0.065ミリグラム当量/gのヒドロペルオキシド
が含まれていた。原料として用いたm−DIPB酸
化生成物中のm−DHPを基準としたレゾルシン
の収率は91.1モル%であり、酸分解率は97.5%で
あつた。 実施例 2〜4 触媒の種類および使用量を変更した以外は実施
例1に記載したのと同様の方法でm−DIPB酸化
生成物の酸分解反応を実施した。触媒の種類、使
用量および反応結果を表2に示した。
よび反応液抜出口を備えた反応器に、参考例1で
得た表1記載の組成から成るm−DIPB酸化生成
物を100重量部/hr、0.04重量%のタングストリ
ン酸を含むアセトンを100重量部/hrで各々供給
し、常圧、撹拌下、還流条件(66℃)で、平均滞
留時間10分となるように反応生成物を抜き出しな
がら酸分解反応を行つた。溌応生成物は固体の水
酸化カルシウムを加えて中和し、固型分は別し
た。得られた反応生成物は1時間当り197重量部
であり、この中には10.8重量%のレゾルシンと
0.065ミリグラム当量/gのヒドロペルオキシド
が含まれていた。原料として用いたm−DIPB酸
化生成物中のm−DHPを基準としたレゾルシン
の収率は91.1モル%であり、酸分解率は97.5%で
あつた。 実施例 2〜4 触媒の種類および使用量を変更した以外は実施
例1に記載したのと同様の方法でm−DIPB酸化
生成物の酸分解反応を実施した。触媒の種類、使
用量および反応結果を表2に示した。
【表】
実施例 5〜7
触媒(タングストリン酸)の使用量を変えた以
外は実施例1に記載したのと同様の方法でm−
DIPB酸化生成物の酸分解反応を実施した。触媒
の使用量および反応結果を表3に示した。
外は実施例1に記載したのと同様の方法でm−
DIPB酸化生成物の酸分解反応を実施した。触媒
の使用量および反応結果を表3に示した。
【表】
実施例 8
実施例1に記載した酸分解反応器に、参考例1
で得られたm−DIPB酸化生成物を同重量のアセ
トンで希釈したものを200重量部/hrの速度で、
50重量のタングストリン酸を含む水溶液を0.26重
量部/hrの速度で供給し、撹拌下、平均滞留時間
が20分となるように反応生成物を抜き出しながら
酸分解反応を行つた。この間、反応装置を減圧に
してアセトンおよびトルエンを蒸発させ、還流冷
却器で冷却、凝縮したアセトン、トルエンは全量
反応器に還流した。反応系内の圧力は反応液の温
度が50℃に保たれるように調整した。反応器から
抜き出した反応生成物は、少量の水酸化ナトリウ
ムを含む15重量%硫酸ナトリウム水溶液で中和し
分離した水層は除去した。得られた反応生成物は
1時間当り207重量部であり、この中には10.1重
量%のレゾルシンと0.087ミリグラム当量/gの
ヒドロペルオキシドが含まれていた。原料中のm
−DHPを基準としたレゾルシン収率は89.5モル
%、酸分解率は96.5%であつた。 実施例 9 触媒(50重量%タングストリン酸水溶液)の供
給速度を0.01重量部/hrに、平均滞留時間を10分
に、反応装置を加圧にして、反応液の温度を100
℃に保つよにした以外は実施例8に記載したのと
同様の方法でm−DIPB酸化生成物の酸分解反応
を実施した。m−DHPを基準としたレゾルシン
収率は88.9モル%、酸分解率は98.1%であつた。 比較例 1、2 触媒(タングストリン酸)の使用量を変えるこ
とによつて酸分解率を変化させた以外は実施列1
に記載したのと同様の方法でm−DIPB酸化生成
物の酸分解反応を実施した。触媒使用量および反
応結果を表4に示した。
で得られたm−DIPB酸化生成物を同重量のアセ
トンで希釈したものを200重量部/hrの速度で、
50重量のタングストリン酸を含む水溶液を0.26重
量部/hrの速度で供給し、撹拌下、平均滞留時間
が20分となるように反応生成物を抜き出しながら
酸分解反応を行つた。この間、反応装置を減圧に
してアセトンおよびトルエンを蒸発させ、還流冷
却器で冷却、凝縮したアセトン、トルエンは全量
反応器に還流した。反応系内の圧力は反応液の温
度が50℃に保たれるように調整した。反応器から
抜き出した反応生成物は、少量の水酸化ナトリウ
ムを含む15重量%硫酸ナトリウム水溶液で中和し
分離した水層は除去した。得られた反応生成物は
1時間当り207重量部であり、この中には10.1重
量%のレゾルシンと0.087ミリグラム当量/gの
ヒドロペルオキシドが含まれていた。原料中のm
−DHPを基準としたレゾルシン収率は89.5モル
%、酸分解率は96.5%であつた。 実施例 9 触媒(50重量%タングストリン酸水溶液)の供
給速度を0.01重量部/hrに、平均滞留時間を10分
に、反応装置を加圧にして、反応液の温度を100
℃に保つよにした以外は実施例8に記載したのと
同様の方法でm−DIPB酸化生成物の酸分解反応
を実施した。m−DHPを基準としたレゾルシン
収率は88.9モル%、酸分解率は98.1%であつた。 比較例 1、2 触媒(タングストリン酸)の使用量を変えるこ
とによつて酸分解率を変化させた以外は実施列1
に記載したのと同様の方法でm−DIPB酸化生成
物の酸分解反応を実施した。触媒使用量および反
応結果を表4に示した。
【表】
比較例 3
実施例1に記載した酸分解反応器に、参考例1
で得られたm−DIPB酸化生成物を100重量部/
hrの速度で、1.1重量%のタングストリン酸を含
むアセトンを100重量部/hrの速度で各々供給し、
常圧、撹拌下、反応槽を外部から冷却することに
より反応温度を30℃に保つて酸分解反応を行つ
た。反応生成物は平均滞留時間が20分となるよう
に反応器から抜き出し、固体の水酸化カルシウム
で中和したのち固形物を別した。得られた反応
生成物は1時間当り198重量部であり、この中に
は9.67重量%のレゾルシンと0.078ミリグラム当
量/gのヒドロペルオキシドが含まれていた。原
料中のm−DHPを基準としたレゾルシンの収率
は81.9モル%、酸分解率は97.0%であつた。 比較例 4 触媒(50重量%タングストリン酸水溶液)の供
給速度を0.0035重量部/hrに、平均滞留時間を10
分に、反応装置を加圧にして反応液の温度を115
℃に保つようにした以外は実施例8に記載したの
と同様な方法でm−DIPB酸化生成物の酸分解反
応を実施した。m−DHPを基準としたレゾルシ
ン収率は76.8モル%、酸分解率は98.5%であつ
た。
で得られたm−DIPB酸化生成物を100重量部/
hrの速度で、1.1重量%のタングストリン酸を含
むアセトンを100重量部/hrの速度で各々供給し、
常圧、撹拌下、反応槽を外部から冷却することに
より反応温度を30℃に保つて酸分解反応を行つ
た。反応生成物は平均滞留時間が20分となるよう
に反応器から抜き出し、固体の水酸化カルシウム
で中和したのち固形物を別した。得られた反応
生成物は1時間当り198重量部であり、この中に
は9.67重量%のレゾルシンと0.078ミリグラム当
量/gのヒドロペルオキシドが含まれていた。原
料中のm−DHPを基準としたレゾルシンの収率
は81.9モル%、酸分解率は97.0%であつた。 比較例 4 触媒(50重量%タングストリン酸水溶液)の供
給速度を0.0035重量部/hrに、平均滞留時間を10
分に、反応装置を加圧にして反応液の温度を115
℃に保つようにした以外は実施例8に記載したの
と同様な方法でm−DIPB酸化生成物の酸分解反
応を実施した。m−DHPを基準としたレゾルシ
ン収率は76.8モル%、酸分解率は98.5%であつ
た。
Claims (1)
- 1 m−ジイソプロピルベンゼンの酸化によつて
得られる酸化副生物を含むm−ジイソプロピルベ
ンゼンジヒドロペルオキシドに、酸分解触媒とし
て、ヘテロポリ酸を用い、40ないし110℃の還流
条件下に、酸分解率92ないし99.5%となる範囲の
酸分解を行わせしめることを特徴とするレゾルシ
ンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58015400A JPS59141530A (ja) | 1983-02-03 | 1983-02-03 | レゾルシンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58015400A JPS59141530A (ja) | 1983-02-03 | 1983-02-03 | レゾルシンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59141530A JPS59141530A (ja) | 1984-08-14 |
JPH0234332B2 true JPH0234332B2 (ja) | 1990-08-02 |
Family
ID=11887677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58015400A Granted JPS59141530A (ja) | 1983-02-03 | 1983-02-03 | レゾルシンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59141530A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116120153B (zh) * | 2023-01-03 | 2024-05-03 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种由二过氧化氢二异丙苯裂解制备间苯二酚的方法 |
-
1983
- 1983-02-03 JP JP58015400A patent/JPS59141530A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59141530A (ja) | 1984-08-14 |
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