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JPH0230734A - 形状記憶特性および耐食性に優れた鉄基形状記憶合金 - Google Patents

形状記憶特性および耐食性に優れた鉄基形状記憶合金

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Publication number
JPH0230734A
JPH0230734A JP1085153A JP8515389A JPH0230734A JP H0230734 A JPH0230734 A JP H0230734A JP 1085153 A JP1085153 A JP 1085153A JP 8515389 A JP8515389 A JP 8515389A JP H0230734 A JPH0230734 A JP H0230734A
Authority
JP
Japan
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shape memory
alloy
iron
content
austenite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1085153A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Moriya
豊 森谷
Haruo Suzuki
治雄 鈴木
Tetsuya Sanpei
哲也 三瓶
Hisatoshi Tagawa
田川 寿俊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP1085153A priority Critical patent/JPH0230734A/ja
Publication of JPH0230734A publication Critical patent/JPH0230734A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 1壱→→に優れた鉄基形状記憶合金に関するものである
[従来の技術] 形状記憶合金とは、マルテンサイト変態点近傍の所定温
度において、合金に塑性変形を加え、次いで、前記合金
を、その母相に逆変態する温度以上の所定温度に加熱し
たときに、塑性変形を加える前の、元の形状に回復する
特性を示す合金をいう。形状記憶合金に所定温度におい
て塑性変形を加えることにより、前記合金の結晶構造は
、その母相からマルテンサイトに変態する。このように
塑性変形が加えられた合金を、その後、その母相に逆変
態する温度以上の所定温度に加熱すると、マルテンサイ
トは、元の母相に逆変態し、かくして、前記合金は、形
状記憶特性を示す。これにより、塑性変形した前記合金
は、塑性変形を加える前の元の形状に回復する。
このような形状記憶特性を有する合金として、これまで
、非鉄系形状記憶合金が多数知られている。(例えば、
舟久保煕康編「形状記憶合金」1984年産業図書)。
その中で、Ni −Ti系およびCu系の形状記憶合金
は、既に実用化されており、そして、管継手、衣料、医
療機器およびアクチュエータ等が、これ等の非鉄系形状
記憶合金を使用して製造されている。このように、形状
記憶合金を種々の用途に応用した技術の開発が、近年、
盛んに行なわれている。
しかしながら、非鉄系形状記憶合金は、高価であるため
に、経済性の面で制約を受ける。かかる事情から、非鉄
系形状記憶合金よりも安価な鉄基形状記憶合金が開発さ
れつつある。このように、経済性の面で制約のある非鉄
系形状記憶合金に代って、鉄基形状記憶合金の適用範囲
の拡大が期待されている。
塑性変形を加えることによって、鉄基形状記憶合金がそ
の母相から変態するマルテンサイトの結晶構造の見地か
らすると、鉄基形状記憶合金を、fct (面心正方品
)、bct (体心立方晶)およびhcp(稠密六方晶
)に大きく大別できる。
塑性変形を加えることによって、その母相からfctマ
ルテンサイトに変態する鉄基形状記憶合金として、Fe
 −Pb系およびFe −Pt系が知られている。
(例えば、大嶋隆一部ら著、「日本金属学会誌、第48
巻、第9号、1984.P881J )。これらの鉄基
形状記憶合金は、良好な形状記憶特性を示す。
塑性変形を加えることによって、その母相からbctマ
ルテンサイト(以下「α′フマルンサイト」という)に
変態する鉄基形状記憶合金として、Fe −Pt系(例
えば、UMEMOTO&すAYMAN著、r Acta
Metallurgica、 Vol 26. Per
gaLlon Press 1978Printed 
in Great Br1tainJ P1529)お
よびFe −Ni−Co −Ti系(特開昭60−23
4950号公報、特開昭61−106746号公報)の
合金が知られている。α′フマルンサイトは、高い積層
欠陥エネルギーを有する合金中に形成される相であり、
その結果、変態時における体積変化が大きい。従って、
変態時に、α′マルテンサイト内に、すベリ変形が起り
易く、そして、これらの鉄基形状記憶合金は、そのまま
の状態においては、良好な記憶形状特性を示さない。
しかしながら、これらの鉄基形状記憶合金の母相を、イ
ンバー効果(即ち、ある温度域において、熱膨張係数が
非常に小さくなる現象)を有する母相にすることによっ
て、これらの合金のα′フマルンサイトのすべり変形が
抑制され、そして、その結果、これらの合金が良好な形
状記憶特性を示すことが知られている。
塑性変形を加えることによって、その母相からheρマ
ルテンサイト(以下「εマルテンサイト」という)に変
態する鉄基形状記憶合金として、高マンガン鋼、および
、JIS規格に規定された5US304のオーステナイ
ト系ステンレス鋼が知られている。εマルテンサイトは
、低い積層欠陥エネルギーを有する合金中に形成される
相であり、その結果、変態時における体積変化が小さい
。従って、変態時に、εマルテンサイト内に、すべり変
形が起り難く、そして、これらの鉄基形状記憶合金は、
良好な形状記憶特性を示す。(例えば、西山善次著、[
マルテンサイト変態−基本1i41971年12月丸善
)。
塑性変形を加えることによって、その母相からεマルテ
ンサイトに変態する鉄基形状記憶合金として次の合金が
提案されている。
特公昭49−10409号公報に開示された鉄基形状記
憶合金: ■ Ni : 10− IEht、%、 Cr : 1
0〜25wt、%において、必要に応じ、Co : 2
0wt、%以下を含有させる系、■ Cr : 10〜
20tit、%ニおイテ、Ni : 17.5wt、Z
以下1Mn : 30.5wt、%以下、Co:15す
t6%以下を含有させる系、 ■ Mn : 15−35 wt0%を含有させる系、
■ Mn : 12.5〜30tit、%において、N
i : 15wt、%以下を含有させる系、 (以下、「先行技術1」という)。
先行技術1においては、形状記憶特性として実施例にみ
られるように、4%程度の引張歪を付加した後所定の温
度に加熱すると、1%程度の回復歪量が得られるもので
ある。
特公昭59−83744号公報に開示された鉄基形状記
憶合金: ■ C:0.1〜0.35讐t1%、Si:0.5υt
、1以下、Mn:8.0−15.Owt、%、 Son
 AQ : 0.01−0.06tst、%を含有する
系、 ■ C: 0.1〜0.35wt、%、 Si : 0
.5wt、%以下、Mn=8.0−15.(ht、%、
 So Q A Q : O,O1〜0.06wt、%
において、Ni : 1.Owt、x以下、Cr : 
1.、Ovt、%以下を含有させる系。(以下、「先行
技術2」という)。
先行技術2においては、形状記憶特性として実施例にみ
られるように、10%以下の引張歪量を付加した後所定
の温度に加熱することによって3割程度の回復量が得ら
れるものである。
先行核t4!i1および2に開示された鉄基形状記憶合
金は、形状回復が部分的であり1回復量は付加型の3割
程度にとどまるものである。
特公昭61−54859号公報に開示された鉄基形状記
憶合金: Mn : 20〜40wt、%、 Si : 3.5−
8.(ht、%を含有する系。
(以下、「先行技術3」という)。
特開昭61−201761号公報に開示された鉄基形状
記憶合金: Mn : 20〜40wt、%、 Si : 3.5〜
g、0wt0%、Ni:10wt、x以下、 Cr :
 10tzt、%以下、Co : 1(ht、%以下、
N。
=2υt1%以下、C:1wt、x以下、 AQ : 
1wt、%以下。
Cu : ltgt、%以下を含有させる系、(以下、
「先行技術4」という)。
先行技術3および4に開示された鉄基形状記憶合金は優
れた形状記憶特性を有している。即ち、先行技術3,4
において得られる形状記憶特性は、以下の通りである。
先行技術3,4の鉄基形状記憶合金を高周波加熱大気炉
内において溶解し、次いで、溶解した合金をインゴット
に鋳造し、次いで、このように鋳造したインゴットを、
 1,050〜1250℃の範囲内の温度に1時間保持
し、そして、次いで、このように加熱したインゴットを
熱間圧延することによって、0.5mm X 1.5m
m X 30mn+の寸法を有する試験片を調製した。
次いで、このようにして調製した試験片を室温において
45″′の角度に曲げることによって−これに塑性変形
を加え、そして、前記試験片を、オーステナイト変態点
以上の所定温度に加熱した。このようにして、前記合金
の形状回復率を調べたところ、前記合金は、75〜90
%の形状回復率を示した。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、先行技術3に開示された鉄基形状記憶合
金は、優れた形状記憶特性を有するものの、耐食性につ
いては不充分なものである。
先行核#i4に開示された鉄基形状記憶合金は、耐食性
を向上させる目的で、Cr、 Ni、 CoおよびMO
のうちの少なくとも1つの元素を、前記合金に添加する
ものである。しかしながら、先行技術4は、次の問題を
有している。即ち、上述したように、合金の耐食性を向
上させるために、Cr、 Ni、 CoおよびNoのう
ちの少なくとも1つの元素を添加しているが、特にマン
ガンを20〜4(ht、%と多量に添加しているので、
耐食性の向上効果は、必ずしも充分ではない、15wt
、1以上である、20〜40wt。
%のMnを含有し、更にCrを含有する先行技術4の合
金は、Crが存在しているために、非常に脆い金属間化
合物(以下、「σ相」という)を形成し易い。
このσ相の形成および存在は、鉄基形状記憶合金の形状
記憶特性、加工性および靭性を著しく劣化させる; このようなことから、形状記憶特性および耐食性に優れ
た鉄基形状記憶合金の開発が強く望まれているが、かか
る鉄基形状記憶合金は、まだ提案されていない。
従って、この発明の目的は、形状記憶特性および耐食性
に優れた鉄基形状記憶合金を提供することにある。
[課題を解決するための手段] hep型鉄型鉄状形状記憶合金所定温度において塑性変
形を加えると、前記合金の相は、その母相。
即ち、オーステナイトからεマルテンサイトに変態する
。その母相がこのようにεマルテンサイトに変態した前
記合金を、その後、オーステナイト変態点(以下rAf
点」という)以上で且つAf点近傍の温度に加熱すると
、εマルテンサイトは、その母相、即ち、オーステナイ
トに逆変態し、そして、その結果、塑性変形を加えられ
た前記合金は、塑性変形を加える前の、元の形状に回復
する。
上述したhcp型鉄型鉄状形状記憶合金れた形状記憶特
性を発揮させるためには、下記条件を満たす必要がある
(1)前記合金に所定温度において塑性変形を加える前
の、前記合金の母相は、    −主としてオーステナ
イト からなる 弁ヤ中株カことが必要である。上述した所定温度とは、
前記合金にその温度において塑性変形を加えると、母相
からεマルテンサイトに変態することができる温度をい
う。
(2)オーステナイトの積層欠陥エネルギーは、低くな
ければならない。更に、前記合金に塑性変形を加えるこ
とによって、その母相からεマルテンサイトのみに変態
することを必要とし、α′フマルンサイトに変態しては
ならない。
(3)オーステナイトの降伏強度は、高くなければなら
ない。更に、前記合金に塑性変形を加えたときに、前記
合金の結晶構造中にすべり変形が生じてはならない。
この発明は、上記条件を満たしつつ、前述の従来技術の
問題点を解決するものであり、Cr : 0.1〜5.
Owt、%、 Si:2.O〜8.Ovt1%、 Mn : 1.0−14.8wt、%、下記からなる群
から選んだ少なくとも1つの元素、 Ni:0.1〜20 、 Oi+t、%、Co : 0
.1〜30.Ovt、%、Cu : 0.1〜3.Ow
t、%、 N  : 0.001〜0.40kt、%。
但し、Ni+ 0.5Mn+ 0.4Co+ 0.06
C:u+ 0.002N≧0.67 (Cr+ 1.2
Si) および、 残り:Feおよび不可避的不純物 からなることに特徴を有するものである。
次に、この発明の鉄基形状記憶合金の化学成分組成を、
上述した範囲内に限定した理由を、以下に述べる。
(1)Cr(クロム): Crには、オーステナイトの積層欠陥エネルギーを低下
させ、そして、合金の耐食性および耐高温酸化性を向上
させる作用がある。更に、Crには、オーステナイトの
降伏強度を高める作用がある。
しかしながら、Crの含有量が0.1tyt、1未満で
は、上述した作用に所望の効果が得られない。一方、C
rの含有量が5.(ht、%を超えることは、次の理由
により許されない。即ち、Crは、フェライト形成元素
であるから、Cr含有量が増加すると、オーステナイト
の形成が阻害される。このため、この発明においては、
オーステナイトを形成させるために、後述するようにオ
ーステナイト形成元素である。 Mn、と、そして、同
様にオーステナイト形成元素であるNi、 Go、 C
uおよびNのうちの少なくとも1つの元素を、合金に添
加する。Cr含有量が増加すると、上述したオーステナ
イト形成元素もより多量に添加する必要がある。しかし
ながら、オーステナイト形成元素を多量に添加すること
は、経済的に不利である。更に、 Cr含有量が増加す
ると、合金中にσ相が形成し易くなる。このような理由
から、Cr含有量が5.Owt、%を超えると、オース
テナイト形成元素の含有量を増加する必要があるので、
経済性が損われ、そして、更に、σ相の形成に因って1
合金の形状記憶特性、加工性および靭性が劣化する。従
って、Cr含有量は、0.1〜5、(ht、%の範囲内
に限定すべきである。
(2) Si (ケイ素): Siには、オーステナイトの積層欠陥エネルギーを低下
させる作用がある。更に、Siには、オーステナイトの
降伏強度を高める作用がある。しかしながら、Si含有
量が2.(ht、1未満では、上述した作用に所望の効
果が得られない。一方、Si含有量が8.Owt、%を
超えると、合金の延性が著しく低下し、そして、合金の
熱間加工性および冷間加工性が著しく悪化する。従って
、Si含有量は、2.0〜8、(ht、%の範囲内に限
定すべきである。
(3)マンガン: マンガンは、オーステナイトを形成する強力な元素であ
り、そして、マンガンには、合金に塑性変形を加える前
の、合金の母相を、主としてオーステナイトにする作用
がある。しかしながら、マンガンの含有量が1 、 O
wt、3未満では、上述した作用に所望の効果が得られ
ない。一方マンガンの含有量が14.8wt、%を超え
ると、合金の耐食性が悪化し、そして、σ相が形成され
易くなる。従って、マンガンの含有量は、1.0から1
4.8wt、%の範囲内に限定すべきである。
我々は、鉄基形状記憶合金における、マンガン、クロム
およびシリコンの含有量が、耐食性に及ぼす影響を、以
下に述べる試験によって調べた:即ち、2.0から8 
、0tit、%のシリコンを含有する合金鋼中の、クロ
ムおよびマンガンの含有量を変化させながら、後述する
′実施例′に述べる方法に従って、種々の供試体を調製
した。次いで、このようにして調製した供試体の各々に
対し、3か月間の大気曝露試験を行なって、各供試体に
ついて、目視検査により、錆の発生状況を評価した。こ
の試験結果を第1図に示す。
第1図において、横軸はマンガンの含有量(tit。
%)を示し、そして、縦軸はクロムの含有量(wt。
%)を示す。第1図において、点線で囲んだ区域は、マ
ンガン含有量およびクロム含有量が、この発明の範囲内
にあることを示す。また、第1図において、′01印は
、錆の発生が認められなかったことを示し、′O′印は
、錆の発生が若干認められたことを示し、そして、′×
′印は、錆の発生が顕著に認められたことを示す。第1
図から明らかなように、 1.0から14.kt、%の
範囲内のマンガン含有量、0.1から5.Owt、%の
範囲内のクロム含有量および2.0から8.0vt、%
の範囲内のシリコン含有量を有する供試体は、優れた耐
食性を示している。
この発明においては、オーステナイトの積層欠陥エネル
ギーを低下させるCr、 SiおよびMnを合金に添加
し、そして、更に、オーステナイト形成元素である、N
i、 Go、 CuおよびNのうちの少なくとも1つの
元素を合金に添加し、もって、合金に塑性変形を加える
前の、合金の母相を、主としてオーステナイトにするも
のである。
(4) Ni にッケル): Niは、オーステナイトを形成する強力な元素であり、
そして、Niには、合金に塑性変形を加える前の、合金
の母相を、主としてオーステナイトにする作用がある。
しかしながら、Ni含有量が0.1wt、3未満では、
上述した作用に所望の効果が得られない。一方、Ni含
有量が20.(ht、%を超えると、εマルテンサイト
の変態点(以下、rMs点」という)が低温域に著しく
移行し、そして、合金に塑性変形を加える温度が著しく
低くなる。従って、Ni含有量は、0.1〜20.0t
it、対の範囲内に限定すべきである。
(5) Co (コバルト): COは、オーステナイト形成元素であり、そして、Co
には1合金に塑性変形を加える前の、合金の母相を、主
としてオーステナイトにする作用がある。
更に、Mn、 Ni、 CuおよびN、には、Ms点を
低下させる作用があるのに対して、Coには、Ms点を
殆んど低下させないという作用がある。従って、coは
二Ms点を所望の温度範囲内に調節するために、極めて
有効な元素である。しかしながら、Co含有量が0.1
wt、1未満では、上述した作用に所望の効果が得られ
ない。一方、Co含有量が30.(ht、%を超えても
、上述した作用に格別の向上が得られない。従って、C
o含有量は、0.1〜30.0留t、%の範囲内に限定
すべきである。
(6) Cu (銅): Cuは、オーステナイト形成元素であり、そして、Cu
には1合金に塑性変形を加える前の、合金の母相を、主
としてオーステナイトにする作用がある。
更に、Cuには、合金の耐食性を向上させる作用がある
。 しかしながら、Cu含有量が0.1wt、%未満で
は、上述した作用に所望の効果が得られない。
一方、Cu含有量が3.Owt、%を超えると、εマル
テンサイトの形成が阻害される。その理由は、Cuには
、オーステナイトの積層欠陥エネルギーを高める作用が
あるからである。従って、Cu含有量は。
0.1〜3.Owt、%の範囲内に限定すべきである。
(7) N (窒素): Nは、オーステナイト形成元素であり、そして。
Nには1合金に塑性変形を加える前の、合金の母相を、
主としてオーステナイトにする作用がある。
更に、Nには1合金の耐食性を向上させ、そして、した
作用に所望の効果が得られない。一方、N含有量が0.
400すt1%を超えると、 CrおよびSiの窒化物
が形成し易くなり、そして、合金の形状記憶特性が悪化
する。従って、N含有量は、0.001〜0.400t
+t、%の範囲内に限定すべきである。
(8)オーステナイト形成元素の合計含有量の、フェラ
イト形成元素の合計含有量に対する割合: この発明においては、上述したように、合金に所定温度
において塑性変形を加える前の、合金の母相は、主とし
てオーステナイトからなることが、絶対に必要である。
従って、この発明においては、この発明の合金の化学成
分組成に対する上述した限定に加えて、下式を満足させ
る必要がある。
Ni+ 0,5Mn+ 0.4Co+ 0,06Cu+
 0.002N≧0.67(Cr+ 1.2Si) この発明の合金に含有されているオーステナイト形成元
素のオーステナイト形成力は、Ni当量の見地から、次
のように表わすことができる。
Ni当量=Ni+ 0.5Mn+ 0.4Co+0.0
6Cu+ 0.002NNi当量は、オーステナイト形
成力の指標である。
この発明の合金に含有されているフェライト形成元素の
フェライト形成力は、Cr当量の見地から、次のように
表わすことができる。
Cr当量=Cr+1.2Si Cr当量は、フェライト形成力の指標である。
上述した式を満足させることによって、合金に所定温度
において塑性変形を加える前の、合金の母相を、主とし
てオーステナイトからなる母相にすることができる。
(9)不純物: 不純物である、C1PおよびSの含有量は、Cについて
はl tgt、z以下、 Pについては0.1wt、%
以下、そして、 Sについては0.1wt、%以下であ
ることが望ましい。
次に、この発明の鉄基形状記憶合金を、この発明の範囲
外の比較合金と対比しながら、実施例によって、更に詳
細に説明する。
[実施例] 第1表に示すように、この発明の範囲内の化学成分組成
を有するこの発明の合金鋼、および、同じく第1表に示
すように、この発明の範囲外の化学成分組成を有する比
較合金鋼を、大気圧下または真空下において、溶解炉内
において融解し、次いで、インゴノ1−に鋳造した。次
いで、得られたインゴットを1000〜1250℃の範
囲内の温度に加熱し、そして、次いで、12nnの厚さ
にまで熱間圧延して、この発明の合金鋼の供試体(以下
、「本発明供試体」という)Nα1〜11.および、こ
の発明の範囲外の比較合金鋼の供試体C以下、「比較供
試体」という)Nα1〜9を調製した。
次いで、本発明供試体Nα1〜11、および、比較供試
体&1〜9の各々について1.形状記憶特性、および耐
食性を、以下に述べる試験によって調べた。これらの試
験の結果を第1表に併せて示す。
(1)形状記憶特性 下記からなる引張試験によって、形状記憶特性を調べた
。上述したようにして調製した、本発明の供試体Nα1
〜11、および、比較供試体&1〜9の各々から、直径
6Iおよび標点間距W130III11の丸棒上の試験
片を切り出し、このように切り出した試験片の各々に、
第1表に示す変形温度において、4%の引張り歪みを付
加し、次いで、各試験片を、Af点以上で且つAf点近
傍の所定温度に加熱し1次いで、前記引張り歪みを付加
しそして加熱した後の各試験片の標点間距離を測定し、
そして、標点間の測定結果に基づいて、形状回復率を演
算して、各供試体の形状記憶特性を評価する。
上述した引張り試験の結果を、同じく第1表の「形状記
憶特性」の欄に示す。
形状記憶特性の評価基準は、次の通りであった。
O:形状回復率は、70%以上、 O:形状回復率は、30〜70%未満、×:形状回復率
は、30%未満。
形状回復率は、下式に従って演算された。
Ll−L。
但し、Lo: 試験片の最初の標点間距離、L工: 引
張り歪みを付加した後の、試験片の標点間距離。
Lよ: 加熱後の、試験片の標点間距離。
Ms点は、供試体ごとに異なるので、塑性変形を加える
のに最適な温度を、各試験片ごとに設定した。この温度
を、第1表、「変形温度」の欄に示す。
(2)耐食性 本発明供試体Nα1〜11、および、比較供試体Nα1
〜9の各々に対し、2年間の大気曝露試験を行なって、
その耐食性を調べた。上記試験の終了後、各供試体につ
いて、目視検査により、錆の発生状況を評価した。上記
試験の結果を、同じく第1表「耐食性」の欄に示す。
錆の発生の評価基準は、次の通りであった。
O:錆の発生が認められない、 0:錆の発生が多少認められる、 ×:錆の発生が顕著に認められる。
第1表から明らかなように、比較供試体Na lは、シ
リコン含有量がこの発明の範囲を外れて低いために、形
状記憶特性において劣っている。
比較供試体Na 2は、シリコン含有量がこの発明の範
囲を外れて高いために、形状記憶特性において劣ってい
る。更に、比較供試体Nα2においては。
割れの発生が認められる。
・比較供試体Nα3は、マンガン含有量がこの発明の範
囲を外れて低いために、形状記憶特性において劣ってい
る。
比較供試体Nα4は、マンガン含有量がこの発明の範囲
を外れて高いために、耐食性において劣っている。
比較供試体Nα5は、クロム含有量がこの発明の範囲を
外れて低いために、耐食性において劣っている。
比較供試体面6は、ニッケル含有量がこの発明の範囲を
外れて高いために、形状記憶性において劣っている。
比較供試体Nα7は、カッパー含有量がこの発明の範囲
を外れて高いために、形状記憶性において劣っている。
比較供試体Na 8は、窒素含有量がこの発明の範囲を
外れて高いために、形状記憶性において劣っている。
比較供試体N(L 9は、式’ Ni+0.5Mn+0
.4Co+0.06Cu+ 0.002N≧0.67(
Cr+ 1.2SL) ’を満足させていないために、
形状記憶性において劣ってbする。
これに対して、本発明供試体Nα1から11は、何れも
、形状記憶特性および耐食性に優れている。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の鉄基形状記憶合金は、
形状記憶特性および耐食性に優れており、そして、管の
継手、種々の締付は装置などの材料、および、生体用材
料として使用するのに適しており、そして、その製造費
を低減すること力1でき、かくして、工業上有用な効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、鉄基形状記憶合金における、Cr、 SLお
よびMnの含有量が、耐食性に及ぼす影響を示すグラフ
である。 第 1 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Cr:0.1〜5.0wt.%、 Si:2.0〜8.0wt.%、 Mn:1.0〜14.8wt.%、 下記からなる群から選んだ少なくとも1つの元素、 Ni:0.1〜20.0wt.%、 Co:0.1〜30.0wt.%、 Cu:0.1〜3.0wt.%、 N:0.001〜0.400wt.%、 但し、Ni+0.5Mn+0.4Co+0.06Cu+
    0.002N≧0.67(Cr+1.2Si) および、残り:Feおよび不可避的不純物、からなるこ
    とを特徴とする形状記憶特性および耐食性に優れた鉄基
    形状記憶合金。
JP1085153A 1988-04-05 1989-04-04 形状記憶特性および耐食性に優れた鉄基形状記憶合金 Pending JPH0230734A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02228451A (ja) * 1989-02-28 1990-09-11 Nippon Steel Corp 鉄基形状記憶合金
JP2019199626A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 国立研究開発法人物質・材料研究機構 形状記憶合金、その製造方法、および、それを用いた用途

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02228451A (ja) * 1989-02-28 1990-09-11 Nippon Steel Corp 鉄基形状記憶合金
JP2019199626A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 国立研究開発法人物質・材料研究機構 形状記憶合金、その製造方法、および、それを用いた用途

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