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JPH02305575A - 抗血栓性材料及びその製法 - Google Patents

抗血栓性材料及びその製法

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Publication number
JPH02305575A
JPH02305575A JP63270788A JP27078888A JPH02305575A JP H02305575 A JPH02305575 A JP H02305575A JP 63270788 A JP63270788 A JP 63270788A JP 27078888 A JP27078888 A JP 27078888A JP H02305575 A JPH02305575 A JP H02305575A
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JP
Japan
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protein
fibrin
solution
thrombin
enzyme
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Application number
JP63270788A
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English (en)
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JPH0638852B2 (ja
Inventor
Jiro Sawamoto
沢本 二郎
Yoshihito Takano
高野 良仁
Yuzo Ezaki
江嵜 祐造
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
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Priority to DE1989623423 priority patent/DE68923423T2/de
Priority to ES89402988T priority patent/ES2076970T3/es
Priority to EP19890402988 priority patent/EP0366564B1/en
Publication of JPH02305575A publication Critical patent/JPH02305575A/ja
Priority to US07/746,803 priority patent/US5298255A/en
Publication of JPH0638852B2 publication Critical patent/JPH0638852B2/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抗血栓性材料及びその製法に関する。特に、
本発明は、人工血管や人工臓器等に使用されるのに適す
る抗血栓性及び生体適合性にすぐれた医療用高分子材料
及びその製法に関する。
[従来の技術] ゛ 医療材料の分野において、ポリエステル、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ポリウレタン等の多くの合成高分子
材料が使用され、多くの実績が認めん−れるが、これを
直接血液と接触する個所に用いる医療用材料、例えば、
人工血管として使用する場合、血液が凝固して、血栓形
成を引き起こす、これを解決するため、種々の高分子材
料に抗血栓性を持たせる工夫がなされてきた1例えば、
ヘパリンのような天然の抗凝固剤を材料表面に化学結合
させる方法(特公昭51−103190号公報参照)、
或いは1.2−ジフェニル−3或いは5−ジオキシピラ
リゾン誘導体等合成!!!#活性化合物を高分子に付与
する方法(特公昭52−142772号公報参照)など
が知られている。現在用いられているヘパリンは、主に
豚の臓器から得たヒト以外の動物に由来する抗凝血物質
であるため生体適合性に問題があり、また、高分子担体
に共有結合きせると活性を失う等のヘパリンの担体への
結合方法にも間層が残されている。それらを解決すべく
、ヘパリンをイオン結合で含有したポリマーで高分子材
料表面を被覆し、良好な抗血栓性を示した文献(長岡昭
二ら、人工臓器、1988年第17巻2号第598〜6
01頁)や、ヘパリンをミクロドメインの1つに組み込
んだポリスチレン−PEO−ヘパリンの3元ブ[+7り
共重合体が合成され、その抗血栓性が試験されている(
 Vulic、 1. Transactions o
f 13th Annual Meeting of 
5ociety for Biomaterials、
P、81.1987)が、まだ、人工血管としては、実
用に供するには、不十分であって、満足しうるものは、
得られていない、また、血栓溶解酵素ウロキナーゼは、
血栓症治療剤として広く臨床で使用きれているが、流血
中にはα8−プラスミンインヒビタ−やα□−マクログ
ロブリン等のプラスミン阻害因子が多量に含有されてい
るため、ウロキナーゼの作用は抑制きれてしまい、生体
外(in yitro)の活性から期待される程の効果
は、認められていない。
前記の高分子材料に抗血栓性を持たせる方法の他に材料
自体を血栓が生じ難いものにする方法として一連のセグ
メント化ポリウレタン系統での研究が知られている。従
来の試行錯誤的な方法から分子設計による研究方法を試
み、ミクロドメインポリマーに関しては、その相分離性
と抗血栓性との関連がより明確になりつつあり(高原淳
ら、第16回医用高分子シンポジウム要旨集、第21頁
、1987年:参照)、更に、高い多孔性のポリウレタ
ンを材料とする方法が、検討されている(Martz、
 H,et al、 Biosaterialg、8.
3.1987:参照)が、この場合、移植後も新生内膜
形成は、起こらないか、或いは非常に遅いため、これら
は未だ実用に供するには不十分である(田村康−ら、人
工臓器、16.1500.1987年:参照)。
このような研究に対して、人工血管移植後、初期の血栓
性閉室は阻止でき、良好な短期成績が得られるが、1ケ
月以上の長期成績となると閉室することが多く、それら
の原因は新生内膜形成不全によるという報告があいつぎ
(佐藤伸−ら:口外会誌、89〜109頁、1988年
:久保良産ら;脈管学:27.8.567〜57011
987年:森本典雄ら;人工臓器;14.941〜94
4.1985年:境、普子ら;人工臓器、15.367
〜370,1986年を参照)、合成高分子材料のみで
抗血栓性、早期組織治癒性の両性質をもたせることの限
界が指摘諮れるようになった。そのような状況のなかで
、最近、高分子材料表面にコラーゲン層を設ける方法(
特公昭61−58196号)、更に、天然血管に、側鎖
及び末端にエポキシ基を反応基として有するポリグリセ
ロール、ポリグリシデルエーテル(PGPGE)を用い
て架橋する方法(野尻知里ら;人工臓器、16.147
0頁、1987年:参照)等の所謂ハイブリッド型の人
工血管として新生内膜形成を積極的に促すような方法が
試みられているが、まだ、これから先の研究に負うとこ
ろが太さい。
また、従来の天然組織のみから成る管状体の使用には、
長期間生体内に留置すると、瘤様拡張するという力学的
性質の問題があり、また、ヘパリンを使用することによ
り、細胞の増殖が抑制されること(Wolfgang 
Lankes、 et al、 Biochem、 J
251.831〜842.1988 :参照)から、新
生内膜形成が遅延する可能性がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、このような事情に鑑み、従来の抗血栓性
高分子材料の有する欠点をなくし、すぐれた抗血栓性と
生体適合性を有し、且つ力学的強度の良好な材料を得る
ために、鋭意研究を重ねた。即ち、血管内膜傷害モデル
動物を作製し、天然の血管が傷害されて、その後、どの
ように修復きれていくかを詳細に検索することにより、
人工血管の具備すべき条件を見出し、その知見を応用し
、本発明を為したものである。その結果、天然血管の内
膜が傷害されると、露出した肉弾性板上に形成きれた一
層のフィブリン血栓は感受てあり、更に、その後閉本す
ることなく、僅か1週間で新生内膜が形成されることを
見出した。この知見に基づき、抗血栓性更に早期組織治
癒性を兼ね備えた材料として、内膜傷害後、一時的に肉
弾性板上に形成されるフィブリンに注目し、本発明を完
成させたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明の要旨とするものは、高分子材料の表面に少なく
とも赤血球及び白血球を実質的に含まない重合されたタ
ンパク質層を設けてなる抗血栓性材料である。尚、ここ
で、′赤血球及び白血球を実質的に含まない、とは、′
抗+fit栓性に対して、有意な悪影響を与えない程度
に赤血球及び白血球が除去されているヨことという意味
である。また、本発明は、高分子材料の表面に、血漿構
成成分タンパク質をタンパク質作用酵素で処理すること
により、重合されたタンパク質層q層を設けてなる抗血
栓性材料である。そのタンパク質作用酵素は、トロンビ
ン或いはレプチラーゼなどのトロンビン様作用を有する
酵素であり、重合されたタンパク質は、ブイプリンであ
ることが好適である。
また、本発明は、高分子表面を、タンパク質作用酵素で
処理し、次に、血漿構成成分タンパク質を含有する溶液
で処理することにより、その抗血栓性材料が製造され、
その場合、タンパク質作用酵素は、ト[1ンビン或いは
レプチラーゼなどのトロンビン様作用を有する酵素であ
り、血漿構成成分タンパク質は、フィブリノーゲン、ク
リオプレシピテート或いはプラズマであることが好適で
ある。
本発明は、高分子材料の表面に、血漿構成成分タンパク
質を、タンパク質作用酵素で処理することにより、重合
されたタンパク質層を設けたものである。即ち、高分子
材料表面に、酵素処理の重合タンパク質層を、表面に形
成することにより、抗血栓性、其の他のすぐれた生体適
合特性を与えたものである。その表面に固定化きれる物
質としは、前記のように、フィブリンが好適である。そ
して、本発明によると、高分子表面を、タンパク質作用
酵素含有溶液(A液)で処理し、次に、血漿構成成分タ
ンパク質含有溶液(B液)で処理することにより、目的
の抗血栓性材料が得られる。
そのタンパク質作用酵素としては、トロンビン或いはレ
プチラーゼ、へび毒などのトロンビン様作用を有する酵
素であり、血漿構成成分タンパク質としては、フィブリ
ノーゲン、クリオプレシピテート或いはプラズマが好適
である。即ち、本発明により用いる血漿構成成分タンパ
ク質は、すべて血漿を原料とするもので、“プラズマ”
とは、全血液にクエン酸塩等で抗凝固処理をし、遠心操
作等により血球成分を除去した血漿分を指すものである
。この“プラズマ”中には、フィブリノーゲンを含有す
るが、高い濃度には含有しないために、血漿を凍結、冷
却遠心を繰り返して、フィブリノーゲンの濃度を高め、
得られたものを“クリオプレシピテート”と称し、クリ
オプレシピテート製剤として日本赤十字社から市販され
ている。
また、フィブリノーゲンとしては、種々の製薬会社から
製剤として市販されている。
本発明において、高分子材料の表面に、“血漿構成成分
タンパク質をタンパク質作用酵素で処理することにより
、重合されたタンパク質層”とは、′A液とB液の2つ
の液が接触することにより、形成され、実質的に赤血球
及び白血球を含まないもの」である、具体的には、固定
化“フィブリン”であり、これは、α、β、S鎖からな
るフィブリノーゲンに、トロンビン、Ca”、FXIl
[が作用し、最終的に、架橋きれて不溶性ブイプリンと
なったものである。そして、A液としては、主たる組成
がトロンビン或いはレプチラーゼ、へび毒などのトr1
ンビン様作用を有する酵素のようなタンパク質作用酵素
を含有する液から成るものである。更に、A液には、カ
ルシウム溶液FXI等を適宜添加することができる。そ
して、B液としては、フィブリノーゲン、クリオプレシ
ピテート或いはプラズマ等の血漿構成成分タンパク質が
挙げられる。
また、高分子材料表面に、固定化されたタンパク質に対
して、公知の方法で、架橋処理することも可能である。
以北のようにして得られる本発明による所謂“フィブリ
ン”は、従来得られるフィブリンと異なり、ムラがなく
、光学顕微鏡観察で密な方向性を有する一層を成すもの
で、実質的に赤血球及び白血球を含まないものである。
[作用] 本発明により用いる血液凝固の最終産物である不溶性フ
ィブリンは、創傷治癒の過程に重要であり、肉芽組織の
形成には、ブイプリン体間で進行する架橋による不溶性
フィブリンネットワークの形成が必髪である(Maek
tl、 W、 et al、 Thromb、 Dia
thHaemorrh、32.578−581’Lor
and、L、et al、Arch、Biochem、
 Biophys、 105.58−67、1964:
参照)、また、一般的に血栓はフィブリン繊維網に血球
成分が取り込まれた状態で増大していくという経過を辿
るため、フィブリンは血栓増大につながるとの見方が強
い、ここで注意tべきは、架橋反応が進行している状態
と、架橋反応が終了したフィブリンに&維では根本的な
機能が異なることである。また、フィブリンは、コラー
ゲン等と違って、生理的には、存在せず、非生理的な状
況で出現する蛋白質であるが、血液が傷害を受けた時、
或いは人工材料を生体内に適用した時には、感受な物質
である。
本発明者らによるモデル動物での組織修復過程探索研究
により、天然血傷害直後のフィブリン形成こそが、その
後の組織修復過程を制御できる物質である知見を得た。
但し、血球を多く含んだ所謂、混合血栓は、血液由来の
アラキドン酸代謝物、活性化補体、ラインゾームエンザ
イム等の多くの生理活性物質を含有するものであり、本
発明者らの研究で到達したフィブリンとは、厳密に区別
されるべきものである。また、血球を含まないフィブリ
ンの抗血栓性については、文献(熱田友義ら:人工臓器
、19g0.96.932=935:HOvig、T、
at al。
J、 Lab、 & C11n、 Med、 ;71.
29.1968:和泉裕−ら9人工臓器、 12.1.
1983.217〜220)で広く知られており、更に
架橋したブイプリン存在下で、線溶活性の亢進作用を示
した文献(牧野安博ら、血液と脈管、 1986.10
9.109〜118)が知られているが、これらは、高
分子材料が血液と接触することにより、次の反応として
凝固系が活性化されるのに対し、フィブリン存在下で、
線溶系の反応を若起できることの可能性を暗示するもの
である。従って、本発明で見出した、実質的に赤血球及
び白血球を除去したブイプリンを被覆することと、高分
子材料が血液と接触して形成された赤血球及び白血球を
含むフィブリンとは、その後の生体系へ与える影響にお
いて、根本的に異なることは明らかである。また、モデ
ル動物での研究で形成されたフィブリンの部位が、僅か
1週間で新生内膜により器質化きれること、及び、生体
外(in vitro)で、フィブリンが内皮開胸によ
り細毛血管形成及び遊走促進に寄与しているという文献
(J、Volander、et al、 J、Ce1l
 Physiol、 125.1−9.1985)が知
られていること、更には、ブイプリンのフラグメント化
により各ステージでの分解産物が種々の生理活性作用を
持ち、細胸の遊走、増殖に影響を与えること(石田照佳
ら、動脈硬化、8.605.1981 )等のフィブリ
ンの有する種々の生理的機能、或いは炎症の場における
ブイプリンの役目は、これから先の医療用材料として大
きな期待がかけられている。
以上のフィブリンの性質に加えて、更に、本発明者らは
、血漿構成成分タンパク質をタンパク質作用酵素で処理
することにより、重合されたタンパク質層は、密な方向
性を有する繊維から成り、然も、平滑な表面を形成する
ことを見出したものである。
重合きれたタンパク質は、フィブリンであることが好適
である。また、本発明は、高分子表面を、タンパク質作
用酵素で処理し、次に、血漿構成成分タンパク質を含有
する溶液で処理することにより、その抗血栓性材料が製
造きれ、その場合、タンパク質作用酵素は、トロンビン
或いはレプチラーゼなどのトロンビン様作用を有する酵
素であり、血漿構成成分タンパク質は、フィブリノーゲ
ン、クリオプレシピテート或いはプラズマであることが
好適である。
本発明による抗血栓性材料の製法は、次の通りである。
具体的に管状体の形を取る高分子材料にフィブリンを固
定化する方法を例に以下に説明するものである。
例えば、管状体の形の多孔質ポリウレタン内腔にCa”
溶液を含有するトロンビン溶液(A液)を例えば注射器
に入れ、内腔へ注入する。この時、多孔質の高分子材料
を用いる場合、孔腔全体へゆきわたるように圧をかける
ことが望ましい。
A液を注入した後、6%以下のフィブリノーゲン溶液(
B液)を例えば注射器等で加圧しながら管状体内腔面へ
注入し、A液と接触させ、管状体内腔表面で架橋諮せる
ことにより、一層から成るブイプリン膜を形成許せ、固
定化する。
フィブリノーゲン濃度が、6%以上では、難溶性であり
、不都合であるためである。
この反応は、好ましくは中性付近の緩衝液溶液で行なわ
れる。この緩衝液溶液としては、HEPES緩衝液等が
用いられる。
マタ、Ca”トロンビン溶液は、適宜の量が用いられる
が、トロンビン溶液はフィブリン1g当り1!lL位以
上好ましくは50〜500!位が用いられる。トロンビ
ン溶液は、50.11位以下では、フィブリノーゲンに
作用するに不十分であり、約350単位/ m lで、
物理的強度が飽和に達し、そして、約5oot位以上で
は、増やしても効果が上がらないため、500単位以下
で十分であるためである。
Ca”″″溶液、フィブリノーゲン溶液100m1当り
5mモル当量以下が用いられる。即ち、Ca1+は、5
mモルで飽和状態になり、これ以上の添加は効果がない
ために、5mモル当量以下とした。
また、A液(アプロチニン等のタンパク質分解酵素阻害
剤を使用することも可能であり、更にFX■を適量更に
加えることもできる。
更に、B液の替わりに、クリオプレシピテート、プラズ
マ等血漿構成成分のタンパク質を使用することもできる
。そして、固定化きれた一層の実質的に赤血球及び白血
球を含まないタンパク質層を高分子材料表面に形成する
ことにより、高分子材料に抗血栓性を与え、高い生体適
合性を与えるものである。
本発明の抗血栓性材料の基材をなす高分子としては、ナ
イロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリウレタン、シリコンゴムなどの機械的性能にすぐ
れた合成高分子材料か、或いは天然血管、尿管等の生体
に由来する組織、器官等を用いることができる。
高分子材料として、高い多孔質性を有するものを用いる
場合、血液漏出のない状態、線溶に対する抵抗性を持た
せるために、或いは、ブイプリン層をより強固に高分子
材料表面に固定させるために、物理的吸着法による結合
の他に、多官能性試薬と反応させて架橋させること等の
公知の方法をも適用することができる6例えば、高分子
材料表面にフィブリン膜を形成させた後に、0.01〜
2容量%のグルタルアルデヒド含有生理食塩水溶液を用
いて、ブイプリン層を処理することにより、抗血栓性に
すぐれた材料を得ることができる1以上のフィブリン固
定化管状体は、余分な未反応液の洗滌を兼ねて生理食塩
水て処理することが好適で誕る。
以上のようにして、管状体から成る高分子材料内腔表面
に実質的に赤血球及び白血球を含まない一層のフィブリ
ン膜を固定した抗血栓性材料が得られる。
本発明の抗血栓性材料は、すぐれた抗血栓性と生体適合
性を有し、且つ機械的性能が良好であって、直接血液と
接触する個所に用いられる各種医療用機器の材料、例え
ば、人工血管、血管力テーチル、人工腎臓用チューブ、
人工心肺、血液/くイバスチューブ、人工心臓ボンビン
グチエン/<−、バルーンボンピング用などの材料とし
て極めて価値があるものである。
本発明の抗血栓性材料では、実質的に赤血球及び白血球
を含まないフィブリンを被覆しているため、生体内で長
時間使用する場合でも、血栓が増大するおそれがなく、
安全性も高い。
次に、本発明の抗血栓性材料の製造を具体例により説明
するが、本発明は、次の説明に限定されるものではない
[実施例1] [フィブリン膜固定法] 注射器Aに3mμのCa Ce *(局方:武田薬品株
式会社製)を含む50μ/ m 1局方トロンビン溶液
(持田製薬株式会社製)5mffiを液Aとして、用意
した。一方、注射器Bに、3%ヒトフィブリノーゲン溶
液(ミドリ十字製薬株式会社製)5mlをB液として、
用意した0次に、第2図仁示す構成で、即ち、注射器1
(シリンダー)とコネクター2に結合された多孔質ポリ
ウレタンよりなる管状体3の内壁表面に、本発明による
処理を行なう、即ち、管状体からなる多孔質ポリウレタ
ン弾性体(鐘紡株式会社製)3に先ずA液を、シリンダ
ー1により、上から圧をかけながら注入した1次にB液
を同様に注入し、ポリウレタン3の内腔表面に1層のフ
ィブリン膜を形成させた。5分間静置した後、20m1
の生理食塩水で余分な反応液を洗滌し、フィブリン膜固
定化管状体を得た。
[実施例2] [固定化フィブリンの架橋法] 実施例1で示したフィブリン膜固定化管状体に、更に、
0.1%グルタルアルデヒドを含有する生理食塩水中に
浸漬処理し、更に、強固にフィブリン層を結合許せたフ
ィブリン膜固定化管状体が得られた。十分に洗滌した後
に、次に記述する抗血栓性評価のための循環実験により
、抗血栓性を検査したところ、3時間循環試験した後に
、赤色血栓の付着は、はとんど認められなかった。
[抗血栓性評価生体外(ex vivo)循環実験]臨
床所見で異常を認めない健康な日本白色家兎(雄、雌で
体重2.3〜3 、0klりにベンドパルビタール25
 、92mg/kgを耳静脈より投与し、全身麻酔を施
した。仰伏位に固定した後、一般外科手術術式に準じた
手法で傾動静脈を露出移せた。第3図に示したA−Vシ
ャント(A−Vshunt)回路内に検体を留置し、生
理食塩水でブライミングした後、露出した傾動静脈15
に14G留置針(チル七社製:サーフロー[登録商標]
)を介して、接続し、循環試験を開始した。即ち、兎の
頚動脈から血液を留置針8を通して、コネクター9を介
して、検体11に導く、そして、輸液セット12を通り
、サンプリングのためのタフ管13を通り、児頭静脈1
5に返されるものである。循環試験の開始直後に、循環
回路のサンプリング管13から採血し、抗凝固剤として
EDTA−2にの入った採血管(チル七社製:ベノジェ
クト[登録商標])に注入採取した。この抗凝固処理血
液を、ELT−8(オルソ インストルメント(Ort
ho Instrument社製)により血小板数を算
定した。
また、循環が、60分間、120分間及び24時間経過
した後に、前記と同様に、血液を採取して、血小板数を
算定し、[24時間後の血小板数]÷[循環開始直後の
血小板数]X100の式で、計算し、血小板の減少率と
して表わす。
また、24時間の循環試験の終了後に、検体を循環回路
より摘出し、生理食塩水にて軽く洗滌した後、10%中
性緩衝ホルマリン液によって固定した。固定した後、一
般病理組織標本作製方法(病理組織標本の作り方:渡辺
陽之輔裔修:医学書院、第6版、1986年)に準じた
方法により、パラフィン切片を作製し、HE染色を施し
、鏡検に供した。評価方法として血栓の性状及び形成さ
れた血栓の厚さを測定した。血栓の厚さについては、8
個所の部位について、90倍の顕微鏡写真を撮影し、写
真上で厚きを測定し、血栓ポイントとした。また、24
時間循環試験した後の血栓付着状態を走査型電子顕微鏡
(日本電子株式会社製;JSM−840)により観察し
た。
[実施例3] ヒトフィブリノーゲン製剤フィブリノーゲンHT−ミド
リ(ミドリ十字製薬株式会社製)を蒸留水に溶解し、リ
ジン−セファロース(Lysine−5epharos
e)4Bカラム(ファルマシア)を通過させ、プラスミ
ノーゲン(プラスミン)を除去した。カラム通過後の溶
液中のプラスミノーゲン量をテストチーム(登録商標)
PLGキット(第一化学薬品社製)で測定し、検出され
ないことを確認した。
更に、プラスミノーゲン量を凝固時間測定41! (D
ata−Fi(登録商標);ディト社)により測定し、
凍結乾燥法により濃縮し、プラスミノーゲン除去した3
%のヒトフィブリノーゲン溶液を調製し、これをB液と
した。一方、局方トロンビン(持田製薬株式会社製)を
2−Flのcaclm、2mMのMgCj!m、150
raMNaCeを含む5mMのHEPES緩衝液(pH
ニア、4)で50m位/ m lとなるように溶解し、
これをA液とした。
実施例1で使用した多孔質ポリウレタン管状体(4mφ
、451m)3の内腔に、第2図に示した構成において
、A液3mlを注射器で圧入し、次いで、B液2.5m
j!を同様に、注入することにより、ポリウレタン内腔
表面に1層のフィブリン膜を形成させた。更に、5〜1
0分間室温で静置した後、10mF!の生理食塩水で内
腔を洗滌し、フィブリン固定化管状体を得た。第1図に
ポリウレタン表面に本発明により形成汐れたフィブリン
層を顕微鏡観察した表面の構造を示す。
[実施例4コ 実施例3で調製したプラスミノーゲン除去ブイプリノー
ゲン液を、更に、ゼラチン−セルロフィン(Gelat
in−Cellulofine)カラム(生化学工業社
製)を通過させ、ブイプロネクチンを除去した。
カラム通過後の溶液を、5DS−ポリアクリルアミド電
気泳動*(TEFCO社製)にかけ、フィブロネクチン
のバンドが検出されないことを確認した。更に、実施例
3と同じ操作により、プラスミノーゲン及びフィブロネ
クチン除去した3%ヒトフィブリノーゲン液を調製した
このように調製したフィブリノーゲン液を用いて、実施
例3と同様の方法でブイプリン被覆したポリウレタン管
状体を作製した。
このフィブリン被覆したポリウレタン管状体内壁を、光
学顕微鏡及び電子顕微鏡で観察したところ、実施例3と
同様な平滑な表面を有する1層フィブリン層がポリウレ
タン表面に形成されていたことが確認きれた。
[実施例5] 実施例3.4で得られたフィブリノーゲン液を用いて、
本発明により、ポリウレタン表面上にブイプリン膜を固
定化した管状体について、次の通りに比較検体とともく
、実施例2に記述したと同じ生体外での循環実験を実施
した。
即ち、本発明に従って、実施例3で得られた材料につい
て3検体(A)、そして、実施例4で得られた材料につ
いて2検体(B)と、それに対して、ブイプリン被覆の
ない多孔質ポリウレタン弾性体について3検体(C)及
びボアーテックス(Gore−丁ex[登録向al ]
 ) (Gore−Tex社製)について3検体(D)
[尚、ボアーテックスはテフロン系繊維材で、一般的に
抗血栓性があると云われている人工血管用の市販の材料
である。]及びそれに対して、検体を循環回路内に留置
しないで回路のみでの2検体(E)の合計13検体を、
13羽の家兎を使用して、循環実験を行なった。その結
果を第4図〜第6図及び第1〜2表に示した。
第4図A、B、C,Dは、その内壁の表面の構造を示す
顕微鏡写真であり、そのA−Dは、上記の各場合のもの
に相当し、示すものである。第4凶Cに示きれるよう仁
、フィブリン被覆のないポリウレタン表面では、多くの
赤血球を含有する粗な表面を有するフィブリン網が形成
きれたものである。それに対して、第4図A、Bに示さ
れるように、ポリウレタン表面に予め本発明によりフィ
ブリン被覆したものでは、赤色血栓が認められず、且つ
スムーズな表面となることが明らかにされた。
第5図A、B、C,Dは、各々、ポリウレタン管状体の
内壁の表面を示す電子顕微鏡写真であフィブリン被覆の
ないポリウレタンでは、多くの血球成分を含有した強固
なフィブリン網が著しく認められる(第5図C)のに対
して、フィブリン被覆のあるポリウレタンの場合では、
赤血球はほとんど含有しない薄いフィブリン膜が認めら
れるだけである(第5図A、B)。
次の第1表は、24時間循環試験をした後の血栓の付着
量を示す血栓ポイントを示す0群A1群B、群C1群り
は、各々上記に示した記号A−Dに相当するものである
第1表に示されるように、群A1群Bは、フィブリン被
覆したポリウレタンについての血栓ポイントを示し、血
栓の付着が、顕著に抑制され、その付着量は、群り即ち
、ボアーテックスの場合と比べて、著しく少ないことが
明らかである。
第1表 血栓ポイントの測定値 長屋  群A    81B   群工  耗ユ172
1−6    2     * 18    3    12    3     *1
9   18    11    3     *20
   11    13    9     *21 
  23    12    1     *22  
  3    12    1     *23   
 3     3   16     *24   1
4    14    1     *平均値  14
.5  8.8  4.7  5.0標準偏差  1.
96 0.79 0.76 0.93測定数  24 
   24   24   16次に、前記のA−Dの
検体について、循環実験開始後の血液中の血小板数の減
少を観察した、開始時、60分経過時、120分経過時
、24時間経過時に、採血して、その中の血小板数を計
濡した、その結果は、第2表に示すものである。即ち、
開始時の血小板数を100%として、以下時間経過時の
血小板数を開始時の血小板数に対rる%で示した。
A  100 117.0±0 116.、o±5.9
 87.5±0.5B  100  98.0±o  
tto、o±2.0 67.0±7.5C10081,
3±11.5 88.3±6.2 76.0±7.OD
  100 83.5±9.3 70.0±2.0 5
6.0±4.OB  100 103.5±3.5 9
6.5±0.5 98.5±17,5尚、Eは、検体を
留置しない回路のみでの循環実験を示す。
そして、第6図は、第2表をグラフに表わしたものであ
り、即ち、A−Dの検体について、循環試験の経過時間
に対する血小板数の減少率をグラフで示rものである。
即ち、フィブリン固定化の場合(第6図のグラ゛)の曲
1iA、B)は、固定化のないものより血小板数の減少
が抑制きれ、更に、ボアーテックスの場合(曲線D)よ
りも、血小板数の減少が少ないことが明らかにきれた。
[発明の効果] 本発明は、新規な抗血栓性材料を提供し、それを用いて
、医療分野において、血液と直接接触する部位に使用さ
れる材料として、機械的強度を有する高分子材料に、酵
素反応により、形成きれた実質的に赤血球及び白血球を
含まないフィブリン膜を材料表面に固定化することによ
り、機械的強度を有し、抗血栓性で更に生体適合性を有
する抗血栓性材料が提供できること、 即ち、プイプリノーゲン、クリオプレシピテート、プラ
ズマ等を出発物質として、トロンビン或いはレプチラー
ゼ等のトロンビン様作用を有する酵素により重合された
実質的に赤血球及び白血球ヲ含まないタンパク質を表面
に固定化することにJ:す、血液が凝固(、−〔血栓が
増大するのを防1]−17、史に、−φぐれた生体適合
性を重重る抗血栓性材料を提供すること、 などの著17い技術的効果が得られたもの’r’it、
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明により多孔質ボリウ1−タン表面に固
定化された1層ブイプリン膜の表面の状態(粒子構造)
を示ψ−顕微鏡写へである。 第2図は、本発明による、管状体へのブイプリン固定化
方法で用いる構造体を示す断面図である。 第3図は、本発明の抗血栓性材料に対ぐる家兎のAVク
シへン1−循環試験におC−夕る循環回路図を示(。 第4図は、24時間循環試験(、た後の血栓性状及び厚
さを示す組織切片の光学顕微鏡写真を示す。 第5図は、24時間循環試験した後の走査型電子顕微鏡
による表面状態を示を電子顕微鏡写真でhる。 第6図は、24時間循環試験での血小板数の変動を示4
−グ”771′ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高分子材料の表面に少なくとも赤血球及び白血球
    を実質的に含まない重合されたタンパク質層を設けてな
    る抗血栓性材料。
  2. (2)高分子材料の表面に、血漿構成成分タンパク質を
    タンパク質作用酵素で処理することにより、重合された
    タンパク質層を設けてなる抗血栓性材料。
  3. (3)該タンパク質作用酵素は、トロンビン或いはレプ
    チラーゼなどのトロンビン様作用を有する酵素であり、
    重合されたタンパク質は、フィブリンである請求項2記
    載の抗血栓性材料。
  4. (4)請求項1乃至3のいずれかに記載された抗血栓性
    材料から形成された医療器具。
  5. (5)高分子表面を、タンパク質作用酵素で処理し、次
    に、その上を、血漿構成成分タンパク質を含有する溶液
    で処理することを特徴とする抗血栓性材料の製法。
  6. (6)該タンパク質作用酵素は、トロンビン或いはレプ
    チラーゼなどのトロンビン様作用を有する酵素であり、
    血漿構成成分タンパク質は、フィブリノーゲン、クリオ
    プレシピテート或いはプラズマであることを特徴とする
    請求項5記載の抗血栓性材料の製法。
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