JPH0215597Y2 - - Google Patents
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- JPH0215597Y2 JPH0215597Y2 JP7772385U JP7772385U JPH0215597Y2 JP H0215597 Y2 JPH0215597 Y2 JP H0215597Y2 JP 7772385 U JP7772385 U JP 7772385U JP 7772385 U JP7772385 U JP 7772385U JP H0215597 Y2 JPH0215597 Y2 JP H0215597Y2
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- Japan
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Description
(イ) 考案の目的
〔産業上の利用分野〕
本考案は、家庭排水、雑排水および、し尿等
を、まとめて処理し、その放流水をいずれも
BOD20ppm以下に、また脱窒素、脱リン浄化を
する小型で戸別に設置することができる家庭用合
併処理装置に関する。 〔従来の技術〕 従来の単独浄化槽は、し尿のみの処理で、その
浄化放流水は国の基準でBOD90ppm以下である
が、各機種とも、内部構造の設計が機能的でな
く、また法定管理業者の取扱い不適切、使用者の
無関心などの諸原因が協合して、その低い基準値
ですらクリヤーしているものが殆んど無いと云つ
ても現状では過言ではない。また、今日、汚水処
理手段が最も遅れているのは一般家庭から生じる
生活排水の処理である。そこで、下水道の処理と
同等の機能を備えた戸別の小型合併処理装置の開
発、普及が、水質汚濁防止のため急務とされてお
り、昭和59年度に、その種の処理槽が国内で初め
て二業者に大臣認定(昭和55年建設省告示第1292
号第8項定)されたが、どの機種も放流水質
BOD20ppm以下の認定値のみである。 従来知られている戸別の単独浄化槽および合併
処理槽の機能では、脱窒、脱リンが非常に困難ま
たは不可能であつて、BOD対処でしかなかつた
が、総合家庭排水中には窒素、リンが比較的多量
に含まれていて、それが所定値以内迄処理しきれ
ず排水されて全国各地の水域を富栄養化し、水質
汚濁の要因ともなつている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 そこで本考案小型合併処理装置は、上述認定値
のクリヤーは勿論のこと水質保全上、最も処理が
困難な脱窒、脱リンを重点に置いた家庭用合併処
理装置、すなわち、流入水質の如何にかかわらず
合併処理後の放流水質を、下表を基準として処理
することができる小型処理装置を提供することを
目的とするものである。
を、まとめて処理し、その放流水をいずれも
BOD20ppm以下に、また脱窒素、脱リン浄化を
する小型で戸別に設置することができる家庭用合
併処理装置に関する。 〔従来の技術〕 従来の単独浄化槽は、し尿のみの処理で、その
浄化放流水は国の基準でBOD90ppm以下である
が、各機種とも、内部構造の設計が機能的でな
く、また法定管理業者の取扱い不適切、使用者の
無関心などの諸原因が協合して、その低い基準値
ですらクリヤーしているものが殆んど無いと云つ
ても現状では過言ではない。また、今日、汚水処
理手段が最も遅れているのは一般家庭から生じる
生活排水の処理である。そこで、下水道の処理と
同等の機能を備えた戸別の小型合併処理装置の開
発、普及が、水質汚濁防止のため急務とされてお
り、昭和59年度に、その種の処理槽が国内で初め
て二業者に大臣認定(昭和55年建設省告示第1292
号第8項定)されたが、どの機種も放流水質
BOD20ppm以下の認定値のみである。 従来知られている戸別の単独浄化槽および合併
処理槽の機能では、脱窒、脱リンが非常に困難ま
たは不可能であつて、BOD対処でしかなかつた
が、総合家庭排水中には窒素、リンが比較的多量
に含まれていて、それが所定値以内迄処理しきれ
ず排水されて全国各地の水域を富栄養化し、水質
汚濁の要因ともなつている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 そこで本考案小型合併処理装置は、上述認定値
のクリヤーは勿論のこと水質保全上、最も処理が
困難な脱窒、脱リンを重点に置いた家庭用合併処
理装置、すなわち、流入水質の如何にかかわらず
合併処理後の放流水質を、下表を基準として処理
することができる小型処理装置を提供することを
目的とするものである。
上述の目的を達成するために本考案は、次に述
べるような構成要件を具備している。 (1) ほぼ長方形のタンクの内容積を汚水流入側か
ら放流水流出側に向けて横方向に少くとも第1
室から第4室迄区画し、その汚水流入口に連通
する第1室の上、下方向中間部に目の粗い網棚
を張設して、これを上、下二室に区画し、その
網棚上には水孔石塊を複数個、充填、載積する
と共にブロワノズルを設置して、前記上室で流
入汚水の曝気処理をすると共に、その下室には
醗酵汚沈降調整板を設けて、これを嫌気処理室
とする一方、同室の底部付近と次段下流室の上
位付近とを連通し、前記下流室の上、下には処
理水の流れ方向とほぼ直角に複数本の支軸を、
それぞれ並設して、その上、下の各一対の支軸
の間にプラスチツク製ネツトを連続して張設す
ると共に、同室の底部付近を次段の沈澱室の下
位に連通して処理水の流れが必ずネツトををく
ぐるようにし、また、同室の底部付近に、第1
室に連通するように配管された自動汚泥返送管
の一端を開口する一方、前記下流沈澱室には汚
泥浮上防止板を傾斜して設けると共に、その上
部をタンク外へ処理水を放流するための管を備
えた消毒室に連通して成る小型合併処理槽。 〔作用〕 し尿および台所、風呂、洗面所等からの雑排水
は汚水流入管を介して合併処理装置の第1室の上
側、曝気処理室に流入する。従来汚水処理を目的
とする曝気(浄化槽も含む)による接触酸化、活
性汚泥法などでは汚水中へのエアの混入を通常槽
の下部位置より行つているが、本考案装置では流
入汚水を槽上部に装着したブロワーにより行うよ
うにして汚水中の固形物、油脂等を接触酸化し、
汚泥化、浮遊化を可及的に少量化し、あわせて第
1室下部嫌気室から浮上する窒素分を接触酸化さ
せる。 なお、汚水中へのエアーの混入のためのブロワ
ーノズルには多孔質の水孔石(軽石)を用いる
(たとえば実願昭59−120933号軽石を利用した散
気装置の技術を参照のこと)と接触酸化の効率が
向上して送気動力の節減を可能にする。 網棚の上に載積された多孔質水孔石(軽石類)
または吸着剤の間を通過する汚水は、それらを触
媒として脱窒素、脱リン処理されながら網棚を通
り抜けて第1室中の下室、嫌気処理室に入る。 その際、水孔石は通気性に富む多孔質材より成
り、目詰り現象は上部曝気処理の効果により発生
するおそれはない。第1室の曝気、すなわち好気
性処理室では脱窒素、脱リンの効果を有する過
媒体または吸着媒体として上述のように軽石(水
孔石)を使用しているので、浮上防止の為、それ
ら媒体を袋詰めにするとか、カートリツジ式装着
手段を採用すれば清掃および取替えも簡単にな
る。なお、これら過媒体等が老朽化した場合に
はリン、窒素分を多量に吸着しているので、取替
え乾燥した後、粉末化して肥料として利用でき、
この場合の加工は材質が軟かいため一般家庭でも
簡単に粉砕することができる。 かくして、水孔石過材を通過する間に脱窒
素、脱リン処理された汚水は嫌気性処理室に入
り、嫌気醗酵する。嫌気処理でのBODの除去は
一般に50〜60%が標準である。この時、傾斜して
設けられた醗酵汚泥沈降調整板は処理室内での沈
降汚泥の急降下を防止し、嫌気性物のシヨツクを
柔げる。また、醗酵汚泥の再浮上を防止し沈澱効
果を高める。この処理によつて発生汚泥が少ない
のは常識である。 上記構成中、ブロワーと水孔石材とは醗酵ガ
ス化した物質を処理する。 このように一室内での好気吸着、嫌気処理の工
程を併存、同時処理させたケースは他にみられな
い技術である。 要すれば、または、より効率化するために、上
述処理剤の汚水を重ねて第2嫌気室と水孔石材
とを通過させることが好ましい。第2嫌気室で
は、前述の曝気と汚泥沈降調整板との併用の効果
で材の下側に浮遊物が発生し難い。 以上の処理工程を経た汚水は、上部から次段の
プラスチツク製ネツト展張室に流入し、同室内で
好気性処理を行う。プラスチツク製ネツトは強靭
な網状シートを室内上、下の竿状の支軸にレース
状に張つたもので、好ましくは下部よりの曝気で
汚水中の溶存酸素量を高め生物膜の形成を促進
し、窒素分、BOD除去の効率を高める。この点
に関して、一部他機種のものに、起毛様のリボン
を配した装置があるが、高価であり、また目詰り
が早い。本考案のプラスチツク製ネツトは安価で
目詰りが無く、BODの除去%は、さきのものと
同等以上である。 ネツト展張室、すなわち好気性処理室の沈澱汚
泥は比較的に少量ではあるが、時たま引抜くこと
によつて処理効果を高めることができる。自動汚
泥引抜き返送管は同室の底部に開口し、1年ない
し1年6カ月毎の汚泥引抜き作業の一元化と法定
点検時に処理向上の為、ネツト展張室底辺に沈澱
する汚泥を、第1室に自動返送し、再処理する。
この種の手段は、たとえば実願昭57−163247号の
技術を適用する。すなわち、第1室中の嫌気性処
理室底辺に沈澱した汚泥をタンク外に引抜くのに
伴ない、同室のレベルが低下すると汚水流通路に
設けた逆上弁が働いてネツト展張室の汚水レベル
が相対的に高くなるため、ネツト展張室内の汚水
が底辺に開口した自動汚泥返送管を通じて第1室
側に戻り、その際に同室底辺に沈澱している汚泥
を第1室側に自動搬送するものである。 かくして処理済の汚水はネツト展張室の底部か
ら沈澱室に流入し、傾斜して設けられた汚泥浮上
防止板により浮遊物質(S,S)流出を極力防止
し、S,S処理を更に高めた汚水を、同室上部か
ら消毒剤を装入した容器を備えた消毒室に流入さ
せ、その後に放流管を通じて処理済汚水をタンク
外に排出する。 従来の機種には、この様な構成要件が備わつて
いないので窒素、リンの除去はできなかつた。本
考案装置は以上説明した汚水処理工程を経ること
によつて既述の処理値表(第1表)に挙げた放流
水質を得ることができたので、これは他機種では
不可能に近い値である。 〔実施例〕 第1図は、本考案小型合併処理装置の一実施例
の側断面図、第2図は、その平断面略図を示すも
ので、本実施例では長方形のタンク本体は建設省
の構造基準に合致するF.R.P製より成り、その内
部は四個の画壁Eによつて、ほぼ五つの室に大別
され、汚水流入管に連通する第1室から、処理済
の汚水の放流管を備えた第5室迄、少くとも一つ
の汚水流通路がタンク内を連通して設けてある。
また、タンク上壁には作業用強化マンホールDを
第1室第2室をまたいで一個、また、第3室上部
および第4,5室上部に、それぞれ一個宛設置す
る。 第1室および第2室において、上下方向の中間
部に網状棚板をそれぞれ水平に張架して、各上、
下部に区画し、上部を汚水の好気性処理室、下部
を嫌気性処理室4および6に当てる。各上部の網
状棚板の上には、それぞれ軽石2を袋詰またはカ
ートリツジ式にして層状に載積し、また、第1室
では軽石層2の上に軽石をノズルとして利用した
散気装置1を配置し、さらに、その上位レベルに
汚水流入管Aの末端が開口し、その開口部には第
3図に示すように逆上弁を施して汚水の水位の自
動調節を行わせている。同室の下部、第1嫌気性
処理室4の網状棚板の下側には同棚板に続いて複
数の傾斜した醗酵汚泥沈降調整板3を取付けて、
沈降汚泥の急降下と再浮上を防止して沈澱効果を
高める。第1室と第2室とは両室の間の隔壁Eの
下部が開放されている事によつて連通し、第1嫌
気室と第2室下部の第2嫌気室とがつながつてい
る。前記隔壁Eに沿つて垂直方向に汚泥引抜き管
が設けられていて、そ下端開口部は第1嫌気室4
の底辺付近に上部開口は、強化マンホールDに対
向する位置を占め、1年または1年6か月毎の定
期検査に当つて嫌気室底部に沈澱した汚泥等を、
バキユームカー等の汲取りホースを用いて管5に
差込んで抜取る時に使用される。 第2室下部は、第2嫌気処理室6を形成し、同
室に流入した汚水は、緩かに上昇して軽石層2
を、くぐり抜け、さらに脱窒素、脱リン処理が施
されて第2室の上部付近から連通管B通つて、プ
ラスチツク製ネツト7を、ひだ状に展張した第3
室に流入する。前記連通管Bの末端開口部にも第
3図に示す逆止弁を利用した自動調整弁が施され
ていて、第3室内の汚水が逆流することの無いよ
うにしており、これは「作用」の項で述べたよう
に好気性ネツト処理室等の底部に沈澱する汚泥の
自動返送作用を有効にするために必要な設備であ
る。第3室の底辺には軽石ノズル型散気装置8が
設置されていて汚水中の含有酸素量を増加させ、
同室での汚水の好気性処理を効果的にする。ネツ
ト7は上、下方向に折返して展張され、連通管B
からの汚水は必ずネツト7を、くぐつてから室底
部に設けられた流出口に向うようになつている。
12は、自動汚泥返送管で、その端末開口は、同
ネツト室底辺に近接し、他方の開口端は、第1室
の好気性処理室であるので、その為、第1室の汚
水のレベルを底下させると、第3室底辺付近の汚
水が沈澱汚泥を伴なつて第1室側に逆流するよう
になつて、自動的に第3室底辺の沈澱汚泥を第1
室に返送するようになること、前述「作用」の項
で説明したとおりである。 第3室の底部から第4室の沈澱室9底部に流出
した処理済汚水は、同室内に傾斜して複数個設け
られた汚泥浮上防止板13の間を通つて上昇し、
法定の消毒済10を備えた第5室の消毒室11に
流入し、同室に設けられた放流管Cを通つて処理
装置外へ放流される。前記放流管Cの放流口は連
通管Bと同レベルに設定するが、第3室底辺の沈
澱汚泥返送時に同室の水位をレベルアツプする
為、第4図に示すように放流管Cの入口端に上向
きのエルボーを連結しておき、必要に応じて、水
位アツプのためのパイプを前記エルボーの上向き
開口に嵌着することが望ましい。もつとも、これ
は、フレキシブルパイプを使用して常設すること
も可能である。 なお、本実施例装置全体が奏する作用および効
果は、前述「作用」の項中で詳細に説明されてい
るので参照されたい。 本実施例は、6人槽(4〜5人でも同じ)で巾
×長さ×深さが1000×2500×1900mm程度とコンパ
クト化され、一寸した空所にも設置可能であつ
て、流入管路、処理槽、放流管路等を施工しても
70万程度(本出願時点で)で済み、非常に経済的
である。また、薬品処理は一切行わず(法定消毒
設備は別)、ブロワー使用電力も35W程度で充分
である。 (ハ) 考案の効果 以上のとおりであるから本考案装置によれば、
従来基準値のクリヤーは勿論、特に水質の保全
上、必要とされ、かつ、その除去が困難とされて
いる汚水中の窒素成分、リン成分を除去すること
ができる、処理効率が大規模施設のそれに匹敵す
る程に良好で小型、経済的な総合家庭排水の合併
処理装置を短期間の工事によつて提供し、以て下
水道の建設、普及を待たずして水質富栄養化防止
条例の規定を満足するような水質保全を実現する
手段を提供することができる。
べるような構成要件を具備している。 (1) ほぼ長方形のタンクの内容積を汚水流入側か
ら放流水流出側に向けて横方向に少くとも第1
室から第4室迄区画し、その汚水流入口に連通
する第1室の上、下方向中間部に目の粗い網棚
を張設して、これを上、下二室に区画し、その
網棚上には水孔石塊を複数個、充填、載積する
と共にブロワノズルを設置して、前記上室で流
入汚水の曝気処理をすると共に、その下室には
醗酵汚沈降調整板を設けて、これを嫌気処理室
とする一方、同室の底部付近と次段下流室の上
位付近とを連通し、前記下流室の上、下には処
理水の流れ方向とほぼ直角に複数本の支軸を、
それぞれ並設して、その上、下の各一対の支軸
の間にプラスチツク製ネツトを連続して張設す
ると共に、同室の底部付近を次段の沈澱室の下
位に連通して処理水の流れが必ずネツトををく
ぐるようにし、また、同室の底部付近に、第1
室に連通するように配管された自動汚泥返送管
の一端を開口する一方、前記下流沈澱室には汚
泥浮上防止板を傾斜して設けると共に、その上
部をタンク外へ処理水を放流するための管を備
えた消毒室に連通して成る小型合併処理槽。 〔作用〕 し尿および台所、風呂、洗面所等からの雑排水
は汚水流入管を介して合併処理装置の第1室の上
側、曝気処理室に流入する。従来汚水処理を目的
とする曝気(浄化槽も含む)による接触酸化、活
性汚泥法などでは汚水中へのエアの混入を通常槽
の下部位置より行つているが、本考案装置では流
入汚水を槽上部に装着したブロワーにより行うよ
うにして汚水中の固形物、油脂等を接触酸化し、
汚泥化、浮遊化を可及的に少量化し、あわせて第
1室下部嫌気室から浮上する窒素分を接触酸化さ
せる。 なお、汚水中へのエアーの混入のためのブロワ
ーノズルには多孔質の水孔石(軽石)を用いる
(たとえば実願昭59−120933号軽石を利用した散
気装置の技術を参照のこと)と接触酸化の効率が
向上して送気動力の節減を可能にする。 網棚の上に載積された多孔質水孔石(軽石類)
または吸着剤の間を通過する汚水は、それらを触
媒として脱窒素、脱リン処理されながら網棚を通
り抜けて第1室中の下室、嫌気処理室に入る。 その際、水孔石は通気性に富む多孔質材より成
り、目詰り現象は上部曝気処理の効果により発生
するおそれはない。第1室の曝気、すなわち好気
性処理室では脱窒素、脱リンの効果を有する過
媒体または吸着媒体として上述のように軽石(水
孔石)を使用しているので、浮上防止の為、それ
ら媒体を袋詰めにするとか、カートリツジ式装着
手段を採用すれば清掃および取替えも簡単にな
る。なお、これら過媒体等が老朽化した場合に
はリン、窒素分を多量に吸着しているので、取替
え乾燥した後、粉末化して肥料として利用でき、
この場合の加工は材質が軟かいため一般家庭でも
簡単に粉砕することができる。 かくして、水孔石過材を通過する間に脱窒
素、脱リン処理された汚水は嫌気性処理室に入
り、嫌気醗酵する。嫌気処理でのBODの除去は
一般に50〜60%が標準である。この時、傾斜して
設けられた醗酵汚泥沈降調整板は処理室内での沈
降汚泥の急降下を防止し、嫌気性物のシヨツクを
柔げる。また、醗酵汚泥の再浮上を防止し沈澱効
果を高める。この処理によつて発生汚泥が少ない
のは常識である。 上記構成中、ブロワーと水孔石材とは醗酵ガ
ス化した物質を処理する。 このように一室内での好気吸着、嫌気処理の工
程を併存、同時処理させたケースは他にみられな
い技術である。 要すれば、または、より効率化するために、上
述処理剤の汚水を重ねて第2嫌気室と水孔石材
とを通過させることが好ましい。第2嫌気室で
は、前述の曝気と汚泥沈降調整板との併用の効果
で材の下側に浮遊物が発生し難い。 以上の処理工程を経た汚水は、上部から次段の
プラスチツク製ネツト展張室に流入し、同室内で
好気性処理を行う。プラスチツク製ネツトは強靭
な網状シートを室内上、下の竿状の支軸にレース
状に張つたもので、好ましくは下部よりの曝気で
汚水中の溶存酸素量を高め生物膜の形成を促進
し、窒素分、BOD除去の効率を高める。この点
に関して、一部他機種のものに、起毛様のリボン
を配した装置があるが、高価であり、また目詰り
が早い。本考案のプラスチツク製ネツトは安価で
目詰りが無く、BODの除去%は、さきのものと
同等以上である。 ネツト展張室、すなわち好気性処理室の沈澱汚
泥は比較的に少量ではあるが、時たま引抜くこと
によつて処理効果を高めることができる。自動汚
泥引抜き返送管は同室の底部に開口し、1年ない
し1年6カ月毎の汚泥引抜き作業の一元化と法定
点検時に処理向上の為、ネツト展張室底辺に沈澱
する汚泥を、第1室に自動返送し、再処理する。
この種の手段は、たとえば実願昭57−163247号の
技術を適用する。すなわち、第1室中の嫌気性処
理室底辺に沈澱した汚泥をタンク外に引抜くのに
伴ない、同室のレベルが低下すると汚水流通路に
設けた逆上弁が働いてネツト展張室の汚水レベル
が相対的に高くなるため、ネツト展張室内の汚水
が底辺に開口した自動汚泥返送管を通じて第1室
側に戻り、その際に同室底辺に沈澱している汚泥
を第1室側に自動搬送するものである。 かくして処理済の汚水はネツト展張室の底部か
ら沈澱室に流入し、傾斜して設けられた汚泥浮上
防止板により浮遊物質(S,S)流出を極力防止
し、S,S処理を更に高めた汚水を、同室上部か
ら消毒剤を装入した容器を備えた消毒室に流入さ
せ、その後に放流管を通じて処理済汚水をタンク
外に排出する。 従来の機種には、この様な構成要件が備わつて
いないので窒素、リンの除去はできなかつた。本
考案装置は以上説明した汚水処理工程を経ること
によつて既述の処理値表(第1表)に挙げた放流
水質を得ることができたので、これは他機種では
不可能に近い値である。 〔実施例〕 第1図は、本考案小型合併処理装置の一実施例
の側断面図、第2図は、その平断面略図を示すも
ので、本実施例では長方形のタンク本体は建設省
の構造基準に合致するF.R.P製より成り、その内
部は四個の画壁Eによつて、ほぼ五つの室に大別
され、汚水流入管に連通する第1室から、処理済
の汚水の放流管を備えた第5室迄、少くとも一つ
の汚水流通路がタンク内を連通して設けてある。
また、タンク上壁には作業用強化マンホールDを
第1室第2室をまたいで一個、また、第3室上部
および第4,5室上部に、それぞれ一個宛設置す
る。 第1室および第2室において、上下方向の中間
部に網状棚板をそれぞれ水平に張架して、各上、
下部に区画し、上部を汚水の好気性処理室、下部
を嫌気性処理室4および6に当てる。各上部の網
状棚板の上には、それぞれ軽石2を袋詰またはカ
ートリツジ式にして層状に載積し、また、第1室
では軽石層2の上に軽石をノズルとして利用した
散気装置1を配置し、さらに、その上位レベルに
汚水流入管Aの末端が開口し、その開口部には第
3図に示すように逆上弁を施して汚水の水位の自
動調節を行わせている。同室の下部、第1嫌気性
処理室4の網状棚板の下側には同棚板に続いて複
数の傾斜した醗酵汚泥沈降調整板3を取付けて、
沈降汚泥の急降下と再浮上を防止して沈澱効果を
高める。第1室と第2室とは両室の間の隔壁Eの
下部が開放されている事によつて連通し、第1嫌
気室と第2室下部の第2嫌気室とがつながつてい
る。前記隔壁Eに沿つて垂直方向に汚泥引抜き管
が設けられていて、そ下端開口部は第1嫌気室4
の底辺付近に上部開口は、強化マンホールDに対
向する位置を占め、1年または1年6か月毎の定
期検査に当つて嫌気室底部に沈澱した汚泥等を、
バキユームカー等の汲取りホースを用いて管5に
差込んで抜取る時に使用される。 第2室下部は、第2嫌気処理室6を形成し、同
室に流入した汚水は、緩かに上昇して軽石層2
を、くぐり抜け、さらに脱窒素、脱リン処理が施
されて第2室の上部付近から連通管B通つて、プ
ラスチツク製ネツト7を、ひだ状に展張した第3
室に流入する。前記連通管Bの末端開口部にも第
3図に示す逆止弁を利用した自動調整弁が施され
ていて、第3室内の汚水が逆流することの無いよ
うにしており、これは「作用」の項で述べたよう
に好気性ネツト処理室等の底部に沈澱する汚泥の
自動返送作用を有効にするために必要な設備であ
る。第3室の底辺には軽石ノズル型散気装置8が
設置されていて汚水中の含有酸素量を増加させ、
同室での汚水の好気性処理を効果的にする。ネツ
ト7は上、下方向に折返して展張され、連通管B
からの汚水は必ずネツト7を、くぐつてから室底
部に設けられた流出口に向うようになつている。
12は、自動汚泥返送管で、その端末開口は、同
ネツト室底辺に近接し、他方の開口端は、第1室
の好気性処理室であるので、その為、第1室の汚
水のレベルを底下させると、第3室底辺付近の汚
水が沈澱汚泥を伴なつて第1室側に逆流するよう
になつて、自動的に第3室底辺の沈澱汚泥を第1
室に返送するようになること、前述「作用」の項
で説明したとおりである。 第3室の底部から第4室の沈澱室9底部に流出
した処理済汚水は、同室内に傾斜して複数個設け
られた汚泥浮上防止板13の間を通つて上昇し、
法定の消毒済10を備えた第5室の消毒室11に
流入し、同室に設けられた放流管Cを通つて処理
装置外へ放流される。前記放流管Cの放流口は連
通管Bと同レベルに設定するが、第3室底辺の沈
澱汚泥返送時に同室の水位をレベルアツプする
為、第4図に示すように放流管Cの入口端に上向
きのエルボーを連結しておき、必要に応じて、水
位アツプのためのパイプを前記エルボーの上向き
開口に嵌着することが望ましい。もつとも、これ
は、フレキシブルパイプを使用して常設すること
も可能である。 なお、本実施例装置全体が奏する作用および効
果は、前述「作用」の項中で詳細に説明されてい
るので参照されたい。 本実施例は、6人槽(4〜5人でも同じ)で巾
×長さ×深さが1000×2500×1900mm程度とコンパ
クト化され、一寸した空所にも設置可能であつ
て、流入管路、処理槽、放流管路等を施工しても
70万程度(本出願時点で)で済み、非常に経済的
である。また、薬品処理は一切行わず(法定消毒
設備は別)、ブロワー使用電力も35W程度で充分
である。 (ハ) 考案の効果 以上のとおりであるから本考案装置によれば、
従来基準値のクリヤーは勿論、特に水質の保全
上、必要とされ、かつ、その除去が困難とされて
いる汚水中の窒素成分、リン成分を除去すること
ができる、処理効率が大規模施設のそれに匹敵す
る程に良好で小型、経済的な総合家庭排水の合併
処理装置を短期間の工事によつて提供し、以て下
水道の建設、普及を待たずして水質富栄養化防止
条例の規定を満足するような水質保全を実現する
手段を提供することができる。
第1図は、本考案小型合併処理装置の一実施例
の側断面図、第2図は、その一部を切欠いて示す
平面略図、第3図は、自動調整弁の拡大断面図、
第4図は放流管の拡大分部側面図を示す。 1,8……ブロワーノズル、2……水孔石(軽
石)、3……醗酵汚泥沈降調整板、4……第1嫌
気室、5……汚泥引抜き管、6……第2嫌気室、
7……バイオネツト展張好気室、9……沈澱室、
10……消毒剤、11……消毒室、12……自動
汚泥返送管、13……汚泥浮上防止板、A……汚
水流入管、B……連通管、C……放流管、D……
強化マンホール、E……区画壁(止水板)。
の側断面図、第2図は、その一部を切欠いて示す
平面略図、第3図は、自動調整弁の拡大断面図、
第4図は放流管の拡大分部側面図を示す。 1,8……ブロワーノズル、2……水孔石(軽
石)、3……醗酵汚泥沈降調整板、4……第1嫌
気室、5……汚泥引抜き管、6……第2嫌気室、
7……バイオネツト展張好気室、9……沈澱室、
10……消毒剤、11……消毒室、12……自動
汚泥返送管、13……汚泥浮上防止板、A……汚
水流入管、B……連通管、C……放流管、D……
強化マンホール、E……区画壁(止水板)。
Claims (1)
- ほぼ長方形のタンクの内容積を汚水流入側から
放流水流出側に向けて横方向に、少くとも第1室
から第4室迄区画し、その汚水流入口に連通する
第1室の上、下方向中間部に目の粗い網棚を張設
して、これを上、下二室に区画し、その網棚上に
は水孔石塊を複数個、充填、載積すると共にブロ
ワーノズルを設置して、前記上室で流入汚水の曝
気処理をすると共に、その下室には醗酵汚泥沈降
調整板を傾斜して設けて、これを嫌気処理室とす
る一方、同室の底部付近と次段下流室の上位付近
とを連通し、前記下流室の上、下には処理水の流
れ方向とほぼ直角に複数本の支軸を、それぞれ並
設して、その上、下の各一対の支軸の間にプラス
チツク製ネツトを連続して張設すると共に、同室
の底部付近を次段の沈澱室の下位に連通して処理
水の流れが必ずネツトをくぐるようにし、また、
同室の底部付近に、第1室に連通するよう配管さ
れた自動汚泥返送管の一端を開口する一方、前記
下流沈澱室には汚泥浮上防止板を傾斜して設ける
と共に、その上部をタンク外へ処理水を放流する
ための管を備えた消毒室に連通して成る小型合併
処理槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7772385U JPH0215597Y2 (ja) | 1985-05-27 | 1985-05-27 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7772385U JPH0215597Y2 (ja) | 1985-05-27 | 1985-05-27 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61195395U JPS61195395U (ja) | 1986-12-05 |
JPH0215597Y2 true JPH0215597Y2 (ja) | 1990-04-26 |
Family
ID=30621051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7772385U Expired JPH0215597Y2 (ja) | 1985-05-27 | 1985-05-27 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0215597Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63171695A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-15 | Miyoshi Shokai:Kk | 分離接触ばつ気式浄化槽 |
-
1985
- 1985-05-27 JP JP7772385U patent/JPH0215597Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61195395U (ja) | 1986-12-05 |
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