JPH0215367B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0215367B2 JPH0215367B2 JP60145829A JP14582985A JPH0215367B2 JP H0215367 B2 JPH0215367 B2 JP H0215367B2 JP 60145829 A JP60145829 A JP 60145829A JP 14582985 A JP14582985 A JP 14582985A JP H0215367 B2 JPH0215367 B2 JP H0215367B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- paint
- based paint
- paper product
- original
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 47
- 239000003973 paint Substances 0.000 claims description 46
- 239000000839 emulsion Substances 0.000 claims description 14
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 13
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 claims description 10
- 238000000576 coating method Methods 0.000 claims description 10
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 10
- 239000002002 slurry Substances 0.000 claims description 9
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 claims description 7
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 8
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 7
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 5
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 5
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 4
- NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N acrylic acid group Chemical group C(C=C)(=O)O NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 3
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 3
- 239000000378 calcium silicate Substances 0.000 description 2
- 229910052918 calcium silicate Inorganic materials 0.000 description 2
- OYACROKNLOSFPA-UHFFFAOYSA-N calcium;dioxido(oxo)silane Chemical compound [Ca+2].[O-][Si]([O-])=O OYACROKNLOSFPA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000001913 cellulose Substances 0.000 description 2
- 229920002678 cellulose Polymers 0.000 description 2
- 239000004568 cement Substances 0.000 description 2
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 2
- 238000006253 efflorescence Methods 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 239000000049 pigment Substances 0.000 description 2
- 206010037844 rash Diseases 0.000 description 2
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 2
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 2
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 description 2
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 2
- 239000004925 Acrylic resin Substances 0.000 description 1
- 229920000178 Acrylic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000004606 Fillers/Extenders Substances 0.000 description 1
- 239000004952 Polyamide Substances 0.000 description 1
- XTXRWKRVRITETP-UHFFFAOYSA-N Vinyl acetate Chemical compound CC(=O)OC=C XTXRWKRVRITETP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 1
- 239000010425 asbestos Substances 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000004566 building material Substances 0.000 description 1
- XFWJKVMFIVXPKK-UHFFFAOYSA-N calcium;oxido(oxo)alumane Chemical compound [Ca+2].[O-][Al]=O.[O-][Al]=O XFWJKVMFIVXPKK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000008199 coating composition Substances 0.000 description 1
- 239000000084 colloidal system Substances 0.000 description 1
- 238000004040 coloring Methods 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- -1 etc. Substances 0.000 description 1
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 1
- 239000010440 gypsum Substances 0.000 description 1
- 229910052602 gypsum Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 description 1
- FWFGVMYFCODZRD-UHFFFAOYSA-N oxidanium;hydrogen sulfate Chemical compound O.OS(O)(=O)=O FWFGVMYFCODZRD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000546 pharmaceutical excipient Substances 0.000 description 1
- 229920006122 polyamide resin Polymers 0.000 description 1
- 230000001681 protective effect Effects 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 description 1
- 229910052895 riebeckite Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002893 slag Substances 0.000 description 1
- 239000004094 surface-active agent Substances 0.000 description 1
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 1
- 230000007306 turnover Effects 0.000 description 1
- 239000011800 void material Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は、建築用材料等として用いられる化
粧無機質板の製造方法に関する。 従来の技術 セメント、ケイ酸カルシウム等の水硬性無機質
結合材から形成される無機質基板は、通常、水硬
性無機質結合材を混合してなるスラリーを、湿式
抄造機で抄き、フエルト上の原抄造体を、上記フ
エルト下部から適当なサクシヨン装置により吸引
脱水し、次いで、メーキングロールに巻きつけて
板厚を調整し、得られた板状抄造体を養生硬化さ
せることによつて製造されている。 しかしながら、このようにして製造された無機
質基板は材質に基因して、白ないしは灰色だけで
あつて、使用される場所に要求される各種の色相
を得ることが不可能であつた。 また、無機質基板はエフロレツセンス(白華)
が発生したり、使用中に汚染が進むために外観が
低下する等の欠点をもつていた。 このような課題を解決するために、従来、 板状賦形体にエマルシヨン塗料を塗布したの
ち、養生硬化させる方法 乾燥状態の無機質基板に各種被覆組成物を塗
布する方法 などが行われている。 しかしながら、上記方法では塗膜の密着度が充
分でなかつたり、塗装経費がかかりすぎる等の欠
点があり、改良を必要としていた。 そこで、メーキングロールで巻きとる前の原抄
造体の含水率を低く調整してエマルシヨン塗料を
塗布し、その後、さらにサクシヨンによつて脱水
してメーキングロールに巻きつけることを試みる
方法が提案されている(特開昭58−26090号公
報)。しかし、この方法によると、第2図に示す
ように水性塗料1の塗布後、含水率の少い原抄造
体2′の裏面下のフエルト3の下部からサクシヨ
ン装置4を用いて吸引脱水したとき、含水率の少
い原抄造体2′中に空隙6が多いため、表面の水
性塗料1の吸引が十分できない。したがつて水性
塗料1からなる層の含水率が高く、また含水率の
少い原抄造体2′の内部まで塗料が浸透しない。
この結果、メーキングロールに巻きついた塗面を
取り外すときに、塗膜の一部がメーキングロール
に付着残存したり、粘着することによる塗面のめ
くれ、亀裂、剥離などの問題が残つていた。 発明が解決しようとする問題点 以上の現状にかんがみて、本発明は、メーキン
グロールで巻きとる時に抄造体の塗膜の一部が、
メーキングロールに付着残存したり、粘着するこ
とがなく、塗面のめくれ、剥離、亀裂がなく、良
好な外観を有する化粧無機質板を安定して得るこ
とを目的とする。 問題点を解決するための手段 そこで、本発明者らは、前記した従来の化粧無
機質板を製造する時の問題点を改良し、品質的に
優れた化粧無機質板を安定的に製造する方法を開
発すべく研究を続けた結果、原抄造体の含水率を
従来の値より高い一定の範囲に調整し、これに水
性塗料を塗布したのち、サクシヨンで吸引脱水し
た。次いでこれをメーキングロールに巻きつけて
抄造体の厚みを調整し、巻きついた抄造体を取り
外す際に、抄造体の表層に塗られた塗膜の一部が
メーキングロールに付着残存したり粘着すること
がないことを見い出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、上記問題点を解決するた
めに、水硬性無機質結合材を主成分とするスラリ
ーを湿式抄造機によつて抄き、生成した原抄造体
の表面に水性塗料、好ましくはエマルシヨン塗料
を塗布し、次いで吸引脱水し、メーキングロール
に巻きつけて抄造体の板厚を調整し、生成した板
状抄造体を養生硬化せしめる化粧無機質板の製造
方法において、上記原抄造体の含水率を75〜150
%にして水性塗料を塗装することを特徴とする化
粧無機質板の製造方法を提供するものである。 以下にこの発明を詳しく説明する。 (水硬性無機質結合材) この発明で用いられる水硬性無機質結合材とし
ては、セメント、ケイ酸カルシウム、高炉スラ
グ、カルシウムアルミネートモノサルフエートハ
イドレート、石こうの配合物等があげられ、これ
らを1種又は2種以上混合して用いることができ
る。このような水硬性無機質結合材に石綿、セル
ロースや、ポリアミド系、アクリル系等の合成樹
脂の繊維を補強材として混合してスラリー状と
し、これを湿式抄造機で抄いて原抄造体を作る。 (水性塗料) この発明において水性塗料とはエマルシヨン塗
料、水溶性樹脂塗料等であり、特に好ましいのは
エマルシヨン塗料である。 エマルシヨン塗料は、従来の一般的な塗料、例
えばJIS−K−5663に規定されるような建築物の
内装外装用塗料であり、その構成原料はアクリル
系や酢酸ビニル系などの樹脂に、必要に応じて、
セルロース系の保護コロイドおよび着色顔料と体
質顔料、界面活性剤、その他の添加剤を適宜配合
したものから成る塗料という。 本発明において原抄造体とは、スラリーが湿式
抄造機においてワイヤーシリンダーによつて抄か
れ、フエルト上に移された時点からサクシヨンボ
ツクス等によつて強制的に吸引脱水されるまでの
間の抄造体を指す。 本発明は上記の区間における原抄造体の含水率
が75〜150%に調整することが重要である。 なお、本発明においては、原抄造体の含水率は
次式によつて計算した値である。 含水率=W1W2/W2×100(%) W1:乾燥前の抄造体重量 W2:乾燥後の抄造体重量 (エマルシヨン塗料の塗布) このようにして抄造した原抄造体の含水率を75
〜150%、好ましくは80〜120%に調整し、エマル
シヨン塗料を塗布する抄造体の含水率が75%未満
であると空隙率が多くなるために、また150%を
越えると含水率が高いために、塗装後にサクシヨ
ン等で充分に吸引脱水できないから、形成される
抄造体の強度が充分でなくなり、そのためにメー
キングロールから剥れにくい等の弊害が生ずるの
で好ましくない。 本発明における水性塗料の原抄造体への塗布量
は特に制限はないが、一般的には50〜200g/m2
の範囲が適当である。 本発明で原抄造体に水性塗料を塗布するには、
メーキングロールの第一層として巻きとられる部
分に塗布することが経済的で、また層間密着性等
の点で有利である。 連続する抄造体をメーキングロールの第一層に
該当する部分だけに塗布すること自体は、公知の
自動的なON/OFF装置を採用することにより達
成される。 (化粧無機質板の成形) 本発明に従つて水性塗料を塗布された原抄造体
は、それ以後、従来方法と全く同様にして脱水、
板厚調整、養生および硬化工程を経て製品化され
る。すなわち、本発明に従つて、含水率が75〜
150%の状態において水性塗料を塗布された原抄
造体を、常法に従つてフエルトの下からサクシヨ
ンによつて吸引脱水したのち、メーキングロール
に巻きつけて抄造体の板厚を調整する。一定の厚
みになるまでメーキングロールに巻きつけたもの
を取り外して板状抄造体を形成し、必要なときは
プレスなどをして形を整えたり波形加工、エンボ
ス模様づけを行い、次いで養生し、硬化させ、さ
らに必要なら乾燥して、化粧無機質板を製造す
る。 作 用 本発明の製造方法においては、第1図に示すよ
うに、水性塗料1を塗布後の含水率の多い原抄造
体2の裏面のフエルト3の下部からサクシヨン装
置4によつて吸引脱水する時に、含水率の多い原
抄造体2中の空隙6が、第2図に示した低含水率
の抄造体と比較して少なく、含水率の多い原抄造
体中の水5が矢印7で示される方向に脱水される
と同時に、水性塗料1からなる塗料層も矢印8で
示される方向に吸引される。この吸引の度合は、
含水率の低いものと比較して強いため、水性塗料
1は、含水率の多い原抄造体2の内部まで浸透す
るとともに塗料層の含水率が低下し、造膜するも
のと推測される。 実施例 以下に本発明の実施例を比較例と共に挙げて本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものでないことはいうま
でもない。 実施例 1 下記組成のスラリーを調整した。
粧無機質板の製造方法に関する。 従来の技術 セメント、ケイ酸カルシウム等の水硬性無機質
結合材から形成される無機質基板は、通常、水硬
性無機質結合材を混合してなるスラリーを、湿式
抄造機で抄き、フエルト上の原抄造体を、上記フ
エルト下部から適当なサクシヨン装置により吸引
脱水し、次いで、メーキングロールに巻きつけて
板厚を調整し、得られた板状抄造体を養生硬化さ
せることによつて製造されている。 しかしながら、このようにして製造された無機
質基板は材質に基因して、白ないしは灰色だけで
あつて、使用される場所に要求される各種の色相
を得ることが不可能であつた。 また、無機質基板はエフロレツセンス(白華)
が発生したり、使用中に汚染が進むために外観が
低下する等の欠点をもつていた。 このような課題を解決するために、従来、 板状賦形体にエマルシヨン塗料を塗布したの
ち、養生硬化させる方法 乾燥状態の無機質基板に各種被覆組成物を塗
布する方法 などが行われている。 しかしながら、上記方法では塗膜の密着度が充
分でなかつたり、塗装経費がかかりすぎる等の欠
点があり、改良を必要としていた。 そこで、メーキングロールで巻きとる前の原抄
造体の含水率を低く調整してエマルシヨン塗料を
塗布し、その後、さらにサクシヨンによつて脱水
してメーキングロールに巻きつけることを試みる
方法が提案されている(特開昭58−26090号公
報)。しかし、この方法によると、第2図に示す
ように水性塗料1の塗布後、含水率の少い原抄造
体2′の裏面下のフエルト3の下部からサクシヨ
ン装置4を用いて吸引脱水したとき、含水率の少
い原抄造体2′中に空隙6が多いため、表面の水
性塗料1の吸引が十分できない。したがつて水性
塗料1からなる層の含水率が高く、また含水率の
少い原抄造体2′の内部まで塗料が浸透しない。
この結果、メーキングロールに巻きついた塗面を
取り外すときに、塗膜の一部がメーキングロール
に付着残存したり、粘着することによる塗面のめ
くれ、亀裂、剥離などの問題が残つていた。 発明が解決しようとする問題点 以上の現状にかんがみて、本発明は、メーキン
グロールで巻きとる時に抄造体の塗膜の一部が、
メーキングロールに付着残存したり、粘着するこ
とがなく、塗面のめくれ、剥離、亀裂がなく、良
好な外観を有する化粧無機質板を安定して得るこ
とを目的とする。 問題点を解決するための手段 そこで、本発明者らは、前記した従来の化粧無
機質板を製造する時の問題点を改良し、品質的に
優れた化粧無機質板を安定的に製造する方法を開
発すべく研究を続けた結果、原抄造体の含水率を
従来の値より高い一定の範囲に調整し、これに水
性塗料を塗布したのち、サクシヨンで吸引脱水し
た。次いでこれをメーキングロールに巻きつけて
抄造体の厚みを調整し、巻きついた抄造体を取り
外す際に、抄造体の表層に塗られた塗膜の一部が
メーキングロールに付着残存したり粘着すること
がないことを見い出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、上記問題点を解決するた
めに、水硬性無機質結合材を主成分とするスラリ
ーを湿式抄造機によつて抄き、生成した原抄造体
の表面に水性塗料、好ましくはエマルシヨン塗料
を塗布し、次いで吸引脱水し、メーキングロール
に巻きつけて抄造体の板厚を調整し、生成した板
状抄造体を養生硬化せしめる化粧無機質板の製造
方法において、上記原抄造体の含水率を75〜150
%にして水性塗料を塗装することを特徴とする化
粧無機質板の製造方法を提供するものである。 以下にこの発明を詳しく説明する。 (水硬性無機質結合材) この発明で用いられる水硬性無機質結合材とし
ては、セメント、ケイ酸カルシウム、高炉スラ
グ、カルシウムアルミネートモノサルフエートハ
イドレート、石こうの配合物等があげられ、これ
らを1種又は2種以上混合して用いることができ
る。このような水硬性無機質結合材に石綿、セル
ロースや、ポリアミド系、アクリル系等の合成樹
脂の繊維を補強材として混合してスラリー状と
し、これを湿式抄造機で抄いて原抄造体を作る。 (水性塗料) この発明において水性塗料とはエマルシヨン塗
料、水溶性樹脂塗料等であり、特に好ましいのは
エマルシヨン塗料である。 エマルシヨン塗料は、従来の一般的な塗料、例
えばJIS−K−5663に規定されるような建築物の
内装外装用塗料であり、その構成原料はアクリル
系や酢酸ビニル系などの樹脂に、必要に応じて、
セルロース系の保護コロイドおよび着色顔料と体
質顔料、界面活性剤、その他の添加剤を適宜配合
したものから成る塗料という。 本発明において原抄造体とは、スラリーが湿式
抄造機においてワイヤーシリンダーによつて抄か
れ、フエルト上に移された時点からサクシヨンボ
ツクス等によつて強制的に吸引脱水されるまでの
間の抄造体を指す。 本発明は上記の区間における原抄造体の含水率
が75〜150%に調整することが重要である。 なお、本発明においては、原抄造体の含水率は
次式によつて計算した値である。 含水率=W1W2/W2×100(%) W1:乾燥前の抄造体重量 W2:乾燥後の抄造体重量 (エマルシヨン塗料の塗布) このようにして抄造した原抄造体の含水率を75
〜150%、好ましくは80〜120%に調整し、エマル
シヨン塗料を塗布する抄造体の含水率が75%未満
であると空隙率が多くなるために、また150%を
越えると含水率が高いために、塗装後にサクシヨ
ン等で充分に吸引脱水できないから、形成される
抄造体の強度が充分でなくなり、そのためにメー
キングロールから剥れにくい等の弊害が生ずるの
で好ましくない。 本発明における水性塗料の原抄造体への塗布量
は特に制限はないが、一般的には50〜200g/m2
の範囲が適当である。 本発明で原抄造体に水性塗料を塗布するには、
メーキングロールの第一層として巻きとられる部
分に塗布することが経済的で、また層間密着性等
の点で有利である。 連続する抄造体をメーキングロールの第一層に
該当する部分だけに塗布すること自体は、公知の
自動的なON/OFF装置を採用することにより達
成される。 (化粧無機質板の成形) 本発明に従つて水性塗料を塗布された原抄造体
は、それ以後、従来方法と全く同様にして脱水、
板厚調整、養生および硬化工程を経て製品化され
る。すなわち、本発明に従つて、含水率が75〜
150%の状態において水性塗料を塗布された原抄
造体を、常法に従つてフエルトの下からサクシヨ
ンによつて吸引脱水したのち、メーキングロール
に巻きつけて抄造体の板厚を調整する。一定の厚
みになるまでメーキングロールに巻きつけたもの
を取り外して板状抄造体を形成し、必要なときは
プレスなどをして形を整えたり波形加工、エンボ
ス模様づけを行い、次いで養生し、硬化させ、さ
らに必要なら乾燥して、化粧無機質板を製造す
る。 作 用 本発明の製造方法においては、第1図に示すよ
うに、水性塗料1を塗布後の含水率の多い原抄造
体2の裏面のフエルト3の下部からサクシヨン装
置4によつて吸引脱水する時に、含水率の多い原
抄造体2中の空隙6が、第2図に示した低含水率
の抄造体と比較して少なく、含水率の多い原抄造
体中の水5が矢印7で示される方向に脱水される
と同時に、水性塗料1からなる塗料層も矢印8で
示される方向に吸引される。この吸引の度合は、
含水率の低いものと比較して強いため、水性塗料
1は、含水率の多い原抄造体2の内部まで浸透す
るとともに塗料層の含水率が低下し、造膜するも
のと推測される。 実施例 以下に本発明の実施例を比較例と共に挙げて本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものでないことはいうま
でもない。 実施例 1 下記組成のスラリーを調整した。
【表】
上記組成のスラリーを抄造機で抄き、生成した
原抄造体(寸法:35cmの巾×0.5mm厚のエンドレ
ス状)のフエルトの下から吸引脱水して、原抄造
体の含水率を80%とした。なお、含水率は、以下
の式から計算して求めた。 含水率=W1−W2/W2 W1:乾燥前の抄造体重量 W2:乾燥後の抄造体重量 上記含水率に調整した原抄造体の表面に、下記
組成のアクリルエマルシヨン塗料を抄造体面積1
m2につき100gの塗布量で塗布した。
原抄造体(寸法:35cmの巾×0.5mm厚のエンドレ
ス状)のフエルトの下から吸引脱水して、原抄造
体の含水率を80%とした。なお、含水率は、以下
の式から計算して求めた。 含水率=W1−W2/W2 W1:乾燥前の抄造体重量 W2:乾燥後の抄造体重量 上記含水率に調整した原抄造体の表面に、下記
組成のアクリルエマルシヨン塗料を抄造体面積1
m2につき100gの塗布量で塗布した。
【表】
上記アクリル水性塗料1をエアーレススプレー
によつて塗布後、フエルトの下からサクシヨンに
よつて吸引脱水し(吸引圧:35cmHg)、メーキン
グロールによつて板厚6mmの板状抄造体を形成
し、3週間養生硬化させた。 このように製造した化粧無機質板について、外
観、塗膜の密着性およびメーキングロールからの
離型性を評価した結果を下記第1表に示す。 実施例 2 実施例1の方法において、原抄造体の含水率を
90%に調整した後に、エマルシヨン塗料2を原抄
造体に塗布した以外は、実施例1と同一の方法で
化粧無機質板を製造した。 結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1の方法において、原抄造体の含水率を
110%に調整した後、エマルシヨン塗料3を原抄
造体に塗布した以外は、実施例1と同一の方法で
化粧無機質板を製造した。 結果を第1表に示す。 比較例 1 実施例1の方法において、原抄造体の含水率を
60%に調整した後、エマルシヨン塗料を塗布した
以外は、実施例1と同一の方法で化粧無機質板を
製造した。 比較例 2 実施例1で示す無機質組成で未塗装の養生基板
を比較例2とした。 結果を第1表に示す。
によつて塗布後、フエルトの下からサクシヨンに
よつて吸引脱水し(吸引圧:35cmHg)、メーキン
グロールによつて板厚6mmの板状抄造体を形成
し、3週間養生硬化させた。 このように製造した化粧無機質板について、外
観、塗膜の密着性およびメーキングロールからの
離型性を評価した結果を下記第1表に示す。 実施例 2 実施例1の方法において、原抄造体の含水率を
90%に調整した後に、エマルシヨン塗料2を原抄
造体に塗布した以外は、実施例1と同一の方法で
化粧無機質板を製造した。 結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1の方法において、原抄造体の含水率を
110%に調整した後、エマルシヨン塗料3を原抄
造体に塗布した以外は、実施例1と同一の方法で
化粧無機質板を製造した。 結果を第1表に示す。 比較例 1 実施例1の方法において、原抄造体の含水率を
60%に調整した後、エマルシヨン塗料を塗布した
以外は、実施例1と同一の方法で化粧無機質板を
製造した。 比較例 2 実施例1で示す無機質組成で未塗装の養生基板
を比較例2とした。 結果を第1表に示す。
【表】
発明の効果
この発明によれば、メーキングロールから抄造
体を取りはずすときに、抄造体の塗膜の一部がメ
ーキングロールに付着残存したり、粘着すること
がなく、塗面のめくれ、剥離、亀裂がなく、良好
な外観を有する化粧無機質板を安定して得ること
ができる。 また、水性塗料が、低含水率のものよりも抄造
体内部まで浸透するため、化粧無機質板の表層部
と水性塗料層とが強固に結合し、塗膜の密着性が
優れ、防水性、耐エフロレツセンス性が優れた化
粧無機質板を得ることができる。 さらに本発明によれば、表面を塗料によつて任
意の色相に美装することが可能となり、使用中の
汚染を防止することができる。
体を取りはずすときに、抄造体の塗膜の一部がメ
ーキングロールに付着残存したり、粘着すること
がなく、塗面のめくれ、剥離、亀裂がなく、良好
な外観を有する化粧無機質板を安定して得ること
ができる。 また、水性塗料が、低含水率のものよりも抄造
体内部まで浸透するため、化粧無機質板の表層部
と水性塗料層とが強固に結合し、塗膜の密着性が
優れ、防水性、耐エフロレツセンス性が優れた化
粧無機質板を得ることができる。 さらに本発明によれば、表面を塗料によつて任
意の色相に美装することが可能となり、使用中の
汚染を防止することができる。
第1図は本発明に係る化粧無機質板の製造方法
の作用を示す概念的断面図、第2図は従来の低含
水率抄造体の問題点を示す概念的断面図である。 1……水性塗料、2……含水率の多い原抄造
体、2′……含水率の少ない原抄造体、3……フ
エルト、4……サクシヨン装置、5……原抄造体
中の水、6……空隙、7……原抄造体中の水の移
動、8……水性塗料層の移動。
の作用を示す概念的断面図、第2図は従来の低含
水率抄造体の問題点を示す概念的断面図である。 1……水性塗料、2……含水率の多い原抄造
体、2′……含水率の少ない原抄造体、3……フ
エルト、4……サクシヨン装置、5……原抄造体
中の水、6……空隙、7……原抄造体中の水の移
動、8……水性塗料層の移動。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 水硬性無機質結合材を主成分とするスラリー
を湿式抄造機にて抄き、フエルト上の原抄造体の
表面に水性塗料を塗布し、次いで吸引脱水し、メ
ーキングロールに巻きつけて板厚を調整し、生成
した板状抄造体を養生硬化せしめる化粧無機質板
の製造方法において、上記原抄造体の含水率を75
〜150%にして水性塗料を塗装することを特徴と
する化粧無機質板の製造方法。 2 水性塗料がエマルシヨン塗料であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の化粧無機質
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14582985A JPS627507A (ja) | 1985-07-04 | 1985-07-04 | 化粧無機質板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14582985A JPS627507A (ja) | 1985-07-04 | 1985-07-04 | 化粧無機質板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS627507A JPS627507A (ja) | 1987-01-14 |
JPH0215367B2 true JPH0215367B2 (ja) | 1990-04-11 |
Family
ID=15394080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14582985A Granted JPS627507A (ja) | 1985-07-04 | 1985-07-04 | 化粧無機質板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS627507A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS588604A (ja) * | 1981-07-08 | 1983-01-18 | 日本ペイント株式会社 | 無機質化粧板の製造方法 |
JPS58131019A (ja) * | 1982-01-30 | 1983-08-04 | 松下電工株式会社 | 繊維セメント板の製造方法 |
JPS59165615A (ja) * | 1983-03-10 | 1984-09-18 | 富士不燃建材工業株式会社 | プレス造形加工繊維質抄造板の製造方法 |
-
1985
- 1985-07-04 JP JP14582985A patent/JPS627507A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS588604A (ja) * | 1981-07-08 | 1983-01-18 | 日本ペイント株式会社 | 無機質化粧板の製造方法 |
JPS58131019A (ja) * | 1982-01-30 | 1983-08-04 | 松下電工株式会社 | 繊維セメント板の製造方法 |
JPS59165615A (ja) * | 1983-03-10 | 1984-09-18 | 富士不燃建材工業株式会社 | プレス造形加工繊維質抄造板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS627507A (ja) | 1987-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4633732B2 (ja) | 室内用壁板及びその製造方法 | |
JPH0215367B2 (ja) | ||
JP4416442B2 (ja) | 無機質板の製造方法 | |
JP2001335385A (ja) | 無機質硬化体 | |
JP4192006B2 (ja) | 無機質板の製造方法 | |
JPH0146479B2 (ja) | ||
JP2680902B2 (ja) | 繊維セメント板の製造方法 | |
JP3290447B2 (ja) | 無石綿建築用セメント板及びその製造方法 | |
JP2005131935A (ja) | 着色建築板の製造方法 | |
JPH0135707B2 (ja) | ||
JP4727792B2 (ja) | 窯業系積層板の製造方法 | |
JPS5874583A (ja) | 無機質化粧板の形成方法 | |
JP3741540B2 (ja) | 繊維補強セメント板の化粧方法 | |
JP4227374B2 (ja) | セメント板の製造方法 | |
JPH08208307A (ja) | 木質繊維セメント板の湿式抄造法による製造法 | |
JP4456848B2 (ja) | 着色建築板の製造方法 | |
JP4276397B2 (ja) | 無機質板の製造方法とそれにより製造された無機質板 | |
JPH01208383A (ja) | 窯業系基材に於ける目地部の化粧方法及びその化粧方法による化粧板 | |
JPH11236282A (ja) | 表面処理無機質材とその製造方法 | |
JP2003342054A (ja) | 無機質板とその製造方法 | |
JPS6127356B2 (ja) | ||
JPH0552242B2 (ja) | ||
JPS5830270B2 (ja) | プレキャストコンクリ−ト板の素地調整方法 | |
JPH0214169B2 (ja) | ||
JPH106314A (ja) | 化粧セメント板の製法 |