JPH0156920B2 - - Google Patents
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- JPH0156920B2 JPH0156920B2 JP57118482A JP11848282A JPH0156920B2 JP H0156920 B2 JPH0156920 B2 JP H0156920B2 JP 57118482 A JP57118482 A JP 57118482A JP 11848282 A JP11848282 A JP 11848282A JP H0156920 B2 JPH0156920 B2 JP H0156920B2
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- B41M5/40—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
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- B41M5/44—Intermediate, backcoat, or covering layers characterised by the macromolecular compounds
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Description
本発明は、感熱記録シートに関し、更に詳しく
は通常無色又はやや淡色の発色性ロイコ染料と該
ロイコ染料を熱時発色させうる酸性物質とを発色
成分とし、かつアンダーコート層、感熱発色層、
バツクコート層の3層構成にして発色性向上、ヘ
ツドマツチング性及び感熱発色層の耐溶剤性を向
上させた感熱記録シートのカールの改善に関す
る。 通常無色ないし、淡色の発色性ロイコ染料と有
機酸性物質とが熱時、溶融反応して発色する事は
古くから知られており、この発色反応を記録紙に
応用した例は、特公昭43−4160号公報、特公昭45
−14039号公報等に開示されており公知である。
これらの感熱記録シートは計測用レコーダー、コ
ンピユーター等の端末プリンター、フアクシミ
リ、自動券売機、バーコードラベルなど広範囲の
分野に応用されているが、最近はこれら記録装置
の多様化、高性能化が進められるに従つて、感熱
記録シートに対する要求品質もより高度なものと
なつている。例えば、サーマルヘツドの高速化に
伴い微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な画像
を記録でき、かつステイツキング、ヘツドカス等
のヘツドマツチング性が良好な感熱記録シートが
要求されている。 感熱記録シートの発色は、発色性ロイコ染料、
酸性物質の両方又はいずれかが、サーマルヘツド
から供給される熱エネルギーによつて溶融し、反
応するものであるが、発色感度を向上する方法の
一つとしては、ロイコ染料と酸性物質よりも低い
温度で溶融し、かつ両者を溶解する能力の高い化
合物(一般に熱可融性物質と呼ばれる)を添加す
る方法が広く知られており、種々の化合物が下記
公報に開示されている。例えば、特開昭49−
34842号公報にはアセトアミド、ステアロアミド、
m−ニトロアニリン、フタル酸ジニトリル等の含
窒素化合物、特開昭52−106746号公報にはアセト
酢酸アニリド、特開昭53−39139号公報にはアル
キル化ビフエニル、ビフエニルアルカン等々であ
る。 しかしながら、近年は特にサーマルフアクシミ
リ分野での高速化が進み、サーマルヘツドを高速
駆動させることが一般化しつつあり、ヘツド周囲
の蓄熱のために感熱記録シートが連続記録中に地
肌部が発色したりして(余熱発色)、不都合があ
るため発色開始温度を低下させることなく、動的
発色感度を高める事が課題となつている。しかし
これらの化合物では、静的発色感度は向上するが
大量に感熱発色層中に添加しないと十分な動的発
色感度が得られず、又、その場合にサーマルヘツ
ドの溶融物の付着(ヘツドカス)が多かつたり、
ステイツキングを生じたり、更には融点が低すぎ
る場合には、感熱記録シートの保存性(地肌のカ
ブリ)を低下させたりして十分満足のいく結果は
得られない。 又、動的発色感熱を向上する方法の一つとし
て、感熱発色層表面の平滑性を向上させたり、或
いは発色層中の発色反応に関与しない成分、例え
ば充填剤や結合剤の含有量を少なくし、発色成分
密度をあげたりする方法もある。表面の平滑性を
向上させるには通常スーパーカレンダー等によ
り、カレンダーがけする事によつて容易に達成し
うるが、地肌が発色したり、表面光沢度が高くな
つたりして記録紙としては外観をはなはだ損ね
る。また、感熱発色層には通常地肌の白さ保持の
ためや、ヘツドへのカス付着防止、ステイツキン
グ防止のために炭酸カルシウム、クレー、尿素−
ホルマリン樹脂微粒子等の充填剤を添加したり、
発色成分やその添加物の支持体への固着のために
水溶性結合剤を添加するが、これらの含有量を少
なくすることは、とりもなおさず上記品質の劣化
を招き、不都合が生じて、かかる方法も十分満足
のいく結果が得られない。 また、近年は、発色性ロイコ染料と酸性物質か
ら成る感熱記録シートは、エタノール、アセトン
等の揮発性有機溶媒がかかると地肌が発色した
り、不揮発性有機溶媒(例えば油、可塑剤、指紋
等)がかかると画像部が消失したりする欠点があ
り、改良が望まれている。 かかる現状に鑑み、本発明者らは種々検討を重
ねた結果、支持体上に充填剤と結合剤とを主成分
とするアンダーコート層、無色又はやや淡色の発
色性ロイコ染料と該ロイコ染料を熱時発色させう
る酸性物質を主成分とする感熱発色層及び水溶性
高分子結合剤と充填剤を主成分とする保護層を、
順次積層することによつて上記問題を改善できる
ことを見い出し、特願昭57−17071号として先に
出願した。 しかしながら、上記構成による感熱記録シート
は、前述の欠点は改善できるが、支持体の表面に
3層塗布していること及びオーバーコート層の水
溶性高分子結合剤の含有量が多いため、塗布時の
フエイス・カール及び低湿(相対湿度50%RH以
下)時のフエイス・カールが大きく、フアクシミ
リに使用した場合など、ジヤムの原因になつたり
して、はなはだ不都合があつた。 そこで、本発明者らは、更に検討を重ねた結
果、上記感熱記録シートの裏面に、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体又はジイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩を含有する
バツクコート層を設けることによつて、上記問題
を改善できることを見い出し、本発明を成すに至
つた。 しかして、本発明の目的は、微小な熱エネルギ
ーでも高濃度で鮮明な画像を記録できる動的発色
濃度の高い感熱記録シートで、かつステイツキン
グ、ヘツドカス等のヘツドマツチング性が良好
で、感熱発色層の耐溶剤性に優れ、更には、低湿
環境においてもカールの少ない高感度感熱記録シ
ートを提供することにある。 本発明の感熱記録シートのアンダーコート層、
感熱発色層、保護層なそれぞれ、次のような機能
を有した層として積層しているため、上記目的を
達成することができる。 第1にアンダーコート層であるが、従来の感熱
記録シートは30〜60g/m2の上質紙上に3〜10
g/m2位の感熱発色層を設けているが、紙の表面
は1〜10μ位の凹凸があり、かつ水性の塗布液は
紙の中に浸透しやすいために、感熱発色層表面と
サーマルヘツドとの接触が均一にならず、又、紙
の深さ方向への熱伝導が少ない為、サーマルヘツ
ドから供給される熱エネルギーを有効に発色反応
に寄与できない。 しかし本発明によれば、アンダーコート層を紙
表面の凹凸をつぶし、かつ上から塗布する感熱発
色層の紙への浸透を適度に抑制する層として形成
することによつて、サーマルヘツドから供給され
る熱エネルギーを発色層が有効に利用しうるよう
になる。つまり、本発明のアンダーコート層は、
上層の感熱発色層の感度を向上させるための層と
して機能する。かかるアンダーコート層は、充填
剤の塗布量が2.0g/m2以上で、かつ、アンダー
コート層中の結合剤が10〜50重量%とすることが
特に好ましい。この場合、充填剤の塗布量が2.0
g/m2以下になると紙表面の凹凸をつぶしにくく
なるため効果が低くなる。又、結合剤の量は10重
量%未満であると感熱発色層が浸透しすぎたり、
又充填剤の結着性が弱くなる。又、50重量%を越
えると発色感度向上の効果が少なくなる。 又、本発明でいうところの充填剤とは、通常製
紙、コーテイング等に用いられる無機及び有機の
フイラーのことで、炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク、シリカやポリスチレン微粒子、尿素−ホル
マリン樹脂微粒子等がある。又、アンダーコート
層に用いられる結合剤としては、通常のポリビニ
ルアルコール、セルロースエーテル、デンプン、
ポリカルボン酸アンモニウム、イソブチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高
分子やスチレン−ブタジエンラテツクス、スチレ
ン−アクリル酸エステル、酢酸ビニル等の水性エ
マルジヨンが用いられるが、望ましくは、乾燥後
耐水性のよい結合剤系を選択するのが望ましい。 第2に、感熱発色層は加熱によつて発色する層
として機能するが、従来の一層の感熱発色層より
も極度に動的発色感度を向上した層として積層さ
れる。感熱発色層はロイコ染料、酸性物質、充填
剤、結合剤からなり、必要に応じて熱可融性物質
も添加される。特に、充填剤が重量で発色性ロイ
コ染料の3倍量以下であり、かつ結合剤を感熱発
色層の3〜10重量%にすることによつて、目的を
達成することができる。 充填剤は感熱発色層に添加しなくともよいが、
3倍量位までは発色感度を低下させることなく発
色色調の深味を出すことができる。又、結合剤は
感熱発色層の3重量%未満になると結着力が低す
ぎて問題があり、又10重量%を越える量になる
と、動的発色感度が低下してくる。(通常、一層
の感熱記録シートでは15〜30重量%位で用いられ
る。) 又、顕色成分である酸性物質は、通常用いられ
るのと同じようにロイコ染料に対し、2〜6倍量
で用いられる。 本発明に使用される無色又は、やや単色の発色
性ロイコ体としては、トリフエニルメタン系、フ
ルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、
スピロピラン系のロイコ体が好ましく、以下にこ
れらの具体例を示す。 (イ) 下記一般式で示されるトリフエニルメタン系
染料のロイコ化合物: (式中、Rx、RyおよびRzは水素、水酸基、ハ
ロゲン、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、ジ
アルキルアミノ基、モノアルキル基、アリル基
である。) 上記ロイコ化合物の具体例は次の通りであ
る。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニ
ル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフエニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド(別名クリスタルバイオレツトラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニル)
−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフエニル)−6−クロルフ
タリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフ
エニル)フタリド (ロ) 下記一般式で表わされるフルオラン系染料の
ロイコ化合物: 式中、Rx、RyおよびRzは上記(イ)の場合と同
じである。 上記化合物の具体例は次の通りである。 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフル
オラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−
メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フ
ルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8
−ベンズフルオラン (ハ) フルオラン系染料のロイコ化合物: 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ルフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、2−{N−(3−トリ
フルオルメチルフエニル)アミノ}−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス
(ジエチルアミノ)−9−(0−クロルアニリノ)
キサンチル安息香酸ラクタム} (ニ) 下記一般式で表わされるラクトン化合物: 式中、R1およびR2は水素、低級アルキル基、
置換または非置換アルアルキル基、置換または
非置換のフエニル基、シアノエチル基、または
β−ハロゲン化エチル基を表わすか、または
R1とR2が結合して、(−CH2−)4、(−CH2−)5また
は(−CH2−)2O(−CH2−)3を表わし、 R3およびR4は水素、低級アルキル基、アル
キル基、アミノ基またはフエニル基を表わし、
R3とR4のいずれか1つは水素であり、X1、X2
およびX3は水素、低級アルキル基、低級アル
コキシル基、ハロゲン原子、ハロゲン化メチル
基、ニトロ基、アミノ基、または置換されたア
ミノ基を表わし、X4は水素、ハロゲン、低級
アルキル基または低級アルコキシル基を表わ
し、nは0または1〜4の整数を表わす。 上記化合物の具体例は次の通りである。 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノ
フエニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフ
エニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−
4′−ジメチルアミノフエニル)−3−(2′−メト
キシ−5′−ニトロフエニル)フタリド、3−
(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフエニ
ル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメ
チルアミノフエニル)−3−(2′−ヒドロキシ−
4′−クロル−5′−メチルフエニル)フタリド 又、前記ロイコ体と熱時反応して発色させうる
酸性物質としては、フエノール性酸性物質、有機
酸、有機カルボン酸の多価金属塩等が挙げられ、
具体的には以下のようなものが例示される。 α−ナフトール、β−ナフトール、4−t−ブ
チルフエノール、4−フエニルフエノール、2,
2′−ビス(p−ヒドロキシフエニル)プロパン、
2,2′−ビス(p−ヒドロキシフエニル)ブタ
ン、4,4′−シクロヘキシリデンフエノール、
4,4′−イソプロピリデンビス(2−t−ブチル
フエノール)、安息香酸、サリチル酸、3,5−
ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−t
−ブチルサリチル酸錫、ヒドロキシ安息香酸プロ
ピル、ヒドロキシ安息香酸ベンジル等。 又、熱可融性物質は、必須成分である必要はな
いが、発色成分の溶融特性が高い場合に、それを
70〜120℃に低下せしめる目的で添加することが
できる。たとえば、3−ジエチルアミノ−0−ク
ロロアニリノフルオランをロイコ染料として用い
た場合、酸性物質としてp−オキシ安息香酸ベン
ジル(m.p.109℃)を用いると、DSCで溶融特性
を測定すると、84〜95℃で溶融することがわか
り、この系の場合には熱可融性物質の添加は必須
ではない。しかし、酸性物質としてビスフエノー
ルA(m.p.156℃)を用いると、溶融特性は、
DSCで130〜155℃に現れる。このような場合に
は、例えば、熱可融性物質としてステアリン酸ア
ミドを加えて、70〜80℃に溶融特性を低下させる
事が必要となる。このような構成にしないと、感
熱発色層の動的発色感度は十分なものとならな
い。 かかる熱可融性物質としては、高級脂肪酸アミ
ド、その誘導体、高級脂肪酸金属塩、動植物性ワ
ツクス、ポリエチレン、パラフイン、マイクロク
リスタリン等の石油系ワツクス等が挙げられる。 以上のように本発明のアンダーコート層、感熱
発色層は動的感度の向上を主として考慮された層
として積層されており、ヘツドマツチング性、例
えばヘツドカスは、実用上支障がある程度に多
い。そこで、本発明の保護層は、これらヘツドマ
ツチング性をカバーする保護層及び感熱発色層の
耐溶剤性を向上する保護層として機能する。この
保護層は、水溶性高分子結合剤と充填剤を主成分
とする。特に水溶性高分子結合剤が50〜90重量%
で、かつ保護層塗布量を1〜6g/m2にすること
によつて、好ましい結果が得られる。水溶性高分
子結合剤が50重量%より少なくなると、感熱記録
シートとして積層した3層の結着力が弱すぎた
り、耐溶剤性向上の効果が十分でなかつたり、動
的感度の低下を招く。又、90重量%より多くなる
と、サーマルヘツドでのステイツキングが生じや
すくなる。又、動的感度の更なる向上、ヘツドマ
ツチング性の向上の為に0〜20重量%の熱可融性
物質を添加することもできる。又、必要に応じて
0〜20重量%の水性エマルジヨンを水溶性高分子
結合剤と共に併用することも可能である。 以上のごとく、アンダーコート層、感熱発色
層、保護層に明確な機能を持たせることによつ
て、それぞれの層の機能が発現し、それらが相乗
して、動的発色感度が高くヘツドマツチング性に
優れ、さらには耐溶剤性の良好な感熱記録シート
が得られる。しかしながら、これらの構成だけで
は、表面に3層塗布しており、かつ、オーバーコ
ート層が水溶性高分子の含有量が多いため、塗布
時のフエイス・カール、低湿でのフエイス・カー
ル(脱湿カール)が大きい。 そこで、本発明のバツクコート層は、少ない塗
布量でフエイス・カールを防止する層として機能
する。一般に表面に塗布した層のカールを改善す
るには、表面に塗布したものと同じ物質を裏面に
塗工してやれば改善できるが、表面が上記のよう
な構成では、通常の水溶性高分子、例えばポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等のセルロースエーテル、デンプン及びデンプン
誘導体やSBR、ポリアクリル酸エステル等の水
性エマルジヨンでは極めて塗布量を多くしないと
フエイス・カールを改善できず、生産性が悪い。
しかし、本発明において用いられるイソブチレン
−無水マレイン酸共重合体又はジイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩は、他の水
溶性高分子より固い樹脂であるために、少ない塗
布量でカールを改善することができる。 これらの水溶性高分子は、表面の3層の塗布量
によつて異なるが、0.5〜3g/m2塗布すれば目
的を達成することができ、又、裏面の耐溶剤性向
上のためにポリビニルアルコール、カルボキシル
変成ポリビニルアルコールを加えたり、ブロツキ
ング防止のために炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ等の無機填料や、ポリスチレン等の有機フイラ
ーを添加することもできる。 本発明の感熱記録シートを作るには、一般に知
られている方法を用いることができる。第1層の
アンダーコート層は、充填剤、結合剤溶液あるい
はエマルジヨンを混合し、必要によつては分散し
てアンダーコート塗布液を調製する。又、感熱発
色層塗布液は、まずロイコ染料、酸性物質は少な
くとも別々にして、ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、
デンプン等の水溶性高分子の水溶液を加えて、ボ
ールミル、アトライター、サンドミル等の分散機
により分散粒径が1〜3μになるまで粉砕分散し
た後、必要に応じて充填剤、熱可融性物質分散
液、消泡剤等により一定処方に配合して感熱発色
層塗布液を調製する。さらに、保護層塗布液は、
充填剤、熱可融性物質、水溶性高分子結合剤を混
合、又は分散して調製する。バツクコート層は、
水溶性高分子結合剤、又、必要に応じて充填剤を
加えて、混合又は分散して調製する。 次にこれらの塗布液を、紙、合成紙等の支持体
上に順次塗布積層することによつて本発明の感熱
記録シートを作成する。 本発明の感熱記録シートの動的発色感度を具体
的に示すと、約300Ωの発熱抵抗体を有するフア
クシミリ用サーマルヘツドで、主走査記録時間20
ms/line、走査線密度8ドツト×3.85ドツト/
mm、プラテン押圧1.4Kg、ヘツド電圧13Vの条件
で、通電時間1.88msecで印字した時の発色濃度
は、従来の一層コートの感熱記録シートでは1.2
以上発色するものはなかつたが(濃度計はマクベ
ス濃度計RD−514、フイルターwratten−106で
1.1以下)、本発明の感熱記録シートは、102以上
の発色濃度が得られる。また、ステイツキングも
なく、ヘツドカスはむしろ従来の感熱記録シート
よりも良好で、ほとんどカスを確認できない程度
である。 以下に本発明を実施例ならびに比較例により詳
細に説明する。 実施例 1、2、3 次の配合からなる混合物をアジテイタで撹拌し
てアンダーコート層塗布液を調整した。 ポリスチレン樹脂の40%分散液 52.5重量部 20%デンプン水溶液 17.5重量部 スチレン−ブタジエンラテツクス(48%)
7.3重量部 水 22.7重量部 次の配合からなる混合物をそれぞれボールミ
ル、アトライタにて体積平均粒径が約1.5μになる
まで粉砕分散して[A]液、[B]液を調整した。 [A]液組成 3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン20重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 16重量部 水 64重量部 [B]液組成 p−オキシ安息香酸ベンジル 10重量部 炭酸カルシウム 10重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 16重量部 水 54重量部 ついで[A]液:[B]液=1:4の重量比で
混合撹拌して感熱発色層塗布液とした。 また、次の配合からなる混合物をサンドミルに
て分散して、保護層塗布液、バツクコート層塗布
液とした。 [保護層塗布液] 炭酸カルシウム 2.5重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 65重量部 ステアリン酸亜鉛 1.0重量部 水 31.5重量部 [バツクコート層塗布液] 炭酸カルシウム 2重量部 20%イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のア
ンモニウム塩水溶液(クラレ社、イソバン−304)
40重量部 水 58重量部 次にこれらの塗布液を50g/m2の市販上質紙に
アンダーコート層、感熱発色層はエアーナイフ
で、保護層は4本リバースコーター、バツクコー
ト層はエアーナイフコーターにて表1に示した塗
布量になるようにそれぞれ塗布乾燥して、本発明
の感熱記録シートを(実施例1、実施例2)作成
した。又、上記バツクコート層におけるイソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体のアンモニウム塩
を、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の
アンモニウム塩にした他は同様にして実施例3の
感熱記録シートを作成した。 比較例 実施例1、2におけるバツクコート層の20%イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアンモニ
ウム塩水溶液を 20%ポリビニルアルコール水溶液 (比較例1) 20%でんぷん水溶液 (比較例2) 20%SBRラテツクス (比較例3) にかえた他は実施例2と同様にして、比較例1、
2、3の感熱記録シートを作成した。
は通常無色又はやや淡色の発色性ロイコ染料と該
ロイコ染料を熱時発色させうる酸性物質とを発色
成分とし、かつアンダーコート層、感熱発色層、
バツクコート層の3層構成にして発色性向上、ヘ
ツドマツチング性及び感熱発色層の耐溶剤性を向
上させた感熱記録シートのカールの改善に関す
る。 通常無色ないし、淡色の発色性ロイコ染料と有
機酸性物質とが熱時、溶融反応して発色する事は
古くから知られており、この発色反応を記録紙に
応用した例は、特公昭43−4160号公報、特公昭45
−14039号公報等に開示されており公知である。
これらの感熱記録シートは計測用レコーダー、コ
ンピユーター等の端末プリンター、フアクシミ
リ、自動券売機、バーコードラベルなど広範囲の
分野に応用されているが、最近はこれら記録装置
の多様化、高性能化が進められるに従つて、感熱
記録シートに対する要求品質もより高度なものと
なつている。例えば、サーマルヘツドの高速化に
伴い微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な画像
を記録でき、かつステイツキング、ヘツドカス等
のヘツドマツチング性が良好な感熱記録シートが
要求されている。 感熱記録シートの発色は、発色性ロイコ染料、
酸性物質の両方又はいずれかが、サーマルヘツド
から供給される熱エネルギーによつて溶融し、反
応するものであるが、発色感度を向上する方法の
一つとしては、ロイコ染料と酸性物質よりも低い
温度で溶融し、かつ両者を溶解する能力の高い化
合物(一般に熱可融性物質と呼ばれる)を添加す
る方法が広く知られており、種々の化合物が下記
公報に開示されている。例えば、特開昭49−
34842号公報にはアセトアミド、ステアロアミド、
m−ニトロアニリン、フタル酸ジニトリル等の含
窒素化合物、特開昭52−106746号公報にはアセト
酢酸アニリド、特開昭53−39139号公報にはアル
キル化ビフエニル、ビフエニルアルカン等々であ
る。 しかしながら、近年は特にサーマルフアクシミ
リ分野での高速化が進み、サーマルヘツドを高速
駆動させることが一般化しつつあり、ヘツド周囲
の蓄熱のために感熱記録シートが連続記録中に地
肌部が発色したりして(余熱発色)、不都合があ
るため発色開始温度を低下させることなく、動的
発色感度を高める事が課題となつている。しかし
これらの化合物では、静的発色感度は向上するが
大量に感熱発色層中に添加しないと十分な動的発
色感度が得られず、又、その場合にサーマルヘツ
ドの溶融物の付着(ヘツドカス)が多かつたり、
ステイツキングを生じたり、更には融点が低すぎ
る場合には、感熱記録シートの保存性(地肌のカ
ブリ)を低下させたりして十分満足のいく結果は
得られない。 又、動的発色感熱を向上する方法の一つとし
て、感熱発色層表面の平滑性を向上させたり、或
いは発色層中の発色反応に関与しない成分、例え
ば充填剤や結合剤の含有量を少なくし、発色成分
密度をあげたりする方法もある。表面の平滑性を
向上させるには通常スーパーカレンダー等によ
り、カレンダーがけする事によつて容易に達成し
うるが、地肌が発色したり、表面光沢度が高くな
つたりして記録紙としては外観をはなはだ損ね
る。また、感熱発色層には通常地肌の白さ保持の
ためや、ヘツドへのカス付着防止、ステイツキン
グ防止のために炭酸カルシウム、クレー、尿素−
ホルマリン樹脂微粒子等の充填剤を添加したり、
発色成分やその添加物の支持体への固着のために
水溶性結合剤を添加するが、これらの含有量を少
なくすることは、とりもなおさず上記品質の劣化
を招き、不都合が生じて、かかる方法も十分満足
のいく結果が得られない。 また、近年は、発色性ロイコ染料と酸性物質か
ら成る感熱記録シートは、エタノール、アセトン
等の揮発性有機溶媒がかかると地肌が発色した
り、不揮発性有機溶媒(例えば油、可塑剤、指紋
等)がかかると画像部が消失したりする欠点があ
り、改良が望まれている。 かかる現状に鑑み、本発明者らは種々検討を重
ねた結果、支持体上に充填剤と結合剤とを主成分
とするアンダーコート層、無色又はやや淡色の発
色性ロイコ染料と該ロイコ染料を熱時発色させう
る酸性物質を主成分とする感熱発色層及び水溶性
高分子結合剤と充填剤を主成分とする保護層を、
順次積層することによつて上記問題を改善できる
ことを見い出し、特願昭57−17071号として先に
出願した。 しかしながら、上記構成による感熱記録シート
は、前述の欠点は改善できるが、支持体の表面に
3層塗布していること及びオーバーコート層の水
溶性高分子結合剤の含有量が多いため、塗布時の
フエイス・カール及び低湿(相対湿度50%RH以
下)時のフエイス・カールが大きく、フアクシミ
リに使用した場合など、ジヤムの原因になつたり
して、はなはだ不都合があつた。 そこで、本発明者らは、更に検討を重ねた結
果、上記感熱記録シートの裏面に、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体又はジイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩を含有する
バツクコート層を設けることによつて、上記問題
を改善できることを見い出し、本発明を成すに至
つた。 しかして、本発明の目的は、微小な熱エネルギ
ーでも高濃度で鮮明な画像を記録できる動的発色
濃度の高い感熱記録シートで、かつステイツキン
グ、ヘツドカス等のヘツドマツチング性が良好
で、感熱発色層の耐溶剤性に優れ、更には、低湿
環境においてもカールの少ない高感度感熱記録シ
ートを提供することにある。 本発明の感熱記録シートのアンダーコート層、
感熱発色層、保護層なそれぞれ、次のような機能
を有した層として積層しているため、上記目的を
達成することができる。 第1にアンダーコート層であるが、従来の感熱
記録シートは30〜60g/m2の上質紙上に3〜10
g/m2位の感熱発色層を設けているが、紙の表面
は1〜10μ位の凹凸があり、かつ水性の塗布液は
紙の中に浸透しやすいために、感熱発色層表面と
サーマルヘツドとの接触が均一にならず、又、紙
の深さ方向への熱伝導が少ない為、サーマルヘツ
ドから供給される熱エネルギーを有効に発色反応
に寄与できない。 しかし本発明によれば、アンダーコート層を紙
表面の凹凸をつぶし、かつ上から塗布する感熱発
色層の紙への浸透を適度に抑制する層として形成
することによつて、サーマルヘツドから供給され
る熱エネルギーを発色層が有効に利用しうるよう
になる。つまり、本発明のアンダーコート層は、
上層の感熱発色層の感度を向上させるための層と
して機能する。かかるアンダーコート層は、充填
剤の塗布量が2.0g/m2以上で、かつ、アンダー
コート層中の結合剤が10〜50重量%とすることが
特に好ましい。この場合、充填剤の塗布量が2.0
g/m2以下になると紙表面の凹凸をつぶしにくく
なるため効果が低くなる。又、結合剤の量は10重
量%未満であると感熱発色層が浸透しすぎたり、
又充填剤の結着性が弱くなる。又、50重量%を越
えると発色感度向上の効果が少なくなる。 又、本発明でいうところの充填剤とは、通常製
紙、コーテイング等に用いられる無機及び有機の
フイラーのことで、炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク、シリカやポリスチレン微粒子、尿素−ホル
マリン樹脂微粒子等がある。又、アンダーコート
層に用いられる結合剤としては、通常のポリビニ
ルアルコール、セルロースエーテル、デンプン、
ポリカルボン酸アンモニウム、イソブチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高
分子やスチレン−ブタジエンラテツクス、スチレ
ン−アクリル酸エステル、酢酸ビニル等の水性エ
マルジヨンが用いられるが、望ましくは、乾燥後
耐水性のよい結合剤系を選択するのが望ましい。 第2に、感熱発色層は加熱によつて発色する層
として機能するが、従来の一層の感熱発色層より
も極度に動的発色感度を向上した層として積層さ
れる。感熱発色層はロイコ染料、酸性物質、充填
剤、結合剤からなり、必要に応じて熱可融性物質
も添加される。特に、充填剤が重量で発色性ロイ
コ染料の3倍量以下であり、かつ結合剤を感熱発
色層の3〜10重量%にすることによつて、目的を
達成することができる。 充填剤は感熱発色層に添加しなくともよいが、
3倍量位までは発色感度を低下させることなく発
色色調の深味を出すことができる。又、結合剤は
感熱発色層の3重量%未満になると結着力が低す
ぎて問題があり、又10重量%を越える量になる
と、動的発色感度が低下してくる。(通常、一層
の感熱記録シートでは15〜30重量%位で用いられ
る。) 又、顕色成分である酸性物質は、通常用いられ
るのと同じようにロイコ染料に対し、2〜6倍量
で用いられる。 本発明に使用される無色又は、やや単色の発色
性ロイコ体としては、トリフエニルメタン系、フ
ルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、
スピロピラン系のロイコ体が好ましく、以下にこ
れらの具体例を示す。 (イ) 下記一般式で示されるトリフエニルメタン系
染料のロイコ化合物: (式中、Rx、RyおよびRzは水素、水酸基、ハ
ロゲン、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、ジ
アルキルアミノ基、モノアルキル基、アリル基
である。) 上記ロイコ化合物の具体例は次の通りであ
る。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニ
ル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフエニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド(別名クリスタルバイオレツトラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニル)
−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフエニル)−6−クロルフ
タリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフ
エニル)フタリド (ロ) 下記一般式で表わされるフルオラン系染料の
ロイコ化合物: 式中、Rx、RyおよびRzは上記(イ)の場合と同
じである。 上記化合物の具体例は次の通りである。 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフル
オラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−
メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フ
ルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8
−ベンズフルオラン (ハ) フルオラン系染料のロイコ化合物: 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ルフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、2−{N−(3−トリ
フルオルメチルフエニル)アミノ}−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス
(ジエチルアミノ)−9−(0−クロルアニリノ)
キサンチル安息香酸ラクタム} (ニ) 下記一般式で表わされるラクトン化合物: 式中、R1およびR2は水素、低級アルキル基、
置換または非置換アルアルキル基、置換または
非置換のフエニル基、シアノエチル基、または
β−ハロゲン化エチル基を表わすか、または
R1とR2が結合して、(−CH2−)4、(−CH2−)5また
は(−CH2−)2O(−CH2−)3を表わし、 R3およびR4は水素、低級アルキル基、アル
キル基、アミノ基またはフエニル基を表わし、
R3とR4のいずれか1つは水素であり、X1、X2
およびX3は水素、低級アルキル基、低級アル
コキシル基、ハロゲン原子、ハロゲン化メチル
基、ニトロ基、アミノ基、または置換されたア
ミノ基を表わし、X4は水素、ハロゲン、低級
アルキル基または低級アルコキシル基を表わ
し、nは0または1〜4の整数を表わす。 上記化合物の具体例は次の通りである。 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノ
フエニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフ
エニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−
4′−ジメチルアミノフエニル)−3−(2′−メト
キシ−5′−ニトロフエニル)フタリド、3−
(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフエニ
ル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメ
チルアミノフエニル)−3−(2′−ヒドロキシ−
4′−クロル−5′−メチルフエニル)フタリド 又、前記ロイコ体と熱時反応して発色させうる
酸性物質としては、フエノール性酸性物質、有機
酸、有機カルボン酸の多価金属塩等が挙げられ、
具体的には以下のようなものが例示される。 α−ナフトール、β−ナフトール、4−t−ブ
チルフエノール、4−フエニルフエノール、2,
2′−ビス(p−ヒドロキシフエニル)プロパン、
2,2′−ビス(p−ヒドロキシフエニル)ブタ
ン、4,4′−シクロヘキシリデンフエノール、
4,4′−イソプロピリデンビス(2−t−ブチル
フエノール)、安息香酸、サリチル酸、3,5−
ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−t
−ブチルサリチル酸錫、ヒドロキシ安息香酸プロ
ピル、ヒドロキシ安息香酸ベンジル等。 又、熱可融性物質は、必須成分である必要はな
いが、発色成分の溶融特性が高い場合に、それを
70〜120℃に低下せしめる目的で添加することが
できる。たとえば、3−ジエチルアミノ−0−ク
ロロアニリノフルオランをロイコ染料として用い
た場合、酸性物質としてp−オキシ安息香酸ベン
ジル(m.p.109℃)を用いると、DSCで溶融特性
を測定すると、84〜95℃で溶融することがわか
り、この系の場合には熱可融性物質の添加は必須
ではない。しかし、酸性物質としてビスフエノー
ルA(m.p.156℃)を用いると、溶融特性は、
DSCで130〜155℃に現れる。このような場合に
は、例えば、熱可融性物質としてステアリン酸ア
ミドを加えて、70〜80℃に溶融特性を低下させる
事が必要となる。このような構成にしないと、感
熱発色層の動的発色感度は十分なものとならな
い。 かかる熱可融性物質としては、高級脂肪酸アミ
ド、その誘導体、高級脂肪酸金属塩、動植物性ワ
ツクス、ポリエチレン、パラフイン、マイクロク
リスタリン等の石油系ワツクス等が挙げられる。 以上のように本発明のアンダーコート層、感熱
発色層は動的感度の向上を主として考慮された層
として積層されており、ヘツドマツチング性、例
えばヘツドカスは、実用上支障がある程度に多
い。そこで、本発明の保護層は、これらヘツドマ
ツチング性をカバーする保護層及び感熱発色層の
耐溶剤性を向上する保護層として機能する。この
保護層は、水溶性高分子結合剤と充填剤を主成分
とする。特に水溶性高分子結合剤が50〜90重量%
で、かつ保護層塗布量を1〜6g/m2にすること
によつて、好ましい結果が得られる。水溶性高分
子結合剤が50重量%より少なくなると、感熱記録
シートとして積層した3層の結着力が弱すぎた
り、耐溶剤性向上の効果が十分でなかつたり、動
的感度の低下を招く。又、90重量%より多くなる
と、サーマルヘツドでのステイツキングが生じや
すくなる。又、動的感度の更なる向上、ヘツドマ
ツチング性の向上の為に0〜20重量%の熱可融性
物質を添加することもできる。又、必要に応じて
0〜20重量%の水性エマルジヨンを水溶性高分子
結合剤と共に併用することも可能である。 以上のごとく、アンダーコート層、感熱発色
層、保護層に明確な機能を持たせることによつ
て、それぞれの層の機能が発現し、それらが相乗
して、動的発色感度が高くヘツドマツチング性に
優れ、さらには耐溶剤性の良好な感熱記録シート
が得られる。しかしながら、これらの構成だけで
は、表面に3層塗布しており、かつ、オーバーコ
ート層が水溶性高分子の含有量が多いため、塗布
時のフエイス・カール、低湿でのフエイス・カー
ル(脱湿カール)が大きい。 そこで、本発明のバツクコート層は、少ない塗
布量でフエイス・カールを防止する層として機能
する。一般に表面に塗布した層のカールを改善す
るには、表面に塗布したものと同じ物質を裏面に
塗工してやれば改善できるが、表面が上記のよう
な構成では、通常の水溶性高分子、例えばポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等のセルロースエーテル、デンプン及びデンプン
誘導体やSBR、ポリアクリル酸エステル等の水
性エマルジヨンでは極めて塗布量を多くしないと
フエイス・カールを改善できず、生産性が悪い。
しかし、本発明において用いられるイソブチレン
−無水マレイン酸共重合体又はジイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩は、他の水
溶性高分子より固い樹脂であるために、少ない塗
布量でカールを改善することができる。 これらの水溶性高分子は、表面の3層の塗布量
によつて異なるが、0.5〜3g/m2塗布すれば目
的を達成することができ、又、裏面の耐溶剤性向
上のためにポリビニルアルコール、カルボキシル
変成ポリビニルアルコールを加えたり、ブロツキ
ング防止のために炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ等の無機填料や、ポリスチレン等の有機フイラ
ーを添加することもできる。 本発明の感熱記録シートを作るには、一般に知
られている方法を用いることができる。第1層の
アンダーコート層は、充填剤、結合剤溶液あるい
はエマルジヨンを混合し、必要によつては分散し
てアンダーコート塗布液を調製する。又、感熱発
色層塗布液は、まずロイコ染料、酸性物質は少な
くとも別々にして、ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、
デンプン等の水溶性高分子の水溶液を加えて、ボ
ールミル、アトライター、サンドミル等の分散機
により分散粒径が1〜3μになるまで粉砕分散し
た後、必要に応じて充填剤、熱可融性物質分散
液、消泡剤等により一定処方に配合して感熱発色
層塗布液を調製する。さらに、保護層塗布液は、
充填剤、熱可融性物質、水溶性高分子結合剤を混
合、又は分散して調製する。バツクコート層は、
水溶性高分子結合剤、又、必要に応じて充填剤を
加えて、混合又は分散して調製する。 次にこれらの塗布液を、紙、合成紙等の支持体
上に順次塗布積層することによつて本発明の感熱
記録シートを作成する。 本発明の感熱記録シートの動的発色感度を具体
的に示すと、約300Ωの発熱抵抗体を有するフア
クシミリ用サーマルヘツドで、主走査記録時間20
ms/line、走査線密度8ドツト×3.85ドツト/
mm、プラテン押圧1.4Kg、ヘツド電圧13Vの条件
で、通電時間1.88msecで印字した時の発色濃度
は、従来の一層コートの感熱記録シートでは1.2
以上発色するものはなかつたが(濃度計はマクベ
ス濃度計RD−514、フイルターwratten−106で
1.1以下)、本発明の感熱記録シートは、102以上
の発色濃度が得られる。また、ステイツキングも
なく、ヘツドカスはむしろ従来の感熱記録シート
よりも良好で、ほとんどカスを確認できない程度
である。 以下に本発明を実施例ならびに比較例により詳
細に説明する。 実施例 1、2、3 次の配合からなる混合物をアジテイタで撹拌し
てアンダーコート層塗布液を調整した。 ポリスチレン樹脂の40%分散液 52.5重量部 20%デンプン水溶液 17.5重量部 スチレン−ブタジエンラテツクス(48%)
7.3重量部 水 22.7重量部 次の配合からなる混合物をそれぞれボールミ
ル、アトライタにて体積平均粒径が約1.5μになる
まで粉砕分散して[A]液、[B]液を調整した。 [A]液組成 3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン20重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 16重量部 水 64重量部 [B]液組成 p−オキシ安息香酸ベンジル 10重量部 炭酸カルシウム 10重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 16重量部 水 54重量部 ついで[A]液:[B]液=1:4の重量比で
混合撹拌して感熱発色層塗布液とした。 また、次の配合からなる混合物をサンドミルに
て分散して、保護層塗布液、バツクコート層塗布
液とした。 [保護層塗布液] 炭酸カルシウム 2.5重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 65重量部 ステアリン酸亜鉛 1.0重量部 水 31.5重量部 [バツクコート層塗布液] 炭酸カルシウム 2重量部 20%イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のア
ンモニウム塩水溶液(クラレ社、イソバン−304)
40重量部 水 58重量部 次にこれらの塗布液を50g/m2の市販上質紙に
アンダーコート層、感熱発色層はエアーナイフ
で、保護層は4本リバースコーター、バツクコー
ト層はエアーナイフコーターにて表1に示した塗
布量になるようにそれぞれ塗布乾燥して、本発明
の感熱記録シートを(実施例1、実施例2)作成
した。又、上記バツクコート層におけるイソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体のアンモニウム塩
を、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の
アンモニウム塩にした他は同様にして実施例3の
感熱記録シートを作成した。 比較例 実施例1、2におけるバツクコート層の20%イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアンモニ
ウム塩水溶液を 20%ポリビニルアルコール水溶液 (比較例1) 20%でんぷん水溶液 (比較例2) 20%SBRラテツクス (比較例3) にかえた他は実施例2と同様にして、比較例1、
2、3の感熱記録シートを作成した。
【表】
【表】
実施例 4
次の配合から成る混合物をサンドミルにて分散
して、バツクコート層塗布液を調製した。 炭酸カルシウム 2重量部 20%イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のア
ンモニウム塩水溶液 20重量部 20%ポリビニルアルコール水溶液 20重量部 水 58重量部 次に、実施例2と同様にして(但し、バツクコ
ート層塗布量は2.0g/m2)、本発明の感熱記録シ
ートを作成した。 次に、上記実施例、比較例の感熱記録シートを
スーパーキヤレンダーにて、光沢度(JIS−
P8142に準拠して測定)が10〜13%になるように
キヤレンダーがけした後、G−フアツクステス
ト機にて動的発色感度とヘツドマツチングのテス
トを行なつた。又、これらの感熱記録シートの環
境条件をかえた時にカールについてもテストを行
なつた。 テスト機は、松下電子部品(株)の8ドツト/mmの
サーマルヘツドを有し、発熱抵抗体は約300Ω/
ドツトであり、これを主走査記録速度20ms/
line、副走査3.85l/mm、プラテン押圧1.4Kg、ヘ
ツド電圧13Vの条件で通電時間1.88msecと2.19m
secの2条件でテストを行なつた。又、ステイツ
キングは2.19msec前ベタでテストし、ヘツドカ
スは2.19msecで市松模様を(白黒比50%)、10m
印字して、ヘツドを観察した。 又、環境条件をかえたカールテストは、20℃、
65%RHの常温常湿下、20℃、10%RHの常温常
湿下で、A4サイズにサンプルをカツトして行な
つた。 これらのテスト結果を表2にまとめた。表2か
らわかるように、本発明の感熱記録シートは多層
構成であるにもかかわらず、常温低湿下でもカー
ルが少ないことがわかつた。
して、バツクコート層塗布液を調製した。 炭酸カルシウム 2重量部 20%イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のア
ンモニウム塩水溶液 20重量部 20%ポリビニルアルコール水溶液 20重量部 水 58重量部 次に、実施例2と同様にして(但し、バツクコ
ート層塗布量は2.0g/m2)、本発明の感熱記録シ
ートを作成した。 次に、上記実施例、比較例の感熱記録シートを
スーパーキヤレンダーにて、光沢度(JIS−
P8142に準拠して測定)が10〜13%になるように
キヤレンダーがけした後、G−フアツクステス
ト機にて動的発色感度とヘツドマツチングのテス
トを行なつた。又、これらの感熱記録シートの環
境条件をかえた時にカールについてもテストを行
なつた。 テスト機は、松下電子部品(株)の8ドツト/mmの
サーマルヘツドを有し、発熱抵抗体は約300Ω/
ドツトであり、これを主走査記録速度20ms/
line、副走査3.85l/mm、プラテン押圧1.4Kg、ヘ
ツド電圧13Vの条件で通電時間1.88msecと2.19m
secの2条件でテストを行なつた。又、ステイツ
キングは2.19msec前ベタでテストし、ヘツドカ
スは2.19msecで市松模様を(白黒比50%)、10m
印字して、ヘツドを観察した。 又、環境条件をかえたカールテストは、20℃、
65%RHの常温常湿下、20℃、10%RHの常温常
湿下で、A4サイズにサンプルをカツトして行な
つた。 これらのテスト結果を表2にまとめた。表2か
らわかるように、本発明の感熱記録シートは多層
構成であるにもかかわらず、常温低湿下でもカー
ルが少ないことがわかつた。
Claims (1)
- 1 支持体上に充填剤と結合剤とを主成分とする
アンダーコート層、無色又はやや淡色の発色性ロ
イコ染料と該ロイコ染料を熱時発色させうる酸性
物質を主成分とする感熱発色層及び水溶性高分子
結合剤と充填剤を主成分とする保護層を順次積層
して成る感熱記録シートの裏面にイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体又はジイソブチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩を含有するバ
ツクコート層を設けた事を特徴とする感熱記録シ
ート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57118482A JPS599091A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 感熱記録シ−ト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57118482A JPS599091A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 感熱記録シ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS599091A JPS599091A (ja) | 1984-01-18 |
JPH0156920B2 true JPH0156920B2 (ja) | 1989-12-01 |
Family
ID=14737762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57118482A Granted JPS599091A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 感熱記録シ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS599091A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1982
- 1982-07-09 JP JP57118482A patent/JPS599091A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
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