JPH0154583B2 - - Google Patents
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- JPH0154583B2 JPH0154583B2 JP6992684A JP6992684A JPH0154583B2 JP H0154583 B2 JPH0154583 B2 JP H0154583B2 JP 6992684 A JP6992684 A JP 6992684A JP 6992684 A JP6992684 A JP 6992684A JP H0154583 B2 JPH0154583 B2 JP H0154583B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- gear
- oil
- shift
- oil pressure
- Prior art date
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- Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Description
本発明は変速中に摩擦係合要素に適正な油圧を
送給するフイードバツク制御機能を備えた車両用
自動変速機において、エンジンを出力トルク、排
気量等の規格の異なるものに変更した場合にも変
速開始信号発信後に摩擦係合要素に送給されるべ
き適切な初期油圧を自動的に補正して設定する方
法に関する。 車両用自動変速機はクラツチ、ブレーキ等の摩
擦係合要素に油圧を送給して任意の回転ドラム、
ギア等の回転要素を選択するとにより変速比切換
(変速)を車両の運転状態に応じて自動的に行う
ものであり、装置、機器の保護や快適な乗心地維
持のためにこの摩擦係合要素への圧油の送給は変
速開始信号発信後に送給される初期油圧から或る
所定の特性に沿つて徐々に行なわれる。 近年、車両の種類は、種々の用途に応じて多様
化しておりこれに伴なつて種々のエンジンが用い
られている。しかしながら、上記初期油圧が車両
に搭載されるエンジンの排気量、出力トルク量等
により異なるなるため、エンジンの種類の応じて
自動変速機も多種類用意していなければならな
い。すなわち、例えば比較的大排気量用の自動変
速機を比較的小排気量のエンジンに組合せた場合
には、この小排気量のエンジン用の自動変速機に
較べて大排気量用のものの作動油圧(ライン圧)
が元々大きく、このエンジンの出力トルクに較べ
て摩擦係合要素の係合力が過大となつてしまい、
変速開始信号が発信されるやいなや初期油圧によ
り摩擦係合要素が係合状態となつてしまい多大な
変速シヨツクを来たしてしまうという問題があ
り、また、これと逆の場合にはライン圧が低すぎ
て変速が開始しなかつたり変速までに長時間かか
つたという問題があり、単一規格の自動変速機を
所定規格以外のエンジンに流用することは不可能
であつた。 このため、従来においては、自動変速機を少量
多種生産せざるを得ず、製品コストが高くなると
共に生産管理も煩雑となつたいた。 本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたもの
で、変速中に摩擦係合要素へ適正な油圧が送給さ
れるようフイードバツク制御機能を備えた自動変
速機における変速初期油圧を各種エンジンに対応
すべく設定する方法を提供し、もつて車両用自動
変速機の各種エンジンへの流用を実現し、製品コ
スト低減生産管理の簡素化を図ることを目的とす
る。 上記目的を達成する本発明の構成は、エンジン
の回転動力が入力される入力軸と、駆動輪へ回転
動力を出力する出力軸と、油圧により作動して任
意の回転要素を選択することにより前記入力軸と
前記出力軸との間の変速比を切換える摩擦係合要
素と、変速中に回転速度が変化する回転要素の回
転速度を検出する検出装置と、該検出装置により
検出された回転速度の変化率が予め設定された目
標変化率に追従するよう前記摩擦係合要素への油
圧を制御する制御装置とを備えた車両用自動変速
機において、変速中の前記回転要素が予め設定さ
れた変速後期の回転速度となつた時点に前記摩擦
係合要素に送給されている油圧から変速開始信号
発信後に該摩擦係合要素へ送給されるべき初期油
圧を演算し、該初期油圧を次回の変速の初期油圧
としたことを特徴とする。 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。 まず、本発明に係る方法を実施する車両用自動
変速機の一例についてその概略構造を表す第1図
を参照して説明する。 本実施例では本発明の方法を実施するために小
排気量のエンジン2に組合わされた大排気量エン
ジン用の自動変速機であり、車両の動力源となる
エンジン2のクランク軸4はトルクコンバータ6
のポンプ8に直結されている。トルクコンバータ
6は、ポンプ8、タービン10、ステータ12、
ワンウエイクラツチ14を有し、ステータ12は
ワンウエイクラツチ14を介してケース16に結
合され、同ワンウエイクラツチによりステータ1
2はクランク軸4と同方向へは回転するが、その
逆方向の回転は許容されない構造となつている。 タービン10に伝えられたトルクは入力軸20
によつてその後部に配設された前進4段後進1段
の変速段を達成する歯車変速装置22に伝達され
る。 同変速機装置22は、3組のクラツチ24,2
6,28、2組のブレーキ30,32、1組のワ
ンウエイクラツチ34および1組のラビニヨ型遊
星歯車機構36で構成されている。同遊星歯車機
構36は、リングギア38、ロングピニオンギア
40、シヨートピニオンギア42、フロントサン
ギア44、リヤサンギア46、両ピニオンギア4
0,42を回転自在に支持し自身も回転可能なキ
ヤリア48から構成されており、リングギア38
は出力軸50に連結され、フロントサンギア44
はキツクダウンドラム52、フロントクラツチ2
4を介して入力軸20に連結され、リヤサンギア
46はリヤクラツチ26を介して入力軸20に連
結され、キヤリア48は機能上並列となるように
配設されたローリバースブレーキ32とワンウエ
イクラツチ34とを介してケース16に連結され
るとともに変速装置22の後端に配設された4速
クラツチ28を介して入力軸20に連結されてい
る。なお、上記キツクダウンドラム52はキツク
ダウンブレーキ30によつてケース16に固定的
に連結可能となつている。遊星歯車機構36を通
つたトルクは、出力軸50に固着された出力ギア
60よりアイドルギア62を経て被駆動ギア64
に伝達され、さらに被駆動ギア64に固着された
トランスフアシヤフト66、ヘリカルギア68を
介して駆動輪の駆動軸70が連結された差動歯車
装置72に伝達される。 摩擦係合要素である上記クラツチ、ブレーキは
それぞれ係合用ピストン装置あるいはサーボ装置
等を備えた摩擦係合装置で構成されており、トル
クコンバータ6のポンプ8に連結されることによ
りエンジン2により駆動される第2図に示すオイ
ルポンプ74で発生する油圧によつて作動され
る。同油圧は、後述する油圧制御装置によつて、
種々の運転状態検出装置により検出された運転状
態に応じて各クラツチ、ブレーキに選択的に供給
され、同各クラツチ、ブレーキの作動の組み合わ
せによつて第1表に示すように、前進4段後進1
段の変速段が達成される。同表において〇印は各
クラツチまたはブレーキの係合状態を示す●印は
変速時のローリーバースブレーキ32が係合され
る直前においてワンウエイクラツチ34の作用で
キヤリア48の回転が停止されていることを示し
ている。 次に、第1図に示す歯車変速装置22において
第1表に示す変速段を達成するための電子油圧制
御装置について説明する。 第2図に示す油圧制御装置は、油溜76からオ
イルフイルタ78、油路80を経てオイルポンプ
74より吐出される油をトルクコンバータ
送給するフイードバツク制御機能を備えた車両用
自動変速機において、エンジンを出力トルク、排
気量等の規格の異なるものに変更した場合にも変
速開始信号発信後に摩擦係合要素に送給されるべ
き適切な初期油圧を自動的に補正して設定する方
法に関する。 車両用自動変速機はクラツチ、ブレーキ等の摩
擦係合要素に油圧を送給して任意の回転ドラム、
ギア等の回転要素を選択するとにより変速比切換
(変速)を車両の運転状態に応じて自動的に行う
ものであり、装置、機器の保護や快適な乗心地維
持のためにこの摩擦係合要素への圧油の送給は変
速開始信号発信後に送給される初期油圧から或る
所定の特性に沿つて徐々に行なわれる。 近年、車両の種類は、種々の用途に応じて多様
化しておりこれに伴なつて種々のエンジンが用い
られている。しかしながら、上記初期油圧が車両
に搭載されるエンジンの排気量、出力トルク量等
により異なるなるため、エンジンの種類の応じて
自動変速機も多種類用意していなければならな
い。すなわち、例えば比較的大排気量用の自動変
速機を比較的小排気量のエンジンに組合せた場合
には、この小排気量のエンジン用の自動変速機に
較べて大排気量用のものの作動油圧(ライン圧)
が元々大きく、このエンジンの出力トルクに較べ
て摩擦係合要素の係合力が過大となつてしまい、
変速開始信号が発信されるやいなや初期油圧によ
り摩擦係合要素が係合状態となつてしまい多大な
変速シヨツクを来たしてしまうという問題があ
り、また、これと逆の場合にはライン圧が低すぎ
て変速が開始しなかつたり変速までに長時間かか
つたという問題があり、単一規格の自動変速機を
所定規格以外のエンジンに流用することは不可能
であつた。 このため、従来においては、自動変速機を少量
多種生産せざるを得ず、製品コストが高くなると
共に生産管理も煩雑となつたいた。 本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたもの
で、変速中に摩擦係合要素へ適正な油圧が送給さ
れるようフイードバツク制御機能を備えた自動変
速機における変速初期油圧を各種エンジンに対応
すべく設定する方法を提供し、もつて車両用自動
変速機の各種エンジンへの流用を実現し、製品コ
スト低減生産管理の簡素化を図ることを目的とす
る。 上記目的を達成する本発明の構成は、エンジン
の回転動力が入力される入力軸と、駆動輪へ回転
動力を出力する出力軸と、油圧により作動して任
意の回転要素を選択することにより前記入力軸と
前記出力軸との間の変速比を切換える摩擦係合要
素と、変速中に回転速度が変化する回転要素の回
転速度を検出する検出装置と、該検出装置により
検出された回転速度の変化率が予め設定された目
標変化率に追従するよう前記摩擦係合要素への油
圧を制御する制御装置とを備えた車両用自動変速
機において、変速中の前記回転要素が予め設定さ
れた変速後期の回転速度となつた時点に前記摩擦
係合要素に送給されている油圧から変速開始信号
発信後に該摩擦係合要素へ送給されるべき初期油
圧を演算し、該初期油圧を次回の変速の初期油圧
としたことを特徴とする。 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。 まず、本発明に係る方法を実施する車両用自動
変速機の一例についてその概略構造を表す第1図
を参照して説明する。 本実施例では本発明の方法を実施するために小
排気量のエンジン2に組合わされた大排気量エン
ジン用の自動変速機であり、車両の動力源となる
エンジン2のクランク軸4はトルクコンバータ6
のポンプ8に直結されている。トルクコンバータ
6は、ポンプ8、タービン10、ステータ12、
ワンウエイクラツチ14を有し、ステータ12は
ワンウエイクラツチ14を介してケース16に結
合され、同ワンウエイクラツチによりステータ1
2はクランク軸4と同方向へは回転するが、その
逆方向の回転は許容されない構造となつている。 タービン10に伝えられたトルクは入力軸20
によつてその後部に配設された前進4段後進1段
の変速段を達成する歯車変速装置22に伝達され
る。 同変速機装置22は、3組のクラツチ24,2
6,28、2組のブレーキ30,32、1組のワ
ンウエイクラツチ34および1組のラビニヨ型遊
星歯車機構36で構成されている。同遊星歯車機
構36は、リングギア38、ロングピニオンギア
40、シヨートピニオンギア42、フロントサン
ギア44、リヤサンギア46、両ピニオンギア4
0,42を回転自在に支持し自身も回転可能なキ
ヤリア48から構成されており、リングギア38
は出力軸50に連結され、フロントサンギア44
はキツクダウンドラム52、フロントクラツチ2
4を介して入力軸20に連結され、リヤサンギア
46はリヤクラツチ26を介して入力軸20に連
結され、キヤリア48は機能上並列となるように
配設されたローリバースブレーキ32とワンウエ
イクラツチ34とを介してケース16に連結され
るとともに変速装置22の後端に配設された4速
クラツチ28を介して入力軸20に連結されてい
る。なお、上記キツクダウンドラム52はキツク
ダウンブレーキ30によつてケース16に固定的
に連結可能となつている。遊星歯車機構36を通
つたトルクは、出力軸50に固着された出力ギア
60よりアイドルギア62を経て被駆動ギア64
に伝達され、さらに被駆動ギア64に固着された
トランスフアシヤフト66、ヘリカルギア68を
介して駆動輪の駆動軸70が連結された差動歯車
装置72に伝達される。 摩擦係合要素である上記クラツチ、ブレーキは
それぞれ係合用ピストン装置あるいはサーボ装置
等を備えた摩擦係合装置で構成されており、トル
クコンバータ6のポンプ8に連結されることによ
りエンジン2により駆動される第2図に示すオイ
ルポンプ74で発生する油圧によつて作動され
る。同油圧は、後述する油圧制御装置によつて、
種々の運転状態検出装置により検出された運転状
態に応じて各クラツチ、ブレーキに選択的に供給
され、同各クラツチ、ブレーキの作動の組み合わ
せによつて第1表に示すように、前進4段後進1
段の変速段が達成される。同表において〇印は各
クラツチまたはブレーキの係合状態を示す●印は
変速時のローリーバースブレーキ32が係合され
る直前においてワンウエイクラツチ34の作用で
キヤリア48の回転が停止されていることを示し
ている。 次に、第1図に示す歯車変速装置22において
第1表に示す変速段を達成するための電子油圧制
御装置について説明する。 第2図に示す油圧制御装置は、油溜76からオ
イルフイルタ78、油路80を経てオイルポンプ
74より吐出される油をトルクコンバータ
【表】
6及び変速装置22の各クラツチ24,26,2
8、ブレーキ30,32のピストン装置またはサ
ーボ装置を作動するため、各油圧室に供給する油
圧を運転状態に応じて制御するもので、主に調圧
弁82、トルクコンバータ制御弁84、減圧弁8
6、手動弁88、シフト制御弁90、リヤクラツ
チ制御弁92、N−R制御弁94、変速時の油圧
制御弁96、N−D制御弁98、1−2速イフト
弁100、2−3速及び4−3速シフト弁10
2、4速クラツチ制御弁104及び3個のソレノ
イド弁106,108,110を構成要素として
おり、各要素は油路によつて結ばれている。そし
て、これら構成要素のうち変速比の切換のため各
摩擦係合要素24,26,28,30,32への
油路を切換える切換弁としてシフト制御弁90、
1−2速シフト弁100、2−3速及び4−3速
シフト弁102、4速クラツチ制御弁104が機
能し、各摩擦係合要素への送給油圧を制御する変
速時の油圧制御弁96、N−R制御弁94および
ソレノイド弁106は電子制御装置112によつ
て制御される。 上記各ソレノイド弁106,108,110は
それぞれ同一構造を有しており、電子制御装置1
12からの電気信号により各オリフイス114,
116,118を開閉制御する非通電時閉塞型の
ソレノイド弁であつて、ソレノイド120,12
2,124、同ソレノイド内に配置され各オリフ
イス114,116,118を開閉する弁体12
6,128,130および同弁体を閉方向に付勢
するスプリング132,134,136を有して
いる。 電子制御装置112は、車両の運転状態を検出
してソレノイド弁108,110の開閉に組合わ
せを決定する運転状態決定装置、変速の開始を検
出する変速検出装置等を内蔵しデユーサイ制御が
行なわれるソレノイド弁106の作動、停止及び
同ソレノイド弁106に供給される50Hzのパル
ス電流の単一パルス電流幅の制御により開弁時間
の変更で油圧を制御し、またソレノイド弁10
8,111の開閉制御をするもので、その入力要
素としては、エンジン2の図示しないスロツトル
弁開度または吸気マニホルド負圧を検出するエン
ジン負荷検出装置138、エンジン2の回転数検
出装置140、第1図に示すキツクダウンドラム
52の回転速度検出装置142、車速に対応する
出力軸50の回転数検出を行なうために設けられ
た被駆動ギア64の回転数検出装置144、潤滑
油温を検出する油温検出装置146、セレクトレ
バーの選定位置検出装置148及び補助スイツチ
の選定位置検出装置150等から成つている。 また、電子制御装置112は第3図に示すよう
なフローチヤートを備えており、上記各検出装置
の検出量に基づいて、後述のように摩擦係合要素
24,26,28,30,32の変速開始信号発
信後これらの摩擦係合要素へ送給されるべき初期
油圧設定及び送給油圧のフイードバツク制御を行
う。 上記オイルポンプ74から吐出される圧油は油
路160を介して調圧弁82、手動弁88、減圧
弁86に導びかれる。 手動弁88は、D、N、R、Pの4位置を備え
ており、D位置となると油路160を油路17
2,174に連通し第2表に示すように、ソレノ
イド弁108,110のON、OFFの組合わせに
応じて上記歯車変速装置22に第1速〜第4速の
前進の運転状態を達成させ、N位置となると油路
160を油路174のみに連通し油路172を排
油口176に連通して歯車変速装置22にニユー
トラル状態を達成させ、R位置となると油路16
0を油路178,180に連通して歯車変速機装
置22に後進の運転状態(変速段)を達成させ、
R位置となると同手動弁88に連通するすべての
油路を排油口176又は排油路182に連通して
歯車変速装置22を実質的にニユートラル状態と
するものである。
8、ブレーキ30,32のピストン装置またはサ
ーボ装置を作動するため、各油圧室に供給する油
圧を運転状態に応じて制御するもので、主に調圧
弁82、トルクコンバータ制御弁84、減圧弁8
6、手動弁88、シフト制御弁90、リヤクラツ
チ制御弁92、N−R制御弁94、変速時の油圧
制御弁96、N−D制御弁98、1−2速イフト
弁100、2−3速及び4−3速シフト弁10
2、4速クラツチ制御弁104及び3個のソレノ
イド弁106,108,110を構成要素として
おり、各要素は油路によつて結ばれている。そし
て、これら構成要素のうち変速比の切換のため各
摩擦係合要素24,26,28,30,32への
油路を切換える切換弁としてシフト制御弁90、
1−2速シフト弁100、2−3速及び4−3速
シフト弁102、4速クラツチ制御弁104が機
能し、各摩擦係合要素への送給油圧を制御する変
速時の油圧制御弁96、N−R制御弁94および
ソレノイド弁106は電子制御装置112によつ
て制御される。 上記各ソレノイド弁106,108,110は
それぞれ同一構造を有しており、電子制御装置1
12からの電気信号により各オリフイス114,
116,118を開閉制御する非通電時閉塞型の
ソレノイド弁であつて、ソレノイド120,12
2,124、同ソレノイド内に配置され各オリフ
イス114,116,118を開閉する弁体12
6,128,130および同弁体を閉方向に付勢
するスプリング132,134,136を有して
いる。 電子制御装置112は、車両の運転状態を検出
してソレノイド弁108,110の開閉に組合わ
せを決定する運転状態決定装置、変速の開始を検
出する変速検出装置等を内蔵しデユーサイ制御が
行なわれるソレノイド弁106の作動、停止及び
同ソレノイド弁106に供給される50Hzのパル
ス電流の単一パルス電流幅の制御により開弁時間
の変更で油圧を制御し、またソレノイド弁10
8,111の開閉制御をするもので、その入力要
素としては、エンジン2の図示しないスロツトル
弁開度または吸気マニホルド負圧を検出するエン
ジン負荷検出装置138、エンジン2の回転数検
出装置140、第1図に示すキツクダウンドラム
52の回転速度検出装置142、車速に対応する
出力軸50の回転数検出を行なうために設けられ
た被駆動ギア64の回転数検出装置144、潤滑
油温を検出する油温検出装置146、セレクトレ
バーの選定位置検出装置148及び補助スイツチ
の選定位置検出装置150等から成つている。 また、電子制御装置112は第3図に示すよう
なフローチヤートを備えており、上記各検出装置
の検出量に基づいて、後述のように摩擦係合要素
24,26,28,30,32の変速開始信号発
信後これらの摩擦係合要素へ送給されるべき初期
油圧設定及び送給油圧のフイードバツク制御を行
う。 上記オイルポンプ74から吐出される圧油は油
路160を介して調圧弁82、手動弁88、減圧
弁86に導びかれる。 手動弁88は、D、N、R、Pの4位置を備え
ており、D位置となると油路160を油路17
2,174に連通し第2表に示すように、ソレノ
イド弁108,110のON、OFFの組合わせに
応じて上記歯車変速装置22に第1速〜第4速の
前進の運転状態を達成させ、N位置となると油路
160を油路174のみに連通し油路172を排
油口176に連通して歯車変速装置22にニユー
トラル状態を達成させ、R位置となると油路16
0を油路178,180に連通して歯車変速機装
置22に後進の運転状態(変速段)を達成させ、
R位置となると同手動弁88に連通するすべての
油路を排油口176又は排油路182に連通して
歯車変速装置22を実質的にニユートラル状態と
するものである。
【表】
調圧弁82は、受圧面184,186を有する
スプール188及びスプリング190を有し、受
圧面184に油路160からの油圧が油路174
を介して作用すると油路160の油圧を所定の一
定圧(以下ライン圧と称す)に調圧し、受圧面1
86に油路160からの油圧が油路178を介し
て作用すると油路160の油圧を所定値に調圧す
るものである。 トルクコンバータ制御弁84はスプール192
及びスプリング194を有し、調圧弁82から油
路196を介して導びかれる圧油を、スプール1
92に形成された通路198を介してスプール1
92の右端受圧面に作用する油圧とスプリング1
94の付勢力とのバランスにより、所定値に調圧
して油路200を介してトルクコンバータ6に供
給するものである。なお、トルクコンバータ6か
ら排気された油はオイルクーラ202を介して変
速機の各潤滑部へ供給される。 減圧弁86はスプール204及びスプリング2
06を有し、スプール204に対向的に形成され
た受圧面208,210の面積差により油圧力と
スプリング206の付勢力とのバランスにより、
油路160からの油圧を所定値に減圧調整して油
路212に供給するものである。同油路212に
導びかれた調圧油(減圧油)はオリフイス214
を介してN−R制御弁94、油圧制御弁96及び
ソレノイド弁106のオリフイス114に至る。 N−R制御弁94は、受圧面216,218,
220が形成されたスプール222及びスプリン
グ224を有し、受圧面216に作用する油圧力
と受圧面218,2220間の面積差による油圧
力及びスプリング224の付勢力の合力とのバラ
ンスによつて油路226の油圧が所定値に調圧さ
れるようになつている。 油圧制御弁96は、受圧面228,230,2
32が形成されたスプール234及びスプリング
236を有し、受圧面228に作用する油圧力と
受圧面230,232間の面積差による油圧力及
びスプリング236の付勢力の合力とのバランス
によつて油路238の油圧が所定値に調圧される
ようになつている。 なお、油路226に導びかれた調整油圧は後進
の変速段を得る際のローリバースブレーキ32の
制御を行なうものであり、油路238に導びかれ
た調整油圧は車両の前進走行あるいは停止状態に
おいてフロントクラツチ24、リヤクラツチ2
6、キツクダウンドラム30、ローリバースブレ
ーキ32の制御を行なうものである。 ソレノイド弁106は、運転状態に応じてパル
ス幅が変更される50Hzの定周波パルス電流で電
子制御装置112によりデユーテイ制御されるも
ので、パルス幅の変更によりオリフイス114の
開閉時間の割合を変化させてオリフイス214よ
り下流側の油路212内の油圧、即ちN−R制御
弁94の受圧面216及び油圧制御弁96の受圧
面228に作用する油圧の制御を行なうものであ
り、この油圧変化により、各摩擦係合要素への供
給油圧を調整する。すなわち、オリフイス214
の直径と、オリフイス114の直径との関係から
上記油圧は調圧され、それにともなつて油路22
6,238に発生する調整油圧(油路180又は
油路172内の油圧)は上記油圧の増減に対応し
て比例的に増減するものである。 なお、上記ソレノイド弁106の作動開始時期
及びその作動期間は、エンジン負荷検出装置13
8、各回転数センサ140,142,144の
他、電子制御装置112に内蔵された変速の開始
を検出する変速検出装置、第3図に示すフローチ
ヤート等かの電気信号に応じて決定される。 シフト制御弁90は、ソレノイド弁108,1
10の各々の開閉の組合わせにより制御されるも
ので、3つのスプール240,242,244及
び2つのストツパ246,248を有し、スプー
ル240にはランド250,252、円環溝25
4及び同溝254とランド250の左側の油室2
56とを連通する油路258が設けられ、スプー
ル242には径の異なるランド260,262、
円環溝264及び各スプール240,244に当
接する押圧部266,268が設けられ、スプー
ル244にはランド270,272、円環溝27
4及び同溝274とランド272の右側の油室2
76とを連通する油路278が設けられている。
また、ストツパ246はスプール240,242
間に介装されてケーシングに固着され、ストツパ
248はスプール242,244間に介装されて
ケーシングに固着されている。油路172は円環
溝264を介して常に油路280に連通され、同
油路280はオリフイス282を介してオリフイ
ス116、左側の油室256及び右側の油室27
6へ連通されるとともにオリフイス284を介し
てオリフイス118及びスプール240,242
間の油室286に連通されている。 リヤクラツチ制御弁92は、ランド288と同
ランド288より径の小さなランド290及び円
環溝292が設けられたスプール294と、ラン
ド290と同径の3つのランド296,298,
300及び円環溝302,304が設けられたス
プール306と、スプリング308とを有し、第
2図左側の油室310に導びかれたランド288
の受圧面に作用する油圧の押圧力が、第2図右側
の油室312に導びかれたランド300の受圧面
に作用する油圧の押圧力とスプリング308の付
勢力と合力より大きくなると両スプール294,
306が図中右端位置へ切換えられる。また、同
右端位置となるランド290及び296間に油圧
が作用するので、油室310内の油圧が排出され
るとスプール294のみが左端へ移動し、その後
ランド296の左側受圧面に作用する油圧の押圧
力が上記油室312内の油圧による押圧力とスプ
リング308の付勢力との合力より小さくなつた
とき、スプール306が左方へ移動するものであ
る。 N−D制御弁98は、ランド314,316及
び円環溝318が設けられたスプール320とス
プリング322とを有し、スプール320に形成
された受圧面324,326,328に作用する
油圧力とスプリング322の付勢力との合力の方
向に応じてスプール320を第2図に示す左端位
置と図示しない右端位置との間で選択的に切換え
るものである。 1−2速シフト弁100は、スプール330と
スプリング332とを有し、スプール330の左
端受圧面334へのライン圧の給排により第2図
に示す左端位置と図示しない右端位置との間で切
換えられるもので、ライン圧が受圧面334へ作
用するように供給されたときは同ライン圧の油圧
力により右端へ、ライン圧が排出されたときはス
プリング332の付勢力により左端に位置するも
のである。 2−3速及び4−3速シフト弁102と4速ク
ラツチ制御弁104も同様に各々スプール33
6,338とスプリング340,342とを有
し、各スプール336,3338の左側にはライ
ン圧が導びかれる油圧344,346が、右側に
は油室348,350が形成され、各スプールは
第2図に示された左端位置又は図示しない右端位
置へ検出的に切換えられるものである。 次に上記構成の自動変速機の作用とともに本発
明に係る変速初期油圧の設定方法を説明するが、
上記と同様の構成の自動変速機の変速制御は既に
公知(特願昭56−144237号等参照)であり、更に
本発明方法は各変速段において同様であるので、
1速→2速変速段を例にとつて他の変速機段につ
いては説明を省略する。 まず、1速の変速段が達成されている状態にあ
つては、ソレノイド弁108,110は共に通電
状態にあり、油路160から手動弁88を介して
油路172に導びかれたライン圧が油圧制御弁9
6、油路238、N−D制御弁98、油路35
2、リヤクラツチ制御弁92、油路354を介し
てリヤクラツチ26の油圧室に導びかれる一方、
油路238から分岐して1速−2速シフト弁10
0、油路356を介してローリバスブレーキ32
の油圧室に導びかれており、リヤクラツチ26、
ローリバースブレーキ32は共に係合状態にあ
る。 この状態からアクセルが踏み込まれると、電子
制御装置112からソレノイド弁108,110
に変速開始信号が発信され、ソレノイド弁108
は通電が遮断され、ソレノイド弁110は通電状
態に保持される。 この結果、シフト制御弁90のスプール240
はスプール242と一体的に第2図中右方へ移動
してスプール240がストツパ246に当接した
状態で停止し、油路172のライン圧がスプール
242の2つのランド260,262間を通つて
油路362に導びかれ、ライン圧は1速−2速シ
フト弁100の受圧面334に作用してスプール
330を第2図中右端位置に移動させる。これに
より、油路238から1速−2速シフト弁100
に導びかれていたライン圧は油路364を介して
キツクダウンブレーキ30の係合側油圧室366
に供給され、ロツド368がスプリング370に
抗して第2図中左方に移動して図示しないブレー
キバンドをキツクダウンドラム52に係合させる
一方、油路356の油圧は油路226を介して排
出されてローリバースブレーキ32の係合が解除
されて2速への変速が達成される。 ここで、上記1速から2速への変速において、
変速開始信号発信後にキツクダウンブレーキ30
に送給される変速初期油圧P1の設定及びキツク
ダウンブレーキ30への油圧の送給度合のフイー
ドバツク制御は電子制御装置112に備えられた
第3図に示すフイードバツクに従つてなされる。 すなわち、電子制御装置112により変速開始
信号が発信されて上記のようにソレノイド弁10
8,110が切換えられると、検出装置138に
より検出されたスロツトル弁開度及び検出装置1
44により検出された車速からソレノイド弁10
6の初期デユーテイ率が決定される。これによ
り、ソレノイド弁106がデユーテイ制御されて
油路212のオリフイス214下流の制御油圧を
調整し、油路172から油路238、1−2速シ
フト弁100、油路364を介してキツクダウン
ブレーキ30の油圧室366への変速初期油圧
P1を制御することとなる。尚、元々この自動変
速機とエンジン2の排気量、出力トルク量等とは
適合しないため、車両製造直後、例えば製造後初
回の変速においては初期油圧P1はその自動変速
機に送給されるべ所定の初期油圧より高く(エン
ジン自動変速機の規格が逆の場合は低く)なつて
おり、後述のようにして次回以後の変速において
所定の油圧となるよう補正設定される。 上記のように油圧室366に油圧が送給される
と、1速の変速段の同期が外れたか否かをキツク
ダウンドラム52の回転速度と車速とにより判断
する。尚、この同期外れが達成されていない場合
には、前記初期油圧P1が低すぎるものとして、
デユーテイ率を演算し直して初期油圧P1を上昇
させ(第4図中A参照)、同期外れを達成する。 上記のように同期外れが達成されると、各変速
段や走行状態に応じて予め定められたキツクダウ
ンドラム52の回転速度の目標変化率、すなわ
ち、油圧室366に送給される油圧が最適な度合
(キツクダウンブレーキ30の係合シヨツクや過
大な滑り等が発生しない状態)で上昇している場
合にキツクダウンドラム52が示す回転速度変化
率を大変速段の走行状態に応じて決定する。そし
て、実際のキツクダウンドラム52の回転速度か
らその変化率を演算して上記目標変化率とのずれ
を演算し、このずれに対応するデユーテイ率お補
正量を演算してソレノイド弁106のデユーテイ
を補正し、キツクダウンブレーキ30の油圧室3
66の油圧を変化させる。すなわち、第4図に示
すように、目標変化率(実線)に対して初期にお
いて大きくずれているキツクダウンドラム52の
実際の回転速度変化率(点線)が目標変化率に追
従して終期には一致若しくは近似するよう油圧室
366の油圧がフイードバツク制御され、キツク
ダウンブレーキ30は最適な度合で係合するよう
制御される。 そして、キツクダウンドラム52の回転速度と
車速とを検出して2速段の同期が完了(変速終
了)したか否かを判断し、同期完了していない場
合には上記フイードバツク制御を繰り返して行
う。 そして、上記のように変速終期のキツクダウン
ドラム52の回転速度変化率はこの自動変速機に
おいて最適な変速状態を示す目標変化率に一致若
しくは近似するため、この変速終期(本実施例で
はキツクダウンドラム52の全回転速度変化量
Nsの70%時点)に油圧室366に送給されてい
る油圧P2をもとにこの自動変速機で本来変速信
号発信後にキツクダウンブレーキ30に送給され
るべき変速機初期油圧P1′を例えば演算式 d1=(k・θt+l)d2 又は d1=(k・θt+l)・m・d2 d1;本来の初期油圧P1′に対応するデユーテイ
率 d2;油圧P2に対応するデユーテイ率 θt;スロツトル弁開度 k、l;それぞれスロツトル弁開度及び車速に
より定まる定数 m;比例定数 により演算し、これにより求まつた油圧P1′を次
回の変速初期油圧とする。尚、演算方法は上記以
外に実験や経験等により適宜初期油圧を設定する
方法も可能である。従つて、次回の変速は前回よ
りも本来送給されるべき油圧に一致又は近似した
初期油圧でなされるため、上記補正制御を各変速
段、走行状態毎に繰り返して行うことにより、こ
の自動変速機を出力トルク、排気量等規格の異な
るエンジン2に適合させることができる。また、
次回以降の変速において本来の初期油圧P1′が達
成された後においても前述のフイードバツク制御
は引き続きなされるため、変速シヨツクや過大な
滑りの生じない良好な変速が行われる。 尚、上記実施例では第4図に示すように目標変
化率を直線としたが、同図中二点破線で示すよう
に変速終期において変化させ、変速終期における
出力軸トルクの変化を緩やかにするようにしても
良い。 また、上記実施例では、1速から2速への変速
段について説明したがその他の変速段について
も、同様にフイードバツク制御がなされると共に
その変速段で油圧が送給されるキツクダウンブレ
ーキや他の摩擦係合要素を適宜設定して初期油圧
の補正が設定がなされる。また、上記実施例で
は、第1表に示したように変速段毎に係合、係合
解除が繰り返されるキツクダウンブレーキ30に
応じて停止、回転が繰り返されるキツクダウンド
ラム52を検出対象の回転要素としたため、検出
装置(センサ)142が1個で全ての変速段での
フイードバツク制御を賄うことができるものであ
るが、或る変速段においてのみ作動する回転要素
を用いることも可能である。また、上記実施例で
は変速後期としてキツクダウンドラム52の全回
転速度変化量Nsの70%時点をとらえ、これに対
応する油圧P2から初期油圧P1′を演算したが、フ
イードバツク制御により目標変化率に収束してい
る全回転速度変化量Nsの50%〜100%の範囲であ
れば同様にして初期油圧P1′を求めることが可能
である。 以上説明したように、本発明によれ変速中に摩
擦係合要素へ適正な油圧が送給されるようにフイ
ードバツク制御機能を備えた車両用自動変速機に
おいて、変速後期に摩擦係合要素に送給されてい
る油圧から摩擦係合要素へ送給されるべき変速初
期油圧を演算し、この油圧を次回変速時の初期油
圧とするようにしたため、規格的にエンジンに適
合していなかつた自動変速機を、所謂学習制御に
よりこのエンジンに適合させることができ、自動
変速機の各種エンジンへの流用を実現して製品コ
ストの低減、生産管理の簡素化を達成することが
できる。
スプール188及びスプリング190を有し、受
圧面184に油路160からの油圧が油路174
を介して作用すると油路160の油圧を所定の一
定圧(以下ライン圧と称す)に調圧し、受圧面1
86に油路160からの油圧が油路178を介し
て作用すると油路160の油圧を所定値に調圧す
るものである。 トルクコンバータ制御弁84はスプール192
及びスプリング194を有し、調圧弁82から油
路196を介して導びかれる圧油を、スプール1
92に形成された通路198を介してスプール1
92の右端受圧面に作用する油圧とスプリング1
94の付勢力とのバランスにより、所定値に調圧
して油路200を介してトルクコンバータ6に供
給するものである。なお、トルクコンバータ6か
ら排気された油はオイルクーラ202を介して変
速機の各潤滑部へ供給される。 減圧弁86はスプール204及びスプリング2
06を有し、スプール204に対向的に形成され
た受圧面208,210の面積差により油圧力と
スプリング206の付勢力とのバランスにより、
油路160からの油圧を所定値に減圧調整して油
路212に供給するものである。同油路212に
導びかれた調圧油(減圧油)はオリフイス214
を介してN−R制御弁94、油圧制御弁96及び
ソレノイド弁106のオリフイス114に至る。 N−R制御弁94は、受圧面216,218,
220が形成されたスプール222及びスプリン
グ224を有し、受圧面216に作用する油圧力
と受圧面218,2220間の面積差による油圧
力及びスプリング224の付勢力の合力とのバラ
ンスによつて油路226の油圧が所定値に調圧さ
れるようになつている。 油圧制御弁96は、受圧面228,230,2
32が形成されたスプール234及びスプリング
236を有し、受圧面228に作用する油圧力と
受圧面230,232間の面積差による油圧力及
びスプリング236の付勢力の合力とのバランス
によつて油路238の油圧が所定値に調圧される
ようになつている。 なお、油路226に導びかれた調整油圧は後進
の変速段を得る際のローリバースブレーキ32の
制御を行なうものであり、油路238に導びかれ
た調整油圧は車両の前進走行あるいは停止状態に
おいてフロントクラツチ24、リヤクラツチ2
6、キツクダウンドラム30、ローリバースブレ
ーキ32の制御を行なうものである。 ソレノイド弁106は、運転状態に応じてパル
ス幅が変更される50Hzの定周波パルス電流で電
子制御装置112によりデユーテイ制御されるも
ので、パルス幅の変更によりオリフイス114の
開閉時間の割合を変化させてオリフイス214よ
り下流側の油路212内の油圧、即ちN−R制御
弁94の受圧面216及び油圧制御弁96の受圧
面228に作用する油圧の制御を行なうものであ
り、この油圧変化により、各摩擦係合要素への供
給油圧を調整する。すなわち、オリフイス214
の直径と、オリフイス114の直径との関係から
上記油圧は調圧され、それにともなつて油路22
6,238に発生する調整油圧(油路180又は
油路172内の油圧)は上記油圧の増減に対応し
て比例的に増減するものである。 なお、上記ソレノイド弁106の作動開始時期
及びその作動期間は、エンジン負荷検出装置13
8、各回転数センサ140,142,144の
他、電子制御装置112に内蔵された変速の開始
を検出する変速検出装置、第3図に示すフローチ
ヤート等かの電気信号に応じて決定される。 シフト制御弁90は、ソレノイド弁108,1
10の各々の開閉の組合わせにより制御されるも
ので、3つのスプール240,242,244及
び2つのストツパ246,248を有し、スプー
ル240にはランド250,252、円環溝25
4及び同溝254とランド250の左側の油室2
56とを連通する油路258が設けられ、スプー
ル242には径の異なるランド260,262、
円環溝264及び各スプール240,244に当
接する押圧部266,268が設けられ、スプー
ル244にはランド270,272、円環溝27
4及び同溝274とランド272の右側の油室2
76とを連通する油路278が設けられている。
また、ストツパ246はスプール240,242
間に介装されてケーシングに固着され、ストツパ
248はスプール242,244間に介装されて
ケーシングに固着されている。油路172は円環
溝264を介して常に油路280に連通され、同
油路280はオリフイス282を介してオリフイ
ス116、左側の油室256及び右側の油室27
6へ連通されるとともにオリフイス284を介し
てオリフイス118及びスプール240,242
間の油室286に連通されている。 リヤクラツチ制御弁92は、ランド288と同
ランド288より径の小さなランド290及び円
環溝292が設けられたスプール294と、ラン
ド290と同径の3つのランド296,298,
300及び円環溝302,304が設けられたス
プール306と、スプリング308とを有し、第
2図左側の油室310に導びかれたランド288
の受圧面に作用する油圧の押圧力が、第2図右側
の油室312に導びかれたランド300の受圧面
に作用する油圧の押圧力とスプリング308の付
勢力と合力より大きくなると両スプール294,
306が図中右端位置へ切換えられる。また、同
右端位置となるランド290及び296間に油圧
が作用するので、油室310内の油圧が排出され
るとスプール294のみが左端へ移動し、その後
ランド296の左側受圧面に作用する油圧の押圧
力が上記油室312内の油圧による押圧力とスプ
リング308の付勢力との合力より小さくなつた
とき、スプール306が左方へ移動するものであ
る。 N−D制御弁98は、ランド314,316及
び円環溝318が設けられたスプール320とス
プリング322とを有し、スプール320に形成
された受圧面324,326,328に作用する
油圧力とスプリング322の付勢力との合力の方
向に応じてスプール320を第2図に示す左端位
置と図示しない右端位置との間で選択的に切換え
るものである。 1−2速シフト弁100は、スプール330と
スプリング332とを有し、スプール330の左
端受圧面334へのライン圧の給排により第2図
に示す左端位置と図示しない右端位置との間で切
換えられるもので、ライン圧が受圧面334へ作
用するように供給されたときは同ライン圧の油圧
力により右端へ、ライン圧が排出されたときはス
プリング332の付勢力により左端に位置するも
のである。 2−3速及び4−3速シフト弁102と4速ク
ラツチ制御弁104も同様に各々スプール33
6,338とスプリング340,342とを有
し、各スプール336,3338の左側にはライ
ン圧が導びかれる油圧344,346が、右側に
は油室348,350が形成され、各スプールは
第2図に示された左端位置又は図示しない右端位
置へ検出的に切換えられるものである。 次に上記構成の自動変速機の作用とともに本発
明に係る変速初期油圧の設定方法を説明するが、
上記と同様の構成の自動変速機の変速制御は既に
公知(特願昭56−144237号等参照)であり、更に
本発明方法は各変速段において同様であるので、
1速→2速変速段を例にとつて他の変速機段につ
いては説明を省略する。 まず、1速の変速段が達成されている状態にあ
つては、ソレノイド弁108,110は共に通電
状態にあり、油路160から手動弁88を介して
油路172に導びかれたライン圧が油圧制御弁9
6、油路238、N−D制御弁98、油路35
2、リヤクラツチ制御弁92、油路354を介し
てリヤクラツチ26の油圧室に導びかれる一方、
油路238から分岐して1速−2速シフト弁10
0、油路356を介してローリバスブレーキ32
の油圧室に導びかれており、リヤクラツチ26、
ローリバースブレーキ32は共に係合状態にあ
る。 この状態からアクセルが踏み込まれると、電子
制御装置112からソレノイド弁108,110
に変速開始信号が発信され、ソレノイド弁108
は通電が遮断され、ソレノイド弁110は通電状
態に保持される。 この結果、シフト制御弁90のスプール240
はスプール242と一体的に第2図中右方へ移動
してスプール240がストツパ246に当接した
状態で停止し、油路172のライン圧がスプール
242の2つのランド260,262間を通つて
油路362に導びかれ、ライン圧は1速−2速シ
フト弁100の受圧面334に作用してスプール
330を第2図中右端位置に移動させる。これに
より、油路238から1速−2速シフト弁100
に導びかれていたライン圧は油路364を介して
キツクダウンブレーキ30の係合側油圧室366
に供給され、ロツド368がスプリング370に
抗して第2図中左方に移動して図示しないブレー
キバンドをキツクダウンドラム52に係合させる
一方、油路356の油圧は油路226を介して排
出されてローリバースブレーキ32の係合が解除
されて2速への変速が達成される。 ここで、上記1速から2速への変速において、
変速開始信号発信後にキツクダウンブレーキ30
に送給される変速初期油圧P1の設定及びキツク
ダウンブレーキ30への油圧の送給度合のフイー
ドバツク制御は電子制御装置112に備えられた
第3図に示すフイードバツクに従つてなされる。 すなわち、電子制御装置112により変速開始
信号が発信されて上記のようにソレノイド弁10
8,110が切換えられると、検出装置138に
より検出されたスロツトル弁開度及び検出装置1
44により検出された車速からソレノイド弁10
6の初期デユーテイ率が決定される。これによ
り、ソレノイド弁106がデユーテイ制御されて
油路212のオリフイス214下流の制御油圧を
調整し、油路172から油路238、1−2速シ
フト弁100、油路364を介してキツクダウン
ブレーキ30の油圧室366への変速初期油圧
P1を制御することとなる。尚、元々この自動変
速機とエンジン2の排気量、出力トルク量等とは
適合しないため、車両製造直後、例えば製造後初
回の変速においては初期油圧P1はその自動変速
機に送給されるべ所定の初期油圧より高く(エン
ジン自動変速機の規格が逆の場合は低く)なつて
おり、後述のようにして次回以後の変速において
所定の油圧となるよう補正設定される。 上記のように油圧室366に油圧が送給される
と、1速の変速段の同期が外れたか否かをキツク
ダウンドラム52の回転速度と車速とにより判断
する。尚、この同期外れが達成されていない場合
には、前記初期油圧P1が低すぎるものとして、
デユーテイ率を演算し直して初期油圧P1を上昇
させ(第4図中A参照)、同期外れを達成する。 上記のように同期外れが達成されると、各変速
段や走行状態に応じて予め定められたキツクダウ
ンドラム52の回転速度の目標変化率、すなわ
ち、油圧室366に送給される油圧が最適な度合
(キツクダウンブレーキ30の係合シヨツクや過
大な滑り等が発生しない状態)で上昇している場
合にキツクダウンドラム52が示す回転速度変化
率を大変速段の走行状態に応じて決定する。そし
て、実際のキツクダウンドラム52の回転速度か
らその変化率を演算して上記目標変化率とのずれ
を演算し、このずれに対応するデユーテイ率お補
正量を演算してソレノイド弁106のデユーテイ
を補正し、キツクダウンブレーキ30の油圧室3
66の油圧を変化させる。すなわち、第4図に示
すように、目標変化率(実線)に対して初期にお
いて大きくずれているキツクダウンドラム52の
実際の回転速度変化率(点線)が目標変化率に追
従して終期には一致若しくは近似するよう油圧室
366の油圧がフイードバツク制御され、キツク
ダウンブレーキ30は最適な度合で係合するよう
制御される。 そして、キツクダウンドラム52の回転速度と
車速とを検出して2速段の同期が完了(変速終
了)したか否かを判断し、同期完了していない場
合には上記フイードバツク制御を繰り返して行
う。 そして、上記のように変速終期のキツクダウン
ドラム52の回転速度変化率はこの自動変速機に
おいて最適な変速状態を示す目標変化率に一致若
しくは近似するため、この変速終期(本実施例で
はキツクダウンドラム52の全回転速度変化量
Nsの70%時点)に油圧室366に送給されてい
る油圧P2をもとにこの自動変速機で本来変速信
号発信後にキツクダウンブレーキ30に送給され
るべき変速機初期油圧P1′を例えば演算式 d1=(k・θt+l)d2 又は d1=(k・θt+l)・m・d2 d1;本来の初期油圧P1′に対応するデユーテイ
率 d2;油圧P2に対応するデユーテイ率 θt;スロツトル弁開度 k、l;それぞれスロツトル弁開度及び車速に
より定まる定数 m;比例定数 により演算し、これにより求まつた油圧P1′を次
回の変速初期油圧とする。尚、演算方法は上記以
外に実験や経験等により適宜初期油圧を設定する
方法も可能である。従つて、次回の変速は前回よ
りも本来送給されるべき油圧に一致又は近似した
初期油圧でなされるため、上記補正制御を各変速
段、走行状態毎に繰り返して行うことにより、こ
の自動変速機を出力トルク、排気量等規格の異な
るエンジン2に適合させることができる。また、
次回以降の変速において本来の初期油圧P1′が達
成された後においても前述のフイードバツク制御
は引き続きなされるため、変速シヨツクや過大な
滑りの生じない良好な変速が行われる。 尚、上記実施例では第4図に示すように目標変
化率を直線としたが、同図中二点破線で示すよう
に変速終期において変化させ、変速終期における
出力軸トルクの変化を緩やかにするようにしても
良い。 また、上記実施例では、1速から2速への変速
段について説明したがその他の変速段について
も、同様にフイードバツク制御がなされると共に
その変速段で油圧が送給されるキツクダウンブレ
ーキや他の摩擦係合要素を適宜設定して初期油圧
の補正が設定がなされる。また、上記実施例で
は、第1表に示したように変速段毎に係合、係合
解除が繰り返されるキツクダウンブレーキ30に
応じて停止、回転が繰り返されるキツクダウンド
ラム52を検出対象の回転要素としたため、検出
装置(センサ)142が1個で全ての変速段での
フイードバツク制御を賄うことができるものであ
るが、或る変速段においてのみ作動する回転要素
を用いることも可能である。また、上記実施例で
は変速後期としてキツクダウンドラム52の全回
転速度変化量Nsの70%時点をとらえ、これに対
応する油圧P2から初期油圧P1′を演算したが、フ
イードバツク制御により目標変化率に収束してい
る全回転速度変化量Nsの50%〜100%の範囲であ
れば同様にして初期油圧P1′を求めることが可能
である。 以上説明したように、本発明によれ変速中に摩
擦係合要素へ適正な油圧が送給されるようにフイ
ードバツク制御機能を備えた車両用自動変速機に
おいて、変速後期に摩擦係合要素に送給されてい
る油圧から摩擦係合要素へ送給されるべき変速初
期油圧を演算し、この油圧を次回変速時の初期油
圧とするようにしたため、規格的にエンジンに適
合していなかつた自動変速機を、所謂学習制御に
よりこのエンジンに適合させることができ、自動
変速機の各種エンジンへの流用を実現して製品コ
ストの低減、生産管理の簡素化を達成することが
できる。
第1図及び第2図は本発明方法を実施する自動
変速機の一例であり、第1図は動力伝達部の概略
構成図、第2図は油圧制御部の概略構成図、第3
図は本発明方法の一実施例に係るフローチヤー
ト、第4図は変速時間に対するキツクダウンブレ
ーキへの送給油圧、キツクダウンドラムの回転速
度、出力軸トルクを示すグラフである。 図面中、2はエンジン、20は入力軸、30は
キツクダウンブレーキ、50は出力軸、52はキ
ツクダウンドラム、P1,P1′は初期油圧、P2は変
速後期の油圧である。
変速機の一例であり、第1図は動力伝達部の概略
構成図、第2図は油圧制御部の概略構成図、第3
図は本発明方法の一実施例に係るフローチヤー
ト、第4図は変速時間に対するキツクダウンブレ
ーキへの送給油圧、キツクダウンドラムの回転速
度、出力軸トルクを示すグラフである。 図面中、2はエンジン、20は入力軸、30は
キツクダウンブレーキ、50は出力軸、52はキ
ツクダウンドラム、P1,P1′は初期油圧、P2は変
速後期の油圧である。
Claims (1)
- 1 エンジンの回転動力が入力される入力軸と、
駆動輪へ回転動力を出力する出力軸と、油圧によ
り作動して任意の回転要素を選択することにより
前記入力軸と前記出力軸との間の変速比を切換え
る摩擦係合要素と、変速中に回転速度が変化する
回転要素の回転速度を検出する検出装置と、該検
出装置により検出された回転速度の変化率が予め
設定された目標変化率に追従するよう前記摩擦係
合要素への油圧を制御する制御装置とを備えた車
両用自動変速機において、変速中の前記回転要素
が予め設定された変速後期の回転速度となつた時
点に前記摩擦係合要素に送給されている油圧から
変速開始信号発信後に該摩擦係合要素へ送給され
るべき初期油圧を演算し、該初期油圧を次回の変
速の初期油圧としたことを特徴とする車両用自動
変速機における変速初期油圧設定方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6992684A JPS60215143A (ja) | 1984-04-10 | 1984-04-10 | 車両用自動変速機における変速初期油圧設定方法 |
US07/067,624 US4813307A (en) | 1984-04-10 | 1987-06-26 | Method of controlling hydraulic pressure for an automatic transmission gear system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6992684A JPS60215143A (ja) | 1984-04-10 | 1984-04-10 | 車両用自動変速機における変速初期油圧設定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60215143A JPS60215143A (ja) | 1985-10-28 |
JPH0154583B2 true JPH0154583B2 (ja) | 1989-11-20 |
Family
ID=13416777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6992684A Granted JPS60215143A (ja) | 1984-04-10 | 1984-04-10 | 車両用自動変速機における変速初期油圧設定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60215143A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0540356Y2 (ja) * | 1986-07-14 | 1993-10-13 | ||
JPH0810017B2 (ja) * | 1987-03-03 | 1996-01-31 | 日野自動車工業株式会社 | 油圧クラッチ |
JPH01279160A (ja) * | 1988-04-29 | 1989-11-09 | Mazda Motor Corp | 自動変速機の変速制御装置 |
JP2850250B2 (ja) * | 1989-06-30 | 1999-01-27 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
-
1984
- 1984-04-10 JP JP6992684A patent/JPS60215143A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60215143A (ja) | 1985-10-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |