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JPH0140137B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0140137B2
JPH0140137B2 JP56108804A JP10880481A JPH0140137B2 JP H0140137 B2 JPH0140137 B2 JP H0140137B2 JP 56108804 A JP56108804 A JP 56108804A JP 10880481 A JP10880481 A JP 10880481A JP H0140137 B2 JPH0140137 B2 JP H0140137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
knitted fabric
polyester
polyurethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56108804A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5813751A (ja
Inventor
Toshuki Kondo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10880481A priority Critical patent/JPS5813751A/ja
Publication of JPS5813751A publication Critical patent/JPS5813751A/ja
Publication of JPH0140137B2 publication Critical patent/JPH0140137B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステル繊維とポリウレタン繊維
を混用させてなる新規な編物に関するものであ
る。更に詳しくは、後で定義するような実質的に
ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーより
なり分散染料で常圧染色可能なポリエステル繊維
(以下常圧可染ポリエステルという)とポリウレ
タン繊維を混用させてなる常圧下で染色可能な編
物(以下混用編物という)を提供するものであ
り、この混用編物は高温高圧染色では得られない
良好な風合、力学的性質を有する。 従来のポリエチレンテレフタレート繊維は、
120〜130℃の高温高圧下でないと染色できない難
染性繊維であつたため、特にポリウレタン繊維の
如き高温高圧下においてその機械的性質を著るし
く低下する繊維との混用品の製造に制限があつ
た。例えば、ポリウレタン繊維とポリエチレンテ
レフタレート繊維との混用編物の場合、従来はポ
リエチレンテレフタレート繊維を120乃至130℃の
高温高圧下で染色し編地を製編するといういわゆ
る先染方法がとられていた。 ポリウレタン繊維の如き弾性繊維の糸染色は綛
状あるいはチーズ状いずれの場合も工業的に均一
に染色することは全く困難であり、先染め方式で
は、ポリウレタン繊維は、染色せずに用いられ
る。したがつて、混用編地にした后に、編地を伸
長すると、染まつてないポリウレタン繊維が白く
見えいわゆる目むき現象が出て、製品の商品を著
しく低下させることになる。 これら光染方式の他に、場合によつては先染し
ないで、常法により、文編された後、ポリエチレ
ンテレフタレート繊維をo−フエニルフエノー
ル、メチルナフタレン、クロロベンゼン、サルチ
ル酸メチルなどのキヤリヤーと称する促染物質を
分散染料を含む染浴に添加し100℃付近の温度で
染色した後、他の繊維を常法により染色してい
た。このキヤリヤー染色法を採用する場合は、高
温高圧染色より染色濃度が劣ること、キヤリヤー
スポツトと称するキヤリヤーの乳化不十分が原因
となる染斑が発生する場合があること、キヤリヤ
ーに刺激性があり人体に有害であるため染色工場
の作業環境を悪くすること、染色排水時の処理が
困難であること、キヤリヤーが繊維中に残留し除
去することが困難であるため染色物の耐光堅牢度
を低下せしめる場合のあること、残を着用した場
合に皮膚障害を起こすおそれのあること、キヤリ
ヤー染色によりポリエチレンテレフタレート繊維
の力学的性質の変化例えば強度低下があること、
さらに、ポリエステル用キヤリアーのほとんどの
ものはポリエステル繊維よりもポリウレタン繊維
への作用の方が著しく、その結果ポリウレタン繊
維の過度の濃染化とそれに伴なう染色堅牢度の低
下が著しいこと、さらにキヤリアーによるポリウ
レタン繊維の物性低下をきたす等多くの欠点があ
つた。 またポリエステル繊維とポリウレタン繊維の混
用編物を高温高圧染色した場合、ポリエステル用
分散染料がポリウレタン繊維に過度に吸着し、一
つには染色堅牢度を著しく低下させること。又他
の一つにはポリエステル繊維との色濃度が合わな
いため、編地が着用時等に伸張させると染色ポリ
ウレタン繊維が見えるために同色性がないことが
問題となつていた。これらの改善方法として、一
つには特定の染着特性を有する分散染料を限定し
て用いることであるが、この方法では一部の色濃
度の製品しか得られない。又他の方法としては、
高温高圧染色されたものを続いて強化ソーピン
グ、または還元洗浄をくり返してポリウレタン繊
維に過度に染着した分散染料を除去することが考
えられるが、長時間の工程が必要であり、また配
合染料を用いる染色の場合各成分染料がバランス
よく除去されないため色相が著しく異なつてしま
う等の問題があり、結局経済性良く堅牢度良好
で、ポリエステルとポリウレタン繊維との同色性
も良好な製品が得られないのが実情であつた。常
圧で染色すれば、耐圧型染色機を必要としないた
め設備的にも安生管理の上でも経済的に有利であ
ると共に、エネルギーコストも安くなるし、温度
上昇、冷却に要する時間も大幅に節減出来る。 また染色性の改良されたポリエステル繊維とし
て金属スルホネート基含有化合物や、ポリエーテ
ルを共重合したものが知られているが、これらの
変性ポリエステルでは染色性は向上するものの、
常圧、すなわち100℃以下の染色において、染着
濃度は必ずしも十分とは云えず、その上重合や紡
糸が困難であつたり、原料高によるコストアツプ
になるし、あるいはポリエチレンテレフタレート
本来の優れた機械的熱的性質を低下せしめたり、
その他染色堅牢度の劣る場合のあるなどの欠点が
あつた。結局上述のようなポリマーの化学的改質
による易染化は、染着座席となりうる第三成分を
ポリマー中に混在させるが故にポリエチレンテレ
フタレート本来の優れた耐熱性、力学的性質の低
下は不可避である。 本発明者らは、このような従来技術の欠点を克
服したポリウレタン繊維とポリエステル繊維との
混用編物について研究した結果本発明を完成し
た。 すなわち、本発明は、ポリウレタン繊維とポリ
エステル繊維とを混用させてなる編物において、
該ポリエステル繊維が実質的にポリエチレンテレ
フタレートのホモポリマーよりなり、且つ分散染
料で常圧染色可能であることを特徴とするポリウ
レタン繊維とポリエステル繊維との混用編物であ
る。 本発明の、実質的にポリエチレンテレフタレー
トのホモポリマーよりなり、かつ分散染料で常圧
染色可能なポリエステル繊維は新規な繊維であ
り、後述する方法で製造することが可能である。 「分散染料で常圧染色可能である」とは、分散
染料シー・アイ・デイスパーズ・ブルー56(C.I.
Disperse Blue56;例えばレゾリンブルーFBL
〔ドイツ連邦共和国バイエル社製品名)〕を用い、
染色使用量3%owf、浴比50倍、PH6(酢酸にて
調整)、分散剤(例えば、デイスパーTL〔明成化
学工業社製品名〕)含有量1g/の染浴中で100
℃にて120分間の染色後、繊維に染着した染料の
吸尽率が80%以上であることを云う。ここで染料
吸尽率は次式で表わされる。 染料吸尽率(%) =繊維に染着した染料量(重量)/染浴に添加した染
料量(重量)×100 また、上記染色条件で染色後、染色された繊維
をハイドロサルフアイトナトリウム1g/、水
酸化ナトリウム1g/の水溶液で浴比50倍、80
℃で20分間還元洗浄して、水洗し、耐光堅牢度
(JIS L−1044のカーボンアーク灯法による)、摩
擦堅牢度(JIS L−0849のクロツクメーター法に
よる)、及び昇華堅牢度(JIS L−0854による)
を測定した場合いずれも3級以上を示す。 従来のポリエチレンテレフタレート繊維では上
記条件での染料吸尽率は30〜45%である。しかし
上記条件のうち染色温度を100℃より130℃に変え
ると従来のポリエチレンテレフタレート繊維は80
%以上の値を示す。 本発明にいう混用編物は新規な編物であり、ポ
リエステル繊維とポリウレタン繊維から編物が構
成されている。たとえば、編立て以前の混繊又は
撚糸工程において交撚し編成したもの、編立て時
に引き揃えて編針へ供給することで同一ループ内
に混用するもの、編立て時にポリエステル糸及び
ポリウレタン糸を単独に編針へ供給し、それぞれ
のループを編地内に混在させて混用するもの、さ
らに、編立て時にループを形成せずに経方向又は
緯方向に挿入されて混用するものなどがある。こ
のような本発明のポリエチレンテレフタレート繊
維(嵩高加工したもの及びしないもの並びに両者
を同時に使用したもの)とポリウレタン繊維を混
用した編物は常圧下における染色においても従来
の染色物と同程度の濃度に染色可能なるが故に、
高温高圧下における染色で力学的性質の甚しく低
下するポリエステル繊維との混用編物を従来の先
染方式を用いずに、経済的に有利な後染方式によ
つて染色物を得ることができる。この後染によつ
て得られたポリエステルとポリウレタン繊維との
混用編物は、従来の先染法によつて得られたもの
と比較して、その風合及び力学的性質とも優ると
も劣らないものである。 ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーよ
りなるポリエステル繊維が衣料用繊維としての力
学的性能を保つためには、30℃における初期モジ
ユラスが55g/d以上であることが好ましい。ま
た分散染料で常圧染色可能であるためには、測定
周波数110Hzにおける力学的損失正接(tanδ)の
ピーク温度(Tmax)が105℃以下であり、tanδ
のピーク値((tanδ)max)が0.135を超える値を
有することが好ましい。なお、この構造上の特性
値は、嵩高加工をしないポリエチレンテレフタレ
ート繊維について当てはまるものであり、通常の
仮撚加工、摩擦仮撚加工、噴射式嵩高加工をされ
たポリエチレンテレフタレート繊維では〔(tanδ)
max〕が0.08以上であり、且つ(tanδ)max≧
(Tmax−105)×10-2なる関係を満足することが
好ましい。 非晶領域の構造を表現する特性値として、上記
のTmaxと(tanδ)maxの値が適切である。
Tmaxは通常ガラス転移温度の50℃高温側に位置
し、(tanδ)maxは温度Tmaxにおける熱運動の
活発化した無定形領域内分子鎖の量に関係する。
本発明においてTmaxおよび(tanδ)maxは無定
形領域内部の分子鎖のミクロブラウン運動に原因
して発現する力学吸収(αa吸収)に関する値を
意味する。従来の嵩高加工されていないポリエチ
レンテレフタレート繊維のTmaxは130℃以上、
(tan)maxは0.13以下である。又嵩高加工させて
なる従来のポリエチレンテレフタレート繊維の
Tmaxは135℃以上、(tanδ)maxは0.13以下であ
る。 混用編物を構成するポリエチレンテレフタレー
トのホモポリマーよりなる繊維の非晶領域の構造
と染色性の関連を検討した結果、分散染料で常圧
染色可能であるためには、(tanδ)max>
0.135であり且つTmax<105℃であることが好
ましい。なおおよびについては前述したよう
に嵩高加工糸については(tanδ)max≧0.08で
あり且つ(tanδ)max≧(Tmax−105)×105)
×10-2なる関係を満足することが好ましい。従来
の常圧可染でないポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマーよりなる繊維の場合には上記の三条
件を満足するものはない。換言すれば、従来のポ
リエチレンテレフタレートのホモポリマーよりな
る繊維は上記三条件を満足せず、常圧染色可能と
なるものは存在しなかつた。本発明の常圧染色可
能な嵩高加工されていないポリエチレンテレフタ
レートのホモポリマーよりなる繊維の染色性を更
に高めるためには(tanδ)maxが0.14以上である
ことが好ましい。又、嵩高加工させてなる繊維に
ついては(tanδ)maxは0.11以上が好ましい。 本発明において、混用編物を構成する分散染料
にて常圧染色可能なポリエチレンテレフタレート
繊維の力学的特性を出すためには、上述の如く30
℃における初期モジユラスが55g/d以上である
ことが好ましい。ここで30℃における初期モジユ
ラスとは、30℃における動的弾性率(E′30)で示
される。 (tanδ)maxが大きくなると形態保持性を維
持するために、一般的にはE′30が大きくなる必要
がある。もしE′30が55g/d未満であれば繊維構
造の熱安定性は低下し、寸法安定性も悪く繊維と
して柔らかくなる。 こうした特徴を有する本発明の混用編物を構成
する分散染料にて常圧染色可能なポリエチレンテ
レフタレートのホモポリマーよりなる繊維につい
て更にその構造と力学的性質(強度、伸度、初期
モジユラス、動的弾性率)、および染色性との関
連を検討した結果、次の事項から明らかになつ
た。 本発明の混用編物を構成する分散染料により常
圧染色可能なポリエチレンテレフタレートのホモ
ポリマーよりなる繊維において、結晶化度(Xc)
(010)面の微結晶の大きさ(ACS)、および
(010)面の結晶配向度(CO)は、いずれも繊維
の力学的特性に関連し、該ポリエチレンテレフタ
レート繊維が衣料用繊維として充分な強度(3
g/d以上)、および初期モジユラス(55g/d
以上)を有するためには、嵩高加工されていない
繊維については、Xcは30%以上、ACSは35Å以
上、COは85%以上であることが好ましい。さら
に好ましくは、Xcが70%以上、ACSが40Å以上、
COが90%以上である。ここでXc、ACS、COは
X線回折によりそれぞれ後述の方法で測定された
値である。従来の嵩高加工されていないポリエチ
レンテレフタレート繊維はXcが50〜70%、ACS
は30Å以下、COは85〜95%である。次に本発明
の混用編物を構成する常圧染色可能な嵩高加工を
されていないポリエチレンテレフタレート繊維に
おいて、繊維軸方向に電場ベクトルを持つ偏光の
中心屈折率(η(p))が1.70より小さく且つ1.65以
上であれば適当の伸度(20〜70%)と染色性を有
し、衣料用繊維として好ましいものとなる。最適
な(η(p))の範囲は1.65〜1.68である。また平均
複屈折率(△η)は、本発明の混用編物を構成す
る分散染料で常圧染色可能で嵩高加工をされてい
ないポリエチレンテレフタレート繊維が30℃にお
いて55g/d以上の初期モジユラスを有するため
には35×10-3以上が好ましいが、一方熱に対する
構造の安定性からは50×10-3以上であることが望
ましい。また染色性、染色堅牢度の観点から好ま
しくは120×10-3以下、さらに好ましくは85×
10-3以下である。△ηが120×10-3以下になると
150〜220℃の温度範囲における動的弾性率(E′)
の減少率(150℃、220℃におけるE′の値をそれぞ
れE′150、E′220としE′220/E′150で表わす)が小さ
くなり、E′220/E′150は0.75より大きくなる。すな
わち熱に対して構造が安定になる。また染色堅牢
度も向上する。さらに△ηが85×10-3より小さい
ものは常圧可染性がきわめて優れたものになる。 繊維の中心における平均屈折率(η(p))と繊
維の中心から半径の0.8倍の距離の部分における
屈折率η(0.8)またはη(-0.8)の間に以下の関係を
満足するいわゆる繊維の局所的な平均屈折率の分
布が繊維の中心に対して対称であると、充分な強
度を有し、染斑、強伸度などが少ない。ここで局
所的な平均屈折率の分布が繊維の中心に対して対
称であると云うのは、平均屈折率ηの極小値
が、(η(p)−10×10-3)以上であり、かつη(0.8)
とη(0.8)の差が50×10-3以下、より好ましおは、
10×10-3以下の場合を云う。なお上述のη(0)
η(0.8)、η(-0.8)、△(0.8-0)、△η等の値は干

顕微鏡により後述する方法により測定したもので
ある。 また本発明の混用編物を構成する分散染料で常
圧染色可能な嵩高加工をされていないポリエチレ
ンテレフタレートのホモポリマーよりなる繊維に
おいて、220℃における力学的損失正接
(tanδ220)は小さいほど好ましく、温度上昇によ
る初期モジユラスの低下が小さくなる。tanδ220
が0.25以下の場合、該初期モジユラスの低下量は
著るしく小さくなる。つまり熱に対して安定な構
造の繊維になる。 本発明の混用編物を構成する分散染料で常圧染
色可能な嵩高加工されたポリエチレンテレフタレ
ートのホモポリマーよりなる繊維は、上述の嵩高
加工されていない繊維を常法により、仮撚または
噴射または押込み加工等により作ることができ
る。この嵩高加工された分散染料で常圧染色可能
なポリエチレンテレフタレートのホモポリマーよ
りなる繊維は、上述した如く30℃に於ける初期モ
ジユラスが55g/d以上であり(tanδ)maxが
0.08以上、且つ(tanδ)max≧(Tmax−105)×
10-2なる関係を満足するものが好ましい。また本
発明の混用編物を構成する分散染料で常圧染色可
能な嵩高加工されたポリエチレンテレフタレート
嵩高繊維は、その30℃における初期モジユラスが
55g/d上を示すためには平均複屈折率(△η)
が通常35×10-3以上であれば良いが必ずしもこの
条件は、55g/d以上の初期モジユラスを与える
ための必要十分条件ではない。初期モジユラスが
55g/d以上の十分条件としては、△ηの値が45
×10-3以上であり、しかも(tanδ)maxは0.5以
下である。またXc、ACS、COはいずれも外部か
らの繊維への変形、構造の熱安定性と強い相関が
ある。したがつて該嵩高繊維が充分な強度(3
g/d以上)、初期モジユラス(55g/d以上)
を有するためにはXcは30%以上、ACSは38Å以
上、COが80%以上であることが望ましい。さら
に好ましくはXcが75%以上、ACSは45Å以上、
COが85%以上である。従来の仮撚加工糸等の嵩
高加工繊維のXcは20〜30%、ACSは約30Å、CO
は約85%である。 また本発明の混用編物を構成する常圧染色可能
なポリエチレンテレフタレート嵩高加工繊維の平
均複屈折率(△η)は上述の如く45×10-3以上で
あるが、熱安定性の面から50×10-3以上がより好
ましく、熱安定性の面から50×10-3以上がより好
ましく、染色性、染色堅牢度の観点からは110×
10-3以下、さらに好ましくは85×10-3以下であ
る。△ηが110×10-3以下になるとE′220/E′150
0.75以上により構造の熱安定性がよくなる。さら
に△ηが85×10-3より小さいものは常圧可染性が
きわめて優れたものとなる。従来の嵩高加工繊維
の△ηは120×10-3以上であるのに比較して、本
発明の混用編織物を構成する嵩高加工されたポリ
エチレンテレフタレート繊維の△ηが著るしく小
さい点が微細構造の特徴の一つである。 本発明の混用編物を構成する上述の微細構造を
有する分散染料にて常圧染色可能なポリエチレン
テレフタレートのホモポリマーよりなる繊維の好
ましい製法を示すと、本出願人に係る特願昭56−
46407号明細書(特開昭57−161120号)に記載さ
れているように、4000m/分以上の紡糸速度で紡
糸されたポリエチレンテレフタレートのホモポリ
マーよりなる繊維を220℃乃至300℃の範囲内の温
度で、乾熱による熱処理を行なうことにより得る
ことができる。または180℃乃至240℃の温度範囲
内の過熱水蒸気、飽和水蒸気、または熱水により
湿熱による熱処理を行なうことによつても得るこ
とができる。なおこのようにして得られた上述の
熱処理をうけた繊維は常圧可染化されているが、
さらに常法によりスピンドルを通して行なう仮撚
加工、あるいは摩擦仮撚加工、押込み方式による
嵩高加工、擦過方式による嵩高加工、噴射方式に
よる嵩高加工等により嵩高加工繊維を得ることが
できる。これらはいずれも上述の微細構造を有し
分散染料で常圧染色可能である。 なお本発明の混用編物を構成する分散染料で常
圧染色可能なポリエチレンテレフタレートのホモ
ポリマーよりなる繊維の原料であるポリエチレン
テレフタレートのホモポリマーは公知の重合法で
得ることができる。また通常のポリエステル繊維
に使用される添加剤、例えば艶消剤、安定剤、制
電剤などを含んでもよい。また重合度については
通常の繊維形成用の範囲内であれば特に制限はな
い。 本発明の混用編物を構成する分散染料で常圧染
色可能なポリエチレンテレフタレートのホモポリ
マーよりなる繊維の紡糸に際しては、ポリマー粘
度、紡糸温度、紡糸口金下の雰囲気の状態、冷却
方法、引取速度等を適宜調節することにより、紡
糸口金より紡出されたポリマー流の冷却固化、お
よび細形変化を制御し、紡糸性よくかつ所望の特
性を有する繊維が得られる。特に紡出繊維の冷却
固化の制御は重要で、紡糸性および望ましい特性
を得るには、急激な冷却固化、特に一方向からの
繊維に直交する低温冷却風による冷却固化はあま
り好ましくない。 第1図に本発明の混用編物を構成する分散染料
で常圧染色可能なポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマーよりなる繊維の製造装置の一例を模
式的に示した。溶融ポリエチレンテレフタレート
は加熱された紡糸ヘツド2の中の紡糸口金(図示
せず)により紡出され、大気中で冷却されて繊維
束1となる。この紡糸口金下には紡出された繊維
束1を取囲む管状の加熱域3が設けられており更
にその下方には繊維束1を冷却吸引するための流
体吸収装置4が設けられている。管状加熱域3お
よび流体吸引装置4を通過した繊維束1は、油剤
付与装置5を通つた後、引取ローラー6によつて
引取られる。本発明で云う紡速とはこの引取ロー
ラー6の表面速度を意味する。引取られた繊維束
は連続的にか、または一且引取りローラー6に巻
かれた後、一対の繊維束送りローラー7により引
出され、220〜300℃の温度範囲内の適切な温度に
調節された加熱筒8を通り、一対の繊維束送りロ
ーラー9によつて導かれ、巻取りローラー10に
より巻取られる。この際、繊維束送りローラー7
および9の回転速度を調節することにより繊維束
1は加筒8の中で適当な伸長率に伸長され熱処理
を受ける。 紡速4000m/分以上で紡糸されたポリエチレン
テレフタレートのホモポリマーよりなる繊維は上
述の熱処理方法以外に以下の方法によつても熱処
理される。すなわち引取ローラー6によつて紡速
4000m/分以で巻取つた後、繊維束を寄せ集めト
ウの形態にした後熱処理する方法もある。もちろ
ん熱処理方法は前述の如く乾熱による方法、湿熱
による方法のいずれでも行なわれる。 第2図に、紡速4000m/分以上の紡糸条件で作
られたポリエチレンテレフタレート繊維の繊維
束、トウ、を過熱水蒸気で湿熱熱処理する方法の
一例を示す模式図である。第2図において11は
紡速4000m/分以上で防糸されたポリエチレンテ
レフタレートのホモポリマーよりなる繊維束、ト
ウを示す。これらは一対のフイードローラー12
により引き上げられ、ガイドローラー13に達す
る。ガイドローラー13により繊維束、トウは湿
熱処理装置15へ導かれる。湿熱処理装置15の
入口はスリツト14、出口にはスリツト14′が
あり、湿熱処理装置15の内部の温度が外部の雰
囲気に左右されないようにしてある。また湿熱処
理装置15は上面及び下面から同時に過熱水蒸気
が噴出するよう上下に多数のスリツト16が被処
理繊維の通路の内壁に設けてある。また湿熱処理
装置15の内部には上下にヒーター17を設け過
熱水蒸気の温度分布を少なくするようにしてあ
る。一方ボイラー24で生成したゲージ圧約10
Kg/cm2の飽和水蒸気はバルブ23によつて、加熱
装置21へ入り、ヒーター22によつて加熱され
温度180〜240℃の過熱水蒸気となる。過熱水蒸気
はバルブ20により湿熱処理装置15に送られ、
ヒーター17により温度低下のないよう又温度分
布が大きくならないように調節され、スリツト1
6を通して被処理繊維11に当り湿熱熱処理が行
なわれる。湿熱処理をうけた繊維束、トウ11は
スリツト14′よりガイドローラー18を通り、
引取りローラー19によつて引取られる。 このように紡速4000m/分以上で紡糸され、乾
熱で220〜300℃または、湿熱で180〜240℃の熱処
理を受けたポリエチレンテレフタレートのホモポ
リマーよりなる繊維は、上述の微細構造を有する
分散染料で常圧染色可能なるものである。これを
公知の方法により混用編物にすることにより本発
明の常圧染色可能なポリエステル繊維を含有する
混用編物を作ることができる。 以下に本発明の混用編物を構成するポリエチレ
ンテレフタレート繊維の構造特性の測定法を述べ
る。 <力学的損失正接(tanδ)、及び動的弾性率(E′)
> 東洋ボールドウイン社製レオバイブロン
(Rheovibron)DDV−c型動的粘弾性測定装
置を用い、試料量0.1〜1mg、測定周波数110Hz、
昇温速度10℃/分で乾燥空気中で各温度における
tanδ、及びE′を測定する。tanδ−温度曲線から
tanδのピーク温度(Tmax)℃と同ピーク高さ
〔(tanδ)max〕が得られる。第3図に本発明の
混用編物に使用する分散染料で常圧染色可能なポ
リエチレンテレフタレート繊維A、該ポリエチレ
ンテレフタレートを仮撚加工した嵩高糸B、従来
のポリエチレンテレフタレート繊維C、従来のポ
リエチレンテレフタレート仮撚糸Dの典型例を模
式的に示した。第4図にはE′−温度曲線の典型例
を模式的に示す。なお図中A,B,C,Dの表示
は第3図の場合と同じである。 <平均屈折率(η、η⊥)及び平均複屈折率
(△η)> 透過定量干渉顕微鏡(例えばドイツ民主主義共
和国カールツアイスイエナ社製干渉顕微鏡インタ
ーフアコ)を使用して干渉縞法によつて繊維の側
面から観察した平均屈折率の分布を測定すること
ができる。この方法は円形断面を有する繊維に適
用する。繊維の屈折率は繊維軸に対して平行な電
場ベクトルを持つ偏光に対する屈接率ηと、繊
維軸に対し垂直な電場ベクトルを持つ偏光に対す
る屈折率η⊥によつて特徴づけられる。ここに説
明する測定はすべて緑色光線(波長λ=549nm)
を使用する。 光学的に均一なスライドガラスおよびカバーガ
ラスの時に、0.2〜2波長の範囲内の干渉縞のず
れを与える屈曲率(N)を有し、且つ繊維に対し
不活性な封入剤を注入し、その封入剤に試料繊維
を浸漬する。繊維はその軸が干渉顕微鏡の光軸お
よび干渉縞に対して垂直となるように設置され
る。この干渉縞のパターンを写真撮映し、約1500
倍に拡大して解析する。 第5図で繊維の封入剤の屈曲率をN、繊維の外
周上の点S〓−S〓間の屈折率をη(またはη⊥)、
S〓−S〓間の厚みをt、使用光線の波長をλ、バ
ツクグラウンドの平行干渉縞の間隔(1λに相当)
をD、繊維による干渉縞のずれをdとすると、光
路差Γは、Γ=(d/D)λ=〔ηまたはη⊥)−
N〕tで表わされる。したがつてη(または
η⊥)=Γ/d+Nが成立する。厚みtは繊維の
断面形状が円であれば、座標xと半径Rとを用い
て2√22で与えられる。 繊維の半径をRとすると、繊維の中心0から外
周Rまでの各位置での光路差から各位置での繊維
の屈折率η(またはη⊥)の分布を求めることが
できる。xを繊維の中心から各位置までの距離と
した時X=x/R=0すなわち繊維の中心におけ
る屈折率を平均屈折率(η(0)またはη⊥(p)と云
う。Xは外周上において1となり、その他の部分
では0〜1の間の値となるが、例えばX=0.8の
点における屈折率をη(0.8)(またはη⊥(0.8))と表
わす。また平均屈折率η(0)とη⊥(0)より平均屈折
率(△η)は△η=η(0)−η⊥(0)で表わされる。
尚、第5図において31は繊維、32は封入剤に
よる干渉縞、33は繊維による干渉縞を示す。 第6図は各繊維のηの分布を示した、なお
A,B,C,Dの表示は第3図の場合と同じであ
る。第6図において横軸に中心からの距離X=
x/R、縦軸にη値を表示している。X=0が
繊維の中心、X=1およびX=−1が繊維の外周
上の点である。非円形断面の場合、厚みtはRと
xのみの関数として与えられていないため、別に
測定した値を用いる。tの測定方法として、封入
剤の種類を変えて各封入剤を用いて得られたΓの
測定値から次式で算出される。 t=(Γ1−Γ2)/(N2−N1) ここでN1、N2は封入剤1,2の屈折率、Γ1
Γ2は封入剤1,2で測定されたリターデーシヨ
ンである。 <微結晶の大きさ(ACS)> 対称反射法により赤道方向のX線回折強度を測
定し、X線回折強度の回折角依存曲線からACS
は算出される。 X線回折強度は理学電機社製X線発生装置
(RU−200PL)とゴニオメーター(SG−9R)、
計数管にはシンチレーシヨンカウンター、計数部
には波高分析器を用い、ニツケルフイルターで単
色化したCu−Kα線(波長λ=1.5418Å)を用い
て測定される。繊維試料の繊維軸がX線回折面に
対して垂直となるようにアルミニウム製サンプル
ホルダーにセツトする。この時、試料の厚みは約
0.5mmになるようにセツトする。30KV、80mAで
X線発生装置を運転し、スキヤンニング速度1゜/
分、チヤート速度10mm/分、タイムコンスタント
1秒ダイバージエントスリツト1/2゜、レシービ
ングスリツト0.3mm、スキヤツタリングスリツト
1/2゜において2θが35゜〜7゜まで回折強度を記録す
る。記録計のフルスケールは得られる回折強度曲
線がスケール内に入るように設定する。 ポリエチレンテレフタレート繊維は一般に赤道
線上の回折角2θ=7゜〜26゜の範囲に三個の主要な
反射を有する。低角度側から(100)、(010)、
(1TO)面である。ACSを求めるには例えばL.E.
アレキサンダー著「高分子X線回折」化学同人出
版、第7章シエラー(Scherrer)の式を用いる。 2θ=7゜と2θ=35゜の間にある回折強度曲線間を
直線で結びベースラインとする。回折ピークの頂
点からベースラインに垂線を下ろし、ピークとベ
ースライン間の中点をこの垂線上に記入する。中
点を通る水平線を回折強度曲線回折ピークの間に
引く。主要な反射がよく分離している場合には曲
線のピークの2個の肩と交差するが、分離が悪い
場合には1つの肩のみと交差する。このピークの
幅を測定する。一方の肩としか交差しない場合は
交差した点と中点間の距離を測定し、それを2倍
する。また2個の肩と交差する場合は両肩間の距
離を測定する。これらの測定値をラジアン表示に
換算しライン幅とする。さらにこのライン幅を次
式で補正する。 β=√22 ここでBはライン幅の実測値、bはブロードニ
ング定数でシリコン単結晶の(111)面反射のピ
ークのラジアン表示でのライン幅(半値幅)であ
る。微結晶の大きさ(ACS)は、ACS(Å)=
K・λ/βcosθによつて与えられる。ここでKは
1、λはX線の波長(1.5418Å)、βは補正後の
ライン幅、θはブラツグ角で回折角2θの1/2であ
る。 <結晶化度(Xc)> 微結晶の大きさの測定と同様にして得られたX
線回折強度曲線より2θ=7゜と2θ=35゜の回折強度
曲線間を直線で結びベースラインとする。第7図
のように2θ=20゜付近の谷を頂点とし、低角側お
よび高角側のすそに沿つて直線で結び結晶部aと
非晶部bに分離し、次式に従つて面積法で結晶化
度Xcを求める。 Xc=結晶部の散乱強度/全散乱強度×100(%) <結晶配向度(CO)> 理学電機社製X線発生装置(RU−200PL)、繊
維試料測定装置(FS−3)、ゴニオメーター
(SG−9)、計数管にはシンチレーシヨンカウン
ター、計数部には波高分析器を用い、ニツケルフ
イルターで単色化したCu−Xα線(波長λ=
1.5418Å)を用い方位角方向のX線回折強度曲線
を測定する。 ポリエチレンテレフタレート繊維は一般に赤道
線上に3種の主要な反射を有するが、結晶配向度
(CO)の測定には(010)面反射を採用する。
(010)面の回析角2θは赤道線方向の回折強度曲線
から決定される。前述のX線発生装置を30KV、
20mAで運転する。繊維試料測定装置に試料繊維
を互に平行になるように揃えて取付ける。試料の
厚みが約0.5mmになるように調整する。赤道線方
向の回折強度曲線から決定された2θの値にゴニオ
メーターをセツトする。対称透過法を用いて方位
角方向を−30〜+30゜走査し方位角方向の回折強
度を記録する。さらに−180゜と+180゜の方位角方
向の回折強度を記録する。このときスキヤンニン
グ速度4゜/分、チヤート速度10mm/分、タイムコ
ンスタント1秒、コリメーター2mmφ、レシービ
ングスリツト縦幅19mm、横幅3.5mmである。 得られた方位角方向の回折強度曲線からCOを
求めるには、まず±180゜で得られた回折強度の平
均値をとり、この値を通る水平線をベースライン
とする。ピークの頂点からベースラインに垂線を
下ろし、その高さの中点を求める。中点を通る水
平線を引きこれと回折強度曲線との2個の交点間
の距離を測定し、この値を角度(゜)に換算した
値を配向角H(゜)とする。結晶配向度は CO(%)=〔(180゜−H)/180゜〕×100 によつて与えられる。 <染料吸尽率> 分散染料レゾリンブルーFBL(ドイツ連邦共和
国バイエル社製品名、C.I.Disperse Blue56)を
3%owf、浴比50倍、PH6(酢酸にて調整)、分散
剤デイスパーTL(明成化学工業社製品名)1g/
の組成よりなる染浴中に試料繊維を入れ、100
℃で120分間染色した後、染液を採取し、吸光度
より残液中の染料量を算出し、これを染色に使用
した染料量から減じたものを染着料として染料吸
尽率(%)を計算した。なお染色用の試料繊維
は、精練剤スコアロールFC(花王アトラス社製品
名)2g/の水溶液中で60℃にて20分間精練
し、乾燥・調湿(20℃、65%RHの条件下に48時
間放置)したものを使用した。 <染色堅牢度> 染料吸尽率評価の場合と同様の方法で染色した
試料をハイドロサルフアイトナトリウム1g/
、水酸化ナトリウム1g/の水溶液で浴比50
倍、80℃で20分間還元洗浄したものを評価した。 染色堅牢度としては、耐光堅牢度(JIS L−
1044に準ずる)、摩擦堅牢度(JIS L−0849に準
ずる)、昇華堅牢度(JIS L−0854に準ずる)に
ついて評価した。 <引張強伸度> 東洋ボールドウイン社製テンシロン
(Tensilon)UTM−−20型引張試験機により
初長5cm(但し嵩高繊維のように繊維に捲縮のあ
るものは、それを引伸ばしたものが5cmになるよ
うにした)、引張速度20mm/分で測定した。 <沸水収縮率> 0.1g/dの荷重下での試料長をL0とし、荷上
を取除き沸水中で30分間処理した後、再び同じ荷
重下で測定した長さをLとする。沸水収縮率は次
式で表される。 沸水収縮率(%)=L0−L/L×100 以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明
する。 実施例 1 フエノール/テトラクロロエタンの2/1の混
合溶媒中で35℃における固有粘度〔η〕(以下
〔η〕と表わす)が0.65のポリエチレンテレフタ
レートのホモポリマーを、第1図に示す装置を用
いて、紡糸温度303℃で、孔径0.35mmφ、孔数36
の紡糸口金より紡出し、繊維束の全周囲から繊維
束の走行方向に平行に供給される22℃の空気の流
れによつて冷却固化させた後、仕上剤を付与し、
4000m/分の速度で巻取つて75d/36の糸条を得
た。次にこの糸条を第1図に示す熱処理用加熱筒
に接触することもなく通過するようにして、該加
熱筒内部の温度を250℃に調節し、伸長率1.3%で
0.9秒間熱処理した。また同時に比較のため、紡
速1300m/分で紡糸後30℃で3.3倍に延伸した
75d/36fの繊維についても同様に熱処理した。そ
れぞれの繊維の物性値を第1表にまとめて示す。
【表】
【表】 上記の製造法で得られたポリエステル糸75d/
36f、又は比較糸とポリウレタン糸40dベア糸を用
いて、ジヤガード装置内ダブル丸編機で下記の条
件にて製編し、染仕上加工を実施し水着用布帛を
作成した。 編立条件: 豊田KJ36型ジヤガード編機 ゲージ:28本/インチ 釜径:30インチ 口数:
36口 回転数:12RPM 使用糸:ポリエステル75d/
36f ポリウレタン40d 編成方法:シリンダ針はジヤガード選針、ダイヤ
ル針 は、2種類交互の配列にし交互選針した。給糸口
6口を1完全として、給糸口No.1、2、4、5は
通常の2色ジヤガードでポリエステル糸を編成、
給糸口No.3、6はポリウレタン糸をダイヤル側で
編成した。 生機の目付は、本発明品は193g/m2、比較品
は195g/m2になつた。 この編地を 常法の染仕立げ工程で染色、仕上げを行つた。 染色、還元洗浄条件は下記に示す。 染料、助剤 スミカロン イエロー S−7GL(住友化学製)
1.2%owf スミカロン ブルー E−R(住友化学製) 2.1
%owf デイスパーT/L(明成化学製) 1g/ (注)キヤリア染色の場合 テトロシンK(山川薬品
製) 10%owf 染 色 浴 比 1:20 常圧染色:40〜100℃/30分昇温 100℃、40分 染色 キヤリア染色:常圧染色と同じ 高圧染色:40〜130℃/40分昇温 130℃ 40分染色 還元洗浄 浴 比 1:20
【表】 本発明品及び比較品の発色性、同色性、堅牢度
を第3表にまとめた。この表から明らかな様に本
発明編地は常圧染色(100℃)でも従来の130℃染
色品並の染色性を示し、さらに、染色堅牢性、ポ
リエステル糸とポリウレタン糸の同色性も合わせ
て持つ製品である事がわかる。又、100℃染色物
及び130℃染色物からポリウレタン糸を解舒し、
東洋ボールドウイン社製作ンシロンUTM−−
20型引張り試験機により初期長5cm、引張速度50
cm/分で伸長応力測定を行ない、縦軸に応力、横
軸に伸長率をもつて第8図に示した。この図から
わかる様に本発明編地は100℃染色が可能なため
に染色の際のポリウレタン糸の伸縮性低下が防止
され、結果的に伸縮性に富む編地となつた。
【表】 実施例 2 〔η〕が0.63のポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマーを第1図に示す紡糸装置を用いて、
紡糸温度302℃で、孔径0.35mmφ、孔数24の紡糸
口金より紡糸し、繊維の全周囲から繊維の走行方
向に平行に供給される20℃の空気の流れによつて
冷却固化させた後、油剤を付与し4300m/分の速
度で巻取つて50D/24fの繊維束を得た。この繊
維束を第2図に示す湿熱処理装置で0.5%伸長下
において195℃の過熱水蒸気にて0.7秒熱処理し
た。 また同時に比較のため、紡速1350m/分で紡糸
后30℃で3.25倍に延伸した50d/24fの繊維につい
ても同様に熱処理した。それぞれの繊維物性値を
第4表にまとめて示す。
【表】
【表】
【表】 上記の製造法で得られたポリエステル50d/24f
糸又は比較糸とポリウレタン糸40dベア糸を用い
てトリコツト機で下記の条件にて製編し、染色仕
上加工を実施し経編2ウエイ水着を作成した。 編成条件:通常の経編工程にて整経及び編立て
を行つた。ポリウレタン糸をリバ社(西独)製弾
性糸用整経機で21″ビームを用い600本、2倍に伸
長して巻取つた。ポリエステル糸をカールマイヤ
ー社(西独)製整経機で21″ビームを用い600本、
巻取張力0.1g/dにて巻取つた。 カールマイヤー社製(西独)ゲージ28本/インチ ビーム本数 6本 給糸量 ポリエステル 160cm/ラツク ポリウレタン 80cm/ラツク 編機上コース数 80コース/in 組織:ハーフ 糸使い フロント ポリエステル バツク ポリウレタン 生機性量 目付 330g/m 幅120cm コース数114コース/インチウエル数75ウエル/
インチ 染色条件:2ウエイトリコツトの通常染色仕上工
程で染色、還元洗浄を行い、仕上セツトを170
℃・30秒にて行つた。 染料助剤 シケトン・ポリエステル ブルー 7GSF(三井
東圧化学製) 0.6%owf シケトン ネービーブルー BGSF(三井東圧化
学製) 2.3%owf テイスパー TL(明成化学製) 1g/ (キヤリアー染色の場合:テトロシンK(山川薬
品製)10%owf) 染色条件 浴 比 1:20 常圧染色 常温40℃〜約100℃/30分 キヤリアー染色 約100℃×50分染色 (高圧染色) 昇温40℃〜130℃/40分 130℃×40分染色 還元洗浄 (キヤリアー染色) 高圧染色 (常圧染色) ハイドロサルフアイトソーダ 2g/ 1g/
炭酸ソーダ 2g/ 1g/
サンモールRC−100(日華化学製)
2g/ 1g/ 80゜×30分 65゜×20分 浴比 1:30 染色仕げ後の染色堅牢度、発色性、同色性、定
伸長回復製の評価を行つた。本発明品、比較品の
物性値を第5表に示す。第5表に示す如く定伸長
回復性、染色堅牢度、発色性、同色性に優れた2
ウエイトリコツト水着を得た。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の混用編物を構成するポリエチ
レンテレフタレート繊維の紡糸及び熱処理工程の
一例を示す模式図、第2図は本発明の実施例で用
いた過熱水蒸気による熱処理装置の概略図、第3
図は、力学損失正接(tanδ)−温度曲線を模式化
して表したグラフ、第4図は、動的弾性率(E′)
−温度曲線を模式化して表したグラフ、第5図
は、繊維の断面内半径方向屈折率(η(0)または
η⊥)分布の測定に用いた干渉縞のパターンの一
例である。図においてaは繊維の断面図、bは干
渉縞パターンの図である。第6図は、繊維の半径
方向の屈折率(η)分布の一例を示す模式図、
第7図は、ポリエチレンテレフタレート繊維のX
線回折強度曲線の一例を示すグラフである。ここ
でaは結晶領域、bは非晶領域である。第8図は
本発明による編地及び比較編地からポリウレタン
糸を解舒して、伸長−応力測定結果をグラフ化し
たものである。なお第3図、第4図、第6図にお
いてAは本発明混用編物に使用する分散染料にて
常圧染色可能なポリエチレンテレフタレート繊
維、Bは該ポリエチレンテレフタレート繊維を仮
撚加工した繊維Cは従来のポリエチレンテレフタ
レート繊維、Dは従来のポリエチレンテレフタレ
ートの仮撚加工した繊維の値を夫々示す。 1は繊維束、2は紡糸ヘツド、3は管状加熱
域、4は流体吸引装置、5は油剤付与装置、6は
引取ローラー、7は繊維束送りローラー、8は熱
処理用加熱筒、9は繊維束送りローラー、10は
繊維束巻取りローラー、11は繊維束、トウ、1
2はフイードローラー、13はガイドローラー、
14および14′は湿熱処理装置15内の過熱水
蒸気の過剰な洩れを防ぎ温度の墨動を抑制するた
めのスリツト、15は湿熱処理装置、16は湿熱
処理装置内の過熱水蒸気噴出用のスリツト、17
は加熱用ヒーター、18はガイドローラー、19
は引取りローラー、31は繊維、32は封入剤に
よる干渉縞、33は繊維による干渉縞、34,3
5,36はそれぞれ本発明の生機、染色物の、比
較例の130℃染色物から解舒したポリウレタン糸
を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリウレタン繊維とポリエステル繊維とを混
    用させてなる編物において、該ポリエステル繊維
    が30℃における初期モジユラスが55g/d以上で
    あり、測定周波数110Hzにおける力学的損失正接
    (tanδ)のピーク温度(Tmax)が105℃以下であ
    つてtanδのピーク値〔(tanδ)max)が0.135をこ
    える値を有する嵩高加圧をされていない繊維およ
    び/または30℃における初期モジユラスが55g/
    d以上でありTmax(℃)と(tanδ)maxとの間
    で(tanδ)max≧(Tmax−105)×10-2なる式を
    満足し且つ(tanδ)maxが0.08以上の値を有する
    嵩高加工されてなる繊維よりなり、且つ分散染料
    で常圧染色可能であることを特徴とするポリウレ
    タン繊維とポリエステル繊維との混用編物。 2 ポリエステル繊維は、4000m/分以上の紡速
    で紡糸された後、220℃乃至300℃温度で乾熱によ
    る熱処理をされてなる繊維及び/または4000m/
    分以上の紡速で紡糸された後、220℃乃至300℃の
    温度で乾熱による熱処理を受けた後、常法により
    嵩高加工をされてなる繊維であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のポリウレタン繊維
    とポリエステル繊維との混用編物。 3 ポリエステル繊維は4000m/分以上の紡速で
    紡熱された後、180℃乃至240℃の温度で湿熱によ
    る熱処理をされてなる繊維及び/または4000m/
    分以上の紡速で紡糸された後、180℃乃至240℃の
    温度で湿熱による熱処理を受けた後、常法により
    嵩高加工をされてなる繊維であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のポリウレタン繊維
    とポリエステル繊維との混用編物。 4 嵩高加工をされていないポリエステル繊維が
    0.14以上の(tanδ)max値を有し、かつ平均複屈
    折率(△n)が50×10-3以上120×10-3以下であ
    る事を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のポ
    リウレタン繊維とポリエステル繊維との混用編
    物。 5 嵩高加工をされていないポリエステル繊維の
    Tmaxが100℃以下であり、結晶化度(Xc)が30
    %以上、(010)面の微結晶の大きさ(ACS)が
    35Å以上で、かつ(010)面の結晶配向度(CO)
    が85%以上であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のポリウレタン繊維とポリエステル
    繊維との混用編物。 6 嵩高加工をされてなるポリエステル繊維の△
    nが110×10-3以下45×10-3以上であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のポリウレタ
    ン繊維とポリエステル繊維との混用編物。 7 嵩高加工をされてなるポリエステル繊維の
    tanδのピーク温度(Tmax)が115℃以下であり、
    しかも結晶化度(Xc)が35%以上、(010)面の
    微結晶の大きさ(ACS)が38Å以上で且つ
    (010)面の結晶配向度(CO)が80%以上である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のポ
    リウレタン繊維とポリエステル繊維との混用編
    物。 8 嵩高加工をされてなるポリエステル繊維の△
    nが45×10-3以上であり、Tmaxが105℃以下で
    あり、且つ(tanδ)maxが0.11以上で、しかも
    Xcが70%以上、(010)面の微結晶の大きさ
    (ACS)が50Å以上で且つ(010)面の結晶配向
    度(CO)が85%以上であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のポリウレタン繊維とポ
    スエステル繊維との混用編物。
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