JPH0136833B2 - - Google Patents
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- JPH0136833B2 JPH0136833B2 JP56144001A JP14400181A JPH0136833B2 JP H0136833 B2 JPH0136833 B2 JP H0136833B2 JP 56144001 A JP56144001 A JP 56144001A JP 14400181 A JP14400181 A JP 14400181A JP H0136833 B2 JPH0136833 B2 JP H0136833B2
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
本発明は新規なβ−D−キシロピラノシド系化
合物に係り、更に詳しくは、細胞膜表面に存在す
る複合糖質(プロテオグリカン)の質及び量を変
える性質を有し、制癌効果、動脈硬化抑制効果、
血栓抑制効果等が期待されるβ−D−キシロピラ
ノシド系化合物に関する。 従来、アグリコンとしてパラニトロフエニル基
等を有するO−β−D−キシロピラノシド系化合
物が、細胞膜表面あるいは細胞間に存在し、生体
組織の重要な構成要素となつているいわゆるプロ
テオグリカンの量を変化させ、或る種の細胞膜表
面の性質を大きく変化させることが知られている
[ジヤーナル・オブ・バイオケミストリー(J.
Biochem.)、74、1069−1073(1973)]。 この性質は、癌細胞を例にとると、O−β−D
−キシロピラノシド系化合物が、癌細胞表面のプ
ロテオグリカンの性質を変え、その量を少なくし
て癌細胞をいわば裸の状態とし、もつて生体の癌
細胞に対する免疫性を高めることによつて発癌の
予防、癌細胞の免疫による治療効果を高めること
が充分期待される。 ところが、かかるO−β−D−キシロピラノシ
ド系化合物は、生体に投与されると酵素等により
加水分解作用を受け易く、その効果が著しく低減
されるという不都合があつた。 そこで本発明者等は、酵素等の加水分解作用を
受け難く、プロテオグリカンの性質を変え、その
量を低減する効果を有するβ−D−キシロピラノ
シド系化合物を見出し、本発明を完成するに至つ
た。 本発明の目的は、新規なるβ−D−キシロピラ
ノシド系化合物を提供することにある。 本発明は、すなわち、次式(): [式中、Rは炭素原子数7〜10の直鎖状アルキル
基もしくは炭素原子数3〜10の分岐状アルキル基
を表わす。] で示されるβ−D−キシロピラノシド系化合物に
関するものである。式()で示される化合物
は、新規化合物である。 上記式()中、Rで表わされる1価の炭化水
素基が、炭素原子数7〜10個の直鎖状アルキル基
もしくは炭素原子数3〜10個の分岐状アルキル基
であると、式()で示されるキシロピラノシド
が、コンドロイチン硫酸の開始剤として顕著な効
果を発揮する為に好ましい。 具体的化合物としては、 (1) n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (2) n−オクチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (3) n−ノニル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (4) n−デシル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (5) イソプロピル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (6) イソブチル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (7) sec−ブチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (8) イソアミル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (9) ネオペンチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (10) sec−イソアミル 1−チオ−β−D−キシ
ロピラノシド (11) イソヘキシル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (12) イソノニル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド などが挙げられる。 式()で示される本発明化合物は、次に示す
反応経路に従つて合成することができる。すなわ
ち、 [上記経路及び式中、Acはアセチル(CH3CO)
基を表わす。Xは臭素又はヨウ素を表わし、Rは
前述の意味を有する。] すなわち、D−キシロース()をハドソン
(Hudson)等の方法[シー・エス・ハドソン(C.
S.Hudson)、ジエー・エム・ジヨンソン(J.M.
Johnson)、ジヤーナル・オブ・ジ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサイエテイ(J.Am.Chem.
Soc.)、37、2748(1915)]によりアセチル化して
テトラアセテート()を得、これをホランド
(Holland)等の方法[シー・ブイ・ホランド
(C.V.Holland)、デイー・ホートン(D.
Horton)、ジエー・エス・ジユーウエル(J.S.
Jewell)、ジヤーナル・オブ・オーニツク・ケミ
ストリー(J.Org.Chem)、32、1818(1967)]によ
り塩化アルミニウムで処理して化合物()を得
る。このとき、()を塩化アルミニウムで短時
間処理すると()のβ−体が得られるが、長時
間処理すると熱力学的により安定なα−体が得ら
れる。()はまた()を塩化亜鉛存在下、塩
化アセチルと処理することによつても得ることが
できる[上記、J.Am.Chem.Soc.、37、2748
(1915)参照]。 次に化合物()をチオ尿素、次いでピロ亜硫
酸カリウムと反応させて化合物()を得る。次
いでこの化合物()をRXで表わされる臭化物
もしくはヨウ化物と反応させて化合物()を得
る。かくして得られる化合物()をメタノール
中、触媒量の水酸化リチウム等の塩基で処理し
て、本発明の化合物()を得る。 かくして、得られる本発明のβ−D−キシロピ
ラノシド系化合物は、後記試験例、第2表に於て
示すように、コンドロイチン硫酸生合成の良き開
始剤(initiator)となる。しかも本発明のβ−D
−キシロピラノシド系化合物を開始剤として合成
されるグリコサミノグリカンは、正常なプロテオ
グリカン(分子量2.5×106以上)に比べて、タン
パク質成分を結合しておらず、しかも分子量が極
めて低い(分子量2.0×104〜3.0×104)ため組織
中にとどまり難く、組織培養系では、培地中に、
動物体内では、組織を難れて血流中に遊離される
ことになる。このことは、本発明のβ−D−キシ
ロピラノシド系化合物を生体に投与することによ
つて、組織を構成する細胞膜表面のプロテオグリ
カンの量を減少せしめ、低分子量のグリコサミノ
グリカン(コンドロイチン硫酸等)が血液中に放
出される結果となる。癌細胞を例にとつて説明す
れば、癌細胞表面のプロテオグリカンの量が極め
て少量となり、癌細胞はいわば裸の状態となつ
て、免疫細胞による免疫力を高める結果となる。
従つて、本発明化合物は癌の予防及び治療に有用
であることが充分期待される。 また、血流中に放出されるグリコサミノグリカ
ン(コンドロイチン硫酸等)は、体外から特別に
投与されたコンドロイチン硫酸と同様の効果を生
体に及ぼし、血管壁への脂質沈着、動脈硬化に由
来する諸疾患の予防及び治療に有用であることが
期待される。 さらに、本発明のβ−D−キシロピラノシド系
化合物は従来のO−β−D−キシロピラノシド系
化合物と比べ、生体に投与されるに際して、酵素
等による加水分解を受け難く、従つて制癌効果、
動脈硬化抑制効果等が、損われることなく良好に
発揮される。この点で従来例にはない利点を有し
ている。 以下、実施例及び試験例を示して本発明を更に
詳しく説明する。 実施例 1 n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 50%アセトン水溶液20mlに2,3,4−トリ−
O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド(V)2.92gと臭化n−ヘプチル1.79gを加
えた。この溶液に、更に、炭酸カリウム1.38gを
加え、1時間煮沸還流した。反応終了後、溶液を
酢酸で中和し、クロロホルムで抽出し、水洗乾燥
した。溶媒を留去し、無色油状のn−ヘプチル
2,3,4−トリ−O−アセチル−1−チオ−β
−D−キシロピラノシド()2.55gを得た。収
率65.3%。 かくして得られたn−ヘプチル2,3,4−ト
リ−O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド()の比旋光度、赤線スペクトル及び
NMRスペクトルを測定した。結果を以下に示し
た。 [α]21 D=−66.4゜(C=1.38、CHCl3)。 IR(neat、cm-1):1755。 1HNMR(CDCl3)、δ、ppm:4.6(1H、d、J
=8Hz、1−H)、4.27(1H、dd、J=5.6、12
Hz、H−5e)、3.38(1H、dd、J=9.2、12Hz、
H−5a)、2.05(3H、s)、2.07(6H、s)、0.9
(3H、t)、1.33(10H、m)、2.67(2H、t)、
4.8〜5.5(3H、m)。 次にこの化合物()2.45gをメタノール10ml
に溶解し、この溶液に水酸化リチウム10mg加えた
後、室温で1時間攪拌して、本発明化合物である
n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド1.5gを得た。収率95%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 1HNMR(CD30D)、δ、ppm:0.9(3H、t)、
1.3(10H、m)、2.67(2H、t)、3〜4.1(5H、
m)、4.32(1H、d、J=9Hz、H−1)。 実施例 2 n−オクチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 塩化メチレン20mlに2,3,4−トリ−O−ア
セチル−1−チオ−β−D−キシロピラノシド
()2.92gと臭化n−オクチル1.93gを溶解し、
更にトリエチルアミン1.53mlを加えて、室温下1
日間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、
乾燥した後、溶媒を留去し、無色で油状のn−オ
クチル−2,3,4−トリ−O−アセチル−1−
チオ−β−D−キシロピラノシド()1.039g
を得た。収率25.7%。 [α]21 D=−60.1゜(C=1.33、CHCl3)。 IR(neat、cm-1):1755。 1HNMR(CDCl3)、δ、ppm:4.6(1H、d、J
=8Hz、1−H)、4.27(1H、dd、J=5.6、12
Hz、H−5e)、3.38(1H、dd、J=9.2、12Hz、
H−5a)、2.05(6H、s)、2.07(3H、s)、0.9
(3H、t)、1.33(10H、m)、2.67(2H、t)、
4.8〜5.5(3H、m)。 かくして得られた化合物()2gをメタノー
ル10mlに溶解し、水酸化リチウム15mgを加えて、
室温で1時間攪拌し、n−オクチル−1−チオ−
β−D−キシロピラノシドの無色針状晶1.32gを
得た。収率95%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 比較例 1 n−ラウリル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 臭化n−ヘプチルの代わりに、臭化n−ラウリ
ル2.49gを用いた以外は、実施例1と同一の原料
及び方法により、n−ラウリル−2,3,4−ト
リ−O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド()の無色の針状晶2.3gを得た。収
率50%。 mp:52℃ IR(KBr、cm-1):1745。 次いで、この化合物()を実施例1と同一の
方法により脱アセチル化して、n−ラウリル1−
チオ−β−D−キシロピラノシドの無色針状晶を
得た。収率90%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 比較例 2 n−ステアリル 1−チオ−β−D−キシロ
ピラノシドの合成 臭化n−ヘプチルの代わりに、ヨウ化n−ステ
アリル3.8gを用い、煮沸還流処理時間を1.5時間
とした以外は、実施例1と同一の原料及び方法に
より、n−ステアリル−2,3,4−トリ−O−
アセチル−1−チオ−β−D−キシロピラノシド
()の白色粉末1.63gを得た。収率30%。 mp:60〜61℃ IR(KBr、cm-1):1745。 次いでこの化合物()を実施例1と同一の方
法で処理し、n−ステアリル 1−チオ−β−D
−キシロピラノシドの白色粉末を得た。収率85
%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 実施例 3 イソプロピル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 50%アセトン水溶液20mlに2,3,4−トリ−
O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド()2.92gと炭酸カリウム1.38gを加え
た。この溶液にヨウ化イソプロピル1.7gを滴下
して加えた後、室温で2時間攪拌した。反応終了
後、実施例1と同一の処理を施して無色油状のイ
ソプロピル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ド()1.98gを得た。収率96%。Rf(トルエ
ン:酢酸エチル=3:1);0.43。 次にこの化合物()を実施例1と同一の方法
で脱アセチル化して、本発明化合物であるイソプ
ロピル 1−チオ−β−D−キシロピラノシドの
無色針状結晶1.18gを得た。収率96%。 IR(KBr、cm-1):3370、1045。 実施例 4 sec−ブチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 臭化n−ヘプチルの代わりに臭化sec−ブチル
1.37gを用い、煮沸還流処理時間を1.5時間とし
て以外は、実施例1と同一の原料及び方法によ
り、無色油状のsec−ブチル2,3,4−トリ−
O−アセチル−β−D−キシロピラノシド()
1.04gを得た。収率30%。Rf(トルエン:酢酸エ
チル=3:1):0.50。 次いで、この化合物()を実施例1と同一の
方法で脱アセチル化してsec−ブチル 1−チオ
−β−D−キシロピラノシドの無色針状結晶0.6
gを得た。収率90%。 IR(KBr、cm-1):3380、1050。 比較例 3 アリル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ドの合成 ヨウ化イソプロピルの代わりに、ヨウ化アリル
1.68gを用いた以外は、実施例3と同一の原料及
び方法により、無色油状のアリル2,3,4−ト
リ−O−アセチル−β−D−キシロピラノシド
()3.32gを得た。収率100%。 Rf(トルエン:酢酸エチル=3:1):0.48。 次いで、この化合物()を実施例1と同一の
方法で脱アセチル化して、アリル 1−チオ−β
−D−キシロピラノシドの、無色針状もしくは、
リン片状結晶1.88gを得た。収率91%。 IR(KBr、cm-1):3380、1630、1045。 実施例 5 臭化n−ヘプチルの代わりに、臭化n−ノニ
ル、臭化n−デシル臭化n−ウンデシル、臭化n
−ミリスチル、臭化n−セチル、臭化n−イソブ
チル、臭化イソアミル、臭化プロパルギル、もし
くは臭化イソヘキシルを用いた以外は実施例1と
同一の原料及び方法により、n−ノニル 1−チ
オ−β−D−キシロピラノシド、n−デシル 1
−チオ−β−D−キシロピラノシド、n−ウンデ
シル 1−チオ−β−D−キシロピラノシド、n
−ミリスチル 1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド、n−セチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド、n−イソブチル 1−チオ−β−D−
キシロピラノシド、イソアミル 1−チオ−β−
D−キシロピラノシド、プロパルギル 1−チオ
−β−D−キシロピラノシド及びイソヘキシル
1−チオ−β−D−キシロピラノシドを得た。 次に、実施例1〜5及び比較例1〜3により製
造された本発明のβ−D−キシロピラノシド系化
合物の融点、比旋光度及び薄層クロマトグラフイ
ー(TLC)(固定相:シリカゲル、移動相、
CHCl3:MeOH=7:1)にてRf値を測定した。
結果を第1表に示した。
合物に係り、更に詳しくは、細胞膜表面に存在す
る複合糖質(プロテオグリカン)の質及び量を変
える性質を有し、制癌効果、動脈硬化抑制効果、
血栓抑制効果等が期待されるβ−D−キシロピラ
ノシド系化合物に関する。 従来、アグリコンとしてパラニトロフエニル基
等を有するO−β−D−キシロピラノシド系化合
物が、細胞膜表面あるいは細胞間に存在し、生体
組織の重要な構成要素となつているいわゆるプロ
テオグリカンの量を変化させ、或る種の細胞膜表
面の性質を大きく変化させることが知られている
[ジヤーナル・オブ・バイオケミストリー(J.
Biochem.)、74、1069−1073(1973)]。 この性質は、癌細胞を例にとると、O−β−D
−キシロピラノシド系化合物が、癌細胞表面のプ
ロテオグリカンの性質を変え、その量を少なくし
て癌細胞をいわば裸の状態とし、もつて生体の癌
細胞に対する免疫性を高めることによつて発癌の
予防、癌細胞の免疫による治療効果を高めること
が充分期待される。 ところが、かかるO−β−D−キシロピラノシ
ド系化合物は、生体に投与されると酵素等により
加水分解作用を受け易く、その効果が著しく低減
されるという不都合があつた。 そこで本発明者等は、酵素等の加水分解作用を
受け難く、プロテオグリカンの性質を変え、その
量を低減する効果を有するβ−D−キシロピラノ
シド系化合物を見出し、本発明を完成するに至つ
た。 本発明の目的は、新規なるβ−D−キシロピラ
ノシド系化合物を提供することにある。 本発明は、すなわち、次式(): [式中、Rは炭素原子数7〜10の直鎖状アルキル
基もしくは炭素原子数3〜10の分岐状アルキル基
を表わす。] で示されるβ−D−キシロピラノシド系化合物に
関するものである。式()で示される化合物
は、新規化合物である。 上記式()中、Rで表わされる1価の炭化水
素基が、炭素原子数7〜10個の直鎖状アルキル基
もしくは炭素原子数3〜10個の分岐状アルキル基
であると、式()で示されるキシロピラノシド
が、コンドロイチン硫酸の開始剤として顕著な効
果を発揮する為に好ましい。 具体的化合物としては、 (1) n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (2) n−オクチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (3) n−ノニル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (4) n−デシル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (5) イソプロピル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (6) イソブチル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (7) sec−ブチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (8) イソアミル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド (9) ネオペンチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (10) sec−イソアミル 1−チオ−β−D−キシ
ロピラノシド (11) イソヘキシル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド (12) イソノニル 1−チオ−β−D−キシロピラ
ノシド などが挙げられる。 式()で示される本発明化合物は、次に示す
反応経路に従つて合成することができる。すなわ
ち、 [上記経路及び式中、Acはアセチル(CH3CO)
基を表わす。Xは臭素又はヨウ素を表わし、Rは
前述の意味を有する。] すなわち、D−キシロース()をハドソン
(Hudson)等の方法[シー・エス・ハドソン(C.
S.Hudson)、ジエー・エム・ジヨンソン(J.M.
Johnson)、ジヤーナル・オブ・ジ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサイエテイ(J.Am.Chem.
Soc.)、37、2748(1915)]によりアセチル化して
テトラアセテート()を得、これをホランド
(Holland)等の方法[シー・ブイ・ホランド
(C.V.Holland)、デイー・ホートン(D.
Horton)、ジエー・エス・ジユーウエル(J.S.
Jewell)、ジヤーナル・オブ・オーニツク・ケミ
ストリー(J.Org.Chem)、32、1818(1967)]によ
り塩化アルミニウムで処理して化合物()を得
る。このとき、()を塩化アルミニウムで短時
間処理すると()のβ−体が得られるが、長時
間処理すると熱力学的により安定なα−体が得ら
れる。()はまた()を塩化亜鉛存在下、塩
化アセチルと処理することによつても得ることが
できる[上記、J.Am.Chem.Soc.、37、2748
(1915)参照]。 次に化合物()をチオ尿素、次いでピロ亜硫
酸カリウムと反応させて化合物()を得る。次
いでこの化合物()をRXで表わされる臭化物
もしくはヨウ化物と反応させて化合物()を得
る。かくして得られる化合物()をメタノール
中、触媒量の水酸化リチウム等の塩基で処理し
て、本発明の化合物()を得る。 かくして、得られる本発明のβ−D−キシロピ
ラノシド系化合物は、後記試験例、第2表に於て
示すように、コンドロイチン硫酸生合成の良き開
始剤(initiator)となる。しかも本発明のβ−D
−キシロピラノシド系化合物を開始剤として合成
されるグリコサミノグリカンは、正常なプロテオ
グリカン(分子量2.5×106以上)に比べて、タン
パク質成分を結合しておらず、しかも分子量が極
めて低い(分子量2.0×104〜3.0×104)ため組織
中にとどまり難く、組織培養系では、培地中に、
動物体内では、組織を難れて血流中に遊離される
ことになる。このことは、本発明のβ−D−キシ
ロピラノシド系化合物を生体に投与することによ
つて、組織を構成する細胞膜表面のプロテオグリ
カンの量を減少せしめ、低分子量のグリコサミノ
グリカン(コンドロイチン硫酸等)が血液中に放
出される結果となる。癌細胞を例にとつて説明す
れば、癌細胞表面のプロテオグリカンの量が極め
て少量となり、癌細胞はいわば裸の状態となつ
て、免疫細胞による免疫力を高める結果となる。
従つて、本発明化合物は癌の予防及び治療に有用
であることが充分期待される。 また、血流中に放出されるグリコサミノグリカ
ン(コンドロイチン硫酸等)は、体外から特別に
投与されたコンドロイチン硫酸と同様の効果を生
体に及ぼし、血管壁への脂質沈着、動脈硬化に由
来する諸疾患の予防及び治療に有用であることが
期待される。 さらに、本発明のβ−D−キシロピラノシド系
化合物は従来のO−β−D−キシロピラノシド系
化合物と比べ、生体に投与されるに際して、酵素
等による加水分解を受け難く、従つて制癌効果、
動脈硬化抑制効果等が、損われることなく良好に
発揮される。この点で従来例にはない利点を有し
ている。 以下、実施例及び試験例を示して本発明を更に
詳しく説明する。 実施例 1 n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 50%アセトン水溶液20mlに2,3,4−トリ−
O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド(V)2.92gと臭化n−ヘプチル1.79gを加
えた。この溶液に、更に、炭酸カリウム1.38gを
加え、1時間煮沸還流した。反応終了後、溶液を
酢酸で中和し、クロロホルムで抽出し、水洗乾燥
した。溶媒を留去し、無色油状のn−ヘプチル
2,3,4−トリ−O−アセチル−1−チオ−β
−D−キシロピラノシド()2.55gを得た。収
率65.3%。 かくして得られたn−ヘプチル2,3,4−ト
リ−O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド()の比旋光度、赤線スペクトル及び
NMRスペクトルを測定した。結果を以下に示し
た。 [α]21 D=−66.4゜(C=1.38、CHCl3)。 IR(neat、cm-1):1755。 1HNMR(CDCl3)、δ、ppm:4.6(1H、d、J
=8Hz、1−H)、4.27(1H、dd、J=5.6、12
Hz、H−5e)、3.38(1H、dd、J=9.2、12Hz、
H−5a)、2.05(3H、s)、2.07(6H、s)、0.9
(3H、t)、1.33(10H、m)、2.67(2H、t)、
4.8〜5.5(3H、m)。 次にこの化合物()2.45gをメタノール10ml
に溶解し、この溶液に水酸化リチウム10mg加えた
後、室温で1時間攪拌して、本発明化合物である
n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド1.5gを得た。収率95%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 1HNMR(CD30D)、δ、ppm:0.9(3H、t)、
1.3(10H、m)、2.67(2H、t)、3〜4.1(5H、
m)、4.32(1H、d、J=9Hz、H−1)。 実施例 2 n−オクチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 塩化メチレン20mlに2,3,4−トリ−O−ア
セチル−1−チオ−β−D−キシロピラノシド
()2.92gと臭化n−オクチル1.93gを溶解し、
更にトリエチルアミン1.53mlを加えて、室温下1
日間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、
乾燥した後、溶媒を留去し、無色で油状のn−オ
クチル−2,3,4−トリ−O−アセチル−1−
チオ−β−D−キシロピラノシド()1.039g
を得た。収率25.7%。 [α]21 D=−60.1゜(C=1.33、CHCl3)。 IR(neat、cm-1):1755。 1HNMR(CDCl3)、δ、ppm:4.6(1H、d、J
=8Hz、1−H)、4.27(1H、dd、J=5.6、12
Hz、H−5e)、3.38(1H、dd、J=9.2、12Hz、
H−5a)、2.05(6H、s)、2.07(3H、s)、0.9
(3H、t)、1.33(10H、m)、2.67(2H、t)、
4.8〜5.5(3H、m)。 かくして得られた化合物()2gをメタノー
ル10mlに溶解し、水酸化リチウム15mgを加えて、
室温で1時間攪拌し、n−オクチル−1−チオ−
β−D−キシロピラノシドの無色針状晶1.32gを
得た。収率95%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 比較例 1 n−ラウリル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 臭化n−ヘプチルの代わりに、臭化n−ラウリ
ル2.49gを用いた以外は、実施例1と同一の原料
及び方法により、n−ラウリル−2,3,4−ト
リ−O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド()の無色の針状晶2.3gを得た。収
率50%。 mp:52℃ IR(KBr、cm-1):1745。 次いで、この化合物()を実施例1と同一の
方法により脱アセチル化して、n−ラウリル1−
チオ−β−D−キシロピラノシドの無色針状晶を
得た。収率90%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 比較例 2 n−ステアリル 1−チオ−β−D−キシロ
ピラノシドの合成 臭化n−ヘプチルの代わりに、ヨウ化n−ステ
アリル3.8gを用い、煮沸還流処理時間を1.5時間
とした以外は、実施例1と同一の原料及び方法に
より、n−ステアリル−2,3,4−トリ−O−
アセチル−1−チオ−β−D−キシロピラノシド
()の白色粉末1.63gを得た。収率30%。 mp:60〜61℃ IR(KBr、cm-1):1745。 次いでこの化合物()を実施例1と同一の方
法で処理し、n−ステアリル 1−チオ−β−D
−キシロピラノシドの白色粉末を得た。収率85
%。 IR(KBr、cm-1):3200〜3500、2920、2850、
1045〜1050。 実施例 3 イソプロピル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 50%アセトン水溶液20mlに2,3,4−トリ−
O−アセチル−1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド()2.92gと炭酸カリウム1.38gを加え
た。この溶液にヨウ化イソプロピル1.7gを滴下
して加えた後、室温で2時間攪拌した。反応終了
後、実施例1と同一の処理を施して無色油状のイ
ソプロピル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ド()1.98gを得た。収率96%。Rf(トルエ
ン:酢酸エチル=3:1);0.43。 次にこの化合物()を実施例1と同一の方法
で脱アセチル化して、本発明化合物であるイソプ
ロピル 1−チオ−β−D−キシロピラノシドの
無色針状結晶1.18gを得た。収率96%。 IR(KBr、cm-1):3370、1045。 実施例 4 sec−ブチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシドの合成 臭化n−ヘプチルの代わりに臭化sec−ブチル
1.37gを用い、煮沸還流処理時間を1.5時間とし
て以外は、実施例1と同一の原料及び方法によ
り、無色油状のsec−ブチル2,3,4−トリ−
O−アセチル−β−D−キシロピラノシド()
1.04gを得た。収率30%。Rf(トルエン:酢酸エ
チル=3:1):0.50。 次いで、この化合物()を実施例1と同一の
方法で脱アセチル化してsec−ブチル 1−チオ
−β−D−キシロピラノシドの無色針状結晶0.6
gを得た。収率90%。 IR(KBr、cm-1):3380、1050。 比較例 3 アリル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ドの合成 ヨウ化イソプロピルの代わりに、ヨウ化アリル
1.68gを用いた以外は、実施例3と同一の原料及
び方法により、無色油状のアリル2,3,4−ト
リ−O−アセチル−β−D−キシロピラノシド
()3.32gを得た。収率100%。 Rf(トルエン:酢酸エチル=3:1):0.48。 次いで、この化合物()を実施例1と同一の
方法で脱アセチル化して、アリル 1−チオ−β
−D−キシロピラノシドの、無色針状もしくは、
リン片状結晶1.88gを得た。収率91%。 IR(KBr、cm-1):3380、1630、1045。 実施例 5 臭化n−ヘプチルの代わりに、臭化n−ノニ
ル、臭化n−デシル臭化n−ウンデシル、臭化n
−ミリスチル、臭化n−セチル、臭化n−イソブ
チル、臭化イソアミル、臭化プロパルギル、もし
くは臭化イソヘキシルを用いた以外は実施例1と
同一の原料及び方法により、n−ノニル 1−チ
オ−β−D−キシロピラノシド、n−デシル 1
−チオ−β−D−キシロピラノシド、n−ウンデ
シル 1−チオ−β−D−キシロピラノシド、n
−ミリスチル 1−チオ−β−D−キシロピラノ
シド、n−セチル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド、n−イソブチル 1−チオ−β−D−
キシロピラノシド、イソアミル 1−チオ−β−
D−キシロピラノシド、プロパルギル 1−チオ
−β−D−キシロピラノシド及びイソヘキシル
1−チオ−β−D−キシロピラノシドを得た。 次に、実施例1〜5及び比較例1〜3により製
造された本発明のβ−D−キシロピラノシド系化
合物の融点、比旋光度及び薄層クロマトグラフイ
ー(TLC)(固定相:シリカゲル、移動相、
CHCl3:MeOH=7:1)にてRf値を測定した。
結果を第1表に示した。
【表】
試験例
15日目のニワトリ胚(chick embryo)からタ
イロード培地(Tyrod′es medium)中で骨端軟
骨を氷冷しながら採取し、余分な組織を取り除い
た。5匹分に相当する軟骨150mgに5mlのBGJb
[完全合成培地、GIBCO社(Grand Island
Biological Company)の処方に従つて調製]を
加え、37℃で前培養(pre−incubation)を行な
つた。培地を交換した後、新たに1mlを加え、
2μCiのNA2 35SO4を添加して37℃で2時間保温し
た。さらに、アイソトープを含まない新鮮な培地
(chase medium、追跡培地)1mlと交換し、37
℃で1時間保温を行なつてから培地と組織に分離
した。キシロシド化合物のグリコサミノグリカン
の合成に及ぼす影響を調べるためには、前培養及
び培養の培地中にキシロシド化合物のジメチルス
ルホキシド(DMSO)溶液を一定濃度になるよ
うに添加した。 培養後、ラベル培地(labeled medium、
Na2 35SO4を含む培地)と追跡培地(chase
medium)を合わせて0.5M Tris−HCl緩衝液
(PH8.0)中でプロナーゼ−pを加え、50℃で16時
間消化した。消化反応液を、0.2Mギ酸アンモニ
ウム液を溶出液としてバイオ−ゲルP−2(Bio
−Gel、Bio−Rad社製商品名)を充填したカラ
ム(1.5×14cm)を用いてゲルろ過に付し、V0画
分集めた後、凍結乾燥して粗グリコサミノグリカ
ンを得た。 一方、上記に於て、培地と分離された組織に
は、氷冷した4Mグアニジン塩酸を加え、−20℃に
て一夜放置後均一にすり潰し(homogenize)し
た。得られたホモジエートを室温で一夜放置後、
8500rpmで遠心し、上清を得た。この上清に3倍
量の水を加え、さらにその3倍量の95%エタノー
ル(1.3%の酢酸カリウムを含む)を加えて、沈
殿を得た。この操作をさらに2回繰り返した後、
得られた沈殿を合わせて、デシケータ中で乾燥さ
せた。得られた沈殿を0.02M Tris−HCl緩衝液
(PH8.0)に溶かし、上記した培地の場合と同様に
プロナーゼによる消化を行なつて粗グリコサミノ
グリカンを得た。 キシロシド化合物として、既知物質であるメチ
ル 1−チオ−β−D−キシロピラノシド及びn
−ブチル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ド、新規化合物であるn−ヘプチル 1−チオ−
β−D−キシロピラノシド、n−オクチル 1−
チオ−β−D−キシロピラノシド、n−ノニル
1−チオ−β−D−キシロピラノシド、n−デシ
ル 1−チオ−β−D−キシロピラノシド、n−
ウンデシル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ド、n−ラウリル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド、及びn−セチル 1−チオ−β−D−
キシロピラノシドを用い[35S]グリコサミノグ
リカンの総合成量(35S取り込み量)に対する影
響をみた。 即ち、まず溶媒であるDMSO添加の影響をみ
た後、培地中にシクロヘキシミドを終濃度0.3m
Mとなる様に加えて、[35S]グリコサミノグリカ
ンの合成を約95%まで阻止した。次いで、かくし
てグリコサミノグリカンの合成を阻害された培地
中にキシロシド化合物の種々の濃度のDMSO溶
液を加えて、35S取り込み割合[無添加(control)
培地中における取り込み量を100としたときの、
35S取り込み量の相対値をパーセントで表わした
もの]の回復状況をみた。結果を第2表に示し
た。
イロード培地(Tyrod′es medium)中で骨端軟
骨を氷冷しながら採取し、余分な組織を取り除い
た。5匹分に相当する軟骨150mgに5mlのBGJb
[完全合成培地、GIBCO社(Grand Island
Biological Company)の処方に従つて調製]を
加え、37℃で前培養(pre−incubation)を行な
つた。培地を交換した後、新たに1mlを加え、
2μCiのNA2 35SO4を添加して37℃で2時間保温し
た。さらに、アイソトープを含まない新鮮な培地
(chase medium、追跡培地)1mlと交換し、37
℃で1時間保温を行なつてから培地と組織に分離
した。キシロシド化合物のグリコサミノグリカン
の合成に及ぼす影響を調べるためには、前培養及
び培養の培地中にキシロシド化合物のジメチルス
ルホキシド(DMSO)溶液を一定濃度になるよ
うに添加した。 培養後、ラベル培地(labeled medium、
Na2 35SO4を含む培地)と追跡培地(chase
medium)を合わせて0.5M Tris−HCl緩衝液
(PH8.0)中でプロナーゼ−pを加え、50℃で16時
間消化した。消化反応液を、0.2Mギ酸アンモニ
ウム液を溶出液としてバイオ−ゲルP−2(Bio
−Gel、Bio−Rad社製商品名)を充填したカラ
ム(1.5×14cm)を用いてゲルろ過に付し、V0画
分集めた後、凍結乾燥して粗グリコサミノグリカ
ンを得た。 一方、上記に於て、培地と分離された組織に
は、氷冷した4Mグアニジン塩酸を加え、−20℃に
て一夜放置後均一にすり潰し(homogenize)し
た。得られたホモジエートを室温で一夜放置後、
8500rpmで遠心し、上清を得た。この上清に3倍
量の水を加え、さらにその3倍量の95%エタノー
ル(1.3%の酢酸カリウムを含む)を加えて、沈
殿を得た。この操作をさらに2回繰り返した後、
得られた沈殿を合わせて、デシケータ中で乾燥さ
せた。得られた沈殿を0.02M Tris−HCl緩衝液
(PH8.0)に溶かし、上記した培地の場合と同様に
プロナーゼによる消化を行なつて粗グリコサミノ
グリカンを得た。 キシロシド化合物として、既知物質であるメチ
ル 1−チオ−β−D−キシロピラノシド及びn
−ブチル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ド、新規化合物であるn−ヘプチル 1−チオ−
β−D−キシロピラノシド、n−オクチル 1−
チオ−β−D−キシロピラノシド、n−ノニル
1−チオ−β−D−キシロピラノシド、n−デシ
ル 1−チオ−β−D−キシロピラノシド、n−
ウンデシル 1−チオ−β−D−キシロピラノシ
ド、n−ラウリル 1−チオ−β−D−キシロピ
ラノシド、及びn−セチル 1−チオ−β−D−
キシロピラノシドを用い[35S]グリコサミノグ
リカンの総合成量(35S取り込み量)に対する影
響をみた。 即ち、まず溶媒であるDMSO添加の影響をみ
た後、培地中にシクロヘキシミドを終濃度0.3m
Mとなる様に加えて、[35S]グリコサミノグリカ
ンの合成を約95%まで阻止した。次いで、かくし
てグリコサミノグリカンの合成を阻害された培地
中にキシロシド化合物の種々の濃度のDMSO溶
液を加えて、35S取り込み割合[無添加(control)
培地中における取り込み量を100としたときの、
35S取り込み量の相対値をパーセントで表わした
もの]の回復状況をみた。結果を第2表に示し
た。
【表】
【表】
【表】
第2表から明らかなように、培地中に終濃度
0.1〜1.0%のDMSOを添加した場合には、35S取り
込み割合が±10%と、少ない変動量となるが、こ
れに、[35S]グリコサミノグリカン合成の阻害と
なるシクロヘキシミドを加えると約5〜6%に低
下する。 かかる状態の培地に、0.02〜0.10mMの本発明
のキシロシド化合物のDMSO溶液を加えると、
35S取り込み割合が、低いものでも10.0%まで回
復し、n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロ
ピラノシド或いはn−オクチル 1−チオ−β−
D−キシロピラノシドを用いた場合には、0.02m
MのDMSO溶液でも無添加(control)の場合と
比べて約2倍の35S取り込み量を示し、本発明化
合物が、既知物質であるメチル 1−チオ−β−
D−キシロピラノシド或いはn−ブチル 1−チ
オ−β−D−キシロピラノシドなどと比べても、
コンドロイチン硫酸合成の良きinitiatorとなるこ
とを示している。
0.1〜1.0%のDMSOを添加した場合には、35S取り
込み割合が±10%と、少ない変動量となるが、こ
れに、[35S]グリコサミノグリカン合成の阻害と
なるシクロヘキシミドを加えると約5〜6%に低
下する。 かかる状態の培地に、0.02〜0.10mMの本発明
のキシロシド化合物のDMSO溶液を加えると、
35S取り込み割合が、低いものでも10.0%まで回
復し、n−ヘプチル 1−チオ−β−D−キシロ
ピラノシド或いはn−オクチル 1−チオ−β−
D−キシロピラノシドを用いた場合には、0.02m
MのDMSO溶液でも無添加(control)の場合と
比べて約2倍の35S取り込み量を示し、本発明化
合物が、既知物質であるメチル 1−チオ−β−
D−キシロピラノシド或いはn−ブチル 1−チ
オ−β−D−キシロピラノシドなどと比べても、
コンドロイチン硫酸合成の良きinitiatorとなるこ
とを示している。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 次式: [式中、Rは炭素原子数7〜10の直鎖状アルキル
基もしくは炭素原子数3〜10の分岐状アルキル基
を表わす。] で示されるβ−D−キシロピラノシド系化合物。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14400181A JPS5846099A (ja) | 1981-09-14 | 1981-09-14 | β―D―キシロピラノシド系化合物 |
EP84100499A EP0118676B1 (en) | 1980-12-09 | 1981-12-07 | D-xylopyranoside series compounds and therapeutical compositions containing same |
DE8181110216T DE3172379D1 (en) | 1980-12-09 | 1981-12-07 | D-xylopyranoside series compounds and therapeutical compositions containing same |
DE8484100499T DE3176465D1 (en) | 1980-12-09 | 1981-12-07 | D-xylopyranoside series compounds and therapeutical compositions containing same |
EP81110216A EP0053827B1 (en) | 1980-12-09 | 1981-12-07 | D-xylopyranoside series compounds and therapeutical compositions containing same |
EP84100498A EP0117413B1 (en) | 1980-12-09 | 1981-12-07 | D-xylopyranoside series compounds and therapeutical compositions containing same |
DE8484100498T DE3176380D1 (en) | 1980-12-09 | 1981-12-07 | D-xylopyranoside series compounds and therapeutical compositions containing same |
US06/472,786 US4454123A (en) | 1980-12-09 | 1983-03-07 | O-xylopyranoside series compounds and methods of use |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14400181A JPS5846099A (ja) | 1981-09-14 | 1981-09-14 | β―D―キシロピラノシド系化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5846099A JPS5846099A (ja) | 1983-03-17 |
JPH0136833B2 true JPH0136833B2 (ja) | 1989-08-02 |
Family
ID=15352002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14400181A Granted JPS5846099A (ja) | 1980-12-09 | 1981-09-14 | β―D―キシロピラノシド系化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5846099A (ja) |
-
1981
- 1981-09-14 JP JP14400181A patent/JPS5846099A/ja active Granted
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
CHEM ABST=1970 * |
CHEM ABST=1988 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5846099A (ja) | 1983-03-17 |
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