JPH0120254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、合成樹脂のシート状材料から真空成
形により製作されるもので、一辺を支点にして揺
動開閉自在に連設された容器本体と蓋体とを有す
るとともに、複数個の鶉卵収納用凹部を一体形成
してなる鶉卵用容器に関する。

従来のこの種の容器は、第５図で示すように前
記鶉卵収納用凹部０３が、前記容器本体０１及び
蓋体０２側に夫々相対向させて卵の約半分の深さ
に形成した二つの凹部０３ａ，０３ｂから形成さ
れるものであつたが、このような構成の従来品
は、元来が小さい鶉卵用の容器の本体及び蓋体に
いわば二分割された非常に小さい凹部を多数形成
する必要があり、そのために成形型の製作費が高
く付くといつた費用面での不利に加えて、容器の
何れの箇所にも内容物の種類や製造業者等を表示
するためのマーク等を明確に付すに足りる十分な
大きさのフラツト面がなく、印刷するにしても、
貼付するにしてもポスマークの付設に苦心を要し
更に、鶉卵を収納した多数の容器を運搬したり、
陳列等するために積み重ねるにあたつて、容器の
底面部及び上面部がともに前記の凹部の存在によ
つてでこぼこしているから、安定良く積み重ねる
には凹部に凸部が落ち込むように上下に隣接する
容器を互いに位置齟齬させて積み重ねる必要があ
り、そのため多段積みができず、運搬や陳列時等
に要するスペースが嵩むといつた欠点があつた。

本考案はかかる実情に鑑み、従来と同一個数の
鶉卵を区画収納でき、しかも、製造費の面やポス
マークの付設面、並びに陳列等のスペース面でと
もに従来よりも有利な鶉卵用容器を提供する点に
目的を有する。

上記の目的達成のために本考案に係る鶉卵用容
器は、一辺を支点にして揺動開閉自在に連設され
た容器本体と蓋体とのうち、容器本体側にのみ複
数個の鶉卵収納用凹部を一体形成するとともに、
蓋体側で閉塞姿勢において前記容器本体の周辺フ
ランジに接当する周辺フランジを除く部分全体を
凹入させ、その凹入部にはその周辺に環状矩形の
補強溝部を形成し、それ以外の中央部分にフラツ
ト面を形成し、かつ、前記容器本体側に閉塞姿勢
において前記蓋体のフラツト面下面に接当する突
起を形成し、更に前記フラツト面にポスマークを
付設してあるという構成を有し、次のような作用
効果を有するに至つた。

〔１〕 複数個の鶉卵収納用凹部を容器本体側に
のみ形成し、蓋体側は閉塞姿勢を維持する上で
必要な周辺フランジを除く大部分を凹入させる
ものであるから、既述従来品に比べて、小さく
て精巧な造作を要する凹部の数が少なくて済
み、成形型の製作費、ひいては製品価格の低減
が図れるものでありながら、前記容器本体側に
形成の複数個の凹部夫々に鶉卵を収納すること
により、鶉卵を互いに区画して卵同志の衝突に
伴なう損傷を回避した収納が可能である。

〔２〕 前記蓋体側にはその周辺部に環状矩形の
補強溝部を有する状態でそれの大部分を利用し
た大きなフラツト面を形成することができるか
ら印刷手段、或いは貼付手段であつても、ポス
マークを明確なる状態で容易に付設することが
でき、併せてブランドマーク等を付設表示する
ことも容易で、しかも付設されたポスマーク等
は補強溝部の存在によつて他物との摺接が少な
く容易に損傷されることがない。

〔３〕 前記蓋体上面にはその周辺に環状矩形の
補強溝部を形成し、それ以外の中央部分に大き
なフラツト面が存在し、かつそのフラツト面を
容器本体側の突起で受止め支持させることがで
きるので、鶉卵を収納した容器をずれのない状
態で安定良く多段積みすることができ、運搬や
陳列等をスペース面で有利に、かつ安全に行な
い得る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図において１は外郭形状が長方
形の容器本体であり、２は同様に外郭形状が長方
形の蓋体であつて、両者１，２は隣接する一方の
長辺に沿つて形成した突曲部７を支点にして揺動
開閉自在に連設されている。前記容器本体１側に
は、環状矩形の周辺フランジ１Ａで囲まれる部分
に短辺方向に二列、かつ、長辺方向に五個で合計
十個の鶉卵収納用凹部３……が等間隔に一体形成
されているとともに、前記蓋体２側で閉塞姿勢に
おいて、前記容器本体１の周辺フランジ１Ａに密
着接当する環状矩形の周辺フランジ２Ａを除く部
分全体を閉塞姿勢での上方側に凹入形成し、この
凹入部２Ｂには、それの周辺に環状矩形の補強溝
部２Ｃが、かつそれ以外の中央部分にフラツト面
４が形成されている。そして、前記蓋体２のフラ
ツト面４にはポスマーク６が印刷されているとと
もに、そのポスマーク６の印刷箇所以外のフラツ
ト面４部分には必要に応じてブランド等の種々表
示マークを貼付可能である。更に、前記容器本体
１の鶉卵収納用凹部３……を互いに区画する隔壁
部１Ｂ……の交差点相当位置には、容器本体１と
蓋体２とを閉塞させた姿勢において、前記蓋体２
のフラツト面４下面に接当して、前記各凹部３…
…に収納した鶉卵Ｅ……の上端にフラツト面４が
当接することを防止するための突起５……が一体
に突出形成されているのであつて、上記構成のも
の全体がポリプロピレンなど熱可塑性合成樹脂の
シート状材料から真空成形により一体製作されて
いる。

尚、前記各凹部３は、その入口部を鶉卵Ｅに対
して余裕のある径のものに形成するか、又は第４
図で明示の如く、そこに鶉卵Ｅを収納したとき、
最も強度的に弱い天が真上に向かず、卵全体をや
や斜めに傾いた姿勢で収納できるように、入口部
の中心と底部の中心とを結ぶ直線Ｘが鉛直線Ｙに
対してやや傾斜する状態のものに形成することに
よつて鶉卵の破損被害を極力抑制できるものであ
る。

また、前記ポスマーク６は真空成形前の樹脂素
板に予め印刷しておくことが最も好ましいが成形
後に印刷するも、マークを印刷した紙を貼り付け
るも良い。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々全体斜視図、第３図は
縦断面図、第４図は別実施例の要部の拡大縦断面
図、第５図は従来品の全体斜視図である。 １……容器本体、１Ａ……周辺フランジ、２…
…蓋体、２Ａ……周辺フランジ、２Ｂ……凹入
部、３……凹部、４……フラツト面、５……突
起、６……ポスマーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一辺を支点にして揺動開閉自在に連設された容
   器本体１と蓋体２とのうち、容器本体１側にのみ
   複数個の鶉卵収納用凹部３……を一体形成すると
   ともに、蓋体２側で閉塞姿勢において前記容器本
   体１の周辺フランジ１Ａに接当する周辺フランジ
   ２Ａを除く部分全体を凹入させ、その凹入部２Ｂ
   にはその周辺に環状矩形の補強溝部２Ｃを形成
   し、それ以外の中央部分にフラツト面４を形成
   し、かつ、前記容器本体１側に閉塞姿勢において
   前記蓋体２のフラツト面４下面に接当する突起５
   を形成し、更に前記フラツト面４にポスマーク６
   を付設してある鶉卵用容器。