JPH0116241B2 - - Google Patents
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- JPH0116241B2 JPH0116241B2 JP56167058A JP16705881A JPH0116241B2 JP H0116241 B2 JPH0116241 B2 JP H0116241B2 JP 56167058 A JP56167058 A JP 56167058A JP 16705881 A JP16705881 A JP 16705881A JP H0116241 B2 JPH0116241 B2 JP H0116241B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C11—ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
- C11C—FATTY ACIDS FROM FATS, OILS OR WAXES; CANDLES; FATS, OILS OR FATTY ACIDS BY CHEMICAL MODIFICATION OF FATS, OILS, OR FATTY ACIDS OBTAINED THEREFROM
- C11C3/00—Fats, oils, or fatty acids by chemical modification of fats, oils, or fatty acids obtained therefrom
- C11C3/006—Fats, oils, or fatty acids by chemical modification of fats, oils, or fatty acids obtained therefrom by oxidation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08C—TREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
- C08C19/00—Chemical modification of rubber
- C08C19/04—Oxidation
- C08C19/06—Epoxidation
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- Polymers & Plastics (AREA)
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- Epoxy Compounds (AREA)
Description
本発明はエポキシ化物の精製方法に関し、さら
に詳しくは液状共役ジオレフイン重合体あるいは
植物油を有機過酸あるいは反応系中で有機過酸を
発生するエポキシ化剤と反応させることにより得
られる粗エポキシ化物の精製方法に関する。 今日、エポキシ化共役ジオレフイン重合体ある
いはエポキシ化植物油はそのままポリ塩化ビニル
樹脂の安定剤や可塑剤として用いられるほか、接
着剤や塗料の改質剤としてもよく用いられてい
る。さらに反応性のエポキシ基を利用して、活性
水素を有する化合物、例えば無機酸、有機酸、フ
エノール類、アミン類などと反応させたものは塗
料、接着剤、界面活性剤など、非常に広範囲な用
途に用いられている。 このようなエポキシ化共役ジオレフイン重合体
あるいはエポキシ化植物油は液状共役ジオレフイ
ン重合体あるいは植物油をエポキシ化剤と反応さ
せることにより製造されており、これには一般に
エポキシ化剤として有機過酸を用いる方法と、反
応系中で過酸化水素水により有機過酸を発生させ
ることによりエポキシ化する方法の2つがとられ
ている。そしてこのエポキシ化反応終了時には、
反応混合液中には生成したエポキシ化物および未
反応過酸化物、有機または無機酸、水などが含ま
れている、さらに未反応過酸化物を分解したり、
酸類を中和したりするために亜硫酸ナトリウムや
苛性ソーダなどのアルカリを添加する場合には、
これらの塩類やアルカリも含まれることになる。 この反応混合液中に存在するエポキシ化共役ジ
オレフイン重合体やエポキシ化植物油を精製する
ためには通常次のような方法がとられている。す
なわち反応混合液中に水が存在しない場合には粗
エポキシ化物を主成分とする反応混合液を水で繰
り返し洗浄してその中に含まれる未反応過酸化物
や酸、塩類を除去する。場合によつては亜硫酸ナ
トリウムやアルカリを含む水溶液で洗浄すること
も行われている。また反応混合液中に水が存在す
る場合には洗浄に先だつて反応混合液を静置して
未反応過酸化物、酸類、塩類を含む水相の分離が
行なわれている。そして次の蒸留工程で、こうし
て洗浄して得られたエポキシ化物から、その中に
少量含まれている水や溶媒を留去することにより
目的とする精製エポキシ化物が得られる。 以上のようなエポキシ化方法およびそれに続く
粗エポキシ化物の精製方法は例えばカーク、オス
マー著「エンサイクロペデイアオブケミカルテク
ノロジー」第3版第9巻251ページや特公昭33−
3239号、特公昭39−24726号、特公昭51−43878号
などに開示されている。 しかしながら前述のような従来行なわれていた
エポキシ化物の精製方法では、粗エポキシ化物の
洗浄工程や反応混合液に水が含まれている場合の
反応混合液の油相−水相分離工程でしばしば破壊
しがたいエマルジヨンが発生し、しかもこのエマ
ルジヨン発生は生成するエポキシ化物のオキシラ
ン酸素含有量が増加するに従つて著しくなる傾向
があるという問題があつた。 エマルジヨンの発生は極端な場合にはエポキシ
化物の分離回収をまつたく不可能にしてしまう。
また分離回収が可能な場合でも廃水へのエポキシ
化物の混入を引きおこしエポキシ化物の得率を下
げるほか、洗浄されたエポキシ化物に過酸化物や
酸類が混入することにより次の蒸留工程でエポキ
シ化物の重合やオキシラン環の開環などの反応が
おこり、エポキシ化物の性状に好ましからぬ変化
を引きおこしてしまう。さらにエポキシ化物への
塩類やアルカリなどの混入はたとえ微少な量であ
つてもそのエポキシ化物を次の反応に供する場合
には重大な影響を与えることが多い。 したがつてこのような破壊しがたいエマルジヨ
ン発生した場合には、従来より粗エポキシ化物の
洗浄回数を多くしたり、反応混合液に水が含まれ
る際には反応混合液の油水分離のための静置時間
を長くするなどの処置がとられているが、これら
の方法は時間的、経済的な損失が大きい。 そこで本発明者らは上記のような問題点を解決
するために研究を重ねた結果、エポキシ化反応混
合液より容易に純度の高い、安定した性状のエポ
キシ化物を得る方法を見いだした。 本発明は、エマルジヨンの発生を抑えながらエ
ポキシ化反応混合液より容易に純度の高い、安定
した性状のエポキシ化物を得ることを目的とす
る。 すなわち本発明は、液状共役ジオレフイン重合
体あるいは植物油を有機過酸あるいは反応系中で
有機過酸を発生するエポキシ化剤と反応させるこ
とにより得られる粗エポキシ化物100重量部に対
して10〜80重量%のイソプロパノール水溶液50〜
300重量部を接触させることを特徴とするエポキ
シ化物の精製方法を提供するものである。 本発明の精製方法によればエポキシ化反応混合
液の油相−水相分離や粗エポキシ化物の洗浄工程
において極めて短かい静置時間でエマルジヨンが
破壊され、油相と水相をきれいに分離することが
でき、しかもエポキシ化物を含む油相中には過酸
化物、酸類、塩類、アルカリなどがほとんど含ま
れない。したがつて本発明のエポキシ化物の精製
方法によつて純度の高い、安定した性状のエポキ
シ化物を得ることができるほか、反応混合液に水
が含まれる場合の静置時間が短縮される、粗エポ
キシ化物の水洗回数が減らせるエポキシ化物の精
製操作を連続化できるなど、経済的な利点ははか
り知れない。 以下、本発明によるエポキシ化物の精製方法に
ついてより具体的に説明する。 本発明でいう液状共役ジオレフイン重合体と
は、共役ジオレフインのホモ重合体もしくは共役
ジオレフインを50モル%以上含む共役ジオレフイ
ン共重合体のことであり、数平均分子量が300〜
10000のものをいう。かかる共役ジオレフインと
しては例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエンなどを挙げることができ、
また共重合用コモノマーとしては共役ジオレフイ
ンと共重合可能な共役ビニルモノマー、例えばス
チレンやアクリル酸エステルなどを挙げることが
できる。 液状共役ジオレフイン重合体はアルカリ金属ま
たはその有機金属化合物を開始剤として上記の共
役ジオレフインを単独で、あるいは共重合用コモ
ノマーと共にアニオン重合させることにより得る
ことができる。さらに配位アニオン重合触媒によ
つて得られる重合体、およびラジカル開始剤でテ
ロメリゼーシヨンさせることによつて得られる重
合体も同様に本発明での液状共役ジオレフイン共
重合体として使用することができる。こうして製
造される共役ジオレフイン重合体は1,2−重合
体;1,4−重合体、あるいはその混合体のいず
れでも本発明に使用することができる。 また本発明でいう植物油としては、例えば大豆
油、亜麻仁油、サフラワー油、ひまわり油、とう
もろこし油などの半乾性油または乾性油を挙げる
ことができる。 このような液状共役ジオレフイン重合体あるい
は植物油のエポキシ化反応は、一般にエポキシ化
剤として過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸な
どのような有機過酸を用いるか、あるいは硫酸、
強酸性イオン交換樹脂のような酸性触媒の存在下
あるいは非存在下に蟻酸、酢酸などのような有機
酸を過酸化水素水と作用させて反応系内で有機過
酸を発生させることにより行われる。特に有機酸
として蟻酸を用いる場合には、酸性触媒は必要な
く、過酸化水素水と作用させるだけで反応系中に
過蟻酸が生成するのでエポキシ化反応を有利に行
なうことができる。 エポキシ化反応でのエポキシ化剤としての有機
過酸の量、または過酸化水素、有機酸、酸性触媒
の量は、液状共役ジオレフイン重合体あるいは植
物油に導入しようとするオキシラン酸素量および
反応条件などによつて変化するが、一般に次の値
が好ましく採用される。 (1) 植物油またはジオレフイン重合体中の二重結
合量:有機過酸=1:0.1〜3(当量比) (2) 植物油またはジオレフイン重合体中の二重結
合量:過酸化水素=1:0.1〜3(当量比) 過酸化水素:有機酸:酸性触媒=1:0.05〜
1.0:0=0.1(当量比) このエポキシ化反応の反応温度は一般に0〜
100℃、好ましくは20〜70℃であるが、エポキシ
化反応が発熱反応なので、熱除去を有利に行うた
めに有機過酸または過酸化水素水を逐次添加する
こともできる。反応に要する時間は反応温度およ
び所望のオキシラン酸素含有量によつても異なる
が通常1〜10時間である。 エポキシ化反応は無溶媒下でも行い得るが必要
があればエポキシ化剤に対して不活性なn−ヘキ
サン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルムなどのよ
うな溶媒の存在下でも行うことができる。 したがつて本発明でいう粗エポキシ化物とは、
液状共役ジオレフイン重合体あるいは植物油を無
溶媒下でエポキシ化剤と反応させることにより得
られる、未反応過酸化物や副生成物を含むエポキ
シ化物だけでなく、前記の溶媒中でエポキシ化さ
せることにより得られるエポキシ化物の溶媒溶液
をも意味する。 本発明の特徴は液状共役ジオレフイン重合体あ
るいは植物油を前記の方法によつてエポキシ化す
ることにより得られる粗エポキシ化物を特定量か
つ特定濃度のイソプロパノール水溶液と接触させ
る点にある。 前述の過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸な
どの有機過酸をエポキシ化剤として用いた場合に
は、エポキシ化反応終了時には反応混合液として
未反応過酸化物や有機酸を含む粗エポキシ化物が
得られる。この場合には、本発明では反応混合液
に直接イソプロパノール水溶液を加えて洗浄する
ことにより、洗浄時にエマルジヨンの発生もおこ
らず、純度の高いエポキシ化物が得られる。 一方、酸性触媒の存在あるいは非存在下に蟻
酸、酢酸などのような有機酸を過酸化水素水と作
用させ、反応系内で有機過酸を発生させることに
よりエポキシ化反応を行う場合には、反応系内に
過酸化水素の希釈のための水や過酸化水素の分解
により発生する水が存在し、エポキシ化反応終了
時には、通常、粗エポキシ化物からなる油相と未
反応過酸化物や有機または無機酸などを含む水相
とからなる反応混合液が得られる。この場合には
本発明ではこの反応混合液を静置して通常の方法
により水相を除去し、油相である粗エポキシ化物
にイソプロパノール水溶液を添加して粗エポキシ
化物の洗浄を行つてもよいが、反応混合液から水
相を除去する操作を行うことなく、反応混合液に
直接イソプロパノール水溶液を加えて粗エポキシ
化物の洗浄を行うほうが、反応混合液の油相−水
相分離の際のエマルジヨン発生も抑えられ、より
純度の高いエポキシ化物が得られる。 粗エポキシ化物に添加するイソプロパノール水
溶液の濃度は10〜80重量%、好ましくは25〜50重
量%である。濃度がこれより低いと洗浄力が低下
し、また濃度がこれより高いと水相と油相の分離
に支障を生じる。添加量は粗エポキシ化物100重
量部に対して50〜300重量部、好ましくは70〜200
重量部である。量がこれより少ないと洗浄力が低
下し、また量をこれより多くしてもそれ以上効果
の増大が認められない。このイソプロパノール水
溶液に過酸化物を分解したり、酸を中和するた
め、苛性ソーダなどのアルカリや亜硫酸ナトリウ
ムを添加して使用してもさしつかえない。 イソプロパノールを水溶液形態で添加する代り
にイソプロパノールと水を別々に添加してもよ
く、その場合の添加順序は任意である。 粗エポキシ化物とイソプロパノール水溶液とを
混合して粗エポキシ化物を洗浄する操作温度は任
意であるが、通常0〜100℃、好ましくは20〜80
℃の温度範囲である。また洗浄工程での粗エポキ
シ化物とイソプロパノール水溶液の混合時間は通
常3〜60分、好ましくは10〜30分であり、その後
に続く静置時間は5〜180分、好ましくは10〜60
分である。これらの操作は回分式、連続式のいず
れの操作でも実施可能である。 このように粗エポキシ化物の洗浄のために粗エ
ポキシ化物とイソプロパノール水溶液を混合し、
次に静置分離するという操作は通常1〜2回で十
分であるが、必要に応じて3回以上の洗浄操作を
繰り返してさらにエポキシ化物の純度を高めるこ
とも可能である。 本発明による代表的な操作の一例としては、液
状共役ジオレフイン重合体あるいは植物油を有機
酸および過酸化水素水によりエポキシ化した後、
反応混合液を静置して水相を除去する操作を行う
ことなく、アルカリを含むイソプロパノール水溶
液を直接反応混合液に加えて撹拌し、次に静置し
て油相と水相に分離し、エポキシ化物からなる油
相に再度イソプロパノール水溶液を加えて撹拌、
静置して水相を除去することにより、未反応過酸
化物、酸、アルカリ、無機塩類を含まないエポキ
シ化物を得る方法が挙げられる。 イソプロパノール水溶液で洗浄して得られるエ
ポキシ化物はさらに水および場合によつては溶媒
を除くために公知の方法で蒸留をかけることによ
り塔底より精製エポキシ化物を得ることができ
る。 次に具体的な例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例 1 窒素雰囲気下、ベンゼン溶媒中でベンジルナト
リウムを開始剤、トルエンを連鎖移動剤として40
℃でブタジエンを重合させることにより、数平均
分子量1770、粘度97ポイズ/25℃、ビニル基含量
65重量%の液状ブタジエン重合体を得た。 この液状ブタジエン重合体250gを還流冷却器、
滴下ロート、撹拌機を備えた2フラスコに採取
し、ベンゼン500g、及び100%蟻酸11.0g
(10.24モル)を仕込み、60℃で撹拌しながら滴下
ロートより60重量%過酸化水素水75.0g(1.33モ
ル)約20分間かけて滴下した。その後60℃でさら
に3時間撹拌を続けた。 反応終了後、1重量%の亜硫酸ナトリウムを含
む30重量%のイソプロパノール水溶液800gを反
応混合液に加え、60℃で3分間撹拌した。その後
この液を静置すると、2〜3分間で相分離がおこ
り、透明な油相と水相が得られた。静置30分後に
水相を分離除去し、油相に30重量%イソプロパノ
ール水溶液350gを加えて再び60℃で30分間撹拌
した。この液を静置すると直ちに相分離し、静置
30分後に油相を抜き出した。油相を分析したとこ
ろ、過酸化物残存量はエポキシ化物に対して
200ppm(過酸化水素換質)、蟻酸残存量はエポキ
シ化物に対して0.28重量%であり、未反応過酸化
物はほぼ完全に除去され、蟻酸も仕込量の94重量
%が除かれていることがわかつた。 この油相の一部をとり、ロータリーエバポレー
ターを用いて100℃、5mmHgの減圧化で水および
溶媒を留去したところ、オキシラン酸素含有量
4.1重量%、粘度720ポイズ/25℃のエポキシ化ブ
タジエン重合体が得られた。 一方、30重量%イソプロパノール水溶液350g
による洗浄をさらに3回繰り返して過酸化物残存
量がエポキシ化物に対して101ppm(過酸化水素換
質)、蟻酸残存量がエポキシ化物に対して97ppm
の油相を得、この油相から上と同様の操作により
水および溶媒を除いたところ、オキシラン酸素含
有量4.0重量%、粘度720ポイズ/25℃のエポキシ
化ブタジエン重合体が得られた。 以上のことにより、イソプロパノール水溶液に
よる粗エポキシ化物の2回にわたる洗浄後にエポ
キシ化物に残存している過酸化物と蟻酸は、その
後の蒸留工程でもエポキシ化物の粘度及びオキシ
ラン酸素含有量等の性状にまつたく悪影響を与え
ていないことが明らかであり、イソプロパノール
水溶液による洗浄は2回だけでも十分な効果を持
つことがわかる。 実施例 2 実施例1と同様にして得られた液状ブタジエン
重合体250gを還流冷却器、滴下ロース、撹拌機
を備えた2フラスコに採取し、ベンゼン500g、
及び100%蟻酸11g(0.24モル)を仕込んだ。60
℃で撹拌しながら滴下ロースより60重量%過酸化
水素水75.0g(1.33モル)約1時間かけて滴下
し、その後60℃でさらに6時間撹拌を続けた。反
応終了後、10.6g(0.26モル)の苛性ソーダを含
む40重量%イソプロパノール水溶液600gを反応
混合液に加えて60℃で30分間混合した。撹拌を停
止するとただちに相分離が起こり、さらに60℃で
1時間静置後油相を分離した。この油相を分析し
たところギ酸は検出されず、過酸化物残存量はエ
ポキシ化物に対し84ppm(過酸化水素換質)であ
つた。 実施例1と同様の操作を行い揮発物を留去して
オキシラン酸素、含有量5.2重量%、粘度
1120poise/25℃のエポキシ化ブタジエン重合体
を得た。 実施例 3 実施例1と同様にして得られた液状ブタジエン
重合体250g、ベンゼン500g、100%蟻酸22g
(0.48モル)を還流冷却器、滴下ロート、撹拌機
を備えた2フラスコに仕込み、60℃で撹拌しな
がら滴下ロートより60重量%過酸化水素水90g
(1.57モル)を滴下し、さらに同温度で8時間撹
拌を続けた。 反応終了後、20.0g(0.50モル)の苛性ソーダ
を含む40重量%のイソプロパノール水溶液800g
を加えて60℃で30分間混合した。次に同温度で1
時間静置したところ、相分離は完全であつた。こ
の油相を分離して実施例1と同様の操作により揮
発分を留去し、オキシラン酸素含有量6.5重量%、
粘度3600ポイズ/25℃のエポキシ化ブタジエン重
合体を得た。 実施例 4 エポキシ化反応の溶媒をベンゼンからトルエン
に変えたのみで、他の条件はまつたく変えずに実
施例3の操作を繰り返した。イソプロパノール水
溶液で洗浄後の反応混合液の油水分離状態は実施
例3と同様に良好であり、オキシラン酸素含有量
6.4重量%のエポキシ化ブタジエン重合体を得た。 比較例 1 実施例2と同一条件で液状ブタジエン重合体の
エポキシ化反応を行つた。反応終了後、水600g
を加えて60℃で30分間撹拌した。次に撹拌を停止
し、同温度で静置したが3時間経過後もエマルジ
ヨンは破壊されず、油相と水相の分離は不可能だ
つた。 実施例5、比較例2〜10 実施例3の反応混合液100gを分液ロートにと
り、これに表1に示した親水性有機溶媒の40%水
溶液(溶解しない場合は混合液)100gを加えて
5分間振とうした。室温で30分静置したときの様
子を表1に示した。なお40%水溶液中には反応混
合液100ml中に含まれる蟻酸の1.1倍当量の苛性ソ
ーダを溶解させてある。
に詳しくは液状共役ジオレフイン重合体あるいは
植物油を有機過酸あるいは反応系中で有機過酸を
発生するエポキシ化剤と反応させることにより得
られる粗エポキシ化物の精製方法に関する。 今日、エポキシ化共役ジオレフイン重合体ある
いはエポキシ化植物油はそのままポリ塩化ビニル
樹脂の安定剤や可塑剤として用いられるほか、接
着剤や塗料の改質剤としてもよく用いられてい
る。さらに反応性のエポキシ基を利用して、活性
水素を有する化合物、例えば無機酸、有機酸、フ
エノール類、アミン類などと反応させたものは塗
料、接着剤、界面活性剤など、非常に広範囲な用
途に用いられている。 このようなエポキシ化共役ジオレフイン重合体
あるいはエポキシ化植物油は液状共役ジオレフイ
ン重合体あるいは植物油をエポキシ化剤と反応さ
せることにより製造されており、これには一般に
エポキシ化剤として有機過酸を用いる方法と、反
応系中で過酸化水素水により有機過酸を発生させ
ることによりエポキシ化する方法の2つがとられ
ている。そしてこのエポキシ化反応終了時には、
反応混合液中には生成したエポキシ化物および未
反応過酸化物、有機または無機酸、水などが含ま
れている、さらに未反応過酸化物を分解したり、
酸類を中和したりするために亜硫酸ナトリウムや
苛性ソーダなどのアルカリを添加する場合には、
これらの塩類やアルカリも含まれることになる。 この反応混合液中に存在するエポキシ化共役ジ
オレフイン重合体やエポキシ化植物油を精製する
ためには通常次のような方法がとられている。す
なわち反応混合液中に水が存在しない場合には粗
エポキシ化物を主成分とする反応混合液を水で繰
り返し洗浄してその中に含まれる未反応過酸化物
や酸、塩類を除去する。場合によつては亜硫酸ナ
トリウムやアルカリを含む水溶液で洗浄すること
も行われている。また反応混合液中に水が存在す
る場合には洗浄に先だつて反応混合液を静置して
未反応過酸化物、酸類、塩類を含む水相の分離が
行なわれている。そして次の蒸留工程で、こうし
て洗浄して得られたエポキシ化物から、その中に
少量含まれている水や溶媒を留去することにより
目的とする精製エポキシ化物が得られる。 以上のようなエポキシ化方法およびそれに続く
粗エポキシ化物の精製方法は例えばカーク、オス
マー著「エンサイクロペデイアオブケミカルテク
ノロジー」第3版第9巻251ページや特公昭33−
3239号、特公昭39−24726号、特公昭51−43878号
などに開示されている。 しかしながら前述のような従来行なわれていた
エポキシ化物の精製方法では、粗エポキシ化物の
洗浄工程や反応混合液に水が含まれている場合の
反応混合液の油相−水相分離工程でしばしば破壊
しがたいエマルジヨンが発生し、しかもこのエマ
ルジヨン発生は生成するエポキシ化物のオキシラ
ン酸素含有量が増加するに従つて著しくなる傾向
があるという問題があつた。 エマルジヨンの発生は極端な場合にはエポキシ
化物の分離回収をまつたく不可能にしてしまう。
また分離回収が可能な場合でも廃水へのエポキシ
化物の混入を引きおこしエポキシ化物の得率を下
げるほか、洗浄されたエポキシ化物に過酸化物や
酸類が混入することにより次の蒸留工程でエポキ
シ化物の重合やオキシラン環の開環などの反応が
おこり、エポキシ化物の性状に好ましからぬ変化
を引きおこしてしまう。さらにエポキシ化物への
塩類やアルカリなどの混入はたとえ微少な量であ
つてもそのエポキシ化物を次の反応に供する場合
には重大な影響を与えることが多い。 したがつてこのような破壊しがたいエマルジヨ
ン発生した場合には、従来より粗エポキシ化物の
洗浄回数を多くしたり、反応混合液に水が含まれ
る際には反応混合液の油水分離のための静置時間
を長くするなどの処置がとられているが、これら
の方法は時間的、経済的な損失が大きい。 そこで本発明者らは上記のような問題点を解決
するために研究を重ねた結果、エポキシ化反応混
合液より容易に純度の高い、安定した性状のエポ
キシ化物を得る方法を見いだした。 本発明は、エマルジヨンの発生を抑えながらエ
ポキシ化反応混合液より容易に純度の高い、安定
した性状のエポキシ化物を得ることを目的とす
る。 すなわち本発明は、液状共役ジオレフイン重合
体あるいは植物油を有機過酸あるいは反応系中で
有機過酸を発生するエポキシ化剤と反応させるこ
とにより得られる粗エポキシ化物100重量部に対
して10〜80重量%のイソプロパノール水溶液50〜
300重量部を接触させることを特徴とするエポキ
シ化物の精製方法を提供するものである。 本発明の精製方法によればエポキシ化反応混合
液の油相−水相分離や粗エポキシ化物の洗浄工程
において極めて短かい静置時間でエマルジヨンが
破壊され、油相と水相をきれいに分離することが
でき、しかもエポキシ化物を含む油相中には過酸
化物、酸類、塩類、アルカリなどがほとんど含ま
れない。したがつて本発明のエポキシ化物の精製
方法によつて純度の高い、安定した性状のエポキ
シ化物を得ることができるほか、反応混合液に水
が含まれる場合の静置時間が短縮される、粗エポ
キシ化物の水洗回数が減らせるエポキシ化物の精
製操作を連続化できるなど、経済的な利点ははか
り知れない。 以下、本発明によるエポキシ化物の精製方法に
ついてより具体的に説明する。 本発明でいう液状共役ジオレフイン重合体と
は、共役ジオレフインのホモ重合体もしくは共役
ジオレフインを50モル%以上含む共役ジオレフイ
ン共重合体のことであり、数平均分子量が300〜
10000のものをいう。かかる共役ジオレフインと
しては例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエンなどを挙げることができ、
また共重合用コモノマーとしては共役ジオレフイ
ンと共重合可能な共役ビニルモノマー、例えばス
チレンやアクリル酸エステルなどを挙げることが
できる。 液状共役ジオレフイン重合体はアルカリ金属ま
たはその有機金属化合物を開始剤として上記の共
役ジオレフインを単独で、あるいは共重合用コモ
ノマーと共にアニオン重合させることにより得る
ことができる。さらに配位アニオン重合触媒によ
つて得られる重合体、およびラジカル開始剤でテ
ロメリゼーシヨンさせることによつて得られる重
合体も同様に本発明での液状共役ジオレフイン共
重合体として使用することができる。こうして製
造される共役ジオレフイン重合体は1,2−重合
体;1,4−重合体、あるいはその混合体のいず
れでも本発明に使用することができる。 また本発明でいう植物油としては、例えば大豆
油、亜麻仁油、サフラワー油、ひまわり油、とう
もろこし油などの半乾性油または乾性油を挙げる
ことができる。 このような液状共役ジオレフイン重合体あるい
は植物油のエポキシ化反応は、一般にエポキシ化
剤として過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸な
どのような有機過酸を用いるか、あるいは硫酸、
強酸性イオン交換樹脂のような酸性触媒の存在下
あるいは非存在下に蟻酸、酢酸などのような有機
酸を過酸化水素水と作用させて反応系内で有機過
酸を発生させることにより行われる。特に有機酸
として蟻酸を用いる場合には、酸性触媒は必要な
く、過酸化水素水と作用させるだけで反応系中に
過蟻酸が生成するのでエポキシ化反応を有利に行
なうことができる。 エポキシ化反応でのエポキシ化剤としての有機
過酸の量、または過酸化水素、有機酸、酸性触媒
の量は、液状共役ジオレフイン重合体あるいは植
物油に導入しようとするオキシラン酸素量および
反応条件などによつて変化するが、一般に次の値
が好ましく採用される。 (1) 植物油またはジオレフイン重合体中の二重結
合量:有機過酸=1:0.1〜3(当量比) (2) 植物油またはジオレフイン重合体中の二重結
合量:過酸化水素=1:0.1〜3(当量比) 過酸化水素:有機酸:酸性触媒=1:0.05〜
1.0:0=0.1(当量比) このエポキシ化反応の反応温度は一般に0〜
100℃、好ましくは20〜70℃であるが、エポキシ
化反応が発熱反応なので、熱除去を有利に行うた
めに有機過酸または過酸化水素水を逐次添加する
こともできる。反応に要する時間は反応温度およ
び所望のオキシラン酸素含有量によつても異なる
が通常1〜10時間である。 エポキシ化反応は無溶媒下でも行い得るが必要
があればエポキシ化剤に対して不活性なn−ヘキ
サン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルムなどのよ
うな溶媒の存在下でも行うことができる。 したがつて本発明でいう粗エポキシ化物とは、
液状共役ジオレフイン重合体あるいは植物油を無
溶媒下でエポキシ化剤と反応させることにより得
られる、未反応過酸化物や副生成物を含むエポキ
シ化物だけでなく、前記の溶媒中でエポキシ化さ
せることにより得られるエポキシ化物の溶媒溶液
をも意味する。 本発明の特徴は液状共役ジオレフイン重合体あ
るいは植物油を前記の方法によつてエポキシ化す
ることにより得られる粗エポキシ化物を特定量か
つ特定濃度のイソプロパノール水溶液と接触させ
る点にある。 前述の過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸な
どの有機過酸をエポキシ化剤として用いた場合に
は、エポキシ化反応終了時には反応混合液として
未反応過酸化物や有機酸を含む粗エポキシ化物が
得られる。この場合には、本発明では反応混合液
に直接イソプロパノール水溶液を加えて洗浄する
ことにより、洗浄時にエマルジヨンの発生もおこ
らず、純度の高いエポキシ化物が得られる。 一方、酸性触媒の存在あるいは非存在下に蟻
酸、酢酸などのような有機酸を過酸化水素水と作
用させ、反応系内で有機過酸を発生させることに
よりエポキシ化反応を行う場合には、反応系内に
過酸化水素の希釈のための水や過酸化水素の分解
により発生する水が存在し、エポキシ化反応終了
時には、通常、粗エポキシ化物からなる油相と未
反応過酸化物や有機または無機酸などを含む水相
とからなる反応混合液が得られる。この場合には
本発明ではこの反応混合液を静置して通常の方法
により水相を除去し、油相である粗エポキシ化物
にイソプロパノール水溶液を添加して粗エポキシ
化物の洗浄を行つてもよいが、反応混合液から水
相を除去する操作を行うことなく、反応混合液に
直接イソプロパノール水溶液を加えて粗エポキシ
化物の洗浄を行うほうが、反応混合液の油相−水
相分離の際のエマルジヨン発生も抑えられ、より
純度の高いエポキシ化物が得られる。 粗エポキシ化物に添加するイソプロパノール水
溶液の濃度は10〜80重量%、好ましくは25〜50重
量%である。濃度がこれより低いと洗浄力が低下
し、また濃度がこれより高いと水相と油相の分離
に支障を生じる。添加量は粗エポキシ化物100重
量部に対して50〜300重量部、好ましくは70〜200
重量部である。量がこれより少ないと洗浄力が低
下し、また量をこれより多くしてもそれ以上効果
の増大が認められない。このイソプロパノール水
溶液に過酸化物を分解したり、酸を中和するた
め、苛性ソーダなどのアルカリや亜硫酸ナトリウ
ムを添加して使用してもさしつかえない。 イソプロパノールを水溶液形態で添加する代り
にイソプロパノールと水を別々に添加してもよ
く、その場合の添加順序は任意である。 粗エポキシ化物とイソプロパノール水溶液とを
混合して粗エポキシ化物を洗浄する操作温度は任
意であるが、通常0〜100℃、好ましくは20〜80
℃の温度範囲である。また洗浄工程での粗エポキ
シ化物とイソプロパノール水溶液の混合時間は通
常3〜60分、好ましくは10〜30分であり、その後
に続く静置時間は5〜180分、好ましくは10〜60
分である。これらの操作は回分式、連続式のいず
れの操作でも実施可能である。 このように粗エポキシ化物の洗浄のために粗エ
ポキシ化物とイソプロパノール水溶液を混合し、
次に静置分離するという操作は通常1〜2回で十
分であるが、必要に応じて3回以上の洗浄操作を
繰り返してさらにエポキシ化物の純度を高めるこ
とも可能である。 本発明による代表的な操作の一例としては、液
状共役ジオレフイン重合体あるいは植物油を有機
酸および過酸化水素水によりエポキシ化した後、
反応混合液を静置して水相を除去する操作を行う
ことなく、アルカリを含むイソプロパノール水溶
液を直接反応混合液に加えて撹拌し、次に静置し
て油相と水相に分離し、エポキシ化物からなる油
相に再度イソプロパノール水溶液を加えて撹拌、
静置して水相を除去することにより、未反応過酸
化物、酸、アルカリ、無機塩類を含まないエポキ
シ化物を得る方法が挙げられる。 イソプロパノール水溶液で洗浄して得られるエ
ポキシ化物はさらに水および場合によつては溶媒
を除くために公知の方法で蒸留をかけることによ
り塔底より精製エポキシ化物を得ることができ
る。 次に具体的な例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例 1 窒素雰囲気下、ベンゼン溶媒中でベンジルナト
リウムを開始剤、トルエンを連鎖移動剤として40
℃でブタジエンを重合させることにより、数平均
分子量1770、粘度97ポイズ/25℃、ビニル基含量
65重量%の液状ブタジエン重合体を得た。 この液状ブタジエン重合体250gを還流冷却器、
滴下ロート、撹拌機を備えた2フラスコに採取
し、ベンゼン500g、及び100%蟻酸11.0g
(10.24モル)を仕込み、60℃で撹拌しながら滴下
ロートより60重量%過酸化水素水75.0g(1.33モ
ル)約20分間かけて滴下した。その後60℃でさら
に3時間撹拌を続けた。 反応終了後、1重量%の亜硫酸ナトリウムを含
む30重量%のイソプロパノール水溶液800gを反
応混合液に加え、60℃で3分間撹拌した。その後
この液を静置すると、2〜3分間で相分離がおこ
り、透明な油相と水相が得られた。静置30分後に
水相を分離除去し、油相に30重量%イソプロパノ
ール水溶液350gを加えて再び60℃で30分間撹拌
した。この液を静置すると直ちに相分離し、静置
30分後に油相を抜き出した。油相を分析したとこ
ろ、過酸化物残存量はエポキシ化物に対して
200ppm(過酸化水素換質)、蟻酸残存量はエポキ
シ化物に対して0.28重量%であり、未反応過酸化
物はほぼ完全に除去され、蟻酸も仕込量の94重量
%が除かれていることがわかつた。 この油相の一部をとり、ロータリーエバポレー
ターを用いて100℃、5mmHgの減圧化で水および
溶媒を留去したところ、オキシラン酸素含有量
4.1重量%、粘度720ポイズ/25℃のエポキシ化ブ
タジエン重合体が得られた。 一方、30重量%イソプロパノール水溶液350g
による洗浄をさらに3回繰り返して過酸化物残存
量がエポキシ化物に対して101ppm(過酸化水素換
質)、蟻酸残存量がエポキシ化物に対して97ppm
の油相を得、この油相から上と同様の操作により
水および溶媒を除いたところ、オキシラン酸素含
有量4.0重量%、粘度720ポイズ/25℃のエポキシ
化ブタジエン重合体が得られた。 以上のことにより、イソプロパノール水溶液に
よる粗エポキシ化物の2回にわたる洗浄後にエポ
キシ化物に残存している過酸化物と蟻酸は、その
後の蒸留工程でもエポキシ化物の粘度及びオキシ
ラン酸素含有量等の性状にまつたく悪影響を与え
ていないことが明らかであり、イソプロパノール
水溶液による洗浄は2回だけでも十分な効果を持
つことがわかる。 実施例 2 実施例1と同様にして得られた液状ブタジエン
重合体250gを還流冷却器、滴下ロース、撹拌機
を備えた2フラスコに採取し、ベンゼン500g、
及び100%蟻酸11g(0.24モル)を仕込んだ。60
℃で撹拌しながら滴下ロースより60重量%過酸化
水素水75.0g(1.33モル)約1時間かけて滴下
し、その後60℃でさらに6時間撹拌を続けた。反
応終了後、10.6g(0.26モル)の苛性ソーダを含
む40重量%イソプロパノール水溶液600gを反応
混合液に加えて60℃で30分間混合した。撹拌を停
止するとただちに相分離が起こり、さらに60℃で
1時間静置後油相を分離した。この油相を分析し
たところギ酸は検出されず、過酸化物残存量はエ
ポキシ化物に対し84ppm(過酸化水素換質)であ
つた。 実施例1と同様の操作を行い揮発物を留去して
オキシラン酸素、含有量5.2重量%、粘度
1120poise/25℃のエポキシ化ブタジエン重合体
を得た。 実施例 3 実施例1と同様にして得られた液状ブタジエン
重合体250g、ベンゼン500g、100%蟻酸22g
(0.48モル)を還流冷却器、滴下ロート、撹拌機
を備えた2フラスコに仕込み、60℃で撹拌しな
がら滴下ロートより60重量%過酸化水素水90g
(1.57モル)を滴下し、さらに同温度で8時間撹
拌を続けた。 反応終了後、20.0g(0.50モル)の苛性ソーダ
を含む40重量%のイソプロパノール水溶液800g
を加えて60℃で30分間混合した。次に同温度で1
時間静置したところ、相分離は完全であつた。こ
の油相を分離して実施例1と同様の操作により揮
発分を留去し、オキシラン酸素含有量6.5重量%、
粘度3600ポイズ/25℃のエポキシ化ブタジエン重
合体を得た。 実施例 4 エポキシ化反応の溶媒をベンゼンからトルエン
に変えたのみで、他の条件はまつたく変えずに実
施例3の操作を繰り返した。イソプロパノール水
溶液で洗浄後の反応混合液の油水分離状態は実施
例3と同様に良好であり、オキシラン酸素含有量
6.4重量%のエポキシ化ブタジエン重合体を得た。 比較例 1 実施例2と同一条件で液状ブタジエン重合体の
エポキシ化反応を行つた。反応終了後、水600g
を加えて60℃で30分間撹拌した。次に撹拌を停止
し、同温度で静置したが3時間経過後もエマルジ
ヨンは破壊されず、油相と水相の分離は不可能だ
つた。 実施例5、比較例2〜10 実施例3の反応混合液100gを分液ロートにと
り、これに表1に示した親水性有機溶媒の40%水
溶液(溶解しない場合は混合液)100gを加えて
5分間振とうした。室温で30分静置したときの様
子を表1に示した。なお40%水溶液中には反応混
合液100ml中に含まれる蟻酸の1.1倍当量の苛性ソ
ーダを溶解させてある。
【表】
この結果よりイソプロパノールが最も油相、水
相の分離が完全で、かつ油相中にナトリウム化合
物を含まないことがわかる。 実施例 6 ヨウ素価135の大豆油250g、氷酢酸40g(0.66
モル)、n−ヘプタン50g、97重量%硫酸5.0g
(0.05モル)を還流冷却器、滴下ロート、撹拌機
を備えた2フラスコに仕込み、60℃で1時間か
けて60重量%過酸化水素水83g(1.46モル)を滴
下し、さらに同温度で6時間反応を続けた。反応
終了後32g(0.80モル)の苛性ソーダを含む40重
量%のイソプロパノール水溶液600gを加えて60
℃で30分間混合し、次に60℃で1時間静置した。
静置開始数分後に油相と水相の分離は完了してい
た。実施例1と同様の方法で油相の揮発分と留去
し、オキシラン酸素含有量6.6重量%のエポキシ
化大豆油を得た。 実施例 7 住友化学社製の液状ブタジエン重合体であるス
ミカオイル#150(1.,4−ブタジエン重合体、数
平均分子量1750)250g、ベンゼン500g、100%
蟻酸22g(0.48モル)を2フラスコに仕込み、
60℃で1時間かけて60重量%過酸化水素水90g
(1.57モル)を滴下し、さらに同温度で3時間反
応を続けた。 反応終了後、20g(0.50モル)の苛性ソーダを
含む40重量%のイソプロパノール水溶液600gを
加えて60℃で30分間混合し、次いで60℃で1時間
静置したところ相分離は完全であつた。 実施例1と同様の操作で揮発分を留去し、オキ
シラン酸素含有量6.3重量%のエポキシ化ブタジ
エン重合体を得た。 実施例 8 実施例7の液状ブタジエン重合体250g、ベン
ゼン500g、氷酢酸40g(0.66モル)、97重量%硫
酸5.0g(0.05モル)を還流冷却器、滴下ロート、
撹拌機を備えた2フラスコに仕込み、40℃で1
時間かけて60重量%過酸化水素水83g(1.46モ
ル)を滴下し、さらに同温度で3時間反応を続け
た。反応終了後、32g(0.80モル)の苛性ソーダ
を含む40重量%のイソプロパノール水溶液800g
を加えて40℃で30分間混合し、次いで40℃で1時
間静置したところ、油相と水相の分離は完全であ
つた。 実施例1と同様の方法で油相と揮発分を留去
し、オキシラン酸素含有量6.0重量%のエポキシ
化ブタジエン重合体を得た。
相の分離が完全で、かつ油相中にナトリウム化合
物を含まないことがわかる。 実施例 6 ヨウ素価135の大豆油250g、氷酢酸40g(0.66
モル)、n−ヘプタン50g、97重量%硫酸5.0g
(0.05モル)を還流冷却器、滴下ロート、撹拌機
を備えた2フラスコに仕込み、60℃で1時間か
けて60重量%過酸化水素水83g(1.46モル)を滴
下し、さらに同温度で6時間反応を続けた。反応
終了後32g(0.80モル)の苛性ソーダを含む40重
量%のイソプロパノール水溶液600gを加えて60
℃で30分間混合し、次に60℃で1時間静置した。
静置開始数分後に油相と水相の分離は完了してい
た。実施例1と同様の方法で油相の揮発分と留去
し、オキシラン酸素含有量6.6重量%のエポキシ
化大豆油を得た。 実施例 7 住友化学社製の液状ブタジエン重合体であるス
ミカオイル#150(1.,4−ブタジエン重合体、数
平均分子量1750)250g、ベンゼン500g、100%
蟻酸22g(0.48モル)を2フラスコに仕込み、
60℃で1時間かけて60重量%過酸化水素水90g
(1.57モル)を滴下し、さらに同温度で3時間反
応を続けた。 反応終了後、20g(0.50モル)の苛性ソーダを
含む40重量%のイソプロパノール水溶液600gを
加えて60℃で30分間混合し、次いで60℃で1時間
静置したところ相分離は完全であつた。 実施例1と同様の操作で揮発分を留去し、オキ
シラン酸素含有量6.3重量%のエポキシ化ブタジ
エン重合体を得た。 実施例 8 実施例7の液状ブタジエン重合体250g、ベン
ゼン500g、氷酢酸40g(0.66モル)、97重量%硫
酸5.0g(0.05モル)を還流冷却器、滴下ロート、
撹拌機を備えた2フラスコに仕込み、40℃で1
時間かけて60重量%過酸化水素水83g(1.46モ
ル)を滴下し、さらに同温度で3時間反応を続け
た。反応終了後、32g(0.80モル)の苛性ソーダ
を含む40重量%のイソプロパノール水溶液800g
を加えて40℃で30分間混合し、次いで40℃で1時
間静置したところ、油相と水相の分離は完全であ
つた。 実施例1と同様の方法で油相と揮発分を留去
し、オキシラン酸素含有量6.0重量%のエポキシ
化ブタジエン重合体を得た。
Claims (1)
- 1 液状共役ジオレフイン重合体あるいは植物油
を有機過酸あるいは反応系中で有機過酸を発生す
るエポキシ化剤と反応させることにより得られる
粗エポキシ化物100重量部に対して10〜80重量%
のイソプロパノール水溶液50〜300重量部を接触
させることを特徴とするエポキシ化物の精製方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56167058A JPS5869207A (ja) | 1981-10-21 | 1981-10-21 | エポキシ化物の精製方法 |
US06/426,061 US4423239A (en) | 1981-10-21 | 1982-09-28 | Method for purifying an epoxidation product |
DE19823238866 DE3238866A1 (de) | 1981-10-21 | 1982-10-20 | Verfahren zur reinigung eines epoxidierungsproduktes |
GB08230003A GB2109797B (en) | 1981-10-21 | 1982-10-20 | Method for purifying an epoxidation product |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56167058A JPS5869207A (ja) | 1981-10-21 | 1981-10-21 | エポキシ化物の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5869207A JPS5869207A (ja) | 1983-04-25 |
JPH0116241B2 true JPH0116241B2 (ja) | 1989-03-23 |
Family
ID=15842614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56167058A Granted JPS5869207A (ja) | 1981-10-21 | 1981-10-21 | エポキシ化物の精製方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4423239A (ja) |
JP (1) | JPS5869207A (ja) |
DE (1) | DE3238866A1 (ja) |
GB (1) | GB2109797B (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3528002A1 (de) * | 1985-08-05 | 1987-02-05 | Degussa | Verfahren zur herstellung eines cycloaliphatischen diepoxids |
DE3528005A1 (de) * | 1985-08-05 | 1987-02-05 | Degussa | Verfahren zur herstellung von aliphatischen epoxiden |
DE3528007A1 (de) * | 1985-08-05 | 1987-02-05 | Degussa | Verfahren zur herstellung von epoxidierten polybutadienen |
DE3606735C2 (de) * | 1986-03-01 | 1994-11-10 | Haensler J Gmbh | Verfahren zur Herstellung von stabilen ozonisierten Ölen aus ungesättigten Pflanzenölen |
US5382676A (en) * | 1991-08-28 | 1995-01-17 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Purified 3,4-epoxycyclohexyl methyl(meth)acrylate, a process for the preparation thereof and a 3,4-epoxycyclohexyl methyl(meth)acrylate composition |
DE19748573A1 (de) * | 1997-11-04 | 1999-05-06 | Henkel Kgaa | Verfahren zur Herstellung thermostabiler Epoxidverbindungen |
US6043383A (en) * | 1998-04-14 | 2000-03-28 | Ube Industries, Ltd. | Process for producing 1,2-epoxy-5,9-cyclododecadiene |
JP4926339B2 (ja) * | 2001-06-29 | 2012-05-09 | 株式会社ダイセル | エポキシ化反応粗液の精製方法 |
US8293808B2 (en) * | 2003-09-30 | 2012-10-23 | Cargill, Incorporated | Flexible polyurethane foams prepared using modified vegetable oil-based polyols |
WO2006012344A1 (en) | 2004-06-25 | 2006-02-02 | Pittsburg State University | Modified vegetable oil-based polyols |
BRPI0610831B1 (pt) | 2005-04-25 | 2018-04-10 | Cargill, Incorporated | Espumas de poliuretano compreendendo polióis oligoméricos e métodos de fabricar artigo de espuma moldada de poliuretano e artigo de espuma de poliuretano slabstock |
WO2008063595A2 (en) * | 2006-11-16 | 2008-05-29 | Cargill, Incorporated | Processing of natural oil-based products having increased viscosity |
MY145702A (en) * | 2007-05-22 | 2012-03-30 | Malaysian Palm Oil Board Mpob | A process to produce polyols |
JP2009173727A (ja) * | 2008-01-23 | 2009-08-06 | Toyota Motor Corp | 改質ゴム及びその製造方法 |
WO2014072986A1 (en) * | 2012-11-12 | 2014-05-15 | Dow Global Technologies Llc | Methods for making epoxidized fatty acid alkyl esters |
US20190338103A1 (en) * | 2016-12-08 | 2019-11-07 | Arkemea Inc. | Low volatile, epoxidized plasticizer composition with low levels of organic volatiles |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3222381A (en) * | 1965-12-07 | Stabilization of epoxy compounds | ||
IT518630A (ja) * | 1950-08-23 | |||
NL281669A (ja) * | 1961-08-02 | |||
US3701767A (en) * | 1971-02-02 | 1972-10-31 | Ashland Oil Inc | Peroxide bleaching of epoxidized fatty acid esters |
-
1981
- 1981-10-21 JP JP56167058A patent/JPS5869207A/ja active Granted
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1982
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