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JP7646402B2 - 照明光学系、露光装置、および物品の製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置、および物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、照明光学系、露光装置、および物品の製造方法に関する。
半導体素子などのデバイスを製造するフォトリソグラフィ工程では、一般的に、原版(マスク又はレチクル)に形成されたパターンを、感光剤を塗布した基板(シリコン基板やガラス基板)に転写する露光装置が用いられている。露光装置では、基板に転写するパターンの微細化が進み、露光条件の僅かな変化であっても、不良率を増加させ、歩留まりを低下させる要因となる。
そこで、原版を照明する照明光学系においては、照明領域における照度むらに起因して、基板に形成されるパターンの線幅が不均一になる不良を、照明領域内の積算露光量を均一にすることで抑制している。例えば、スリット形状の露光光に対して原版と基板とを相対的に走査して原版のパターンを基板に転写する走査型の露光装置に関して、積算露光量を均一にするための技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、可変スリット装置を用いて、スリット形状の露光光の走査方向の幅をスリット方向(走査方向に直交する方向)の位置に応じて変化させることで積算露光量を均一にしている。
また、半導体素子の微細化が進むにつれて、露光装置には、更なる高解像度の実現が要求され、かかる要求を満足するために、投影光学系の開口数(NA)の増加(高NA化)や露光光の短波長化が行われている。露光光が短波長化されると、一般的に、硝材の透過率が低下し、投影光学系に使用可能な硝材の種類が極めて少なくなるため、投影光学系の色収差の補正が困難となり、色収差の影響が無視できる程度に露光光の波長幅を狭くする必要がある。例えば、波長300nm以下の光を用いる投影光学系では、使用可能な硝材が石英や蛍石に限られてしまうため、露光光(露光用光源)としてレーザが用いられている。具体的には、エキシマレーザは、エネルギーが非常に高く、高いスループットが期待できるため、露光装置の短波長用の光源として広く採用されている。
一方、エキシマレーザはパルスレーザであるため、走査型の露光装置においては、走査速度とパルス発振のタイミングがずれた場合に、原版上や基板上で露光むらが生じる可能性がある。パルス発振の影響による露光むらを低減するために、被照明面(原版)上の走査方向の光強度分布を実質的に等脚台形又は二等辺三角形とすることで、走査速度とパルス発振の同期の精度を緩和する技術が提案されている。但し、被照明面上の走査方向の光強度分布を実質的に等脚台形又は二等辺三角形とするためには、NDフィルタなどの減光素子を用いることが考えられるが、この場合、光量損失を招いてしてしまう。
そこで、少ない光量損失で等脚台形や二等辺三角形などの光強度分布を形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2では、被照明面での走査方向と照明光学系の光軸とを含む平面内において、光束の主光線を被照明面から光軸方向に所定距離だけ離れた位置に集光させることで、被照明面上の光束にぼけによる傾斜領域を形成している。かかる傾斜領域の光強度分布を所定の形状にすることで、照明効率の低下(光量損失)を抑制しながら、露光量のばらつきを軽減することができる。これを実現するために、特許文献2では、オプティカルインテグレータからの光束を被照明面に重畳する照明光学系に、シリンドリカルレンズなどのアナモルフィックレンズを設けている。特許文献2に開示された技術によれば、走査速度のばらつきやパルス発振のタイミングのずれに起因する積算露光量のばらつきが最小となるように、被照明面での走査方向の光強度分布の形状を決定することができる。
特開平10-340854号公報 特開平7-230949号公報
しかしながら、オプティカルインテグレータからの光束を被照明面に重畳する照明光学系に、シリンドリカルレンズなどのアナモルフィックレンズを設けると、走査方向と走査方向に直交する方向とで、照明光学系の開口数又は射出瞳位置が異なってしまう。その結果、基板上に転写されるパターンの転写特性が、走査方向と走査方向に直交する方向とで異なってしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、被照明面を照明するのに有利な照明光学系を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての照明光学系は、被照明面を照明する照明光学系であって、光源からの光で2次光源を形成するオプティカルインテグレータを有し、前記オプティカルインテグレータは、複数の第1光学要素が配列された入射側の光学素子と、前記複数の第1光学要素のそれぞれに対応して配列された複数の第2光学要素を含む射出側の光学素子と、を含み、前記複数の第1光学要素および前記複数の第2光学要素は、第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に周期的に配列され、前記第1方向と前記第2方向の少なくとも一方の方向に関して、前記複数の第1光学要素の配列周期と前記複数の第2光学要素の配列周期とが異なることを特徴とする。
本発明によれば、被照明面を照明するのに有利な照明光学系を提供することができる。
本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略断面図である。 インテグレータから中間照明面までの構成の一例を示す概略断面図である。 インテグレータから中間照明面までの構成の一例を示す概略断面図である。 中間照明面の一点を照明する光線の様子を示す概略断面図である。 中間照明面の一点を照明する光線の様子を示す概略断面図である。 インテグレータから中間照明面までの構成の一例を示す概略断面図である。 中間照明面の一点を照明する光線の様子を示す概略断面図である。 インテグレータから中間照明面までの構成の一例を示す概略断面図である。 インテグレータから中間照明面までの構成の一例を示す概略断面図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。更に、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としての露光装置EXの構成を示す概略断面図である。露光装置EXは、半導体素子などのデバイスの製造工程に用いられ、基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置である。露光装置EXは、本実施形態では、原版18と基板21とを走査方向に移動させながら基板21を露光(走査露光)して、原版18のパターンを基板上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャナー)である。但し、露光装置EXは、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式を採用することも可能である。
露光装置EXは、図1に示すように、光源1からの光で原版18(レチクル又はマスク)を照明する照明光学系ILと、原版18のパターンを基板21(ウエハやガラスプレート)に投影する投影光学系20とを有する。また、露光装置EXは、原版18を保持して移動する原版ステージ19と、基板21を保持して移動する基板ステージ22とを有する。
光源1は、本実施形態では、パルス発振するパルス光源であって、例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザや波長約248nmのKrFエキシマレーザなどを含み、原版18を照明するための光(露光光)を射出する。
照明光学系ILは、引き回し光学系2と、射出角度保存光学素子4と、回折光学素子5と、コンデンサーレンズ6と、プリズムユニット8と、ズームレンズユニット9とを含む。また、照明光学系ILは、オプティカルインテグレータ100と、開口絞り11と、コンデンサーレンズ12と、視野絞り13と、マスキングユニット15と、結像光学系16と、折り曲げミラー17とを含む。
引き回し光学系2は、光源1からの光を、折り曲げミラー3を介して、射出角度保存光学素子4へ導く。射出角度保存光学素子4は、回折光学素子5の光源側に設けられ、フライアイレンズ、マイクロレンズアレイやファイバー束などのオプティカルインテグレータを含む。射出角度保存光学素子4は、光源1からの光を、その発散角度を一定に維持しながら回折光学素子5に導く。射出角度保存光学素子4は、光源1の出力変動が回折光学素子5によって形成される光強度分布(パターン分布)に及ぼす影響を低減する。
回折光学素子5は、照明光学系ILの瞳面とフーリエ変換の関係にある面に配置されている。回折光学素子5は、投影光学系20の瞳面と共役な面である照明光学系ILの瞳面や照明光学系ILの瞳面と共役な面に、光源1からの光の光強度分布を回折作用により変換して所望の光強度分布を形成する。回折光学素子5は、回折パターン面に所望の回折パターンが得られるように計算機で設計された計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)で構成されていてもよい。本実施形態では、投影光学系20の瞳面に形成される光源形状を有効光源形状と称する。なお、「有効光源」とは、被照明面及び被照明面の共役面における光強度分布又は光角度分布を意味する。
照明光学系ILには、複数の回折光学素子5が設けられていてもよい。例えば、複数の回折光学素子5のそれぞれはターレット(不図示)の複数のスロットに対応する1つに取り付けられ(搭載され)、任意の回折光学素子5を照明光学系ILの光路に配置する。複数の回折光学素子5は、それぞれ、異なる有効光源形状を形成する。これらの有効光源形状は、小円形形状(比較的小さな円形形状)、大円形形状(比較的大きな円形形状)、輪帯形状、二重極形状、四重極形状、その他の形状を含む。輪帯形状、二重極形状又は四重極形状の有効光源形状で被照明面を照明する方法は、変形照明と呼ばれる。
射出角度保存光学素子4からの光は、回折光学素子5で回折され、コンデンサーレンズ6に導かれる。コンデンサーレンズ6は、回折光学素子5で回折された光を集光し、回折面7に回折パターン(光強度分布)を形成する。
回折面7は、回折光学素子5と光学的にフーリエ変換の関係にある面である。照明光学系ILの光路に配置される回折光学素子5を交換することで、回折面7に形成される光強度分布の形状を変更することができる。回折面7に形成された光強度分布は、プリズムユニット8及びズームレンズユニット9を通過し、折り曲げミラー10を介して、オプティカルインテグレータ100に導かれる。
プリズムユニット8は、回折面7に形成された光強度分布を、輪帯率などを調整してズームレンズユニット9に導く。ズームレンズユニット9は、回折面7に形成された光強度分布を、ほぼ相似形を維持しながら拡大又は縮小してオプティカルインテグレータ100に導く。
オプティカルインテグレータ100は、入射した光強度分布に応じて、多数の2次光源を形成してコンデンサーレンズ12に導く。オプティカルインテグレータ100の詳細な構成については後述する。
開口絞り11は、オプティカルインテグレータ100の射出面の近傍、即ち、照明光学系ILの瞳面に配置されている。
コンデンサーレンズ12は、オプティカルインテグレータ100から導かれた多数の光を集光して、コンデンサーレンズ12の被照明面である中間照明面14を重畳的に照明する。光線をオプティカルインテグレータ100に入射してコンデンサーレンズ12で集光すると、中間照明面14は、ほぼ矩形形状の光強度分布で照明される。
結像光学系16は、中間照明面14に形成された光強度分布を、折り曲げミラー17を介して、照明光学系ILの被照明面である原版18に投影する。このように、原版18と中間照明面14とは、光学的に共役な関係となっている。
マスキングユニット15は、中間照明面14に配置されている。マスキングユニット15は、原版ステージ19に保持された原版18の照明範囲を規定するために配置され、原版ステージ19及び基板ステージ22に同期して走査される。図1において、マスキングユニット15の走査方向は、Z方向であり、原版18及び基板21の走査方向は、X方向である。
視野絞り13は、中間照明面14及びマスキングユニット15から照明光学系ILの光軸方向(X方向)に離れた位置に設けられている。視野絞り13は、コンデンサーレンズ12の被照明面である中間照明面14の走査方向(視野絞り13の位置におけるZ方向)の照明範囲を規定する。
視野絞り13は、中間照明面14から照明光学系ILの光軸方向に離れた位置に設けられているため、視野絞り13によって一部を遮光された光は、中間照明面14において、走査方向に略台形形状の光強度分布を有する。これにより、露光装置EXにおいて、走査速度又はパルス発振のタイミングがずれた場合に生じる露光むらの影響を低減することができる。
なお、本実施形態では、視野絞り13は、中間照明面14の近傍に配置されているが、被照明面である原版18の近傍に配置されていてもよい。また、本実施形態では、視野絞り13は、中間照明面14より光源側に配置されているが、これに限定されるものではなく、中間照明面14より原版側に配置されていてもよい。
また、視野絞り13は、走査方向の開口幅を、走査方向に直行する方向(非走査方向(Y方向)ごとに変更可能な可変視野絞りであってもよい。視野絞り13の走査方向の開口幅を変更することで、照明領域に形成される光強度分布の走査方向の長さを変更することができる。これにより、走査露光時の非走査方向に関する積算露光量のむらを補正することができる。
投影光学系20は、複数の光学部材(レンズやミラーなどの光学素子)を含み、原版18のパターンを基板21に投影する。原版18のパターンの解像力は、投影光学系20の開口数(NA)及び有効光源形状に依存する。
露光において、光源1から発せられた光は、照明光学系ILによって、原版ステージ19に保持された原版18を照明する。原版18のパターンは、投影光学系20によって、基板ステージ22に保持された基板21に結像される。この際、原版18と基板21とを投影光学系20の縮小倍率比の速度比で走査することによって、原版18のパターンが基板21に転写される。
以下、照明光学系ILにおけるオプティカルインテグレータ100の構成について説明する。図2及び図3は、照明光学系ILの一部の構成、具体的には、オプティカルインテグレータ100から中間照明面14までの構成を示す概略断面図であって、図2は、XY平面における断面を示し、図3は、XZ平面における断面を示している。
オプティカルインテグレータ100は、本実施形態では、入射側光学素子である入射側インテグレータ101と、射出側光学素子である射出側インテグレータ102とで構成されている。入射側インテグレータ101及び射出側インテグレータ102は、それぞれ、走査方向(Z方向)及び走査方向に直交(交差)する非走査方向(Y方向)に配列されたレンズアレイ(ハエの目レンズ)である。
入射側インテグレータ101は、走査方向(第1方向)及び非走査方向(第2方向)に周期的に配列された複数の入射側の要素レンズ(第1光学要素)101aを含む。射出側インテグレータ102は、複数の入射側の要素レンズ101aのそれぞれに対応して配列された複数の射出側の要素レンズ(第2光学要素)102aを含む。なお、XY平面及びXZ平面以外にも、要素レンズ(不図示)が配列されている。図2及び図3では、入射側インテグレータ101及び射出側インテグレータ102のそれぞれが、走査方向に5個の要素レンズを、非走査方向に5個の要素レンズを配列して構成されたレンズアレイを例示的に示している。
オプティカルインテグレータ100に入射した光は、入射側インテグレータ101によって、多数の光に分割される。入射側インテグレータ101で分割された光は、入射側インテグレータ101の個々の要素レンズ101aから射出し、それぞれ対応する射出側インテグレータ102の要素レンズ102aに入射して、コンデンサーレンズ12に向かって射出される。
オプティカルインテグレータ100(射出側インテグレータ102)の射出面の近傍には、開口絞り11が配置されている。開口絞り11の位置は、コンデンサーレンズ12の瞳面に相当する。
オプティカルインテグレータ100を射出した光は、コンデンサーレンズ12で集光され、中間照明面14を重畳的に照明する。図2に示すように、入射側インテグレータ101の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、射出側インテグレータ102の対応する要素レンズ102aの光学面の中心から垂直に射出される。換言すれば、入射側インテグレータ101の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、それぞれ、照明光学系ILの光軸(X軸)に平行にオプティカルインテグレータ100から射出される。照明光学系ILの光軸に平行に射出した光線は、fcの焦点距離を有するコンデンサーレンズ12を介して、コンデンサーレンズ12(の主点)から距離fcの位置に集光される。
中間照明面14は、コンデンサーレンズ12(の主点)から距離fcの位置に位置している。従って、中間照明面14における非走査方向の光強度分布は、図2に示すように、略長方形の分布となる。
ここで、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズの配列周期が同一であり、走査方向に台形形状の光強度分布を形成するための視野絞り13を中間照明面14から光軸方向に離れた位置に配置する場合について考える。この場合、視野絞り13によって光の一部を遮光しなければならないため、照明効率の低下を招いてしまう。
また、視野絞り13をコンデンサーレンズ12から距離fcの位置(集光位置)に配置し、原版18と光学的に共役な中間照明面14を集光位置から光軸方向に離れた位置とする場合について考える。この場合、視野絞り13によって遮光される光は最低限に抑えることができるが、中間照明面14における非走査方向の光強度分布も略台形形状になってしまう。このため、原版18を均一に照明するには、光強度分布の斜辺部分の領域をマスキングユニット15で遮光しなければならず、照明効率の低下を招いてしまう。
従って、照明効率の低下を抑制しながら、走査方向に略台形形状の光強度分布を形成するためには、非走査方向に関して、光を原版18と光学的に共役な中間照明面14の位置に集光し、走査方向に関して、光を視野絞り13の位置に集光することが好ましい。
一方、本実施形態のように、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期と射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期が異なる場合について考える。図3において、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期は、射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期よりも長い。
この場合、入射側インテグレータ101の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、図3に示すように、要素レンズ101aのそれぞれに対応する要素レンズ102aの光学面の中心からずれた位置に入射する。そして、射出側インテグレータ102に入射した光線は、各要素レンズ102aで更に屈折されて射出される。
射出側インテグレータ102の各要素レンズ102aへの光線の入射角度、及び、光線の入射位置の光学面の中心からのずれ量は、いずれも光軸から離れるほど大きくなる。従って、射出側インテグレータ102の各要素レンズ102aからの光線の射出角度は、光軸から離れるほど大きくなる。換言すれば、射出側インテグレータ102の各要素レンズ102aからの光線の射出角度は、光軸からの距離に従って、単調に変化する。その結果、入射側インテグレータ101の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、集光されながらコンデンサーレンズ12に向かって射出されることになる。
入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射して射出側の要素レンズ102aのそれぞれから射出する光線を延長すると、図4に示すように、コンデンサーレンズ12(の主点)から原版側に距離sの位置にある光軸上の一点Oで交わる。これは、コンデンサーレンズ12にとっての物体としての光源が、コンデンサーレンズ12から原版側に距離sの位置にあることと等しい。
従って、コンデンサーレンズ12で集光される光線の集光位置は、コンデンサーレンズ12から距離fcの位置にある中間照明面14よりも距離dだけ手前(光源側)に位置することになる。このため、中間照明面14から光源側に距離dの位置における走査方向の光強度分布は、略長方形の分布となる。一方、中間照明面14においては、集光位置から距離dだけ離れているため、走査方向に略台形形状の光強度分布となる。
また、走査方向の照明領域を規定し、且つ、略台形形状の光強度分布を形成するための視野絞り13を走査方向の集光位置(中間照明面14から光源側に距離dの位置)に配置すれば、視野絞り13で遮光される光は最低限に抑えられることになる。従って、照明効率の低下を可能な限り抑えながら、走査方向に略台形形状の光強度分布を形成することができる。
略台形形状の光強度分布の斜辺の幅Lは、中間照明面14における照明NA(NAIL)、及び、距離dを用いて、以下の式(1)で表される。
L=2d・tan[arcsin(NAIL)]・・・(1)
従って、所望の光強度分布に対応する台形形状の斜辺の幅L、及び、照明NAから、視野絞り13の位置、或いは、中間照明面14から走査方向に関する集光位置までの距離dが求まることになる。
なお、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズに関して、非走査方向の配列周期のみが異なるが、これにより中間照明面14での照明NAが走査方向と非走査方向とで異なることはない。
図5は、XZ断面において、中間照明面14の一点を照明する光線の様子を示す概略断面図である。コンデンサーレンズ12は、回転対称の屈折力を有しているため、中間照明面14の一点を照明する光線は、走査方向と非走査方向とで同一となる。照明NA(NAIL)は、開口絞り11の開口の直径EAと、コンデンサーレンズ12の焦点距離fcで決まり、以下の式(2)で表される。
NAIL=EA/2÷fc・・・(2)
従って、開口絞り11の開口の直径EAとコンデンサーレンズ12の焦点距離fcとが走査方向と非走査方向とで同一(開口絞り11とコンデンサーレンズ12とが回転対称)であれば、走査方向と非走査方向とで照明NAが異なることはない。
ここで、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズの配列周期を異ならせるために、入射側インテグレータ101の要素レンズの大きさと射出側インテグレータ102の要素レンズの大きさを異ならせても良い。走査方向における配列周期を異ならせるためには、走査方向における要素レンズの幅を異ならせれば良い。また、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズの大きさは同一として、各要素レンズ間にスペーサーを設けることにより、要素レンズの配列周期を調整しても良い。スペーサーを用いることで、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズを同一のものとすることができ、部品の管理コストや製造コストの低減が見込まれる。
本実施形態では、視野絞り13を中間照明面14の近傍に配置する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、視野絞り13は、中間照明面14と光学的に共役な原版18の近傍に配置してもよいし、中間照明面14より光源側ではなく、中間照明面14より原版側に配置してもよい。
視野絞り13を中間照明面14よりも原版側に配置した場合、非走査方向におけるオプティカルインテグレータ100の構成に関しては、視野絞り13を中間照明面14の近傍に配置する場合のオプティカルインテグレータ100の構成と同一である。一方で、走査方向に関しては、図6に示すように、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期は、射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期よりも短くする。
これにより、入射側インテグレータ101の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、発散しながらコンデンサーレンズ12に向かって射出されることになる。入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射して射出側の要素レンズ102aのそれぞれから射出する光線を延長すると、図7に示すように、コンデンサーレンズ12(の主点)から光源側に距離sの位置にある光軸上の一点Oで交わる。これは、コンデンサーレンズ12にとっての物体としての光源が、コンデンサーレンズ12から光源側に距離sの位置にあることと等しい。
従って、コンデンサーレンズ12で集光される光線の集光位置は、コンデンサーレンズ12から距離fcの位置にある中間照明面14よりも距離dだけ奥(原版側)に位置することになる。このため、中間照明面14から原版側に距離dの位置における走査方向の光強度分布は、略長方形の分布となる。一方、中間照明面14においては、集光位置から距離dだけ離れているため、走査方向に略台形形状の光強度分布となる。
また、視野絞り13を中間照明面14から原版側に距離dの位置に配置すれば、視野絞り13で遮光される光は最低限に抑えられることになる。従って、照明効率の低下を可能な限り抑えながら、走査方向に略台形形状の光強度分布を形成することができる。
但し、入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線が発散しながらコンデンサーレンズ12に向かって射出する構成では、コンデンサーレンズ12の有効径が大きくなってしまう。従って、射出側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線が集光しながらコンデンサーレンズ12に向かって射出する構成の方が、製造コストや照明光学系ILの性能の観点で有利である。
本実施形態では、オプティカルインテグレータ100において、走査方向に関して、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズの配列周期を異ならせているが、これに限定されるものではない。つまり、非走査方向に関して、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズの配列周期を異ならせても良い。
この場合には、視野絞り13を、コンデンサーレンズ12から距離fcの位置に配置する。そして、中間照明面14を所定の距離dだけ離した位置に設定し、中間照明面14に非走査方向の集光位置が一致するように、要素レンズの非走査方向の配列周期を設定すればよい。
また、走査方向と非走査方向のそれぞれに関して、入射側インテグレータ101と射出側インテグレータ102における要素レンズの配列周期を異ならせても良い。この場合、視野絞り13及び中間照明面14の位置を、コンデンサーレンズ12から距離fcの位置からそれぞれ所定の距離だけ離した位置に設定すればよい。そして、コンデンサーレンズ12による走査方向及び非走査方向の集光位置がそれぞれ視野絞り13と中間照明面14とに一致するように、走査方向と非走査方向のそれぞれに関して要素レンズの非走査方向の配列周期を設定すればよい。
例えば、視野絞り13をコンデンサーレンズ12から距離fcの位置より光源側に配置し、中間照明面14をコンデンサーレンズ12から距離fcの位置より原版側に設定する。そして、走査方向に関しては、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期を、射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期よりも長くする。非走査方向に関しては、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期を、射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期よりも短くする。
ここで、コンデンサーレンズ12の焦点距離fcと、入射側インテグレータ101の要素レンズのそれぞれの光学面中心に垂直に入射した光線がコンデンサーレンズ12で集光される集光位置と、要素レンズの配列周期との関係について説明する。入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射して射出側の要素レンズ102aのそれぞれから射出する光線を延長すると、コンデンサーレンズ12(の主点)から原版側に距離sの位置にある光軸上の一点Oで交わる。点Oの位置はコンデンサーレンズ12の物体位置とみなすことができる。このとき、焦点距離fcのコンデンサーレンズ12によって点Oの物体が結像される結像位置fc+dは、光線が進む方向(X軸の正方向)を正として、
1/(fc+d)=(1/s)+(1/fc)・・・(3)
で表される。つまり、sが無限大の場合には、d=0となり、集光位置はコンデンサーレンズ12の焦点に一致する。
続いて、sとオプティカルインテグレータの入射側と射出側の要素レンズの配列周期との関係について考える。sは、入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線の光軸からの距離hと、その光線が射出側の要素レンズ102aを射出する角度θを用いると、θが十分に小さいときには、
s=h/θ・・・(4)
で表される。
ここで、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期Piとし、光軸上に配置された要素レンズを0番目として、光線が入射する要素レンズが配列方向においてn番目に配置されているとした場合、hは、
h=n×Pi・・・(5)
で表される。
ここで、周期方向における要素レンズの配列数が奇数の場合には、光軸上に配置された要素レンズを0番目として、当該要素レンズに隣接して配置された要素レンズを1番目と考える。つまり、1番目に配置された要素レンズの光学面の中心に垂直入射した光線の光軸からの距離h=Piと考える。
一方、周期方向における要素レンズの配列数が偶数の場合には、光軸上には要素レンズが存在しないため、光軸を挟んで隣接する要素レンズを1番目の要素レンズと考える。そして、当該要素レンズの光学面の中心に垂直に入射した光線の光軸からの距離h=0.5×Piと考える。
一方、θは、射出側の要素レンズ102aの焦点距離foと、入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直入射して射出側の要素レンズ102aのそれぞれに入射する光線と、当該要素レンズ102aの光学面中心とのずれeを用いて表される。
eが十分に小さいときには、
θ=e/fo・・・(6)
で表される。
また、射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期をPoとして、
e=(Po-Pi)×n・・・(7)
と表される。
式4から式7を用いて、
s=(Pi×fо)/(Po-Pi)・・・(8)
と表すことができる。
式8を式3に代入することで、dを求めることができる。つまり、コンデンサーレンズ12による集光位置は、コンデンサーレンズ12の焦点距離fc、入射側インテグレータ101、射出側インテグレータ102それぞれの要素レンズの配列周期Pi、Po、射出側の要素レンズ102aの焦点距離foで求められる。入射側インテグレータ101、射出側インテグレータ102それぞれの要素レンズの配列周期Pi、Poを調整することで、dを変化させることができる。
ここで、入射側インテグレータ101の要素レンズの配列周期Piと射出側インテグレータ102の要素レンズの配列周期Pоとの差の絶対値|Pо-Pi|が大きくなると、ずれeも大きくなる。|e|がPo/2を超えると、入射側の要素レンズ101aのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線が、射出側の対応する要素レンズ102aに入射しなくなってしまう。その結果、照明効率の低下や、被照明面における光強度分布の均一性の低下を招くため好ましくない。
よって、
|e|≦Po/2・・・(9)
を満足することが好ましい。
つまり、オプティカルインテグレータの要素レンズの配列数をmとして、
Po/2≧|(Po-Pi)|×(m-1)/2・・・(10)
という条件式を満足することが好ましい。
本実施形態では、入射側インテグレータ101及び射出側インテグレータ102のそれぞれが、走査方向に5個の要素レンズを、非走査方向に5個の要素レンズを配列して構成されている場合(5×5配列)について例示的に説明した。但し、要素レンズの配列数は、これに限定されるものではなく、5×5配列より多くてもよいし、少なくてもよい。また、要素レンズの配列数は、奇数でもよいし、偶数でもよい。更には、走査方向と非走査方向とで要素レンズの配列数は異なっていてもよいし、走査方向と非走査方向とで要素レンズの配列周期を大きく変えてもよい。このように、要素レンズの構成は、適宜選択することができる。
また、オプティカルインテグレータ100を構成する要素レンズは、球面レンズに限定されるものではない。被照明面における光強度分布を調整するために、要素レンズを、非球面レンズとしてもよいし、フレネルゾーンプレートやキノフォームなどの回折レンズとしてもよい。更には、光強度分布のアスペクト比(被照明面に形成される光強度分布の走査方向の幅と非走査方向の幅との比)を調整するために、要素レンズを、トーリックレンズやシリンドリカルレンズなどのアナモルフィックレンズとしてもよい。
図8及び図9を参照して、オプティカルインテグレータを構成する要素レンズがシリンドリカルレンズである場合について説明する。図8及び図9は、オプティカルインテグレータを構成する要素レンズがシリンドリカルレンズである場合において、オプティカルインテグレータ200から中間照明面14までの構成を示す概略断面図である。図8は、XY平面における断面を示し、図9は、XZ平面における断面を示している。
オプティカルインテグレータ200は、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201及び202と、射出側のシリンドリカルレンズアレイ203及び204とで構成されている。シリンドリカルレンズアレイ201及び203は、それぞれ、走査方向(Z方向)のみに曲率を有する要素レンズが走査方向に配列されたシリンドリカルレンズアレイである。シリンドリカルレンズアレイ202及び204は、それぞれ、非走査方向(Y方向)のみに曲率を有する要素レンズが非走査方向に配列されたシリンドリカルレンズアレイである。
入射側のシリンドリカルレンズアレイ201の各要素レンズと、射出側のシリンドリカルレンズアレイ203の各要素レンズとは、それぞれ対応関係にある。また、入射側のシリンドリカルレンズアレイ202の各要素レンズと、射出側のシリンドリカルレンズアレイ204の各要素レンズとは、それぞれ対応関係にある。
オプティカルインテグレータ200に入射した光は、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201及び202によって、それぞれ走査方向と非走査方向とに、多数の光に分割される。かかる光は、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201及び202の個々の要素レンズから射出し、それぞれ対応する射出側のシリンドリカルレンズアレイ203及び204の要素レンズに入射して、コンデンサーレンズ12に向かって射出される。
オプティカルインテグレータ200(射出側のシリンドリカルレンズアレイ204)の射出面の近傍には、開口絞り11が配置されている。開口絞り11の位置は、コンデンサーレンズ12の瞳面に相当する。
オプティカルインテグレータ200を射出した光は、コンデンサーレンズ12で集光され、中間照明面14を重畳的に照明する。図8に示すように、非走査方向におけるに関して、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201の要素レンズの配列周期と、射出側のシリンドリカルレンズアレイ2042の要素レンズの配列周期は等しい。そのため、入射側のシリンドリカルレンズアレイ202の各要素レンズの光学面の中心に垂直に入射した光線は、射出側のシリンドリカルレンズアレイ204の対応する各要素レンズの光学面の中心から垂直に射出される。換言すれば、入射側のシリンドリカルレンズアレイ202の要素レンズのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、それぞれ、照明光学系ILの光軸(X軸)に平行にオプティカルインテグレータ200から射出される。照明光学系ILの光軸に平行に射出した光線は、fcの焦点距離を有するコンデンサーレンズ12を介して、コンデンサーレンズ12(の主点)から距離fcの位置に集光される。
中間照明面14は、コンデンサーレンズ12(の主点)から距離fcの位置に位置している。従って、中間照明面14における非走査方向の光強度分布は、図8に示すように、略長方形の分布となる。
次に、図9を参照して、中間照明面14における走査方向の光強度分布について説明する。図9に示すように、走査方向に関して、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201の要素レンズの配列周期は、射出側のシリンドリカルレンズアレイ2042の要素レンズの配列周期よりも長い。そのため、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201の要素レンズのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、図9に示すように、射出側のシリンドリカルレンズアレイ203に入射する。その結果、当該光線は、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201の要素レンズのそれぞれに対応する射出側のシリンドリカルレンズアレイ203の対応する要素レンズの光学面の中心からずれた位置に入射する。そして、射出側のシリンドリカルレンズアレイ203及び204に入射した光線は、各要素レンズで更に屈折されて射出される。
射出側のシリンドリカルレンズアレイ203の各要素レンズへの光線の入射角度、及び、光線の入射位置の光学面の中心からの走査方向へのずれ量は、いずれも光軸から離れて周辺に向かうほど大きくなる。従って、射出側のシリンドリカルレンズアレイ203の各要素レンズからの光線の射出角度は、光軸から離れるほど大きくなる。換言すれば、射出側のシリンドリカルレンズアレイ203の各要素レンズからの光線の射出角度は、光軸からの距離に従って、単調に変化する。その結果、入射側のシリンドリカルレンズアレイ201の要素レンズのそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線は、集光されながらコンデンサーレンズ12に向かって射出されることになる。
従って、コンデンサーレンズ12で集光される光線の集光位置は、コンデンサーレンズ12から距離fcの位置にある中間照明面14よりも距離dだけ手前(光源側)に位置することになる。このため、中間照明面14から光源側に距離dの位置における走査方向の光強度分布は、略長方形の分布となる。一方、中間照明面14においては、集光位置から距離dだけ離れているため、走査方向に略台形形状の光強度分布となる。
また、走査方向の照明領域を規定し、且つ、略台形形状の光強度分布を形成するための視野絞り13を走査方向の集光位置(中間照明面14から光源側に距離dの位置)に配置すれば、視野絞り13で遮光される光は最低限に抑えられることになる。従って、オプティカルインテグレータをシリンドリカルレンズアレイで構成した場合にも、照明効率の低下を可能な限り抑えながら、走査方向に略台形形状の光強度分布を形成することができる。
本実施形態では、入射側から射出側に向かって順に、シリンドリカルレンズアレイ201、シリンドリカルレンズアレイ202、シリンドリカルレンズアレイ203、シリンドリカルレンズアレイ204を配置している。シリンドリカルレンズアレイ201は、入射側の走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイであり、シリンドリカルレンズアレイ202は、入射側の非走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイである。また、シリンドリカルレンズアレイ203は、射出側の走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイであり、シリンドリカルレンズアレイ204は、射出側の非走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイである。但し、このような配置に限定されるものではなく、入射側と射出側との関係が逆になれば、種々の配置が可能である。
例えば、入射側の走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイ201より光源側に、入射側の非走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイ202を配置してもよい。また、射出側の走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイ203より光源側に、射出側の非走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイ204を配置してもよい。
更には、入射側及び射出側の走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイ201及び203を、入射側の非走査方向に配列したシリンドリカルレンズアレイ202よりも光源側に配置するような構成であってもよい。
また、本実施形態では、オプティカルインテグレータ100又は200を構成する個々の要素レンズがそれぞれ分割されている場合について例示的に示したが、これに限定されるものではない。例えば、切削、モールド、エッチングなどの技術を用いて、1つの光学素子に複数の要素レンズが一体的に形成されていてもよい。オプティカルインテグレータの構成は、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
このように、本実施形態では、照明光学系ILにおいて、パルス発振の影響による露光むらを低減する光強度分布を、少ない光量損失で、走査方向と非走査方向とで基板に転写されるパターンの転写特性を異ならせることなく達成することができる。また、このような照明光学系ILを有する露光装置EXは、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体素子、液晶表示素子、フラットパネルディスプレイなど)を提供することができる。
本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、フラットパネルディスプレイ、液晶表示素子、半導体素子、MEMSなどの物品を製造するのに好適である。かかる製造方法は、上述した露光装置EXを用いて感光剤が塗布された基板を露光する工程と、露光された感光剤を現像する工程とを含む。また、現像された感光剤のパターンをマスクとして基板に対してエッチング工程やイオン注入工程などを行い、基板上に回路パターンが形成される。これらの露光、現像、エッチングなどの工程を繰り返して、基板上に複数の層からなる回路パターンを形成する。後工程で、回路パターンが形成された基板に対してダイシング(加工)を行い、チップのマウンティング、ボンディング、検査工程を行う。また、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、レジスト剥離など)を含みうる。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
EX 露光装置
IL 照明光学系
100 オプティカルインテグレータ
101 入射側インテグレータ
101a 要素レンズ
102 射出側インテグレータ
102a 要素レンズ

Claims (13)

  1. 被照明面を照明する照明光学系であって、
    光源からの光で2次光源を形成するオプティカルインテグレータを有し、
    前記オプティカルインテグレータは、複数の第1光学要素が配列された入射側の光学素子と、前記複数の第1光学要素のそれぞれに対応して配列された複数の第2光学要素を含む射出側の光学素子と、を含み、
    前記複数の第1光学要素および前記複数の第2光学要素は、第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に周期的に配列され、前記第1方向と前記第2方向の少なくとも一方の方向に関して、前記複数の第1光学要素の配列周期と前記複数の第2光学要素の配列周期とが異なることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記入射側の光学素子及び前記射出側の光学素子のそれぞれは、前記第1方向及び前記第2方向に屈折力を有するハエの目レンズで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記オプティカルインテグレータからの光で前記被照明面を照明するコンデンサーレンズを更に有し、
    前記オプティカルインテグレータは、前記コンデンサーレンズから射出される光の集光位置を前記第1方向及び前記第2方向とで異ならせるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明光学系。
  4. 前記オプティカルインテグレータは、前記複数の第1光学要素のそれぞれの光学面の中心に垂直に入射して前記複数の第2光学要素のそれぞれから射出する光線の角度が、前記第1方向及び前記第2方向の少なくとも一方に関して、前記オプティカルインテグレータの光学面の中心から周辺に向かって単調に変化するように、構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の照明光学系。
  5. 前記複数の第1光学要素の配列周期をPi、前記複数の第2光学要素の配列周期をPо、前記第1光学要素及び前記第2光学要素の配列数をmとしたとき、
    Po/2≧|(Po-Pi)|×(m-1)/2
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の照明光学系。
  6. 被照明面を照明する照明光学系であって、
    光源からの光で2次光源を形成するオプティカルインテグレータを有し、
    前記オプティカルインテグレータは、入射側の第1光学素子群と射出側の第2光学素子群とを含み、
    前記第1光学素子群は、複数の第1光学要素が配列された第1光学素子と第2光学素子とを含み、
    前記第2光学素子群は、
    前記第1光学素子の前記複数の第1光学要素のそれぞれに対応して配列された複数の第2光学要素を含む第3光学素子と、
    前記第2光学素子の前記複数の第1光学要素のそれぞれに対応して配列された複数の第2光学要素を含む第4光学素子と、を含み、
    前記第1光学素子は前記複数の第1光学要素が第1方向に周期的に配列され、
    前記第2光学素子は前記複数の第1光学要素が前記第1方向に交差する第2方向に周期的に配列され、
    前記第3光学素子は前記複数の第2光学要素が前記第1方向に周期的に配列され、
    前記第光学素子は前記複数の第2光学要素が前記第2方向に周期的に配列され、
    前記第1光学素子と前記第3光学素子は前記第1方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズであり、
    前記第2光学素子と前記第4光学素子は前記第2方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズであり、
    前記第1方向と前記第2方向の少なくとも一方の方向に関して、前記複数の第1光学要素の配列周期と前記複数の第2光学要素の配列周期とが異なることを特徴とする照明光学系。
  7. 原版と基板とを走査方向に移動させながら、前記原版を介して前記基板を露光する露光装置であって、
    被照明面に配置された前記原版を照明する請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の照明光学系と、
    前記原版のパターンを前記基板に投影する投影光学系と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  8. 前記照明光学系は、パルス光源からの光を用いて前記原版を照明することを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記被照明面の共役面に配置され、前記被照明面における照明領域を規定するマスキングユニットと、
    前記被照明面の共役面から前記照明光学系の光軸方向に離れた位置に配置され、前記走査方向の照明領域を規定する視野絞りと、をさらに有することを特徴とする請求項7または8に記載の露光装置。
  10. 前記視野絞りは、前記マスキングユニットよりも光源側に配置されており、
    前記走査方向に関して、前記複数の第1光学要素の配列周期は、前記複数の第2光学要素の配列周期よりも長いことを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記視野絞りは、前記マスキングユニットよりも前記原版側に配置されており、
    前記走査方向に関して、前記複数の第1光学要素の配列周期は、前記複数の第2光学要素の配列周期よりも短いことを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
  12. 前記照明光学系は、オプティカルインテグレータからの光で前記原版を照明するコンデンサーレンズを含み、
    前記照明光学系において、入射側の光学素子の複数の第1光学要素のそれぞれの光学面の中心に垂直に入射した光線の前記コンデンサーレンズの前記走査方向の集光位置は、前記視野絞りの位置に一致し、前記光線の前記コンデンサーレンズの前記走査方向に交差する方向の集光位置は、前記被照明面に一致することを特徴とする請求項9乃至11のうちいずれか1項に記載の露光装置。
  13. 請求項7乃至12のうちいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    露光した前記基板を現像する工程と、
    現像された前記基板から物品を製造する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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