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JP7645048B2 - 車両用空調ユニットの取付構造 - Google Patents

車両用空調ユニットの取付構造 Download PDF

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JP7645048B2
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Description

本発明は、車両用空調ユニットの取付構造、特に、車室内を空調するための空調風を生成する空調ユニットの取付構造に関する。
空調ユニットの取付構造として、ダッシュパネルよりも車室内側に空調ユニットを設置した構造がある。特許文献1は、関連する技術を開示している。
特許第5949483号
ところで、車室内の居住性の観点からは、ダッシュパネルよりも車室内側の空間内における空調ユニットの占有空間を小さくすることが望ましい。一方、空調ユニットの占有空間を過度に小さくすれば、空調ユニット内の通風抵抗が増大して空調風の流量が低下し、車室内環境の劣化を招来する。
本発明の目的は、車室内環境の快適性を損なわずに、車室内の居住性を向上させることにある。
本発明の一態様にかかる車両用空調ユニットの取付構造では、空調風を生成する空調ユニットがダッシュパネルに設けられた開口を貫通している。
上記取付構造によれば、車室内環境の快適性を損なわずに、車室内の居住性を向上させることができる。
車両用空調ユニットの取付構造を示す縦断面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 ダッシュパネルにカバーを取り付けた状態を示す前方斜視図である。 リッドを取り付けた状態のカバーの前方斜視図である。 リッドを取り外した状態のカバーの前方斜視図である。 図3のVI-VI線に沿った断面図である。 図3のVII-VII線に沿った断面図である。 ダッシュパネルの前面図である。 空調ユニットを支持する長尺部材の前方斜視図である。 第1補強パネル及び第2補強パネルの配置を示す後面図である。 第1補強パネル及び第2補強パネルの配置及び作用を説明する図である。
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。各図中のFW,RRは、車体前後方向前方、後方をそれぞれ示し、LH,RHは、車幅方向左方、右方を、UP,DNは、車体上下方向上方、下方をそれぞれ示す。なお、以下の説明では、車体前後方向前方を、単に「前方」または「車体前方」と、車体前後方向後方を、単に「後方」または「車体後方」と称することもある。また、同一の機能を有する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
実施形態にかかる車両Vは、例えば、電動モータのみを駆動力源として走行する電気自動車(EV)である。車両Vの車体前部には、図1に示すように、モータ室Mが設けられ、その内部には、車両駆動用モータDM、減速機R、パワーデリバリーモジュールPM、図示しないインバータ等が搭載されている。パワーデリバリーモジュールPMは、例えば、図示しない車載充電器、DC/DCコンバータ、ジャンクションボックス等を含んでいる。減速機Rの先には図示しないドライブシャフトがあり、これに前輪等の駆動輪が連結されている。
車両Vは、空調システムを備えている。空調システムは、車室C内を空調するための空調風を生成する空調ユニット1のほか、モータ室M内に設けられた、図示しない室外コンデンサ、電動コンプレッサ、膨張弁、冷媒配管、各種切替弁等や、車室C内に設けられた車室内ダクトCD等を含んでいる。空調ユニット1は、図1及び図2に示すように、モータ室Mと車室Cとを仕切る隔壁である、例えば鋼板製のダッシュパネル2に取り付けられている。空調ユニット1の取付構造については、後述する。
<空調ユニット>
空調ユニット1は、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニットとも称される。空調ユニット1は、図1及び図2に示すように、その構成部品として、内部に空気流路3が形成されたケース4と、ブロアファン5、エバポレータ6、インナコンデンサ7、PTCヒータ8、エアミックスドア9等とを一体に備えている。ブロアファン5、エバポレータ6、インナコンデンサ7、PTCヒータ8、及びエアミックスドア9は、それぞれケース4内に収容され、かつ、空気流路3内に配置されている。
ケース4は、空気流路3の入口として、車室C内の空気である内気を空気流路3内に導入するための図示しない内気導入口と、車室C外の空気である外気を空気流路3内に導入するための図示しない外気導入口とを有する。ブロアファン5は、図示しない電動モータによりファンを回転させることで、内気導入口及び外気導入口のいずれか一方または両方から空気を取り入れ、取り入れた空気を冷却用熱交換器であるエバポレータ6に送風する。
エバポレータ6は、図2に示すように、ブロアファン5の車幅方向一方側(本実施形態では右側)にブロアファン5と車幅方向に隣接して並ぶように配置されている。また、エバポレータ6は、図1に示すように、パワーデリバリーモジュールPMの後方側で、車体前後方向視においてパワーデリバリーモジュールPMと重複する位置に配置されている。なお、本実施形態では、パワーデリバリーモジュールPM等の比較的堅牢な構造物は、ブロアファン5近傍の、車体前後方向視においてブロアファン5と重複する位置を避けて配置されている。
エバポレータ6は、図1及び図2に示すように、空気流路3内を流通する空気がすべてエバポレータ6を通過するように、空気流路3を横断するように配置されている。エバポレータ6は、前方側から後方側に向けて空気が通過するように、通風面6aを車体前後方向に向けた姿勢で空気流路3内に配置されている。エバポレータ6は、例えばコルゲート状のフィンとチューブとを交互に複数段積層して形成され、チューブの長手方向端にタンクを有する。エバポレータ6は、冷媒配管を介して室外コンデンサ、電動コンプレッサ、膨張弁等に接続され、冷凍サイクルを構成している。エバポレータ6は、例えば冷房運転時、通過する空気の熱を膨張弁によって低圧になった冷媒に吸収させて、空気を冷却する。
エバポレータ6よりも下流側において、空気流路3は、図1に示すように、上下2つの流路に分岐している。以下、2つの流路のうち下側の流路を「加熱用流路3a」と称し、上側の流路を「迂回流路3b」と称する。加熱用流路3aと迂回流路3bとは、それぞれ車体前後方向に延びており、互いに仕切り壁4aにより仕切られている。
加熱用流路3aの内部には、図1及び図2に示すように、加熱用熱交換器としてのインナコンデンサ7及びPTCヒータ8が、加熱用流路3a内の空気の流れ方向に沿ってこの順に設けられている。インナコンデンサ7及びPTCヒータ8は、加熱用流路3a内を流通する空気がすべて通過するように、それぞれ加熱用流路3aを横断するように配置されている。また、エバポレータ6と同様に、前方側から後方側に向けて空気が通過するように、通風面7a,8aを車体前後方向に向けた姿勢で空気流路3内に配置されている。
インナコンデンサ7は、エバポレータ6に対して後方側で、かつ、車体前後方向視においてエバポレータ6と重複する位置に配置されている。インナコンデンサ7は、エバポレータ6と同様の構造を有し、冷媒配管を介して室外コンデンサ、電動コンプレッサ、膨張弁等に接続され、ヒートポンプシステムを構成している。インナコンデンサ7は、例えば暖房運転時、通過する空気に電動コンプレッサによって高温高圧になった冷媒の熱を吸収させて、空気を加熱する。
PTCヒータ8は、電気的に加熱されたヒータエレメントに空気を通過させることで、空気を補助的に加熱する電気ヒータである。PTCヒータ8は、インナコンデンサ7に対して後方側で、かつ、車体前後方向視においてエバポレータ6及びインナコンデンサ7と重複するように配置されている。なお、PTCヒータ8の代わりに、PTCヒータ8で加熱した温水が流れるヒータコアを加熱用流路3a内に設置してもよい。
エアミックスドア9は、加熱用流路3a及び迂回流路3bの入口に設けられ、ガイドレール9aに沿って上下方向に移動するスライドドアである。エアミックスドア9は、例えば電動モータにより駆動され、加熱用流路3aに流入する空気の流量と迂回流路3bに流入する空気の流量との比率を調整する。エアミックスドア9は、図示したスライドドア式のものに限定されず、例えば所謂ロータリ式、片持ちドア式、バラフライドア式であってもよい。
ケース4は、図1に示すように、空気流路3の一部として、加熱用流路3a及び迂回流路3bの下流側に連通したエアミックスチャンバ10を形成している。エアミックスチャンバ10では、加熱用流路3aと迂回流路3bとが合流し、これら2つの流路を流れた空気が混合可能になっている。エアミックスチャンバ10の内部には、エアミックスチャンバ10内の空気の流れ方向を制御するための可動または固定のガイドを設けてもよい。なお、図2では、エアミックスチャンバは省略されている。
ケース4は、空気流路3の出口として、エアミックスチャンバ10の下流側にそれぞれ連通したデフロスト出口10a、ベント出口10b、フット出口10c等を有する。各出口10a,10b,10cを通過した空気は、空調風として、適宜接続される車室内ダクトCDを介して、それぞれフロントガラス、乗員の上半身、足元等に向けて送風される。
<空調ユニットの取付構造>
本実施形態では、図1、図2、及び図8に示すように、ダッシュパネル2に車体前後方向に貫通する開口11が設けられ、空調風を生成する空調ユニット1が、開口11を貫通した状態でダッシュパネル2に取り付けられている。ダッシュパネル2の開口11の内周縁は、車体前後方向に対して略垂直な平面状の開口面11aを規定している。
空調ユニット1のうち開口11を貫通している部分では、図1及び図2に示すように、エバポレータ6より下流側の空気流路3が、開口11内に位置している。具体的には、加熱用流路3a及び迂回流路3bが、開口面11aと交差している。また、ブロアファン5より上流側の空気流路3も、開口11内に位置している。具合的には、内気導入口または外気導入口からブロアファン5に至る空気流路3が、開口面11aと交差している。
ダッシュパネル2は、図1、図2、及び図11に示すように、車幅方向及び上下方向に平面状に延在する縦壁部2aと、縦壁部2aの下端から延びる湾曲壁部2bとを備える。湾曲壁部2bは、前方かつ下方に向けて凸になるように湾曲して延び、後方側の端部においてフロアパネルFPの前端部に接合されている。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、エバポレータ6、インナコンデンサ7及びエアミックスドア9が、ダッシュパネル2の縦壁部2aよりも前方側に位置している。即ち、エバポレータ6、インナコンデンサ7及びエアミックスドア9は、各々その全体が開口面11aよりも前方側に位置している。PTCヒータ8、エアミックスチャンバ10、各出口10a,10b,10c等は、ダッシュパネル2よりも車室内側の空間(以下、「車室空間CS」と称する)内に配置されている。具体的には、ダッシュパネル2と、ダッシュパネル2よりも後方側に位置するインストルメントパネルIPとの間に位置している。
ダッシュパネル2の開口11の前方側には、図1乃至図3に示すように、開口11を前方から覆う樹脂製のカバー12が設けられている。カバー12は、空調ユニット1の上部を覆うリッド13と、空調ユニット1の下部を覆うカバー本体14とから構成される。カバー12は、リッド13とカバー本体14とが一体になった状態で、後方に開口する有底容器形状を有する。カバー12は、ボルト等の締結具により、カバー12の開口12aの周縁部をダッシュパネル2の前方側の面2fに締結することで、ダッシュパネル2に固定されている。カバー12は、ダッシュパネル2に固定された状態において、その内部に、ダッシュパネル2の開口11を介して車室C内と連通した収容空間Sを形成する。収容空間Sには、空調ユニット1の前方側の部分が収容される。収容空間S内において、空調ユニット1は、図示しないブラケットを介してカバー12に固定され、支持されている。
リッド13は、図3乃至図5に示すように、カバー本体14よりも上下方向の高さが小さい平らな形状を有し、カバー本体14の上端開口14aを覆う。リッド13は、ボルト等の締結具により、リッド13の周縁部をカバー本体14に締結することで、カバー本体14に固定されている。具体的には、リッド13の周縁部に設けられた複数のブラケット部13aと、カバー本体14の上端開口14aの周縁部に設けられた複数のブラケット部14bとを締結具で締結することで、リッド13はカバー本体14に固定される。リッド13は、当該締結具を外して、リッド13を前方かつ斜め上方に移動させることで、カバー本体14をダッシュパネル2に固定したまま、カバー本体14から取り外し可能になっている。リッド13の周縁部とカバー本体14の上端開口14aの周縁部との間には、シール材15(図1、図5参照)が設けられている。シール材15は、リッド13とカバー本体14との間の隙間を防水及び遮音可能にシールし、例えばモータ室Mからカバー12の収容空間Sや車室空間CS内への雨水の侵入、音漏れ等を防止している。
カバー本体14の前方側の壁14cには、配管貫通孔14dが設けられ、空調ユニット1のエバポレータ6やインナコンデンサ7と、モータ室M内に設けられた室外コンデンサ等との間を接続する図示しない冷媒配管が、配管貫通孔14dに挿通されている。また、カバー本体14の壁14cには、配線貫通孔14eも設けられ、空調ユニット1のブロアファン5やPTCヒータ8と、モータ室M内に設けられた各電源装置等との間を接続する図示しない電気配線が、配線貫通孔14eに挿通されている。配管貫通孔14d及び配線貫通孔14eは、防水及び遮音可能にシールされている。
図4乃至図7に示すように、カバー12の後方側の端縁部、即ち、カバー12の開口12aの周縁部には、フランジ部12fが形成されている。カバー12がダッシュパネル2に固定された状態において、フランジ部12fと、ダッシュパネル2の前方側の面2fにおける開口11の周縁部との間には、図6及び図7に示すように、シール材16が圧縮された状態で挟持されている。シール材16は、車体前後方向視において枠状に形成され、カバー12とダッシュパネル2との間の隙間を防水及び遮音可能にシールし、例えばモータ室Mからカバー12の収容空間Sや車室空間CS内への雨水の侵入、音漏れ等を防止している。
シール材16としては、リッド13とダッシュパネル2との間では、図6に示すように、例えばエプトシーラー(登録商標)を内周側と外周側とに2重に配設することができる。また、カバー本体14とダッシュパネル2との間では、図7に示すように、例えばエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPM)ゴム製のウェザーストリップを内周側と外周側とに2重に配設することができる。なお、リッド13とダッシュパネル2との間のシール材16の材料は、上記に限らず、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等であってもよい。また、カバー本体14とダッシュパネル2との間のシール材16の材料は、上記に限らず、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム等であってもよい。
開口11の周縁部における前方側の面2fのうちシール材16に当接する領域2A(図8の斜線部)は、開口11の全周囲にわたって平坦に形成されている。図示した例では、領域2Aは、開口11の全周囲にわたって開口面11aに略平行である。ここで「平坦」とは、厳密に平坦である必要はなく、例えば、緩い曲率で湾曲していたり、小さい段差や細かい凹凸が存在したりしても、これに当接したシール材16が要求されたシール性を発揮できるものである限り、ここで言う「平坦」に含まれるものとする。
また、本実施形態では、図9に示すように、ダッシュパネル2よりも前方、かつカバー12及び収容空間S内に収容された空調ユニット1の上方に、ストラットタワーST同士を連結し、車幅方向に略水平に延在する長尺部材17が設けられている。長尺部材17は、例えばアルミ合金製であり、その車幅方向両端部において、ボルト等の締結具により、左右のストラットタワーST上端部にそれぞれ締結されている。長尺部材17の車幅方向中央部には、それぞれ前方に突出した2つのブラケット部17aが設けられている。ブラケット部17aは、カバー本体14の前方側の壁14cに形成された2つのブラケット部14f(図4、図5参照)に、それぞれボルト等の締結具により締結されている。空調ユニット1は、カバー本体14及びその内部に設けられた図示しないブラケットを介して、長尺部材17により支持されている。なお、図9以外の図面では、長尺部材17は省略されている。
さらに、ダッシュパネル2の縦壁部2aの後方側の面2rには、図10及び図11に示すように、例えば鋼板製の第1補強パネル18(第1部材)が接合されている。第1補強パネル18は、車体前後方向視で中央部にダッシュパネル2の開口11と同一形状の開口18aが形成された環状の板状部材である。第1補強パネル18は、ダッシュパネル2に接合された状態において、開口11の周縁部に沿って開口11の全周囲を囲むように延在する。
第1補強パネル18には、断面ハット形のビード18bが形成されている。各ビード18bは、車室内側に向けて凸のハット形断面を有し、開口11の車幅方向両外側の周縁部に沿って上下方向に直線状に延在している。カバー12の後方側の端縁部、即ち、カバー12の開口12aの周縁部は、図2に示すように、車体前後方向視においてビード18bと重複する位置に配置されている。カバー12の後方側の端縁部(例えば、フランジ部12f)は、ボルト等の締結具を用いてビード18bに締結してもよい。
また、ダッシュパネル2からフロアパネルFPにかけて、例えば鋼板製の第2補強パネル19(第2部材)が設けられている。具体的には、ダッシュパネル2の縦壁部2aの下端部から湾曲壁部2bの後方側の端部にかけて、ダッシュパネル2の車室内側の面に、第2補強パネル19が接合されている。第2補強パネル19の前端部19aは、第1補強パネル18の下部18cの後方側の面に接合され、後端部19bは、フロアパネルFPの前端部の上面に接合されている。
第2補強パネル19は、図1及び図11に示すように、車幅方向視において、前端部19aから後端部19bにかけて直線状に延び、かつ、後方に向かうに従って下方に位置するように傾斜している。第2補強パネル19の前端部19aは、図1に示すように、カバー12の下端部のダッシュパネル2への取付点Pと上下方向で略同じ高さに位置している。
第2補強パネル19の車幅方向両外側の端部には、図10及び図11に示すように、第2補強パネル19の剛性を高めるべく、第2補強パネル19の長手方向に沿って直線状に延びる一対のビード19cが形成されている。各ビード19cは、車室内側に向けて凸のハット形断面を有し、前端部19aと後端部19bとを連結している。第2補強パネル19の車幅方向両外側の端縁部をダッシュパネル2に接合して、閉断面の補強構造を形成してもよい。
車両Vの前方衝突時、車体前部から入力された衝突荷重は、例えば空調ユニット1の前方に位置するパワーデリバリーモジュールPM等を経由して、カバー12及び空調ユニット1に入力される。入力された荷重は、図11に矢印で示すように、カバー12の後方側の端縁部(フランジ部12fを含む)や、カバー12及び空調ユニット1のダッシュパネル2への取付点(取付点Pを含む)から、ダッシュパネル2の開口11の周縁部へ入力される。該周縁部に入力された荷重は、第1補強パネル18からその周囲のダッシュパネル2等へ、或いは、第1補強パネル18から第2補強パネル19を経由してフロアパネルFP等へ分散して伝達される。
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)本実施形態では、車室C内を空調するための空調ユニット1がダッシュパネル2に設けられた開口11を貫通している。このため、空調ユニット1全体をダッシュパネル2よりも車室内側に設置した場合よりも、車室空間CS内における空調ユニット1の占有空間が小さくなり、車室C内の居住性が向上する。一方、空調ユニット1そのものの占有空間は、空調ユニット1全体をダッシュパネル2よりも車室内側に設置した場合と同等に維持できるため、空調能力(空調風の流量)への影響を抑えつつ、車室C内環境の快適性を高く維持することができる。
(2)本実施形態では、空調ユニット1のうち開口11を貫通している部分において、少なくともエバポレータ6より下流側の空気流路3が開口11内に位置している。このため、ダッシュパネルの孔に冷媒配管や電気配線のみを挿通させた構造と比べれば開口寸法が大きくなるものの、空調ユニット1の主要構成部品をダッシュパネル2より車体前方に配置することが可能になるため、車室空間CSをより広くとることができる。特に本実施形態では、ブロアファン5より上流側の空気流路3も開口11内に位置しているため、この効果をより顕著に得ることができる。
(3)本実施形態では、少なくともエバポレータ6がダッシュパネル2よりも車体前方に位置している。これにより、空調ユニット1の構成部品のうち占有空間のより大きな構成部品がダッシュパネル2よりも車体前方に位置することになるため、車室空間CSをより広くすることができる。特に本実施形態では、ブロアファン5、インナコンデンサ7、及びエアミックスドア9もダッシュパネル2より車体前方に位置しているため、この効果をより顕著に得ることができる。
(4)本実施形態では、エバポレータ6、インナコンデンサ7、及びエアミックスドア9がパワーデリバリーモジュールPMの後方側で、車体前後方向視においてパワーデリバリーモジュールPMと重複する位置に配置されている。このため、車両Vの前方衝突時に、ダッシュパネル2に対して相対的に後方移動するパワーデリバリーモジュールPMから、ダッシュパネル2よりも車体前方側に位置するエバポレータ6等の構成部品へ荷重を入力させ、これらをつぶれ変形させることができる。即ち、パワーデリバリーモジュールPMの後方に位置する空調ユニット1を前方衝突時の衝突エネルギー吸収部材として有効に利用することができる。また、本実施形態では、パワーデリバリーモジュールPM等の比較的堅牢な構造物が、ブロアファン5近傍の、車体前後方向視においてブロアファン5と重複する位置を避けて配置されている。このため、前方衝突時、衝突荷重がブロアファン5に優先的に伝達されることを抑制し、ブロアファン5以外の構成部品を衝突荷重のロードパスとして有効に利用することができる。
(5)本実施形態では、ストラットタワーST同士を連結する長尺部材17が設けられ、長尺部材17により空調ユニット1が支持されている。このため、空調ユニット1の支持剛性を向上させつつ、空調ユニット1をより車体前方に配置することが可能になる。
(6)本実施形態では、開口11を車体前方から覆うカバー12の内部に空調ユニット1が収容され、カバー12の車体後方側の端縁部と、開口11の周縁部との間にシール材16が挟持されている。従って、カバー12を設けずに直接空調ユニット1の周囲をシールした場合よりも、シール部の形状を単純化することができる。特に本実施形態では、ダッシュパネル2の開口11の周縁部のうちシール材16に当接する領域2Aが平坦に形成されているため、シール材16を適切かつ均一な圧縮率で圧縮することができる。このため、空調ユニット1の取付構造における防水性能及び遮音性能を向上させることができる。
(7)本実施形態では、第1補強パネル18が、ダッシュパネル2の車体後方側の面2rに接合され、開口11の周縁部に沿って開口11を囲んでいる。そして、第2補強パネル19の車体前方側の前端部19aが、第1補強パネル18に接合され、車体後方側の後端部19bが、フロアパネルFPに接合されている。このため、第1補強パネル18により、開口11の周縁部が補強される。また、ダッシュパネル2よりも車体前方側の車体構造に対する車体後方側の車体構造の相対的な強度が、第1補強パネル18及び第2補強パネル19を設けない場合よりも、相対的に向上する。このため、前方衝突時の荷重が、ダッシュパネル2よりも車体前方側に位置するカバー12及び空調ユニット1に入力されやすくなり、これらがよりつぶれ変形しやすくなる。換言すれば、空調ユニット1を前方衝突時の衝突エネルギー吸収部材として有効に利用することができる。
(8)本実施形態では、第1補強パネル18に、開口11の車幅方向外側の周縁部に沿って延びるビード18bが形成されている。このため、開口11の周縁部の強度・剛性が向上し、ダッシュパネル2に対するカバー12及び空調ユニット1の取付剛性が向上する。特に本実施形態では、ビード18bがカバー12の車体後方側の端縁部と車体前後方向視において重複する位置に配置されている。このため、前方衝突時の荷重をより確実にカバー12及び空調ユニット1に入力させることができる。
(9)本実施形態では、エバポレータ6とインナコンデンサ7とが、ダッシュパネル2よりも車体前方側の位置において、車体前後方向視において互いに重複するように配置されている。このため、前方衝突時の荷重入力により、より確実にエバポレータ6及びインナコンデンサ7の両方をつぶれ変形させることができる。
<他の実施形態>
第1実施形態では、空調ユニット1のうち開口11を貫通している部分で、エバポレータ6より下流側の加熱用流路3a及び迂回流路3bと、ブロアファン5より上流側の空気流路3とが開口11内に位置していた。しかし、空調ユニット1の構成部品と開口11との位置関係はこれに限らない。他の実施形態では、エバポレータ6より下流側の空気流路3、及びブロアファン5より上流側の空気流路3のうち一方のみが開口11内に位置してもよい。別の実施形態では、ブロアファン5、エバポレータ6、エアミックスドア9、インナコンデンサ7、PTCヒータ8、エアミックスチャンバ10、及び、ブロアファン5とエバポレータ6との間の空気流路3のうちいずれか1以上が開口11内に位置してもよい。これらの場合でも、上記(1)及び(2)の効果と同様の効果を得ることができる。
また、第1実施形態では、ブロアファン5、エバポレータ6、インナコンデンサ7、及びエアミックスドア9が、ダッシュパネル2よりも車体前方に位置していたが、空調ユニット1の構成部品とダッシュパネル2との位置関係はこれに限らない。他の実施形態では、ブロアファン5、エバポレータ6、インナコンデンサ7、エアミックスドア9、PTCヒータ8、及びエアミックスチャンバ10のうちいずれか1以上(第1実施形態の組み合わせを除く)がダッシュパネル2より車体前方に位置してもよい。これらの場合でも、上記(3)及び(4)の効果と同様の効果を得ることができる。
さらに、第1実施形態では、空調ユニット1の車体前方側の部分がカバー12の内部の収容空間Sに収容されていたが、空調ユニット1のうち収容空間Sに収容される部分の大きさはこれに限らない。例えば、空調ユニット1全体が収容空間Sに収容されてもよい。この場合、車室空間CSをより一層広くとることができる。
また、第1実施形態では、第1補強パネル18のビード18bが、開口11の車幅方向両外側の周縁部に沿って上下方向に延びるように形成されていたが、ビード18bは、開口11の上下方向両外側の周縁部に沿って車幅方向に延びてもよい。また、ビード18bは、開口11の周縁部に沿って開口11の全周囲を囲むように連続して形成されてもよいし、開口11の周縁部の一部のみに沿って延びるように形成されてもよい。これらのビード18bを、カバー12の車体後方側の端縁部と車体前後方向視において重複する位置に配置した場合でも、上記(8)の効果と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態は、発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎない。発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
上記実施形態では、電気自動車(EV)を例にとって説明したが、本発明がハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)などにも適用できることは勿論である。
V 車両
C 車室
1 空調ユニット
2 ダッシュパネル
11 ダッシュパネルの開口
3 空気流路
5 ブロアファン
6 エバポレータ
17 長尺部材
ST ストラットタワー
12 カバー
16 シール材
2A 開口の周縁部のうちシール材に当接する領域
18 第1補強パネル(第1部材)
18b ビード
19 第2補強パネル(第2部材)
19a 前端部(車体前方側の端部)
19b 後端部(車体後方側の端部)

Claims (4)

  1. 車室内を空調するための空調風を生成する空調ユニットがダッシュパネルに設けられた開口を貫通し、
    前記空調ユニットは、空気が流通する空気流路と、前記空気流路内に設けられたブロアファン及びエバポレータと、を少なくとも備え、
    前記ブロアファンと前記エバポレータとは、車幅方向に並んで配置され、
    前記空気流路における前記ブロアファンより上流側の部分、及び、前記空気流路における前記エバポレータより下流側の部分が、前記開口の内周縁で規定される平面状の開口面とそれぞれ交差するように前記開口内に配置され
    前記空調ユニットの少なくとも一部は、前記開口を車体前方から覆うカバーの内部に収容されており、
    前記カバーの車体後方側の端縁部と、前記開口の周縁部との間にシール材が挟持されており、
    前記周縁部のうち前記シール材に当接する領域が平坦で、かつ、前記開口面に平行に形成されている、車両用空調ユニットの取付構造。
  2. ストラットタワー同士を連結する長尺部材が設けられ、
    前記空調ユニットが前記長尺部材により支持されている、請求項に記載の車両用空調ユニットの取付構造。
  3. 前記ダッシュパネルの車体後方側の面に接合され、前記開口の周縁部に沿って該開口を囲むように延びる第1部材と、
    車体前方側の端部を前記第1部材に接合され、車体後方側の端部をフロアパネルに接合された第2部材と、を備える、請求項1又は2に記載の車両用空調ユニットの取付構造。
  4. 前記第1部材には、前記開口の周縁部の少なくとも一部に沿って延びるビードが形成されており、該ビードは、前記カバーの車体後方側の端縁部と車体前後方向視において重複する位置に配置されている、請求項に記載の車両用空調ユニットの取付構造。
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