JP7644599B2 - ベーカリーミックス用油脂組成物、ベーカリーミックス、ベーカリーミックスの製造方法、ベーカリー製品用生地、ベーカリー製品用生地の製造方法、ベーカリー製品、およびベーカリー製品の製造方法 - Google Patents
ベーカリーミックス用油脂組成物、ベーカリーミックス、ベーカリーミックスの製造方法、ベーカリー製品用生地、ベーカリー製品用生地の製造方法、ベーカリー製品、およびベーカリー製品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7644599B2 JP7644599B2 JP2020216303A JP2020216303A JP7644599B2 JP 7644599 B2 JP7644599 B2 JP 7644599B2 JP 2020216303 A JP2020216303 A JP 2020216303A JP 2020216303 A JP2020216303 A JP 2020216303A JP 7644599 B2 JP7644599 B2 JP 7644599B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bakery
- oil
- mix
- fat
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Edible Oils And Fats (AREA)
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
えば、ベーカリー製品に、パーム系油脂や極度硬化油等の油脂を使用することで、製造時の作業性や製造されるベーカリー製品の品質を向上させる技術が開発されている。
パーム由来油脂(前記極度硬化油に属するパーム由来油脂を除く):20~60質量%と、
液状油(前記パーム由来油脂に属する液状油を除く):25~78質量%と、を含有し、
ベーカリーミックスの粉体材料に混合するための、ベーカリーミックス用油脂組成物を提供する。
本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物において、前記パーム由来油脂のヨウ素価は、50以上とすることができる。
また、本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物において、前記パーム由来油脂は、低融点画分とすることができる。
本技術に係るベーカリーミックスにおいて、前記ベーカリーミックス用油脂組成物の含有量は、0.1~20質量%とすることができる。
本技術に係るベーカリーミックスは、本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物と、粉体材料と、を混合する混合工程を行うことで、製造することができる。
本技術に係るベーカリー製品用生地は、本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物と、粉体材料と、を混合してベーカリーミックスを製造する工程と、
該ベーカリーミックスを用いてベーカリー製品用生地を製造する工程と、
を行うことで、製造することができる。
本技術に係るベーカリー製品は、本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物と、粉体材料と、を混合してベーカリーミックスを製造する工程と、
該ベーカリーミックスを用いてベーカリー製品用生地を製造する工程と、
該ベーカリー製品用生地を用いてベーカリー製品を製造する工程と、
を行うことで、製造することができる。
本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物は、(1)極度硬化油と、(2)パーム由来油脂(前記極度硬化油に属するパーム由来油脂を除く)と、(3)液状油(前記パーム由来油脂に属する液状油を除く)と、を含有する。また、本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物は、生地練り込み用あるいは折り込み用の油脂ではなく、ベーカリーミックスの粉体材料と混合して用いることを特徴とする油脂組成物である。以下、各油脂材料について、詳細に説明する。
本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物は、極度硬化油を2~15質量%含有する。極度硬化油の含有量が2質量%未満であったり、15質量%を超えたりすると、製造されるベーカリー製品の口溶けや、崩壊感・サクミ等の食感が不良になる。
本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物は、パーム由来油脂を20~60質量%含有する。パーム由来油脂の含有量が20質量%未満であったり、60質量%を超えたりすると、製造されるベーカリー製品の口溶けや、崩壊感・サクミ等の食感が不良になる。
本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物は、液状油を25~78質量%含有する。液状油の含有量が25質量%未満であったり、78質量%を超えたりすると、製造されるベーカリー製品の口溶けや、崩壊感・サクミ等の食感が不良になる。
本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物には、本技術の効果を損なわない限り、必要に応じて、例えば、トコフェロール、アスコルビン酸脂肪酸エステル等の抗酸化剤;シリコーン等の消泡剤;ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等の乳化剤;香料、色素、呈味剤等の食用油脂に使用できる食品添加物等を含んでいてもよい。
本技術に係るベーカリーミックスは、前述した本技術に係るベーカリーミックス用油脂組成物を含有する。本技術に係るベーカリーミックスにおけるベーカリーミックス用油脂組成物の含有量は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されないが、0.1~20質量%とすることが好ましく、0.5~17質量%とすることがより好ましく、1~15質量%とすることが更に好ましく、3~12質量%とすることがより更に好ましい。本技術に係るベーカリーミックスにおけるベーカリーミックス用油脂組成物の含有量を、0.1~20質量%とすることで、製造されるベーカリー製品の口溶けや、崩壊感・サクミ等の食感をより向上させることができる。
本技術に係るベーカリー製品用生地は、前述した本技術に係るベーカリーミックスを用いることを特徴とする。すなわち、本技術に係るベーカリー製品用生地は、本技術に係るベーカリーミックスを用いて製造された生地である。
本技術に係るベーカリー製品は、前述した本技術に係るベーカリーミックス、またはベーカリー製品用生地を用いることを特徴とする。すなわち、本技術に係るベーカリー製品は、本技術に係るベーカリーミックス、またはベーカリー製品用生地を用いて製造されたベーカリー製品である。
実験例1では、異なる組成のベーカリーミックス用油脂組成物を含有するベーカリーミックスを用いてベーカリー製品を製造した場合や、油脂組成物の混合のタイミングの違いによる、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(崩壊感)への影響を調べた。実験例1では、ベーカリー製品の一例として、マフィンを製造した。
市販のミキサーに、下記の表1に示す配合で粉体材料を投入し、均一になるまで混合して、油脂無添加マフィンミックスを調製した。下記の表2に記載の配合に基づき油脂材料を混合し、80℃に加温して撹拌均一化しながら油脂結晶を融解させて、ベーカリーミックス用油脂組成物を製造した。油脂無添加マフィンミックスと、60℃以下まで降温したベーカリーミックス用油脂組成物とを、市販のミキサーに投入し、均一になるまで混合してマフィンミックスを製造した。マフィンミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の配合量は7質量%とした。なお、液状油はキャノーラ油(昭和産業株式会社)、パーム由来油脂はパームオレイン(IV60)(昭和産業株式会社)、極度硬化油はパーム極度硬化油(横関油脂株式会社)を使用した。
[実施例1~12、比較例2~5]
ミキサー(Max Watts 325、KitchenAid)に、前記で製造したマフィンミックス100質量部、全卵40質量部、水15質量部を加え、低速で1分間、中低速で1分間混合した。さらに、サラダ油10質量部、水24質量部を加え、低速で1分間、中低速で1分間混合してマフィン生地を調製した。なお、混合にはフラットビーターを使用した。調製したマフィン生地を、マフィンカップ(K-6(45H)ATK、伊藤景パック産業株式会社)に50gずつ分注し、オーブン(AX-SP300-R、シャープ)を用いて、190℃で20分間焼成し、マフィンを製造した。
前記で製造したマフィンミックスの代わりに、油脂無添加マフィンミックス93質量部を使用し、サラダ油と同時に表2に記載の配合の油脂組成物(油脂材料を混合し、80℃に加温して、撹拌均一化しながら油脂結晶を融解させて調製)を7質量部添加した以外は、前記実施例1~12、および比較例2~5と同様の方法でマフィンを製造した。
製造したマフィンを室温まで放冷した後、口溶けおよび食感(崩壊感)についての官能評価を行った。官能評価は、10名のパネルが下記基準に従って評価を行い、平均点を算出した。
5:ざらつきやねちゃつきがなく、非常に良好
4:ざらつきやねちゃつきが少なく、良好
3:ざらつきやねちゃつきがややあるが、やや良い
2:ざらつきやねちゃつきがあり、悪い
1:ざらつきやねちゃつきが強く、非常に悪い
5:崩壊感が強く、非常に良好
4:崩壊感があり、良好
3:崩壊感がやや弱いが、やや良い
2:崩壊感が弱く、悪い
1:崩壊感がなく、非常に悪い
評価結果を下記表2に示す。
表2に示す通り、極度硬化油の含有量が2~15質量%の範囲内、パーム由来油脂の含有量が20~60質量%の範囲内、液状油の含有量が25~78質量%の範囲内であり、かつ、ベーカリーミックスを製造する際に、粉体材料にベーカリーミックス用油脂組成物を混合した実施例1~12は、口溶けおよび食感とも良好な結果であった。
実験例2では、ヨウ素価の異なるパーム由来油脂を用いたベーカリーミックス用油脂組成物を用いてベーカリー製品を製造した場合の、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感への影響を調べた。実験例2でも、ベーカリー製品の一例として、マフィンを製造した。
下記の表3に記載の配合に基づき、前記実験例1と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびマフィンミックスを製造した。なお、液状油はキャノーラ油(昭和産業株式会社)、極度硬化油はパーム極度硬化油(横関油脂株式会社)を使用した。パーム由来油脂として、PMF(IV48)、精製パーム油(IV53)、パームオレイン(IV56)は太陽油脂株式会社、パームオレイン(IV64、IV67)は昭和産業株式会社のものを使用した。
[実施例13~17]
実験例1の実施例1~12、および比較例2~5と同様の方法で、マフィンを製造した。
実験例1と同様の方法で、口溶けおよび食感(崩壊感)についての官能評価を行った。
評価結果を下記表3に示す。
表3に示す通り、ヨウ素価が50未満のパーム由来油脂を用いた実施例13に比べて、ヨウ素価が50以上のパーム由来油脂を用いた実施例14~17の方が、口溶けおよび食感とも優れることが分かった。この結果から、ヨウ素価が50以上のパーム由来油脂を用いることで、製造されるベーカリー製品の口溶けおよび食感をより向上させることが分かった。
実験例3では、ベーカリーミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の含有量の違いによる、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(崩壊感)への影響を調べた。実験例3でも、ベーカリー製品の一例として、マフィンを製造した。
下記の表4に記載の配合に基づき、マフィンミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の配合量を表4に記載のとおり変更した以外は前記実験例1と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびマフィンミックスを製造した。なお、使用した油脂材料は実験例1と同様である。
[実施例18~24]
実験例1の実施例1~12、および比較例2~5と同様の方法で、マフィンを製造した。
実験例1と同様の方法で、口溶けおよび食感(崩壊感)についての官能評価を行った。
評価結果を下記表4に示す。
表4の実施例18の結果に示す通り、ベーカリーミックス中ベーカリーミックス用油脂組成物の含有量が0.5質量%であっても、製造されるベーカリー製品の口溶けおよび食感は、満足いくものであったが、含有量が増えるにしたがって、口溶けおよび食感の評価が向上することが分かった。この結果から、本技術に係るベーカリーミックスにおけるベーカリーミックス用油脂組成物の含有量の下限値は、0.1質量%とすることが好ましく、0.5質量%とすることがより好ましく、1質量%とすることが更に好ましく、3質量%とすることがより更に好ましいことが分かった。
実験例4では、ベーカリーミックス用油脂組成物に配合する液状油や極度硬化油の種類の違いによる、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(崩壊感)への影響を調べた。実験例4でも、ベーカリー製品の一例として、マフィンを製造した。
下記の表5に記載の配合に基づき、前記実験例1と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびマフィンミックスを製造した。なお、キャノーラ油、コーン油、ハイオレイックヒマワリ油、パームオレイン(IV60)は昭和産業株式会社、米油はボーソー油脂株式会社、極度硬化油はすべて横関油脂株式会社のものを使用した。
[実施例25~30]
実験例1の実施例1~12、および比較例2~5と同様の方法で、マフィンを製造した。
実験例1と同様の方法で、口溶けおよび食感(崩壊感)についての官能評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。また、下記表5には、比較のために、前記実験例1の実施例2の結果も併記した。
表5の実施例25~27の結果に示す通り、ベーカリーミックス用油脂組成物に配合する液状油の種類を変更しても、製造されるベーカリー製品の口溶けおよび食感の評価結果は、実施例2の評価結果と同様に良好であった。実施例28~30の結果に示す通り、ベーカリーミックス用油脂組成物に配合する極度硬化油については、菜種極度硬化油、高エルシン酸菜種極度硬化油、または大豆極度硬化油を用いた場合よりも、パーム極度硬化油を用いた実施例2の評価結果の方が、優れていた。この結果から、極度硬化油としては、パーム極度硬化油を用いることが好ましいことが分かった。
実験例5では、異なる組成のベーカリーミックス用油脂組成物を含有するベーカリーミックスを用いてベーカリー製品を製造した場合や、油脂組成物の混合のタイミングの違いによる、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(サクミ)への影響を調べた。実験例5では、ベーカリー製品の一例として、ケーキドーナツを製造した。
市販のミキサーに、下記の表6に示す配合で粉体材料を投入し、均一になるまで混合して、油脂無添加ケーキドーナツミックスを調製した。表7に記載の配合に基づき、前記実験例1と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびケーキドーナツミックスを製造した。ケーキドーナツミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の配合量は7質量%とした。なお、使用した油脂材料は実験例1と同様である。
[実施例31~40、比較例7~10]
ミキサー(KTM-10、関東混合機工業株式会社)に、ケーキドーナツミックス100質量部、全卵5質量部、水あめ4質量部、水22質量部を加え、低速で1分間混合して混合物を得た。さらに、混合物を中低速で2分半混合してケーキドーナツ生地を調製した。ケーキドーナツ生地をカッター(カッターサイズ48mm)で円環状に成型した。こうして得られた円環状のケーキドーナツ生地を180℃の油(NEWフライオイルSI、Jオイルミルズ株式会社)で4分間フライして、円環状のケーキドーナツを製造した。
前記で製造したケーキドーナツミックス100質量部のかわりに、油脂無添加ケーキドーナツミックス93質量部を使用し、生地調製時に表7に記載の配合の油脂組成物を7質量部添加した以外は、実施例31~40、比較例7~10と同様の方法でケーキドーナツを製造した。
製造したケーキドーナツを室温まで放冷した後、口溶けおよび食感(サクミ)についての官能評価を行った。口溶けの官能評価については実験例1と同様の方法で、食感(サクミ)の官能評価については、10名のパネルが下記基準に従って評価を行い、平均点を算出した。
5:サクミが強く、非常に良好
4:サクミがあり、良好
3:サクミがやや弱いが、やや良い
2:サクミが弱く、悪い
1:サクミがなく、非常に悪い
評価結果を下記表7に示す。
表7に示す通り、極度硬化油の含有量が2~15質量%の範囲内、パーム由来油脂の含有量が20~60質量%の範囲内、液状油の含有量が25~78質量%の範囲内であり、かつ、ベーカリーミックスを製造する際に、粉体材料にベーカリーミックス用油脂組成物を混合した実施例31~40は、口溶けおよび食感とも良好な結果であった。
実験例6では、ヨウ素価の異なるパーム由来油脂を用いたベーカリーミックス用油脂組成物を用いてベーカリー製品を製造した場合の、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(サクミ)への影響を調べた。実験例6でも、ベーカリー製品の一例として、ケーキドーナツを製造した。
下記の表8に記載の配合に基づき、前記実験例5と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびケーキドーナツミックスを製造した。なお、使用した油脂材料は実験例2と同様である。
[実施例41~45]
実験例5の実施例31~40、および比較例7~10と同様の方法で、ケーキドーナツを製造した。
実験例5と同様の方法で、口溶けおよび食感(サクミ)についての官能評価を行った。
表8に示す通り、ヨウ素価が50未満のパーム由来油脂を用いた実施例41に比べて、ヨウ素価が50以上のパーム由来油脂を用いた実施例42~45の方が、口溶けおよび食感とも優れることが分かった。この結果から、ヨウ素価が50以上のパーム由来油脂を用いることで、製造されるベーカリー製品の口溶けおよび食感をより向上させることが分かった。
実験例7では、ベーカリーミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の含有量の違いによる、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(サクミ)への影響を調べた。実験例7でも、ベーカリー製品の一例として、ケーキドーナツを製造した。
下記の表9に記載の配合に基づき、ケーキドーナツミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の配合量を表9に記載の通り変更した以外は前記実験例5と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびケーキドーナツミックスを製造した。なお、使用した油脂は実験例1と同様である。
[実施例46~52]
実験例5の実施例31~40、および比較例7~10と同様の方法で、ケーキドーナツを製造した。
実験例5と同様の方法で、口溶けおよび食感(サクミ)についての官能評価を行った。
評価結果を下記表9に示す。
表9の実施例46の結果に示す通り、ベーカリーミックス中のベーカリーミックス用油脂組成物の含有量が0.5質量%であっても、製造されるベーカリー製品の口溶けおよび食感は、満足いくものであったが、含有量が増えるにしたがって、口溶けおよび食感の評価が向上することが分かった。この結果から、本技術に係るベーカリーミックスにおけるベーカリーミックス用油脂組成物の含有量の下限値は、0.1質量%とすることが好ましく、0.5質量%とすることがより好ましく、1質量%とすることが更に好ましく、3質量%とすることがより更に好ましいことが分かった。
実験例8では、ベーカリーミックス用油脂組成物に配合する液状油や極度硬化油の種類の違いによる、製造されたベーカリー製品の口溶けおよび食感(サクミ)への影響を調べた。実験例8でも、ベーカリー製品の一例として、ケーキドーナツを製造した。
下記の表10に記載の配合に基づき、前記実験例5と同様の方法で、ベーカリーミックス用油脂組成物、およびケーキドーナツミックスを製造した。なお、キャノーラ油、ハイオレイックヒマワリ油、パームオレイン(IV60)は昭和産業株式会社、極度硬化油はすべて横関油脂株式会社のものを使用した。
[実施例53および54]
実験例5の実施例31~40、および比較例7~10と同様の方法で、ケーキドーナツを製造した。
実験例1と同様の方法で、口溶けおよび食感(サクミ)についての官能評価を行った。
評価結果を下記表10に示す。また、下記表10には、比較のために、前記実験例5の実施例33の結果も併記した。
表10の実施例53の結果に示す通り、ベーカリーミックス用油脂組成物に配合する液状油の種類を変更しても、製造されるベーカリー製品の口溶けおよび食感の評価結果は、実施例33の評価結果と同様に良好であった。実施例54の結果に示す通り、ベーカリーミックス用油脂組成物に配合する極度硬化油については、菜種極度硬化油を用いた場合よりも、パーム極度硬化油を用いた実施例33の評価結果の方が、優れていた。この結果から、極度硬化油としては、パーム極度硬化油を用いることが好ましいことが分かった。
Claims (8)
- 極度硬化油:2~15質量%と、
パーム由来油脂(前記極度硬化油に属するパーム由来油脂を除く):20~60質量%と、
液状油(前記パーム由来油脂に属する液状油を除く):25~78質量%と、を含有し、
ベーカリーミックスの粉体材料に混合するための、ベーカリーミックス用油脂組成物。 - 前記パーム由来油脂のヨウ素価が、50以上である、請求項1に記載のベーカリーミックス用油脂組成物。
- 前記パーム由来油脂は、低融点画分である、請求項1または2に記載のベーカリーミックス用油脂組成物。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のベーカリーミックス用油脂組成物を含有する、ベーカリーミックス。
- 前記ベーカリーミックス用油脂組成物を0.1~20質量%含有する、請求項4に記載のベーカリーミックス。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のベーカリーミックス用油脂組成物と、粉体材料と、を混合する混合工程を含む、ベーカリーミックスの製造方法。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のベーカリーミックス用油脂組成物と、粉体材料と、を混合してベーカリーミックスを製造する工程と、
該ベーカリーミックスを用いてベーカリー製品用生地を製造する工程と、
を含む、ベーカリー製品用生地の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のベーカリーミックス用油脂組成物と、粉体材料
と、を混合してベーカリーミックスを製造する工程と、
該ベーカリーミックスを用いてベーカリー製品用生地を製造する工程と、
該ベーカリー製品用生地を用いてベーカリー製品を製造する工程と、
を含む、ベーカリー製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020216303A JP7644599B2 (ja) | 2020-12-25 | 2020-12-25 | ベーカリーミックス用油脂組成物、ベーカリーミックス、ベーカリーミックスの製造方法、ベーカリー製品用生地、ベーカリー製品用生地の製造方法、ベーカリー製品、およびベーカリー製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020216303A JP7644599B2 (ja) | 2020-12-25 | 2020-12-25 | ベーカリーミックス用油脂組成物、ベーカリーミックス、ベーカリーミックスの製造方法、ベーカリー製品用生地、ベーカリー製品用生地の製造方法、ベーカリー製品、およびベーカリー製品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022101919A JP2022101919A (ja) | 2022-07-07 |
JP7644599B2 true JP7644599B2 (ja) | 2025-03-12 |
Family
ID=82273345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020216303A Active JP7644599B2 (ja) | 2020-12-25 | 2020-12-25 | ベーカリーミックス用油脂組成物、ベーカリーミックス、ベーカリーミックスの製造方法、ベーカリー製品用生地、ベーカリー製品用生地の製造方法、ベーカリー製品、およびベーカリー製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7644599B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006120910A1 (ja) | 2005-05-11 | 2006-11-16 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 油脂組成物 |
WO2009008410A1 (ja) | 2007-07-10 | 2009-01-15 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 可塑性油脂組成物 |
JP2022044365A (ja) | 2020-09-07 | 2022-03-17 | 太陽油脂株式会社 | ミックス粉用油脂組成物 |
-
2020
- 2020-12-25 JP JP2020216303A patent/JP7644599B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006120910A1 (ja) | 2005-05-11 | 2006-11-16 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 油脂組成物 |
WO2009008410A1 (ja) | 2007-07-10 | 2009-01-15 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 可塑性油脂組成物 |
JP2022044365A (ja) | 2020-09-07 | 2022-03-17 | 太陽油脂株式会社 | ミックス粉用油脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022101919A (ja) | 2022-07-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5864708B2 (ja) | パン焼菓子生地及びパン焼菓子 | |
JP6579261B2 (ja) | 可塑性油脂及びこれを用いたロールイン用油脂組成物 | |
JP5290472B2 (ja) | 油脂及びそれを使用してなる油脂含有食品 | |
JP4925459B2 (ja) | ホームメード製菓製パン用液状油脂組成物 | |
KR20230019115A (ko) | 대체 지방으로서의 에스테르교환된 면실 스테아린 | |
WO2015083635A1 (ja) | 層状穀粉膨化食品生地及び層状穀粉膨化食品 | |
JP6456670B2 (ja) | 製菓製パン用油脂組成物およびその製造方法 | |
JP5930608B2 (ja) | 焼菓子練り込み用油脂組成物 | |
JP7158814B2 (ja) | ベーカリー食品用生地、及びベーカリー食品 | |
JP5114925B2 (ja) | パン練り込み用油脂組成物 | |
JP7644599B2 (ja) | ベーカリーミックス用油脂組成物、ベーカリーミックス、ベーカリーミックスの製造方法、ベーカリー製品用生地、ベーカリー製品用生地の製造方法、ベーカリー製品、およびベーカリー製品の製造方法 | |
JP7569644B2 (ja) | ミックス粉用油脂組成物 | |
JP7094718B2 (ja) | ベーカリー食品 | |
JP2022012611A (ja) | ベーカリー用可塑性油脂組成物およびその製造方法 | |
WO2019215996A1 (ja) | ベーカリー食品の製造方法 | |
JP7518331B2 (ja) | 菓子パン用油脂組成物 | |
JP2019165653A (ja) | クッキー生地用油脂組成物 | |
JP7242379B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP2024540765A (ja) | 硬質固形油脂組成物、並びにその製造方法、及びその使用 | |
EP4156953A1 (en) | Interesterified pequi oil as alternative fat | |
JP2022147809A (ja) | ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 | |
JP5119922B2 (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
CN114080157A (zh) | 可塑性油脂组合物及使用该可塑性油脂组合物制成的复合糕点 | |
JP2019123788A (ja) | 油脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20231218 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20241113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20241126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20241210 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20250225 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20250228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7644599 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |