本開示は、特定の第四級アンモニウムエステル材料及び特定の送達粒子を含む布地ケア組成物に関する。例えば、第四級アンモニウムエステル材料は、布地コンディショニング剤/布地柔軟剤として有用なトリエステル第四級アンモニウム化合物材料を含む。送達粒子は、コア中に有益剤、好ましくは芳香剤、及びキトサンとイソシアネートとの反応生成物を含むシェルを含む、コア/シェル粒子である。
トリエステル第四級アンモニウム化合物材料とキトサン/イソシアネート送達粒子との組み合わせは、特に濡れたタッチポイントにおいて、驚くほど良好な性能を提供すると考えられる。更に、このような送達粒子は、シェルが少なくとも部分的に天然起源の材料(キトサン)に由来するので、好ましい場合がある。更に、比較的低い分子量、比較的高い脱アセチル化度、又はその両方などの特定の特徴を有するキトサンを選択することにより、本開示の組成物において処理、性能、及び/又は生分解性の利益を提供し得ると考えられる。これらのキトサン特性は、加水分解キトサンを使用することによって得されてもよく、これは、キトサンが特定の条件下で加水分解されることから生じ得る。
材料、組成物、及び関連するプロセスは、以下でより詳細に論じられる。
本明細書で使用する場合、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用する場合、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1種の中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、あるいは0重量%の濃度で存在してもよい。
本明細書で使用する場合、「布地ケア組成物」という語句は、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、及び本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得るその他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよいか、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加されてもよい。
本明細書で使用する場合、「送達粒子」、「粒子」、「封入体」、「マイクロカプセル」、及び「カプセル」は、その他に示されない限り、相互に置き換え可能に使用される。本明細書で使用する場合、これらの用語は、典型的には、コア/シェル送達粒子を指す。
別途注記のない限り、全ての構成成分又は組成物の濃度は、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、それよりも低い全ての数値制限を、このようなより低い数値制限があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して示されている全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値制限を、このようなより高い数値制限があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を含み、このような狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのようである。
布地ケア組成物
本開示は、布地ケア組成物に関する。以下でより詳細にされるように、布地ケア組成物は、第四級アンモニウムエステル材料を含んでもよく、第四級アンモニウムエステル材料は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステル第四級アンモニウム化合物」)を含み、トリエステル第四級アンモニウム材料は、部分的にC13~C22脂肪酸から誘導される。布地ケア組成物は、送達粒子の集団を更に含み、粒子は、コア及びコアを取り囲むシェルを含み、コアは、有益剤及び任意に分配調整剤を含み、シェルは、キトサン(好ましくは加水分解キトサン)とイソシアネートとの反応生成物であるポリマー材料を含み、これはポリ尿素/キトサンシェルと称され得る。
布地ケア組成物は、布地コンディショニング組成物(液体布地柔軟化組成物及び/又は増強組成物を含む)、洗濯添加剤、布地リフレッシャー組成物(スプレーを含む)、又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、布地ケア組成物は、自動洗濯機のすすぎサイクルでの使用に好適な、すすぎ添加布地ケア組成物である。
布地ケア組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態であってもよい。
組成物は、液体の形態であってもよい。液体組成物は、好ましくは、布地処理組成物の約50重量%~約97重量%、好ましくは約60重量%~約96重量%、より好ましくは約70重量%~約95重量%、あるいは約80重量%~約95重量%の水を含んでもよい。液体組成物は、液体布地コンディショナであってもよい。液体は、注入可能なボトルにパッケージングされてもよい。液体は、エアゾール缶又はその他のスプレーボトルにパッケージングされてもよい。
組成物は、固体の形態であってもよい。組成物は、ビーズ又はパスティルの形態であってもよく、それらは液体溶融物から成形錠剤化されたものであってもよい。組成物は、押出成形された製品であってもよい。
組成物は、スプレーの形態であってもよく、例えば、トリガ噴霧器及び/又はバルブを有するエアロゾル容器を介してボトルから分配されてもよい。
組成物は、20秒-1及び21℃で、1~1500センチポアズ(1~1500mPa・s)、100~1000センチポアズ(100~1000mPa・s)、又は200~500センチポアズ(200~500mPa・s)の粘度を有してもよい。
本開示の布地ケア組成物は、pHが約2~約12、又は約2~約8.5、又は約2~約7、又は約2~約5であることによって特徴付けられてもよい。本開示の組成物は、好ましくは水性液体の形態で、約2~約4のpH、好ましくは約2~約3.7のpH、より好ましくは約2~約3.5のpHを有してもよい。このようなpH濃度により、第四級アンモニウムエステル化合物の安定性が促進されると考えられる。組成物のpHは、組成物を脱イオン水中に溶解/分散させて、約20℃で10%濃度の溶液を形成することによって測定される。
組成物の追加の構成要素及び/又は特徴は、以下でより詳細に論じられる。
エステル第四級アンモニウム化合物材料
本開示の布地ケア組成物は、第四級アンモニウムエステル材料を含むが、これは、布地コンディショニング活性物質(「FCA」)として作用し得る。布地コンディショニング活性物質は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び/又は外観に関する利益を提供し得る。第四級アンモニウムエステル化合物の種類及び量は、送達される標的有益剤及び/又は処理の対象となる布地のために選択されてもよい。
第四級アンモニウムエステル材料(「エステル第四級アンモニウム化合物」材料と称される場合もある)は、組成物の約1重量%~約35重量%の濃度で存在してもよい。エステル第四級アンモニウム化合物材料は、好ましくは布地ケア組成物の約2重量%~約25重量%、より好ましくは約4重量%~約20重量%、より好ましくは約5重量%~約15重量%、より好ましくは約6重量%~約12重量%の濃度で存在してもよい。
第四級アンモニウムエステル材料の濃度は、組成物(希釈又は濃縮組成物)中の全布地コンディショニング活性物質の所望の濃度、及びその他のFCAの存在(又は非存在)に依存する場合がある。しかしながら、経時的に粘度が増加するリスクは、典型的には、より高いFCA濃度を有する布地処理組成物においてより高い。一方、非常に高いFCA濃度では、粘度はもはや十分に制御されない場合があり、製品が使用に適さなくなる。
第四級アンモニウムエステル材料は、脂肪酸(親脂肪酸と呼ばれる場合もある)から誘導されてもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含んでもよい。脂肪酸は、ヨウ素価によって特徴付けられてもよい(方法を参照)。好ましくは、第四級アンモニウム布地化合物を形成する脂肪酸のヨウ素価は、0~140、又は0~約90、又は約10~約70、約15~約50、又は約18~約30である。ヨウ素価は、約25~50、好ましくは30~48、より好ましくは32~45であってもよい。理論に束縛されるものではないが、第四級アンモニウム化合物を形成する脂肪酸が少なくとも部分的に不飽和である場合、FCAの加工性を容易にするより低い融点が得られる。特に、二重不飽和脂肪酸は、FCAの加工容易性を実現すると考えられる。
脂肪酸は、重量平均で、約13個~約22個の炭素原子、又は約14個~約20個の炭素原子、好ましくは約16個~約18個の炭素原子を含有するアルキル部分を含んでもよい。
好適な脂肪酸としては、(1)牛脂、ラードなどの動物脂肪及び/又は部分水素添加動物脂肪、(2)キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、菜種油、綿実油、トウモロコシ油、大豆油、トール油、米糠油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、その他の熱帯パーム油、亜麻仁油、キリ油などの植物油及び/又は部分水素添加植物油、(3)熱処理、圧力処理、アルカリ異性化処理及び触媒処理による亜麻仁油又はキリ油などの加工油及び/又はスタンド油、(4)飽和(例えば、ステアリン酸)、不飽和(例えば、オレイン酸)、多価不飽和(リノール酸)、分枝鎖状(例えば、イソステアリン酸)又は環状(例えば、多価不飽和酸の飽和又は不飽和α-二置換シクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)脂肪酸を生成するこれらの混合物から誘導されるものが挙げられてもよい。好ましくは、脂肪酸は、植物、好ましくはキャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、トール油、米糠油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、その他の熱帯パーム油、アマニ油、キリ油、又はこれらの混合物、より好ましくはキャノーラ油、ナタネ油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、又はこれらの混合物に由来する。
第四級アンモニウムエステル材料は、不飽和である脂肪酸から形成される化合物を含んでもよい。脂肪酸は、不飽和C18鎖を含んでもよく、これは、単一の二重結合(「C18:1」)を含んでもよい、又は二重不飽和(「C18:2」)であってもよい。
第四級アンモニウムエステル材料は、脂肪酸、及び任意にトリエタノールアミン、好ましくは18個の炭素を含む不飽和脂肪酸(「C18脂肪酸」)、より好ましくは単一の二重結合(「C18:1脂肪酸」)を含むC18脂肪酸から誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル材料は、第四級アンモニウムエステル材料の約10重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%の、トリエタノールアミン及びC18:1脂肪酸から誘導される化合物を含んでもよい。このような濃度の脂肪酸は、得られるエステル第四級アンモニウム化合物材料の取り扱いを容易にする場合がある。
第四級アンモニウムコンディショニング活性物質を形成する脂肪酸は、全脂肪酸鎖の1.0重量%~20.0重量%、好ましくは1.5重量%~18.0重量%、又は3.0重量%~15.0重量%、より好ましくは4.0重量%~15.0重量%の二重不飽和C18鎖(「C18:2」)を含んでもよい。第四級アンモニウムエステル材料を形成するために使用される全脂肪酸の約2重量%~約10%、又は約2重量%~約8重量%、又は約2重量%~約6重量%は、C18:2脂肪酸であってもよい。
一方、経時な布地柔軟剤組成物の酸化の結果としての悪臭形成を最小限に抑えるために、非常に高濃度の不飽和脂肪酸鎖は避けるべきである。
好適な第四級アンモニウムエステル材料としては、モノエステル第四級材料(「モノエステル第四級アンモニウム化合物」)、ジエステル第四級材料(「ジエステル第四級アンモニウム化合物」)、トリエステル第四級材料(「トリメスター第四級アンモニウム化合物」)、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられてもよい。全第四級アンモニウムエステル材料の重量に対して、モノエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は2.0重量%~40.0重量%であってもよく、ジエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は40.0重量%~98.0重量%であってもよく、トリエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は0.1重量%~30.0重量%であってもよい。全第四級アンモニウムエステル材料の重量に対して、モノエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は2.0重量%~40.0重量%であってもよく、ジエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は40.0重量%~98.0重量%であってもよく、トリエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は5.0重量%未満、又は1.0重量%未満、あるいは0.0重量%であってもよい。全第四級アンモニウムエステル材料の重量に対して、モノエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は15.0重量%~35.0重量%であってもよく、ジエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は40.0重量%~60.0重量%であってもよく、トリエステル第四級アンモニウム化合物の濃度は15重量%~38.0重量%であってもよい。
第四級アンモニウムエステル材料は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステル第四級アンモニウム化合物」)を含む。トリエステル第四級アンモニウム材料は、部分的にC13~C22脂肪酸から誘導される。
好適な第四級アンモニウムエステル材料は、アルカノールアミン、例えば、C1~C4アルカノールアミン、好ましくはC2アルカノールアミン(例えば、エタノールアミン)から誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル材料は、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、又はこれらの混合物、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル材料は、少なくとも部分的にトリアルカノールアミン、好ましくはトリエタノールアミンから誘導されてもよく、これは、トリエステル第四級アンモニウム化合物材料の形成をもたらし得る。
第四級アンモニウムエステル材料は、少なくとも部分的に置換された四級化窒素原子を含んでもよい。四級化窒素原子は、少なくとも部分的に、1つ以上のC1~C3アルキル基又はC1~C3ヒドロキシルアルキル基で置換されてもよい。四級化窒素原子は、少なくとも部分的に、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルからなる群から選択される部分で置換されてもよい。
第四級アンモニウムエステル材料は、式(I)による化合物を含んでもよく、
{R2
(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A- 式(I)
式中、mは1、2又は3であり、ただし、所与の分子において、各mの値は同一であり、式(I)による化合物の少なくとも一部に関して、mは3であり、各R1は13個~22個の炭素原子を含み、独立して、直鎖ヒドロカルビル基又は分岐鎖ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は、直鎖状であり、より好ましくは、R1は、部分不飽和直鎖アルキル鎖であり、各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はC1~C3ヒドロキシアルキル基である、及び/又は、各R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、各Xは独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から独立して選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。
各R1基は、上記に提供された親脂肪酸のいずれかのアルキル部分(複数可)に対応してもよい、及び/又はそれから誘導されてもよい。R1基は、重量平均で約13個~約22個の炭素原子、又は約14個~約20個の炭素原子、好ましくは約16個~約18個の炭素原子を含んでもよい。Yが*-O-(O)C-である場合(*は、X部分に最も近い末端を示す)、各R1における炭素の合計は、13個~21個、好ましくは、13個~19個である可能性がある。
本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による第四級アンモニウム化合物の混合物を含んでもよく、例えば、m=1(例えば、モノエステル)であるいくつかの化合物、m=2(例えば、ジエステル)であるいくつかの化合物、及びm=3(例えば、トリエステル)であるいくつかの化合物を有する。
本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物(式中、各R2はメチル基である)を含んでもよい。本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、式中、少なくとも1つのR2、好ましくは少なくとも1つのR2がヒドロキシエチル基、及び少なくとも1つのR2がメチル基である。式(I)による化合物の場合、mは1に等しくてもよく、1つのR2のみがヒドロキシエチル基であってもよい。
本開示の第四級アンモニウム化合物は、対イオンとして硫酸メチルを含んでもよい。本開示の第四級アンモニウムエステル材料が式(I)による化合物を含む場合、A-は、好ましくは硫酸メチルであってもよい。理論に束縛されるものではないが、硫酸メチル対イオンが塩化物と比較してより緊密に結合しているため、対イオンとして硫酸メチルを有するエステル第四級アンモニウム化合物は、塩化物を有するものと比較して、より低い静電反発力を有すると考えられている。したがって、静電反発力は、エステル第四級アンモニウム化合物と硫酸メチルイオンとの間の相互作用により、比較的低減されると考えられている。したがって、硫酸メチル系エステル第四級アンモニウム化合物は、比較的低電荷構造をもたらす場合があり、これは、中性表面との比較的強い相互作用をもたらす場合がある。次に、より中性電荷を有する粒子は、これらのより中性の材料及び/又はそれから形成されるベシクルの表面とより相互作用する場合があり、より正電荷したカプセル剤とこのような材料/ベシクルとの間の相互作用と比較して、布地などの標的表面上により効果的な付着をもたらすと考えられている。
布地コンディショニング活性物質として第四級アンモニウムエステル材料を含む組成物は、このような化合物の非四級化誘導体、及び未反応反応物質(例えば、遊離脂肪酸)を更に含んでもよいことが理解される。
送達粒子
本開示の組成物は、送達粒子の集団を含む。送達粒子は、コア及びコアを取り囲むシェルを含む。コアは、有益剤、及び任意に、分配調整剤を含んでもよい。コアは、室温で液体又は固体、好ましくは液体であり得る。
組成物は、組成物の約0.05重量%~約20重量%、又は約0.05重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.2重量%~約2重量%の送達粒子を含んでもよい。組成物は、組成物の約0.05重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の封入された粒子を組成物に提供するのに十分な量の送達粒子を含んでもよく、これは、好ましくは香料原料であってもよい。本明細書で考察される場合、送達粒子の量又は重量パーセントは、壁材料とコア材料との合計を意味する。
本開示による送達粒子の集団は、約1~約100ミクロン、好ましくは約10~約100ミクロン、好ましくは約15~約50ミクロン、より好ましくは約20~約40ミクロン、更により好ましくは約20~約30ミクロンの体積加重中央粒径によって特徴付けられてもよい。乳化中に滴量を制御することによって、異なる粒径を得ることができる。
送達粒子は、重量に基づいて、最大99:1、あるいは99.5:1のコア対シェルの比によって特徴付けられてもよい。
送達粒子はカチオン性、好ましくは4.5のpHでカチオン性であってもよい。送達粒子は、4.5のpHで少なくとも15ミリボルト(mV)のゼータ電位によって特徴付けられてもよい。送達粒子は、4.5のpHで少なくとも15ミリボルト(mV)、あるいは4.5のpHで少なくとも40mV、あるいは4.5のpHで少なくとも60mVのゼータ電位を有するように作製され得る。キトサンを用いて調製されたポリ尿素カプセルは、典型的には、正のゼータ電位を示す。このようなカプセルは、布地上への付着効率が改善されている。より高いpHでは、粒子は非イオン性又はアニオン性にすることができる。
送達粒子のシェルは、ポリイソシアネートとキトサンとの反応生成物であり得るポリマー材料を含む。キトサンは、好ましくは加水分解キトサンであってもよい。シェルはポリ尿素樹脂を含んでもよく、ポリ尿素樹脂はポリイソシアネートとキトサン、好ましくは加水分解キトサンとの反応生成物を含む。本開示の送達粒子は、ポリ尿素送達粒子と見なされてもよく、ポリ尿素-キトサンシェルを含んでもよい。(本明細書で使用する場合、「シェル」及び「壁」は、その他に示されない限り、送達粒子に関して交換可能に使用される。)シェルは、イソシアネート及びキトサン、好ましくは加水分解キトサンから誘導されてもよい。理論に束縛されるものではないが、本発明の主題は、得られるポリマーの荷電ドメイン又は荷電ペンダント基を介して、送達粒子の表面、特に外側表面に化学結合することによって、キトサン尿素系送達粒子の調整された表面電荷を可能にすると考えられる。
送達粒子の集団は、以下の工程、6.5以下のpH及び少なくとも60℃の温度で、少なくとも1時間、水性酸性媒体中でキトサンを加水分解することによって水相を形成する工程と、少なくとも1種の有益剤及び少なくとも1種のポリイソシアネートを、任意に、添加油と共に溶解することを含む、油相を形成する工程と、高剪断撹拌下で水相及び油相を余剰の水相中に混合してエマルションを形成し、それによって水相中に分散された油相及び有益剤の液滴を形成し、任意にエマルションのpHをpH2~pH6の範囲に調整する工程と、液滴と水相との界面にシェルを形成するのに十分な時間で、少なくとも40℃に加熱することによってエマルションを硬化させる工程であって、シェルが、ポリイソシアネートと加水分解キトサンとの反応生成物を含み、シェルが、油相と有益剤との液滴を含むコアを取り囲む、工程と、を含むプロセスに従って、作製されてもよい。硬化は、約100℃まで、より好ましくは約90℃までの温度で発生し得る。キトサンの加水分解は、約100℃まで、より好ましくは約90℃までの温度で発生し得る。このような温度は、所望の反応が発生するように、水が残る(例えば、蒸発しない)可能性を高くする。
送達粒子のシェルは、ポリ尿素樹脂を含んでもよく、ポリ尿素樹脂は、ポリイソシアネートとキトサンとの反応生成物を含み、キトサンは、6.5以下のpH、好ましくは更にpH6.5未満、より好ましくは3~6のpHで、少なくとも60℃の温度で少なくとも1時間、酸性媒体中で最初に加水分解される。シェルの少なくとも21重量%が、加水分解キトサンに由来する部分から構成され、シェルは、試験方法OECD301Bに従って試験した場合、14日(又はそれ未満)で少なくとも40%分解する。形成されるシェルは、シェルの重量に基づいて少なくとも21重量%のキトサン含有量を有するキトサン-ポリ尿素シェルであってもよい。
送達粒子は、第1の工程においてキトサンを加水分解し、加水分解キトサンの水溶液を作製することによって調製されてもよい。加水分解キトサンは、コアシェル送達粒子のシェルを形成するための架橋剤として、酸性から中性のpHで利用され得る。少なくとも2、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも4のpHは、加水分解キトサンとイソシアネートモノマーとの架橋を容易にするために、水相に関して有用である。加水分解工程におけるキトサンは、好ましくは、約95キロダルトン(kDa)以下の重量平均分子量まで解重合されてもよい。シェルのキトサンは、脱アセチル化度が少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、あるいは少なくとも92%であることによって特徴付けられてもよい。
本開示の粒子を作製するために加水分解キトサンを使用することが好ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、加水分解されていないキトサンと比較して、加水分解キトサンは、乳化剤として作用する能力も有しながら、改善された水溶性を有し、水相を含む界面重合を介して送達粒子を形成することを比較的容易にすると考えられる。加水分解キトサンから作製された粒子はまた、好ましい生分解性特性を示し得る。例えば、分解性は、加水分解のpHがpH6.5未満、好ましくは6未満へと低下するにつれて増加する傾向がある。追加的に又は代替的に、加水分解キトサンは、おそらくそのより小さいサイズ/より低い分子量に起因して、イソシアネート/ポリ尿素と反応した場合に、より効果的な架橋剤であり得る。
送達粒子形成プロセスにおいて使用されるキトサンは、酸性条件下(pH6.5以下)で最初に加水分解されてもよい。任意に、キトサンは、2~6.5のpHで、あるいは4~6のpHで加水分解される。これにより、水溶性を有するが、乳化剤として作用する能力又は乳化剤の必要性を置換する能力を保持し、追加の乳化剤を任意にする脱アセチル化解重合キトサンが得られる。反応条件における小さな差異は、予期せぬことに、著しく異なる特性を有する封入体を生じ得る。この効果は、キトサン加水分解工程において、pHが約pH4、又はpH2~6、又はpH3~5、しかし好ましくはpH3.5~5に調整される反応について、より顕著であると考えられる。
キトサンは、pH2~pH6.5のpHの範囲で、及び少なくとも45℃の温度で、加水分解されてもよい。加水分解工程におけるキトサンは、少なくとも75%、あるいは少なくとも80%、又は少なくとも85%、あるいは少なくとも92%まで脱アセチル化される。加水分解工程におけるキトサンは、95kDa以下の重量平均分子量まで解重合される。
本開示において、加水分解キトサンは、ポリ尿素送達粒子を調製するために架橋剤及び乳化剤の両方として使用されることが教示されている。加水分解は、キトサンを脱アセチル化及び脱重合し、それによって、そうでなければ取り扱いが困難な材料を可溶化するという利点を有する。キトサンは、ジャケット付き反応器中の水中に添加されてもよく、2~、あるいは3~6.5のpHで、濃縮HClなどの酸を使用して調整されてもよい。この混合物のキトサンは、60分間で85℃などの高温で加熱し、次に、この温度で1分~1440分以上保持することによって、加水分解されてもよい。次に、水相を25℃に冷却する。必要に応じて、脱アセチル化は、キトサンを脱重合又は脱アセチル化する酵素によって、更に促進又は増強されてもよい。油相は、キシリレンジイソシアネート(xylylene Diisocyanate、XDI)の三量体又はメチレンジフェニルイソシアネート(methylene diphenyl isocyanate、MDI)のポリマーなどのイソシアネートを25℃の油に溶解することによって、調製される。希釈剤、例えばミリスチン酸イソプロピルは、油相の親水性を調整するために使用されてもよい。次に、油相を水相に添加し、高速で粉砕して、目標サイズを得る。次に、エマルジョンを、30分間で40℃に加熱し、40℃で60分間保持するなどの1つ以上の加熱工程において、硬化させる。時間及び温度は概算である。温度及び時間は、油相の液滴と水連続相との界面でシェルを形成及び硬化するのに十分であるように選択される。例えば、エマルジョンを60分間で85℃に加熱し、次に85℃で360分間保持して粒子を硬化させる。次に、スラリーを室温に冷却する。
シェルの重量百分率としてのキトサンは、シェルの約21%~約95%であってもよい。イソシアネートモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーの加水分解キトサンに対する比は、重量で1:10までであってもよい。油相中のイソシアネートと比較した水相中の加水分解キトサンの比は、重量に基づいて、21:79~90:10、あるいは1:2~10:1、あるいは1:1~7:1であってもよい。シェルは、キトサンである全シェルの21重量%以上、好ましくは約21重量%~約90重量%、あるいは21重量%~85重量%、あるいは21重量%~75重量%、あるいは21重量%~55重量%の濃度でキトサンを含んでもよい。
本発明において有用なポリイソシアネートは、本明細書の目的のために、イソシアネートモノマー、イソシアネートオリゴマー、イソシアネートプレポリマー、又は脂肪族若しくは芳香族イソシアネートの二量体あるいは三量体として理解されるべきである。脂肪族又は芳香族イソシアネートの全てのこのようなモノマー、プレポリマー、オリゴマー、又は二量体若しくは三量体は、本明細書における用語「ポリイソシアネート」によって包含されることが意図される。
ポリイソシアネートは、有用には2つ以上のイソシアネート官能基を含む、脂肪族又は芳香族モノマー、オリゴマー又はプレポリマーであってもよい。ポリイソシアネートは、好ましくは、トルエンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物及びキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、メチレンジフェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、テトラメチルキシリデンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、並びにフェニレンジイソシアネートを含む群から選択されてもよい。
ポリイソシアネートは、例えば、カプセル封入化のための壁形成に使用される芳香族トルエンジイソシアネート及びその誘導体、又は脂肪族モノマー、オリゴマー若しくはプレポリマー、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその二量体若しくは三量体、又は3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-1-イソシアナトシクロヘキサンテトラメチレンジイソシアネートから選択され得る。ポリイソシアネートは、1,3-ジイソシアナト-2-メチルベンゼン、水素化MDI、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、並びにこれらのオリゴマー及びプレポリマーから選択され得る。本列挙は例示であり、本開示において有用なポリイソシアネートを限定することを意図するものではない。
本発明において有用なポリイソシアネートは、少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネートモノマー、オリゴマー若しくはプレポリマー、又はこれらの二量体若しくは三量体を含む。最適な架橋は、少なくとも3つの官能基を有するポリイソシアネートを用いて達成され得る。
ポリイソシアネートは、本開示の目的のために、少なくとも2つのイソシアネート基を有し、モノマー、オリゴマー、又はプレポリマー中に脂肪族部分又は芳香族部分を含む任意のポリイソシアネートを包含するものとして理解される。芳香族である場合、芳香族部分は、フェニル、トルイル、キシリル、ナフチル又はジフェニル部分、より好ましくはトルイル又はキシリル部分を含み得る。芳香族ポリイソシアネートは、本明細書の目的のために、ビウレット及びポリイソシアヌレートなどのジイソシアネート誘導体を含み得る。ポリイソシアネートは、芳香族の場合、メチレンジフェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、テトラメチルキシリデンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート(Bayerから、商品名Desmodur(登録商標)RCで市販されている)、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(Bayerから、商品名Desmodur(登録商標)L75で市販されている)、又はキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(Mitsui Chemicalsから、商品名Takenate(登録商標)D-110Nで市販されている)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、及びフェニレンジイソシアネートであり得るが、これらに限定されない。
芳香族ポリイソシアネートが好ましいが、しかしながら、脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのブレンドが有用である場合がある。脂肪族ポリイソシアネートは、芳香族部分を全く含まないポリイソシアネートとして理解される。脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(Mitsui Chemicalsから入手可能)、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット(Bayerから、商品名Desmodur(登録商標)N100で市販されている)が挙げられる。
粒子シェルはまた、ジエチレントリアミン(diethylene triamine、DETA)、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、又はこれらの混合物などの多官能性アミン及び/又はポリアミンなどの追加の共架橋剤を使用して、強化されてもよい。
シェルは、送達粒子の約1~15重量パーセントの濃度で存在してもよい。シェルは、送達粒子の少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%の濃度で存在してもよい。シェルは、送達粒子の約15重量%までの濃度で存在してもよい。
シェルは、試験方法OECD301Bに従って試験した場合、20日(又はそれ未満)後に少なくとも50%分解し得る。シェルは、試験方法OECD301Bに従って試験した場合、60日(又はそれ未満)後に、その質量の少なくとも60%が分解し得ることが好ましい。シェルは、60日間、好ましくは50日間、より好ましくは40日間、より好ましくは28日間、より好ましくは14日間で、30~100%、好ましくは40~100%、50~100%、60~100%、又は60~95%分解し得る。
本開示の送達粒子はコアを含む。コアは、有益剤を含む。コアは、任意に分配調整剤を含む。
粒子のコアはシェルによって取り囲まれている。シェルが破裂した場合、コア中の有益剤が放出される。コア内に配置される好適な有益剤としては、布地又は毛髪等の表面に利益をもたらす有益剤が挙げられてもよい。
コアは、コアの約5重量%~約100重量%の有益剤を含んでもよく、これは、好ましくは芳香剤を含んでもよい。コアは、コアの約45重量%~約95重量%、好ましくは約50重量%~約80重量%、より好ましくは約50重量%~約70重量%の有益剤を含んでもよく、これは、好ましくは芳香剤を含んでもよい。
有益剤は、アルデヒド含有有益剤、ケトン含有有益剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。アルデヒド含有香料原料又はケトン含有香料原料などのこのような有益剤は、新鮮さという利益などの好ましい利益を提供することが周知である。有益剤は、有益剤の少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、更により好ましくは少なくとも約50重量%のアルデヒド含有有益剤、ケトン含有有益剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
有益剤は、疎水性有益剤であってもよい。このような薬剤は、本開示の送達粒子を作製する際に一般的である油相と適合性である。
有益剤は、芳香剤、シリコーン油、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、潤滑油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭軽減剤、臭気制御材料、キレート剤、帯電防止剤、柔軟剤、昆虫及び蛾駆除剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、しわ抑制剤、衛生化剤、消毒剤、細菌抑制剤、カビ抑制剤、白カビ抑制剤、抗ウィルス剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感維持剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、移染防止剤、色保持剤、蛍光増白剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐摩耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、けば立ち防止剤、抑泡剤、消泡剤、紫外線保護剤、日褪せ阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、耐収縮剤、耐伸剤、伸縮回復剤、スキンケア剤、グリセリン、合成又は天然活性物質、抗菌活性物質、制汗剤活性物質、カチオン性ポリマー、染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
カプセル封入化有益剤は、好ましくは芳香剤を含んでもよく、これは1種以上の香料原料を含んでもよい。芳香剤は、芳香剤含有粒子が複数のタッチポイントにわたって新鮮さという利益を提供することができるので、本明細書に記載された送達粒子におけるカプセル封入化に特に適している。
本発明で使用する場合、「香料原料(perfume raw material、PRM)」という用語は、少なくとも約100g/モルの分子量を有する化合物であって、匂い、芳香、エッセンス又は香気を、単独で又はその他の香料原料と共に付与する上で有用な化合物のことを指す。典型的なPRMとしては特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ナイトライト、及びテルペン等のアルケンが挙げられる。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)のような種々の参照元に見出され得る。
PRMは、常圧(760mmHg)で測定されるそれらの沸点(boiling point、B.P.)と、以下の試験方法に従って決定されるlogPに関して記載され得るオクタノール/水分配係数(P)によって特徴付けられてもよい。下記でより詳細に記載されるように、これらの特徴に基づいて、PRMを、Quadrant I、Quadrant II、Quadrant III、又はQuadrant IVの香料として分類してもよい。
芳香剤は、約2.5~約4のlogPを有する香料原料を含んでもよい。その他の香料原料もまた芳香剤中に存在してもよいことが、理解される。
香料原料は、約250℃より低い沸点(B.P.)と約3より低いlogPとを有する香料原料、約250℃より高いB.P.と約3より高いlogPとを有する香料原料、約250℃より高いB.P.と約3より低いlogPとを有する香料原料、約250℃より低いB.P.と約3より高いlogPとを有する香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでもよい。約250℃より低い沸点B.P.と約3より低いlogPとを有する香料原料は、Quadrant I香料原料として周知である。Quadrant 1香料原料は、好ましくは、香料組成物の30%未満に限定される。約250℃より高いB.P.と約3より高いlogPとを有する香料原料は、Quadrant IV香料原料として周知であり、約250℃より高いB.P.と約3より低いlogPとを有する香料原料は、Quadrant II香料原料として周知であり、約250℃より低いB.P.と約3より高いlogPとを有する香料原料は、Quadrant III香料原料として周知である。好適なQuadrant I、II、III及びIV香料原料は、米国特許第6,869,923(B1)号に開示されている。
有益剤が芳香剤を含み、好ましくは芳香剤が、芳香剤の少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、更により好ましくは少なくとも約50重量%のアルデヒド含有香料原料、ケトン含有香料原料、又はこれらの組み合わせを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
好ましいアルデヒド含有香料原料としては、メチルノニルアセトアルデヒドと、ベンズアルデヒドと、フロラロゾンと、イソシクロシトラールと、トリプラール(リグストラール)と、プレシクレモンBと、リリアールと、デシルアルデヒドと、ウンデシレン酸アルデヒドと、シクラメンホモアルデヒドと、シクラメンアルデヒドと、デュピカルと、オンシダールと、アドキザールと、メロナールと、カリプソンと、アニスアルデヒドと、ヘリオトロピンと、クミンアルデヒドと、センテナールと、3,6-ジメチルシクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒドと、サテンアルデヒドと、カントキザールと、バニリンと、エチルバニリンと、ケイ皮アルデヒドと、シス-4-デセナールと、トランス-4-デセナールと、シス-7-デセナールと、ウンデシレン酸アルデヒドと、トランス-2-ヘキセナールと、トランス-2-オクテナールと、2-ウンデセナールと、2,4-ドデカデイエナールと、シス-4-ヘプテナールと、フロリドラルと、ブチルケイ皮アルデヒドと、リモネラルと、アミルケイ皮アルデヒドと、ヘキシルケイ皮アルデヒドと、シトロネラールと、シトラールと、シス-3-ヘキセン-1-アールと、又はこれらの混合物と、が挙げられてもよい。
好ましいケトン含有原料としては、ネロリオンと、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オンと、1-ナフタレン-2-イルエタノンと、ネクタリルと、トリモフィックスOと、フルーラモンと、デルタ-ダマスコーンと、ベータ-ダマスコーンと、アルファ-ダマスコーンと、メチルイオノンと、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オンと、ガラバスコーンと、又はこれらの混合物と、が挙げられてもよい。
本開示の送達粒子のコアは、より強固なシェル形成を促進し得る分配調整剤を含んでもよい。分配調整剤は、壁形成モノマーの組み込みの前にコアの香油材料と組み合わせられてもよい。分配調整剤は、コア中に、コアの約5重量%~約55重量%、好ましくは約10重量%~約50重量%、より好ましくは約25重量%~約50重量%の濃度で存在してもよい。
分配調整剤は、植物油、変性植物油、C4~C24脂肪酸のモノエステル、ジエステル、及びトリエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。分配調整剤は、好ましくはミリスチン酸イソプロピルを含んでもよい、あるいは、ミリスチン酸イソプロピルからなってもよい。変性植物油は、エステル化及び/又は臭素化されたものであってもよい。変性植物油は、好ましくは、ヒマシ油及び/又はダイズ油を含んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20110268802号は、本明細書に記載された送達粒子において有用であり得るその他の分配調整剤について記載している。
有益剤自体が、特に壁形成材料のための油相又は溶媒として機能するのに十分でない場合、油相は、好適な担体及び/又は溶媒を含み得る。この意味で、有益剤自体が時に油であり得るので、油は任意である。これらの担体又は溶媒は、一般に油であり、好ましくは約80℃超の沸点及び低揮発性を有し、不燃性である。これらに限定されないが、それらは、好ましくは18個までの炭素原子あるいは42個までの炭素原子の鎖長を有する1種以上のエステル、及び/又はC6~C12脂肪酸とグリセロールとのエステルなどのトリグリセリドを含むことが好ましい。代表的な担体及び溶媒としては、エチルジフェニルメタンと、イソプロピルジフェニルエタンと、ブチルビフェニルエタンと、ベンジルキシレンと、プロピルビフェニル、及びブチルビフェニルなどのアルキルビフェニルと、フタル酸ジアルキル、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジトリデシルと、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレートと、ドデシルベンゼンなどのアルキルベンゼンと、安息香酸アルキル又は安息香酸アラルキル、例えば安息香酸ベンジルと、ジアリールエーテルと、ジ(アラルキル)エーテル及びアリールアラルキルエーテルと、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、及びフェニルベンジルエーテルなどのエーテルと、液体高級アルキルケトン(少なくとも9個の炭素原子を有する)と、安息香酸アルキル又はアラルキル、例えば安息香酸ベンジルと、ジプロピルナフタレンなどのアルキル化ナフタレンと、部分的に水素化されたテルフェニルと、高沸点直鎖炭化水素又は分岐鎖炭化水素と、アルカリル炭化水素、例えばトルエンと、植物油及びその他の作物油、例えばキャノーラ油、大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、綿実油、レモン油、オリーブ油及びパイン油と、植物油及び他の作物油のエステル交換から誘導される脂肪酸のメチルエステル、オレイン酸のメチルエステル、植物油のエステル、例えば、大豆メチルエステル、直鎖パラフィン系脂肪族炭化水素、及び前述のものの混合物と、が挙げられるが、これらに限定されない。
任意に、水相は乳化剤を含んでもよい。乳化剤の非限定的な実施例としては、アルキルサルフェートの水溶性塩、アルキルエーテルサルフェート、アルキルイソチオネート、アルキルカルボキシレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスクシナメート、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルサルフェート、アルキルサルコシネート、タンパク質水解物のアルキル誘導体、アシルアスパルテート、アルキル又はアルキルエーテル若しくはアルキルアリールエーテルリン酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質若しくはレシチン、又は石鹸類、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムステアレート、オレエート又はパルミチン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリ(スチレンスルホネート)ナトリウム塩、イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース及びペクチン、ポリ(スチレンスルホネート)、イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、トラガカントゴム、アーモンドゴム及び寒天と、準合成ポリマーで、例えばカルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、リン酸化デンプン、リグニンスルホン酸と、合成ポリマーで、例えば無水マレイン酸コポリマー(その加水分解物を含む)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸ブチルアクリレートコポリマー又はクロトン酸のホモポリマー及びコポリマー、ビニルベンゼンスルホン酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のホモポリマー及びコポリマーと、並びにこのようなポリマー及びコポリマーの部分的アミド又は部分的エステル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、及びリン酸変性ポリビニルアルコール、リン酸化又は硫酸化トリスチリルフェノールエトキシレート、パルミトアミドプロピルトリモニウムクロリド(Varisoft PATCTM、Degussa Evonik(Essen、Germany)から入手可能)、ジステアリルジモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、第四級アンモニウム化合物、脂肪族アミン、脂肪族脂肪族アンモニウムハロゲン化物、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハロゲン化物、アルキルジメチルエチルアンモニウムハロゲン化物、ポリエチレンイミン、ポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート)メチルクロリド四級塩、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-2-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アリルアミン)、ポリ[ビス(2-クロロエチル)エーテル-alt-1,3-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]尿素]四級化物、並びにポリ(ジメチルアミン-co-エピクロロヒドリン-co-エチレンジアミン)、脂肪族アミンとアルキレンオキシドの縮合生成物、長鎖脂肪族ラジカルを伴う第四級アンモニウム化合物(例えばジステアリルジアンモニウムクロリド)、並びに脂肪族アミン、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハロゲン化物、アルキルジメチルエチルアンモニウムハロゲン化物、ポリアルキレングリコールエーテル、アルキルフェノールの縮合生成物、脂肪族アルコール、又はアルキレンオキシドを伴う脂肪酸、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化アリールフェノール、エトキシル化ポリアリールフェノール、ポリオールで可溶化したカルボン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、又はポリビニルアルコールポリビニルアセテートのコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-イソプロペニル-2-オキサゾリン-co-メチルメタクリレート)、ポリ(メチルビニルエーテル)、並びにポリビニルアルコール-co-エチレン)、並びにココアミドプロピルベタインと、が挙げられる。乳化剤は、使用される場合、配合物の総重量に基づいて、典型的には約0.1~40重量%、好ましくは0.2~約15重量%、より典型的には0.5~10重量%である。
送達粒子はまた、異なるブルームパターンを有し得る送達粒子の異なる集団を作製するように、分配調整剤対有益剤の種々の比を有してもよい。このような集団はまた、異なるブルームパターン及び異なる香り経験を示す送達粒子の集団を作製するために、異なる香油を組み込んでもよい。米国特許出願公開第2011-0268802号は、送達粒子及び分配調整剤のその他の非限定的な実施例を開示しており、参照により本明細書に組み込まれる。
キトサン送達粒子の形成において、水溶液は、残留量の加水分解キトサンを含有してもよい。これは、デカンテーション、濾過、遠心分離又はその他の分離技術などによって送達粒子を脱水する選択肢を提供する。あるいは、キトサンポリ尿素送達粒子の水性スラリーを噴霧乾燥して、水相からの残留加水分解キトサンの層で更にコーティングされたキトサンポリ尿素送達粒子を形成し得る。
送達粒子の形成されたスラリーは、追加の水に、又は低濃度の残留オーバーコーティング加水分解キトサンと共に更に分散されて、乾燥時に破砕し得るキトサンポリ尿素送達粒子をもたらし、芳香剤送達などのいくつかの用途において、又は標的送達のための農業用活性物質と共に有用な、追加の放出機構を提供し得る。
送達粒子の集団は、1つ以上の別個の集団を含んでもよい。組成物は、香油の正確な構成において、並びに香油に対する中央粒径及び/又は分配調整剤(PM:A)において変化する、送達粒子の少なくとも2つの異なる集団を有してもよい。いくつかの実施例では、組成物は、香油の正確な構成及びそれらの破砕強度が異なる、2つ超の別個の集団を含む。いくつかの更なる実施例では、送達粒子の集団は、分配調整剤の香油(複数可)に対する重量比に関して変動し得る。いくつかの実施例では、組成物は、分配調整剤の第1の香油に対する重量比が2:3~3:2である第1の比を有する送達粒子の第1の集団と、分配調整剤の第2の香油に対する重量比が2:3未満であるが0超の第2の比を有する送達粒子の第2の集団と、を含み得る。
送達粒子の各別個の集団は、別個のスラリー中で調製可能であり得る。例えば、送達粒子の第1の集団は、第1のスラリー中に含有され得、送達粒子の第2の集団は、第2のスラリー中に含有され得る。組み合わせのための別個のスラリーの数は限定されず、3、10、又は15の別個のスラリーが組み合わされ得るような配合者の選択であることが、理解されるべきである。送達粒子の第1の集団及び第2の集団は、香油の正確な構成において、並びに中央粒径及び/又はPM:POの重量比において異なってもよい。
本開示の組成物は、第1のスラリー及び第2のスラリーを少なくとも1種の補助成分と組み合わせることによって調製され得、任意に、容器にパッケージされ得る。送達粒子の第1の集団及び第2の集団は、別個のスラリー中で調製され得、次に、噴霧乾燥されて微粒子を形成し得る。別個のスラリーは、噴霧乾燥前に混合されてもよい、又は個々に噴霧乾燥され、次に、微粒子粉末形態である場合に一緒に混合されてもよい。いったん粉末形態になると、送達粒子の第1の集団及び第2の集団は、補助成分と組み合わされて、消費者、産業用、医療用又はその他の商品の製造のための供給原料として有用な組成物を形成し得る。送達粒子の少なくとも1つの集団を噴霧乾燥し、送達粒子の第2の集団のスラリーと組み合わせる。送達粒子の少なくとも1つの集団は、噴霧乾燥、流動床乾燥、トレイ乾燥、又は利用可能なその他のこのような乾燥プロセスによって乾燥され、調製されてもよい。
組成物は、第1のスラリー及び第2のスラリーを少なくとも1種の補助成分と組み合わせることによって調製され得、任意に、容器にパッケージされ得る。送達粒子の第1の集団及び第2の集団は、別個のスラリー中で調製され得、次に、噴霧乾燥されて微粒子を形成し得る。別個のスラリーは、噴霧乾燥前に混合されてもよい、又は個々に噴霧乾燥され、次に、微粒子粉末形態である場合に一緒に混合されてもよい。いったん粉末形態になると、送達粒子の第1の集団及び第2の集団は、補助成分と組み合わされて、消費者、産業用、医療用又はその他の商品の製造のための供給原料として有用な組成物を形成し得る。送達粒子の少なくとも1つの集団を噴霧乾燥し、送達粒子の第2の集団のスラリーと組み合わせてもよい。送達粒子の少なくとも1つの集団は、噴霧乾燥、流動床乾燥、トレイ乾燥、又は利用可能なその他のこのような乾燥プロセスによって乾燥され、調製されてもよい。
スラリー又は乾燥微粒子は、担体、凝集阻害材料、付着助剤、粒子懸濁ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される加工助剤などの、1種以上の補助材料を含み得る。凝集阻害材料の非限定的実施例としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物などの、粒子の周囲に電荷遮蔽効果を有し得る塩が挙げられる。粒子懸濁ポリマーの非限定的実施例としては、キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、シェラック、アルギネート、キトサンなどのポリマーと、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン性荷電セルロース系材料などのセルロース系材料と、ポリアクリル酸と、ポリビニルアルコールと、水素添加ヒマシ油と、エチレングリコールジステアレートと、これらの混合物と、が挙げられる。
スラリーは、水、二価塩などの凝集阻害材料、又はキサンタンガム、グアーガム、及び/若しくはカルボキシメチルセルロースなどの粒子懸濁ポリマーを含んでもよい、1種以上の加工助剤を含み得る。
スラリーは、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールを含むがこれらに限定されない極性溶媒からなる群から選択される、1種以上の担体を含み得、非極性溶媒としては、鉱油、香料原料、シリコーン油、炭化水素パラフィン油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
スラリーは、一態様では、カチオン変性デンプン及び/又はカチオン変性グアーと、ポリシロキサンと、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライドと、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びポリビニルピロリドンのコポリマーと、ポリエチレングリコール及びポリビニルピロリドンを含む組成物と、アクリルアミドと、イミダゾールと、イミダゾリニウムハライドと、ポリビニルアミンと、ポリビニルアミン及びN-ビニルホルムアミドのコポリマーと、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアルコールと、ホウ酸と架橋されたポリビニルアルコールと、ポリアクリル酸と、ポリグリセロールエーテルシリコーンクロスポリマーと、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルアミンとアミン、一態様ではジエチレントリアミン、エチレンジアミン、ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、N,N-ビス-(3-アミノプロピル)メチルアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、及びこれらの混合物のポリビニルアルコールオリゴマーとのコポリマーと、ポリエチレンイミン、誘導体化ポリエチレンイミン、一態様ではエトキシル化ポリエチレンイミンと、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン/スチレン、ポリブタジエン/アクリロニトリル、カルボキシル末端ポリブタジエン/アクリロニトリル、又はこれらの組み合わせの骨格における、カルボン酸部分、アミン部分、ヒドロキシル部分、及びニトリル部分からなる部分から選択される少なくとも2つの部分を含むポリマー化合物と、カチオン性ポリマーと組み合わされたアニオン性界面活性剤の予め形成されたコアセルベートと、ポリアミン及びその混合物と、を含む群から選択されるポリマーを含み得る、堆積助剤を含んでもよい。
送達粒子の少なくとも1つの集団は、凝集体中に含有されてもよく、次に、送達粒子の別個の集団及び少なくとも1種の補助材料と組み合わせられてもよい。当該凝集体は、シリカ、クエン酸、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、並びにケイ酸ナトリウム、変性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、ポリアクリル酸、ゼオライト、及びこれらの混合物などの結合剤からなる群から選択される材料を含んでもよい。
本明細書で開示されたプロセスで使用するのに好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウ剪断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機が挙げられてもよい。このような装置は、Lodige GmbH(Paderborn,Germany)、Littleford Day,Inc.(Florence,Ky,U.S.A.)、Forberg AS(Larvik,Norway)、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(Weimar,Germany)、Niro(Soeborg,Denmark)、Hosokawa Bepex Corp.(Minneapolis,Minn,U.S.A.)、Arde Barinco(New Jersey,U.S.A.)から入手可能である。
マイクロカプセルの集団は、スラリー中に(残留)加水分解キトサンを含む水性スラリーの一部であってもよい。水性スラリーを噴霧乾燥して、スラリーからマイクロカプセル上に付着した残留加水分解キトサンの層でオーバーコートされたマイクロカプセルを形成してもよい。
本プロセスは、送達粒子を乾燥させることを含んでもよく、送達粒子は乾燥時に破砕し、それによって、コアを放出する。乾燥時に破砕するドライポップ型カプセルは、硬化時間の制御及び温度の制御などの反応条件を制御することによって形成され、より薄い壁を有するカプセルが得られる。より高い硬化温度は、より長い硬化時間と共に、より高い架橋密度及び高められた脆性を促進し得る。0.1ナノメートル~約300ナノメートルなどのより薄い壁は、乾燥時に脆くなる傾向がある。ドライポップの実施形態においてさえ、本開示のカプセルは、より低い漏出及び乾燥前のカプセルスラリー中のコアのより良好な保持を示し得る。
補助材料
本開示の布地ケア組成物は、エステル第四級アンモニウム化合物材料及び送達粒子に加えて、1種以上の補助材料を含んでもよい。補助材料は、組成物の意図される最終用途において利益を提供してもよい、又は加工助剤及び/若しくは安定助剤であってもよい。
好適な補助材料としては、界面活性剤、追加のコンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに/又は顔料が挙げられてもよい。好ましくは、補助材料は、追加の布地コンディショニング剤、染料、pH制御剤、溶媒、レオロジー変性剤、構造化剤、カチオン性ポリマー、界面活性剤、香料、追加の香料送達系、キレート剤、酸化防止剤、防腐剤、又はこれらの混合物を含む。
意図される形態、配合、及び/又は最終用途によって、本開示の組成物は、以下の補助材料すなわち、漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに/又は顔料のうちの1種以上を含有しない場合がある。
これらの追加の成分の正確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用される作業の性質に依存する。しかしながら、1種以上の補助剤が存在する場合、このような1種以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在してもよい。以下は、好適な追加の補助剤の非限定的なリストである。
A.界面活性剤
本開示の組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、例えば、洗浄上の利益を提供するために有用である場合がある。組成物は、1種以上の界面活性剤を含有し得る界面活性剤系を含んでもよい。
本開示の組成物は、組成物の約0.1重量%~約70重量%、又は約2重量%~約60重量%、又は約5重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。液体組成物は、組成物の約5重量%~約40重量%の界面活性剤系を含んでもよい。密な配合物、例えば密な、液体、ゲル、及び/又は単位用量形態に好適な組成物は、組成物の約25重量%~約70重量%、又は約30重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。界面活性剤系は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシル化サルフェート、アルキルサルフェート、エトキシル化アルコール等の非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤は、少なくとも部分的に、天然供給原料アルコール等の天然の資源に由来してもよい。
好適なアニオン性界面活性剤は、任意の従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましい界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzene sulfonate、LAS)、アルキルエトキシル化サルフェート(alkyl ethoxylated sulfate、AES)、アルキルサルフェート(alkyl sulfate、AS)、又はこれらの混合物が挙げられる。その他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分岐鎖修飾アルキルベンゼンスルホネート(modified alkyl benzene sulfonates、MLAS)、メチルエステルスルホネート(methyl ester sulfonates、MES)、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate、SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(sodium lauryl ether sulfate、SLES)、及び/又はアルキルエトキシル化カルボキシレート(alkyl ethoxylated carboxylates、AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はこれらの混合物で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)又はアミン(例えば、モノエタノールアミン)によって中和されてもよい。カチオン性エステル第四級アンモニウム化合物材料が存在するため、材料の望ましくない相互作用を避けるために、アニオン性界面活性剤の量を制限することが望ましい場合があり、例えば、組成物は、組成物の5重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、更により好ましくは0.1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アルコール等のアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。その他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分枝鎖状アルコール、中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状(例えば、中鎖分岐状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。特定の非イオン性界面活性剤は、平均約12個~約16個の炭素を有し、かつ平均約3個~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えばC12~C14のEO7非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインをはじめとするベタイン、C8~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド(例えば、C12~14ジメチルアミンオキシド)、並びに/又は、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(ここで、アルキル基は、C8~C18又はC10~C14であってもよい)等のスルホ及びヒドロキシベタイン等の、任意の従来の双性イオン界面活性剤が挙げられてもよい。双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含んでもよい。
配合物及び/又は意図される最終用途に応じて、組成物は、特定の界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。例えば、布地柔軟剤等の液体布地増強組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよいが、それは、このような界面活性剤がカチオン性成分と負の相互作用をし得るためである。
B.追加のコンディショニング活性物質
上記のエステル第四級アンモニウム化合物材料に加えて、本開示の布地ケア組成物は、その他のコンディショニング活性物質を含んでもよい。追加のコンディショニング活性物質は、シリコーン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化油又はコンディショニング油、ポリマーラテックス、グリセリドコポリマー、及びこれらの組み合わせ、好ましくはシリコーンからなる群から選択されてもよい。
組成物がシリコーンを更に含む場合、第四級アンモニウムエステル材料及びシリコーンは、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で存在してもよい。
コンディショニング活性物質は、組成物の約1重量%~約99重量%のレベルで存在してもよい。組成物は、組成物の約1重量%から、又は約2重量%から、又は約3重量%~約99重量%、又は約75重量%まで、又は約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約35重量%まで、又は約30重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%まで、又は約15重量%まで、又は約10重量%までのコンディショニング活性物質を含んでもよい。組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%のコンディショニング活性物質を含んでもよい。
本開示の組成物に好適なコンディショニング活性物質としては、第四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化油若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
組成物は、第四級アンモニウムエステル材料及びシリコーンを含んでもよい。第四級アンモニウムエステル化合物とシリコーンとの合計量は、組成物の約5重量%~約70重量%、又は約6重量%~約50重量%、又は約7重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%であってもよい。組成物は、第四級アンモニウムエステル材料及びシリコーンを、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で含んでもよい。
C.付着助剤
本開示の組成物は、付着助剤を含んでもよい。上述したように、エステル第四級アンモニウム化合物材料及び本開示の送達粒子から流れる相乗効果により、同等のあるいは改善された性能を提供するために、比較的少ない付着助剤しか必要としない(又は完全に必要としない)場合がある、あるいは、性能を更に高めるために、付着助剤を本開示の組成物に使用してもよい。
付着助剤は、送達粒子、コンディショニング活性物質、香料、又はこれらの組み合わせの付着を促進してもよく、組成物の性能上の効果を改善する、及び/又はこのような有益剤のより効率的な配合を可能にし得る。組成物は、組成物の0.0001重量%~3重量%、好ましくは0.0005重量%~2重量%、より好ましくは0.001重量%~1重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.05重量%~約0.3重量%の付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カチオン性又は両性ポリマー、好ましくはカチオン性ポリマーであってもよい。
全般的なカチオン性ポリマー及びそれらの製造方法は、文献において周知である。好適なカチオン性ポリマーとしては、化粧品成分の国際命名法で命名された「ポリクオタニウム」ポリマーとして知られる第四級アンモニウムポリマー、例えば、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-7(アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー)、ポリクオタニウム-10(四級化ヒドロキシエチルセルロース)、ポリクオタニウム-22(アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー)が挙げられてもよい。
付着助剤は、ポリビニルホルムアミド、部分的にヒドロキシル化されたポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリレートを含んでもよい。
付着助剤は、送達粒子と同時に(例えば、封入された有益剤と同時に)、又は直接/独立して消費者製品組成物中に添加し得る。ポリマーの重量平均分子量は、屈折率(Refractive Index、RI)検出を使用するポリエチレンオキシド標準に対してサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した場合、500ダルトン~5000000ダルトン、又は1000ダルトン~2000000ダルトン、又は2500ダルトン~1500000ダルトンであってもよい。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、5000ダルトン~37500ダルトンであってもよい。
D.レオロジー変性剤/構造化剤
本開示の組成物は、レオロジー変性剤及び/又は構造化剤を含んでもよい。レオロジー変性剤は、液体組成物を所望の粘度に「増粘する」又は「減粘する」ために使用されてもよい。構造化剤は、相安定性を促進するために、及び/又は本明細書に記載された送達粒子などの液体組成物中の粒子を懸濁させるために、又はその凝集を阻害するために使用されてもよい。
好適なレオロジー変性剤及び/又は構造化剤としては、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤(硬化ヒマシ油に基づくものを含む)、ポリマー構造化剤、セルロース繊維(例えば、木材を含む、細菌、真菌、若しくは植物起源から誘導され得るミクロフィブリル化セルロース)、ジアミドゲル化剤、又はこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
ポリマー構造化剤は、天然由来又は合成由来であってもよい。天然由来のポリマー構造化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物を含んでもよい。多糖誘導体は、ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物を含んでもよい。合成ポリマー構造化剤は、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物を含んでもよい。ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物を含んでもよい。ポリアクリレートは、不飽和一炭酸又は二炭酸と、(メタ)アクリル酸のC1~C30アルキルエステルとのコポリマーを含んでもよい。このようなコポリマーは、商品名Carbopol Aqua 30でNoveon incから入手可能である。別の好適な構造化剤は、BASFから入手可能な商品名Rheovis CDEで販売されている。
E.その他の補助剤
本開示の布地ケア組成物は、製品に含めるのに好適な、及び/又は最終使用に好適な、その他の補助剤を含んでもよい。例えば、布地ケア組成物は、純香料、香料送達技術(副香料及び/又は非ポリイソシアネート/キトサン壁材料を有する封入物など)、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、溶媒、泡抑制剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
布地ケア組成物の作製方法
本開示は、本明細書に記載された布地ケア組成物のいずれかの製造プロセスに関する。消費者製品組成物であり得る布地ケア組成物を製造するプロセスは、本明細書に記載されるように、第四級アンモニウムエステル材料を送達粒子の集団と組み合わせる工程を含んでもよい。
送達粒子が、スラリー形態、ニート粒子形態、及び/又は噴霧乾燥粒子形態、好ましくはスラリー形態を含む1つ以上の形態である場合、送達粒子は、第四級アンモニウムエステル材料と組み合わされてもよい。送達粒子は、混合及び/又は噴霧を含む方法によって、このようなエステル第四級アンモニウム化合物と組み合わされてもよい。
本開示の布地ケア組成物は、任意の好適な形態へと配合され得、配合者によって選択される任意のプロセスによって調剤され得る。エステル第四級アンモニウム化合物材料及び送達粒子は、バッチプロセス、循環ループプロセス、及び/又はインライン混合プロセスで組み合わされてもよい。本明細書に開示されるプロセスでの使用に好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、高剪断ミキサー、静的ミキサー、プラウ剪断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセス構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機が挙げられてもよい。
布地ケア組成物は、ボトル、好ましくはプラスチックボトル内へと置かれてもよい。布地ケア組成物は、周知の方法に従ってエアゾール又はその他のスプレー容器に入れられてもよい。
布地ケア組成物の使用方法
本開示は更に、布地ケア組成物の使用方法に関する。例えば、本開示は、本開示による組成物で布地を処理する方法に関する。このような方法は、コンディショニング、及び/又はフレッシュニングに関わる効果を提供してもよい。
本方法は、布地を本開示の布地ケア組成物と接触させる工程を含んでもよい。組成物は、そのままの形態であってもよく、又は液体、例えば、洗浄液又はすすぎ液で希釈されてもよい。組成物は、表面又は物品との接触前、接触中、又は接触後に水で希釈されてもよい。布地は、接触工程の前及び/又は後に、任意に洗浄及び/又はすすがれてもよい。組成物は、布地上に直接適用されてもよい、又は自動洗濯機の分配容器若しくはドラムに供給されてもよい。
布地を処理する方法は、(a)任意に、布地を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥する工程と、(b)任意に、水の存在下において、布地を本明細書に記載された組成物と接触させる工程と、(c)任意に、布地を洗浄及び/又はすすぐ工程と、(d)任意に、受動的に及び/又は洗濯乾燥機などの能動的方法を介して乾燥させる工程と、を含んでもよい。本方法は、自動洗濯機の洗浄サイクル又はすすぎサイクル、好ましくはすすぎサイクル中に行ってもよい。
本開示の目的のために、本処理は、擦り洗い及び/又は機械的撹拌を含んでもよいが、これらに限定されない。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能な、ほとんどあらゆる布地を含んでもよい。
開示された組成物を含む液体は、約3~約11.5のpHを有してもよい。希釈される場合、このような組成物は、典型的には、溶液中で約500ppm~約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は、典型的には、約5℃~約90℃の範囲であり、水対布地の比は、典型的には、約1:1~約30:1であってもよい。
組み合わせ
本開示の具体的に考えられる組み合わせは、本明細書において、以下の番号付け及び/又は文字付けされた段落で説明される。これらの組み合わせは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
1.布地ケア組成物であって、
第四級アンモニウムエステル材料であって、
第四級アンモニウムエステル材料が、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステル第四級アンモニウム化合物」)を含み、
トリエステル第四級アンモニウム材料が、部分的にC13~C22脂肪酸から誘導される、第四級アンモニウムエステル材料と、
送達粒子の集団であって、
送達粒子が、コアと、コアを取り囲むシェルと、を含み、
コアが、有益剤を含み、
シェルが、ポリイソシアネートとキトサンとの反応生成物であるポリマー材料を含む、送達粒子の集団と、を含む、布地ケア組成物。
2.第四級アンモニウムエステル材料が、式(I)による化合物を含む、番号付けされた段落1による布地ケア組成物であって、
{R2
(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A- 式(I)
式中、
mは、1、2又は3であり、ただし、
所与の分子において、各mの値は同一であり、
式(I)による化合物の少なくともいくつかについて、mは3であり、
任意に、13個~22個の炭素原子を含む各R1は、独立して、直鎖ヒドロカルビル基又は分岐鎖ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は直鎖状であり、より好ましくはR1は部分不飽和直鎖アルキル鎖であり、
各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はC1~C3ヒドロキシアルキル基である、及び/又は、各R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくは、メチル又はヒドロキシエチルから選択され、
各Xは独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-であり、各nは、独立して、1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、また、
A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から独立して選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は硫酸メチルである、布地ケア組成物。
3.組成物が、好ましくは約2重量%~約25重量%、より好ましくは約4重量%~約20重量%、より好ましくは約5重量%~約15重量%、より好ましくは約6重量%~約12重量%の濃度で、組成物の約1重量%~約35重量%の第四級アンモニウムエステル材料を含む、
番号付けされた段落1又は2に記載の布地ケア組成物。
4.第四級アンモニウムエステル材料が、0~140、又は0~約90、又は約10~約70、又は約15~約50、又は約18~約30のヨウ素価によって特徴付けられる脂肪酸から誘導される、番号付けされた段落1~3のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
5.脂肪酸が植物に由来し、
好ましくは、脂肪酸が、キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、菜種油、綿実油、トウモロコシ油、大豆油、トール油、米糠油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、その他の熱帯パーム油、亜麻仁油、キリ油、又はこれらの混合物、
より好ましくは、キャノーラ油、菜種油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、又はこれらの混合物から誘導される、番号付けされた段落1~4のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
6.アンモニウム第四級エステル材料が、不飽和脂肪酸及び任意にトリエタノールアミンから誘導される材料、
好ましくは、18個の炭素(「C18」)を含む不飽和脂肪酸、
より好ましくは、単一の二重結合を含むC18脂肪酸(「C18:1脂肪酸」)、を含み、
更により好ましくは、このような物質が、アンモニウム第四級エステル材料の約10重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%の濃度で存在する、番号付けされた段落1~5のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
7.第四級アンモニウムエステル材料が、第四級アンモニウムエステル材料の約40.0重量%~約60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステル第四級アンモニウム化合物」)、及び第四級アンモニウムエステル材料の約15重量%~約38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム化合物を含み、
好ましくは、第四級アンモニウムエステル材料が、モノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステル第四級アンモニウム化合物」)を更に含み、好ましくは、モノエステル第四級アンモニウム化合物の濃度が、第四級アンモニウムエステル材料の15.0重量%~35.0重量%である、番号付けされた段落1~6のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
8.第四級アンモニウムエステル材料が、少なくとも部分的に、トリアルカノールアミン、
好ましくはトリエタノールアミンから誘導される、番号付けされた段落1~7のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
9.有益剤が、香料原料を含み、
好ましくは、香料原料が、香料原料の重量に対して、芳香剤の重量に対して、少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約30重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、更により好ましくは少なくとも約50重量%の、アルデヒド含有香料原料、ケトン含有原料、又はこれらの混合物を含む、番号付けされた段落1~8のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
10.香料カプセルのコアが、分配調整剤を更に含み、
好ましくは、分配調節剤が、植物油、変性植物油、C4~C24脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリ-エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物、
より好ましくは、ミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択される、番号付けされた段落1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
11.キトサンが加水分解キトサンである、番号付けされた段落1~10のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
12.キトサンが、以下の
a)少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、あるいは少なくとも92%の脱アセチル化度、及び/又は
b)95kDa以下の重量平均分子量、のうちの1つによって特徴付けられる、番号付けされた段落1~11のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
13.シェルが、シェルの重量に対して少なくとも約21重量%、
好ましくは約21重量%~約90重量%、より好ましくは約21重量%~約85重量%、更により好ましくは約21重量%~約75重量%、又は更により好ましくは約21重量%~約55重量%の濃度でキトサン、好ましくは加水分解キトサンを含む、番号付けされた段落1~12のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
14.ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物及びキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、メチレンジフェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、テトラメチルキシリデンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、又はこれらの混合物からなる群から選択される、番号付けされた段落1~13のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
15.送達粒子が、以下の工程、
6.5以下のpH及び少なくとも60℃の温度で、少なくとも1時間、水性酸性媒体中でキトサンを加水分解することによって水相を形成する工程と、
少なくとも1種の有益剤及び少なくとも1種のポリイソシアネートを、任意に、添加油と共に溶解することを含む、油相を形成する工程と、
高剪断撹拌下で水相及び油相を余剰の水相中に混合してエマルションを形成し、それによって水相中に分散された油相及び有益剤の液滴を形成し、任意にエマルションのpHをpH2~pH6の範囲に調整する工程と、
液滴と水相との界面にシェルを形成するのに十分な時間で、少なくとも40℃に加熱することによってエマルションを硬化させる工程であって、シェルが、ポリイソシアネートと加水分解キトサンとの反応生成物を含み、シェルが、油相と有益剤との液滴を含むコアを取り囲む工程と、を含むプロセスによって形成される、番号付けされた段落1~14のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
16.油相中のポリイソシアネートと比較した水相中の加水分解キトサンの重量比が、約21:79~約90:10、好ましくは約1:2~約10:1、より好ましくは約1:1~約7:1である、番号付けされた段落14に記載の布地ケア組成物。
17.キトサンが、6.5以下のpH、好ましくは約3~約6のpHの酸性媒体中で、少なくとも45℃の温度で少なくとも1時間、キトサンを加水分解することによって形成される、番号付けされた段落1~16のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
18.送達粒子が、約1~約100ミクロン、
好ましくは約10~約100ミクロン、好ましくは約15~約50ミクロン、より好ましくは約20~約40ミクロン、更により好ましくは約20~約30ミクロンの体積加重中央粒径によって特徴付けられる、番号付けされた段落1~17のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
19.送達粒子が、4.5のpHで少なくとも15ミリボルト(mV)、あるいは4.5のpHで少なくとも40mV、あるいは4.5のpHで少なくとも60mVのゼータ電位を特徴とする、番号付けされた段落1~18のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
20.試験方法OECD301Bに従って試験した場合に、送達粒子のシェルが60日間で少なくとも60%分解する、番号付けされた段落1~19のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
21.組成物が、追加の布地コンディショニング剤、染料、pH制御剤、溶媒、レオロジー変性剤、構造化剤、カチオン性ポリマー、界面活性剤、香料、追加の香料送達系、キレート剤、酸化防止剤、防腐剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される処理補助剤を更に含む、番号付けされた段落1~20のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
22.組成物が、シリコーン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化油若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、グリセリドコポリマー、又はこれらの組み合わせ、
好ましくはシリコーンから選択され、
より好ましくは、四級アンモニウムエステル材料及びシリコーンが、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で存在する、追加の布地コンディショニング活性物質を更に含む、番号付けされた段落1~21のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
23.組成物がすすぎ添加布地ケア組成物である、番号付けされた段落1~22のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
24.布地ケア組成物が、液体の形態であり、
好ましくは、液体が、布地ケア組成物の約50重量%~約97重量%、好ましくは約60重量%~約96重量%、より好ましくは約70重量%~約95重量%、あるいは約80重量%~約95重量%の水を含む、番号付けされた段落1~23のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
25.布地ケア組成物が、pHが約2~約12、約2~約8.5、約2~約7、約2~約5、約2~約4、約2~約3.7、より好ましくは約2~約3.5であることによって特徴付けられる、番号付けされた段落1~24のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
26.布地を処理する方法であって、布地を、任意に水の存在下で、番号付けされた段落1~25のいずれか一項に記載の布地ケア組成物に接触させる工程を含む、
方法。
試験方法
本出願の試験方法の章に開示される試験方法を使用して、本明細書において特許請求され、かつ説明される、本発明者らの特許請求される主題のパラメータのそれぞれの値が決定されるべきであるということが理解されよう。
第四級アンモニウムエステル化合物のヨウ素価を測定する方法
第四級アンモニウムエステル布地化合物のヨウ素価は、布地コンディショニング活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価であり、布地コンディショニング化活性物質を形成する親脂肪酸100グラムと反応するヨウ素のグラム数として定義される。
まず、第四級アンモニウムエステル化合物を、以下のプロトコルに従って加水分解する:布地処理組成物25gを、水50mL及び水酸化ナトリウム0.3mL(50%活性)と混合する。この混合物が乾燥するのを回避しながら、混合物をホットプレート上で少なくとも1時間沸騰させる。1時間後、混合物を放冷し、pHストリップ又は較正済みpH電極を使用して、25%硫酸でpHを中性(pH6~8)に調整する。
次に、ヘキサン又は石油エーテルによる酸性液-液抽出によって混合物から脂肪酸を抽出する:抽出シリンダにおいて試料混合物を水/エタノール(1:1)で160mLに希釈し、塩化ナトリウム5グラム、硫酸(25%活性)0.3mL、及びヘキサン50mLを加える。シリンダに栓をして、少なくとも1分間振盪する。次に、2層が形成されるまで、シリンダを静置する。ヘキサン中に脂肪酸を含む最上層を別の受容器に移す。次に、ホットプレートを使用してヘキサンを蒸発させ、抽出した脂肪酸を残す。
次に、布地コンディショニング活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価を、ISO3961:2013に従って測定する。親脂肪酸のヨウ素価を計算する方法は、規定量(0.1~3g)をクロロホルム15mLに溶解することを含む。次に、溶解した親脂肪酸を、酢酸溶液(0.1M)中の一塩化ヨウ素25mLと反応させる。これに、10%ヨウ化カリウム溶液20mL及び脱イオン水150mLを加える。ハロゲンの添加を行った後、ブルースターチ法指示薬粉末の存在下で、チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1M)で滴定することにより、過剰な一塩化ヨウ素を測定する。同時に、同じ量の試薬と同一条件下でブランクを測定する。ブランクに使用したチオ硫酸ナトリウムの量と、親脂肪酸との反応に使用した量との差により、ヨウ素価を算出することができる。
脂肪酸鎖長分布を測定する方法
第四級アンモニウムエステル布地コンディショニング活性物質の脂肪酸鎖長分布は、布地コンディショニング活性物質を形成する親脂肪酸の鎖長分布を指す。それは、第四級アンモニウムエステル布地コンディショニング活性物質のヨウ素価を測定する方法に記載されているように、第四級アンモニウムエステルコンディショニング活性物質で、又は布地柔軟剤組成物から抽出された脂肪酸で測定することができる。第四級アンモニウムエステルコンディショニング活性物質又は抽出された脂肪酸0.2gを2-ブタノール3mLに溶解し、3つのガラスビーズを添加し、試料を高速で4分間ボルテックスすることによって、脂肪酸鎖長分布を測定する。次に、この抽出物のアリコートを2mLのガスクロマトグラフィーバイアルに移し、次に、それをガスクロマトグラフ(Agilent GC6890N)のガスクロマトグラム入口(250℃)に注入し、得られた副生成物をDB-5msカラム(30m×250μm×1.0μm、2.0mL/min)上で分離する。これらの副生成物を、質量分析計(Agilent MSD5973N,ChemstationソフトウェアバージョンE.02.02)を用いて同定し、対応する脂肪酸鎖長のピーク面積を測定する。脂肪酸鎖長分布は、全ての脂肪酸鎖長に対応する全てのピークの合計と比較した、対象となる各脂肪酸鎖長に対応するピーク面積の相対比によって決定される。
粘度
TA instruments(New Castle,DE,USA)製のAR550レオメーター/粘度計を使用し、直径40mm及び間隙サイズ500μmの平行なスチール板を使用して、最終液体製品の粘度を測定する。20秒-1における高剪断粘度及び0.05秒-1における低剪断粘度は、21℃において3分間の0.01秒-1~25秒-1の対数剪断速度掃引から得る。
香料、香料原料(PRM)、及び/又は分配調整剤
A.同一性及び総量
カプセルスラリー中、及び/又は送達剤封入体内に封入された香料、香料成分、又は香料原料(Perfume Raw Materials、PRM)、又は分配調整剤を同定し、その総重量を定量化するために、質量分析/水素炎イオン化検出器(Gas Chromatography with Mass Spectroscopy/Flame Ionization Detector、GC-MS/FID)を有するガスクロマトグラフィーを用いる。好適な装置としては、Agilent Technologies G1530A GC/FID;Hewlett Packer Mass Selective Device 5973、及び5%-フェニル-メチルポリシロキサンカラムJ&W DB-5(長さ30m×内径0.25mm×膜厚0.25μm)が挙げられる。約3gの最終製品又は送達封入体の懸濁液を計量し、その重量を記録して、次に、30mLの脱イオン水で試料を希釈し、孔径5.0μmのニトロセルロースフィルター膜を通して濾過する。フィルター上で捕捉された材料を、5mLのISTD溶液(無水アルコール中25.0mg/Lテトラデカン)で可溶化し、60℃で30分間加熱する。冷却した溶液を、孔径0.45μmのPTFEシリンジフィルターを通して濾過し、GC-MS/FIDを介して分析する。3つの周知の香油を比較参照物質として使用する。データ分析は、総面積カウントからISTD面積カウントを引いて合計することと、3つの標準香料の平均応答係数(Response Factor、RF)を計算することと、を伴う。次に、製品に封入された香料の応答係数及び総面積カウントを、試料の重量と共に使用して、封入された香料中の各PRMの総重量パーセントを決定する。PRMは、質量分析ピークから同定される。
B.封入されていない材料の量
スラリー等の組成物中の封入されていない香料及び(任意に)分配調整材料の量を決定するために、表の後に提供される分析手順を使用して、以下の装置をこの分析に使用し得る。
ISSヘキサン中の香料標準を調製するために、0.050±0.005gの所望のPMC香油を50mLメスフラスコ中に秤量する(又は添加する香油のgを再計算するその他の体積サイズ)。上からのISSヘキサン溶液を用い、ラインまで満たす。ISSヘキサンは、4リットルのヘキサン中の0.1gのテトラデカンである。
5%の界面活性剤溶液を調製するために、50g±1gのドデシル硫酸ナトリウムをビーカーに秤量し、精製水を使用して、1リットルのメスフラスコに定量的に移し、界面活性剤が完全に溶解することを確実にする。
PMC組成物(例えば、スラリー)の試料を調製するために、組成物(例えば、スラリー)が十分に混合されていることを確認し、必要に応じて混合する。0.3±0.05gの組成物試料を10mLバイアルの底に秤量する。バイアルの壁に組成物が付着するのを避ける。
機器を作動させるために、各PRM(及び任意に分配調整剤)の定量化のための標的イオンを、最小で1つ、好ましくは2つの確認イオンと共に決定する。較正曲線は、各PRMについて香料標準から生成される。試料重量及び個々のPRM重量%を利用して、各PRMについての抽出イオン(EIC)の積分及びその量がプロットされるか、又は記録される。
遊離油の量は、較正曲線に対する各PRMの応答から決定され、全ての異なる香料材料及び任意選択的な分配変性剤にわたって合計される。
C.封入された材料の決定
封入された油及び任意に分配調整剤の決定は、組成物(例えば、スラリー)中に見出される油の総重量から、組成物中に見出される遊離/封入されていない油の重量を引き算することによって行われる。
logPを決定するための試験方法
オクタノール/水分配係数(logP)の対数の値は、試験される各材料(例えば、香料混合物中の各PRM)について計算される。個々の材料(例えば、PRM)のlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux(登録商標))を使用して計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部である。
体積加重粒径及びサイズ分布
体積加重粒径分布は、AccuSizer780AD機器と、付随するソフトウェアCW788バージョン1.82(Particle Sizing Systems、Santa Barbara,California,U.S.A.)又は同等物を使用して、光学的粒子計数法(optical particle counting、OPC)とも呼ばれる単一粒子光学検知法(single-particle optical sensing、SPOS)によって決定される。本機器は、以下の条件及び選択肢を用いて構成される:流速=1mL/秒、小径側閾値=0.50μm、センサモデル番号=センサモデル番号=LE400-05又は同等物、自動希釈=オン、収集時間:60秒、数チャネル=512、容器の流体体積=50mL、最大同時計数=9200。測定は、バックグラウンド計数が100未満になるまで水でフラッシングすることによって、センサを低温状態にすることによって開始される。懸濁液中の送達カプセルの試料が導入され、必要に応じてカプセルの密度が、脱イオン水を用いて自動希釈を介して調整されて、カプセルの計数が少なくとも1mL当たり9200となるようにする。60秒間かけて、懸濁液を分析する。得られた体積加重PSDデータをプロットし、記録し、所望の体積加重粒径の値(例えば、中央/50パーセンタイル、5パーセンタイル、及び/又は90パーセンタイル)を決定する。
累積粒子体積の90%が超えた送達粒径(90%サイズ)、累積粒子体積の5%が超えた粒径(5%サイズ)、及び中央体積加重粒径(50%サイズ-このサイズを超える粒子体積及びこのサイズを下回る粒子体積の両方が粒子体積の50%)を決定することによって、ブロードネス指数が計算され得る。
ブロードネス指数=((90%サイズ)-(5%サイズ))/50%サイズ。
分解%の測定手順
分解%を決定するために、1992年7月17日に採用された「OECD Guideline for Testing of Chemicals」の301B CO2Evolution(修正シュトルム試験)に記載された手順を使用する。参照を容易にするために、本試験方法を本明細書では試験方法OECD301Bと称する。
遊離油の測定手順
本方法は、水相中の油の量を測定し、内部標準溶液として1mg/mLのフタル酸ジブチル(dibutyl phthalate、DBP)/ヘキサンを使用する。
250mgより少し多いDBPを小さなビーカーへと秤量し、250mLの容積測定に移し、ビーカーを完全にすすぐ。ヘキサンを250mLまで充填する。
試料調製:約1.5~2グラム(40滴)のカプセルスラリーを20mLのシンチレーションガラス瓶へと秤量し、10mLのISTD溶液を添加し、しっかりと蓋をする。30分間にわたって数回激しく振盪し、溶液をオートサンプラーガラス瓶へとピペットで移し、GCによって分析する。
追加の詳細。機器:HP Chem Station Softwareに接続されたHP5890GC、カラム:5m×内径0.32mm、1μmのDB-1液相、温度50℃で1分間、次に15℃/分で320℃に加熱し、注入器:275℃、検出器:325℃、2μlの注入。
計算:試料及び較正の両方について、総ピーク面積からDBPの面積を引いたものを加算する。
遊離コア油のmgを計算する:
遊離コア油%を計算する:
有益剤漏れの測定手順
有益剤粒子組成物の2つの1グラムの試料を得る。1グラム(試料1)の粒子組成物を、粒子が用いられる99グラムの生成物マトリックスに添加する。粒子含有生成物マトリックス(試料1)を、密封したガラスジャーの中で、35℃で2週間、経時処理する。その他の1グラムの試料(試料2)を、同様に経時処理する。
2週間後、濾過を使用して、生成物マトリックス(試料1)及び粒子組成物(試料2)から粒子組成物の粒子を回収する。各粒子試料を、各試料の粒子から全ての有益剤を抽出する溶媒で処理する。各試料からの有益剤含有溶媒をガスクロマトグラフへと注入し、ピーク面積を積分して、各試料から抽出された有益剤の総量を決定する。
試料2から抽出された有益剤の総量に対して得られる値から、試料1からの値を引いた差を計算することによって、有益剤漏出の百分率を決定し、以下の等式で表される試料2から抽出された有益剤の総量の百分率として表す。
香料強度評価の前に布地柔軟剤組成物で布地を処理する方法
布地を布地柔軟剤組成物で処理する方法は、布地前処理段階、続いて布地処理段階を含む。
布地前処理段階:
綿、ポリエステル、ポリコットンを含有する2.9±0.1kgのバラスト布地、3つの白色編綿布地トレーサー(Warwick Equest)、及び3つの白色ポリエステルトレーサーを、50gの無香料Ariel Sensitive(Nordics)と2グレイン/ガロン(gpg)の水で60℃にて、Miele(Novotronic W986/Softronic W467/W526/W527/W1614/W1714/W2261)などのフロントローダー洗濯機又は同等物にて1時間26分サイクル、1600rpmで4回洗浄し、次に、洗剤なしで2gpgの水で、60℃にて1回洗浄する。最後の洗浄後、Miele Novotronic(T490/T220/T454/T430/T410/T7634)又は同等物などの、熱風出口を備えた5kgドラム回転式乾燥機で布地を乾燥させると、試験に使用する準備が整う。
布地処理段階:
綿、ポリエステル、ポリコットンを含有する2.9±0.1kgのバラスト布地、3つの白色編綿布地トレーサー(Warwick Equest)、及び3つの白色ポリエステルトレーサーを、布地柔軟剤評価における干渉を避けるために、洗濯洗剤なしで、15gpgの水で40℃にて1時間54分サイクル、1200rpmで洗浄する。液体布地柔軟剤組成物を、最後のすすぎの開始5分前に15gpgの硬度を有する15℃の2Lの水に予め希釈し、洗濯機が水を取り込んでいる間に最後のすすぎに添加する。これは、処理物上への均質な分配能力を確保し、試験結果のばらつきを最小限に抑えるための要件である。全ての布地を、ヘッドスペース濃度決定の前に、制御温度(25℃)及び湿度(60%)の室内で24時間、吊り干しする。
香料強度評価
香料強度評価は、訓練されたパネルによって行われる。パネルは、0~100の香料臭気強度スケールで等級を付けるが、これは、0=香料臭気なし、25=わずかな香料臭気、50=中程度の香料臭気、75=強い香料臭気、及び100=極めて強い香料臭気を意味する。布地を、湿潤した、乾燥した、及び/又は摩擦したタッチポイントでの香料強度について評価する。
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
合成実施例。
以下の実施例において、略号は表1に列挙された材料に対応する。
合成実施例1
ジャケット付き反応器中で混合しながら、12.40gのキトクリア(ChitoClear)を350.00gの水へと分散させることによって、水相を調製する。次に、水相のpHを、撹拌下で濃縮HClを用いて4.7に調整する。次に、水相温度を60分かけて85℃に上昇させ、次に、キトクリアを加水分解するための期間にわたって85℃で保持する。次に、90分間にわたる加水分解工程の後、水相温度を25℃に下げる。87.50gの香油及び22.50gのミリスチン酸イソプロピルを15.00gのTakenate D-110Nと一緒に室温で混合することによって、油相を調製する。油相を高剪断ミリング下で水相に添加して、エマルションを得る。エマルションを30分かけて40℃に加熱し、60分間保持する。次に、エマルションを85℃に加熱し、混合しながらこの温度で6時間維持する。
合成実施例2
ジャケット付き反応器中で混合しながら、26.45gのキトクリアを450.00gの水へと分散させることによって、水相を調製する。次に、水相のpHを、撹拌下で濃縮HClを用いて6.0に調整する。次に、水相温度を60分かけて85℃に上昇させ、次に、キトクリアを加水分解するための期間にわたって85℃で保持する。次に、90分間にわたる加水分解工程の後、水相温度を25℃に下げる。159.38gの香油及び23.91gのミリスチン酸イソプロピルを4.00gのTakenate D-110Nと一緒に室温で混合することによって、油相を調製する。油相を高剪断ミリング下で水相に添加して、エマルションを得る。エマルションを30分かけて40℃に加熱し、60分間保持する。次に、エマルションを85℃に加熱し、混合しながらこの温度で6時間維持する。
合成実施例3
ジャケット付き反応器中で混合しながら、5.70gのキトクリアを350.00gの水へと分散させることによって、水相を調製する。次に、水相のpHを、撹拌下で濃縮HClを用いて4.7に調整する。次に、水相温度を60分かけて85℃に上昇させ、次に、キトクリアを加水分解するための期間にわたって85℃で保持する。次に、90分間にわたる加水分解工程の後、水相温度を25℃に下げる。120.00gの香油及び30.00gのミリスチン酸イソプロピルを3.78gのMondur MRと一緒に室温で混合することによって、油相を調製する。油相を高剪断ミリング下で水相に添加して、エマルションを得る。エマルションを30分かけて40℃に加熱し、60分間保持する。次に、エマルションを85℃に加熱し、混合しながらこの温度で6時間維持する。
合成実施例4
ジャケット付き反応器中で混合しながら、5.70gのキトクリアを350.00gの水へと分散させることによって、水相を調製する。次に、水相のpHを、撹拌下で濃縮HClを用いて4.0に調整する。次に、水相温度を60分かけて85℃に上昇させ、次に、キトクリアを加水分解するための期間にわたって85℃で保持する。次に、90分間にわたる加水分解工程の後、水相温度を25℃に下げる。室温で150.00gのSAS-305を3.78gのMondur MRと混合することによって、油相を調製する。油相を高剪断ミリング下で水相に添加して、エマルションを得る。エマルションを30分かけて40℃に加熱し、60分間保持する。次に、エマルションを85℃に加熱し、混合しながらこの温度で6時間維持する。
性能実施例。
本開示による組成物の性能利益を試験するために、種々の液体布地コンディショニング組成物を調製する。組成物は、送達粒子シェル化学作用、その中に封入された香料、及びエステル第四級アンモニウム化合物材料の異なる組み合わせを含む。布地を組成物で処理した後、次に、試験方法の章に記載の方法に従って、種々のタッチポイントで香料強度を評価する。
材料、組成物、及び湿潤タッチポイントでの結果を以下に示す。
*=比較材料
1C12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT CI-DEEDMAC,Evonik製)から生産された、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物脂肪酸エステル
2ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルとの混合物であって、脂肪酸エステルがC12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT DIP V 20 M Conc,ex Evonik)から製造される、混合物
3硫酸ジメチル(REWOQUAT WE 18,ex Evonik)で四級化された、トリエタノールアミンを伴う(C16~18及びC18不飽和)脂肪酸のエステル化生成物
4香料送達粒子は、以下の表において香料1~5として標識された5つの異なる香料アコードのうちの1つを用いて配合される。
5例えば、粒子は、上記の合成実施例2に従って作製された。
6例えば、米国特許出願第63/092528号に開示されているようなポリアクリレート粒子
上記の材料から、液体布地コンディショニング組成物/増強剤組成物の形態の、種々の液体布地ケア組成物が作製される。組成物は、5重量%で存在する関連するエステル第四級アンモニウム化合物、0.27重量%のカプセル化芳香剤を提供するのに十分な濃度で添加される関連する送達粒子、0.10重量%のカチオン性ポリマー(Flosoft FS222、ex SNF)、及び種々の加工助剤を含み、pHは約3に調整されている。
処理後、布地を強度について評価する。結果を表3に提供する。
表3の結果から分かるように、トリエステル第四級アンモニウム化合物(例えば、エステル第四級アンモニウム化合物C)を含む布地ケア組成物に配合された場合、本開示による香料送達粒子(送達粒子D)は、一般に、香料強度によって測定される比較送達粒子(送達粒子E)よりも良好に機能する。送達粒子Eは、異なる試験区間にわたる送達粒子Dの性能を比較するために、参照粒子として使用されており、強度の差(デルタとして示される)は、相対的な改善を示すために使用され得る。
更に、湿潤タッチポイントでの本開示による送達粒子の香料強度がより大きい傾向は、トリエステル第四級アンモニウム化合物系(C)に入れた場合、5つの試験した香料にわたって一貫しており、比較のジエステル第四級アンモニウム化合物系(エステル第四級アンモニウム化合物A及びB)において、比較の粒子は、特定の香料に関して比較的より大きな強度を示す。
加えて、2つの粒子のスコア間の平均デルタとして示される香料強度の相対的改善は、比較のジエステル第四級アンモニウム化合物系(エステル第四級アンモニウム化合物A及びB)と比較して、(例えば、本開示による)トリエステル第四級アンモニウム化合物系においてより大きい。これは、トリエステル第四級アンモニウム化合物材料及び本開示による送達粒子が相乗的に相互作用して、濡れた布地のタッチポイントで改善された性能(香料強度として測定される)を提供することを示す。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、このようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々のその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。