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JP7640928B1 - 鉱石の脱リン方法 - Google Patents

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JP7640928B1
JP7640928B1 JP2024552355A JP2024552355A JP7640928B1 JP 7640928 B1 JP7640928 B1 JP 7640928B1 JP 2024552355 A JP2024552355 A JP 2024552355A JP 2024552355 A JP2024552355 A JP 2024552355A JP 7640928 B1 JP7640928 B1 JP 7640928B1
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玲子 村尾
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Abstract

本開示の一態様に係る鉱石の脱リン方法は、キルン式又は流動層式の加熱炉内において、鉱石を100℃以上の温度で加熱する工程を備える。好ましくは、鉱石を加熱する工程の際に、加熱炉内に還元性ガス又は非還元性ガスを供給する。好ましくは、加熱炉は、第1の加熱炉と第2の加熱炉で構成され、第1の加熱炉に非還元性ガスを供給し、第2の加熱炉に還元性ガスを供給し、加熱する工程において、まず第1の加熱炉に鉱石を供給して加熱し、次いで第2の加熱炉に、第1の加熱炉で加熱した鉱石を供給して加熱する。

Description

本発明は、鉱石に含まれるリンを離脱させる脱リン方法に関する。
高炉用鉄鋼原料としての焼結鉱に含まれるリンは、高炉で生成される溶銑の品質管理を行う上で重要な成分の一つである。リンは鉄との親和力が大きい。そのため、焼結鉱から溶銑を経て鋼材を製造したとき、鋼材中にリンが残存しやすい。鋼材中に残存したリンは、鋼材の低温脆性破壊の要因となり、鋼材の品質を損なうことがある。
鉄鉱石に含まれるリンを低減する方法として、非特許文献1では、リンを含有する鉄鉱石に対して水素-水蒸気混合ガスを供給して還元することにより、リンを気体として除去している。また、特許文献1では、高燐鉄鉱石に対して酸化鉄及び五酸化二燐のCOガス還元平衡図、酸化鉄及び五酸化二燐のHガス還元平衡図、及び/又は、酸化鉄及び五酸化二燐のCO-H混合ガス還元平衡図のPガス平衡領域とFeO平衡領域にあるガスを供給して還元することにより、燐化合物を還元、気化して除去している。
特開2020-20010号公報
「高リン鉄鉱石からの直接脱リン」、鉄と鋼、Vol.100(2014)No.2、第325~330頁
本発明の目的は、鉱石に含まれるリンを離脱させる脱リン方法を提供することである。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本開示の一態様に係る鉱石の脱リン方法は、キルン式又は流動層式の加熱炉内において、鉱石を100℃以上の温度で加熱する工程を備える。
(2)好ましくは、上記(1)に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石を加熱する工程の際に、前記加熱炉内に還元性ガスを供給する。
(3)好ましくは、上記(1)又は(2)に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石を加熱する工程の際に、前記加熱炉内に非還元性ガスを供給する。
(4)好ましくは、上記(1)~(3)の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法では、前記加熱炉は、第1の加熱炉と第2の加熱炉で構成され、前記第1の加熱炉に非還元性ガスを供給し、前記第2の加熱炉に還元性ガスを供給し、前記加熱する工程において、まず前記第1の加熱炉に鉱石を供給して加熱し、次いで前記第2の加熱炉に、前記第1の加熱炉で加熱した前記鉱石を供給して加熱する。
(5)好ましくは、上記(4)に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石を、前記第1の加熱炉で加熱した後かつ前記第2の加熱炉に供給する前に、粗粒部、及び前記粗粒部よりも細かい細粒部に分級する工程をさらに備え、前記第2の加熱炉に供給される前記鉱石から、前記粗粒部を除く。
(6)好ましくは、上記(5)に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石を、前記第1の加熱炉で加熱した後かつ前記第2の加熱炉に供給する前に分級する工程において、篩目が0.5mm以上3.0mm以下の篩機を用いる。
(7)好ましくは、上記(1)~(6)の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石を前記加熱炉内で加熱する工程の前に、篩目が3.0mm以上5.0mm以下の篩機を用いて、前記鉱石を粗粒部及び細粒部に分級する工程をさらに備え、前記加熱炉を、前記キルン式の加熱炉とし、前記加熱炉に、前記粗粒部のみを供給し、前記加熱炉における前記粗粒部の加熱温度を400℃以上とする。
(8)好ましくは、上記(1)~(7)の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石の種類が2以上であり、前記鉱石がゲーサイトを含有し、前記鉱石を前記加熱炉内で加熱する工程の前に、前記ゲーサイト中のリン濃度が最も高い前記鉱石を選択する工程をさらに備え、前記ゲーサイト中の前記リン濃度が最も高い前記鉱石を、優先的に前記加熱炉に供給する。
(9)好ましくは、上記(1)~(8)の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法では、前記鉱石がゲーサイトを含有し、前記ゲーサイト中のリン濃度が1.0mass%以上の前記鉱石だけを前記加熱炉に供給する。
本発明によれば、鉱石に含まれるリンを鉱石から離脱させることができる。
脱リン方法を実施する設備の一例を説明する図である。 脱リン方法を実施する設備の別の一例を説明する図である。 脱リン方法を実施する設備の別の一例を説明する図である。 脱リン方法を実施する設備の別の一例を説明する図である。
本開示の実施形態である鉱石の脱リン方法は、キルン式又は流動層式の加熱炉内において、鉱石を100[℃]以上の温度で加熱するものである。キルン式又は流動層式の加熱炉内において鉱石を加熱することにより、鉱石に物理的な衝撃が与えられる。これにより、リンを含有する微粉を鉱石から分離する。リンを含有する微粉を鉱石から物理的に分離することにより、鉱石からリンを離脱させることができる。ここで、「物理的な衝撃」とは、鉱石を流動させることにより、鉱石に与えられる衝撃である。また、「微粉」とは、ガスの吹き付けによって除去可能な程度に微細な径の鉱石のことである。以下、本実施形態の脱リン方法について、具体的に説明する。
(加熱炉)
加熱炉は、鉱石を100[℃]以上の所定温度まで加熱することができるとともに、鉱石に対して物理的な衝撃を与えることができるものであればよい。具体的には、加熱炉として、キルン式又は流動層式の加熱炉を用いることができる。
(キルン式の加熱炉)
キルン式の加熱炉では、加熱炉が回転して加熱炉内の鉱石を流動させる。これにより、鉱石に物理的な衝撃が与えられる。この物理的な衝撃には、鉱石が加熱炉の内壁面に衝突したときの衝撃や、鉱石の粒子同士が互いに衝突したときの衝撃がある。
キルン式の加熱炉としては、内燃式の加熱炉、及び外燃式の加熱炉がある。内燃式加熱炉は、燃焼ガスを加熱炉の内部に直接入れる方式の加熱炉である。外燃式加熱炉は、加熱炉の外部から熱を加える方式の加熱炉である。
(流動層式の加熱炉)
流動層式の加熱炉では、鉱石の粒子に高熱のガスを吹き付ける。ガスは、鉱石の粒子を流動させて流動層を形成する。さらに、ガスは鉱石を加熱する。流動層式の加熱炉では、加熱炉内で鉱石を流動させることにより、鉱石に物理的な衝撃が与えられる。この物理的な衝撃には、鉱石が加熱炉の内壁面に衝突したときの衝撃や、鉱石の粒子同士が互いに衝突したときの衝撃がある。
流動層式の加熱炉としては、直接加熱式の加熱炉、及び間接加熱式の加熱炉がある。直接加熱式の加熱炉は、加熱炉内の鉱石に熱を直接与える方式の加熱炉である。間接加熱式の加熱炉は、加熱炉内の鉱石に間接的に熱を与える方式の加熱炉である。また、流動層式の加熱炉は、鉱石を循環させる方式であってもよい。
(鉱石の加熱温度)
加熱炉における鉱石の加熱温度は100℃以上とする。鉱石を100[℃]以上の所定温度まで加熱することにより、鉱石を乾燥させ、鉱石に水で付着している微粉を離脱しやすい状態にできる。乾燥した状態で鉱石に物理的な衝撃を与えることにより、微粉を鉱石から効率的に離脱させることができる。微粉部分には高濃度のリンが含まれやすいため、微粉を鉱石から物理的に分離させることにより、鉱石からリンを離脱させることができる。また、流動層式又はキルン式の加熱炉において鉱石を100℃以上の所定温度で加熱することにより、脱水反応を生じさせて、鉱石に含まれるゲーサイト中のリンを除去することができる。ゲーサイトとは、鉱石を構成する鉱物の一種であり、その化学組成はFeO(OH)である。JIS M 8700:2013「鉄鉱石及び還元鉄-用語」は、ゲーサイトを含水酸化鉄に分類している。
鉱石を300[℃]以上の所定温度まで加熱してもよい。これにより、さらに、鉱石に含まれる結晶水を蒸発させて、結晶水を含む部分であるゲーサイト部を脆化させることができるので好ましい。結晶水を含む部分が脆化した状態において、鉱石に物理的な衝撃を与えることにより、脆化した部分を粉化させることができる。これにより、鉱石から微粉を分離させることが一層促進される。結晶水を含む部分には高濃度のリンが含まれやすい。そのため、上述したように粉化させた微粉には高濃度のリンが含まれやすい。したがって、粉化させた微粉を鉱石から物理的に分離させることにより、鉱石からリンを離脱させることができる。
鉱石を加熱する所定温度の上限は、特に制限されるものではない。例えば、加熱炉の耐久性や、後述する実施例で説明するリンの離脱効率などを考慮すれば、加熱温度は1000[℃]以下が好ましい。また、詳しくは実施例で説明するが、加熱温度が750[℃]を超える範囲では、温度の上昇量に対する脱リン率の上昇率の割合が、750[℃]以下の範囲よりも低下する。つまり750[℃]超の温度範囲では、加熱温度の上昇に対するリン除去効果の向上が、750[℃]以下の場合に比べて限定的となる。この現象は、加熱炉の雰囲気が非還元性であっても還元性であっても生じる。そのため、より好ましくは、加熱温度は750[℃]以下とすることができる。さらに、後述のように100[℃]~500[℃]程度の範囲でも、加熱炉の雰囲気によらず、脱リン効果が得られる。そのため、加熱炉におけるエネルギーコスト等を考慮して、100[℃]以上500[℃]以下の範囲、あるいは、100[℃]以上300[℃]以下の範囲で鉱石の加熱を行ってもよい。
鉱石を所定温度まで加熱するときの昇温速度は、適宜決めることができる。所定温度で鉱石を加熱する時間、すなわち、鉱石の温度を所定温度で維持する時間は、特に制限されるものではないが、後述するように、鉱石に含まれる結晶水を十分に蒸発できる時間であることが好ましい。この時間は、例えば、5[min]以上とすることができる。
(加熱炉内に供給するガスの種類)
加熱炉内の雰囲気は、適宜決めることができる。例えば、加熱炉内の雰囲気を非還元性雰囲気又は還元性雰囲気とすることができる。用語「非還元性雰囲気」は、酸化性雰囲気及び不活性雰囲気の両方を包含する概念である。
例えば、酸化性ガスの一種である、酸素ガスを含むガスや大気等を加熱炉内に供給することにより、加熱炉内の雰囲気を酸化性雰囲気とすることができる。また、不活性ガスの一種である窒素ガスやアルゴンガス等を加熱炉内に供給することにより、加熱炉内の雰囲気を不活性雰囲気とすることができる。以下、不活性ガス及び酸化性ガスの両方を包含する概念として「非還元性ガス」という用語を用いる。
また、還元性ガスの一種である、水素ガスを含むガスや一酸化炭素を含むガス等を加熱炉内に供給することにより、加熱炉内の雰囲気を還元性雰囲気とすることができる。ここで、加熱炉内の雰囲気を還元性雰囲気とすることにより、本実施形態の脱リン方法によるリンの離脱、すなわち、鉱石の加熱及び鉱石に与える物理的な衝撃に伴うリンの離脱に加えて、非特許文献1に記載のリンの離脱、すなわち、鉱石からリンを気体として除去することを行うことができる。即ち、還元性雰囲気下で鉱石を加熱することにより、鉱石に含まれるリン酸塩を還元分解し、除去することができる。
加熱炉内に還元性ガス又は非還元性ガスを供給する手段は特に限定されない。加熱炉が流動層式である場合は、鉱石を流動させるためのガスを還元性ガス又は非還元性ガスとすればよい。加熱炉がキルン式である場合は、図1に例示されるように、加熱炉の入口又は出口から鉱石に向かって還元性ガス又は非還元性ガスを吹き付ければよい。なお、加熱炉に還元性ガス又は非還元性ガスを供給し、加熱炉の内部でガスを流動させれば、鉱石から分離された微粉をガスと共に移動させること、すなわち微粉の気流搬送ができる。これにより、鉱石から微粉を取り除くことが一層容易となる効果も得られる。
(加熱後の分級処理)
加熱炉から排出された鉱石に対して分級処理を行ってもよい。分級処理により、鉱石から分離された微粉と鉱石とを分けることができる。これにより、鉱石から分離された微粉を取り除くことができる。なお、後述する中間分級処理とは異なり、加熱後の分級処理の後で、さらに鉱石の加熱が行われることは想定されない。鉱石の加熱が2回以上行われる場合、加熱後の分級処理は、全ての加熱処理の終了後に実施される。
加熱後の分級処理を実施するための手段としては、例えば、篩機を用いることができる。篩機の篩目は、鉱石から分離される微粉の粒径を考慮して適宜決めることができ、例えば加熱後の分級処理においては、篩目を0.125[mm]~0.25[mm]とすることができる。
次に、本実施形態である鉱石の脱リン方法を実施する設備の一例について、図1を用いて説明する。
貯留槽1には、脱リンの対象となる鉱石が貯留されている。貯留槽1から払い出された鉱石は、キルン式の加熱炉2に搬送される。鉱石は、加熱炉2の一端に位置する供給口2aから加熱炉2の内部に供給される。その後、鉱石は100[℃]以上の所定温度で加熱されるとともに、加熱炉2の回転によって転動作用を受けて、物理的な衝撃が与えられる。加熱炉2の内部では、上述した結晶水の蒸発及び粉化によって、鉱石から微粉が分離される。鉱石は、加熱炉2の供給口2aから、加熱炉2の他端に位置する排出口2bに向かって移動し、排出口2bから排出される。
ガス供給機3は、加熱炉2の内部にガスを供給する。ガスは、非還元性ガス又は還元性ガスである。ガス供給機3からのガスは、加熱炉2の排出口2bから加熱炉2の内部に供給され、加熱炉2の回転軸方向に沿って移動した後、加熱炉2の供給口2aから排出される。ガスが加熱炉2の内部を流動することにより、上述したように鉱石から分離した微粉がガスと共に移動する。加熱炉2から排出されたガスである排出ガス、及び微粉は、集塵機4に導かれる。集塵機4において、加熱炉2から排出された微粉が捕集される。なお、図1に示す設備では、排出口2bから供給口2aに向かってガスを流動させているが、供給口2aから排出口2bに向かってガスを流動させることもできる。
加熱炉2の排出口2bから排出された鉱石は、分級のため、篩機5に搬送されてもよい。篩機5は、所定サイズの篩目を有している。篩機5の篩目は、例えば、0.125[mm]~0.25[mm]の範囲内である。篩機5は、篩機5に搬送された鉱石のうち、所定サイズ以下の微粉を鉱石から除去する。篩機5の篩上の鉱石は、リンが離脱されたものである。リンが離脱された鉱石は、高炉に装入される鉄原料である焼結鉱やペレットの製造に用いられる。
以上の加熱炉2は、上述の通り流動層式の加熱炉であってもよい。加熱炉内に供給されるガスが鉱石を流動させることで、鉱石に物理的衝撃を与えることができる。従って流動層式の加熱炉は、キルン式の場合と同様に、鉱石から微粉を分離して脱リン可能である。
(非還元性雰囲気の第1の加熱炉と、還元性雰囲気の第2の加熱炉との併用)
図1に例示される上記の実施形態では、加熱炉における鉱石の加熱を非還元性雰囲気下及び還元性雰囲気下のいずれかで一度行うとした。しかし本実施形態に係る鉱石の脱リン方法は、この構成に限られない。例えば、非還元性雰囲気下での鉱石の加熱の後、還元性雰囲気下での鉱石の加熱を行ってもよい。
非還元性雰囲気下での加熱と還元性雰囲気下での加熱とはそれぞれ別の加熱炉で行ってもよい。第1の加熱炉及び第2の加熱炉の容積及び種類等は同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば一方の加熱炉をキルン式の加熱炉とし、他方の加熱炉を流動層式の加熱炉としてもよい。
一方、非還元性雰囲気下での加熱及び還元性雰囲気下での加熱を同じ加熱炉で行ってもよい。この場合、第1の加熱を行った後で、加熱炉に供給するガスの種類を変更し、そして第2の加熱を行えばよい。この場合、非還元性ガスが吹き込まれている状態の加熱炉を第1の加熱炉とみなし、還元性ガスが吹き込まれている状態の加熱炉を第2の加熱炉とみなす。
非還元性雰囲気下での加熱と還元性雰囲気下での加熱とを別の加熱炉で行う場合について、図2を用いて説明する。図2に示す設備では、加熱炉が第1の加熱炉21と第2の加熱炉22の2基で構成される。第1の加熱炉21及び第2の加熱炉22は直列に接続される。以下の説明において図1の場合と重複する部分は説明を省略する。また、一例として第1の加熱炉21及び第2の加熱炉22がキルン式であるものとして説明する。一方、第1の加熱炉21及び第2の加熱炉22のいずれか一方又は両方が流動層式の加熱炉であってもよい。
まず、鉱石が貯留槽1から第1の加熱炉21に供給される。第1の加熱炉21において鉱石は100[℃]以上の所定温度で加熱される。第1の加熱炉21には、非還元性ガス供給機31から非還元性ガスが供給される。第1の加熱炉21において、鉱石は非還元性雰囲気下で加熱される。そして鉱石には、第1の加熱炉21の回転によって転動作用を受けて物理的な衝撃が与えられる。これにより、鉱石から微粉が分離される。微粉はガスと共に排出されて、集塵機41に捕集される。微粉とともに排出されたガスは、排出ガスと称される。これにより、鉱石に含まれるリンの一部が離脱する。なお、図2において非還元性ガスは第1の加熱炉21の排出口21bから供給口21aに向かって流動させているが、供給口21aから排出口21bに向かって排出ガスを流動させてもよい。
第1の加熱炉21の排出口21bから排出された鉱石は、第2の加熱炉22の一端に位置する供給口22aから第2の加熱炉22の内部に供給される。その後、第2の加熱炉22において、鉱石は100[℃]以上の所定温度で、還元性雰囲気で加熱されるとともに、第2の加熱炉22の回転によって転動作用を受け、物理的衝撃が与えられる。鉱石は、第2の加熱炉22の内部で供給口22aから他端に位置する排出口22bに向かって移動し、排出口22bから排出される。
還元性ガス供給機32は、第2の加熱炉22の内部に還元性ガスを供給する。還元性ガス供給機32からの還元性ガスは、第2の加熱炉22の排出口22bから第2の加熱炉22の内部に供給され、第2の加熱炉22の回転軸方向に沿って移動した後、供給口22aから排出される。ガスが第2の加熱炉22の内部を流動することにより、上述したように鉱石から分離した微粉がガスと共に移動する。第2の加熱炉22から排出されたガスである排出ガス、及び微粉は、集塵機42に導かれる。そして第2の加熱炉22から排出された微粉が、集塵機42に捕集される。なお、図2に示す設備では、第2の加熱炉22の排出口22bから供給口22aに向かってガスを流動させているが、供給口22aから排出口22bに向かってガスを流動させることもできる。
第2の加熱炉22の排出口22bから排出された鉱石は、分級のため、篩機5に搬送されてもよい。篩機5は、所定サイズの篩目を有している。篩機5の篩目は、例えば、0.125[mm]~0.25[mm]の範囲内である。篩機5は、篩機5に搬送された鉱石のうち、所定サイズ以下の微粉を鉱石から除去する。篩機5の篩上の鉱石は、リンが離脱されたものである。リンが離脱された鉱石は、高炉に装入される鉄原料である焼結鉱やペレットの製造に用いられる。
なお、第1の加熱炉21と第2の加熱炉22の加熱温度は、同じ温度としてもよいし、異なる温度としてもよい。また、同じ一つの加熱炉で、非還元性雰囲気での加熱と還元性雰囲気での加熱の両方を実施してもよい。その場合も、それぞれの雰囲気における加熱温度は、同じ温度でもよいし異なる温度でもよい。ただし、還元性雰囲気下での加熱である2回目の加熱の際の加熱温度は300[℃]以上とすることが好ましい。すなわち、1回目の加熱温度を100[℃]以上とし、2回目の加熱温度を300[℃]以上とすることが好ましい。なお「2回目の加熱」とは、2つの加熱炉を用いて鉱石を順次加熱する場合における、第2の加熱炉22における加熱、及び1つの加熱炉を用いて鉱石を2回加熱する場合における、2回目の加熱の両方を意味する。2回目の加熱温度を300[℃]以上とすることで、1回目の加熱によってゲーサイト部からリンが一部離脱した鉱石において、残ったリンをより効率よく離脱させることができるためである。
また、1回目の加熱の加熱時間と2回目の加熱の加熱時間は、特に制限されない。また、1回目の加熱時間と2回目の加熱時間は、同じでもよいし異なってもよい。なお、「1回目の加熱」とは、2つの加熱炉を用いて鉱石を順次加熱する場合における、第1の加熱炉21における加熱、及び1つの加熱炉を用いて鉱石を2回加熱する場合における、1回目の加熱の両方を意味する。
以上のように、初めに非還元性雰囲気で加熱し、次に還元性雰囲気で加熱する方法で鉱石に含まれるリンを離脱してもよい。非還元性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかによる1度の加熱の場合に比べて、非還元性雰囲気での加熱と還元性雰囲気で加熱とを組み合わせる場合では、鉱石からリンをより多く離脱させることができる。また、まずは一般的に還元性雰囲気よりも安価な非還元性雰囲気での加熱を行って、大方のリンが存在するゲーサイトの加熱分解によってリンを除去し、それでも除去できずに残ったリンやリン酸化物に対して還元性雰囲気での加熱による除去を行うことで、コストのより高い還元性ガスの使用を最小限に抑えつつ、より効率よくリンの除去を行うことができる。よって、上記のように2度加熱を行う実施形態の方法によれば、1度の加熱の場合に比べて更なる省エネルギー且つ省コストも実現できる。即ち、鉱石を加熱する工程が、非還元性雰囲気下で鉱石に第1の加熱をすることと、第1の加熱に次いで還元性雰囲気下で鉱石に第2の加熱をすることを含む場合、鉱石中に存在するリン酸塩を還元分解するために必要な還元性ガスの量を低減できる。非還元性ガスは還元性ガスよりも安価であるので、第1の加熱炉を用いた還元性ガスの使用量の低減は、脱リンコストを低減する。
また、還元性雰囲気での加熱の場合、鉱石における酸化鉄の還元も起こり得る。還元で生じた金属鉄はリンと結合するので、還元性雰囲気での加熱によれば、かえって脱リン率が低下する場合がある。そのため、加熱過程全体の一部を非還元性雰囲気とすることで、脱リン率の低下につながる金属鉄への還元反応を抑制し、脱リン反応だけを効率よく進行させることができるというメリットも得られる。
(中間分級処理)
第1の加熱炉21と第2の加熱炉22の間において、中間分級処理をさらに行ってもよい。中間分級処理は第1の加熱炉21から排出された鉱石を粗粒部と細粒部とに分ける処理である。上述した加熱後の分級処理とは異なり、中間分級処理の後には必ず鉱石の第2の加熱が実施される。中間分級処理は、鉱石を第1の加熱炉で加熱した後かつ第2の加熱炉に供給する前に、鉱石を分級する工程と定義される。
図3は、中間分級処理を行う場合の実施形態に係る鉱石の脱リン方法の工程を示す工程図である。第1の加熱炉21で加熱され排出された鉱石を、分級装置である篩機6に供給する。篩機6は、第1の加熱炉21で加熱された鉱石を粗粒部と細粒部とに分級する中間分級処理を行う。そして、篩機6において分級された鉱石の粗粒部を第2の加熱炉22に供給し、還元処理する。細粒部は、第2の加熱炉22に供給される鉱石から除かれる。
中間分級処理で用いられる篩機6において、篩目の大きさは0.5mm以上3.0mm以下とされることが好ましい。篩機6において篩目を通り抜けない粒子が粗粒部であり、篩目を通り抜ける粒子が細粒部である。
粒度の調整は、篩機6の篩目の大きさで調整できる。篩目の範囲が0.5mm以上3.0mm以下の篩機を用いることで、細粒部の粒度を0.5mm以上3.0mm以下に設定することができる。中間分級処理を行う篩機6の篩目は、微粉除去のために実施される加熱後の分級処理を行う篩機5の篩目よりも大きい。中間分級処理を実施する分級装置は篩機に限定されず、他の分級装置を用いてもよい。
通常、第1の加熱炉21において加熱され、且つ微粉が除かれた鉱石においては、粒度が小さいほどリン含有量が小さい。換言すると、より粒度の小さい鉱石の方が、脱リン率が高くなる。そのため、以上の中間分級処理によって、第1の加熱炉21から排出された鉱石のうち、比較的脱リン率の低い粗粒部と、比較的脱リン率の高い細粒部とに分離することができる。そして、中間分級処理を行うことにより、脱リン処理が必要な粗粒部のみを優先的に第2の加熱炉22に供することができる。そうすることで、鉄鉱石全体のうち還元によるさらなる脱リン処理が必要な部分、換言すれば、脱リンが進みにくく還元による脱リン処理をより優先して実施すべき部分に脱リン対象を絞って、より効果的に脱リン処理することができる。そして、粗粒部のみ第2の加熱炉22で加熱することで、全ての鉱石を第2の加熱炉22で加熱する場合より、全体のエネルギー効率やガス原単位の観点でより効率的な脱リン処理を実施できる。即ち、第1の加熱の後かつ第2の加熱の前に鉱石を分級する場合、鉱石から微粉が除去されることにより、鉱石粒子との還元性ガスとの反応効率が高められる。これにより、鉱石中に存在するリン酸塩を還元分解するために必要な還元性ガスの量を一層低減できる。
本実施形態における中間分級処理によって分離された細粒部は、十分に脱リン率が高いので、脱リン処理された鉄鉱石としてそのままペレット用、ブリケット用、ないしは焼結用原料等に用いることができる。なお、図3に示す篩機5による加熱後の分級処理は、省略してもよい。
(加熱前の分級)
本実施形態に係る鉱石の脱リン方法は、鉱石を加熱炉内で加熱する工程の前に、鉱石を粗粒部及び細粒部に分級する工程をさらに備えてもよい。以下、加熱される前の鉱石の分級処理を「加熱前の分級処理」と称する。図4に、加熱前の分級処理を行う鉱石の脱リン方法の工程図を例示的に示す。
まず、図4を参照しながら、加熱前の分級処理を行う鉱石の脱リン方法の構成について説明する。貯留槽1には、脱リンの対象となる鉱石が貯留されている。貯留槽1から払い出された鉱石は、キルン式の加熱炉2に搬送される前に、篩機7に搬送される。加熱前の分級処理用の篩機7は、3.0mm以上5.0mm以下の篩目を有している。篩機7は、加熱前の鉱石を粗粒部及び細粒部に分級する。
加熱前の分級処理の後で、粗粒部を加熱炉2に供給する。細粒部は加熱炉2に供給される鉱石から除かれることが好ましい。細粒部は、加熱炉2から搬出された鉱石に添加されてもよい。また、細粒部は、鉄鋼原料の鉱石として用いられなくてもよい。加熱炉2は、キルン式の加熱炉とされる。また、加熱炉2における粗粒部の加熱温度を400℃以上とする。さらに好ましくは、加熱温度を600~1000℃の範囲内とする。
加熱炉2の内部の雰囲気は特に限定されない。例えば、加熱炉2に還元性ガスを供給し、加熱炉2の内部を還元性雰囲気とすることが好ましい。還元性ガスの例は、水素ガス、COガス、及びこれらの混合ガスである。キルン式の加熱炉において、還元性ガスを吹き込みながら鉱石を400℃以上に加熱することにより、最も良好な脱リン効率が達成される。
上述された種々の構成と、加熱前の分級処理を行う構成とを組み合わせてもよい。
例えば、加熱炉が第1の加熱炉21及び第2の加熱炉22で構成される場合において、第1の加熱炉21に鉱石を供給する前に鉱石を分級してもよい。この場合、第1の加熱炉21及び第2の加熱炉22の少なくとも一方をキルン式とし、且つその加熱温度を400℃以上とすればよい。さらに好ましくは、第1の加熱炉21をキルン式とし、その加熱温度を400℃以上とする。
例えば、加熱前の分級処理に加えて、中間分級処理、及び加熱後の分級処理の一方又は両方を実施してもよい。複数回の分級処理を行う場合、全ての分級処理を1つの篩機で実施してもよい。ただし、加熱前の分級処理に適した篩目は、中間分級処理に適した篩目、及び加熱後の分級処理に適した篩目とは必ずしも一致しない。これら分級処理の対象となる鉱石の状態、及びこれら分級処理の目的が、相違するからである。特に、加熱前の分級処理については炉内の転動性を保ちガスとの反応性を向上する目的があり、加熱後の分級処理ではリンの除去が進展した粒子の排除によりリンの除去が進展していない粒子のみを選択的に加熱炉2に投入し効率的なリンの除去を行えるといった目的がある。従って、加熱前の分級処理用の篩機7、中間分級処理用の篩機6、及び加熱後の分級処理用の篩機5を独立的に設置することが最も好ましい。
次に、加熱前の分級処理を行う鉱石の脱リン方法の技術思想、及び作用効果について説明する。本発明者らは、400℃以上のキルン式の加熱炉を用いて鉱石の脱リンを行う場合において、加熱炉に投入される鉱石の粒度が特定の閾値を下回ると、脱リン効率が低下する旨を知見した。これは、当業者の技術常識に反する現象であった。キルン式の加熱炉を用いて鉱石を還元する場合は、鉱石の粒度が小さいほど還元効率が向上すると考えられる。なぜなら、鉱石の粒度が小さいほど、鉱石の重量あたりの表面積が大きくなるからである。従って技術常識によれば、鉱石の粒度が小さいほど、鉱石の脱リンの実施が容易になると予想されていた。
本発明者らの上述の知見に基づけば、400℃以上のキルン式の加熱炉を用いて鉱石の脱リンを行う前に、鉱石の細粒部を取り除くことが好ましい。脱リン率を高めることが容易な部位である粗粒部のみを脱リンの対象とすることにより、脱リン効率を高め、全体のエネルギー効率やガス原単位の観点で一層効率的な脱リン処理を実施できる。本発明者らが実験を通じて解明したところによれば、3mm以上5mm以上の篩目を用いて分級処理を行い、この篩目の上に残存する粗粒部のみを加熱炉に供給することにより、上述の作用効果を好適に得ることができる。
(加熱前の鉱石の選択)
本実施形態に係る鉱石の脱リン方法は、鉱石の種類が2以上である場合に、鉱石を加熱炉内で加熱する工程の前に、ゲーサイトのリン濃度が最も高い鉱石を選択する工程をさらに備え、ゲーサイトのリン濃度が最も高い鉱石を優先的に加熱炉に供給してもよい。以下に、鉱石を加熱する前に鉱石を選別する実施形態の具体的構成について、詳細に説明する。
鉱石の種類は、例えば鉱床内で鉱石を採掘する際に形成された切羽に基づいて区別される。切羽とは、石炭、金属などの鉱山において石炭、鉱石などを採掘し、又は坑道掘進を行っている作業箇所のことである(JIS M 0102:2000「鉱山用語」参照)。鉱石の品位は、鉱石が採掘された切羽ごとに異なる場合がある。また、鉱石の産地に基づいて、鉱石の種類を区別してもよい。
鉱石の種類が2以上である場合、ゲーサイト中のリン濃度が高い鉱石を、脱リン処理の対象として選択する。鉱石の選択基準は、鉱石中のゲーサイト中のリン濃度であり、鉱石のリン含有量ではない点に注意する必要がある。例えば、ゲーサイトの含有量が少ないが、ゲーサイト中のリン濃度が高い鉱石Aと、ゲーサイトの含有量が多いが、ゲーサイト中のリン濃度が低い鉱石Bとが存在する場合、鉱石Aが脱リン対象として選択される。たとえ鉱石Bに含まれるリンの総量が鉱石Aより多い場合であっても、効率や省エネルギーの観点から鉱石に含まれるゲーサイト中のリン濃度に基づいて、鉱石Aを優先的に脱リン処理に供する。
鉱石中のゲーサイトのリン濃度が未知である場合は、鉱石の脱リン方法が、ゲーサイトのリン濃度を測定する工程をさらに備えてもよい。ゲーサイトのリン濃度を測定する手段は、例えば鉱物自動分析装置(Mineral Liberation Analyzer:MLA)とすることができる。鉱物自動分析装置は、エネルギー分散型X線分析器(EDS)を有した走査型電子顕微鏡(SEM)と、これらを制御するとともに各鉱物種のEDSスペクトルがデータとして蓄積されたコンピュータと、を備える。特開2015-40724号公報は、MLAの一例を開示している。特開2020-34372号公報は、MLAを用いた分析方法の一例を開示している。
MLAを用いて鉄鉱石の断面研磨資料の元素分析を実施することにより、鉄鉱石の単位質量当たりのゲーサイト量、及びゲーサイトの配置を特定することができる。また、MLAを用いた断面分析により、鉄鉱石の単位質量当たりのリン量、及びリンの配置も特定することができる。ゲーサイトの分析結果、及びリンの分析結果を照合することにより、ゲーサイトのリン濃度を特定することができる。
上述の手順で選択された、ゲーサイトのリン濃度が最も高い鉱石は、脱リン用の加熱炉に優先的に供給される。具体的には、最初にゲーサイトのリン濃度が最も高い鉱石を、加熱炉に供給する。次に、当該鉱石がすべて加熱炉に供給された後で、残された鉱石の中で最もゲーサイトのリン濃度が最も高いものを選択し、これを加熱炉に供給する。即ち、ゲーサイトのリン濃度が高い順に、鉱石を加熱炉に供給する順番を定める。全ての種類の鉱石が加熱炉に供給される前に、別の種類の鉱石が入荷された場合は、新たな鉱石を含めた群の中から上述の手段で脱リン対象を選択する。
次に、鉱石を加熱する前に鉱石を選別する実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係る鉱石の脱リン方法では、加熱炉に供給する鉱石の種類を選択する基準を、鉱石中のゲーサイトのリン濃度とする。なぜなら、キルン式又は流動層式の加熱炉は、ゲーサイト以外の鉱物に含まれるリンを除去し難いからである。一方、ゲーサイトのリン濃度は、キルン式又は流動層式の加熱炉を用いた鉱石の脱リン効率に大きく影響する。鉱石のゲーサイトのリン濃度が高いほど、キルン式又は流動層式の加熱炉による脱リンを実施しやすい。
本実施形態に係る鉱石の脱リン方法によれば、脱リン効率が高い鉱石を優先的に脱リンすることができる。これにより、脱リンプロセスの効率を一層高めることができる。
なお、複数種類の鉱石のゲーサイトのリン濃度を相対比較することに代えて、鉱石のゲーサイトのリン濃度が所定値以上である場合のみに脱リン処理を行ってもよい。具体的には、ゲーサイトのリン濃度が1.0mass%以上の鉱石だけを加熱炉に供給してもよい。この場合、鉱石の種類は1つだけであってもよい。ゲーサイトのリン濃度が1.0mass%以上の鉱石が存在しない場合は、脱リン処理を中止すればよい。
本発明者らの実験結果によれば、ゲーサイトのリン濃度が1.0mass%以上の鉱石のみを、キルン式又は流動層式の加熱炉を用いた脱リン処理の対象とすることにより、脱リン効率を一層高め、且つ、脱リンのためのエネルギーを削減することができる。
上述された種々の構成と、加熱前に鉱石を選択する構成とを適宜組み合わせてもよい。
実施例により本開示の一態様の効果を更に具体的に説明する。ただし、実施例での条件は、本開示の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例に過ぎない。本開示は、この一条件例に限定されない。本開示は、その要旨を逸脱せず、その目的を達成する限り、種々の条件を採用し得る。
(実験1)
(鉱石)
後述する比較例及び実施例1~5では、下記表1に示す成分を有する鉱石を用いた。比較例では、2[kg]の鉱石を後述するバッチ式の加熱炉に充填した。実施例1~4では、300[kg/h]の一定の供給速度で、鉱石を後述するキルン式の加熱炉に供給した。
Figure 0007640928000001
(加熱炉)
比較例では、加熱炉として、鉱石を流動させずに加熱だけを行うバッチ式の箱型炉を用いた。箱型炉の内径は、幅300[mm]、奥行き300[mm]、及び高さ300[mm]とした。実施例1~4では、加熱炉として、外燃式のキルンを用いた。キルンの内部の空間は、直径が0.90[m]であり、長さが2.0[m]であった。また、キルンの回転数は2.0[rpm]とした。
(加熱炉の数、及び加熱雰囲気条件)
比較例及び実施例1では、加熱炉の数は1とした。比較例及び実施例1では、酸化性ガスである空気を15[Nm/h]の流量で加熱炉内に供給し、加熱炉内の雰囲気を非還元性雰囲気とした。
実施例2では、加熱炉の数は1とした。実施例2では、33%のHを含み、残部がNである還元性ガスを、15[Nm/h]の流量で加熱炉内に供給し、加熱炉内の雰囲気を還元性雰囲気とした。
実施例3及び4では、加熱炉の数は2とした。第1の加熱炉では、実施例1の条件にて非還元性雰囲気で加熱処理をした。その後、鉱石を室温まで冷却した。そして第2の加熱炉では、実施例2の条件にて還元性雰囲気で加熱処理を実施した。
(加熱温度条件)
比較例、及び実施例1~4においては、鉱石を加熱する温度としては、複数の温度を設定した。具体的には、加熱炉において、100[℃]、300[℃]、500[℃]、750[℃]、1000[℃]及び1100[℃]のそれぞれの温度まで昇温した後、この温度を維持した。実施例3及び4では、非還元性雰囲気での加熱温度と還元性雰囲気での加熱温度は同じとした。
(加熱時間条件)
実施例1及び2では、加熱炉内における鉱石の滞留時間は120[min]とした。
実施例3及び4では、第1の加熱炉内、及び第2の加熱炉内における鉱石の滞留時間の合計を120[min]とした。実施例3及び4においては、第1の加熱炉における非還元性雰囲気での加熱を60[min]行い、第2の加熱炉における還元性雰囲気での加熱を60[min]行った。
比較例では、加熱炉での加熱時間を120[min]とした。
(中間分級処理)
実施例5では、第1の加熱炉において非還元性雰囲気で加熱処理後、第1の加熱炉から鉱石を排出し、篩目が3.0mmの篩機を用いて中間分級処理を行った。中間分級処理で、鉱石を細粒部と粗粒部に分けた。そして、粗粒部だけを第2の加熱炉に投入し、還元性雰囲気で加熱処理を実施した。なお、比較例及び実施例1~4については、中間分級処理を行わなかった。
加熱前の分級処理、及び加熱後の分級処理は、いずれの例においても実施しなかった。
下記表2は、上述した試験条件をまとめたものである。
Figure 0007640928000002
(脱リン率の測定)
加熱炉で加熱処理が行われた鉱石に対して脱リン率の測定を行った。
比較例及び実施例1~3では、加熱炉から排出された鉱石に対して脱リン率の測定を行った。
実施例4の脱リン率は、以下の手順で求めた。まず、第1の加熱炉における非還元性雰囲気の加熱後の中間分級処理で得られた細粒部の脱リン率を求めた。また、中間分級処理後の粗粒部を、第2の加熱炉において還元性雰囲気で加熱して得られたものの脱リン率を求めた。細粒部の脱リン率、及び加熱後の粗粒部の脱リン率の両方から、実施例5の全体の脱リン率を求めた。全体の脱リン率は、粗粒部と細粒部のそれぞれの質量の割合と各脱リン率とを掛け合わせた値の合計で求めた。即ち、以下の式によって全体の脱リン率を求めた。
(全体の脱リン率)={(細粒部の脱リン率)×(細粒部の重量)+(粗粒部の脱リン率)×(粗粒部の重量)}/{(細粒部の重量)+(粗粒部の重量)}
なお、脱リン率は、下記式(1)によって表される。
Figure 0007640928000003
上記式(1)において、ηは脱リン率[質量%]、(Cは加熱及び還元を実施する前の鉱石に含まれるリンの濃度[質量%]、(Cは加熱及び還元を実施した後の鉱石に含まれるリンの濃度[質量%]である。
上記式(1)に示すリン濃度Cは、下記式(2)によって表される。すなわち、リン濃度Cは、リンの含有率を鉄分の含有率で規格化した値である。
Figure 0007640928000004
上記式(2)において、%Pはリンの含有率(測定値)[質量%]、%T.Feは、鉄分(Fe2+、Fe3+及びM.Fe)の含有率(測定値)[質量%]である。リンの含有率%Pは、JISM8216の規定に準じて測定した。Fe2+(FeO)の含有率[質量%]は、JISM8213の規定に準じて測定した。Fe3+(Fe)の含有率[質量%]は、蛍光X線分析法によって測定した。M.Feの含有率[質量%]は、JISM8212の規定に準じて測定した。
脱リン率の測定結果を下記表3に示す。
Figure 0007640928000005
加熱温度が100[℃]であるとき、実施例1及び2における脱リン率ηは、比較例における脱リン率ηよりも高くなった。なお、加熱温度が100[℃]未満であるときには、鉱石の表面が十分に乾燥しないため、リンを含む微粉(粒径が0.25[mm]以下の微粉)が鉱石の表面から分離されにくくなり、脱リンの効果は小さいと推察される。
いずれの例においても、加熱温度が100[℃]よりも高くなるほど、脱リン率ηが上昇した。ここで、加熱温度が300[℃]であるとき、実施例1~4における脱リン率ηは、比較例における脱リン率ηよりも高くなった。これは、300[℃]以上で鉱石中のゲーサイト部の結晶水が蒸発(脱水)して脆化し、物理的衝撃によりリンを含む微粉がさらに分離、除去されたためと推察される。
上述したように加熱温度が高いほど、脱リン率ηが上昇するものの、加熱温度の上昇量に対する脱リン率の上昇率を考慮すると、加熱温度を高くしすぎなくてもよい。下記表4は、上記表3に示す結果に基づいて、加熱温度が10[℃]だけ上昇したときの脱リン率の上昇率Δη[質量%/10℃]を算出したものである。
Figure 0007640928000006
上記表4に示す結果によれば、加熱温度が750[℃]までであれば、上昇率Δηが高くなる。しかし、加熱温度が750[℃]を超えると上昇率Δηが低下した。そこで、上昇率を考慮すると、加熱温度の上限を750[℃]とすることができる。一方、以下に説明する点を考慮すると、加熱温度の上限を1000[℃]とすることができる。
加熱温度が1000[℃]よりも高い場合には、鉱石の温度は、カールフィッシャー法(JIS M 8211:1995「鉄鉱石-化合水定量方法」参照)における測定基準となる温度である950[℃]を超える。従って950℃以上に加熱された当該鉱石では、上述した結晶水の蒸発に伴う脆化が既に完了していることになる。また、還元性雰囲気で鉱石を加熱する場合において、1000[℃]よりも高い加熱温度では、還元反応が過度に促進して金属鉄の生成が進行することにより、鉱石からのリンの離脱が阻害されやすくなると考えられる。これらの点を考慮すれば、加熱温度の上限を1000[℃]とすることができる。
加熱炉内の雰囲気を還元性雰囲気とした実施例2では、実施例1と比べて750[℃]以上の範囲では脱リン率ηが向上した。また、実施例3も、750[℃]以上の範囲で実施例1に比べて脱リン率ηが向上し、実施例2に比べても脱リン率ηが向上した。一方、実施例1~3では、加熱温度が100[℃]以上500[℃]以下の温度範囲において、加熱炉の雰囲気によらず同一温度における脱リン率ηが同等であった。
同一の加熱温度において、実施例1~4のうち、実施例4における脱リン率ηが最も高くなった。最初の非還元性雰囲気での加熱後に細粒部と粗粒部に分ける中間分級処理を行うことにより、脱リン率を一層向上させることができる。
(実験2)
加熱前の分級処理の作用効果を、オフライン実験の結果を用いて以下に検証する。
(原料)
脱リン対象とされる鉱石は、豪州鉄鉱石粉鉱とした。当該鉱石の成分は、鉄分:62.6%、P:0.29%、SiO:2.7%、アルミナ:2.2%、及び結晶水分[CW]:4.5%であった。
(分級方法)
加熱前の分級処理は、篩機を用いて行われた。篩機の篩目は、2mm、3mm、5mm、又は7mmとした。
(加熱処理装置、加熱条件)
加熱炉はキルン式とした。加熱条件は以下の通りとした。
・加熱炉の内部空間の大きさ:直径0.90m、及び長さ2.0m
・加熱炉の回転数:2.0rpm
・加熱炉の数:1
・加熱炉への鉱石の投入量:1kg/h(投入速度一定)
・加熱炉に供給するガス種類:還元性ガス(N-33%H
・加熱炉に供給するガスの流量:15Nm/h
・加熱温度:700℃
・上記加熱温度での滞留時間:60min
脱リン率の測定方法は、実験1の実施例4と同様とした。即ち、加熱前の分級処理によって得られた細粒部の脱リン率、及び加熱後の粗粒部の脱リン率を測定した。これらの値を以下の式に代入することによって得られた値を、脱リン率として表5に記載した。
(全体の脱リン率)={(細粒部の脱リン率)×(細粒部の重量)+(粗粒部の脱リン率)×(粗粒部の重量)}/{(細粒部の重量)+(粗粒部の重量)}
実験結果を表5に示す。
Figure 0007640928000007
篩目が2mmであった実施例11、及び篩目が7mmであった実施例14の脱リン率よりも、篩目が3~5mmの範囲内であった実施例12及び13の脱リン率の方が高かった。実施例11においては、脱リンが行われにくい直径2~3mmの鉱石も脱リン対象とされたので、脱リン率が実施例12及び13よりも低下したと推定される。実施例14においては、脱リン対象とされる鉱石が少なかったので、脱リン率が実施例12及び13よりも低下したと推定される。
(実験3)
加熱前の鉱石の選別の作用効果を、オフライン実験の結果を用いて以下に検証する。
(原料)
脱リン対象とされる高リン鉱石は、2種類の豪州鉄鉱石粉鉱A、Bとした。
高リン鉱石Aの成分は、鉄分:62.6%、P:0.29%、SiO:2.7%、アルミナ:2.2%、結晶水分[CW]:4.5%であった。高リン鉱石Aが含有するゲーサイト中のリン濃度は1.33%であった。高リン鉱石Aを発明例の鉱石として用いた。
高リン鉱石Bの成分は、鉄分:61.6%、P:0.19%、SiO:1.6%、アルミナ:1.8%、結晶水分[CW]:7.1%であった。高リン鉱石Bが含有するゲーサイト中のリン濃度が0.37%であった。高リン鉱石Bを比較例の鉱石として用いた。
比較例と発明例に使用した鉱石は、いずれも105℃にて2時間乾燥させ、次いで振動篩にて5~10mmに整粒したものとした。鉱石の重量は約3kgとした。
(加熱処理装置・方法)
加熱炉はキルン式とした。加熱条件は以下の通りとした。
・加熱炉の内部空間の大きさ:直径0.90m、及び長さ2.0m
・加熱炉の回転数:2.0rpm
・加熱炉の数:1
・加熱炉への鉱石の投入量:1kg/h(投入速度一定)
・加熱炉に供給するガス種類:空気(N-21%O)または還元性ガス(N-30%H
・加熱炉に供給するガスの流量:ガスが還元性ガスである場合は15Nm/h、ガスが空気である場合は6Nm/h
・加熱温度:ガスが還元性ガスである場合は700℃、ガスが空気である場合は280℃
・蒸気加熱温度での滞留時間:ガスが還元性ガスである場合は55min、ガスが空気である場合は22min
・加熱後の分級処理:加熱炉から排出された鉄鉱石を、篩目0.25mmの篩機で分級
(リン除去量の算出)
リン除去量は、求めた脱リン率に鉄鉱石の初期リン含有量を乗じて算出した。鉄鉱石の初期リン含有量とは、上述の通り105℃にて2時間乾燥させ、次いで振動篩にて5~10mmに整粒した後の鉄鉱石のリン含有量である。脱リン率は、リン含有量を鉄分含有量で規格化した値(P/Fe)について、処理前後の差分を百分率で表現した。結果を表6に示す。
Figure 0007640928000008
ゲーサイトのリン濃度が高い鉱石をキルン式の加熱炉に投入した際の脱リン率及びリン除去量は、ゲーサイトのリン濃度が低い鉱石をはるかに上回っていた。
1:貯留槽、2:加熱炉、21:第1の加熱炉、22:第2の加熱炉、2a,21aおよび22a:供給口、2b,21bおよび22b:排出口、3:ガス供給機、31:非還元性ガス供給機、32:還元性ガス供給機、4,41および42:集塵機、5、6および7:篩機

Claims (13)

  1. キルン式又は流動層式の加熱炉内において、鉱石を100℃以上750℃未満の温度で加熱する工程を備える鉱石の脱リン方法。
  2. 前記鉱石を加熱する工程の際に、前記加熱炉内に還元性ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の鉱石の脱リン方法。
  3. 前記鉱石を加熱する工程の際に、前記加熱炉内に非還元性ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の鉱石の脱リン方法。
  4. 前記加熱炉は、第1の加熱炉と第2の加熱炉で構成され、
    前記第1の加熱炉に非還元性ガスを供給し、
    前記第2の加熱炉に還元性ガスを供給し、
    前記加熱する工程において、まず前記第1の加熱炉に鉱石を供給して加熱し、次いで前記第2の加熱炉に、前記第1の加熱炉で加熱した前記鉱石を供給して加熱する
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉱石の脱リン方法。
  5. キルン式又は流動層式の加熱炉内において、鉱石を100℃以上の温度で加熱する工程を備え、
    前記加熱炉は、第1の加熱炉と第2の加熱炉で構成され、
    前記第1の加熱炉に非還元性ガスを供給し、
    前記第2の加熱炉に還元性ガスを供給し、
    前記加熱する工程において、まず前記第1の加熱炉に鉱石を供給して加熱し、次いで前記第2の加熱炉に、前記第1の加熱炉で加熱した前記鉱石を供給して加熱し、
    前記鉱石を、前記第1の加熱炉で加熱した後かつ前記第2の加熱炉に供給する前に、粗粒部、及び前記粗粒部よりも細かい細粒部に分級する工程をさらに備え、
    前記第2の加熱炉に供給される前記鉱石から、前記細粒部を除く
    鉱石の脱リン方法。
  6. 前記鉱石を、前記第1の加熱炉で加熱した後かつ前記第2の加熱炉に供給する前に分級する工程において、篩目が0.5mm以上3.0mm以下の篩機を用いる
    ことを特徴とする請求項5に記載の鉱石の脱リン方法。
  7. キルン式又は流動層式の加熱炉内において、鉱石を100℃以上の温度で加熱する工程を備え、
    前記鉱石を前記加熱炉内で加熱する工程の前に、篩目が3.0mm以上5.0mm以下の篩機を用いて、前記鉱石を粗粒部及び細粒部に分級する工程をさらに備え、
    前記加熱炉を、前記キルン式の加熱炉とし、
    前記加熱炉に、前記粗粒部のみを供給し、
    前記加熱炉における前記粗粒部の加熱温度を400℃以上とする
    鉱石の脱リン方法。
  8. 前記鉱石の種類が2以上であり、
    前記鉱石がゲーサイトを含有し、
    前記鉱石を前記加熱炉内で加熱する工程の前に、前記ゲーサイト中のリン濃度が最も高い前記鉱石を選択する工程をさらに備え、
    前記ゲーサイト中の前記リン濃度が最も高い前記鉱石を、優先的に前記加熱炉に供給する
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法。
  9. 前記鉱石がゲーサイトを含有し、
    前記ゲーサイト中のリン濃度が1.0mass%以上の前記鉱石だけを前記加熱炉に供給することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法。
  10. 前記加熱炉内において加熱された前記鉱石から生じた微粉を除去する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法。
  11. 前記微粉を、前記加熱炉に還元性ガス又は非還元性ガスを供給し、前記加熱炉の内部で前記ガスを流動させることにより除去することを特徴とする請求項10に記載の鉱石の脱リン方法。
  12. 前記微粉を、前記加熱炉から排出された前記鉱石に対して分級処理をすることによって除去することを特徴とする請求項10に記載の鉱石の脱リン方法。
  13. 前記加熱炉内において、前記鉱石を100℃以上500℃以下の温度で加熱することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の鉱石の脱リン方法。
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