JP7639276B2 - カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Description
表示装置、及び電子ペ-パ-等に用いられるカラ-フィルタの製造に使用される着色組成
物、及び感光性着色組成物、並びにこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備
えるカラ-フィルタ、カラ-液晶表示装置に関するものである。
状のフィルタセグメントを互いに平行に(ストライプ状に)若しくは交差するように配置
してなるか、又は、色相が異なる2種以上の微細なフィルタセグメントを縦方向及び横方
向の各々において順番に配列するように配置してなる。フィルタセグメントは、数ミクロ
ン~数100ミクロンの小さな寸法を有しており、色相毎に所定の配列で整然と配置され
ている。
透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向
に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充
分に得るには、その形成工程を一般に200°C以上好ましくは230°C以上の高温で行なう必要がある。
献1では耐熱性の高い着色剤を用いる事で乾燥工程での変色を防いでいる。特許文献2では樹脂型分散剤の耐熱性を向上させることで乾燥工程での変色を防いでいる。特許文献3では高感度の重合開始剤を用いる事で乾燥工程における残膜率の低下を防いでいる。しかし今日カラ-フィルタに要求される高い耐熱性と残膜率を十分に達成できてはおらず、更なる改善が必要とされている。耐熱性と残膜率を両立する事はさらに難しいのが現状である。更に、近年では液晶表示装置の画素が細かくなってきており、着色組成物、及び、感光性着色組成物の異物除去の為のフィルター濾過において、非常に高いレベルでの濾過性が求められている。特許文献4では架橋性分散剤を使用する事で高い耐熱性と残膜率を達成しているが、濾過性に関する記載は無い。
すなわち、本発明は、着色剤(A)、およびビニル重合体部分を有する酸性樹脂型分散剤(C)を含む着色組成物であって、酸性樹脂型分散剤(C)が、下記の酸性樹脂型分散剤(C1)、および酸性樹脂型分散剤(C2)を含有することを特徴とする着色組成物に関する。
酸性樹脂型分散剤(C1):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位の含有率が、樹脂型分散剤のビニル重合部分を100質量%としたとき20質量%以上100質量%以下である樹脂型分散剤。
酸性樹脂型分散剤(C2):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含まない樹脂型分散剤。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、または「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリルおよび/またはメタクリル」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、または「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
酸性樹脂型分散剤(C1):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位の含有率が、酸性樹脂型分散剤のビニル重合部分を100質量%としたとき20質量%以上100質量%以下である酸性樹脂型分散剤。
酸性樹脂型分散剤(C2):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含まない酸性樹脂型分散剤。
本発明における着色剤(A)は、顔料、染料、その他着色剤を含んでもよい。顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
また、C.I.ダイレクトオレンジ1、2、3、4、5、6、7、8、10、13、17、19、20、21、24、25、26、29、29:1、30、31、32、33、43、49、51、56、59、69、72、73、74、75、76、79、80、83、84、85、87、88、90、91、92、95、96、97、98、101、102、102:1、104、108、112、114等も使用できる。
また、C.I.ダイレクトグリーン11、13、14、24、30、34、38、42、49、55、56、57、60、78、79、80等も使用できる。
本発明の着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、透過率の観点から微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法等が挙げられる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましく、10~70nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散性が向上し、コントラスト比もより向上する。
本発明では、凝集異物の観点から、色素誘導体を用いることが好ましい。本発明で使用する色素誘導体(B)としては、有機色素残基である色素母体骨格に官能基を導入した色素誘導体を用いることができる。これらは、色素母体骨格に導入されている官能基の化学構造により酸性、塩基性および、中性に分類することができる。例えば、酸性色素誘導体としては、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩が挙げられる。塩基性色素誘導体としては、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物が挙げられる。中性色素誘導体としては、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素残基である色素母体骨格としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。その中でも、経時での異物発生抑制の観点からフタロシアニン系母体骨格であることがさらに好ましい。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001-220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017-156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007-226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007-314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009-57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基としては、特開2004-307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報、などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基である色素母体骨格に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
これら色素誘導体は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
<酸性樹脂型分散剤(C)>
酸性樹脂型分散剤(C1):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)由来の構成単位の含有率が、樹脂型分散剤のビニル重合部分を100質量%としたとき20質量%以上100質量%以下である酸性樹脂型分散剤。
酸性樹脂型分散剤(C2):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)由来の構成単位を含まない酸性樹脂型分散剤。
これにより、高い耐熱性、残膜率、密着性、保存安定性、濾過性において優れた効果を発現する。また、樹脂型分散剤は、上記以外の酸性樹脂型分散剤、アミン価を持つ塩基性樹脂型分散剤、等のその他の樹脂型分散剤を含んでも良い。
カルボキシル基を有する直鎖状の樹脂型分散剤は、すべて公知の方法を利用して製造することができ、例えば、特開2009-251481号公報、特開2007-23195号公報、特開1996-143651号公報、に示されるような公知の方法を利用して合成することが出来る。直鎖の分散剤の製造方法の一例として、カルボキシル基を有する分散剤は、片末端に1つの水酸基を有するビニル系重合体を原料として、トリカルボン酸無水物を水酸基に付加することによって製造することが出来る。
櫛型の酸性樹脂型分散剤としては、酸性樹脂型分散剤(C1)および/または(C2)が、テトラカルボン酸無水物(b1)及びトリカルボン酸無水物(b2)から選ばれる一種以上の酸無水物(b)中の酸無水物基と水酸基含有化合物(a)中の水酸基とを反応させてなる、カルボキシル基を有するポリエステル部分、およびエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合してなる櫛型の樹脂型分散剤が好ましい。これにより着色剤の凝集を効率良く防ぐ事ができ、優れた保存安定性を発揮する事ができる。
なお、本発明の分散剤は、2つの部位より構成されており、これら部位がどのように結合されているかを特定し、記載することは、不可能であるかおよそ現実的ではないため、製造方法により記載する。
[水酸基含有化合物(a)]
水酸基含有化合物としては、分子内に水酸基を有してさえいれば、特に制限されないが、分子内に2つ以上の水酸基を有するポリオールであることが好ましく、特に分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a1)であることが好ましい。
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a1)としては、例えば、1-メルカプト-1,1-メタンジオール、1-メルカプト-1,1-エタンジオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(チオグリセリン)、2-メルカプト-1,2-プロパンジオール、2-メルカプト-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メルカプト-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1-メルカプト-2,2-プロパンジオール、2-メルカプトエチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、又は2-メルカプトエチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
用いることのできるその他のポリオール(a2)として、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次のグループ(1)~(7)に属するものがある。これらのポリオール化合物を併用することでカルボン酸基の密度や、溶剤溶解部の割合の調整が容易になる。
本発明の酸無水物(b)は、テトラカルボン酸無水物(b1)及びトリカルボン酸無水物(b2)から選ばれる一種以上を含有する。
テトラカルボン酸二無水物(b1)の二つの無水物基は、水酸基含有化合物(a)の水酸基と反応することによって、分散剤(X)の主鎖に顔料吸着基となるカルボキシル基を規則的に並べることができ、顔料分散に有利である。
また、トリカルボン酸無水物(b2)を使用した場合は、水酸基と反応してエステル結合を形成し、カルボキシル基を残すことができる。
本発明に使用するテトラカルボン酸二無水物(b1)としては、
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2-酢酸二無水物、2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルメタン二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-メチル-1-ナフタレンコハク酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
[一般式(2)中、Q1は、直接結合、-O-、-CO-、-COOCH2CH2OCO-、-SO2-、-C(CF3)2-、一般式(3):
トリカルボン酸無水物(b2)としては、脂肪族トリカルボン酸無水物、又は芳香族トリカルボン酸無水物等が挙げられる。
酸無水物基/水酸基が、0.5~1.5であることが好ましい。
0.5より小さい場合、1.5以上より大きい場合、いずれも反応しない部分が多くなり、目的とする分散剤が得られないことが多い。
本発明の分散剤(C)は、エチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合してなるビニル重合体部位を有し、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位の含有率が、樹脂型分散剤のビニル重合部分を100質量%としたとき20質量%以上100質量%以下である酸性樹脂型分散剤(C1)、およびオキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含まない酸性樹脂型分散剤(C2)を含有することを特徴とする。
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)としては、メタクリル酸(3-エチルオキセタン―3-イル)メチル等を挙げることが出来る。
市販品としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(メタクリル酸(3-エチルオキセタン―3-イル)メチル)(宇部興産製)などが挙げられる。
オキセタン基を持たないエチレン性不飽和単量体としては次のようなものがある。水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-1)、t-ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-2)、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-3)、を含むエチレン性不飽和単量体を共重合することにより、ビニル重合体部分に、熱架橋性基を導入することができる。
または、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-1)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合してなる水酸基含有重合体中の水酸基と、
イソシアネート基および(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-4)中のイソシアネート基と、を反応させることにより、ビニル重合体部分に、(メタ)アクリロイル基を導入することができる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-1)としては、水酸基を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体であればどのようなものでも構わないが、具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエチル-α-ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート、あるいは水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、あるいは、水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル、あるいは水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテルが挙げられる。
t-ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-2)としては、例えば、t-ブチルメタクリレート、t-ブチルアクリレートなどが挙げられる。
ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-3)としては、メタクリル酸2-(0-[1‘-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート等を挙げることが出来る。
市販品としては、例えば、カレンズMOI-BM(メタクリル酸2-(0-[1‘-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル)(昭和電工製)、カレンズMOI-BP(2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート)(昭和電工製)などが挙げられる。
イソシアネート基および(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-4)は、1つのイソシアネート基、および1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、1つのイソシアネート基、および1つまたは2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、具体的には2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、または1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが好ましい。
本発明で使用されるイソシアネート基および(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-4)は、上記に例示した化合物に限らず、イソシアネート基および1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有していれば、どのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。
上記したエチレン性不飽和単量体(c)以外に、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを示し、(メタ)アクリルアミドとはメタクリルアミド又はアクリルアミドを示す。
酸性樹脂型分散剤(C1)及び(C2)の合成方法としては、下記の合成方法(1)~(3)による方法が挙げられるが、これらに制限されない。
水酸基含有化合物(a)の存在下に、
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)、t-ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-2)、およびブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-3)からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合してなる片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体中の水酸基と、
テトラカルボン酸無水物(b1)及びトリカルボン酸無水物(b2)から選ばれる一種以上の酸無水物(b)中の酸無水物基と、を反応させることにより、架橋性基としてオキセタン基、t-ブチル基、またはブロックイソシアネート基を有する分散剤が得られる。
水酸基含有化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(b1)及びトリカルボン酸無水物(b2)から選ばれる一種以上の酸無水物(b)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物の存在下に、
水酸基を有するオキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)、エチレン性不飽和単量体(c2-1)、t-ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-2)、およびブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-3)からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合することにより、架橋性基として水酸基、オキセタン基、t-ブチル基、またはブロックイソシアネート基を有する分散剤が得られる。
水酸基含有化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(b1)及びトリカルボン酸無水物(b2)から選ばれる一種以上の酸無水物(b)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物の存在下に、
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c2-1)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合してなる水酸基含有化合物中の水酸基と、1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(c2-4)中のイソシアネート基と、を反応させることにより、架橋性基として(メタ)アクリロイル基を有する分散剤が得られる。
反応温度は50℃~150℃、好ましくは70℃~120℃の範囲で行う。反応温度が
50℃未満では反応速度が遅く、150℃を超えると反応により生成したウレタン基が分
解してしまう場合がある。
ポリエステル部分の合成は、テトラカルボン酸無水物(b1)及びトリカルボン酸無水物(b2)から選ばれる一種以上の酸無水物(b)中の酸無水物基と水酸基含有化合物(a)中の水酸基とを反応させる工程である。
本発明のポリエステル部分の製造に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。触媒として例えば、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、又は1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン等の3級アミン系化合物、あるいは、モノ-n-ブチル錫(IV)オキシド等が挙げられる。
本発明のポリエステル部分の製造には、これまで挙げた原料のみで製造することも可能であるが、高粘度になり反応が不均一になる等の問題を回避すべく、溶剤を用いるのが好ましい。使用される溶剤としては、特に限定はなく、公知のものを使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、又はアセトニトリル等が挙げられる。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま次の工程の溶剤として使用したり、製品の一部として使用したりすることもできる。
ポリエステル部分の合成の反応温度は50℃~180℃、好ましくは80℃~140℃の範囲で行う。反応温度が50℃以下では反応速度が遅く、180℃以上ではカルボキシル基と水酸基がエステル化反応してしまい、酸価の減少や、ゲル化を起こしてしまう場合がある。反応の停止は、赤外吸収で酸無水物の吸収がなくなるまで反応させるのが理想であるが、酸価測定により97%以上の酸無水物がハーフエステル化したとき反応を止めてもよい。
分散剤(C)における、ビニル重合体部分は、エチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合してなり、かつ水酸基、オキセタン基、t-ブチル基、ブロックイソシアネート基、および(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性官能基を有する。このビニル重合体部分が分散剤(C)の側鎖として溶剤および着色剤担体の親和性部位として機能するために、微細な顔料を用いた場合や、染料を使用した場合にも、安定性に優れたものとすることができる。また、熱架橋性基を有していることで、エポキシ樹脂と塗膜の耐性向上といった効果を発揮することができる。
[その他の樹脂型分散剤]
その他の樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものであれば良く、前述と重複するものも含めて、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
塩基性官能基を有する高分子分散剤としては、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。
<バインダー樹脂>
本発明においては、分散体に現像性などの機能を付与するために、バインダー樹脂を併用することができる。バインダー樹脂は、被膜形成に必要な化合物である。バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などが挙げられる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂は、熱硬化性を有することも好ましい。バインダー樹脂は、現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
この方法では、方法(a)に比べ、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体由来の水酸基が多く生成する。本発明の造塩化合物を得る際に使用する、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に、熱架橋性官能基としてオキセタニル基、t-ブチル基が含まれている場合は、バインダー樹脂として方法(b)によって得られる樹脂を使用すると、より高い耐熱性を発現するため、好ましい。
方法(c)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含んでもよい。熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物および/または樹脂、オキセタン化合物および/または樹脂、ベンゾグアナミン化合物および/または樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物および/または樹脂、ロジン変性フマル酸化合物および/または樹脂、メラミン化合物および/または樹脂、尿素化合物および/または樹脂、フェノール化合物および/または樹脂、が挙げられる。
有機溶剤は、着色剤の分散を補助し、着色組成物の粘度を適宜調整するために使用する。
本発明の着色組成物は、さらに重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、感光性着色組成物として使用することができる。本発明の着色組成物に添加しても良い重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
本発明の着色組成物は、光重合開始剤を含有できる。これによりフォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合、光硬化が容易になる。光重合開始剤の配合量は、着色剤(A)100質量部に対して、5~200質量%が好ましく、10~150質量%がより好ましい。適量配合すると光硬化性および現像性がより向上する。
本発明の着色組成物は、光重合開始剤と増感剤を併用できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'-ジエチルイソフタロフェノン、3,3'または4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、アミン系化合物を含有できる。アミン系化合物は溶存している酸素を還元できる。
本発明の着色組成物は、レベリング剤を含有できる。これにより塗工性がより向上し、被膜の表面平滑性がより向上する。
レベリング剤は、例えば、ジメチルシロキサンに加え、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系(界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの各種界面活性剤が挙げられる。
ジメチルシロキサンは、主鎖にポリエーテル構造および/またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの市販品は、東レ・ダウコーニング社製FZ-2110、FZ-2122、FZ-2130、FZ-2166、FZ-2191、FZ-2203、FZ-2207、ビックケミー社製BYK-333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの市販品は、ビックケミー社製BYK-310、BYK-370などが挙げられる。
本発明の着色組成物は、エポキシ化合物を含有できる。
本発明の着色組成物は、オキセタン化合物を含有できる。オキセタン化合物は、オキセタン基を1官能、2官能、および3官能以上の化合物が挙げられる。
本発明の着色組成物は、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、硬化剤、硬化促進剤を含有できる。
硬化剤は、例えば、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましい。
硬化促進剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
本発明の着色組成物には、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、およびサリシレート系有機化合物などが挙げられる。
着色組成物は、チオール系連鎖移動剤を含有できる。チオール系連鎖移動剤を光重合開始剤とともに使用すると、光照射後のラジカル重合過程で、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、光感度が向上する。これにより被膜表面から被膜の深部までの光硬化性がより向上する。
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、着色組成物から形成される被膜が、熱硬化等の加熱工程によって酸化し黄変することを抑制し、被膜の透過率を維持できる。特に感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、相対的に架橋成分が少なくなるため、高感度の架橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取ると熱工程の黄変が強くなるためである。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
市販品はADEKA社製アデカスタブAO-20、AO-30、AO-40,AO50、AO60、AO80、AO320、ケミプロ社製KEMINOX101、179、76、9425、BASF社製IRGANOX1010、1035、1076、1098、1135、1330、1726、1425WL、1520L、245、259、3114、5057、565、サンケミカル社製サイアノックスCY-1790、CY-2777等が挙げられる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA-52、LA-57、LA-63P、LA-68、LA-72、LA-77Y、LA-77G、LA-81、LA-82、LA-87、LA-402F、LA-502XP、ケミプロ化成社製KAMISTAB29、62、77、29、94、BASF社製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル社製サイアソーブUV-3346、UV-3529、UV-3853等が挙げられる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブPEP-36、PEP-8、HP-10、アデカスタブ2112、1178、1500、C、3013、TPP、BASF社製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製HostanoxP-EPQ等が挙げられる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブAO-412S、AO-503、ケミプロ化成社製KEMINOXPLSなどが挙げられる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA-29、LA-31RG、LA-32、LA-36、-412S、ケミプロ化成社製KEMISORB71、73、74、79、279、BASF社製TINUVIN PS、99-2、384-2、900、928、1130等が挙げられる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブ1413、ケミプロ化成社製KEMISORB10、11、11S、12、111、サンケミカル社製UV-12、UV-329等が挙げられる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA-46、F70、ケミプロ化成社製KEMISORB102、BASF社製TINUVIN400、405、460、477、479、サンケミカル社製サイアソーブUV-1164等が挙げられる。
本発明の着色組成物には、その他添加剤として、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有できる。
本発明の着色組成物は、着色剤(A)、色素誘導体(B)、樹脂型分散剤(C)、および有機溶剤を含む混合物を、例えば、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することが好ましい。また、本発明の着色組成物は、着色剤(A)を別々に分散後、それらを混合して製造することもできる。染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散する工程を行わなくてもよい。なお、前記混合物が顔料を含む場合、色素誘導体等の分散助剤を併用することが好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
本発明の一実施形態は、カラーフィルタに係わる。当該カラーフィルタは、基材上に、前記感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備える。
本発明のカラーフィルタは、印刷法、又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
なお、露光感度を上げるために、感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(赤色微細化顔料(A-1))
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「S3610CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化顔料(A-1)を得た。平均一次粒子径は27.6nmであった。
紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー社製「LIONOGEN VIOLET FG-6140」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の紫色微細化顔料(A-2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は53.7nmであった。
青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(A-3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)である。
樹脂酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
(酸性樹脂型分散剤C1-1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部、トリメリット酸無水物16部、モノブチルスズオキシド0.01部、PGMAc150部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、ETERNACOLL OXMA(宇部興産製)60部、メチルメタクリレート20部、tert-ブチルアクリレート30部と、tert-ブチルメタクリレート90部を仕込み、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.5部とPGMAc100部を添加して、10時間反応した。固形分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮発分50%に調整し、酸価59、重量平均分子量13000の分散剤(C1-1)を得た。
表1に示す原料に変更した以外は、酸性樹脂型分散剤C1-1と同様にして、酸性樹脂型分散剤(C1-2~5、C2-1~2、CB-1~2)を合成した。
<着色組成物の製造>
[実施例1]
(着色組成物(PP-1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(PP-1)を作製した。
赤色微細化顔料(A-1) :12.0部
色素誘導体(B-1) :2.0部
酸性樹脂型分散剤(C1-1) :12.0部
酸性樹脂型分散剤(C2-1) :4.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :80.0部
ただし、実施例1は参考例である。
表2に示した組成に変更した以外は、以外は実施例1と同様にして、着色組成物(PP-2~PP-47)を作製した。
ただし、実施例2~32は参考例である。
(バインダー樹脂溶液:J-1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にメトキシプロピルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn-ブチルメタクリレート13.3部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、質量平均分子量26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液(J-1)を調製した。
得られた着色組成物について、下記のとおり、耐熱性、残膜率、保存安定性(粘度)、濾過性、の評価を行った。
得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源での色度がy=0.100になるように塗布し、次に60℃で5分乾燥し、ついで230℃で20分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)]) を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab*=√((L*(2)- L*(1))2 +(a*(2)-a*(1))2+(b*(2)-b*(1))2 )
◎:ΔEab*が3.5未満
〇:ΔEab*が3.5以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、6.5未満
×:ΔEab*が6.5以上
得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源での色度がy=0.100になるように塗布し、次に60℃で5分乾燥し、得られた塗膜の膜厚(1)を触針式表面形状測定器(Veeco社製「Dektak8」)を用いて測定した。ついで塗膜を230℃で20分間加熱、放冷し、得られた塗膜の膜厚(2)を再び触針式表面形状測定器(Veeco社製「Dektak8」)を用いて測定した。下記計算式により、膜厚の変化率を求め、下記の3段階で評価した。
変化率=膜厚(2)/膜厚(1)(%)
〇:80%以上
△:75%以上80%未満
×:75%未満
得られた着色組成物の調製直後と10℃で1ケ月保管した後の粘度を、E型粘度計を用いて測定した。(1ケ月保管後の粘度)/(調製直後の粘度)の比を算出して下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、〇は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:粘度比が1.00以上、1.02未満
〇:粘度比が1.02以上、1.05未満
△:粘度比が1.05以上、1.10未満
×:粘度比が1.10以上
得られた着色組成物10gを窒素圧(0.3MPa)にて、フィルタ(φ0.2μm、ADVANTEC社製、型番;39115221)に通し、フィルタを通して得られた量を測定し、下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、〇は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:濾過量が8.0g以上
〇:濾過量が5.0g以上 8.0g未満
△:濾過量が3.0g以上 5.0g未満
×:濾過量が3.0g以下
[実施例44]
(感光性着色組成物(PR-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(PR-1)を作製した。
着色組成物(PP-1) :60.0部
バインダー樹脂溶液(J-1) :11.0部
重合性単量体1 : 3.6部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM402」)
重合性単量体2 : 1.0部
トリメチロールプロパン PO 変性トリアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM310」)
光重合開始剤1 : 0.6部
エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)
(BASFジャパン社製「イルガキュアーOXE02」)
光重合開始剤2 : 0.6部
1-(N-4-ベンゾイルフェニル-カルバゾール-3-イル)-ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-O-アセタート
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
ただし、実施例44は参考例である。
(感光性着色組成物(PR-2~PR-47))
着色組成物を表4に示す着色組成物に変更した以外は実施例44と同様にして、感光性着色組成物(PR-2~PR-47)を作製した。
ただし、実施例45~75は参考例である。
得られた着色組成物について、下記のとおり、耐熱性、残膜率、パターン密着性、保存安定性(粘度)、濾過性、の評価を行った。
得られた感光性着色組成物をスピンコート法により縦10cm×横10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの被膜を得た。次いで、このガラス基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)および25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱してフィルタセグメントを作製した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での被膜について、現像残りなくなるパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。なお、塗膜の膜厚は、Dektak3030(日本真空技術社製)を用いて行った。
得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源での色度がy=0.100になるように塗布し、次に60℃で5分乾燥し、ついで230℃で20分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)]) を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab*=√((L*(2)- L*(1))2 +(a*(2)-a*(1))2+(b*(2)-b*(1))2 )
◎:ΔEab*が3.5未満
〇:ΔEab*が3.5以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、6.5未満
×:ΔEab*が6.5以上
得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源で色度がy=0.100になるように塗布し、次に60℃で5分乾燥し、得られた塗膜の膜厚(1)を触針式表面形状測定器(Veeco社製「Dektak8」)を用いて測定した。ついで塗膜を230℃で20分間加熱、放冷し、得られた塗膜の膜厚(2)を再び触針式表面形状測定器(Veeco社製「Dektak8」)を用いて測定した。下記計算式により、膜厚の変化率を求め、下記の3段階で評価した。
変化率=膜厚(2)/膜厚(1)(%)
〇:80%以上
△:75%以上80%未満
×:75%未満
得られたフィルタセグメントについて、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Modelの光学顕微鏡を用いて透過モードで1μm~50μmのパターンの消失の有無を確認した。評価は、ガラス基板上にどれくらい細いパターンが残っているかでパターン密着性を以下の基準で評価した。
◎:4μm以上のパターンがすべて残っている。優れている。
〇:8μm以上のパターンがすべて残っている。良好。
△:15μm以上のパターンがすべて残っている。実用可。
×:15μm以上のパターンで消失している個所がある。実用不可。
得られた感光性着色組成物の調製直後と10℃で1ケ月保管した後の粘度を、E型粘度計を用いて測定した。(1ケ月保管後の粘度)/(調製直後の粘度)の比を算出して下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、〇は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:粘度比が1.00以上、1.02未満
〇:粘度比が1.02以上、1.05未満
△:粘度比が1.05以上、1.10未満
×:粘度比が1.10以上
得られた感光性着色組成物10gを窒素圧(0.3MPa)にて、フィルタ(φ0.2μm、ADVANTEC社製、型番;39115221)に通し、フィルタを通して得られた量を測定し、下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、〇は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:濾過量が8.0g以上
〇:濾過量が5.0g以上 8.0g未満
△:濾過量が3.0g以上 5.0g未満
×:濾過量が3.0g以下
Claims (5)
- 着色剤(A)、色素誘導体(B)、およびビニル重合体部分を有する酸性樹脂型分散剤(C)を含む着色組成物であって、
着色剤(A)が、C.I.ピグメント ブルー15:6を含み、
色素誘導体(B)が、フタロシアニン系色素誘導体を含み、
酸性樹脂型分散剤(C)が、下記の酸性樹脂型分散剤(C1)、および酸性樹脂型分散剤(C2)を含有し、
酸性樹脂型分散剤(C1)の含有率が、酸性樹脂型分散剤(C1)と酸性樹脂型分散剤(C2)との合計100質量%中、30質量%以上70質量%未満であることを特徴とする着色組成物。
酸性樹脂型分散剤(C1):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位の含有率が、樹脂型分散剤のビニル重合部分を100質量%としたとき20質量%以上100質量%以下である酸性樹脂型分散剤。
酸性樹脂型分散剤(C2):オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含まない酸性樹脂型分散剤。 - 酸性樹脂型分散剤(C1)および/または(C2)が、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と水酸基含有化合物中の水酸基とを反応させてなる、カルボキシル基を有するポリエステル部分、およびエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなるビニル重合体部分を有することを特徴する請求項1に記載の着色組成物。
- さらに、重合性化合物(D)、および/または光重合開始剤(E)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の着色組成物。
- 請求項1~3のいずれかに記載の着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを有するカラ-フィルタ。
- 請求項4に記載のカラ-フィルタを備える、液晶表示装置。
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