(実施形態1)
以下では、実施形態1に係る開閉装置用回路20及びそれを備える開閉システム30について、図1~図5に基づいて説明する。
(1)概要
本開示の実施形態1に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図を、図1に示す。開閉装置用回路20は、開閉装置10に用いられる。開閉システム30では、開閉装置10には、例えば、電源Vdcが接続される。電源Vdcは、直流電源である。電源Vdcと開閉装置10との間には、例えば、負荷Loaが接続される。この場合、開閉装置10には、負荷Loaと電源Vdcとの直列回路を含む負荷回路が接続される。なお、負荷Loaは、例えば抵抗素子や発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)のような素子の場合もあれば、整合回路のような回路の場合もあし、計算機やディスプレイといった装置の場合もあり得る。開閉装置10では、第1電界効果トランジスタ(第1FET、FET:Field Effect Transistor)Q1を含む第1経路11と第2電界効果トランジスタ(第2FET)Q2を含む第2経路12とが並列接続されている。第1経路11は、第1電界効果トランジスタQ1に直列に接続されている第1インダクタL1を更に含む。第2経路12は、第2電界効果トランジスタQ2に直列に接続されている第2インダクタL2を更に含む。
開閉装置用回路20は、例えば、開閉装置10に接続されている負荷回路の短絡等の異常発生により開閉装置10に過電流が流れたときに特定の動作を実行する。特定の動作は、例えば、過電流を検知する動作を含む。過電流を検知する動作では、例えば、開閉装置10に過電流が流れているか否かを判定する。過電流は、開閉装置10に流れる主電流の定格電流を超える大きさの電流であり、例えば、短絡電流である。特定の動作は、開閉装置10を制御する動作を含んでもよい。
(2)開閉システムの各構成要素
(2.1)開閉装置
開閉装置10は、第1経路11と、第2経路12と、を備える。第1経路11は、第1電界効果トランジスタQ1と、第1インダクタL1と、を含む。第1電界効果トランジスタQ1は、ゲート1G及びソース1Sを有する。また、第1電界効果トランジスタQ1は、ドレイン1Dを有する。第1インダクタL1は、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続されている。第2経路12は、第2電界効果トランジスタQ2と、第2インダクタL2と、を含む。第2電界効果トランジスタQ2は、ゲート2G及びソース2Sを有する。また、第2電界効果トランジスタQ2は、ドレイン2Dを有する。第2インダクタL2は、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに接続されている。第1経路11と第2経路12とは電源Vdcに対して並列接続される。開閉装置10では、第1電界効果トランジスタQ1のドレイン1Dと第2電界効果トランジスタQ2のドレイン2Dとが接続されている。また、開閉装置10では、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続された第1インダクタL1と第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに接続された第2インダクタL2とが接続されている。
開閉装置用回路20を適用する開閉装置10の動作について、図2を用いて説明する。図2は、開閉装置用回路20を適用する開閉装置10の動作説明図である。
第1電界効果トランジスタQ1の導通時の最大電流である第1最大電流ImQ1(図2の電圧-電流特性参照)が第2電界効果トランジスタQ2の導通時の最大電流である第2最大電流ImQ2(図2の電圧-電流特性参照)よりも小さい。図2の電圧-電流特性は、第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2のドレイン電圧-ドレイン電流特性である。図2は、第1電界効果トランジスタQ1のオン抵抗と第2電界効果トランジスタQ2のオン抵抗とが同じ値であり、かつ、第1インダクタL1のインダクタンスと第2インダクタL2のインダクタンスとが同じ値である場合の模式的な電圧-電流特性図である。図2において、I0は、通常時において第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2に流れる電流の大きさを示している。図2に示した例では、第1電界効果トランジスタQ1の導通時のゲート電圧Vgon1は、第2電界効果トランジスタQ2の導通時のゲート電圧Vgon2よりも小さい。図2におけるVp1は、第1電界効果トランジスタQ1のピンチオフ電圧である。また、図2におけるVp2は、第2電界効果トランジスタQ2のピンチオフ電圧である。第1最大電流ImQ1は、第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gに第1ゲート電圧VgQ1として閾値電圧よりも大きなゲート電圧Vgon1を与えられている状態での第1電界効果トランジスタQ1の飽和電流である。ゲート電圧Vgon1は、第1電界効果トランジスタQ1の導通時のゲート電圧である。第2最大電流ImQ2は、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gに第2ゲート電圧VgQ2として閾値電圧よりも大きなゲート電圧Vgon2を与えられている状態での第2電界効果トランジスタQ2の飽和電流である。ゲート電圧Vgon2は、第2電界効果トランジスタQ2の導通時のゲート電圧である。第1最大電流ImQ1は、第1電界効果トランジスタQ1の主電流(ドレイン電流)の定格電流よりも大きい。第2最大電流ImQ2は、第2電界効果トランジスタQ2の主電流(ドレイン電流)の定格電流よりも大きい。図2の例では、I0は、10Aであり、第1最大電流ImQ1は、20Aであり、第2最大電流ImQ2は、80Aであるが、これらの数値に限定されない。
第1電界効果トランジスタQ1のドレイン1D-ソース1S間電圧をVds1とし、第1インダクタL1の両端間の電圧をVL1とし、第2電界効果トランジスタQ2のドレイン2D-ソース2S間電圧をVds2とし、第2インダクタL2の両端間の電圧をVL2とすると、Vds1+VL1=Vds2+VL2である。また、Vds1≦Vp1では、VL1=VL2なので、Vds1=Vds2である。
第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2の各々は、例えば、接合型電界効果トランジスタ(Junction Field Effect Transistor、JFET)である。JFETは、少なくともJFETチップを含んでいるが、JFETチップを収容しているパッケージを更に含んでいてもよい。第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2の各々を構成するJFETは、例えば、GaN系GIT(Gate Injection Transistor)である。第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2の各々は、JFETに限らず、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。MOSFETは、少なくともMOSFETチップを含んでいるが、MOSFETチップを収容しているパッケージを更に含んでいてもよい。また、開閉装置10では、第1電界効果トランジスタQ1と第2電界効果トランジスタQ2とが1チップの半導体チップに含まれていてもよい。
JFETチップは、例えば、基板と、バッファ層と、第1の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層と、ソース電極と、ゲート電極と、ドレイン電極と、p型層と、を備える。バッファ層は、基板上に形成されている。第1の窒化物半導体層は、バッファ層上に形成されている。第2の窒化物半導体層は、第1の窒化物半導体層上に形成されている。ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極は、第2の窒化物半導体層上に形成されている。p型層は、ゲート電極と第2の窒化物半導体層との間に介在している。JFETでは、第2の窒化物半導体層とp型層とでダイオードを構成する。JFETにおけるゲートは、ゲート電極と、p型層と、を含む。JFETにおけるソースは、ソース電極を含む。JFETにおけるドレインは、ドレイン電極を含む。基板は、例えば、シリコン基板である。バッファ層は、例えば、アンドープのGaN層である。第1の窒化物半導体層は、例えば、アンドープのGaN層である。第2の窒化物半導体層は、例えば、アンドープのAlGaN層である。p型層は、例えば、p型AlGaN層である。バッファ層、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層の各々には、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)等による成長時に不可避的に混入されるMg、H、Si、C、O等の不純物が存在してもよい。
(2.2)開閉装置用回路
開閉装置用回路20は、処理部26を備える。処理部26は、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1と第2インダクタL2の両端間の電圧VL2との電圧差ΔV(=VL2-VL1)に応じて特定の動作を実行する。また、開閉装置用回路20は、第1電界効果トランジスタQ1を駆動する第1駆動回路21と、第2電界効果トランジスタQ2を駆動する第2駆動回路22と、を更に備える。
処理部26は、第1経路11に流れる第1電流I1及び第2経路12に流れる第2電流I2が、第1最大電流(ImQ1)未満の電流値から第1最大電流(ImQ1)以上となることをトリガとして作動する。特定の動作は、電圧差ΔVに所定の変化があった場合に開閉装置10に過電流が流れていると判定する動作を含む。
開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作を、図3Aおよび図3Bを用いて説明する。すなわち、図3Aおよび図3Bは、開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作を説明する図である。図3Aに示すグラフは、異常が発生する前後の開閉システム30の動作時における第1電流I1、第2電流I2および電圧差ΔVの大きさを表すグラフである。また、図3Bに示すグラフは、開閉システム30における起動時の第1電流I1、第2電流I2および電圧差ΔVの大きさを表すグラフである。
開閉システム30では、通常時においては、第1電流I1及び第2電流I2の大きさは、図3Aおよび図3Bに示すように、両方ともI0である。なお、「通常時」とは、図3において動作時では時点t1までの時間であり、起動時では時点t12以降の時間を指す。開閉システム30において、動作時のある時点t1にて短絡故障等の異常が発生したとする。そのとき、第1電流I1及び第2電流I2は、I0から増加しはじめる。開閉システム30では、時点t1よりも後の時点t2において第1電流I1が第1最大電流ImQ1に達する。その後、第1電流I1は第1最大電流ImQ1で飽和する。一方、第2電流I2は時点t2以降において時点t1~t2間よりも大きな電流変化率(di/dt)で増加する。第1インダクタL1の両端間の電圧VL1は、第1電流I1の変化に応じて発生する。また、第2インダクタL2の両端間の電圧VL2は、第2電流I2の変化に応じて発生する。したがって、電圧差ΔV(=VL2-VL1)は、時点t2において変化する。電圧VL1が発生すると、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1が変化する。また、電圧VL2が発生すると、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sの電位VsQ2が変化する。
開閉システム30の起動時において、時点t11にて開閉システム30が起動し、第1電流I1及び第2電流I2の電流がI0となる時点をt12とする。そのとき、第1電流I1及び第2電流I2は、図3Bに実線で示すように時点t11における0Aから、時点t12における電流I0に変化する。このときにも、第1インダクタL1の両端に電圧VL1が発生し、かつ、第2インダクタL2の両端に電圧VL2が発生する。しかしながら、電圧VL1と電圧VL2とは同じ値であり、電圧差ΔVは、実線で示すように変化しない。開閉システム30では、開閉装置10をターンオンさせるときも、起動時と同様、電圧差ΔVは変化しない。
処理部26は、例えば、判定回路261と、制御回路262と、を更に備える。図4は、開閉装置用回路20における判定回路261の一例を示す回路図である。判定回路261は、例えば、図4に示すように、コンパレータCP0を含む。コンパレータCP0は、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1(第1インダクタL1の両端間の電圧VL1)と(第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sの電位VsQ2(第2インダクタL2の両端間の電圧VL2)とを比較する。コンパレータCP0では、電圧VL2が電圧VL1と同じ値から電圧VL1よりも大きな値に変化したときに出力信号が第1電圧レベル(ローレベル)から第2電圧レベル(ハイレベル)に変化する。したがって、判定回路261は、過電流の発生の有無を検知でき、かつ、誤検知を抑制することが可能となる。
制御回路262は、例えば、判定回路261の判定結果に基づいて第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2を制御する。ここにおいて、制御回路262は、第1駆動回路21を制御することで第1電界効果トランジスタQ1を制御する。例えば、制御回路262は、第1駆動回路21の第1ゲート用電源211から第1電界効果トランジスタQ1へ与えていた第1ゲート電圧VgQ1を0Vにする。また、制御回路262は、第2駆動回路22を制御することで第2電界効果トランジスタQ2を制御する。例えば、制御回路262は、第2駆動回路22の第2ゲート用電源221から第2電界効果トランジスタQ2へ与えていた第2ゲート電圧VgQ2を0Vにする。
第1駆動回路21は、第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gに接続される第1ゲート用電源211を含み、第1電界効果トランジスタQ1を駆動する。第1ゲート用電源211は、第1直流電源と、第1ドライバIC(Integrated Circuit)と、を含む。第1ドライバICは、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)インバータであり、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとの逆直列回路を含む。この逆直列回路は、第1直流電源の高電位側の出力端と低電位側の出力端との間に接続されている。この逆直列回路では、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETのドレイン同士が接続されている。また、pチャネルMOSFETのソースが第1直流電源の高電位側の出力端に接続されている。さらに、nチャネルMOSFETのソースが第1直流電源の低電位側の出力端に接続されている。
第2駆動回路22は、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gに接続される第2ゲート用電源221を含み、第2電界効果トランジスタQ2を駆動する。第2ゲート用電源221は、例えば、第2直流電源と、第2ドライバICと、を含む。第2ドライバICは、例えば、CMOSインバータであり、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとの逆直列回路を含む。この逆直列回路は、第2直流電源の高電位側の出力端と低電位側の出力端との間に接続されている。この逆直列回路では、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETのドレイン同士が接続されている。また、pチャネルMOSFETのソースが第2直流電源の高電位側の出力端に接続されている。さらに、nチャネルMOSFETのソースが第2直流電源の低電位側の出力端に接続されている。
開閉装置用回路20では、第1ゲート用電源211の負極が、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続される。ここにおいて、実施形態1に係る開閉装置用回路20では、第1ゲート用電源211の負極が、第1インダクタL1を介して、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続される。また、開閉装置用回路20では、第2ゲート用電源221の負極が、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに接続される。ここにおいて、実施形態1に係る開閉装置用回路20では、第2ゲート用電源221の負極が、第2インダクタL2を介して、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに接続される。
判定回路261は、図4の例に限らず、図5に示す別の例のように、第1コンパレータCP1及び第2コンパレータCP2を含む構成であってもよい。すなわち、図5は、開閉装置用回路20における判定回路261の別の例を示す回路図である。この場合、判定回路261では、第1コンパレータCP1は、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1(第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1)と参照電圧源Vrefの参照電圧とを比較する。第1コンパレータCP1では、電圧VL1が参照電圧未満の値から参照電圧よりも大きな値になると、出力信号が第1電圧レベル(ローレベル)から第2電圧レベル(ハイレベル)に変化する。また、判定回路261では、第2コンパレータCP2は、第2インダクタL2の両端間の電圧VL2(第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sの電位VsQ2)と参照電圧源Vrefの参照電圧とを比較する。第2コンパレータCP2では、電圧VL2が参照電圧未満の値から参照電圧よりも大きな値になると、出力信号が第1電圧レベル(ローレベル)から第2電圧レベル(ハイレベル)に変化する。したがって、判定回路261では、参照電圧を適宜設定することにより、開閉装置10に過電流が発生した場合のみ、第1コンパレータCP1の出力信号がローレベルとなり、かつ、第2コンパレータCP2の出力信号がハイレベルとなるようにすることが可能となる。
制御回路262は、判定回路261の判定結果に基づいて第1駆動回路21及び第2駆動回路22を制御する。制御回路262(制御部)の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御回路262(制御部)の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1または複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
(3)利点
実施形態1に係る開閉装置用回路20では、処理部26が、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1と第2インダクタL2の両端間の電圧VL2との電圧差ΔVに応じて特定の動作を実行するので、開閉装置10での電力損失を抑制することが可能となる。ここにおいて、実施形態1に係る開閉装置用回路20では、例えば、特定の動作が過電流検知である場合に、誤検知を抑制することが可能となる。開閉装置10では、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに過電流検知用のシャント抵抗を接続することなく、かつ、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに過電流検知用のシャント抵抗を接続することなく、過電流を検知することができ、電力損失を抑制することができる。
また、実施形態1に係る開閉システム30は、開閉装置用回路20と、開閉装置10と、を備えるので、開閉装置10での電力損失を抑制することが可能となる。
(4)その他
実施形態1では、以下の処理方法を開示している。
処理方法は、開閉装置10に用いられる。開閉装置10は、第1経路11と、第2経路12と、を備える。第1経路11は、第1電界効果トランジスタQ1と、第1インダクタL1と、を含む。第1電界効果トランジスタQ1は、ゲート1G及びソース1Sを有する。第1インダクタL1は、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続されている。第2経路12は、第2電界効果トランジスタQ2と、第2インダクタL2と、を含む。第2電界効果トランジスタQ2は、ゲート2G及びソース2Sを有する。第2インダクタL2は、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに接続されている。第1経路11と第2経路12とは電源Vdcに対して並列接続される。第1電界効果トランジスタQ1の第1最大電流ImQ1が第2電界効果トランジスタQ2の第2最大電流ImQ2よりも小さい。処理方法は、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1と第2インダクタL2の両端間の電圧VL2との電圧差ΔVに応じて特定の動作を実行する。この処理方法によれば、開閉装置10での電力損失を抑制することが可能となる。
(5)変形例
実施形態1の変形例に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作について図6及び図7に基づいて説明する。
変形例に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30の回路構成は実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様なので図示及び説明を省略する。
変形例に係る開閉システム30は、第1電界効果トランジスタQ1に接続されている第1インダクタL1のインダクタンス値が第2電界効果トランジスタQ2に接続されている第2インダクタL2のインダクタンス値よりも小さい点で、実施形態1に係る開閉システム30と相違する。
図6は、本変形例に係る、開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作を説明する図である。変形例に係る開閉システム30において、図6に示すように、通常動作しているときにある時点t1で異常が発生したとする。そのとき、第1電界効果トランジスタQ1のドレイン1D-ソース1S間電圧Vds1が増加するとともに第2電界効果トランジスタQ2のドレイン2D-ソース2S間電圧Vds2が増加する。また、第1電流I1及び第2電流I2それぞれが通常時の電流I0から増加するように変化する。なお、「通常時」とは、図6において時点t1までの時間である。このとき、変形例に係る開閉システム30では、第1電流I1の電流変化率と、第2電流I2の電流変化率とが互いに異なる。より詳細には、第1インダクタL1と第2インダクタL2のうち相対的にインダクタンス値の小さな第1インダクタに流れる電流I1の電流変化率が、第2インダクタL2に流れる電流I2の電流変化率よりも大きくなる。したがって、第1電界効果トランジスタQ1に流れる電流I1のほうが第2電界効果トランジスタQ2に流れる電流I2よりも先に第1電界効果トランジスタQ1の第1最大電流ImQ1に達する。変形例に係る開閉システム30では、時点t1から時点t2における第1電流I1の電流変化率が第2電流I2の電流変化率よりも大きく、時点t1から時点t2までの期間は、ΔVが負の値になる。
図7は、本変形例に係る、開閉装置用回路20を備える開閉システム30の、起動時における動作を説明する図である。変形例に係る開閉システム30では、起動時には、第1電流I1が図7において一点鎖線で示すように変化する一方で、第2電流I2が図7において破線で示すように変化する。起動時には、時点t11から時点t12における第1電流I1の電流変化率が第2電流I2の電流変化率よりも大きく、時点t11から時点t12までの期間は、ΔVが負の値になる。また、時点t11から時点t12までの期間において、第1電流I1が一時的に通常時(安定状態)の電流I0よりも大きくなることがある。このため、時点t12から、第1電流I1と第2電流I2とが同じ値になる時点t13までの期間は、ΔVが正の値となり得る。したがって、変形例に係る開閉装置用回路20の処理部26については、予め決めてある一定時間以上の時間にわたってΔVが閾値電圧Vrを超えている場合に過電流が発生していると判定するように構成すればよい。この場合、例えば、処理部26が、ΔVと閾値電圧Vrとを比較するコンパレータと、コンパレータの出力電圧の電圧レベルが一定時間以上続いた場合に過電流が発生していると判定する回路と、を含んでいればよい。ここにおいて一定時間は、時点t12から時点t13までの期間よりも長くなるように予め決められている。
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る開閉装置用回路20及びそれを備える開閉システム30について、図8及び9に基づいて説明する。図8は、実施形態2に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。また、図9は、実施形態2に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作を説明する図である。実施形態2に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30の回路構成は実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様なので説明を省略する。なお、図8では、開閉装置10の両端間に接続される負荷回路の寄生インダクタンスL100を図示してある。
実施形態2に係る開閉装置用回路20が適用される開閉装置10では、第1電界効果トランジスタQ1のオン抵抗と第2電界効果トランジスタQ2のオン抵抗とが互いに異なる。
開閉装置10では、第1電界効果トランジスタQ1のサイズと第2電界効果トランジスタQ2のサイズとを互いに異ならせることで、第1電界効果トランジスタQ1のオン抵抗と第2電界効果トランジスタQ2のオン抵抗とを互いに異ならせてある。開閉システム30では、例えば、第1ゲート電圧VgQ1と第2ゲート電圧VgQ2とが同じ値であり、第1電界効果トランジスタQ1のオン抵抗が第2電界効果トランジスタQ2のオン抵抗の2倍の値である。
実施形態2に係る開閉システム30では、図9に示すように、時点t1で異常が発生する前の通常状態において、第1電流I1及び第2電流I2のそれぞれが略一定であるが、第1電流I1が第2電流I2よりも小さい。時点t1の後、時点t2で第1電流I1が第1最大電流ImQ1に達するとすると、時点t1から時点t2の期間においてもΔVが発生し、時点t2の後もΔVが発生する。ここにおいて、時点t1から時点t2までの期間に発生するΔVは、説明の便宜上、ΔV1(図9参照)とし、第1インダクタL1のインダクタンスをL1とし、第2インダクタL2のインダクタンスをL2とすると、ΔV1=L2・dI2/dt-L1・dI1/dtとなる。また、時点t2以降は、説明の便宜上、ΔVをΔV2(図9参照)とすると、ΔV2=L2・dI2/dtとなる。また、ターンオン時に発生するΔVは、ΔV1と同じ式で決まる値である。
したがって、過電流検知のために、処理部26の判定回路261において、ΔVと閾値Vt(図9参照)とを比較するコンパレータを採用する場合、ΔV1<Vt<ΔV2の条件を満たすように閾値Vtを予め決めてあればよい。
実施形態2に係る開閉装置用回路20では、実施形態1に係る開閉装置用回路20と同様、電力損失を抑制することが可能となる。実施形態2に係る開閉装置10において第1電界効果トランジスタQ1のオン抵抗と第2電界効果トランジスタQ2のオン抵抗とを互いに異ならせてもよいというメリットがある。実施形態2に係る開閉システム30では、第1ゲート電圧VgQ1と第2ゲート電圧VgQ2とを互いに異ならせることなく、第1電界効果トランジスタQ1の第1最大電流ImQ1と第2電界効果トランジスタQ2の第2最大電流ImQ2とを互いに異ならせることが可能となる。
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る開閉装置用回路20及びそれを備える開閉システム30について、図10に基づいて説明する。図10は、実施形態3に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。実施形態3に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30に関し、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30それぞれと同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態1に係る開閉装置用回路20は、図1に示すように、第1駆動回路21の第1ゲート用電源211の負極と第2駆動回路22の第2ゲート用電源221の負極とが接続されている。これに対して、実施形態3に係る開閉装置用回路20は、第1駆動回路21と第2駆動回路22とが互いに独立している点で、実施形態1に係る開閉装置用回路20と相違する。
実施形態3に係る開閉装置用回路20では、第1ゲート用電源211の負極が第1インダクタL1を介さずに第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続され、第2ゲート用電源221の負極が第2インダクタL2を介さずに第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sに接続されている。これにより、実施形態3に係る開閉装置用回路20では、第1電界効果トランジスタQ1の第1ゲート電圧VgQ1がソース1Sの電位VsQ1を基準として与えられ、第2電界効果トランジスタQ2の第2ゲート電圧VgQ2がソース2Sの電位VsQ2を基準として与えられる。これにより、開閉装置用回路20では、第1ゲート電圧VgQ1が第1インダクタL1の電圧VL1の影響を受けにくくなり、第2ゲート電圧VgQ2が第2インダクタL2の電圧VL2の影響を受けにくくなる。よって、開閉装置用回路20を備える開閉システム30は、実施形態1に係る開閉システム30と比べて一層安定した動作を期待できる。
(実施形態4)
以下、実施形態4に係る開閉装置用回路20及びそれを備える開閉システム30について、図11及び図12に基づいて説明する。図11は、実施形態4に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。図12は、JFET及びMOSFETのゲート電圧-ゲート電流特性図である。実施形態4に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30に関し、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30それぞれと同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態4に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30では、開閉装置10における第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2の各々がJFET(例えば、実施形態1で説明したGaN系GIT)である。ここにおいて、JFETは、例えば、実施形態1で説明したGaN系GITであり、図12に一点鎖線で示すような、ゲート電圧Vg-ゲート電流Ig特性を有する。図12には、比較のために、MOSFETのゲート電圧Vg-ゲート電流Ig特性を破線で示してある。
実施形態4に係る開閉装置用回路20は、ゲート用電源25と、第1ゲート抵抗RgQ1と、第2ゲート抵抗RgQ2と、を更に備える。第1ゲート抵抗RgQ1は、ゲート用電源25と第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gとの間に接続される。第2ゲート抵抗RgQ2は、ゲート用電源25と第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gとの間に接続される。開閉装置用回路20では、第1ゲート抵抗RgQ1の抵抗値が第2ゲート抵抗RgQ2の抵抗値よりも大きい。これにより、開閉装置用回路20では、第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gに流れる第1ゲート電流が、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gに流れる第2ゲート電流よりも小さくなる。したがって、開閉装置用回路20では、第1電界効果トランジスタQ1のオン時の第1ゲート電圧VgQ1が、第2電界効果トランジスタQ2のオン時の第2ゲート電圧VgQ2よりも小さくなる。
実施形態4に係る開閉装置用回路20では、実施形態1に係る開閉装置用回路20等のように第1ゲート用電源211及び第2ゲート用電源221を備える場合と比べて、低コスト化を図ることが可能となる。
(実施形態5)
以下、実施形態5に係る開閉装置用回路20及びそれを備える開閉システム30について、図13に基づいて説明する。図13は、実施形態5に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。実施形態5に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30に関し、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30それぞれと同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態5に係る開閉装置用回路20では、第1駆動回路21の基準電位と第2駆動回路22の基準電位とを、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1と共通の電位にしている。より詳細には、開閉装置用回路20では、第1駆動回路21における第1ゲート用電源211の負極と第2駆動回路22における第2ゲート用電源221の負極とが第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のいずれも介さずに接続される。第1電界効果トランジスタQ1の最大電流ImQ1は、第2電界効果トランジスタQ2の最大電流ImQ2よりも小さい。
実施形態5に係る開閉装置用回路20では、第1電界効果トランジスタQ1の第1ゲート電圧VgQ1が第2電界効果トランジスタQ2の第2ゲート電圧VgQ2よりも小さい。
開閉装置用回路20では、第1電流I1の電流変化率dI1/dtが第2電流I2の電流変化率dI2/dtよりも小さくなると、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1と第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sの電位VsQ2との差が大きくなっていく(ソース1Sの電位VsQ1<ソース2Sの電位VsQ2)。これにより、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2G-ソース2S間電圧が小さくなっていき、第2電界効果トランジスタQ2に与えられる第2ゲート電圧VgQ2が小さくなり、第2電界効果トランジスタQ2に流れる第2電流I2が小さくなるので、過電流を抑制できる。
実施形態5に係る開閉装置用回路20では、第1駆動回路21における第1ゲート用電源211の負極と第2駆動回路22における第2ゲート用電源221の負極とは、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のいずれも介さずに接続される。処理部26は、インダクタに発生する起電圧を判定する判定回路261および第1電界効果トランジスタQ1および第2電界効果トランジスタQ2を制御する制御回路262を有する。これにより、実施形態5に係る開閉装置用回路20では、第2電界効果トランジスタQ2に過電流が流れるのを抑制することが可能となる。
(実施形態6)
以下、実施形態6に係る開閉装置用回路20及びそれを備える開閉システム30について、図14に基づいて説明する。図14は、実施形態6に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。実施形態6に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30に関し、図11に基づいて説明した実施形態4に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30それぞれと同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態6に係る開閉装置用回路20では、ゲート用電源25の基準電位を、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1と共通の電位にしている。より詳細には、開閉装置用回路20では、ゲート用電源25の負極が第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のいずれも介さずに接続される。第1電界効果トランジスタQ1の最大電流ImQ1は、第2電界効果トランジスタQ2の最大電流ImQ2よりも小さい。
実施形態6に係る開閉装置用回路20では、第1電界効果トランジスタQ1の第1ゲート電圧VgQ1が第2電界効果トランジスタQ2の第2ゲート電圧VgQ2よりも小さい。
開閉装置用回路20では、第1電流I1の電流変化率dI1/dtが第2電流I2の電流変化率dI2/dtよりも小さくなると、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位VsQ1と第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sの電位VsQ2との差が大きくなっていく(ソース1Sの電位VsQ1<ソース2Sの電位VsQ2)。これにより、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2G-ソース2S間電圧が小さくなっていき、第2電界効果トランジスタQ2に与えられる第2ゲート電圧VgQ2が小さくなり、第2電界効果トランジスタQ2に流れる第2電流I2が小さくなるので、過電流を抑制できる。
実施形態6に係る開閉装置用回路20では、ゲート用電源25の負極が第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のいずれも介さずに接続される。処理部26は、インダクタに発生する起電圧を判定する判定回路261および第1電界効果トランジスタQ1および第2電界効果トランジスタQ2を制御する制御回路262を有する。これにより、実施形態6に係る開閉装置用回路20では、第2電界効果トランジスタQ2に過電流が流れるのを抑制することが可能となる。
(実施形態7)
以下、実施形態7に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図15及び図16に基づいて説明する。図15は、実施形態7に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。図16は、実施形態7に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作を説明する図である。
実施形態7に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態7に係る開閉装置用回路20は、開閉装置用回路20を適用する開閉装置10が、第1経路11及び第2経路12に加えて、第3経路13及び第4経路14を更に備える点で、実施形態1に係る開閉装置用回路20と相違する。第3経路13及び第4経路14は、第1経路11及び第2経路12と並列に接続されている。
第3経路13は、第3電界効果トランジスタQ3と、第3電界効果トランジスタQ3に直列接続されている第3インダクタL3と、を含む。第3電界効果トランジスタQ3は、ゲート3Gとソース3Sとドレイン3Dとを有する。第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sは、第3インダクタL3に接続されている。第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gには、例えば、第3駆動回路(図示せず)から第3ゲート電圧VgQ3が与えられる。第3電界効果トランジスタQ3のドレイン3Dは、第1電界効果トランジスタQ1のドレイン1D及び第2電界効果トランジスタQ2のドレイン2Dと接続されている。
第4経路14は、第4電界効果トランジスタQ4と、第4電界効果トランジスタQ4に直列接続されている第4インダクタL4と、を含む。第4電界効果トランジスタQ4は、ゲート4Gとソース4Sとドレイン4Dとを有する。第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sは、第4インダクタL4に接続されている。第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gには、例えば、第4駆動回路(図示せず)から第4ゲート電圧VgQ4が与えられる。第4電界効果トランジスタQ4のドレイン4Dは、第1電界効果トランジスタQ1のドレイン1D、第2電界効果トランジスタQ2のドレイン2D及び第3電界効果トランジスタQ3のドレイン3Dと接続されている。
また、実施形態7に係る開閉装置用回路20は、共通インダクタL10を更に備える。共通インダクタL10は、第1インダクタL1と第2インダクタL2とが共通接続されている。ここにおいて、共通インダクタL10には、第1インダクタL1及び第2インダクタL2に加えて第3インダクタL3及び第4インダクタL4も共通接続されている。要するに、共通インダクタL10には、3つ以上のインダクタ(ここでは、第1インダクタL1~第4インダクタL4)が共通接続されている。
処理部26の特定の動作は、共通インダクタL10の両端間の電圧VL10と第1インダクタL1の両端間の電圧VL1との電圧差ΔVを閾値Vtと比較することによって過電流検知を行う動作である。以下では、共通インダクタL10に流れる電流をトータル電流I10として説明する。
実施形態7に係る開閉システム30では、図16に示すように、時点t1で異常が発生する前の通常状態において、第1電流I1及びトータル電流I10のそれぞれが略一定であるが、第1電流I1がトータル電流I10よりも小さい。時点t1の後、時点t2で第1電流I1が第1最大電流ImQ1に達するとすると、時点t1から時点t2までの期間においてもΔVが発生し、時点t2の後もΔVが発生する。ここにおいて、時点t1から時点t2までの期間に発生するΔVは、説明の便宜上、ΔV1(図16参照)とし、第1インダクタL1のインダクタンスをL1とし、共通インダクタL10のインダクタンスをL10とすると、ΔV1=L10・dI10/dt-L1・dI1/dtとなる。また、時点t2以降は、説明の便宜上、ΔVをΔV2(図16参照)とすると、ΔV2=L10・dI10/dtとなる。また、ターンオン時に発生するΔVは、ΔV1と同じ式で決まる値である。
したがって、過電流検知のために、処理部26の判定回路261において、ΔVと閾値Vt(図16参照)とを比較するコンパレータを採用する場合、ΔV1<Vt<ΔV2の条件を満たすように閾値Vtを予め決めてあればよい。
実施形態7に係る開閉装置用回路20では、実施形態1に係る開閉装置用回路20と同様、電力損失を抑制することが可能となる。
実施形態7に係る開閉装置用回路20では、処理部26の特定の動作が、共通インダクタL0の両端間の電圧VL10と第1インダクタL1の両端間の電圧VL1との電圧差を閾値Vtと比較することによって過電流検知を行う動作である。これにより、開閉装置用回路20は、共通インダクタL10の両端間の電圧VL10の絶対値が第2インダクタL2の両端間の電圧VL2の絶対値よりも大きいので、過電流検知の誤検知を抑制することが可能となる。
(実施形態8)
以下、実施形態8に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図17に基づいて説明する。図17は、実施形態8に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。
実施形態8に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
第1経路11は、第3電界効果トランジスタQ3と、第3インダクタL3と、を更に備える。第3電界効果トランジスタQ3は、ゲート3G及びソース3Sを有し、第1電界効果トランジスタQ1に逆直列に接続されている。また、第3電界効果トランジスタQ3は、ドレイン3Dを有する。第3インダクタL3は、第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sに接続されている。
第2経路12は、第4電界効果トランジスタQ4と、第4インダクタL4と、を更に備える。第4電界効果トランジスタQ4は、ゲート4G及びソース4Sを有し、第2電界効果トランジスタQ2に逆直列に接続されている。第4電界効果トランジスタQ4は、ドレイン4Dを有する。第4インダクタL4は、第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sに接続されている。
開閉装置用回路20は、ゲート用電源251と、第1ゲート抵抗RgQ1と、第2ゲート抵抗RgQ2と、を更に備える。第1ゲート抵抗RgQ1は、ゲート用電源251と第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gとの間に接続される。第2ゲート抵抗RgQ2は、ゲート用電源251と第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gとの間に接続される。第1ゲート抵抗RgQ1の抵抗値が第2ゲート抵抗RgQ2の抵抗値よりも大きい。開閉装置用回路20では、ゲート用電源251の負極が、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sに接続される。第1電界効果トランジスタQ1の第1ゲート電圧VgQ1は、第2電界効果トランジスタQ2の第2ゲート電圧VgQ2よりも小さい。
また、開閉装置用回路20は、ゲート用電源252と、第3ゲート抵抗RgQ3と、第4ゲート抵抗RgQ4と、を更に備える。第3ゲート抵抗RgQ3は、ゲート用電源252と第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gとの間に接続される。第4ゲート抵抗RgQ4は、ゲート用電源252と第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gとの間に接続される。第3ゲート抵抗RgQ3の抵抗値が第4ゲート抵抗RgQ4の抵抗値よりも大きい。開閉装置用回路20では、ゲート用電源252の負極が、第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sに接続される。第3電界効果トランジスタQ3の第3ゲート電圧VgQ3は、第4電界効果トランジスタQ4の第4ゲート電圧VgQ4よりも小さい。
実施形態8に係る開閉システム30における開閉装置10は、第1電界効果トランジスタQ1と第3電界効果トランジスタQ3とで第1双方向スイッチを構成している。また、開閉装置10は、第2電界効果トランジスタQ2と第4電界効果トランジスタQ4とで第2双方向スイッチを構成している。
また、実施形態8に係る開閉システム30では、開閉装置10に接続される電源Vacは、交流電源である。
以下では、説明の便宜上、第1双方向スイッチに関し、第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gとソース1Sとの間に第1閾値電圧以上の電圧が印加されていない状態を、ゲート1Gがオフ状態ともいう。また、ゲート1Gとソース1Sとの間にゲート1Gを高電位側として第1閾値電圧以上の電圧が印加されている状態を、ゲート1Gがオン状態ともいう。
また、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gとソース2Sとの間に第2閾値電圧以上の電圧が印加されていない状態を、ゲート2Gがオフ状態ともいう。また、ゲート2Gとソース2Sとの間にゲート2Gを高電位側として第2閾値電圧以上の電圧が印加されている状態を、ゲート2Gがオン状態ともいう。
また、第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gとソース3Sとの間に第3閾値電圧以上の電圧が印加されていない状態を、ゲート3Gがオフ状態ともいう。また、ゲート3Gとソース3Sとの間にゲート3Gを高電位側として第3閾値電圧以上の電圧が印加されている状態を、ゲート3Gがオン状態ともいう。
また、第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gとソース4Sとの間に第4閾値電圧以上の電圧が印加されていない状態を、ゲート4Gがオフ状態ともいう。また、ゲート4Gとソース4Sとの間にゲート4Gを高電位側として第4閾値電圧以上の電圧が印加されている状態を、ゲート4Gがオン状態ともいう。
第1双方向スイッチは、ゲート1G及びゲート3Gそれぞれに与えられる第1ゲート電圧VgQ1及び第3ゲート電圧VgQ3の組み合わせに応じて、双方向オン状態と、双方向オフ状態と、第1のダイオード状態と、第2のダイオード状態と、を切替可能である。双方向オン状態は、双方向(第1方向及び第1方向とは反対の第2方向)の電流を通過させる状態である。双方向オフ状態は、双方向の電流を阻止する状態である。第1のダイオード状態は、第1方向の電流を通過させる状態である。第2のダイオード状態は、第2方向の電流を通過させる状態である。
第1双方向スイッチでは、ゲート1Gがオン状態で、かつゲート3Gがオン状態である場合に双方向オン状態となる。第1双方向スイッチでは、ゲート1Gがオフ状態で、かつゲート3Gがオフ状態である場合に双方向オフ状態となる。第1双方向スイッチでは、ゲート1Gがオフ状態で、かつゲート3Gがオン状態である場合に第1のダイオード状態となる。第1双方向スイッチでは、ゲート1Gがオン状態で、かつゲート3Gがオフ状態である場合に第2のダイオード状態となる。
第2双方向スイッチは、ゲート2G及びゲート4Gそれぞれに与えられる第2ゲート電圧VgQ2及び第4ゲート電圧VgQ4の組み合わせに応じて、双方向オン状態と、双方向オフ状態と、第1のダイオード状態と、第2のダイオード状態と、を切替可能である。双方向オン状態は、双方向(第1方向及び第1方向とは反対の第2方向)の電流を通過させる状態である。双方向オフ状態は、双方向の電流を阻止する状態である。第1のダイオード状態は、第1方向の電流を通過させる状態である。第2のダイオード状態は、第2方向の電流を通過させる状態である。
第2双方向スイッチでは、ゲート2Gがオン状態で、かつゲート4Gがオン状態である場合に双方向オン状態となる。第2双方向スイッチでは、ゲート2Gがオフ状態で、かつゲート4Gがオフ状態である場合に双方向オフ状態となる。第2双方向スイッチでは、ゲート2Gがオフ状態で、かつゲート4Gがオン状態である場合に第1のダイオード状態となる。第2双方向スイッチでは、ゲート2Gがオン状態で、かつゲート4Gがオフ状態である場合に第2のダイオード状態となる。
処理部26は、第1の特定の動作と、第2の特定の動作と、を実行する。第1の特定の動作は、実施形態1で説明した特定の動作と同様、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1と第2インダクタL2の両端間の電圧VL2との電圧差ΔVに応じて行われる動作である。第2の特定の動作は、第3インダクタL3の両端間の電圧VL3と第4インダクタL4の両端間の電圧VL4との電圧差に応じて行われる動作であり、第1の特定の動作と同様の動作である。
処理部26は、第1判定回路2611と、第2判定回路2612と、第3判定回路2613と、制御回路262と、を有する。
第1判定回路2611は、例えば、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1と第2インダクタL2の両端間の電圧VL2との電圧差ΔV(=VL2-VL1)を、閾値と比較するコンパレータを含み、電圧差ΔVが閾値よりも大きくなると、コンパレータの出力信号が第1電圧レベル(ローレベル)から第2電圧レベル(ハイレベル)に変化する。出力信号の第1電圧レベルを論理値0とし、第2電圧レベルを論理値1とする。
第2判定回路2612は、例えば、第3インダクタL3の両端間の電圧VL3と第4インダクタL4の両端間の電圧VL4との電圧差ΔV(=VL4-VL3)を、閾値と比較するコンパレータを含み、電圧差ΔVが閾値よりも大きくなると、コンパレータの出力信号が第1電圧レベル(ローレベル)から第2電圧レベル(ハイレベル)に変化する。出力信号の第1電圧レベルを論理値0とし、第2電圧レベルを論理値1とする。
第3判定回路2613は、第1判定回路2611の判定結果と第2判定回路2612の判定結果とに基づいて下記表1のように、過電流の向きを判定する。なお、下記表1のS1は、第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sであり、S2は、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sである。また、図17のVs2Q1は、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sの電位であり、Vs2Q2は、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sの電位であり、Vs1Q3は、第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sの電位であり、Vs1Q4は、第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sの電位である。
第3判定回路2613では、表1のように、第1判定回路2611の判定結果の論理値と第2判定回路2612の判定結果の論理値とが同じ場合に異常なしと判定し、第1判定回路2611の判定結果の論理値と第2判定回路2612の判定結果の論理値とが互いに異なる場合にその組み合わせに応じて過電流がS1からS2に向かって流れている(S1→S2)か、S2からS1に向かって流れている(S2→S1)かを判定する。
制御回路262は、第3判定回路2613の判定結果に基づいて第2電界効果トランジスタQ2及び第4電界効果トランジスタQ4を制御する。
制御回路262は、過電流の向きをS1→S2と判定した場合には、第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gと第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gとをオフさせた後で第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gと第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gとをオフさせる。これにより、開閉装置用回路20は、第2電界効果トランジスタQ2及び第4電界効果トランジスタQ4の発熱を抑制することが可能となる。
制御回路262は、過電流の向きをS2→S1と判定した場合には、第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gと第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gとをオフさせた後で第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gと第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gとをオフさせる。これにより、開閉装置用回路20は、第2電界効果トランジスタQ2及び第4電界効果トランジスタQ4の発熱を抑制することが可能となる。
(実施形態9)
以下、実施形態9に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図18及び図19に基づいて説明する。図18は、実施形態9に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。図19は、実施形態9に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の動作を説明する図である。
実施形態9に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態9に係る開閉装置用回路20は、第1クランプ回路CC1と、第2クランプ回路CC2と、を更に備える点で、実施形態1に係る開閉装置用回路20と相違する。
第1クランプ回路CC1は、第1インダクタL1に並列接続され第1インダクタL1の両端間の電圧VL1をクランプする。第1クランプ回路CC1は、ダイオードD1で構成されているが、これに限らず、例えば、ツェナダイオードで構成されていてもよい。
第2クランプ回路CC2は、第2インダクタL2に並列接続され第2インダクタL2の両端間の電圧VL2をクランプする。第2クランプ回路CC2は、ダイオードD2で構成されているが、これに限らず、例えば、ツェナダイオードで構成されていてもよい。
実施形態9に係る開閉装置用回路20では、異常発生時に、図19に示すように、電圧差ΔV(=VsQ2-VsQ1)を、実線で示したレベルの電圧よりも電圧レベルの小さな破線で示した電圧にクランプすることができる。
実施形態9に係る開閉装置用回路20は、第1電界効果トランジスタQ1のソース電流(第1電流I1)が飽和する前の状態において第1インダクタL1のインダクタンスのばらつき等による電圧VL1のばらつきを抑制することが可能となる。
また、実施形態9に係る開閉装置用回路20では、第1クランプ回路CC1及び第2クランプ回路CC2を備えることにより、判定回路261においてコンパレータを利用する場合等にコンパレータの入力が大きくなりすぎるのを抑制することが可能となる。また、実施形態9に係る開閉装置用回路20では、第2電界効果トランジスタQ2がオフされるのを抑制することが可能となる。
(実施形態10)
以下、実施形態10に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図20に基づいて説明する。図20は、実施形態10に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30における要部回路図である。
実施形態10に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30の基本構成は実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30それぞれと同様なので、回路図の一部の図示を省略してある。なお、実施形態1に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30それぞれと同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態10に係る開閉装置用回路20は、クランプ回路CC3を更に備える点で、実施形態1に係る開閉装置用回路20と相違する。
クランプ回路CC3は、第1インダクタL1の両端間の電圧VL1と第2インダクタL2の両端間の電圧VL2との電圧差をクランプする。ここにおいて、クランプ回路CC3は、第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sと第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sとの間に接続されている、インダクタL21とダイオードD21との直列回路を含む。ダイオードD21のアノードは、インダクタL21を介して第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sと第2インダクタL2との接続点に接続されている。ダイオードD21のカソードは、第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sと第1インダクタL1との接続点に接続されている。クランプ回路CC3は、ダイオードD21の順電圧をVfとすると、ダイオードD21のアノードの電位を、VsQ1+Vfとすることができる。実施形態10に係る開閉装置用回路20では、VsQ1+Vfと、基準電位との電位差に基づいて所定の動作を実行する。
実施形態10に係る開閉装置用回路20では、クランプ回路CC3を備えることにより、判定回路261においてコンパレータを利用する場合等にコンパレータの入力が大きくなりすぎるのを抑制することが可能となる。
(実施形態10の変形例)
以下では、実施形態10の変形例に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図21に基づいて説明する。図21は、実施形態10の変形例に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。
実施形態10の変形例に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、実施形態10に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態10の変形例に係る開閉装置用回路20を適用する開閉装置10は、第1経路11及び第2経路12に加えて、第3経路13及び第4経路14を更に備える点で、実施形態10に係る開閉装置用回路20と相違する。第3経路13及び第4経路14は、第1経路11及び第2経路12と並列に接続されている。
第3経路13は、第3電界効果トランジスタQ3と、第3電界効果トランジスタQ3に直列接続されている第3インダクタL3と、を含む。第3電界効果トランジスタQ3は、ゲート3Gとソース3Sとドレイン3Dとを有する。第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sは、第3インダクタL3に接続されている。第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gには、例えば、第3駆動回路(図示せず)から第3ゲート電圧VgQ3が与えられる。
第4経路14は、第4電界効果トランジスタQ4と、第4電界効果トランジスタQ4に直列接続されている第4インダクタL4と、を含む。第4電界効果トランジスタQ4は、ゲート4Gとソース4Sとドレイン4Dとを有する。第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sは、第4インダクタL4に接続されている。第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gには、例えば、第4駆動回路(図示せず)から第4ゲート電圧VgQ4が与えられる。
また、実施形態10の変形例に係る開閉装置用回路20は、第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sと第3インダクタL3との接続点がインダクタL31を介してダイオードD21のアノードに接続されている。また、第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sと第4インダクタL4との接続点がインダクタL41を介してダイオードD21のアノードに接続されている。実施形態10の変形例に係る開閉装置用回路20は、第1インダクタL1~第4インダクタL4それぞれに流れる電流のばらつきを抑制でき、動作の安定化を期待できる。
(実施形態11)
以下、実施形態11に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図22に基づいて説明する。図22は、実施形態11に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。
実施形態11に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、実施形態6に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30(図14参照)と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態11に係る開閉装置用回路20は、ゲート用電源25と、第1抵抗分圧回路RV1と、第2抵抗分圧回路RV2と、を更に備える。第1抵抗分圧回路RV1は、ゲート用電源25の正極と第1電界効果トランジスタQ1のソース1Sとの間に接続される。第1抵抗分圧回路RV1は、抵抗Rg1Q1と抵抗Rg2Q1との直列回路を含む。第2抵抗分圧回路RV2は、ゲート用電源25の正極と第2電界効果トランジスタQ2のソース2Sとの間に接続される。第1抵抗分圧回路RV1の出力端(抵抗Rg1Q1と抵抗Rg2Q1との接続点)が第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gに接続される。第2抵抗分圧回路RV2は、抵抗Rg1Q2と抵抗Rg2Q2との直列回路を含む。第2抵抗分圧回路RV2の出力端(抵抗Rg1Q2と抵抗Rg2Q2との接続点)が第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gに接続される。
実施形態11に係る開閉装置用回路20は、第1電界効果トランジスタQ1の第1ゲート電圧VgQ1と第2電界効果トランジスタQ2の第2ゲート電圧VgQ2とを互いに異ならせることができる。
(実施形態12)
以下、実施形態12に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図23に基づいて説明する。図23は、実施形態12に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。
実施形態12に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、実施形態6に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30(図14参照)と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2は、MOSFET又はノーマリオン型のJFETである。開閉装置用回路20は、ゲート用電源25と、第1容量CQ1と、第2容量CQ2と、を更に備える。第1容量CQ1は、ゲート用電源25の正極と第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gとの間に接続される。第2容量CQ2は、ゲート用電源25の正極と第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gとの間に接続される。
実施形態12に係る開閉装置用回路20は、第1電界効果トランジスタQ1の第1ゲート電圧VgQ1と第2電界効果トランジスタQ2の第2ゲート電圧VgQ2とを互いに異ならせることができる。
(実施形態13)
以下、実施形態13に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30について図24に基づいて説明する。図24は、実施形態13に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30の回路図である。
実施形態13に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30において、図11に基づいて説明した実施形態4に係る開閉装置用回路20及び開閉システム30と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を適宜省略する。
実施形態13に係る開閉装置用回路20は、開閉装置用回路20を適用する開閉装置10が、第1経路11及び第2経路12に加えて、第3経路13及び第4経路14を更に備える点で、実施形態4に係る開閉装置用回路20と相違する。第3経路13及び第4経路14は、第1経路11及び第2経路12と並列に接続されている。
また、実施形態13に係る開閉装置用回路20は、第1ゲート抵抗RgQ1、第2ゲート抵抗RgQ2、第3ゲート抵抗RgQ3、及び第4ゲート抵抗RgQ4を更に備える点で、実施形態1に係る開閉装置用回路20と相違する。
第1電界効果トランジスタQ1のゲート1Gには、ゲート用電源25から第1ゲート抵抗RgQ1を介して第1ゲート電圧VgQ1が与えられる。
第2電界効果トランジスタQ2のゲート2Gには、ゲート用電源25から第2ゲート抵抗RgQ2を介して第2ゲート電圧VgQ2が与えられる。
第3経路13は、第3電界効果トランジスタQ3と、第3電界効果トランジスタQ3に直列接続されている第3インダクタL3と、を含む。第3電界効果トランジスタQ3は、ゲート3Gとソース3Sとドレイン3Dとを有する。第3電界効果トランジスタQ3のソース3Sは、第3インダクタL3に接続されている。第3電界効果トランジスタQ3のゲート3Gには、例えば、ゲート用電源25から第3ゲート抵抗RgQ3を介して第3ゲート電圧VgQ3が与えられる。
第4経路14は、第4電界効果トランジスタQ4と、第4電界効果トランジスタQ4に直列接続されている第4インダクタL4と、を含む。第4電界効果トランジスタQ4は、ゲート4Gとソース4Sとドレイン4Dとを有する。第4電界効果トランジスタQ4のソース4Sは、第4インダクタL4に接続されている。第4電界効果トランジスタQ4のゲート4Gには、例えば、ゲート用電源25から第4ゲート抵抗RgQ4を介して第4ゲート電圧VgQ4が与えられる。
実施形態13に係る開閉装置用回路20を備える開閉システム30では、実施形態4に係る開閉装置用回路20と同様、電力損失を抑制することが可能となる。
(変形例)
上記の実施形態1~13は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~13は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、所定の動作を行う際のトリガは、電圧差ΔVと閾値との比較で判定される変化に限らず、電圧差ΔVの変化量で判定される変化を含んでもよい。
また、判定回路において、過電流が流れていると判定するとは、過電流が流れているときと流れていないときとで、判定回路の出力が異なる場合を含む。
また、GaN系GITにおけるp型層は、p型AlGaN層に限らず、例えば、p型GaN層であってもよいし、p型金属酸化物半導体層であってもよい。p型金属酸化物半導体層は、例えば、NiO層である。NiO層は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムの群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を不純物として含んでいてもよい。また、NiO層は、例えば、不純物として添加されたときに一価となる銀、銅等の遷移金属を含んでいてもよい。
GaN系GITは、バッファ層と第1の窒化物半導体層との間に、1層以上の窒化物半導体層を含んでいてもよい。また、バッファ層は、単層構造に限らず、例えば、超格子構造を有していてもよい。
また、GaN系GITにおける基板は、シリコン基板に限らず、例えば、GaN基板、SiC基板、サファイア基板等であってもよい。
開閉装置10は、例えば、遮断器に適用できる。
(態様)
以上説明した実施形態等から本明細書には以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る開閉装置用回路(20)は、開閉装置(10)に用いられる。開閉装置(10)は、第1経路(11)と、第2経路(12)と、を備える。第1経路(11)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)と、第1インダクタ(L1)と、を含む。第1電界効果トランジスタ(Q1)は、ゲート(1G)及びソース(1S)を有する。第1インダクタ(L1)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース(1S)に接続されている。第2経路(12)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)と、第2インダクタ(L2)と、を含む。第2電界効果トランジスタ(Q2)は、ゲート(2G)及びソース(2S)を有する。第2インダクタ(L2)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)のソース(2S)に接続されている。第1経路(11)と第2経路(12)とは電源(Vdc)に対して並列接続される。第1電界効果トランジスタ(Q1)の導通時の最大電流である第1最大電流(ImQ1)が第2電界効果トランジスタ(Q2)の導通時の最大電流である第2最大電流(ImQ2)よりも小さい。開閉装置用回路(20)は、処理部(26)を備える。処理部(26)は、第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)と第2インダクタ(VL2)の両端間の電圧との電圧差(ΔV)に応じて特定の動作を実行する。
第1の態様に係る開閉装置用回路(20)は、電力損失を抑制することが可能となる。
第2の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1の態様において、処理部(26)は、第1経路(11)に流れる第1電流(I1)及び第2経路(12)に流れる第2電流(I2)が、第1最大電流(ImQ1)未満の電流値から第1最大電流(ImQ1)以上となることをトリガとして作動する。
第2の態様に係る開閉装置用回路(20)では、誤作動の発生を抑制することが可能となる。
第3の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1又は2の態様において、特定の動作は、電圧差(ΔV)に所定の変化があった場合に開閉装置(10)に過電流が流れていると判定する動作を含む。
第3の態様に係る開閉装置用回路(20)では、開閉装置(10)に過電流が流れていることを検知することが可能となる。
第4の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1~3の態様のいずれか一つにおいて、第1電界効果トランジスタ(Q1)の導通時のゲート電圧(Vgon1)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)の導通時のゲート電圧(Vgon2)よりも小さい。
第4の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1電界効果トランジスタ(Q1)の第1最大電流(ImQ1)を第2最大電流(ImQ2)よりも小さくすることができる。
第5の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、第1インダクタ(L1)のインダクタンスは、第2インダクタ(L2)のインダクタンスよりも小さい。
第5の態様に係る開閉装置用回路(20)では、開閉装置(10)に過電流が流れたときの第1電流(I1)の電流変化率(dI1/dt)を第2電流(I2)の電流変化率(dI2/dt)よりも大きくできる。
第6の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1~5の態様のいずれか一つにおいて、第1電界効果トランジスタ(Q1)のオン抵抗と第2電界効果トランジスタ(Q2)のオン抵抗とが互いに異なる。
第6の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1電界効果トランジスタ(Q1)のオン抵抗と第2電界効果トランジスタ(Q2)のオン抵抗とを互いに異ならせることで、第1電界効果トランジスタ(Q1)の第1最大電流(ImQ1)と第2電界効果トランジスタ(Q2)の第2最大電流(ImQ2)とを互いに異ならせることができる。
第7の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、第1駆動回路(21)と、第2駆動回路(22)と、を更に備える。第1駆動回路(21)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)のゲート(1G)に接続される第1ゲート用電源(211)を含み、第1電界効果トランジスタ(Q1)を駆動する。第2駆動回路(22)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)に接続される第2ゲート用電源(221)を含み、第2電界効果トランジスタ(Q2)を駆動する。第1ゲート用電源(211)の負極が、第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース(1S)に接続される。第2ゲート用電源(221)の負極が、第2電界効果トランジスタ(Q2)のソース(2S)に接続される。
第7の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1ゲート電圧(VgQ1)が第1インダクタ(L1)の電圧(VL1)の影響を受けにくくなり、第2ゲート電圧(VgQ2)が第2インダクタ(L2)の電圧(VL2)の影響を受けにくくなる。
第8の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、第1電界効果トランジスタ(Q1)及び第2電界効果トランジスタ(Q2)の各々は、接合型電界効果トランジスタである。開閉装置用回路(20)は、ゲート用電源(25)と、第1ゲート抵抗(RgQ1)と、第2ゲート抵抗(RgQ2)と、を更に備える。第1ゲート抵抗(RgQ1)は、ゲート用電源(25)と第1電界効果トランジスタ(Q1)のゲート(1G)との間に接続される。第2ゲート抵抗(RgQ2)は、ゲート用電源(25)と第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)との間に接続される。第1ゲート抵抗(RgQ1)の抵抗値が第2ゲート抵抗(RgQ2)の抵抗値よりも大きい。
第8の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1電界効果トランジスタ(Q1)のゲート(1G)に流れる第1ゲート電流が、第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)に流れる第2ゲート電流よりも小さくなる。したがって、第8の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1電界効果トランジスタ(Q1)のオン時の第1ゲート電圧(VgQ1)が、第2電界効果トランジスタ(Q2)のオン時の第2ゲート電圧(VgQ2)よりも小さくなる。
第9の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1~6の態様において、特定の動作は、第2電界効果トランジスタ(Q2)に流れる電流を制限する動作を含む。
第9の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第2電界効果トランジスタ(Q2)の過電流を抑制することが可能となる。
第10の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第9の態様において、第1駆動回路(21)と、第2駆動回路(22)と、を更に備える。第1駆動回路(21)は、第1電界効果トランジスタQ1のゲート(1G)に接続される第1ゲート用電源(211)を含み、第1電界効果トランジスタ(Q1)を駆動する。第2駆動回路(22)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)に接続される第2ゲート用電源(221)を含み、第2電界効果トランジスタ(Q2)を駆動する。第1ゲート用電源(211)の負極及び第2ゲート用電源(221)の負極が、第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース(1S)に接続される。
第10の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)の過電流を抑制することが可能となる。
第11の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第9の態様において、第1電界効果トランジスタ(Q1)及び第2電界効果トランジスタ(Q2)の各々は、接合型電界効果トランジスタである。開閉装置用回路(20)は、ゲート用電源(25)と、第1ゲート抵抗(RgQ1)と、第2ゲート抵抗(RgQ2)と、を更に備える。第1ゲート抵抗(RgQ1)は、ゲート用電源(25)と第1電界効果トランジスタ(Q1)のゲート(1G)との間に接続される。第2ゲート抵抗(RgQ2)は、ゲート用電源(25)と第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)との間に接続される。第1ゲート抵抗(RgQ1)の抵抗値が第2ゲート抵抗(RgQ2)の抵抗値よりも大きい。ゲート用電源(25)の負極が、第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース(1S)に接続される。
第11の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第2電界効果トランジスタ(Q2)の過電流を抑制することが可能となる。
第12の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1の態様において、共通インダクタ(L0)を更に備える。共通インダクタ(L0)は、第1インダクタ(L1)と第2インダクタ(L2)とが共通接続されている。特定の動作は、共通インダクタ(L10)の両端間の電圧(VL10)と第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)との電圧差を閾値と比較することによって過電流検知を行う動作である。
第12の態様に係る開閉装置用回路(20)は、過電流検知の誤検知を抑制することが可能となる。
第13の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第1~11の態様のいずれか一つにおいて、第1経路(11)は、第3電界効果トランジスタ(Q3)と、第3インダクタ(L3)と、を更に備える。第3電界効果トランジスタ(Q3)は、ゲート(3G)及びソース(3S)を有し、第1電界効果トランジスタ(Q1)に逆直列に接続されている。第3インダクタ(L3)は、第3電界効果トランジスタ(Q3)のソース(3S)に接続されている。第2経路(12)は、第4電界効果トランジスタ(Q4)と、第4インダクタ(L4)と、を更に備える。第4電界効果トランジスタ(Q4)は、ゲート(4G)及びソース(4S)を有し、第2電界効果トランジスタ(Q2)に逆直列に接続されている。第4インダクタ(L4)は、第4電界効果トランジスタ(Q4)のソース(4S)に接続されている。処理部(26)は、第1判定回路(2611)と、第2判定回路(2612)と、を備える。第1判定回路(2611)は、第2インダクタ(L2)の両端間の電圧(VL2)と第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)との電圧差に応じて開閉装置(10)の過電流の有無を判定する。第2判定回路(2612)は、第3インダクタ(L3)の両端間の電圧(VL3)と第4インダクタ(L4)の両端間の電圧(VL4)との電圧差に応じて開閉装置(10)の過電流の有無を判定する。
第14の態様に係る開閉装置用回路(20)では、第13の態様において、開閉装置用回路(20)は、第3判定回路(2613)と、制御回路(262)と、を更に備える。第3判定回路(2613)は、第1判定回路(2611)の判定結果と第2判定回路(2612)の判定結果とに基づいて過電流の流れている向きを判定する。制御回路(262)は、第3判定回路(2613)の判定結果に基づいて第1電界効果トランジスタ(Q1)及び第2電界効果トランジスタ(Q2)を制御する。
第14の態様に係る開閉装置用回路(20)は、過電流の向きに基づいて第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2を制御することが可能となる。
第15の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1~14の態様のいずれか一つにおいて、第1クランプ回路(CC1)と、第2クランプ回路(CC2)と、を更に備える。第1クランプ回路(CC1)は、第1インダクタ(L1)に並列接続され第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)をクランプする。第2クランプ回路(CC2)は、第2インダクタ(L2)に並列接続され第2インダクタ(L2)の両端間の電圧(VL2)をクランプする。
第15の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース電流が飽和する前の状態において第1インダクタ(L1)のインダクタンスのばらつき等による電圧(VL1)のばらつきを抑制することが可能となる。
第16の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1~14の態様のいずれか一つにおいて、クランプ回路(CC3)を更に備える。クランプ回路(CC3)は、第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)と第2インダクタ(L2)の両端間の電圧(VL2)との電圧差をクランプする。
第16の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)と第2インダクタ(L2)の両端間の電圧(VL2)との電圧差が大きくなりすぎるのを抑制することが可能となる。
第17の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、ゲート用電源(25)と、第1抵抗分圧回路(RV1)と、第2抵抗分圧回路(RV2)と、を更に備える。第1抵抗分圧回路(VR1)は、ゲート用電源(25)の正極と第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース(1S)との間に接続される。第2抵抗分圧回路(RV2)は、ゲート用電源(25)の正極と第2電界効果トランジスタ(Q2)のソース(2S)との間に接続される。第1抵抗分圧回路(RV1)の出力端が第1電界効果トランジスタ(Q1)のゲート(1G)に接続される。第2抵抗分圧回路(RV2)の出力端が第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)に接続される。
第17の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)の第1ゲート電圧(VgQ1)と第2電界効果トランジスタ(Q2)の第2ゲート電圧(VgQ2)とを互いに異ならせることができる。
第18の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、第1電界効果トランジスタ(Q1)及び第2電界効果トランジスタ(Q2)は、MOSFET又はノーマリオン型のJFETである。開閉装置用回路(20)は、ゲート用電源(25)と、第1容量(CQ1)と、第2容量(CQ2)と、を更に備える。第1容量(CQ1)は、ゲート用電源(25)の正極と第1電界効果トランジスタ(Q1)のゲート(1G)との間に接続される。第2容量(CQ2)は、ゲート用電源(25)の正極と第2電界効果トランジスタ(Q2)のゲート(2G)との間に接続される。
第18の態様に係る開閉装置用回路(20)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)の第1ゲート電圧(VgQ1)と第2電界効果トランジスタ(Q2)の第2ゲート電圧(VgQ2)とを互いに異ならせることができる。
第19の態様に係る開閉システム(30)は、第1~18の態様のいずれか一つの開閉装置用回路(20)と、開閉装置(10)と、を備える。
第19の態様に係る開閉システム(30)は、電力損失を抑制することが可能となる。
第20の態様に係る処理方法は、開閉装置(10)に用いられる。開閉装置(10)は、第1経路(11)と、第2経路(12)と、を備える。第1経路(11)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)と、第1インダクタ(L1)と、を含む。第1電界効果トランジスタ(Q1)は、ゲート(1G)及びソース(1S)を有する。第1インダクタ(L1)は、第1電界効果トランジスタ(Q1)のソース(1S)に接続されている。第2経路(12)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)と、第2インダクタ(L2)と、を含む。第2電界効果トランジスタ(Q2)は、ゲート(2G)及びソース(2S)を有する。第2インダクタ(L2)は、第2電界効果トランジスタ(Q2)のソース(2S)に接続されている。第1経路(11)と第2経路(12)とは電源(Vdc)に対して並列接続される。第1電界効果トランジスタ(Q1)の導通時の最大電流である第1最大電流(ImQ1)が第2電界効果トランジスタ(Q2)の導通時の最大電流である第2最大電流(ImQ2)よりも小さい。処理方法は、第1インダクタ(L1)の両端間の電圧(VL1)と第2インダクタ(L2)の両端間の電圧(VL2)との電圧差(ΔV)に応じて特定の動作を実行する。
第20の態様に係る処理方法は、電力損失を抑制することが可能となる。