図1から図3は、同一の自動駐車場を図解的に示す平面図である。図1から図3を参照すると、1は道路、2は百貨店等の施設、3は自動駐車場、4は自動駐車場3の駐車場領域、5は駐車場領域4内に設定されている多数の駐車スペース、6は駐車スペース5に既に駐車中の車両、7は駐車場領域4への入口ゲート、8は駐車場領域4からの出口ゲート、9は乗降場、10は車両を搬送するための車両搬送ロボットの待機場所、11は待機場所10に待機している多数の車両搬送ロボット、12は駐車管理施設を示す。この駐車管理施設12内には、入庫および出庫を管理するための入出庫管理サーバ13が設置されている。
また、図1から図3に示されるように、自動駐車場3には、自動駐車場3に入庫する車両、自動駐車場3から出庫する車両を特定し、駐車場領域4内の固定構造物や移動体を検出し、駐車場領域4内における車両の駐車状況を検出するために、多数のインフラセンサ14が配置されている。これらインフラセンサ14としては、カメラ、或いは、レーザセンサ等が用いられる。この場合、例えば、インフラセンサ14として、カメラが用いられた場合には、各インフラセンサ14により撮影された画像信号は、駐車管理施設12内に設置された入出庫管理サーバ13に送信される。
図1から図3に示される自動駐車場3では、自動運転車両に対して入庫要求があったときには、乗降場9において搭乗者が自動運転車両から降車した後、自動運転車両が自動運転により空の駐車スペース5に移動せしめられ、自動運転車両に対して出庫要求があったときには、駐車スペース5に駐車している自動運転車両が自動運転により乗降場9に移動せしめられる。一方、手動運転車両に対して入庫要求があったときには、乗降場9において搭乗者が手動運転車両から降車した後、手動運転車両が自動運転の車両搬送ロボット11により空の駐車スペース5に搬送され、手動運転車両に対して出庫要求があったときには、駐車スペース5に駐車している手動運転車両が自動運転の車両搬送ロボット11により乗降場9に搬送される。
このように、図1から図3に示される自動駐車場3では、手動運転車両および自動運転車両を自動的に駐車可能な自動駐車サービス、即ち、オートバレーパーキングサービスが実施されている。図1には、入庫要求があった自動運転車両15に対して指定された駐車スペース5が駐車スペース5aであった場合の入出庫作用の例が矢印でもって図解的に示されており、図2には、入庫要求があった手動運転車両16に対して指定された駐車スペース5が駐車スペース5aであった場合の入出庫作用の例が矢印でもって図解的に示されている。
即ち、自動運転車両15の入庫時には、乗降場9に自動運転車両15が到着して自動運転車両15から搭乗者が降車すると、自動運転車両15は、図1において実線の矢印で示されるように自動運転により駐車スペース5aに移動せしめられ、駐車スペース5aに駐車される。一方、自動運転車両15の出庫時には、駐車スペース5aに駐車している自動運転車両15が、図1において破線の矢印で示されるように自動運転により駐車スペース5aから乗降場9に移動せしめられる。
一方、手動運転車両16の入庫時には、乗降場9に手動運転車両16が到着して手動運転車両16から搭乗者が降車すると、図2において実線の矢印R1で示されるように、待機場所10に待機している車両搬送ロボット11の一つ11aが自動運転により手動運転車両16に向けて移動せしめられ、乗降場9に停止している手動運転車両16が車両搬送ロボット11aに積み込まれる。次いで、手動運転車両16を搭載した車両搬送ロボット11aは、図2において実線の矢印R2で示されるように自動運転により駐車スペース5aに移動せしめられ、駐車スペース5aにおいて、搭載された手動運転車両16が車両搬送ロボット11aから積み下ろされる。次いで、手動運転車両16を積み下ろした空の車両搬送ロボット11aが、図2において実線の矢印R3で示されるように、自動運転により待機場所10まで戻される。
また、手動運転車両16の出庫時には、待機場所10に待機している車両搬送ロボット11の一つ11bが、図2において破線の矢印S1で示されるように自動運転により駐車スペース5aに向けて移動せしめられ、駐車スペース5aに停止している手動運転車両16が車両搬送ロボット11bに積み込まれる。次いで、手動運転車両16を搭載した車両搬送ロボット11bは、図2において破線の矢印S2で示されるように自動運転により乗降場9に移動せしめられ、乗降場9において、搭載された手動運転車両16が車両搬送ロボット11bから積み下ろされる。次いで、手動運転車両16を積み下ろした空の車両搬送ロボット11bは、自動運転により待機場所10まで戻される。
次に、図1および図2に示される入出庫管理サーバ13、自動運転車両15および車両搬送ロボット11について順に説明する。図4は、図1に示される入出庫管理サーバ13を示している。図4を参照すると、入出庫管理サーバ13内には電子制御ユニット20が設けられている。この電子制御ユニット20はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス21によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)22、ROMおよびRAMからなるメモリ23および入出力ポート24を具備する。図4に示されるように、電子制御ユニット20には、各インフラセンサ14を含む各種センサ25の検出信号が入力される。また、電子制御ユニット20のメモリ23内には、駐車場領域4の地図データが記憶されている。
図5は、図1に示される自動運転車両15の一例を図解的に示している。図5を参照すると、30は自動運転車両15内に搭載された電子制御ユニット、31は自動運転車両15の駆動輪に駆動力を与えるための例えば電気モータからなる車両駆動部、32は自動運転車両15を制動するための制動装置、33は自動運転車両15を操舵するための操舵装置を夫々示す。図5に示されるように、電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス34によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)35、ROMおよびRAMからなるメモリ36および入出力ポート37を具備する。一方、自動運転車両15には、自動運転車両15が自動運転を行うのに必要な各種センサ38、即ち、自動運転車両15の状態を検出するセンサおよび自動運転車両15の周辺を検出する周辺検知センサが設置されている。この場合、自動運転車両15の状態を検出するセンサとしては、加速度センサ、速度センサ、方位角センサが用いられており、自動運転車両15の周辺を検出する周辺検知センサとしては、自動運転車両15の前方、側方、後方を撮影する車載カメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等が用いられる。
また、自動運転車両15には、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信装置39、地図データ記憶装置40、ナビゲーション装置41および各種操作をおこなうための操作部42が設けられている。GNSS受信装置39は、複数の人工衛星から得られる情報に基づいて、自動運転車両15の現在位置(例えば自動運転車両15の緯度及び経度)を検出することができる。従って、このGNSS受信装置39により自動運転車両15の現在位置を取得することができる。このGNSS受信装置39として、例えば、GPS受信装置が用いられる。一方、地図データ記憶装置40には、自動運転車両15が自動運転を行うのに必要な地図データ等が記憶されている。これらの各種センサ38、GNSS受信装置39、地図データ記憶装置40、ナビゲーション装置41および操作部42は、電子制御ユニット30に接続されている。また、自動運転車両15には、入出庫管理サーバ13と通信を行うための通信装置43が搭載されており、図4に示されるように、入出庫管理サーバ13内には、自動運転車両15と通信を行うための通信装置26が設けられている。
図6Aは、図2に示される車両搬送ロボット11を図解的に表した平面図を示しており、図6Bおよび図6Cは、図6Aに示される車両搬送ロボット11の側面図を示している。図6A、図6Bおよび図6Cを参照すると、50は搬送ロボット先頭部、51は搬送ロボット先頭部50に連結されかつ上下方向に昇降可能な台車部、52は駆動輪からなる前輪、53は従動輪からなる後輪、54は後輪53と台車部51間に配置された昇降リンク装置を夫々示す。台車部51は、前方台車部51aと、前方台車部51aに摺動可能に連結された後方台車部51bからなる。
図6Aに示されるように、前方台車部51aおよび後方台車部51bの両側にはそれぞれ、実線で示される後退位置から破線で示される突出位置まで90度回動可能な車輪支承用アーム対55が配置されている。これらアーム対55の回動運動および前方台車部51aに対する後方台車部51bの摺動移動は、油圧シリンダ或いは電気モータにより行われる。一方、台車部51は図6Bに示される下降位置と図6Cに示される上昇位置との間で昇降制御される。この場合、前方台車部51aと搬送ロボット先頭部50の連結部には台車昇降制御用の油圧シリンダ或いは電気モータが設けられており、この台車昇降制御用の油圧シリンダ或いは電気モータおよび昇降リンク装置54を駆動するための油圧シリンダ或いは電気モータにより、台車部51の昇降制御が行われる。
車両搬送ロボット11に手動運転車両16を積み込むときには、図6Aにおいて実線で示されるように、アーム対55は後退位置に保持され、図6Bに示されるように、台車部51か下降位置に保持される。次いで、このような状態で、車両搬送ロボット11は、図7Aに示されるように台車部51が手動運転車両16の長手軸線と整列する車両積み込み準備位置に移動せしめられる。次いで、車両搬送ロボット11が後退せしめられ、図7Bに示されるように台車部51が手動運転車両16の下方に侵入する。次いで、全アーム55が突出位置まで回動せしめられ、次いで、台車部51が上昇せしめられる。台車部51が上昇せしめられと、手動運転車両16の全ての車輪が対応するアーム対55により支承され、それにより、手動運転車両16が車両搬送ロボット11に積み込まれる。なお、前方台車部51aと後方台車部51bとの間隔は、積み込まれる手動運転車両16のホイールベースに応じて調整される。
一方、車両搬送ロボット11から手動運転車両16を積み下ろすときには、車両搬送ロボット11が積み下ろし場所に移動せしめられる。このときが図8Aに示されている。次いで、台車部51が下降せしめられ、搭載されている手動運転車両16が地面上に下ろされる。次いで、全アーム55が後退位置まで回動せしめられる。次いで、車両搬送ロボット11は、台車部51が手動運転車両16の長手軸線と整列した状態で前進せしめられ、図8Bに示されるように台車部51が手動運転車両16の下方から完全に抜け出た走行準備位置に移動せしめられる。
図9は、図6A、図6Bおよび図6Cに示される車両搬送ロボット11の搬送ロボット先頭部50の一例を図解的に示している。図9を参照すると、60は搬送ロボット先頭部50内に搭載された電子制御ユニット、61は車両搬送ロボット11の前輪52に駆動力を与えるための例えば電気モータからなる車両駆動部、62は車両搬送ロボット11を制動するための制動装置、63は前輪52を操舵するための操舵装置を夫々示す。図9に示されるように、電子制御ユニット60はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス64によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)65、ROMおよびRAMからなるメモリ66および入出力ポート67を具備する。一方、車両搬送ロボット11には、車両搬送ロボット11が自動運転を行うのに必要な各種センサ68、即ち、車両搬送ロボット11の状態を検出するセンサおよび車両搬送ロボット11の周辺を検出する周辺検知センサが設置されている。この場合、車両搬送ロボット11の状態を検出するセンサとしては、加速度センサ、速度センサ、方位角センサが用いられており、車両搬送ロボット11の周辺を検出する周辺検知センサとしては、車両搬送ロボット11の前方、側方、後方を撮影する車載カメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等が用いられる。
また、搬送ロボット先頭部50には、地図データ記憶装置69およびGNSS受信装置70が設けられている。このGNSS受信装置70は、複数の人工衛星から得られる情報に基づいて、車両搬送ロボット11の現在位置(例えば車両搬送ロボット11の緯度及び経度)を検出することができる。地図データ記憶装置69には、車両搬送ロボット11が自動運転を行うのに必要な駐車場領域4の地図データ等が記憶されている。これらの各種センサ68、地図データ記憶装置69およびGNSS受信装置70は、電子制御ユニット60に接続されている。また、台車部51の昇降制御およびアーム55の回動制御を行う油圧シリンダ或いは電気モータ等の駆動装置71が電子制御ユニット60に接続されている。また、搬送ロボット先頭部50には、入出庫管理サーバ13と通信を行うための通信装置72が搭載されている。
次に、図1を参照しつつ、自動運転車両15の自動駐車場3への入出庫作業について、もう少し詳しく説明する。本発明による実施例では、自動駐車サービスを利用するユーザが自分の自動運転車両15を自動駐車場3に駐車させるときには、例えば、自動運転車両15が乗降場9に到着したときに、例えば、ユーザの携帯端末から通信ネットワークを介して入出庫管理サーバ13に、自車を識別するための車両IDと共に入庫要求を送信する。入出庫管理サーバ13は、入庫要求を受信すると、車両が他車両や歩行者と接触することなく、図1において実線の矢印で示すように乗降場9から設定された駐車スペース5aに到達することのできる車両の走行ルートを設定し、この設定走行ルートをユーザの自動運転車両15に送信する。ユーザの自動運転車両15は、入出庫管理サーバ13から設定走行ルートを受信すると、この設定走行ルートに沿って自動運転により乗降場9から空の駐車スペース5aまで移動せしめられる。
一方、ユーザが自動運転車両15を自動駐車場3から出庫させるときも同様である。例えば、ユーザが乗降場9に到達すると、ユーザの携帯端末から通信ネットワークを介して入出庫管理サーバ13に、自車を識別するための車両IDと共に出庫要求を送信する。入出庫管理サーバ13は、出庫要求を受信すると、自動運転車両15が他車両や歩行者と接触することなく駐車中のスペース5aから乗降場9に到達することのできる車両の走行ルートを設定し、この設定走行ルートをユーザの自動運転車両15に送信する。ユーザの自動運転車両15は、入出庫管理サーバ13から設定走行ルートを受信すると、この設定走行ルートに沿って自動運転により駐車中のスペース5aから乗降場9まで移動せしめられる。
次に、図2を参照しつつ、手動運転車両16の自動駐車場3への入出庫作業について、もう少し詳しく説明する。本発明による実施例では、自動駐車サービスを利用するユーザが自分の手動運転車両16を自動駐車場3に駐車させるときには、例えば、手動運転車両16が乗降場9に到着したときに、例えば、ユーザの携帯端末から通信ネットワークを介して入出庫管理サーバ13に、自車を識別するための車両IDと共に入庫要求を送信する。入出庫管理サーバ13は、入庫要求を受信すると、車両搬送ロボット11を自動運転により乗降場9に移動させて乗降場9に停車している手動運転車両16を車両搬送ロボット11に積み込ませ、次いで、手動運転車両16を搭載した車両搬送ロボット11を、図2において実線の矢印で示すように乗降場9から設定された駐車スペース5aまで移動せしめる。
一方、ユーザが手動運転車両16を自動駐車場3から出庫させるときも同様である。例えば、ユーザが乗降場9に到達すると、ユーザの携帯端末から通信ネットワークを介して入出庫管理サーバ13に、自車を識別するための車両IDと共に出庫要求を送信する。入出庫管理サーバ13は、出庫要求を受信すると、車両搬送ロボット11を自動運転により駐車スペース5aに移動させて駐車スペース5aに駐車している手動運転車両16を車両搬送ロボット11に積み込ませ、次いで、手動運転車両16を搭載した車両搬送ロボット11を、図2において破線の矢印で示すように乗降場9まで移動せしめる。
このように、本発明による実施例では、車両搬送ロボット11は入出庫管理サーバ13により管理されている。そこで、最初に、入出庫管理サーバ13による車両搬送ロボット11の管理について説明する。入出庫管理サーバ13では、各インフラセンサ14により撮影された画像信号、或いは、各車両搬送ロボット11から受信した車両搬送ロボット11の位置情報に基づいて、図10に示すような、自動駐車場3内に存在するNo.1からNo.Sの全ての車両搬送ロボット11の現在の状態Xi(i=1,2・・・5)、Yi(i=1,2・・・5)、R0が、常時取得されている。図11のリストに、各状態Xi、Yi、R0の内容が、入庫時における状態と出庫時における状態とに分けて示されている。
即ち、図11に示されるように、手動運転車両16の入庫時において、R0は待機場所10で待機中を示しており、X1は乗降場9の車両積み込み準備位置(図7A)に向けて走行中を示しており、X2は乗降場9で車両積み込み処理のために停止中を示しており、X3は駐車スペース5の車両積み下ろし位置に向けて走行中を示しており、X4は駐車スペース5で車両積み下ろし処理のために停止中を示しており、X5は待機場所10へ帰還するために走行中を示している。また、手動運転車両16の出庫時において、R0は待機場所で待機中を示しており、Y1は駐車スペース5の車両積み込み準備位置(図7A)に向けて走行中を示しており、Y2は駐車スペース5で車両積み込み処理のために停止中を示しており、Y3は乗降場9の車両積み下ろし位置に向けて走行中を示しており、Y4は乗降場9で車両積み下ろし処理のために停止中を示しており、Y5は待機場所10へ帰還するために走行中を示している。
さて、本発明による実施例では、後述するように、車両搬送ロボット11から入出庫管理サーバ13に、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請が送信される。入出庫管理サーバ13は次に実行すべき処理の要請を受信すると、車両搬送ロボット11の現在の状態に基づき、次に実行すべき処理を決定し、決定された処理要求が車両搬送ロボット11に送信されると共に車両搬送ロボット11に対して運転指令が発せられる。このように本発明による実施例では、車両搬送ロボット11の行動が入出庫管理サーバ13により管理されている。この車両搬送ロボット11を管理するための管理ルーチンが図12に示されており、このルーチンは入出庫管理サーバ13の電子制御ユニット20において繰り返し実行される。
図12を参照すると、まず初めに、ステップ100では、各インフラセンサ14により撮影された画像信号、或いは、車両搬送ロボット11から受信した車両搬送ロボット11の位置情報に基づいて、図10に示される全ての車両搬送ロボット11の現在の状態が更新される。次いで、ステップ101では、車両搬送ロボット11から車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請を受信したか否かが判別される。車両搬送ロボット11から次に実行すべき処理の要請を受信していないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、車両搬送ロボット11から次に実行すべき処理の要請を受信したと判別されたときには、ステップ102に進む。
ステップ102では、次に実行すべき処理の要請を発した車両搬送ロボット11の現在の状態に基づき、車両搬送ロボット11に対する要求処理が決定される。例えば、手動運転車両16が乗降場9で手動運転車両16の積み込みが終了したときに車両搬送ロボット11から次に実行すべき処理の要請が発せられた場合を例にとって説明すると、このとき、車両搬送ロボット11の現在の状態は、図11においてX2で示される乗降場9で車両積み込み処理のために停止中であり、従って、ステップ102では、車両搬送ロボット11を空の駐車スペース5まで移動させて手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が次の要求処理として決定される。
ステップ102において、車両搬送ロボット11に対する次の要求処理が決定されると、ステップ103では、車両搬送ロボット11の移動目的地が設定される。上述の例では、多数の駐車スペース5の中から、空の駐車スペース5が車両搬送ロボット11の移動目的地として設定される。移動目的地が設定されると、ステップ104に進んで、メモリ32内に記憶されている駐車場領域4の地図データに基づいて、乗降場9から空の駐車スペース5までの走行ルートが設定される。次いで、ステップ105では、他車両や構造物と接触することのない車両搬送ロボット11の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ106では、車両搬送ロボット11の運転実行指令が発せられ、次いで、ステップ107では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、設定された空の駐車スペース5、走行ルート、走行軌跡、走行速度および運転実行指令が入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に送信される。
入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に運転実行指令が送信されると、車両搬送ロボット11の自動運転制御が開始される。図13は、この車両搬送ロボット11の運転制御を行うための運転制御ルーチンを示しており、このルーチンは、車両搬送ロボット11の搬送ロボット先頭部50に搭載された電子制御ユニット60において繰り返し実行される。
図13を参照すると、まず初めに、ステップ200では、入出庫管理サーバ13において決定された車両搬送ロボット11に対する要求処理が取得される。次いで、ステップ201では、入出庫管理サーバ13において設定された移動目的地が取得され、次いで、ステップ202では、入出庫管理サーバ13において設定された走行ルートが取得され、ステップ203では、入出庫管理サーバ13において設定された走行軌跡および走行速度が取得される。次いで、ステップ204では、設定された走行軌跡に沿い、車両搬送ロボット11の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等の周辺検知センサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのないように、車両搬送ロボット11の走行制御が行われる。次いで、ステップ205では、車両搬送ロボット11が移動目的地に到達したか否か、上述の例では、車両搬送ロボット11が、設定された空の駐車スペース5に到達したか否かが判別される。車両搬送ロボット11が移動目的地に到達していないと判別されたときには、ステップ204に戻り、車両搬送ロボット11の自動運転が続行される。一方、ステップ205において、車両搬送ロボット11が移動目的地に到達したと判別されたときにはステップ206に進む。
ステップ206では、車両搬送ロボット11に対する要求処理が実行される。上述の例では、手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が実行される。即ち、台車部51が下降せしめられ、搭載されている手動運転車両16が駐車スペース5内の地面上に下ろされ、次いで、全アーム55が後退位置まで回動せしめられ、次いで、車両搬送ロボット11が前進せしめられ、図8Bに示されるように台車部51が手動運転車両16の下方から完全に抜け出た走行準備位置に移動せしめられる。ステップ207では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、上述の例では、手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が完了したか否か、即ち、台車部51が走行準備位置に移動せしめられたか否かが判別される。車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了していないと判別されたときには、ステップ206に戻り、車両搬送ロボット11に対する要求処理が続行される。一方、ステップ207において、車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了したと判別されたときには、ステップ208に進んで、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請が入出庫管理サーバ13に送信される。
このように車両搬送ロボット11は、図12に示される車両搬送ロボット11の管理ルーチンおよび図13に示される車両搬送ロボット11の運転制御ルーチンを用いて制御されており、従って、手動運転車両16から入出庫要求があったときにも、車両搬送ロボット11は、図12に示される車両搬送ロボット11の管理ルーチンおよび図13に示される車両搬送ロボット11の運転制御ルーチンを用いて制御される。そこで、次に、図14を参照しつつ、入出庫管理サーバ13が自動運転車両15或いは手動運転車両16から入出庫要求を受信したときに電子制御ユニット20において実行される入出庫管理制御ルーチンについて説明する。
図14を参照すると、まず初めに、ステップ300において、入庫を要求している車両が自動運転車両15であるか、手動運転車両16であるかが判別される。入庫を要求している車両が自動運転車両15であると判別されたときにはステップ301に進み、多数の駐車スペース5の中から、空の駐車スペース5が自動運転車両15の移動目的地として設定される。移動目的地が設定されると、ステップ302に進んで、メモリ32内に記憶されている駐車場領域4の地図データに基づいて、乗降場9から空の駐車スペース5までの走行ルートが設定される。次いで、ステップ303では、他車両や構造物と接触することのない自動運転車両15の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ304では、自動運転車両15の自動運転実行指令が発せられ、次いで、ステップ305では、設定された空の駐車スペース5、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令が入出庫管理サーバ13から自動運転車両15に送信される。
入出庫管理サーバ13から自動運転車両15に自動運転実行指令が送信されると、自動運転車両15の自動運転制御が開始される。図15は、この自動運転車両15の運転制御を行うための車両運転制御ルーチンを示しており、このルーチンは、自動運転車両15に搭載された電子制御ユニット30において繰り返し実行される。
図15を参照すると、まず初めに、ステップ400では、入出庫管理サーバ13において設定された移動目的地が取得され、次いで、ステップ401では、入出庫管理サーバ13において設定された走行ルートが取得され、ステップ402では、入出庫管理サーバ13において設定された走行軌跡および走行速度が取得される。次いで、ステップ403では、設定された走行軌跡に沿い、自動運転車両15の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等の周辺検知センサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのないように、自動運転車両15の走行制御が行われる。次いで、ステップ404では、自動運転車両15が移動目的地に到達したか否かが判別される。自動運転車両15が移動目的地に到達していないと判別されたときには、ステップ403に戻り、自動運転車両15の自動運転が続行される。一方、ステップ404において、自動運転車両15が移動目的地に到達したと判別されたとき、即ち、空の駐車スペース5内への駐車が完了したときには、入庫管理を終了する。
一方、ユーザが自動運転車両15の出庫を希望するときの入出庫管理制御も、図14に示される入出庫管理制御ルーチンを用いて実行される。ただし、この場合、図14のステップ301では、乗降場9が自動運転車両15の移動目的地として設定され、ステップ302では、現在駐車中の駐車スペース5から乗降場9までの走行ルートが設定され、ステップ303では、他車両や構造物と接触することのない自動運転車両15の走行軌跡および走行速度が設定され、ステップ304では、自動運転車両15の自動運転実行指令が発せられ、ステップ305では、設定された移動目的地、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令が入出庫管理サーバ13から自動運転車両15に送信される。自動運転車両15が、設定された移動目的地、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令を受信すると、図15に示される自動運転車両15の運転制御ルーチンにより、自動運転車両15の出庫処理が行われる。
一方、図14のステップ300において、入出庫を要求している車両が手動運転車両16であると判別されたときにはステップ306に進み、待機場所10に待機している車両搬送ロボット11の中から一つの車両搬送ロボット11が選定される。次いで、ステップ307では、選定された車両搬送ロボット11に対する処理要請がなされる。即ち、手動運転車両16が入庫を要求している場合には、手動運転車両16の入庫要請がなされ、手動運転車両16が出庫を要求している場合には、手動運転車両16の出庫要請がなされる。この場合、手動運転車両16が入庫を要求しているときには、図12に示される車両搬送ロボット11の管理ルーチンにおいて、車両搬送ロボット11を乗降場9まで移動させて手動運転車両16を車両搬送ロボット11に積み込む処理が実行され、手動運転車両16が出庫を要求しているときには、車両搬送ロボット11を駐車スペース5に駐車中の手動運転車両16まで移動させて手動運転車両16を車両搬送ロボット11に積み込んだ後、車両搬送ロボット11を乗降場9まで移動させて手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み込下ろす処理が実行される。
ところで、自動駐車場3内において自動運転車両15が故障して停止したときには、停止している故障車両を、できるだけ早く、他の車両の走行の邪魔にならない場所に移動させる必要がある。この場合、本発明による実施例では、車両搬送ロボット11を用いて故障車両を搬送することが可能である。この場合、車両搬送ロボット11よる故障車両の搬送要請があったときに、搬送要請のあった故障車両の近くを車両搬送中の車両搬送ロボット11が走行している場合には、空の車両搬送ロボット11を待機場所10から移動させてくるよりも、車両搬送中の車両搬送ロボット11を利用して、搬送要請のあった故障車両を搬送した方が、搬送要請から短時間のうちに、搬送要請のあった故障車両を車両搬送ロボット11により搬送することができ、好ましいと言える。
そこで、本発明による実施例では、車両搬送ロボット11により車両の搬送中に他の車両の搬送要請があったときには、搬送中の車両を車両搬送ロボット11から積み下ろして他の車両を車両搬送ロボット11に積み込み、他の車両を車両搬送ロボット11により回収するようにしている。図3には、このような車両搬送ロボット11による他の車両、即ち、故障車両の回収作業の代表的な一例が図解的に示されている。
図3において、15aは駐車場領域4内において故障して停止している自動運転車両を示しており、以下、この故障して停止している自動運転車両15aを故障車両15aと称する。一方、図3には、手動運転車両16を搭載していて故障車両15aに向けて走行している車両搬送ロボット11がK1で示されている。この場合、本発明による実施例では、手動運転車両16を搭載して走行している車両搬送ロボット11に故障車両15aの回収指令が発せられる。車両搬送ロボット11に故障車両15aの回収指令が発せられると、車両搬送ロボット11はK1で示される場所から他車両の走行の邪魔にならないK2で示される場所に自動運転により移動せしめられ、場所K2において一旦停止される。即ち、車両搬送ロボット11に故障車両15aの回収指令が発せられると、車両搬送ロボット11は、K2で示される他車両の走行の邪魔にならない仮駐車スペースに自動運転により移動せしめられ、仮駐車スペースK2において一時的に駐車される。
次いで、仮駐車スペースK2において、搭載されていた手動運転車両16が車両搬送ロボット11から積み下ろされる。次いで、空の車両搬送ロボット11が矢印Tで示されるように、K4で示される故障車両15aの車両積み込み準備位置(図7A)に移動せしめられ、次いで、車両搬送ロボット11への故障車両15aの積み込み作業が行われる。このようにして故障車両15aの回収作業が行われる。その後、故障車両15aを搭載した車両搬送ロボット11は、例えば、空の駐車スペース5に移動せしめられる。仮駐車スペースK2に下ろされた手動運転車両16は、手動運転車両16を搭載していた車両搬送ロボット11或いは他の車両搬送ロボット11によって、空の駐車スペース5に移動せしめられる。
このような故障車両15aの回収作業を行うために、図11のリストに示されるように、故障車両発生時に対しても、車両搬送ロボット11の現在の状態Ziが予め設定されている。図11に示されるように、故障車両発生時において、Z1は故障車両15aの回収に向かうために一時停止中を示しており、Z2は仮駐車スペースK2の車両積み下ろし位置に向けて走行中を示しており、Z3は仮駐車スペースK2で車両積み下ろし処理のために停止中を示しており、Z4は故障車両15aの積み込み準備位置に向けて走行中を示しており、Z5は故障車両15aの積み込み処理のために停止中を示しており、Z6は故障車両15aの駐車スペースの車両積み下ろし位置に向けて走行中を示しており、Z7は故障車両15aの駐車スペースで車両積み下ろし処理のために停止中を示している。
図16は、故障車両の回収作業を行うための故障車対応処理ルーチンを示しており、このルーチンは、入出庫管理サーバ13の電子制御ユニット20において繰り返し実行される。
図16を参照すると、まず初めに、ステップ500では、自動駐車場3内に存在する故障車両15aの検出が行われる。この故障車両15aの検出は、自動運転車両15から入出庫管理サーバ13に送信される自動運転車両15の故障情報、或いは、各インフラセンサ14により撮影された画像信号に基づいて行われる。次いで、ステップ501では、故障車両15aの検出結果に基づいて、自動駐車場3内に故障車両15aが存在するか否かが判別される。自動駐車場3内に故障車両15aが存在しないと判別されたときには、処理サイクルを終了する。これに対し、自動駐車場3内に故障車両15aが存在すると判別されたときにはステップ502に進んで、故障車両15aに対する対応が完了したか否かが判別される。故障車両15aに対する対応が完了したと判別されたときには、処理サイクルを終了する。これに対し、故障車両15aに対する対応が完了していないと判別されたときにはステップ503に進んで、故障車両15aに対する対応が行われる。
即ち、ステップ503では、図10に示される全ての車両搬送ロボット11の現在の状態が取得される。次いで、ステップ504では、手動運転車両16を搭載している車両搬送ロボット11の中から故障車両15aの搬送に用いる車両搬送ロボット11が決定される。この場合、例えば、故障車両15aの最も近くを走行している車両搬送ロボット11が、故障車両15aの搬送に用いる車両搬送ロボット11として決定されるか、或いは、故障車両15aに後続して走行している車両搬送ロボット11が、故障車両15aの搬送に用いる車両搬送ロボット11として決定される。故障車両15aの搬送に用いる車両搬送ロボット11が決定されると、ステップ505に進んで、故障車両15aの搬送に用いる車両搬送ロボット11が一時停止される。次いで、ステップ506では、この車両搬送ロボット11による故障車両15aの回収処理の要請が発せられる。
故障車両15aの回収処理の要請が発せられると、図12に示される車両搬送ロボットの管理ルーチンにより、故障車両15aの搬送に用いることが決定された車両搬送ロボット11に対して、故障車両15aを回収するのに必要な種々の指令が発せられ、図13に示される車両搬送ロボット11の運転制御ルーチンにより、車両搬送ロボット11の運転が制御される。
即ち、故障車両15aの回収処理の要請が発せられると、図12に示される車両搬送ロボットの管理ルーチンのステップ101において、故障車両15aの回収処理の要請があったと判別され、ステップ102に進む。ステップ102では、故障車両15aの搬送に用いることが決定された車両搬送ロボット11の現在の状態に基づき、車両搬送ロボット11に対する要求処理が決定される。故障車両15aの回収処理の要請があったときには、車両搬送ロボット11の現在の状態は、図11においてZ1で示される故障車両15aの回収に向かうために一時停止中であり、従って、ステップ102では、車両搬送ロボット11を、他車両の走行の邪魔にならない仮駐車スペースK2(図3)まで移動させて手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が次の要求処理として決定される。
ステップ102において、車両搬送ロボット11に対する次の要求処理が決定されると、ステップ103では、車両搬送ロボット11の移動目的地が設定される。このとき、例えば各インフラセンサ14により撮影された画像信号に基づいて、他車両の走行の邪魔にならない仮駐車スペースK2が検索され、検索の結果得られた他車両の走行の邪魔にならない仮駐車スペースK2が、車両搬送ロボット11の移動目的地として設定される。移動目的地が設定されると、ステップ104に進んで、メモリ32内に記憶されている駐車場領域4の地図データに基づいて、乗降場9から仮駐車スペースK2までの走行ルートが設定される。次いで、ステップ105では、他車両や構造物と接触することのない車両搬送ロボット11の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ106では、車両搬送ロボット11の運転実行指令が発せられ、次いで、ステップ107では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、仮駐車スペースK2、走行ルート、走行軌跡、走行速度および運転実行指令が入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に送信される。
入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に運転実行指令が送信されると、図13に示される車両搬送ロボット11の運転制御ルーチンが実行され、車両搬送ロボット11による故障車両15aの回収作業が開始される。即ち、図13を参照すると、まず初めに、ステップ200では、入出庫管理サーバ13において決定された車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、故障車両15aの回収要求が取得される。次いで、ステップ201では、入出庫管理サーバ13において設定された移動目的地、即ち、仮駐車スペースK2が取得され、次いで、ステップ202では、入出庫管理サーバ13において設定された走行ルートが取得され、ステップ203では、入出庫管理サーバ13において設定された走行軌跡および走行速度が取得される。
次いで、ステップ204では、設定された走行軌跡に沿い、車両搬送ロボット11の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等の周辺検知センサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのないように、車両搬送ロボット11の走行制御が行われる。次いで、ステップ205では、車両搬送ロボット11が移動目的地、即ち、仮駐車スペースK2に到達したか否かが判別される。車両搬送ロボット11が移動目的地、即ち、仮駐車スペースK2に到達していないと判別されたときには、ステップ204に戻り、車両搬送ロボット11の自動運転が続行される。一方、ステップ205において、車両搬送ロボット11が移動目的地、即ち、仮駐車スペースK2に到達したと判別されたときにはステップ206に進む。
ステップ206では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が実行される。即ち、台車部51が下降せしめられ、搭載されている手動運転車両16が仮駐車スペースK2の地面上に下ろされ、次いで、全アーム55が後退位置まで回動せしめられ、次いで、車両搬送ロボット11が前進せしめられ、図3においてK3で示されるように台車部51が手動運転車両16の下方から完全に抜け出た走行準備位置に移動せしめられる。ステップ207では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、手動運転車両16を車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が完了したか否かが判別される。車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了していないと判別されたときには、ステップ206に戻り、車両搬送ロボット11に対する要求処理が続行される。一方、ステップ207において、車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了したと判別されたときには、ステップ208に進んで、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請が入出庫管理サーバ13に送信される。
入出庫管理サーバ13が、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請を受信すると、図12に示される車両搬送ロボットの管理ルーチンのステップ101において、処理の要請があったと判別され、ステップ102に進む。ステップ102では、次に実行すべき処理の要請を発した車両搬送ロボット11の現在の状態に基づき、車両搬送ロボット11に対する要求処理が決定される。このとき、車両搬送ロボット11の現在の状態は、図11においてZ3で示される仮駐車スペースK2で車両積み下ろし処理のために停止中であり、従って、ステップ102では、車両搬送ロボット11を、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)に向けて移動させて故障車両15aを車両搬送ロボット11に積み込む処理が次の要求処理として決定される。
ステップ102において、車両搬送ロボット11に対する次の要求処理が決定されると、ステップ103では、車両搬送ロボット11の移動目的地が設定される。このとき、例えば各インフラセンサ14により撮影された画像信号に基づいて、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)が車両搬送ロボット11の移動目的地として設定される。移動目的地が設定されると、ステップ104に進んで、メモリ32内に記憶されている駐車場領域4の地図データに基づいて、走行準備位置K3(図3)から故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)までの走行ルートが設定される。次いで、ステップ105では、他車両や構造物と接触することのない車両搬送ロボット11の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ106では、車両搬送ロボット11の運転実行指令が発せられ、次いで、ステップ107では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)、走行ルート、走行軌跡、走行速度および運転実行指令が入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に送信される。
入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に運転実行指令が送信されると、図13に示される車両搬送ロボット11の運転制御ルーチンが実行され、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)に向けて移動させて故障車両15aを車両搬送ロボット11に積み込む処理が開始される。即ち、図13を参照すると、まず初めに、ステップ200では、入出庫管理サーバ13において決定された車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)に向けて移動させて故障車両15aを車両搬送ロボット11に積み込む要求処理が取得される。次いで、ステップ201では、入出庫管理サーバ13において設定された移動目的地、即ち、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)が取得され、次いで、ステップ202では、入出庫管理サーバ13において設定された走行ルートが取得され、ステップ203では、入出庫管理サーバ13において設定された走行軌跡および走行速度が取得される。
次いで、ステップ204では、設定された走行軌跡に沿い、車両搬送ロボット11の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等の周辺検知センサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのないように、車両搬送ロボット11の走行制御が行われる。次いで、ステップ205では、車両搬送ロボット11が移動目的地、即ち、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)に到達したか否かが判別される。車両搬送ロボット11が移動目的地、即ち、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)に到達していないと判別されたときには、ステップ204に戻り、車両搬送ロボット11の自動運転が続行される。一方、ステップ205において、車両搬送ロボット11が移動目的地、即ち、故障車両15aの積み込み準備位置K4(図3)に到達したと判別されたときにはステップ206に進む。
ステップ206では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、故障車両15aを車両搬送ロボット11に積み込む処理が実行される。即ち、車両搬送ロボット11が後退せしめられて台車部51が故障車両15aの下方に侵入せしめられる。次いで、全アーム55が突出位置まで回動せしめられ、次いで、台車部51が上昇せしめられる。台車部51が上昇せしめられと、故障車両15aの全ての車輪が対応するアーム対55により支承され、それにより、故障車両15aが車両搬送ロボット11に積み込まれる。ステップ207では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、故障車両15aを車両搬送ロボット11に積み込む処理が完了したか否かが判別される。車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了していないと判別されたときには、ステップ206に戻り、車両搬送ロボット11に対する要求処理が続行される。一方、ステップ207において、車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了したと判別されたときには、ステップ208に進んで、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請が入出庫管理サーバ13に送信される。
入出庫管理サーバ13が、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請を受信すると、図12に示される車両搬送ロボットの管理ルーチンのステップ101において、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請があったと判別され、ステップ102に進む。ステップ102では、次に実行すべき処理の要請を発した車両搬送ロボット11の現在の状態に基づき、車両搬送ロボット11に対する要求処理が決定される。このとき、車両搬送ロボット11の現在の状態は、図11においてZ 5 で示される故障車両15aの積み込み処理のために停止中であり、従って、ステップ102では、故障車両15aを積載した車両搬送ロボット11を、例えば、故障車両用の駐車スペースまで移動させて故障車両15aを車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が次の要求処理として決定される。
ステップ102において、車両搬送ロボット11に対する次の要求処理が決定されると、ステップ103では、車両搬送ロボット11の移動目的地が設定される。このとき、例えば各インフラセンサ14により撮影された画像信号に基づいて、例えば、故障車両用の駐車スペースが車両搬送ロボット11の移動目的地として設定される。移動目的地が設定されると、ステップ104に進んで、メモリ32内に記憶されている駐車場領域4の地図データに基づいて、現在位置から、例えば、故障車両用の駐車スペースまでの走行ルートが設定される。次いで、ステップ105では、他車両や構造物と接触することのない車両搬送ロボット11の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ106では、車両搬送ロボット11の運転実行指令が発せられ、次いで、ステップ107では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、例えば、故障車両用の駐車スペース、走行ルート、走行軌跡、走行速度および運転実行指令が入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に送信される。
入出庫管理サーバ13から車両搬送ロボット11に運転実行指令が送信されると、図13に示される車両搬送ロボット11の運転制御ルーチンが実行され、故障車両15aを積載した車両搬送ロボット11を、例えば、故障車両用の駐車スペースまで移動させて故障車両15aを車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が開始される。即ち、図13を参照すると、まず初めに、ステップ200では、入出庫管理サーバ13において決定された車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、故障車両15aを積載した車両搬送ロボット11を、例えば、故障車両用の駐車スペースまで移動させて故障車両15aを車両搬送ロボット11から積み下ろす要求処理が取得される。次いで、ステップ201では、入出庫管理サーバ13において設定された移動目的地、例えば、故障車両用の駐車スペースが取得され、次いで、ステップ202では、入出庫管理サーバ13において設定された走行ルートが取得され、ステップ203では、入出庫管理サーバ13において設定された走行軌跡および走行速度が取得される。
次いで、ステップ204では、設定された走行軌跡に沿い、車両搬送ロボット11の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等の周辺検知センサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのないように、車両搬送ロボット11の走行制御が行われる。次いで、ステップ205では、車両搬送ロボット11が移動目的地、例えば、故障車両用の駐車スペースに到達したか否かが判別される。車両搬送ロボット11が移動目的地、例えば、故障車両用の駐車スペースに到達していないと判別されたときには、ステップ204に戻り、車両搬送ロボット11の自動運転が続行される。一方、ステップ205において、車両搬送ロボット11が移動目的地、例えば、故障車両用の駐車スペースに到達したと判別されたときにはステップ206に進む。
ステップ206では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、例えば、故障車両用の駐車スペースにおいて故障車両15aを車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が実行される。即ち、台車部51が下降せしめられ、搭載されている故障車両15aが、例えば、故障車両用の駐車スペースの地面上に下ろされ、次いで、全アーム55が後退位置まで回動せしめられ、次いで、車両搬送ロボット11が前進せしめられ、台車部51が故障車両15aの下方から完全に抜け出た走行準備位置に移動せしめられる。ステップ207では、車両搬送ロボット11に対する要求処理、即ち、故障車両15aを車両搬送ロボット11から積み下ろす処理が完了したか否かが判別される。車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了していないと判別されたときには、ステップ206に戻り、車両搬送ロボット11に対する要求処理が続行される。一方、ステップ207において、車両搬送ロボット11に対する要求処理が完了したと判別されたときには、ステップ208に進んで、車両搬送ロボット11が次に実行すべき処理の要請が入出庫管理サーバ13に送信される。
次いで、車両搬送ロボット11の次に実行すべき処理が実行される。この場合、手動運転車両16を下した仮駐車スペースK2(図3)まで車両搬送ロボット11を移動させて手動運転車両16を車両搬送ロボット11に積み戻す処理、或いは、車両搬送ロボット11を待機場所10まで戻す処理が、次に実行すべき処理とされる。
なお、これまで説明してきた車両搬送ロボット11による故障車両15aの回収作業は、一般道路上で車両を搬送している車両搬送ロボット11により他の車両を搬送する場合にも適用可能である。
従って、本発明による実施例では、車両搬送管理システムが、車両を搬送するために自動運転される車両搬送ロボット11と、車両搬送ロボット11の運転を管理する管理サーバ13とを具備しており、車両搬送ロボット11により車両の搬送中に他の車両の搬送要請があったときには、搬送中の車両が車両搬送ロボット11から積み下ろされて他の車両が車両搬送ロボット11に積み込まれ、それにより、他の車両が車両搬送ロボット11により回収される。このように、車両搬送ロボット11により車両の搬送中に他の車両の搬送要請があったときに、搬送中の車両を車両搬送ロボット11から積み下ろして他の車両を車両搬送ロボット11により積み込むことにより、搬送要請のあった車両を、搬送要請から短時間のうちに車両搬送ロボットにより搬送することが可能となる。
更に、本発明による実施例では、車両を搬送するための車両搬送ロボット11により車両の搬送中に他の車両の搬送要請があったときには、搬送中の車両を車両搬送ロボット11から積み下ろして他の車両を車両搬送ロボット11に積み込み、他の車両を車両搬送ロボット11により回収する車両搬送管理方法が提供される。また、車両を搬送するための車両搬送ロボット11により車両の搬送中に他の車両の搬送要請があったときには、搬送中の車両を車両搬送ロボット11から積み下ろして他の車両を車両搬送ロボット11に積み込み、他の車両を車両搬送ロボット11により回収させるよう、コンピュータに機能させるプログラムが提供される。
また、本発明による実施例では、管理サーバ13により、手動運転車両16および自動運転車両15が駐車可能な自動駐車場3の入出庫管理が行われ、自動駐車場3への入庫時には、自動運転車両15は設定された駐車スペース5に自動運転により移動せしめられると共に手動運転車両16は設定された駐車スペース5に車両搬送ロボット11により搬送され、自動駐車場3内において自動運転車両15が故障して停止しているときには、搬送中の手動運転車両16が車両搬送ロボット11から積み下ろされて故障した自動運転車両15が車両搬送ロボット11に積み込まれ、それにより、故障した自動運転車両15が車両搬送ロボット11により回収される。
この場合、本発明による実施例では、管理サーバ13により、故障して停止している自動運転車両15の存在が監視されており、管理サーバ13により、故障して停止している自動運転車両15の存在が認識されたときには、入庫のために搬送中の手動運転車両16が車両搬送ロボット11から積み下ろされた後、車両搬送ロボット11が故障した自動運転車両15に向かわされ、故障した自動運転車両15が車両搬送ロボット11に積み込まれる。この場合、車両搬送ロボット11から、搬送中の手動運転車両16が交通の邪魔とならない場所に積み下ろされる。なお、この場合、車両搬送ロボット11から積み下ろされた手動運転車両16の入庫処理に遅れが生じることになるが、手動運転車両16の入庫処理に遅れが生じたとしても、大きな問題は生じない。
一方、本発明による実施例では、管理サーバ13により、故障して停止している自動運転車両15の存在が認識されたときには、手動運転車両16を入庫のために搬送中の車両搬送ロボット11の中から、故障して停止している自動運転車両15に最も近い位置に存在する車両搬送ロボット11が検索され、検索された車両搬送ロボット11により搬送中の手動運転車両16が車両搬送ロボット11から積み下ろされた後、車両搬送ロボット11が故障した自動運転車両15に向かわされ、故障した自動運転車両15が車両搬送ロボット11に積み込まれる。また、本発明による実施例では、管理サーバ13により、故障した自動運転車両15の存在が認識されたときには、手動運転車両16を入庫のために搬送中の車両搬送ロボット11の中から、故障した自動運転車両15に後続して移動している車両搬送ロボット11が検索され、検索された車両搬送ロボット11により搬送中の手動運転車両16が車両搬送ロボット11から積み下ろされた後、車両搬送ロボット11が故障した自動運転車両15に向かわされ、故障した自動運転車両15が車両搬送ロボット11に積み込まれる。
更に、本発明による実施例では、管理サーバ13により、故障した更に別の自動運転車両15の存在が認識されたときには、搬送中の故障した自動運転車両15が車両搬送ロボット11から積み下ろされて故障した別の自動運転車両15が車両搬送ロボット11に積み込まれ、それにより、故障した別の自動運転車両15が車両搬送ロボット11により回収される。