JP7632314B2 - ガラス組成物および複合粉末材料 - Google Patents
ガラス組成物および複合粉末材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7632314B2 JP7632314B2 JP2021574675A JP2021574675A JP7632314B2 JP 7632314 B2 JP7632314 B2 JP 7632314B2 JP 2021574675 A JP2021574675 A JP 2021574675A JP 2021574675 A JP2021574675 A JP 2021574675A JP 7632314 B2 JP7632314 B2 JP 7632314B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composite powder
- less
- powder material
- glass
- glass composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C12/00—Powdered glass; Bead compositions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C14/00—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
- C03C14/004—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/089—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
- C03C3/091—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C8/00—Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
- C03C8/14—Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2214/00—Nature of the non-vitreous component
- C03C2214/04—Particles; Flakes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2214/00—Nature of the non-vitreous component
- C03C2214/20—Glass-ceramics matrix
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
一方、電極に銅を用いた場合では、ガラスセラミックスへの拡散は起こりにくい。しかし焼成時に銅が酸化して酸化銅となることで電気抵抗が上昇し、性能が低下してしまう。そのため、酸素のない還元雰囲気下での焼成を必要とする。このような還元雰囲気下での焼成には、大掛かりな製造設備が必要となり量産が容易ではない。
具体的には、複合粉末材料の低温度での焼成とは、870℃での焼成や、870℃~900℃といった広い低温度域での均質な焼成を目的とする。低誘電率とは、誘電率6.5以下を目的とする。低誘電損失とは、誘電損失の逆数で表されるQ値が、測定周波数が1MHzである場合には500以上であり、測定周波数が14GHz~16GHzである場合には450以上を目的とする。
また、本発明は当該ガラス組成物を粉末として含み、上記特性を有する複合粉末材料を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] Li2Oと、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を60%~67%、B2O3を20%~29%、CaOを3%~9%、およびAl2O3を3%~6%と、を含み、Li2O、Na2O、およびK2Oの含有量のモル比(Li2O:Na2O:K2O)が1:0~1.9:0~0.9であるガラス組成物。
[2] Li2O、Na2O、およびK2Oの含有量の合計が、酸化物基準のモル%表示で0.3%~1.0%である、前記[1]に記載のガラス組成物。
[3] 収縮開始温度が790℃以上である、前記[1]または[2]に記載のガラス組成物。
[4] 軟化点が900℃以下である、前記[1]~[3]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[5] Li2Oの含有量が、酸化物基準のモル%表示で0.2%~1.0%である、前記[1]~[4]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[6] ガラス粉末を45質量%~55質量%、アルミナフィラーを45質量%~55質量%含む複合粉末材料であって、前記ガラス粉末は前記[1]~[5]のいずれか1に記載のガラス組成物からなる粉末である、複合粉末材料。
[7] ガラス転移温度が650℃以上である、前記[6]に記載の複合粉末材料。
[8] 収縮開始温度が820℃以上である、前記[6]又は[7]に記載の複合粉末材料。
[9] 軟化点が900℃以下である、前記[6]~[8]のいずれか1に記載の複合粉末材料。
[10] 複合粉末材料を、870℃で20分間焼成して得られる焼成体を焼成体(A)、870℃で60分間焼成して得られる焼成体を焼成体(B)とした際に、{焼成体(B)の密度/焼成体(A)の密度}×100で表される割合が98.0%~102.0%である、前記[6]~[9]のいずれか1に記載の複合粉末材料。
[11] 複合粉末材料を、870℃で60分間焼成して得られる焼成体を焼成体(B)、900℃で60分間焼成して得られる焼成体を焼成体(C)とした際に、{焼成体(B)の密度/焼成体(C)の密度}×100で表される割合が99.0%~101.0%である、前記[6]~[10]のいずれか1に記載の複合粉末材料。
まず、本発明のガラス組成物の実施形態について説明する。本実施形態のガラス組成物は、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を60%~67%、B2O3を20%~29%、CaOを3%~9%、およびAl2O3を3%~6%含む。また、Li2Oを含み、Li2O、Na2O、およびK2Oの含有量のモル比(Li2O:Na2O:K2O)が1:0~1.9:0~0.9であるガラス組成物である。
ガラスの安定化、および低誘電率化の観点から、本実施形態のガラス組成物のSiO2の含有量は60%以上とし、好ましくは62%以上、より好ましくは63%以上とする。
一方、ガラスの溶融性を確保し、均質なガラスを安価に生産できるようにするために、本実施形態のガラス組成物のSiO2の含有量は67%以下とし、好ましくは66.5%以下、より好ましくは66%以下とする。
900℃以下の温度での焼結性の確保のために、本実施形態のガラス組成物のB2O3の含有量は20%以上とし、好ましくは23%以上、より好ましくは24%以上とする。
一方、溶解時のガラスの分相を防ぐために、本実施形態のガラス組成物のB2O3の含有量は29%以下とし、好ましくは27%以下、より好ましくは26%以下とする。分相しやすいガラスは、安定な量産に適さない。
ガラスの分相を防ぐために、本実施形態のガラス組成物のAl2O3の含有量は3%以上とし、好ましくは3.5%以上、より好ましくは4%以上とする。
一方、ガラスの溶解温度の高温化を抑制するために、本実施形態のガラス組成物のAl2O3の含有量は6%以下とし、好ましくは5.7%以下、より好ましくは5.5%以下とする。溶解温度が高すぎるガラスは、量産に適さない。
900℃以下の温度での焼結性の確保のために、本実施形態のガラス組成物のCaOの含有量は3%以上とし、好ましくは3.5%以上、より好ましくは4%以上とする。
一方、低誘電率化のために、本実施形態のガラス組成物のCaOの含有量は9%以下とし、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下とする。
上記の知見より、本実施形態のガラス組成物のLi2O、Na2O、およびK2Oの含有量のモル比(Li2O:Na2O:K2O)は1:0~1.9:0~0.9とする。
すなわち、本実施形態のガラス組成物は、Li2Oは必須成分として含有する。一方、Na2O、K2Oは含有してもしなくてもよい。
一方、高周波における誘電損失の低減のためには、本実施形態のガラス組成物におけるLi2O、Na2O、およびK2Oの含有量の合計は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.9%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
一方、低誘電率化のために、本実施形態のガラス組成物のBaOの含有量は9%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下とする。
一方、低誘電率化のために、本実施形態のガラス組成物のSrOの含有量は9%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下とする。
一方、低誘電率化のために、それらの含有量は9%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下とする。
含有しうる他の成分の合計の含有量は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
次に、本実施形態の複合粉末材料について説明する。本実施形態の複合粉末材料は、上記のガラス組成物からなるガラス粉末を45質量%~55質量%、及びアルミナフィラーを45質量%~55質量%含むことが好ましい。
本実施形態の複合粉末材料において、ガラス粉末の含有量を45質量%以上とすることにより、900℃以下の温度での十分な焼結性を実現できる。したがって、本実施形態の複合粉末材料におけるガラス粉末の含有量は45質量%以上が好ましく、より好ましくは47質量%以上、さらに好ましくは48質量%以上とする。
一方、本実施形態の複合粉末材料において、ガラス粉末の含有量を55質量%以下とすることにより、後述するアルミナフィラーを十分量含有でき、高周波において十分に低い誘電損失を得られる。したがって、本実施形態の複合粉末材料におけるガラス粉末の含有量は55質量%以下が好ましく、より好ましくは53質量%以下、さらに好ましくは51質量%以下とする。
一方、平均粒径D50が小さすぎるガラス粉末は、工業的に製造する場合の製造コストが高い。したがって、本実施形態におけるガラス粉末の平均粒径D50は、0.5μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。
なお、レーザー回折法により測定した体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を「平均粒径D50」とする。
一方、本実施形態の複合粉末材料において、アルミナフィラーの含有量を55質量%以下とすることにより、900℃以下の温度での十分な焼結性を実現できる。したがって、本実施形態の複合粉末材料におけるアルミナフィラーの含有量は55質量%以下が好ましく、より好ましくは53質量%以下、さらに好ましくは52質量%以下とする。
一方、抗折強度の向上のためには、本実施形態におけるアルミナフィラーの平均粒径D50は、0.3μm以上が好ましく、0.6μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。
当該割合は、X線結晶構造解析により求められる。
マグネシアフィラーは、複合粉末材料をグリーンシート化した後に耐水性の低いガラス粉末からオルトホウ酸が析出することを防ぐ効果を有する成分である。オルトホウ酸がグリーンシート表面に析出していると、積層、焼成後に積層した界面で接着不良を起こし、剥がれ、割れ等の不具合が生じる。なお、オルトホウ酸の析出は、マグネシアフィラーの添加の他、例えばグリーンシートを低温低湿に保つ、保管時間の短縮等の方法によっても防げる。そのため、本実施形態の複合粉末材料において、マグネシアフィラーは必須成分ではない。
一方、マグネシアフィラーの含有量が増えすぎると、900℃以下の温度での焼結性が不十分となる恐れがある。したがって、本実施形態の複合粉末材料における、マグネシアフィラーの含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
可塑剤も特に限定はされず、通常グリーンシート法において用いられるものを用いればよいが、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を用使用できる。
溶媒も特に限定されず、通常グリーンシート法において用いられるものを用いればよいが、例えばトルエン、キシレン、ブタノール等を使用できる。
スラリーの成型方法も特に限定されないが、例えばドクターブレード法が挙げられる。
その後、グリーンシートが必要に応じて複数枚積層され、また、所望の形状に切断されて、焼成されることにより焼成体(基板)が得られる。
一方、焼成する際の温度は、十分に焼成を進行させるためには、好ましくは850℃以上、より好ましくは860℃以上である。
本実施形態の複合粉末材料を焼成する時間は、特に限定されないが、例えば20分~60分程度である。
また、本実施形態の複合粉末材料のガラス転移温度Tgは、低すぎると、複合粉末材料の焼成に適した温度にしても、焼成する際のスラリー化に用いた樹脂成分が分解されずにそのまま、又は炭素成分として、焼成体内部に残留してしまい、緻密な焼成体形成の妨げとなり得る。そのため、本実施形態の複合粉末材料のガラス転移温度Tgは好ましくは650℃以上、より好ましくは665℃以上、さらに好ましくは680℃以上である。また本実施形態の複合粉末材料のガラス転移温度Tgは、複合粉末材料の焼成温度を低温化する観点から、好ましくは730℃以下、より好ましくは715℃以下、さらに好ましくは710℃以下である。
したがって、本実施形態の複合粉末材料は、実施例の欄に記載の方法で焼成して測定された、870℃で60分間焼成して得られた焼成体(焼成体(B))の密度と、900℃で60分間焼成して得られた焼成体(焼成体(C))の密度との比((焼成体(B)の密度/焼成体(C)の密度)×100で表される割合)が、101.0%以下であることが好ましく、100.8%以下であることがより好ましく、100.5%以下であることがさらに好ましい。
また、かかる割合は99.0%以上であることが好ましく、99.2%以上であることがより好ましく、99.5%以上であることがさらに好ましい。
したがって、本実施形態の複合粉末材料は、実施例の欄に記載の方法で焼成して測定された、870℃で60分間焼成して得られた焼成体(焼成体(B))の密度と、870℃で20分間焼成して得られた焼成体(焼成体(A))の密度との比((焼成体(B)の密度/焼成体(A)の密度)×100で表される割合)が、102.0%以下であることが好ましく、101.5%以下であることがより好ましく、101.0%以下であることがさらに好ましい。
また、かかる割合は98.0%以上であることが好ましく、98.5%以上であることがより好ましく、99.0%以上であることがさらに好ましい。
かかるQ値の意義について、以下に説明する。
Q値は誘電損失の逆数であることから、Q値が大きいことは、誘電損失が低いことを意味する。LTCCは、層間の厚みを狭くして小型化するため、配線間の距離を狭くして緻密化するため、高機能化するため等の種々の目的により、材料自体の誘電率は低ければ低いほど好ましい。一般的に銀電極が使用可能なLTCC用グリーンシートが、Dupont社、Ferro社などから市販されている。この誘電率は7~8程度である。この誘電率から、設計上の有意性がある0.5以上低い誘電率の値を示すことが好ましい。
Q値が500以上である場合、LTCCとして通信で使用する場合に、該当する周波数での受信感度、発信感度が良好であり、電力の使用量も大きくなりすぎないため、好ましい。
なお、本明細書において高周波とは、14GHz以上であり、14GHz~16GHzの周波数範囲において、誘電率及びQ値が上記範囲を満たすことが好ましい。
表1に示したガラス組成となるようにガラス原料を調合して混合し、1550℃~1650℃の電気炉中で白金ルツボを用いて2時間溶融し、薄板状ガラスに成形してガラス組成物を得た。その後、ボールミルで粉砕し、D50=2.0μmの各ガラス組成物の粉末を得た。例1-1~例1-4が実施例であり、例1-5~例1-12が比較例である。
得られた各ガラス組成物の粉末について、示差熱分析装置を用いて、収縮開始温度Sp、および軟化点Tsの評価を行った。結果を表1に示す。
得られた各ガラス組成物の粉末、アルミナフィラー(純度99.9%、コランダム単結晶)、およびマグネシアフィラー(純度99.9%)を、表2に示す比率で混合し、アルコール溶剤を用いた湿式ボールミルにて1時間混合し、脱水ろ過、乾燥させることで、各複合粉末材料を得た。なお、例2-1の複合粉末材料は例1-1のガラス組成物の粉末を用いたものであり、同様に、例2-2~例2-12の複合粉末材料は、それぞれ例1-2~例1-12のガラス組成物の粉末を用いたものである。例2-1~例2-4が実施例であり、例2-5~例2-12が比較例である。
得られた各複合粉末材料について、示差熱分析装置を用いて、ガラス転移温度Tg、収縮開始温度Sp、および軟化点Tsの評価を行った。結果を表2に示す。
また、直径30mmの金型に複合粉末材料を3g入れ、200MPaの圧力で圧粉したものを、870℃で20分間、870℃で60分間、又は900℃で60分間、焼成した焼成体を得て、密度、誘電率及びQ値の測定を行った。各測定方法は下記に示すとおりであり、結果を表2に示す。表2中、焼成体(A)とは870℃で20分間焼成したもの、焼成体(B)とは870℃で60分間焼成したもの、焼成体(C)とは900℃で60分間焼成したものをそれぞれ意味する。
各複合粉末材料を各焼成条件で焼成して得られた焼成体の密度を、アルキメデス法により測定した。
誘電特性の測定は、LCRメーター(Agilent製、4192A)を用いて、各複合粉末材料の焼成体を所定形状(直径20mm、厚さ3mm)の円柱状とし、JIS C 2138(2007)に準拠した方法で、20℃、1MHzにおける誘電率および誘電損失を測定した。Q値は誘電損失の逆数として算出した。
例2-1~例2-4及び例2-12の複合粉末材料について、870℃で20分間焼成して焼成体(焼成体(A))を得て、高周波における誘電特性の測定を行った。例2-1~例2-4の複合粉末材料は、870℃で60分間焼成して得られた焼成体(焼成体(B))、および900℃で60分間焼成して得られた焼成体(焼成体(C))の1MHzでの誘電特性が良好であって、焼成体(C)の密度に対する焼成体(B)の密度の割合が良好だった材料である。
高周波での誘電特性は、キーサイト・テクノロジー社製PNAネットワークアナライザN5227Aを用いて、JIS R 1627(1996)に準ずる方法にて、測定を行った。測定周波数は結果と共に表2に示した。
一方、例1-5~例1-12のガラス組成物の粉末を含む例2-5~例2-12の複合粉末材料は、前述の誘電率、Q値、焼結性の観点のいずれか1以上で劣っていた。またアルカリ金属酸化物を含まない例1-12のガラス組成物の粉末を含む例2-12の複合粉末材料においては、ガラス組成物の割合を増やし、アルミナフィラーの割合を減らしたが、870℃で20分間焼成して得られた焼成体(A)の密度に対する870℃で60分間焼成して得られた焼成体(B)の密度の割合が104.0%と著しく悪く、実施例に比べて焼結性に大きく劣った。また、870℃で20分間焼成して得られた焼成体(A)の約15GHzといった高周波におけるQ値も67と大きく劣った。
本出願は、2020年1月28日出願の日本特許出願2020-011937に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (12)
- 酸化物基準のモル%表示で、Li 2 Oを0.2%~1.0%、SiO2を62%~67%、B2O3を20%~29%、CaOを3%~9%、およびAl2O3を3%~6%と、を含み、
Li2O、Na2O、およびK2Oの含有量のモル比(Li2O:Na2O:K2O)が1:0~1.9:0~0.9であるガラス組成物。 - 請求項1に記載のガラス組成物(但し、酸化物基準のモル%表示で、ZnOを0.5モル%以上含むものを除く。)。
- Li 2 Oと、酸化物基準のモル%表示で、SiO 2 を62%~67%、B 2 O 3 を20%~29%、CaOを3%~9%、およびAl 2 O 3 を3%~6%と、を含み、
Li 2 O、Na 2 O、およびK 2 Oの含有量のモル比(Li 2 O:Na 2 O:K 2 O)が1:0~1.9:0~0.9であり、
Li2O、Na2O、およびK2Oの含有量の合計が、酸化物基準のモル%表示で0.3%~1.0%である、ガラス組成物。 - 収縮開始温度が790℃以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス組成物。
- 軟化点が900℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス組成物。
- Li2Oの含有量が、酸化物基準のモル%表示で0.2%~1.0%である、請求項3に記載のガラス組成物。
- ガラス粉末を45質量%~55質量%、アルミナフィラーを45質量%~55質量%含む複合粉末材料であって、
前記ガラス粉末は請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス組成物からなる粉末である、複合粉末材料。 - ガラス転移温度が650℃以上である、請求項7に記載の複合粉末材料。
- 収縮開始温度が820℃以上である、請求項7又は8に記載の複合粉末材料。
- 軟化点が900℃以下である、請求項7~9のいずれか1項に記載の複合粉末材料。
- 複合粉末材料を、870℃で20分間焼成して得られる焼成体を焼成体(A)、870℃で60分間焼成して得られる焼成体を焼成体(B)とした際に、{焼成体(B)の密度/焼成体(A)の密度}×100で表される割合が98.0%~102.0%である、請求項7~10のいずれか1項に記載の複合粉末材料。
- 複合粉末材料を、870℃で60分間焼成して得られる焼成体を焼成体(B)、900℃で60分間焼成して得られる焼成体を焼成体(C)とした際に、{焼成体(B)の密度/焼成体(C)の密度}×100で表される割合が99.0%~101.0%である、請求項7~11のいずれか1項に記載の複合粉末材料。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020011937 | 2020-01-28 | ||
JP2020011937 | 2020-01-28 | ||
PCT/JP2021/001923 WO2021153388A1 (ja) | 2020-01-28 | 2021-01-20 | ガラス組成物および複合粉末材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2021153388A1 JPWO2021153388A1 (ja) | 2021-08-05 |
JP7632314B2 true JP7632314B2 (ja) | 2025-02-19 |
Family
ID=77079879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021574675A Active JP7632314B2 (ja) | 2020-01-28 | 2021-01-20 | ガラス組成物および複合粉末材料 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20220363590A1 (ja) |
JP (1) | JP7632314B2 (ja) |
CN (1) | CN115103822A (ja) |
TW (1) | TWI868298B (ja) |
WO (1) | WO2021153388A1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010006690A (ja) | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Korea Inst Of Science & Technology | 低温焼成用低誘電率誘電体セラミック組成物 |
JP2010531287A (ja) | 2007-11-01 | 2010-09-24 | コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 高強度及び高q値を有する低温焼成用誘電体セラミック組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07101751A (ja) * | 1993-10-01 | 1995-04-18 | Toto Ltd | コランダム析出素地及びその製造方法 |
MX2018013441A (es) * | 2017-11-07 | 2020-01-30 | Ferro Corp | Composiciones dielectricas con k baja para aplicaciones de alta frecuencia. |
-
2021
- 2021-01-20 WO PCT/JP2021/001923 patent/WO2021153388A1/ja active Application Filing
- 2021-01-20 CN CN202180011014.1A patent/CN115103822A/zh active Pending
- 2021-01-20 JP JP2021574675A patent/JP7632314B2/ja active Active
- 2021-01-26 TW TW110102799A patent/TWI868298B/zh active
-
2022
- 2022-07-26 US US17/814,982 patent/US20220363590A1/en active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010531287A (ja) | 2007-11-01 | 2010-09-24 | コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 高強度及び高q値を有する低温焼成用誘電体セラミック組成物 |
JP2010006690A (ja) | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Korea Inst Of Science & Technology | 低温焼成用低誘電率誘電体セラミック組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2021153388A1 (ja) | 2021-08-05 |
TW202138324A (zh) | 2021-10-16 |
WO2021153388A1 (ja) | 2021-08-05 |
CN115103822A (zh) | 2022-09-23 |
US20220363590A1 (en) | 2022-11-17 |
TWI868298B (zh) | 2025-01-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2004094338A1 (ja) | 誘電体形成用無鉛ガラス、誘電体形成用ガラスセラミックス組成物、誘電体および積層誘電体製造方法 | |
WO2018034271A1 (ja) | ガラス | |
JPWO2008018408A1 (ja) | ガラスセラミック組成物、ガラスセラミック焼結体および積層セラミック電子部品 | |
WO2005108327A1 (ja) | 積層誘電体製造方法 | |
JP4228344B2 (ja) | ガラス粉末、ガラスセラミック誘電体材料、焼結体及び高周波用回路部材 | |
JP2006124201A (ja) | 無鉛ガラス、ガラスセラミックス組成物および誘電体 | |
JP2006012687A (ja) | 低温焼成基板材料及びそれを用いた多層配線基板 | |
TWI784286B (zh) | 玻璃粉末、介電體材料、燒結體及高頻用電路構件 | |
JP7632314B2 (ja) | ガラス組成物および複合粉末材料 | |
JP2004339049A (ja) | 誘電体形成用無鉛ガラス、誘電体形成用ガラスセラミックス組成物、誘電体および積層誘電体製造方法 | |
JP7348587B2 (ja) | ガラスセラミック誘電体 | |
JP4229045B2 (ja) | 電子回路基板および電子回路基板作製用無鉛ガラス | |
KR100664979B1 (ko) | 글라스 프릿트와 그 제조방법, 이를 이용하는 외부전극용페이스트 조성물 및 적층세라믹 커패시터 | |
US11939258B2 (en) | Glass powder, dielectric material, sintered body, and high frequency circuit member | |
JP5070723B2 (ja) | 積層誘電体および層状誘電体の製造方法 | |
JP2006256956A (ja) | ガラスセラミックス焼結体及びマイクロ波用回路部材 | |
JPWO2014196348A1 (ja) | セラミック基板用組成物およびセラミック回路部品 | |
JP6048665B2 (ja) | ガラスセラミックス用材料及びガラスセラミックス | |
JP4407199B2 (ja) | 結晶化無鉛ガラス、ガラスセラミックス組成物、グリーンシートおよび電子回路基板 | |
JP2007302541A (ja) | 積層誘電体および層状誘電体の製造方法 | |
WO2009119433A1 (ja) | 無鉛ガラス及び無鉛ガラスセラミックス用組成物 | |
JP2005217170A (ja) | 複合積層セラミック電子部品 | |
JPH1160266A (ja) | ガラス及びガラスセラミック材料 | |
JP2024098864A (ja) | ガラスセラミックス組成物及びその製造方法、並びに、焼成体の製造方法 | |
JP2005126250A (ja) | ガラスセラミックス組成物および電子回路基板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20240806 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240913 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20241022 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20241206 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20250107 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20250120 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7632314 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |