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JP7630296B2 - 火力発電プラントの運転支援方法及び運転支援装置 - Google Patents

火力発電プラントの運転支援方法及び運転支援装置 Download PDF

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JP7630296B2 JP2021023526A JP2021023526A JP7630296B2 JP 7630296 B2 JP7630296 B2 JP 7630296B2 JP 2021023526 A JP2021023526 A JP 2021023526A JP 2021023526 A JP2021023526 A JP 2021023526A JP 7630296 B2 JP7630296 B2 JP 7630296B2
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Description

本発明は、火力発電プラントの運転支援方法及び運転支援装置に係り、特に炭素クレジットをくみあわせてCO排出量と発電コストの最適化をはかる運転支援方法及び運転支援装置に関する。
火力発電プラントでは、種々の燃料をガスタービンの燃焼器やボイラの火炉にて燃焼させて、その熱源を用いて発電を行っている。近年では、燃焼排ガスの環境負荷低減のため、カーボンオフセットできる燃料(バイオマス等)や、カーボンフリー燃料(水素・アンモニア等)を用いることが進められている。
特許文献1には、最も発電コストが安い発電設備の運用計画を採用する際に、各発電設備から排出される環境負荷(CO排出量含む)に基づいて環境税などの環境負担費を発電コストに反映することが開示されている。
特許3787761号公報
火力発電プラントでは、燃料の変更以外にも、運転方法を工夫することでCO排出量を削減できる。また、森林管理や木材の有効活用によるCO吸収や炭素固定化による効果を評価して、COオフセット量を炭素クレジットとして購入することもできる。
しかし、火力発電プラントの燃料、運転条件及び炭素クレジットの組合せパターンは無数にあり、CO排出量と発電コストの両方の観点から最適な組合せを選択するのは困難を伴う。また、火力発電プラントの燃料、運転条件の変更によるCO削減(CO排出量の削減)と、炭素クレジットによるCO削減(CO吸収や固定化によるオフセット)とは、本来意味合いが異なるものであり、CO削減に対する費用対効果を別々に評価したいというニーズがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、CO排出量と発電コストの両方の観点から最適な炭素クレジットを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができる火力発電プラントの運転支援方法及び運転支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載の構成を備える。その一例をあげるならば、本発明は、火力発電プラントの燃料の価格と、炭素クレジットの価格及びCOオフセット量を含む炭素クレジット情報とを読み込む入力ステップと、前記火力発電プラントの燃料、運転条件及び炭素クレジットの組合せを変化させて、それぞれの組合せにおける実CO排出量と、当該実CO2排出量から前記炭素クレジットによるCOオフセット量を引いた正味CO排出量と、前記燃料の価格を考慮した実発電コストと、当該実発電コストに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストとを演算する演算ステップと、前記正味CO排出量及び前記正味発電コストが所定の選択条件を満たす前記燃料、前記運転条件、及び前記炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する最適化ステップと、選択された前記最適条件と、当該最適条件における前記実CO排出量、前記正味CO排出量、前記実発電コスト、及び前記正味発電コストと、を出力する出力ステップと、を含む火力発電プラントの運転支援方法である。又は、同じ機能を有する火力発電プラントの運転支援装置である。
本発明によれば、CO排出量と発電コストの両方の観点から最適な炭素クレジットを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができる火力発電プラントの運転支援方法及び運転支援装置を提供できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
ボイラを表す概略構成図 ボイラの運転支援システム10の概略説明図 運転支援装置のハードウェア構成を示す図 ボイラの運転支援装置100による処理の示すフローチャート 運転データの取得から予測モデル構築までの処理の詳細を示すフローチャート 演算部での演算内容を示す図 最適化部、最適条件評価部での演算内容の例を示す図 出力部での出力画面の例を示す図 ボイラでの運転支援の例を示す図 運転支援装置100を用いたビジネスモデルの例を示す図
以下に添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。全図を通じて同一の構成、ステップには同一の符号を付し、重複説明を省略する。
本実施形態では、火力発電プラントとしてボイラを例にとって説明をする。図1は、ボイラ1の概略構成図である。本実施形態のボイラ1は、石炭やバイオマスなどの固体燃料を微粉化し、石炭の専焼運転、及び石炭とバイオマス等、複数種類の燃料の混焼運転が可能なボイラ1である。
ボイラ1は、火炉11と燃焼装置12と煙道13を有している。火炉11は、例えば四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11は、壁面が、蒸発管(伝熱管)と蒸発管を接続するフィンとで構成され、蒸発管内を流れる給水や蒸気と火炉11内の燃焼ガスとが熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。具体的には、火炉11の側壁面には、複数の蒸発管が例えば鉛直方向に沿って配置され、水平方向に並んで配置されている。フィンは、蒸発管と蒸発管との間を閉塞している。火炉11は、炉底に傾斜面62が設けられており、傾斜面62に炉底蒸発管70が設けられて底面となる。
燃焼装置12は、この火炉11を構成する火炉壁の鉛直下部側に設けられている。本実施形態では、この燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ(例えば21,22,23,24,25)を有している。例えば、この燃焼バーナ(バーナ)21,22,23,24,25は、火炉11の周方向に沿って均等間隔で複数配設されている。但し、火炉の形状、バーナの配置や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
この各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭供給管26,27,28,29,30を介して粉砕機(微粉炭機/ミル:補機に相当する。)31,32,33,34,35に連結されている。石炭が図示しない搬送系統で搬送されて、この粉砕機31,32,33,34,35に投入されると、ここで所定の微粉の大きさに粉砕され、搬送用空気(1次空気)と共に微粉炭供給管26,27,28,29,30から燃焼バーナ21,22,23,24,25に粉砕された石炭(微粉炭)を供給することができる。
また、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37bの一端部が連結されて、他端部は空気を供給する空気ダクト37aに連結点37dにおいて連結される。
また、火炉11の鉛直方向上方には煙道13が連結されており、この煙道13に蒸気を生成するための複数の熱交換器(41,42,43,44,45,46,47)が配置されている。そのため、燃焼バーナ21,22,23,24,25が火炉11内に微粉化燃料と燃焼用空気との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスを生成されて煙道13に流れる。そして、燃焼ガスにより火炉壁及び熱交換器(41~47)を流れる給水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成され、生成された過熱蒸気を供給して図示しない蒸気タービンを回転駆動させ、蒸気タービンの回転軸に連結した図示しない発電機を回転駆動して発電を行うことができる。また、この煙道13は、排ガス通路48が連結され、燃焼ガスの浄化を行うための脱硝装置50、送風機38から空気ダクト37aへ送気する空気と排ガス通路48を送気する排ガスとの間で熱交換を行うエアヒータ49、煤塵処理装置51、誘引送風機52などが設けられ、下流端部に煙突53が設けられている。なお、脱硝装置50は排ガス基準を満足できれば設けなくてもよい。
本実施形態の火炉11は、微粉炭の搬送用空気(1次空気)及び風箱36から火炉11に投入される燃焼用空気(2次空気)による燃料過剰燃焼後、新たに燃焼用空気(アフタエア)を投入して燃料希薄燃焼を行わせる、所謂2段燃焼方式の火炉である。そのため、火炉11にはアフタエアポート39が備えられ、アフタエアポート39に空気ダクト37cの一端部が連結され、他端部は連結点37dにおいて空気を供給する空気ダクト37aに連結される。なお、2段燃焼方式を採用しない場合、アフタエアポート39は設けなくてもよい。
送風機38から空気ダクト37aに送気された空気は、エアヒータ49で燃焼ガスと熱交換により温められ、連結点37dにおいて空気ダクト37bを経由して風箱36へ導かれる2次空気と、空気ダクト37cを経由してアフタエアポート39へと導かれるアフタエアとに分岐する。
図2は、ボイラ1の運転支援システム10の概略説明図である。運転支援システム10は、ボイラ1と、ボイラ1の運転支援装置100と、ボイラ1の運転制御装置120とを含んで構成される。
運転支援装置100は、ボイラ1のCO排出量と発電コストの両方の観点から最適な燃料、運転条件及び炭素クレジットの組合せを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができることを目的とする。
運転支援装置100は、データ取得部110、運転データ記憶部112、データ抽出部114、モデル構築部220、モデル記憶部222、演算部230、条件記憶部232、最適化部240、最適条件評価部242、出力部250、入力部260を含む。各部の機能は後述する。
図3は、運転支援装置100のハードウェア構成を示す図である。運転支援装置100は、プロセッサ301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、入力I/F305、出力I/F306、及び通信I/F307を含み、これらがバス308を介して互いに接続されたコンピュータを用いて構成される。プロセッサ301は、GPU(Graphics Processing Un
it)でもCPU(Central Processing Unit)でもよく、演算機能を実行するデバイスであれば種類を問わない。また、運転支援装置100のハードウェア構成は上記に限定されず、制御回路と記憶装置との組み合わせにより構成されてもよい。運転支援装置100は、運転支援装置100の各機能を実現する運転支援プログラムをプロセッサ301が実行する、又は制御回路が演算することにより構成される。
入力I/F305には、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力装置311が接続される。
出力I/F306には、LCD等からなるディスプレイ312が接続される。
通信I/F307には、ボイラ1及び運転制御装置120のそれぞれが接続される。
図4は、ボイラ1の運転支援システム10による燃料、運転条件、炭素クレジットの最適条件を選定し、その結果を評価した上で出力するまでの主な流れを示すフローチャートである。
<S1:モデル構築ステップ>
運転支援装置100のモデル構築部220は、ボイラ1の操作端に設定する操作端パラメータ(運転条件の一つ)、ボイラ1の燃料の性状及びその価格を含む燃料パラメータ(燃料性状は運転条件の一つとなる)を入力パラメータ(回帰モデルでは説明変数)に追加して、プロセス値をモデル化する、すなわちプロセス値の予測モデルを構築する(S1)。構築された予測モデルは、モデル記憶部222に記憶される。図5は、運転データの取得から予測モデル構築までの処理の詳細を示すフローチャートである。
データ取得部110は、ボイラ1から運転データを取得し、運転データ記憶部112に記憶する(S101)。データ取得部110は、各センサ1,2,・・・,Mが実運転中に計測した実プロセス値と、運転制御装置120が各操作端1,2,・・・,Nの其々に設定した操作端パラメータ(操作端設定値)、及び燃料パラメータ(複数の燃料を混焼する場合は各燃料の性状パラメータと混焼率、価格)を取得し、プロセス値、操作端パラメータ及び燃料パラメータを関連付けた運転データを生成し、運転データ記憶部112に記憶する。
上記プロセス値には、例えば火力発電プラントから排出されるガスに含まれるCO排出量(実CO排出量)と、火力発電プラントで発電するためのコスト(実発電コスト)が含まれる。なお、CO排出量を計測するセンサがない場合は、実CO排出量は、種々のプロセス値(石炭消費量等)を組合せて演算して求める。実発電コストも同様である。
データ取得部110は、操作端パラメータ及び実プロセス値の其々に時刻情報を付加して時系列データからなる運転データを生成してもよい。
本実施形態で取得された運転データは、予測モデル1~2を構築するための教師データとなる。教師データは、実プロセス値及びそれが得られた際の運転条件(操作端パラメータ及び混焼率、燃料性状)に限らず、ボイラ1を解析して得られた計算値を用いてもよい。
データ抽出部114による前処理が実行される(S102)。データ抽出部114は、運転データ記憶部112に既述された運転データを読み出し、欠損データは線形補間することで補う。また、運転データから操作端パラメータの設定値を含む運転条件を読み込み、整定データを抽出する。
この際、実際にセンサ1,2,・・・,Mにより計測して得られた実プロセス値を用いて、ボイラ1には実装されていないセンサの値を計算し、計測値からなるソフトセンサ値をデータ取得部110に出力してもよい。
モデル構築部220は、データ抽出部114が抽出した整定データを取得して学習データを生成し(S103)、学習条件を設定する(S104)。
モデル構築部220は、説明変数・目的変数や目標誤差など予め設定された条件に基づき予測モデルを作成する。
図6は、モデル構築部220が作成する予測モデルの例を示し、更にその予測モデルを用いて演算部230での演算内容を説明する図である。モデル構築部220は、図6に示すプロセス値のそれぞれに対応する予測モデル1、2を構築する。具体的には、モデル構築部220は、操作端1~Mに設定される制御値(操作端パラメータ)及び燃料の性状(燃料の混焼率を含む)を入力パラメータとし、その入力パラメータをボイラ1に設定して実運転して得られた各プロセス値(実測値)、又は前記入力パラメータを用いて演算で得られたプロセス値(演算値)を出力パラメータとする教師データを用いて、複数のプロセス値にそれぞれ対応した予測モデルを機械学習し予測モデル1、2を構築する。なお、入力パラメータには、運転パラメータ(運転負荷など)、その他大気条件などのパラメータを含んでいても良い。
モデル構築部220は、回帰モデルを用いて予測モデル1、2を構築する場合は、予測モデル1であれば、上記入力パラメータを説明変数とし、実CO排出量を目的変数として回帰モデルを機械学習させる。同様に、予測モデル2は、予測モデル1と同様の説明変数を用い、実発電コストを目的変数として回帰モデルを機械学習させる。構築されたこれらの予測モデル1、2はモデル記憶部222に記憶される。本例では2つの予測モデル1、2を構築したが、他のプロセス値の予測モデルを追加して構築してもよい。また、実CO排出量、実発電コストは予測モデル1,2から直接求められるとしたが、複数の予測モデルから予測されるプロセス値を組合せて実CO排出量、実発電コストを計算して求めてもよい。
<S2:入力ステップ>
入力部260では、入力装置311で入力された、火力発電プラントの燃料の性状及び価格を含む燃料パラメータと、炭素クレジット情報(価格、COオフセット量)を読み込む。また、火力発電プラントのCO排出量又は発電コストのターゲット値を読み込んでもよい。更に、予測モデル1,2に入力する操作端パラメータも入力装置311から入力される。
読み込んだ情報は、条件記憶部232へ送付され、記憶される。
<S3:演算ステップ>
演算部230で、火力発電プラントの燃料パラメータ、運転条件(操作端パラメータ)及び炭素クレジット(COオフセット量、価格)に関して、取り得る選択肢を条件記憶部232から読み込む。本実施形態では、操作端パラメータは条件記憶部232に記憶されているとして説明しているが、条件記憶部232に記憶せずに、運転データ記憶部223から演算部230が読み込んでもよい。
更に図6に示す通り、演算部230で、火力発電プラントの燃料パラメータ、運転条件(操作端パラメータ)及び炭素クレジット(COオフセット量、価格)の組合せを変化させて、それぞれの組合せにおける実CO排出量と、当該実CO排出量から炭素クレジットによるCOオフセット量を引いた正味CO排出量と、燃料の価格を考慮した実発電コストと、当該実発電コストに炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストと演算する。具体的には、演算部230は燃料パラメータ及び運転条件を変化させながら予測モデル1,2のそれぞれに入力し、実CO排出量及び実発電コストを複数算出する。更に演算部230は、実CO排出量及び実発電コストのそれぞれと少なくとも一つ以上の炭素クレジット情報とを組み合わせて正味CO排出量と正味発電コストとを下式(1)、(2)、(3)により演算する。
正味CO排出量(g/kWh)=実CO排出量(g/kWh)-単位COオフセット量(g/kWh)・・・(1)
単位炭素クレジット価格(円/kWh)=単位COオフセット量(g/kWh)×COオフセット単価(円/g)・・・(2)
正味発電コスト(円/kWh)=実発電コスト(円/kWh)+単位炭素クレジット価格(円/kWh)・・・(3)
CO排出量や発電コストは単位発電量kWh当たりで表現するため、COオフセット量(g)や炭素ジレット価格(円)の単位をあわせる(kWh当たりにする)必要がある。そこで、式(1)の通り、発電量当たりのCOオフセット量である単位COオフセット量(g/kWh)を用いて、正味CO排出量(g/kWh)を求める。その上で、単位COオフセット量(g/kWh)にCOオフセット単価(円/g)を乗じて、発電量当たりに必要な炭素クレジット価格である単位炭素クレジット価格(円/kWh)を求めておき(式(2)参照)、その値を用いて正味発電コスト(円/kWh)を算出する(式(3)参照)。
なお、炭素クレジットの供給量(購入可能量)に制約がある場合、COオフセット量(炭素クレジット購入量)に上限を設ける必要がある。その場合は式(4)に示す通り、単位COオフセット量(g/kWh)に、想定される期間の発電量(kWh)を乗じて、COオフセット量(炭素クレジット購入量)がこの値以上になるようにする。
COオフセット量(炭素クレジット購入量)(g)≧単位COオフセット量(g/kWh)×発電量(kWh)・・・(4)
<S4:最適化ステップ>
最適化部240で、正味CO排出量及び正味発電コストが所定の条件を満たす燃料、運転条件及び炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する。
図7を用いて上記演算内容を説明する。図7は、最適化部、最適条件評価部での演算内容を示す概要図である。
まず、演算部230での複数の演算結果を、正味CO排出量及び正味発電コストの2軸でプロットする。図7中の白丸が演算結果に該当し、全体として右肩下がりにプロットされていることが分かる。このうち、同じ正味CO排出量(又は正味発電コスト)であれば、より正味発電コスト(又は正味CO排出量)の低い方が好適である。よって、図7中の一点鎖線で囲まれた演算結果が最適条件の候補となる。この候補のうちから、予め定められた所定の選定条件を満たす最適条件を選定する。
最適条件を選択する所定の選定条件としては、例えば所定の正味CO排出量の範囲、又は所定の正味発電コストの範囲を設定する方法がある。更に、正味CO排出量及び正味運転コストの後述するベンチマークとの差分(及び他の評価指標)を合算した評価値が最大になる最適化をして、その探索点の中から最適条件を選ぶ、という方法もある。
なお、条件記憶部232に、CO排出量又は発電コストのターゲット値が記憶されている場合は、そのターゲット値を最適化部240で読み込んで、ターゲット値に合致する最適条件を選定する。例えば、発電コストのターゲット値C1が記憶されている場合は、正味発電コストがC1と一致する演算結果の中から最適条件R1を選定する。同じくCO排出量のターゲット値E1が記憶されている場合は、正味CO排出量がE1と一致する演算結果の中から最適条件R2を選定する。
なお、図7では正味CO2排出量及び正味発電コストの2軸で最適条件を選定する例を説明したが、それ以外にも蒸気温度制御を行うスプレイ弁開度やガスパスダンパ開度などの制御操作端の裕度、伝熱管の表面温度(メタル温度)などの警報値に対する裕度を定量化し、これらも加味した最適条件のうち、上記の所定の選定条件を満たす最適条件を選定する方法であってもよい。
<S5:最適条件評価ステップ>
条件記憶部232にCO排出量及び発電コストのベンチマーク値が記憶されている場合は、最適条件評価部242で当該ベンチマーク値を読み込んで、ベンチマーク値と、最適化ステップS4で選択された最適条件との優劣を評価する。
具体的には、図7において黒丸で示すベンチマーク値B1に対して、最適条件が図中左下の象限(C1とE1のラインで囲まれたB1より左下の領域)にあるかを確認し、あれば「優」と判断する。ベンチマーク値B1に対して、最適条件が図中右上の象限であれば「劣」と評価する。その他の象限にある場合は、「詳細確認要」と判断する。
<出力ステップS6>
最適化部240で選択された最適条件と、当該最適条件における実CO2排出量、正味CO2排出量、実発電コストと正味発電コストを、出力部250から出力装置(ディスプレイ312)へ出力する。また、火力発電所のオペレータの確認を経た上で、最適条件を運転制御装置120へ送信する。
図8は、出力画面の例である。出力画面では以下内容を出力する。
(1)選定条件:ターゲット値又はベンチマーク値がある場合は、その値を表示する。
(2)燃料条件:燃料の種類の大分類(種別)と詳細分類(産地等)及び複数の燃料を用いる場合はその混焼率を表示する。
(3)運転条件:操作端パラメータの種類の大分類と詳細分類及び設定値を表示する。
(4)炭素クレジット:炭素クレジットの提供者(購入元)とその種類(COオフセットに関連する事業の種類、ロケーション等)、COオフセット量、価格(購入価格又はCOオフセット単価)を表示する。
(5)演算結果:(2)~(4)に示す最適条件で演算された、実発電コスト、正味発電コスト、実CO2排出量と正味CO2排出量を表示する。
(6)評価結果:ベンチマーク値がある場合は、ベンチマークとの対比結果を表示する。また、右下図の通り、最適条件での演算結果とベンチマーク値とを棒グラフで表示する。
<ボイラでの検討例>
ボイラ1に対する運転支援を検討した例について図9を用いて説明する。図9は、COネガティブ(オフセット)事業の経済価値及び環境価値の考え方について概要を纏めたものであり、上側がある燃料を使用した火力発電所における発電コスト、下側がある燃料を使用した火力発電所におけるCO排出量を示している。石炭専焼(図中一番左)、バイオマス専焼(図左右中央)、ガス専焼(図中一番右)を比較すると、発電コストは、石炭<ガス<バイオマスの順で大きくなり、CO排出量はバイオマス<ガス<石炭で大きくなるのが一般的である。
ここで、バイオマス焚き火力の実発電コストから石炭焚き火力の発電コストを差し引いたものをカーボンネガティブコストA1、石炭火力の実CO排出量からバイオマス焚き火力の実CO排出量を差し引いたものをカーボンオフセット量B1とおいた時、COネガティブ事業とは、カーボンネガティブコストA1を元手に森林管理・育成、バイオマス炭化固定などのCOを固定化手段により、カーボンオフセット量B1を創出する事業を指す。
もし、石炭焚き火力がCOネガティブ事業を利用し、石炭焚き火力の実発電コストにカーボンネガティブコストA1を加えた正味発電コスト(バイオマス焚き火力の実発電コストと同値)により、石炭火力実CO排出量からカーボンオフセット量B1を差し引いた正味CO排出量がバイオマス焚き火力の実CO排出量と同値であれば、石炭焚き火力+COネガティブ事業とバイオマス焚き火力の経済価値、環境価値は等しいわけだから、発電方式としてCO排出量の観点でも石炭火力は選択肢となる。
また同様に、ガス焚き火力の実発電コストから石炭焚き火力の実発電コストを差し引いたカーボンネガティブコストA2を元手にCOネガティブ事業により、石炭焚き火力のCO排出量からガス焚き火力の実CO排出量を差し引いたカーボンオフセット量B2を創出できれば、石炭焚き火力+COネガティブ事業とガス焚き火力の経済価値及び環境価値は等しくなるのである。
なお、本図は理解のために、カーボンネガティブコストA1、カーボンオフセット量B1を設定してあるが、カーボンネガティブコストA1によりCOネガティブ事業を実施した場合には、カーボンオフセット量B1に過不足が生じる可能性があることはいうまでもない。また、COネガティブ事業には前述した、森林育成・管理、バイオマス炭化の他に、木質材料、バイオエチレンなど様々な形態が考えられ、石炭焚き火力の発電事業者等が期待するカーボンオフセット量に応じて、多様な手段を選択することが可能である。
<ビジネスモデル概要>
運転支援装置100を用いたビジネスモデルについて図10を用いて説明する。図10は、運転支援装置100に炭素クレジット制度を考慮し、発電事業者に対して経済的な燃料の提案を行うサービスのビジネスモデルの説明図である。
まず、発電事業者から運転支援装置100に低炭素運転の委託(信号)がなされる。ここでの信号とは、CO削減目標量、発電コスト上限額が該当する。
運転支援装置100では低炭素運転の信号を受信すると、ゼロエミッション石炭の燃料情報(発熱量、価格、炭素クレジット)を取り込む。ここでゼロエミッション石炭は、通常の燃料価格に炭素クレジットが上乗せされた価格が設定されており、運転支援装置100を導入している発電事業者が購入すると、炭素クレジットが運転支援装置100に振り込まれるような仕組みになっている。ゆえに、ゼロエミッション石炭は、運転支援装置100による炭素クレジット認証を予め受けた燃料となる。
また同時にバイオマス、カーボンニュートラル燃料などの燃料情報(発熱量、価格、混焼率)が運転支援装置100にインプットされる。運転支援装置100ではインプットされた情報に基づき、発電事業者が低炭素運転委託の時に提示したCO削減目標あるいはCO排出量上限を満足しつつ、発電コストを可能な限り低減できるような、ゼロエミッション石炭の購入量、混焼率を提示する。また、それでも不足する場合には、カーボンクレジット制度から不足分の炭素クレジットを購入するような解を算出する。なお、場合によっては、カーボンクレジット単価が安い場合は、ゼロエミッション石炭を購入せずカーボンクレジット制度で炭素クレジットを調達するような解となることもありえる。
演算が終わると、運転支援装置100での最適化結果であるCO排出量、発電コストに加え、ゼロエミッション石炭量購入量、様々な燃料購入量、カーボンクレジット制度からの炭素クレジット購入量が運転支援装置100から発電事業者へ開示される。発電事業者がこれをコミットすれば、運転支援装置100の提示通りに、ゼロエミッション石炭の購入、様々な燃料の購入、炭素クレジットの調達がなされる。運転支援装置100では調達された燃料を運転支援装置100で最適化した通りに運転し、日々のCO排出量を正確にモニタリングし、カーボンクレジットの購入の代行を行う。
このような仕組みにより、発電事業者では、CO排出量が可視化でき、炭素クレジットを含めたCO削減目標を達成し、発電コストも上限額を超えずに運用することが可能となる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
火力発電プラントの燃料の価格と、炭素クレジットの価格及びCOオフセット量を含む炭素クレジット情報とを読み込む入力ステップと、
前記火力発電プラントの燃料、運転条件及び炭素クレジットの組合せを変化させて、それぞれの組合せにおける実CO排出量と、当該実CO2排出量から前記炭素クレジットによるCOオフセット量を引いた正味CO排出量と、前記燃料の価格を考慮した実発電コストと、当該実発電コストに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストとを演算する演算ステップと、
前記正味CO排出量及び前記正味発電コストが所定の選択条件を満たす前記燃料、前記運転条件、及び前記炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する最適化ステップと、
選択された前記最適条件と、当該最適条件における前記実CO排出量、前記正味CO排出量、前記実発電コスト、及び前記正味発電コストと、を出力する出力ステップと、
を含む火力発電プラントの運転支援方法である。
上記(1)の態様によれば、CO2排出量と発電コストの両方の観点から最適な炭素クレジットを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができる。
(2)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
火力発電プラントの燃料の価格及び前記燃料の性状を示す少なくとも一つ以上の燃料パラメータと、前記火力発電プラントの少なくとも一つ以上の運転条件と、COオフセット量及び炭素クレジットの価格を含む少なくとも一つ以上の炭素クレジット情報とを読み込む入力ステップと、
前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実CO排出量の予測値を算出する第1予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実CO排出量の予測値を複数算出し、これら複数の実CO排出量の予測値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実CO排出量の予測値のそれぞれから前記炭素クレジットによるCOオフセット量を引いた正味CO排出量を演算すると共に、前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実発電コストの予測値を算出する第2予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実発電コストの予測値を複数算出し、これら複数の実発電コストの予想値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実発電コストの予測値のそれぞれに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストを演算する演算ステップと、
前記正味CO排出量及び前記正味発電コストが所定の選択条件を満たす前記燃料、前記運転条件及び前記炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する最適化ステップと、
選択された前記最適条件と、当該最適条件における前記実CO排出量、前記正味CO排出量、前記実発電コスト、及び前記正味発電コストと、を出力する出力ステップと、
を含む火力発電プラントの運転支援方法である。
上記(2)の態様によれば、予測モデルを用いたAI予測により、CO2排出量と発電コストの両方の観点から最適な炭素クレジットを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができる。
(3)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
前記入力ステップでは、更に前記火力発電プラントのCO排出量又は発電コストのターゲット値を読込み、
前記最適化ステップでは、前記所定の選択条件として、前記ターゲット値が前記正味CO排出量に対するターゲット値の場合は、前記正味CO排出量が前記ターゲット値と一致する前記最適条件を選択する条件を用い、前記ターゲット値が前記正味発電コストに対するターゲット値の場合は、前記正味発電コストが前記ターゲット値と一致する前記最適条件を選択する条件を用いる、上記(1)、(2)の態様に記載の火力発電プラントの運転支援方法である。
上記(3)の態様によれば、火力発電プラントの運営事業者等のニーズに応じて、CO排出量又は発電コストのターゲット値にあった最適条件を提示できる。
(4)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
前記入力ステップでは、更に火力発電プラントのCO2排出量及び発電コストのベンチマーク値を読込み、
前記ベンチマーク値を用いて、前記最適化ステップで選択された前記最適条件の優劣を評価する最適条件評価ステップを更に備える、
上記(1)から(3)の態様に記載の火力発電プラントの運転支援方法である。
上記(4)の態様によれば、ベンチマーク値との対比により最適条件の採用判断が容易となる。
(5)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
前記ターゲット値は、他の燃料や発電手段での実績に基づき設定された値である、
上記(3)の態様に記載の火力発電プラントの運転支援方法である。
上記(5)の態様によれば、他の燃料や発電手段の実績と対比して、最適条件を評価できる。
(6)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
前記ベンチマーク値は、他の燃料や発電手段での実績に基づき設定された値である、
上記(4)の態様に記載の火力発電プラントの運転支援方法である。
上記(6)の態様によれば、他の燃料や発電手段の実績と対比して、最適条件を評価できる。
(7)一態様に係る火力発電所の運転支援方法は、
前記炭素クレジットは、森林を管理、育成し、伐採後の木材を用いて炭素固定量を増加させることでCOオフセットするものが含まれる、
上記(1)から(6)の態様に記載の運転支援方法である。
上記(7)の態様によれば、森林管理、育成を通じてCOオフセットができる費用対効果の高い炭素クレジットが購入できると共に、林業再生にも貢献できる。
(8)一態様に係る火力発電所の運転支援装置は、
火力発電プラントの燃料の価格及び前記燃料の性状を示す少なくとも一つ以上の燃料パラメータと、前記火力発電プラントの少なくとも一つ以上の運転条件と、前記燃料の価格に含まれている又は追加購入可能な少なくとも一つ以上の炭素クレジット情報であって、炭素クレジットの価格及びCOオフセット量を含む炭素クレジット情報とを読込む入力部と、
前記燃料パラメータ、前記運転条件、及び前記炭素クレジットの組合せを変化させて、それぞれの組合せにおける実CO2排出量と、当該実CO2排出量から前記炭素クレジットによるCO2オフセット量を引いた正味CO2排出量と、前記燃料の価格を考慮した実発電コストと、当該実発電コストに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストとを演算する演算部と、
前記正味CO2排出量及び前記正味発電コストが所定の選択条件を満たす前記燃料、前記運転条件、及び前記炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する最適化部と、
選択された前記最適条件と、当該最適条件における前記実CO2排出量、前記正味CO2排出量、前記実発電コスト、及び前記正味発電コストと、を出力する出力部と、
を備えた火力発電プラントの運転支援装置である。
上記(8)の態様によれば、CO2排出量と発電コストの両方の観点から最適な炭素クレジットを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができる。
(9)一態様に係る火力発電所の運転支援装置は、
前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実CO排出量の予測値を算出する第1予測モデル、及び前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実発電コストの予測値を算出する第2予測モデルを記憶するモデル記憶部を更に備え、
前記演算部は、
前記第1予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実CO排出量の予測値を複数算出し、これら複数の実CO排出量の予測値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実CO排出量の予測値のそれぞれから前記炭素クレジットによるCOオフセット量を引いた正味CO排出量を演算すると共に、
前記第2予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実発電コストの予測値を複数算出し、これら複数の実発電コストの予測値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実発電コストの予測値のそれぞれに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストを演算する、
上記(8)の態様に記載の火力発電プラントの運転支援装置である。
上記(9)の態様によれば、予測モデルを用いたAI予測により、CO2排出量と発電コストの両方の観点から最適な炭素クレジットを選定し、選定された炭素クレジットの費用対効果を容易に評価することができる。
上記実施形態は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での様々な変更態様がある。例えばCO発生量と発電コストの2つの観点で条件を満たすように選定した最適条件が、必ずしもプラント全体の安定安全運転を維持できるとは限らない。そこで、過熱器スプレイ弁開度のような制御操作端の裕度やメタル温度などの監視対象のプロセス値が管理値を超過しない範囲を制約とした最適条件を選ぶ必要がある。本発明では、上記の制約条件を含めた多面的な視点で評価した最適条件を導出することができる。
10 :運転支援システム
11 :火炉
12 :燃焼装置
13 :煙道
21~25:燃焼バーナ
26~30:微粉炭供給管
31~35:粉砕機
36 :風箱
37a~37c:空気ダクト
37d :連結点
38 :送風機
39 :アフタエアポート
48 :排ガス通路
49 :エアヒータ
50 :脱硝装置
51 :煤塵処理装置
52 :誘引送風機
53 :煙突
62 :傾斜面
70 :炉底蒸発管
100 :運転支援装置
110 :データ取得部
112 :運転データ記憶部
114 :データ抽出部
120 :運転制御装置
220 :モデル構築部
222 :モデル記憶部
230 :演算部
232 :条件記憶部
240 :最適化部
242 :最適条件評価部
250 :出力部
260 :入力部
301 :プロセッサ
305 :入力I/F
306 :出力I/F
307 :通信I/F
308 :バス
311 :入力装置
312 :ディスプレイ

Claims (7)

  1. 火力発電プラントの燃料の価格及び前記燃料の性状を示す少なくとも一つ以上の燃料パラメータと、前記火力発電プラントの少なくとも一つ以上の運転条件と、COオフセット量及び炭素クレジットの価格を含む少なくとも一つ以上の炭素クレジット情報とを読み込む入力ステップと、
    前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実CO排出量の予測値を算出する第1予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実CO排出量の予測値を複数算出し、これら複数の実CO排出量の予測値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実CO排出量の予測値のそれぞれから前記炭素クレジットによるCOオフセット量を引いた正味CO排出量を演算すると共に、前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実発電コストの予測値を算出する第2予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実発電コストの予測値を複数算出し、これら複数の実発電コストの予想値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実発電コストの予測値のそれぞれに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストを演算する演算ステップと、
    前記正味CO排出量及び前記正味発電コストが所定の選択条件を満たす前記燃料、前記運転条件及び前記炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する最適化ステップと、
    選択された前記最適条件と、当該最適条件における前記実CO排出量、前記正味CO排出量、前記実発電コスト、及び前記正味発電コストと、を出力する出力ステップと、
    を含む火力発電プラントの運転支援方法。
  2. 前記入力ステップでは、更に前記火力発電プラントのCO排出量又は発電コストのターゲット値を読込み、
    前記最適化ステップでは、前記所定の選択条件として、前記ターゲット値が前記正味CO排出量に対するターゲット値の場合は、前記正味CO排出量が前記ターゲット値と一致する前記最適条件を選択する条件を用い、前記ターゲット値が前記正味発電コストに対するターゲット値の場合は、前記正味発電コストが前記ターゲット値と一致する前記最適条件を選択する条件を用いる、
    請求項に記載の火力発電プラントの運転支援方法。
  3. 前記入力ステップでは、更に火力発電プラントの前記正味CO排出量及び前記正味発電コストのベンチマーク値を読込み、
    前記ベンチマーク値を用いて、前記最適化ステップで選択された前記最適条件の優劣を評価する最適条件評価ステップを更に含む、
    請求項1又は2に記載の火力発電プラントの運転支援方法。
  4. 前記ターゲット値は、他の燃料や発電手段での実績に基づき設定された値である、
    請求項に記載の火力発電プラントの運転支援方法。
  5. 前記ベンチマーク値は、他の燃料や発電手段での実績に基づき設定された値である、
    請求項に記載の火力発電プラントの運転支援方法。
  6. 前記炭素クレジット情報は、森林を管理、育成し、伐採後の木材を用いて炭素固定量を増加させることによるCOオフセット量を含まれる、
    請求項1からのいずれか一つに記載の火力発電プラントの運転支援方法。
  7. 火力発電プラントの燃料の価格及び前記燃料の性状を示す少なくとも一つ以上の燃料パラメータと、前記火力発電プラントの少なくとも一つ以上の運転条件と、前記燃料の価格に含まれている又は追加購入可能な少なくとも一つ以上の炭素クレジット情報であって、炭素クレジットの価格及びCOオフセット量を含む炭素クレジット情報とを読込む入力部と、
    前記燃料パラメータ、前記運転条件、及び前記炭素クレジットの組合せを変化させて、それぞれの組合せにおける実CO2排出量と、当該実CO2排出量から前記炭素クレジットによるCO2オフセット量を引いた正味CO2排出量と、前記燃料の価格を考慮した実発電コストと、当該実発電コストに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストとを演算する演算部と、
    前記正味CO2排出量及び前記正味発電コストが所定の選択条件を満たす前記燃料、前記運転条件、及び前記炭素クレジットの組合せからなる最適条件を選択する最適化部と、
    選択された前記最適条件と、当該最適条件における前記実CO2排出量、前記正味CO2排出量、前記実発電コスト、及び前記正味発電コストと、を出力する出力部と、
    前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実CO 排出量の予測値を算出する第1予測モデル、及び前記火力発電プラントを運転させたときに生じる実発電コストの予測値を算出する第2予測モデルを記憶するモデル記憶部を更に備え、
    前記演算部は、
    前記第1予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実CO 排出量の予測値を複数算出し、これら複数の実CO 排出量の予測値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実CO 排出量の予測値のそれぞれから前記炭素クレジットによるCO オフセット量を引いた正味CO 排出量を演算すると共に、
    前記第2予測モデルに前記燃料パラメータ及び前記運転条件を変化させて入力して実発電コストの予測値を複数算出し、これら複数の実発電コストの予測値と少なくとも一つ以上の炭素クレジットとの組合せに基づいて、前記実発電コストの予測値のそれぞれに前記炭素クレジットの価格を加算した正味発電コストを演算する、
    力発電プラントの運転支援装置。
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