JP7627612B2 - 硫化物固体電解質の製造方法 - Google Patents
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Description
液相法では、硫化物固体電解質を溶解させるため、析出時に硫化物固体電解質成分の一部の分解や欠損が生じるなどの理由から、固相合成法と比較して高いイオン伝導度を実現することが難しかった。
例えば、均一法では、原料や硫化物固体電解質を一旦完全溶解させるため液中に成分を均一に分散させることができる。しかし、その後の析出工程では、各成分に固有の溶解度に従って析出が進行するため、成分の分散状態を保持したまま析出させることが極めて困難である。その結果、各成分が分離して析出してしまう。また、均一法では溶媒とリチウムとの親和性が強くなりすぎてしまうため、析出後に乾燥しても溶媒が抜けにくい。これらのことから、均一法では、硫化物固体電解質のイオン伝導度が大幅に低下してしまう問題がある。
また、固液共存の不均一法においても、硫化物固体電解質の一部が溶解するため、特定成分の溶出により分離が起こり、所望の硫化物固体電解質を得ることが難しい。
1.後記する錯体(1)と後記する錯体(2)とをそれぞれ調製することにより、副反応等が生じにくく、ハロゲン原子が結晶内から溶出することを抑制し、高いイオン伝導度を有する硫化物固体電解質を得ることができること。
[1] リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を含む硫化物固体電解質の製造方法であって、リチウム原子、硫黄原子及びリン原子を含む硫化物を構成要素として含む錯体(1)と、リチウム原子及びハロゲン原子を含むハロゲン化物を構成要素として含む錯体(2)と、をそれぞれ調製すること、前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合すること、を含む、硫化物固体電解質の製造方法。
[2] 前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合することの後に、更に加熱することを含む、[1]に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[3] 前記加熱を90~250℃で行う、[2]に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[5] 前記混合を、溶媒中で行う、[1]~[4]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[6] 前記混合を、粉砕機を用いて行う、[1]~[5]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[8] 前記錯体(1)が更に錯化剤(1)を構成要素として含み、前記錯体(2)が更に錯化剤(2)を構成要素として含む、[1]~[7]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[9] 前記錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、ヘテロ原子を有する化合物を含む、[8]に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[11] 前記錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、分子中に少なくとも二つの第三級アミノ基を有する化合物を含む、[8]~[10]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[12] 前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合することにより、前記錯化剤(1)、錯化剤(2)、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を構成成分として含む前駆体を得る、[8]~[11]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[14] 前記溶媒が、脂肪族炭化水素溶媒、脂環族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒及びエーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒である、[5]~[13]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[15] 前記錯体(1)及び前記錯体(2)の合計の質量1gに対し前記溶媒を5~50mL用いる、[5]~[14]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
[17] 前記硫化物固体電解質が、CuKα線を用いたX線回折測定において、結晶性Li3PS4に該当する該当する2θ=17.5°、26.1°の回折ピークを有しない、[1]~[16]のいずれか1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法は、リチウム原子、硫黄原子及びリン原子を含む硫化物と、必要に応じ錯化剤(1)と、を構成要素として含む錯体(1)と、リチウム原子及びハロゲン原子を含むハロゲン化物と、必要に応じ錯化剤(2)と、を構成要素として含む錯体(2)と、をそれぞれ調製すること、前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合することを含む製造方法である。
また、本明細書において、非晶質硫化物固体電解質とは、X線回折測定においてX線回折パターンが実質的に材料由来のピーク以外のピークが観測されないハローパターンであるもののことであり、硫化物固体電解質の原料由来のピークの有無は問わないものであることを意味する。
前駆体の詳細については後述するが、好ましくは錯化剤(後記する錯化剤(1)又は錯化剤(2))により錯化された錯体(1)及び錯体(2)を混合して得られるものであり、また乾燥等により錯化剤を除去することで、硫化物固体電解質を形成するものであることから、本明細書において、錯体(1)及び(2)を混合して得られるものを、「前駆体」と称する。この「前駆体」は、後述するが構成成分として錯化剤(1)及び錯化剤(2)を含むことが好ましい。
本発明の製造方法によれば、高露点での製造が可能となり、製造工程のスケールアップに優れた効果を発揮する。
本実施形態の混合は、錯体(1)と錯体(2)とを混合するものであれば特に制限されることはなく、液相法と固相法による混合のいずれであってもよく、さらに液相法としては、硫化物固体電解質材料を溶媒に完全に溶解させて混合する均一法であっても、硫化物固体電解質材料を完全に溶解させず固液共存の懸濁液を経て混合する不均一法であってもよい。
混合工程で粒径が大きくなる造粒が生じず、また低温で簡易な装置で製造可能であるとの観点からは、均一法及び不均一法のように溶媒中で行うことが好ましく、高いイオン伝導度を達成する観点及び溶媒の使用に伴う環境負荷を低減する観点からは固相法が好ましい。
錯体(1)と錯体(2)は固体であっても液体であってもよいが、通常これらは固体又は後記するスラリーである。
湿式粉砕機としては、湿式ビーズミル、湿式ボールミル、湿式振動ミル等が代表的に挙げられ、混合操作の条件を自由に調整でき、より小さい粒径のものに対応しやすい点で、ビーズを粉砕メディアとして用いる湿式ビーズミルが好ましい。また、乾式ビーズミル、乾式ボールミル、乾式振動ミル等の乾式媒体式粉砕機、ジェットミル等の乾式非媒体粉砕機等の乾式粉砕機を用いることもできる。
また、混合物の量によっては乳鉢等を用いて混合することもできる。
(以下、原料含有物とも記載する。)と錯化剤との混合物中の原料の均一性を高め、より高いイオン伝導度を得る観点から、高速撹拌型混合機が好ましく用いられる。また、高速撹拌型混合機としては、垂直軸回転型混合機、水平軸回転型混合機等が挙げられ、どちらのタイプの混合機を用いてもよい。
また、混合物の量によっては撹拌子を用い、メカニカルスターラーによって撹拌してもよい。
また混合時間は、固相法であれば0.1~150時間程度、より均一に混合し、より高いイオン伝導度を得る観点から、好ましくは1~120時間、より好ましくは2~100時間である。
また混合時間は、液相法であれば0.1~100時間程度が好ましく、錯体の構成成分である錯化剤が後記するアミン化合物である場合には、より均一に混合し、より高いイオン伝導度を得る観点から、好ましくは1~50時間、より好ましくは2~10時間であり、錯体の構成成分である錯化剤が後記するアミン化合物以外、例えばエーテル系化合物である場合には、より均一に混合し、より高いイオン伝導度を得る観点から、好ましくは20~90時間、より好ましくは30~80時間である。
本実施形態において、溶媒中で混合する場合には得られる前駆体は、通常、固体である前駆体を含む懸濁液(スラリー)として得られるが、その後、後記する乾燥工程により粉末状としてもよい。
本実施形態の錯体(1)は、後記する硫化物を構成要素として含むことをし、更に後記する錯化剤(1)を構成要素として含んでいてもよい。
これらを1種のみ用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錯体(1)は、非晶質Li3PS4又は結晶性Li3PS4を含むことが好ましい。
錯体(1)中の錯化剤(1)の含有量は、イオン伝導度が高い固体電解質を得る観点から、錯体(1)全量基準で10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、結晶形成の観点から80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
本明細書において、平均粒径(D50)は、粒子径分布積算曲線を描いた時に粒子径の最も小さい粒子から順次積算して全体の50%に達するところの粒子径であり、体積分布は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる平均粒径のことである。また、後記する錯体(2)は、錯体(1)と同じ程度の平均粒径を有するものが好ましい、すなわち錯体(1)の平均粒径と同じ範囲内にあるものが好ましい。
本実施形態の硫化物は、リチウム原子、硫黄原子及びリン原子を含み、PS4構造等を有するLi3PS4等が好ましい。本実施形態の製造方法は、固体電解質に主構造として存在するLi3PS4等のリチウムを含む構造体を原料として用いるため、特許文献3等のように本実施形態の硫化物を経ずに硫化物固体電解質を製造する場合に比べて、当該構造体の構成比率を高くすることができ、イオン伝導度が向上する。
本実施形態の硫化物を構成要素とする錯体を使用し、かつ後記する錯体(2)と混合することにより、ハロゲン原子が分散して定着した硫化物固体電解質が、より得られやすくなる。その結果、イオン伝導度が高い硫化物固体電解質が得られることとなる。
硫化物の原料として、例えばリチウム原子、硫黄原子及びリン原子から選ばれる少なくとも一種を含む化合物を単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法では、錯化剤として錯化剤(1)及び錯化剤(2)を用いることで、錯体(1)及び錯体(2)が得られやすくなり、イオン伝導度が高い固体電解質がえられるため好ましい。
錯化剤(1)及び後記する錯化剤(2)は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
更に分子中に少なくとも二つの配位(結合)可能なヘテロ原子を有することが好ましく、分子中に少なくとも二つヘテロ原子を含む基を有することがより好ましい。分子中に少なくとも二つのヘテロ原子を含む基を有することにより、錯体(1)と錯体(2)とを混合することで、錯体(1)の構成要素である例えば代表的にはPS4構造を含むLi3PS4等のリチウムを含む構造体である硫化物と、錯体(2)の構成要素であるハロゲン化リチウム等のリチウムを含む原料とを、分子中の少なくとも二つのヘテロ原子を介して結合させることができる。これにより前駆体中でハロゲン原子がより分散して定着する。その結果、イオン伝導度が高く、硫化水素の発生が抑制された硫化物固体電解質が得られることとなる。また、ヘテロ原子の中でも、酸素原子又は窒素原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。酸素原子を含む場合にはエーテル結合を分子内に有することが好ましく、窒素原子を含む基としてはアミノ基が好ましい、すなわち錯化剤としてはアミン化合物が好ましい。
このため、錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、少なくとも1つのアミノ基又はエーテル結合を有する化合物を含むことが好ましい。
このため、錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、分子中に少なくとも二つの第三級アミノ基を有する化合物を含むことが好ましい。
脂肪族アミンの炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上であり、上限として好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは7以下である。また、脂肪族アミン中の脂肪族炭化水素基の炭化水素基の炭素数は、好ましくは2以上であり、上限として好ましくは6以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
脂環式アミン、複素環式アミンの炭素数は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、上限として好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
芳香族アミンの炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上であり、上限として好ましくは16以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下である。
なお、具体例としてジアミンを例示したが、本実施形態で用いられ得るアミン化合物としては、ジアミンに限らないことは言うまでもなく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、上記脂肪族ジアミン等の各種ジアミンに対応する脂肪族モノアミン、またピペリジン、メチルピペリジン、テトラメチルピペリジン等のピペリジン化合物、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物、モルホリン、メチルモルホリン、チオモルホリン等のモルホリン化合物、イミダゾール、メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、上記脂環式ジアミンに対応するモノアミン等の脂環式モノアミン、上記複素環式ジアミンに対応する複素環式モノアミン、上記芳香族ジアミンに対応する芳香族モノアミン等のモノアミンの他、例えば、ジエチレントリアミン、N,N’,N’’-トリメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス[(ジメチルアミノ)エチル]-N,N’-ジメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のアミノ基を3つ以上有するポリアミンも用いることができる。
これらの中でも、エーテル系溶媒が好ましく、例えば、脂肪族エーテル、脂環式エーテル、複素環式エーテル、芳香族エーテル等のエーテル化合物が挙げられる。分子内にエーテル結合は、1個でも良いが2個以上有していてもよく、リチウム原子等との配位結合の強さの観点からは、2個以上有しているグリコール系が好ましい。
その他錯化剤として記載したエーテル系溶媒は、錯化剤としてアミン化合物を用いた場合は溶媒としての機能を果たし、アミン化合物を用いない場合は錯化剤としての機能を果たすものとなり得る。そのため、エーテル溶媒については、その他溶媒としても例示した。
硫化物は、前記の硫化物の原料を混合することにより、作製することができる。混合は前記の混合方法と同様に行うことができる。
錯体(1)は、前記の硫化物と錯化剤(1)とを混合することにより、作製することができる。混合は前記の混合方法と同様に行うことができる。
本実施形態の錯体(2)は、リチウム原子及びハロゲン原子を構成要素として含むことを要し、更に後記する錯化剤(2)を構成要素として含むことが好ましい。
これらを1種のみ用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上を組み合わせて用いる場合、複数のハロゲン化物と錯化剤(2)とからハロゲン化錯体を作製してもよいが、1種のハロゲン化物Aと錯化剤(2)とからハロゲン化錯体Aを作製し、別のハロゲン化物Bを用いてハロゲン化錯体Bを作製し、これらを混合してハロゲン化錯体を作製することがより好ましい。
ハロゲン化物は、リチウム原子及びハロゲン原子を含むものであり、イオン伝導度が高い硫化物固体電解質を得る観点から、ハロゲン化物の原料は塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)等のハロゲン化リチウムが好ましい。
錯体(2)を2種以上組み合わせて使用する場合には、塩化リチウム及び臭化リチウムの組み合わせ又は臭化リチウム及びヨウ化リチウムの組み合わせが好ましく、臭化リチウム及びヨウ化リチウムの組み合わせがより好ましい。
また、必要に応じて、酸化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム等のリチウム化合物;硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム等の硫化アルカリ金属;硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化ガリウム、硫化スズ(SnS、SnS2)、硫化アルミニウム、硫化亜鉛等の硫化金属;リン酸ナトリウム、リン酸リチウム等のリン酸化合物;ヨウ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等のハロゲン化ナトリウム等のリチウム以外のアルカリ金属のハロゲン化物;ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化ゲルマニウム、ハロゲン化ヒ素、ハロゲン化セレン、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化テルル、ハロゲン化ビスマス等のハロゲン化金属;オキシ塩化リン(POCl3)、オキシ臭化リン(POBr3)等のオキシハロゲン化リン;などを用いてもよい。前記する錯体(2)も同様である。
錯化剤(2)については錯化剤(1)に記載したとおりである。錯化剤(2)は錯化剤(1)と同一であっても、異なっていてもよい。
ハロゲン化物は、前記のハロゲン化物の原料を混合することにより、作製することができる。混合は前記の混合方法と同様に行うことができる。
ハロゲン化物錯体は、前記のハロゲン化物と錯化剤(2)とを混合することにより、作製することができる。混合は前記の混合方法と同様に行うことができる。
本実施形態は、錯体(1)と錯体(2)とを混合することを要する。
錯体(1)と錯体(2)の使用量は使用する錯体(1)と錯体(2)の種類により決まるため一概にはいえないが、錯体(1)として硫化リチウム及び五硫化二リンから作製したLi3PS4錯体を用い、錯体(2)として臭化リチウム錯体とヨウ化リチウム錯体を用いる場合、錯化前のLi3PS4に対する臭化リチウムとヨウ化リチウムの割合は、イオン伝導度を向上させる観点から30~70mol%が好ましく、35~65mol%がより好ましく、40~60mol%が更に好ましい。
硫化物と錯化剤(1)の混合時、ハロゲン化物と錯化剤(2)の混合時、錯体(1)と錯体(2)の混合時に溶媒を加えることが好ましい。溶媒を用いて硫化物と錯化剤(1)の混合し、ハロゲン化物と錯化剤(2)の混合することで、錯体(1)と錯体(2)の形成が促進される。更に溶媒を用いて錯体(1)と錯体(2)を混合することで、前駆体の形成が促進され、PS4構造等のリチウムを含む錯体(1)、ハロゲン化リチウム等のリチウムを含む錯体(2)を満遍なく存在させやすくなる。これにより、ハロゲン原子がより分散して定着した前駆体が得られるので、結果として高いイオン伝導度が得られるという効果が発揮されやすくなる。
(数式(1)中、ΔHはモル発熱であり、Rは気体定数であり、Tは温度であり、Vはモル体積である。)
前駆体は、前述のように、硫黄原子及びリン原子を含む硫化物を構成要素として含む前記錯体(1)と前記リチウム原子及びハロゲン原子を含むハロゲン化物を構成要素として含む錯体(2)を前記混合することにより得られ、錯化剤、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を構成成分として含むものである。
前駆体を得ることにより、硫化物固体電解質はハロゲン原子がより分散し、均一な固体電解質となり、高いイオン伝導度を持つため好ましい。
ここで、前駆体に含まれる錯化剤は、錯化剤(1)及び錯化剤(2)に由来するものである。
共結晶は、錯化剤、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子により構成されており、典型的には、リチウム原子と、他の原子とが、錯化剤を介して及び/又は介さずに直接結合した錯体構造を形成しているものと推認される。
ここで、前駆体が共結晶を構成していることは、例えば、ガスクロマトグラフィー分析によって確認することができる。具体的には、前駆体の粉末をメタノールに溶解させ、得られたメタノール溶液のガスクロマトグラフィー分析を行うことで共結晶に含まれる錯化剤を定量することができる。
前駆体に留まるハロゲン原子の量は、仕込み組成に対して30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。前駆体に留まるハロゲン原子の量の上限は100質量%である。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法は、さらに硫化物、ハロゲン化物、前駆体及び/又は硫化物固体電解質を粉砕することを含むことが好ましい。硫化物、ハロゲン化物、前駆体及び/又は硫化物固体電解質を粉砕することで、イオン伝導度の低下を抑制しながら粒径の小さい硫化物固体電解質が得られる。
本実施形態における粉砕に用いる粉砕機としては、粒子を粉砕できるものであれば特に制限なく、例えば、粉砕媒体を用いた媒体式粉砕機を用いることができる。媒体式粉砕機の中でも、前駆体が、主に錯化剤、溶媒等の液体を伴う液状態、又はスラリー状態であることを考慮すると、湿式粉砕に対応できる湿式粉砕機であることが好ましい。
湿式粉砕機としては、湿式ビーズミル、湿式ボールミル、湿式振動ミル等が代表的に挙げられ、粉砕操作の条件を自由に調整でき、より小さい粒径のものに対応しやすい点で、ビーズを粉砕メディアとして用いる湿式ビーズミルが好ましい。また、乾式ビーズミル、乾式ボールミル、乾式振動ミル等の乾式媒体式粉砕機、ジェットミル等の乾式非媒体粉砕機等の乾式粉砕機を用いることもできる。
この場合、超音波の周波数等の諸条件は、所望の前駆体の平均粒径等に応じて適宜選択すればよく、周波数は、例えば1kHz以上100kHz以下程度とすればよく、より効率的に前駆体を粉砕する観点から、好ましくは3kHz以上50kHz以下、より好ましくは5kHz以上40kHz以下、更に好ましくは10kHz以上30kHz以下である。
また、超音波粉砕機が有する出力としては、通常500~16,000W程度であればよく、好ましくは600~10,000W、より好ましくは750~5,000W、更に好ましくは900~1,500Wである。
この場合、本製造方法において用い得る粉砕機として例示した上記の粉砕機の中でも、乾式粉砕機のいずれかを用いることが好ましい。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法は、錯体(1)、錯体(2)、前駆体及び/又は硫化物固体電解質を乾燥することを含んでもよい。これにより錯化剤及び溶剤等を除去し、錯体(1)、錯体(2)、前駆体及び/又は硫化物固体電解質の粉末が得られる。事前に乾燥することにより、効率的に加熱すること可能となる。なお、乾燥と、その後の加熱とを同一工程で行ってもよい。
固液分離は、具体的には、錯体(1)、錯体(2)、前駆体及び/又は硫化物固体電解質が沈殿した後に、上澄みとなる錯化剤、溶媒を除去するデカンテーション、また例えばポアサイズが10~200μm程度、好ましくは20~150μmのガラスフィルターを用いたろ過が容易である。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法は、前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合することの後に、加熱することを更に含むことも好ましい。つまり、前駆体を加熱して非晶質硫化物固体電解質を得ること、また前駆体又は非晶質硫化物固体電解質を加熱することで、結晶性硫化物固体電解質を得ること、を含むことが好ましい。
前駆体を加熱することを含むことで、前駆体中の錯化剤及び溶媒等が除去され、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を含む非晶質硫化物固体電解質、結晶性硫化物固体電解質が得られる。また、本加熱により加熱される前駆体は、上記の粉砕することにより粉砕された前駆体の粉砕物であってもよい。
従来、イオン伝導度が高い結晶性硫化物固体電解質、例えば後述するチオリシコンリージョンII型結晶構造を有する硫化物固体電解質を得るには、メカニカルミリング等の機械的粉砕処理、その他溶融急冷処理等により非晶質硫化物固体電解質を作製した後に該非晶質硫化物固体電解質を加熱して得ることを要していた。しかし、本実施形態の製造方法では、機械的粉砕処理、その他溶融急冷処理等を行わない方法によってもチオリシコンリージョンII型結晶構造を有する結晶性硫化物固体電解質が得られる点で、従来のメカニカルミリング処理等による製造方法に比べて優位であるといえる。
前駆体の加熱温度は、例えば、非晶質硫化物固体電解質を得る場合、該非晶質硫化物固体電解質(又は前駆体)を加熱して得られる結晶性硫化物固体電解質の構造に応じて加熱温度を決定すればよく、具体的には、該非晶質硫化物固体電解質(又は前駆体)を、示差熱分析装置(DTA装置)を用いて、10℃/分の昇温条件で示差熱分析(DTA)を行い、最も低温側で観測される発熱ピークのピークトップの温度を起点に、好ましくは5℃以下、より好ましくは10℃以下、更に好ましくは20℃以下の範囲とすればよく、下限としては特に制限はないが、最も低温側で観測される発熱ピークのピークトップの温度-40℃以上程度とすればよい。このような温度範囲とすることで、より効率的かつ確実に非晶質硫化物固体電解質が得られる。
100.0Pa以下であることが好ましく、50.0Pa以下であることがより好ましく、20.0Pa以下であることが更に好ましい。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法により得られる非晶質硫化物固体電解質としては、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を含んでおり、代表的なものとしては、例えば、Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-LiI-LiBr等の、硫化リチウムと硫化リンとハロゲン化リチウムとから構成される硫化物固体電解質;更に酸素原子、珪素原子等の他の原子を含む、例えば、Li2S-P2S5-Li2O-LiI、Li2S-SiS2-P2S5-LiI等の硫化物固体電解質が好ましく挙げられる。より高いイオン伝導度を得る観点から、Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-LiI-LiBr等の、硫化リチウムと硫化リンとハロゲン化リチウムとから構成される硫化物固体電解質が好ましい。
非晶質硫化物固体電解質を構成する原子の種類は、例えば、ICP発光分光分析装置により確認することができる。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法において得られる非晶質硫化物固体電解質が、例えば、Li2S-P2S5-LiI-LiBrである場合、硫化リチウム及び五硫化二リンの含有量の合計は、60~95モル%が好ましく、65~90モル%がより好ましく、70~85モル%が更に好ましい。また、臭化リチウムとヨウ化リチウムとの合計に対する臭化リチウムの割合は、1~99モル%が好ましく、20~90モル%がより好ましく、40~80モル%が更に好ましく、50~70モル%が特に好ましい。
本実施形態の硫化物固体電解質の製造方法により得られる結晶性硫化物固体電解質は、非晶質硫化物固体電解質を結晶化温度以上に加熱して得られる、いわゆるガラスセラミックスであってもよく、その結晶構造としては、Li3PS4結晶構造、Li4P2S6結晶構造、Li7PS6結晶構造、Li7P3S11結晶構造、2θ=20.2°近傍及び23.6°近傍にピークを有する結晶構造(例えば、特開2013-16423号公報)等が挙げられる。
図9~11に本実施形態の製造方法により得られた結晶性硫化物固体電解質のX線回折測定例を示す。本実施形態の硫化物固体電解質は、結晶性Li3PS4に見られる2θ=17.5°、26.1°の回折ピークを有しないか、有している場合であってもチオリシコンリージョンII型結晶構造の回折ピークに比べて極めて小さいピークが検出される程度である。
なお、これらのピーク位置については、±0.5°の範囲内で前後していてもよい。
例えば、正極層、負極層に用いる場合には、前駆体含有物である前駆体含有液又は前駆体含有スラリーに、正極活物質、負極活物質をそれぞれ分散させて混合し、乾燥させることで、活物質表面に前駆体が付着する。さらに上記の実施形態と同様に、前駆体を加熱することで非晶質硫化物固体電解質または結晶性硫化物固体電解質となる。このときに活物質とともに加熱することで活物質表面に硫化物固体電解質が付着した正極合材、または負極合材が得られる。
硫化物系正極活物質としては、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、硫化鉄(FeS、FeS2)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(Ni3S2)等が挙げられる。
また、上記正極活物質の他、セレン化ニオブ(NbSe3)等も使用可能である。
本実施形態において、正極活物質は、一種単独で、又は複数種を組み合わせて用いることが可能である。
このような負極活物質としては、例えば、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素、金属スズ等の金属リチウム又は金属リチウムと合金を形成し得る金属、これら金属の酸化物、またこれら金属と金属リチウムとの合金等が挙げられる。
被覆層を形成する材料としては、本実施形態で用いられる結晶性硫化物固体電解質においてイオン伝導度を発現する原子、好ましくはリチウム原子の窒化物、酸化物、又はこれらの複合物等のイオン伝導体が挙げられる。具体的には、窒化リチウム(Li3N)、Li4GeO4を主構造とする、例えばLi4-2xZnxGeO4等のリシコン型結晶構造を有する伝導体、Li3PO4型の骨格構造を有する例えばLi4-xGe1-xPxS4等のチオリシコン型結晶構造を有する伝導体、La2/3-xLi3xTiO3等のペロブスカイト型結晶構造を有する伝導体、LiTi2(PO4)3等のNASICON型結晶構造を有する伝導体等が挙げられる。
ここで、各種原子を含む溶液としては、例えばリチウムエトキシド、チタンイソプロポキシド、ニオブイソプロポキシド、タンタルイソプロポキシド等の各種金属のアルコキシドを含む溶液を用いればよい。この場合、溶媒としては、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等を用いればよい。
また、上記の付着は、浸漬、スプレーコーティング等により行えばよい。
被覆層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により、被覆層の厚さを測定することができ、被覆率は、被覆層の厚さと、原子分析値、BET表面積と、から算出することができる。
(1-1) 体積基準平均粒子径(D50)
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA製、LA-950V2モデルLA-950W2)で測定した。
脱水処理されたトルエン(和光純薬製、特級)とターシャリーブチルアルコール(和光純薬製、特級)を93.8:6.2の重量比で混合したものを分散媒として用いた。装置のフローセル内に分散媒を50mL注入し、循環させた後、測定対象を添加して超音波処理した後、粒子径分布を測定した。なお、測定対象の添加量は、装置で規定されている測定画面で、粒子濃度に対応する赤色光透過率(R)が80~90%、青色光透過率(B)が70~90%に収まるように調整した。また、演算条件には、測定対象の屈折率の値として2.16を、分散媒の屈折率の値として1.49をそれぞれ用いた。分布形態の設定において、反復回数を15回に固定して粒径演算を行った。
各例で製造した硫化物固体電解質を、錠剤成形機に充填し、22MPaの圧力を加え成形体とした。電極としてカーボンを成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、測定用の成形体(直径約10mm、厚み0.1~0.2cm)を作製した。この成形体について交流インピーダンス測定によりイオン伝導度を測定した。伝導度の値は25℃における数値を採用した。
XRD測定により、得られた結晶性の生成物を測定した。
各例で製造した前駆体又は固体電解質の粉末を、直径20mm、深さ0.2mmの溝に充填し、ガラスで均して試料とした。この試料を、XRD用カプトンフィルムで空気に触れさせずに測定した。
株式会社BRUKERの粉末X線回折測定装置D2 PHASERを用いて以下の条件にて実施した。
管電流:10mA
X線波長:Cu-Kα線(1.5418Å)
光学系:集中法
スリット構成:ソーラースリット4°、発散スリット1mm、Kβフィルター(Ni板)使用
検出器:半導体検出器
測定範囲:2θ=10-60deg
ステップ幅、スキャンスピード:0.05deg、0.05deg/秒
(2-1) 硫化リチウム(Li2S)の作製例
(2-1-1)Li2Sの作製例
非水溶性媒体としてトルエン(住友商事株式会社製)を脱水処理(カールフィッシャー水分計にて測定し、水分量が100ppm以下であることを確認した。)た303.8kgを、窒素気流下で、500L(リットル)ステンレス製反応釜に加え、続いて無水水酸化リチウム33.8kg(本荘ケミカル株式会社製)を投入し、95℃で2時間、ツインスター撹拌翼を用いて、131rpmで撹拌しスラリーとした。
凝縮液中の水分量は徐々に減少し、硫化水素導入後24時間で水の留出は認められなくなった。なお、反応の間は、トルエン中に固体が分散して撹拌された状態であり、トルエンから分層した水分は無かった。
得られた固形分をろ過及び乾燥して、白色粉末であるLi2Sを得た。Li2SのD50は412μmであった。
(2-1-1)で得たLi2Sを、窒素雰囲気下にて、定量供給機を有するピンミル(ホソカワミクロン株式会社製 100UPZ)にて粉砕した。投入速度は80g/min、円板の回転速度は18000rpmとした。
粉砕処理後のLi2SのD50は7.7μmであった。
(2-2-1) P2S5の粉砕
(2-1-2)において、(2-1-1)で得たLi2Sに換えてP2S5(サーモフォス製、D50=125μm)を用いる以外は同様にして粉砕した。
粉砕処理後のP2S5のD50は8.7μmであった。
(2-3-1) 錯化剤(1)としてN,N,N,N-テトラメチルエタンー1,2-ジアミン(TMEDA)を用いたLi3PS4-TMEDA錯体(錯体(1))の作製例
グローブボックスの不活性ガス雰囲気下で、(2-1-2)で得たLi2Sと(2-2-1)で得たP2S5をモル比で3:1になるように、撹拌子の入ったシュレンク瓶に計10g秤量し、アセトン-液体窒素混合液で冷却した。30分間の冷却後、撹拌子を用いて撹拌した状態で、不活性ガスを流通下でテトラヒドロフラン(THF)を100mL投入し、更に3日間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、得られた固体をTHFによる洗浄を5回繰り返し、溶媒を真空乾燥することでLi3PS4-3THF錯体を得た。この錯体を90℃で5時間真空乾燥することで、非晶質のg-Li3PS4を得た。前記g-Li3PS4をグローブボックス中、不活性ガス雰囲気下で、撹拌子の入ったシュレンク瓶に5g秤量し、不活性ガスを流通下でN,N,N,N-テトラメチルエタンー1,2-ジアミン(TMEDA)を20mL投入し撹拌した。3日間反応後、溶媒を真空乾燥することでLi3PS4-TMEDA錯体(錯体(1))(図2にX線回折(XRD)スペクトルを示した。)を得た。
(2-3-1)において、TMEDAに換えてジメトキシエタン(DME)を20mL用いる以外は同様にしてLi3PS4-DME錯体(錯体(1))を得た。
(3-1) LiBrの粉砕
(2-1-2)において、(2-1-1)で得たLi2Sに換えてLiBr(本荘ケミカル社製、D50=38μm)を用いる以外は同様にして粉砕した。
粉砕処理後のLiBrのD50は5.0μmであった。
(2-3)においてg-Li3PS4に換えて(3-1)で得たLiBrを5g用いる以外は同様にして、LiBr-TMEDA錯体(図3にX線回折(XRD)スペクトルを示した。)を得た。
(2-1-2)において、(2-1-1)で得たLi2Sに換えてLiI(シグマアルドリッチ社製、D50=308μm)を用いる以外は同様にして粉砕した。
粉砕処理後のLiIのD50は10.0μmであった。
(2-3)においてLi2SとP2S5に換えて(3-3)で得たLiIを5g用いる以外は同様にして、LiI―TMEDA錯体(錯体(2))(図4にX線回折(XRD)スペクトルを示した。)を得た。
(3-4-1)において、TMEDAに換えてDMEを20mL用いる以外は同様にして、LiI-DME(錯体(2))を得た。
(2-3-1)で得たLi3PS4-TMEDA錯体、(3-2)で得たLiBr-TMEDA錯体及び(3-4-1)で得たLiI―TMEDA錯体を、それぞれのTG-DTA(図5、6及び7)での重量減少後の質量をLi3PS4の質量、LiBrの質量、LiIの質量としたとき、モル比でLi3PS4:LiBr:LiI=4:1:1となるように各TMEDA錯体を合計2.0g秤量し、グローブボックス中、不活性ガス雰囲気下で、2mmφのジルコニア製ボール34gが入った、ジルコニア製ボールミルポット(フリッチュ社製 P-7)に投入し、脱水ジブチルエーテル(DBE FUJIFILM 特級)25mLとともにジルコニア製ボールミルポットに投入後、グローブボックス中、不活性ガス雰囲気下で封止した。前記ジルコニア製ボールミルを200rpmで2時間混合し、溶媒を真空乾燥し、前駆体(1)を得た(図8)。
グローブボックス中、不活性ガス雰囲気下で、実施例1と同様に各TMEDA錯体を撹拌子の入ったシュレンク瓶に2.0g秤量し、不活性ガス雰囲気下でジブチルエーテル20mLを加えて、3日間撹拌した。その後、溶媒を真空乾燥し、前駆体(2)を得た。
グローブボックス中、不活性ガス雰囲気下で、実施例1と同様に各TMEDA錯体を乳鉢に2.0g秤量し、不活性ガス雰囲気下で30分間乾式混合して、前駆体(3)を得た。
実施例1において、2mmφのジルコニア製ボールに換えて0.5mmφのジルコニア製ボールを用いた以外は同様にして、硫化物固体電解質(4)を得た。硫化物固体電解質(4)のXRDパターンは図10の通りで、チオリシコンリージョンII型結晶構造を含むことが確認された。イオン伝導度は4.1mS/cmであった。
実施例1において、ジブチルエーテルに換えてシクロヘキサンを用いた以外は同様にして、硫化物固体電解質(5)を得た。硫化物固体電解質(5)のXRDパターンは図11の通りで、チオリシコンリージョンII型結晶構造を含むことが確認された。イオン伝導度は3.5mS/cmであった。
(2-3-2)で得たLi3PS4-DME錯体及び(3-4-2)で得たLiI-DME錯体を用い、Li3PS4-DME錯体及びLiI-DME錯体の使用量を、それぞれのTG-DTAでの重量減少後の質量をLi3PS4の質量、LiIの質量としたとき、モル比でLi3PS4:LiIが表1のようになるように各DME錯体を合計2.0g秤量し、撹拌子入りシュレンク(容量:100mL)に導入した。撹拌子を回転させた後、ジブチルエーテル20mLを加えた。3日間を継続した後、50℃で乾燥(室温:23℃)して粉末を得た。更に、得られた粉末を真空下で200℃で加熱を6時間行い、結晶性硫化物固体電解質を得た。実施例6~8で得られた結晶性硫化物固体電解質について、XRDパターンから結晶構造を確認した。
実施例7で得られた結晶性硫化物固体電解質は、Li4PS4I結晶構造が主相であり、β-Li3PS4結晶構造及びチオリシコンリージョンII型結晶構造を少量含むことが確認された。
実施例8で得られた結晶性硫化物固体電解質は、Li4PS4I結晶構造が主相であり、LiI結晶構造を少量含むことが確認された。
また、実施例6~8で得られた結晶性硫化物固体電解質のイオン伝導度は表1のとおりであった。
ビーズミルとして「ビーズミルLMZ015」(アシザワ・ファインテック(株)製)を用い、直径0.5mmのジルコニアボール485gを仕込んだ。また、反応槽として、撹拌機付き2.0リットルガラス製反応器を使用した。
(2-1-2)で得たLi2Sを34.77g、及び(2-2-1)で得たP2S5を45.87gを反応槽投入し、更に脱水トルエン1000mLを追加してスラリーとした。
反応槽に投入したスラリーを、上記ビーズミル装置内のポンプを用いて600mL/分の流量で循環させ、周速10m/sでビーズミルの運転を開始した後、200mLの脱水トルエンに溶解させたヨウ素(和光純薬 特級)13.97g、臭素(和光純薬 特級)13.19gを反応槽に投入した。
1Lの撹拌翼付き反応槽に、窒素雰囲気下で前記の硫化リチウム15.3g、前記の五硫化二リン24.7gを添加した。撹拌翼を作動させた後、予め-20℃に冷却したテトラヒドロフラン400mLを容器に導入した。室温(23℃)まで自然昇温させた後、72時間撹拌を継続し、得られた反応液スラリーをガラスフィルター(ポアサイズ:40~100μm)に投入して固形分を得た後、固形分を90℃で乾燥させることにより、白色粉末としてLi3PS4(純度:90質量%)を38g得た。得られた粉末について、XRDパターンの結果から、ハローパターンを示し、非晶質のLi3PS4であることが確認された。得られたLi3PS4は、錯化剤を構成成分として含まないものである。
比較例(3)の結晶性硫化物固体電解質は、Li4PS4I結晶構造が主相であり、β-Li3PS4結晶構造及びLiI結晶構造を少量含むことが確認された。
比較例(4)の結晶性硫化物固体電解質は、Li4PS4I結晶構造が主相であり、LiI結晶構造を少量含むことが確認された。
また、比較例(2)~(4)の結晶性硫化物固体電解質のイオン伝導度は表1のとおりであった。
さらに、混合の条件を変えても(実施例4)、使用する溶媒を変えても(実施例5)同様に高いイオン伝導度を示す硫化物固体電解質が得られることが分かった。
まず、曝露試験で用いる試験装置(曝露試験装置1)について、図12を用いて説明する。
曝露試験装置1は、窒素を加湿するフラスコ10と、加湿した窒素と加湿しない窒素とを混合するスタティックミキサー20と、混合した窒素の水分を測定する露点計30(VAISALA社製M170/DMT152)と、測定試料を設置する二重反応管40と、二重反応管40から排出される窒素の水分を測定する露点計50と、排出された窒素中に含まれる硫化水素濃度を測定する硫化水素計測器60(AMI社製 Model3000RS)とを、主な構成要素とし、これらを管(図示せず)にて接続した構成としてある。フラスコ10の温度は冷却槽11により10℃に設定されている。
なお、各構成要素を接続する菅には直径6mmのテフロン(登録商標)チューブを使用した。本図では管の表記を省略し、代わりに窒素の流れを矢印で示してある。
露点を-80℃とした窒素グローボックス内で、粉末試料41を約1.5g秤量し、石英ウール42で挟むように反応管40内部に設置し密封した。評価は室温(20℃)で行った。
加湿しない窒素及び加湿した窒素の流量を、ニードルバルブ付きフローメーターFMで調整することにより露点を制御する。具体的に、加湿しない窒素の流量を800mL/min、加湿した窒素の流量を10~30mL/minで、スタティックミキサー20に供給し、混合して、露点計30にて混合ガス(加湿しない窒素及び加湿した窒素の混合物)の露点を確認した。
なお、測定後の窒素から硫化水素を除去するため、アルカリトラップ70を通過させた。
実施例1において、下記参考例2で得られた白色粉末1.70g(Li3PS4:1.53g)、臭化リチウム0.19g、ヨウ化リチウム0.28gを用い、錯化剤の使用量を4.4mL、溶媒としてジブチルエーテルを15.6mL用い、撹拌時間を24時間とした以外は、実施例1と同様にして前駆体、非晶質硫化物固体電解質及び結晶性硫化物固体電解質を得た。得られた結晶性硫化物固体電解質について、実施例1と同様にして粉末X線回折(XRD)測定を行ったところ、チオリシコンリージョンII型結晶構造有しており、イオン伝導度を測定したところ、4.3mS/cmであり、高いイオン伝導度を有していることが確認された。なお、本参考例1は、錯体同士を混合していないため、長時間の撹拌時間を要しているが、前駆体、非晶質硫化物固体電解質及び結晶性硫化物固体電解質は、本実施形態と同様のものが得られる。
1Lの撹拌翼付き反応槽に、窒素雰囲気下で硫化リチウム15.3g、五硫化二リン24.7gを添加した。撹拌翼を作動させた後、予め-20℃に冷却したテトラヒドロフラン400mLを容器に導入した。室温(23℃)まで自然昇温させた後、72時間撹拌を継続し、得られた反応液スラリーをガラスフィルター(ポアサイズ:40~100μm)に投入して固形分を得た後、固形分を90℃で乾燥させることにより、白色粉末としてLi3PS4(純度:90質量%)を38g得た。得られた粉末について、X線回折(XRD)装置(SmartLab装置、(株)リガク製)を用いて粉末X線回折(XRD)測定を行ったところ、ハローパターンを示し、非晶質のLi3PS4であることが確認された。
ビーズミルとして「ビーズミルLMZ015」(アシザワ・ファインテック(株)製)を用い、直径0.5mmのジルコニアボール485gを仕込んだ。また、反応槽として、撹拌機付き2.0リットルガラス製反応器を使用した。
ビーズミルとして「ビーズミルLMZ015」(アシザワ・ファインテック(株)製)を用い、直径0.5mmのジルコニアボール485gを仕込んだ。また、反応槽として、撹拌機付き2.0リットルガラス製反応器を使用した。
硫化リチウム34.77g、及び五硫化二リン45.87gを反応槽投入し、更に脱水トルエン1000mlを追加してスラリーとした。反応槽に投入したスラリーを、上記ビーズミル装置内のポンプを用いて600ml/分の流量で循環させ、周速10m/sでビーズミルの運転を開始した後、200mlの脱水トルエンに溶解させたヨウ素(和光純薬 特級)13.97g、臭素(和光純薬 特級)13.19gを反応槽に投入した。
本実施形態の製造方法により得られる結晶性硫化物固体電解質は、電池に、とりわけ、パソコン、ビデオカメラ、及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器等に用いられる電池に好適に用いられる。
Claims (17)
- リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を含む硫化物固体電解質の製造方法であって、
リチウム原子、硫黄原子及びリン原子を含む硫化物を構成要素として含む錯体(1)と、リチウム原子及びハロゲン原子を含むハロゲン化物を構成要素として含む錯体(2)と、をそれぞれ調製すること、
前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合すること、
を含む、硫化物固体電解質の製造方法。 - 前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合することの後に、更に加熱することを含む、請求項1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記加熱を90~250℃で行う、請求項2に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記加熱を0.1~100.0Paで行う、請求項2又は3に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記混合を、粉砕機を用いて行う、請求項1~4のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記硫化物が、非晶質Li3PS4又は結晶性Li3PS4を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記錯体(1)が更に錯化剤(1)を構成要素として含み、前記錯体(2)が更に錯化剤(2)を構成要素として含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、ヘテロ原子を有する化合物を含む、請求項7に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、少なくとも1つのアミノ基又はエーテル結合を有する化合物を含む、請求項7又は8に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記錯化剤(1)及び錯化剤(2)がそれぞれ独立して、分子中に少なくとも二つの第三級アミノ基を有する化合物を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記錯体(1)と前記錯体(2)を混合することにより、前記錯化剤(1)、錯化剤(2)、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を構成成分として含む前駆体を得る、請求項7~10のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記前駆体における前記錯体(1)と前記錯体(2)の合計の含有量が、前記前駆体全量基準で、30~80質量%である、請求項11に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記混合を、溶媒中で行う、請求項1~12のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記溶媒が、脂肪族炭化水素溶媒、脂環族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒及びエーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒である、請求項13に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記錯体(1)及び前記錯体(2)の合計の質量1gに対し前記溶媒を5~50mL用いる、請求項13又は14に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記硫化物固体電解質が、チオリシコンリージョンII型結晶構造を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
- 前記硫化物固体電解質が、CuKα線を用いたX線回折測定において、結晶性Li3PS4に該当する2θ=17.5°、26.1°の回折ピークを有しない、請求項1~16のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
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