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JP7627592B2 - コーヒー粕のセメント燃料化利用 - Google Patents

コーヒー粕のセメント燃料化利用 Download PDF

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Description

本発明は、コーヒー粕をセメントクリンカー製造設備の焼成系へ供給するコーヒー粕の処理方法に関する。
セメント産業は、大量生産・大量消費型産業であり、省資源・省エネルギーが継続的最重要課題となっている。セメントクリンカーの製造においては、キルンによる焼成工程があり、このキルンを有効活用した廃棄物等の処理により資源循環に貢献している。
また、廃棄物の一種として、コーヒー粕がある。コーヒー粕は石炭に近い熱量を持っており、有効に処理することが望まれている。
コーヒー粕の処理方法としては、種々の提案がなされており、例えば特許文献1には、コーヒー粕を含む廃棄物をごみ袋に入れたまま、セメント原料や燃料の一部として処理し、セメントクリンカーを製造する方法が記載されている。
特開2001-191059号公報
上記特許文献1の方法では、コーヒー粕を含む廃棄物を工業的に再利用できるという観点から極めて有意義な技術であるが、有効に廃棄物を処理するには未だ解決すべき課題が残されている。
一般に、キルンを有効活用した廃棄物等の処理においては、省資源・省エネルギーの観点からの処理を目的としている面と、処理すること自体を目的としている面との二面性を有している。上記特許文献1の方法は、コーヒー粕を含む廃棄物をセメント原料や燃料の一部として、セメントクリンカー製造設備が有するロータリーキルンで焼成するものであり、コーヒー粕を含む廃棄物はキルンの窯尻または仮焼炉へ供給することが記載されている。これはコーヒー粕を処理すること自体を目的として行われており、コーヒー粕は原料セメントと同様に窯尻から投入するためにセメントクリンカーへの品質や生産効率への影響が懸念される。また、コーヒー粕のもつ熱量の有効利用につながらないといった問題や、石炭の代替燃料として用いることができない問題もある。さらにコーヒー粕は、廃棄された状態では水分を含んでおり、この状態では機器の壁面に付着するなど、ハンドリング性に劣っている。
従って、本発明の目的は、廃棄物の一種であるコーヒー粕を、セメントクリンカーの品質や生産効率への影響を少なく、熱量の有効利用をできるように処理するとともに、石炭の代替として用い、かつコーヒー粕の水分を乾燥させてハンドリング性を改善させて、省資源・省エネルギーの観点からの処理が可能な方法を提供することである。
本発明によれば、コーヒー粕をセメントクリンカー製造設備の焼成系へ供給して燃焼させるコーヒー粕の処理方法において、
前記コーヒー粕を乾燥させた後、バーナーを通して前記焼成系へ供給することを特徴とするコーヒー粕の処理方法が提供される。
本発明の製造方法においては、
(1)前記コーヒー粕を、微粉炭と混合した状態で前記バーナーを通して前記焼成系へ供給すること、
(2)前記コーヒー粕を、廃プラスチックと混合した状態で前記バーナーを通して前記焼成系へ供給すること、
(3)前記コーヒー粕等の乾燥が、前記セメントクリンカー製造設備から排出されるガスにより行われ、前記乾燥時の温度が250℃以下であること、
(4)前記コーヒー粕等の乾燥が、前記廃プラスチックを前記バーナーへ送るための空送ライン中で、空送のための気流により行われること
が好ましい。ここで、コーヒー粕等とは、コーヒー粕、コーヒー粕と微粉炭の混合物、コーヒー粕と廃プラスチックの混合物を指す。
本発明においては、コーヒー粕がバーナーを通して焼成系へ供給される。即ち、コーヒー粕は燃料の一部として使用され、この結果、セメントクリンカーへの品質や生産効率に影響を及ぼすことが少なくなるとともに、熱量の有効利用が可能になる。
さらに、本発明においては、コーヒー粕はバーナーを通して焼成系へ供給していることから、コーヒー粕の熱量は焼成系内の加熱に有効に利用される。コーヒー粕は石炭に近い熱量を有しており、燃焼のための燃料となることで、コーヒー粕が持つ高い熱量をセメント焼成に有効活用することが可能となる。
さらに、従来に比べて燃料として用いられている石炭の量は削減されている。コーヒー粕を、バーナーにおける燃焼の燃料の一部に用いられることにより、従来用いていた石炭の使用量を削減することが可能となる。
さらに、本発明においては、コーヒー粕は焼成系へ投入する前にセメントクリンカー装置から排出される排ガスにより乾燥できる。排ガスを乾燥に用いることにより、焼成系内の熱を有効利用することが可能となる。
さらに、本発明においてはコーヒー粕を、廃プラスチックをバーナーへ送るための空送ライン中で空送のための気流により乾燥させることができる。この工程により事前に乾燥機等の工程を設ける必要がなくなる。
さらに、本発明においては乾燥工程を経ることによりコーヒー粕は乾燥された状態で使用されるので、機器や配管への付着等がなくなり、コーヒー粕のハンドリング性が改善され、バーナーからの供給が可能な性状となる。コーヒー粕はもともと粒径が3mm以下で揃っており、乾燥するだけでハンドリング性が大幅に向上する。
本発明で用いるセメントクリンカー製造設備の概略図。 本発明のコーヒー粕の処理プロセスにおいて、コーヒー粕専用バーナーを設け、単独でコーヒー粕を乾燥させた後にコーヒー粕専用バーナーを通して焼成系へ供給する図。 本発明のコーヒー粕の処理プロセスにおいて、コーヒー粕を単独で乾燥した後に、石炭乾燥機による乾燥・粉砕後の微粉炭のラインに供給して、微粉炭とともに微粉炭バーナーを通して焼成系へ供給する図。 本発明のコーヒー粕の処理プロセスにおいて、コーヒー粕を単独で乾燥した後に、破砕後の廃プラスチックと混合させて、廃プラスチックとともに廃プラバーナーを通して焼成系へ供給する図。 本発明のコーヒー粕の処理プロセスにおいて、乾燥前のコーヒー粕を石炭と混合し、その混合物を石炭乾燥機による乾燥・粉砕後に微粉炭バーナーを通して焼成系へ供給する図。 本発明のコーヒー粕の処理プロセスにおいて、乾燥前のコーヒー粕を破砕後の廃プラスチックと混合させて、コーヒー粕を空送ライン中で空送のための気流により乾燥させ、廃プラスチックとともに廃プラバーナーを通して焼成系へ供給する図。
本発明では、乾燥させたコーヒー粕を、バーナーを通して焼成系へ供給し、セメントクリンカー製造に関しての燃料の一部とする。
[セメントクリンカー製造設備]
本発明において用いるセメントクリンカー製造設備は、セメントクリンカー製造において従来から使用されているものであり、例えば、図1に示す構造を有している。
セメントクリンカー製造設備1は、ロータリーキルン3、プレヒーター5、仮焼炉4およびクーラー7を有しており、一般に焼成系といわれる。
プレヒーター5は、複数のサイクロンから成る。原料はプレヒーター5の上部のサイクロンに供給され、ロータリーキルン3からの高温の排ガスとの熱交換によって原料を予熱している。ロータリーキルン3では、窯前に配置されているバーナー9bまたは9cにより回転下に、原料の高温焼成を行う。なお、ロータリーキルン3において、プレヒーター5に連結した側を窯尻、クーラー7に連結した側を窯前と呼ぶ。また、クーラー7は、窯前から排出される高温の焼成物(クリンカー)を冷却するためのものである。
本発明では、上記の構造を有するセメントクリンカー製造設備を用いて、前述したコーヒー粕を、バーナーを通して焼成系へ供給するものであり、そのプロセスの代表例を図2乃至図6に示した。即ち、セメントクリンカー製造設備において、コーヒー粕は単独で、あるいは微粉炭または廃プラスチックと混合され、バーナーを通して焼成系へ供給される。
[コーヒー粕]
コーヒー粕は、焙煎したコーヒー豆を熱水抽出した残渣である。コーヒー粕は、水を含んだ状態で廃棄され、一般的にその含水率は65wt%以上と非常に多くの水分を含んでおり、焼却処分には適さないことが知られている。また、本発明に使用するコーヒー粕の粒径は、ハンドリング性や燃焼性から3mm以下であることが好ましい。コーヒー粕は通常、粒径が3mm以下で揃っているものが多く、粉砕の必要はなく乾燥させることでそのまま使用できる。
本発明で用いるコーヒー粕の発熱量は、石炭の発熱量(約6500cal/g)や廃プラスチックの発熱量(約2000~10000cal/g)に近いことから、石炭等の代替として利用することができる。具体的には、コーヒー粕の発熱量が5000~5500cal/gであることが好ましい。コーヒー粕は通常、発熱量が5000~5500cal/gであり、乾燥させることでそのまま使用できる。
コーヒー粕は、廃棄された状態では水を含んでおり、燃料として使用する場合には、乾燥して用いる。コーヒー粕は250℃を超えると発火の危険性があることから、本発明のコーヒー粕の乾燥温度は250℃以下であることが好ましい。さらに、乾燥温度が190~210℃であることがより好ましい。
コーヒー粕の粒度(コーヒー豆の挽き目)等にもよるが、当該乾燥は含水率が5wt%以下となるように行うことが好ましく、3wt%以下がより好ましい。なおこの含水率はバーナー導入時の値である。
コーヒー粕は、単独でバーナーを通して焼成系へ供給してもよいし、後述する微粉炭または廃プラスチックとともにバーナーを通して焼成系へ供給してもよい。
コーヒー粕に水分が含まれていると、機器や配管への付着等が問題となる。コーヒー粕は通常、粒径が3mm以下で揃っているものが多く、乾燥させるだけで前記問題を解決することができ、ハンドリング性が大幅に向上する。さらに、コーヒー粕は高い熱量を持つために、単独でもコーヒー粕専用バーナー9aを通して焼成系へ供給することが可能になる。
[微粉炭]
微粉炭は、石炭が石炭乾燥機によって乾燥・粉砕されて粒径が小さくなったものである。乾燥させたコーヒー粕は前記微粉炭とともにバーナー9bを通して焼成系へ供給することが可能である。通常石炭は自然発火を防ぐために、ウェットな状態で保管されており、燃料として用いる場合には事前に乾燥される。また、燃焼効率や輸送効率の観点から、石炭を粉砕してバーナー9bに送ることで、燃焼時には、微粉炭の状態とされる。
[廃プラスチック]
廃プラスチックは、例えば、使用済みのプラスチック包装材やPETボトル、シートなどからなる。乾燥させたコーヒー粕は前記廃プラスチックとともにバーナーを通して焼成系へ供給することが可能である。廃プラスチックは工場へ搬入した段階ではベーラーやロール、バラ、ASR(Automobile Shredder Residue)といった状態になっている。ベーラーとは、複数の廃プラスチックを圧縮させ、塊状にしたものである。ロールとは、シート状の廃プラスチックを巻いた状態のものである。バラとは、廃プラスチックを圧縮加工などせず、一つ一つの廃棄物が加工されずにバラバラの状態のものである。ASRとは、使用済み自動車の破砕後に残る残渣のことである。
前記廃プラスチックは、一次破砕機および二次破砕機によって、所定の大きさに破砕される。まず、廃プラスチックは一次破砕機のホッパーに投入される。一次破砕機の内部には二軸の回転刃が取り付けられており、200mm程度の大きさまで破砕される。
一次破砕機で破砕された廃プラスチックは、二次破砕機のホッパーに投入される。二次破砕機には回転刃、固定刃およびプッシャーが取り付けられており、ホッパー内の廃プラスチックがプッシャーで押され、回転刃と固定刃に圧密されることにより破砕が行われる。この圧密による破砕を繰り返し、廃プラスチックの粒径が30mm以下になるようにする。このように加工された廃プラスチックは、二次破砕機から後述する空送ラインに排出される。
以下に、コーヒー粕を、バーナーを通して焼成系へ供給する工程を説明する。なお、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
[バーナー]
本発明において、乾燥したコーヒー粕を焼成系へ吹き込むためのバーナーとしては、コーヒー粕専用バーナー9a、微粉炭バーナー9b、廃プラバーナー9cが使用できる。コーヒー粕単体でバーナーを通して焼成系へ供給する場合には、コーヒー粕専用バーナー9aを用いる。また、コーヒー粕を微粉炭とともにバーナーを通して焼成系へ供給する場合には微粉炭バーナー9bを用い、コーヒー粕を廃プラスチックとともにバーナーを通して焼成系へ供給する場合には廃プラバーナー9cを用いる。
コーヒー粕専用バーナー9a、微粉炭バーナー9b、廃プラバーナー9cはロータリーキルン3の窯前および仮焼炉4に設置される。さらに、仮焼炉4の上方にあるプレヒーター5を構成する各サイクロンに設置してもよい。
上記の各箇所には、コーヒー粕専用バーナー9a、微粉炭バーナー9bあるいは廃プラバーナー9cのそれぞれについて設置することができる。また、同種のバーナーを同箇所に複数台設置してもよいし、バーナーを設置しない箇所があってもよい。
[乾燥装置および乾燥熱源]
コーヒー粕は、廃棄された状態では水を含んでおり、燃料として使用する場合には、燃焼前に乾燥することが必要となる。以下にコーヒー粕の乾燥方法を説明するが、これらの乾燥方法は単独で実施してもよいし組み合わせて実施してもよい。
(コーヒー粕を単独で乾燥する場合)
当該コーヒー粕は単独でコーヒー粕乾燥機によって乾燥することができる。コーヒー粕乾燥機としては、一般的に工場で使用される、円筒型乾燥機、流動層乾燥機、振動型乾燥機等を使用することができる。このコーヒー粕乾燥機の熱源としては、クーラー7からの排ガス11を用いることが好ましい。また、プレヒーター5の頭頂部からの排ガスを用いてもよいし、焼成系から発生する熱以外の独立した熱源を用いて乾燥してもよい。
クーラー7からの排ガスを用いる場合は、直接的に乾燥機内で排ガスとコーヒー粕を接触させてもよいし、排ガスおよびコーヒー粕を壁面等によって隔離し、壁面等を通して連続的に熱交換させることで間接的にコーヒー粕を乾燥させてもよい。
なおクーラー7からの排ガス、あるいはプレヒーター5の頭頂部からの排ガスを用いて乾燥する場合には、コーヒー粕の乾燥は、排ガスの温度が大きく低下しないようにセメントクリンカー製造設備の近くで行うことが好ましいが、独立した熱源を採用する場合には、その必要はない。例えば、事前にコーヒーの製造メーカにてコーヒー粕を乾燥した後に、セメント工場に運んでもよい。この場合には、水分が蒸発しているためにコーヒー粕の総重量が軽くなっており、輸送コストが削減できるというメリットがある。事前にコーヒーの製造メーカにてコーヒー粕を乾燥したものを使用する場合は、本発明の乾燥工程が実施されているものとみなす。
この乾燥方法を採用した場合には、乾燥したコーヒー粕は単独でコーヒー粕専用バーナー9aから吹き込むことができるし、廃プラスチックあるいは微粉炭との混合物として、廃プラバーナー9cあるいは微粉炭バーナー9bを通して焼成系内に供給することもできる。廃プラスチックあるいは微粉炭との混合物とする場合には、これらの輸送ライン途中の適当な部分で上記乾燥させたコーヒー粕を加えればよい。
なお、微粉炭や廃プラなどの燃料をバーナーにて吹き込む際には、吹き込み量を一定にするため、燃料の流路途中のバーナーより少し手前に、一時貯槽および定量供給機等からなる定量供給装置が設けられるのが一般的である(図示しない)。乾燥させたコーヒー粕を微粉炭や廃プラと混合して使用する際には、この定量供給機よりも川上となる位置で当該コーヒー粕を加えることが好ましい。また、コーヒー粕専用バーナー9aを用いる際にも定量供給装置を設ける。
(コーヒー粕を石炭乾燥機で乾燥する場合)
ウェットな状態で保管されている石炭は、石炭乾燥機内で乾燥・粉砕が行われ、粒径が小さい微粉炭の状態にされる。乾燥前のコーヒー粕を石炭とともに石炭乾燥機に投入し、乾燥・粉砕を行うことで、乾燥した微粉炭とコーヒー粕の混合物を得ることができる。石炭乾燥機としては、一般的に工場で使用される、円筒型乾燥機、流動層乾燥機、振動型乾燥機等を使用することができ、石炭乾燥機においては乾燥とともに粉砕が可能である。石炭乾燥機の熱源としては、通常はクーラー7からの排ガスが用いられるが、必要に応じてプレヒーター5の頭頂部からの排ガスを用いてもよいし、焼成系から発生する熱以外の独立した熱源を用いて乾燥してもよい。
なお、このコーヒー粕と石炭の混合物の状態においても、コーヒー粕は粒径がそろっているため粉砕の必要はなく、乾燥のみのために石炭乾燥機に供給されている。
この乾燥方法を採用した場合には、乾燥したコーヒー粕は微粉炭との混合物として、微粉炭バーナー9bを通して焼成系内に供給されることになる。
(コーヒー粕を燃料の空送ラインで乾燥する場合)
前記したような微粉炭や粉砕した廃プラなどの燃料は、バーナーまで(多くは途中でいったん定量供給装置を挟んで)空送される場合が多い。当該空送に際しては、多量の空気がかなり速い速度で流されるため、この気流を利用してコーヒー粕を乾燥させることができる。特に粉砕した廃プラスチックをバーナーまで送る配管(空送ライン)は流路が長く、より乾燥に適している。
例えば、二次破砕機から排出された廃プラスチックは空送ラインを通して廃プラバーナー9cへ空送される。なお図示していないが、廃プラバーナー9c近傍には定量供給装置が設けられている。廃プラスチックの空送ラインでは、多量の常温前後の空気(大気)を圧縮機等で加圧させて配管内に流すことで、二次破砕機から一時貯槽まで破砕後の廃プラスチックを輸送している。空送ラインが数百メートル等の長距離におよぶ場合において、乾燥前のコーヒー粕をこの空送ラインの川上側の位置に供給すると、配管中を流れる多量の空気によりコーヒー粕は輸送中に風力乾燥される。この態様では、コーヒー粕の事前の乾燥工程を省略できるというメリットがある。
この乾燥方法を採用した場合には、乾燥したコーヒー粕は廃プラスチック(あるいは微粉炭)との混合物として、廃プラバーナー9c(あるいは微粉炭バーナー9b)を通して焼成系内に供給されることになる。
[乾燥に用いた後の排ガス]
コーヒー粕乾燥機の乾燥熱源としてクーラー7からの排ガス11を用いた場合、乾燥に使用した排ガスは、クーラー7から仮焼炉4に供給する排ガスのライン(抽気ライン)に戻すことが好ましい。即ち、コーヒー粕の乾燥後においても、余熱がある場合にはその熱をさらに有効活用できる。なおクーラー7からの排ガス11は、通常はロータリーキルン3やプレヒーター5に送ることで、熱利用と共に、燃料の助燃ガス(酸素源)として有効活用されているが、コーヒー粕の乾燥に用いた後でも上記余熱を持ち、かつ酸素も消費されていないため、同様に有効活用することができる。
なお石炭乾燥機においてコーヒー粕と石炭の混合物の乾燥熱源としてクーラー7からの排ガスを用いた場合も、同様に処理することで、熱利用や助燃ガスとして排ガスを有効活用することができる。
コーヒー粕乾燥機において、排ガスとコーヒー粕を直接接触させて乾燥を行った場合、使用後のガスがコーヒー香を持つ可能性がある。このコーヒー香を持つガスをそのまま排出すると悪臭等の公害の原因となるおそれがある。そのため、抽気ラインに戻すことにより、排ガス中の香気成分は燃焼にさらされ、香気成分を消失させることができる。
このような効果を確実に得る点で、乾燥に使用後の排ガスは、ロータリーキルン3の内部に導かれるようにしてもよい。
乾燥熱源としてプレヒーター5の塔頂部からの排ガスを用いた場合は、該排ガスをセメント原料や石炭等の乾燥機等に送り、再度乾燥に用いることが可能である。なお、前記排ガスは多くの微粉を含有しているため、電気集塵機やバグフィルターなどで除害後、煙突から大気中へ放出される。
本発明は、上記コーヒー粕の乾燥方法、吹き込みに用いるバーナーとその位置等を適宜組み合わせて実施できるが、特に好適な態様を図2乃至図6に示す。本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
図2に示す態様においては、ロータリーキルン3の窯前にコーヒー粕専用バーナー9a、微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられ、仮焼炉4にコーヒー粕専用バーナー9aおよび微粉炭バーナー9bが設けられている。この図2の態様では、コーヒー粕乾燥機を用い、単独でコーヒー粕を乾燥させた後にコーヒー粕専用バーナーを通して焼成系へ供給する。乾燥の熱源はクーラー7からの排ガス11であり、乾燥に用いた後のガスは、クーラー7から仮焼炉4に供給する排ガスのライン(抽気ライン)に戻す。
図3に示す態様においては、ロータリーキルン3の窯前に微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられ、仮焼炉4に微粉炭バーナー9bが設けられている。この図3の態様では、コーヒー粕をコーヒー粕乾燥機で単独で乾燥させ、乾燥後のコーヒー粕を石炭乾燥機によって乾燥・粉砕された後の微粉炭のラインに供給し、微粉炭とともにロータリーキルン3の窯前および仮焼炉4の微粉炭バーナー9bを通して焼成系へ供給する。乾燥の熱源はクーラー7からの排ガス11であり、乾燥に用いた後のガスは、クーラー7から仮焼炉4に供給する排ガスのラインに戻す。
図4に示す態様においては、ロータリーキルン3の窯前に微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられ、仮焼炉4にも微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられている。この図4の態様では、コーヒー粕をコーヒー粕乾燥機で単独で乾燥させた後、乾燥後のコーヒー粕を破砕後の廃プラスチックの空送ラインに供給し、廃プラスチックとともにロータリーキルン3の窯前および仮焼炉4の廃プラバーナー9cを通して焼成系へ供給する。乾燥の熱源はクーラー7からの排ガス11であり、乾燥に用いた後のガスは、クーラー7から仮焼炉4に供給する排ガスのラインに戻す。
図5に示す態様においては、ロータリーキルン3の窯前に微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられ、仮焼炉4に微粉炭バーナー9bが設けられている。この図5の態様では、乾燥前のコーヒー粕を石炭とともに石炭乾燥機に投入し、乾燥・粉砕を行うことで、乾燥した微粉炭とコーヒー粕の混合物を得た後、ロータリーキルンの窯前および仮焼炉の微粉炭バーナー9bを通して焼成系へ供給する。図示していないが、乾燥の熱源はクーラー7からの排ガスであり、乾燥に用いた後のガスは、クーラー7から仮焼炉4に供給する排ガスのラインに戻す。
図6に示す態様においては、ロータリーキルン3の窯前に微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられ、仮焼炉4にも微粉炭バーナー9bおよび廃プラバーナー9cが設けられている。この図6の態様では、廃プラスチックの空送ラインに乾燥前のコーヒー粕を直接供給し、空送ライン中で空送のための気流により乾燥され、廃プラスチックとともに廃プラバーナー9cを通して焼成系へ供給する。
なお、図1乃至図6の仮焼炉に記載されているバーナーは、複数台のバーナーが円形になるように設置されていることを表している。
本発明のコーヒー粕の処理方法は、省資源・省エネルギーの観点からの処理に極めて有用であり、セメント生産に及ぼす影響が少なく、かつコーヒー粕の熱量を活用して処理することができる。
また、コーヒー粕を燃料として用いることで石炭の使用量を削減でき、またハンドリング性を向上させた処理方法を提供することができる。
1:セメントクリンカー製造設備
11:排ガスの流れ
4:仮焼炉
5:プレヒーター
3:ロータリーキルン
7:クーラー
9a:コーヒー粕専用バーナー
9b:微粉炭バーナー
9c:廃プラバーナー
13:抽気ライン

Claims (4)

  1. コーヒー粕をセメントクリンカー製造設備の焼成系へ供給して燃焼させるコーヒー粕の処理方法において、
    前記コーヒー粕を乾燥させた後、バーナーを通して前記焼成系へ供給し、
    前記乾燥に使用した排ガスを抽気ラインに戻すことを特徴とするコーヒー粕の処理方法。
  2. 前記コーヒー粕を、微粉炭と混合した状態で前記バーナーを通して前記焼成系へ供給する請求項1に記載の方法。
  3. コーヒー粕をセメントクリンカー製造設備の焼成系へ供給して燃焼させるコーヒー粕の処理方法において、
    前記コーヒー粕を乾燥させた後、廃プラスチックと混合した状態でバーナーを通して前記焼成系へ供給し、
    前記コーヒー粕等の乾燥が、前記廃プラスチックを前記バーナーへ送るための空送ライン中で、空送のための気流により行われることを特徴とするコーヒー粕の処理方法。
  4. 前記コーヒー粕等の乾燥が、前記セメントクリンカー製造設備から排出されるガスにより行われ、前記乾燥時の温度が250℃以下である請求項1~3の何れかに記載の方法。
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