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JP7627580B2 - ニトリルゴム組成物、及び架橋ニトリルゴム部材 - Google Patents

ニトリルゴム組成物、及び架橋ニトリルゴム部材 Download PDF

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Description

本発明は、ニトリルゴム組成物、及びそのニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材に関する。
ニトリルゴムは、耐油性、耐摩耗性、及び引き裂き強度に優れており、Oリング、ガスケット、オイルシール等のシール材として良く用いられている。また、ニトリルゴムの結合アクリロニトリル量を低含量とすることで、ガラス転移点(以下、「Tg」という)が低下し、ニトリルゴムの耐寒性が向上することが知られている。
特許文献1には、結合アクリロニトリル含量が20%未満の水素化ニトリルゴム100重量部当たり、カーボンブラック0~5重量部を含有する、水素化ニトリルゴム組成物のパーオキサイド加硫成形品である、耐寒性等に優れたメカニカルシール用シール部材が開示されている。
特許文献2には、アクリロニトリル含有量が10~30質量%の水素化ニトリルゴム100質量部に対して、カーボンブラック30~65質量部を含有する、耐寒性を向上させた水素化ニトリルゴム組成物が開示されている。
WO2019/058840 特開2003-238743号公報
北米やロシア等の極寒冷地では、結合アクリロニトリル量が低含量の、Tgが-40℃以下の耐寒性のニトリルゴムが、上述のシール材として使用されている。しかし、自動車、船舶、ロケット、及び産業プラント用設備等の機械の内部や外部への、流体の流入や流出を防ぐため、機械の摺動面に用いるシール材として、耐寒性のニトリルゴムを使用しても、極寒冷地では、ニトリルゴムの追従性の低下により、流体の流入や流出を十分に防ぐことができない場合があった。
本発明は、結合アクリロニトリル量が18~22質量%のニトリルゴムと、二種類以上のカーボンフィラーと、を含有し、上記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、60~150質量部である、ニトリルゴム組成物である。
本発明のニトリルゴム組成物によれば、低温環境下での追従性に優れた架橋ニトリルゴム部材を提供することができる。
以下、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(1)本発明の一実施形態は、結合アクリロニトリル量が18~22質量%のニトリルゴムと、二種類以上のカーボンフィラーと、を含有し、上記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、60~150質量部である、ニトリルゴム組成物である。
上記(1)のニトリルゴム組成物は、加硫成形により、低温環境下での追従性に優れた架橋ニトリルゴム部材を提供できる。
(2)上記(1)に記載のニトリルゴム組成物において、上記二種類以上のカーボンフィラーは、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、及びグラフェンから選択される。
(3)上記(2)に記載のニトリルゴム組成物において、上記二種類以上のカーボンフィラーは、カーボンブラックを含む。
(4)上記(3)に記載のニトリルゴム組成物において、上記二種類以上のカーボンフィラーは、黒鉛を含む。
(5)上記(1)~(4)のいずれかに記載のニトリルゴム組成物において、上記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、100~130質量部である。
上記(2)~(5)のニトリルゴム組成物は、加硫成形により、低温環境下での追従性に、さらに優れた架橋ニトリルゴム部材を提供できる。
(6)上記(1)~(5)のいずれかに記載のニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材。
(7)上記(6)に記載の架橋ニトリルゴム部材において、日本工業規格 K 6394:2007に準拠する動的性質試験の損失正接のピークは、-35℃以下である。
上記(6)、及び(7)の架橋ニトリルゴム部材は、低温環境下での追従性に優れている。
本実施形態のニトリルゴム組成物は、未架橋のニトリルゴムと、二種類以上のカーボンフィラーと、を含有する。
上記ニトリルゴム(NBR)は、アクリロニトリル・ブタジエンゴムとも呼ばれ、アクリロニトリル及びブタジエンをモノマー成分とする共重合体である。本発明おいて、上記ニトリルゴムは、主成分であるアクリロニトリル及びブタジエンに加えて、これら以外の単量体もモノマー成分とする共重合体であってよいし、主鎖の残存二重結合が水素化された、水素化ニトリルゴム(HNBR)であってもよい。上記ニトリルゴムの結合アクリロニトリル量は、18~22質量%である。ニトリルゴムは、結合アクリロニトリル量が少ないほど、耐寒性が向上する。そのため、低温環境下では、結合アクリロニトリル量が25質量%未満の、低ニトリルのニトリルゴムが用いられる。本実施形態のニトリルゴムの結合アクリロニトリル量は、22質量%以下である。これにより、ニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材の低温環境下での追従性も、向上する。なお、ニトリルゴムは、結合アクリロニトリル量が多いほど、耐油性が向上する。そのため、本実施形態のニトリルゴムは、結合アクリロニトリル量を18%以上としている。
上記カーボンフィラーは、ゴムの充填剤として適用可能なものであれば、特に制限されない。上記カーボンフィラーとしては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、ダイヤモンド、活性炭、及びフラーレン等が挙げられる。本実施形態のカーボンフィラーとしては、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、及びグラフェンが、好ましい。
本実施形態のニトリルゴム組成物は、二種類以上のカーボンフィラーを含有する。また、上記二種類以上のカーボンフィラーには、カーボンブラックが含まれることが好ましく、カーボンブラック及び黒鉛が含まれることが、特に好ましい。これにより、ニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材の低温環境下での追従性が、さらに向上する。
上記カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、及びサーマルブラック等が挙げられる。本実施形態のニトリルゴム組成物に用いる、カーボンブラックとしては、ファーネスブラックが好ましい。カーボンブラックとしてファーネスブラックを用いれば、ニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材を、高弾性化することができる。また、上記カーボンブラックは、平均粒子径が18~43nmであることが、好ましい。平均粒子径が18~43nmのカーボンブラックであれば、上記の架橋ニトリルゴム部材の高弾性化が、適切に行われる。なお、上記カーボンブラックの平均粒子径は、日本工業規格 K 6217-6:2019に準拠する、ゴム用配合剤として用いるカーボンブラックの基本特性のうち、ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方に基づき測定した、凝集体質量分布の質量分布密度曲線から計算した平均径である。
上記黒鉛としては、天然黒鉛、及び人造黒鉛が挙げられ、人造黒鉛が好ましい。人造黒鉛は、硬度が高く、架橋ニトリルゴム部材の耐摩耗性を向上することができる。また、上記黒鉛は、平均粒径が1~10μmが好ましい。平均粒子径が1以上の黒鉛は、実質的に入手が容易で、安価である。平均粒子径が10μm以下の黒鉛は、ニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材を、ゴム物性を低下させず、高弾性化することができる。なお、上記黒鉛の平均粒子径は、レーザー回折/散乱法を用いて測定した体積基準の粒度分布におけるメジアン径(D50)である。
本実施形態のニトリルゴム組成物の、上記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、60~150質量部である。好ましくは、上記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、100~130質量部である。なお、上記二種類以上のカーボンフィラーの一つとして、カーボンブラックが含まれる場合、カーボンブラックの含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、30~60質量部が、特に好ましい。これにより、ニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材の低温環境下での追従性が、さらに向上する。
本実施形態のニトリルゴム組成物は、加硫成形されて架橋ニトリルゴム部材となる。そのため、上記ニトリルゴム組成物は、加硫剤(架橋剤)を含有していても良く、更には、加硫助剤や加硫促進剤を含有していても良い。上記加硫剤としては特に限定されず、従来公知の加硫剤を用いることができる。上記加硫剤の具体例としては、例えば、粉末硫黄、微粉硫黄、沈降性硫黄、高分散性硫黄、硫黄華などの硫黄、硫黄を放出可能な硫黄含有化合物、過酸化物等が挙げられる。これらのなかでは、取り扱いが容易であることから、硫黄又は硫黄含有化合物が好ましい。
上記加硫促進剤としては、従来公知の加硫促進剤を用いることができる。上記加硫促進剤は、上記加硫剤の種類に応じて適宜選択すれば良い。上記加硫促進剤の具体例としては、例えば、グアニジン系化合物、アルデヒド-アンモニア系化合物、チアゾール系化合物、チオウレア系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記加硫助剤としては、従来公知の加硫助剤を用いることができる。上記加硫助剤の具体例としては、例えば、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸及びその誘導体、アミン類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記加硫剤、上記加硫助剤及び上記加硫促進剤のそれぞれの配合量は、いずれも上記ニトリルゴム100質量部に対して、0.1~10質量部程度とすれば良い。
上記ニトリルゴム組成物は、架橋ニトリルゴム部材に一般に配合されうる可塑剤を含有しても良い。上記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、及び安息香酸エステルが挙げられる。本実施形態のニトリルゴム組成物に配合する可塑剤は、アジピン酸エステルが好ましく、アジピン酸ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル](DBEEA)が特に好ましい。近年、潤滑油やグリースのベースオイルとして、低温環境下でも低粘度が維持される、エステル油の使用が提案されている。しかし、エステル油は、ゴムを軟化膨潤させ易い。本実施形態のニトリルゴム組成物の可塑剤として、アジピン酸エステル、特にDBEEAを配合することで、エステル油による、本実施形態のニトリルゴム組成物を用いて製造された、上記架橋ニトリルゴム部材の軟化膨潤を、抑制することができる。上記可塑剤の配合量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、5~20質量部程度とすれば良い。
上記ニトリルゴム組成物は、更に、架橋ニトリルゴム部材に一般に配合されうる各種添加剤を含有していても良い。上記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、老化防止剤、高級脂肪酸エステルやその金属塩等の加工助剤、等が挙げられる。
本実施形態のニトリルゴム組成物を調製する方法は特に限定されず、従来公知の手法で調製すれば良い。例えば、上述の、未架橋のニトリルゴム、二種類以上のカーボンフィラー、及び加硫剤等を含む、上記ニトリルゴム組成物の配合物を、ゴム混練ロールやバンバリーミキサー等の従来公知のゴム用混練り装置を用いて均一に混練することによって調製すればよい。このとき、混練条件は特に限定されないが、通常は30~80℃の温度で、5~60分間混練りすれば良い。
上記ニトリルゴム組成物を用いて、上記ニトリルゴム組成物の架橋ニトリルゴム部材を製造する方法も特に限定されず、従来公知の方法を採用すれば良い。例えば、未加硫のニトリルゴム組成物を金型の中で加圧しながら加熱すれば良く、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の公知のゴム成形方法により製造することができる。このときの成形条件は、ニトリルゴム組成物の組成に応じて適宜選択すれば良く、例えば、120~200℃で30秒間~30分間程度の条件で加圧加硫すれば良い。更に、必要に応じて、120~200℃で10分間~10時間程度の条件で2次加硫を行っても良い。
上記架橋ニトリルゴム部材は、日本工業規格 K 6394:2007に準拠する動的性質試験の損失正接(以下、「tanδ」という)のピーク(以下、「tanδPEAK」という)が、-35℃以下である。試験周波数は、10Hzとする。tanδは、ゴム部材の粘弾性を示す値である。ゴム部材のtanδの値が大きければ、そのゴム部材は粘性の性質が強く、追従性が高いことを意味する。すなわち、上記架橋ニトリルゴム部材は、-35℃以下にtanδPEAKを有するため、低温環境下でも粘性を損なわず、優れた追従性を有している。なお、常温(15~25℃)での、上記架橋ニトリルゴム部材の弾性を維持する観点から、tanδPEAKは、-60℃以上が好ましい。
上記架橋ニトリルゴム部材としては、従来の架橋ニトリルゴムが採用されうる部材が挙げられ、特に制限されない。例えば、オイルシール、Oリング、ガスケット、ホース、及び使い捨て手袋等の部材が、挙げられる。上述のように、本実施形態のニトリルゴム組成物を用いて製造された、上記架橋ニトリルゴム部材は、低温環境下において、優れた追従性を有している。そのため、自動車、船舶、ロケット、及び産業プラント用設備等の、機械の摺動面に用いるシール材として、好適に採用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
下記表1に示した配合組成のニトリルゴム組成物を調製し、得られたニトリルゴム組成物を加硫成形して加硫ゴム(架橋ニトリルゴム)を作製した後、その性能を評価した。なお、表1中の各成分の配合量の単位は質量部である。
各配合成分の詳細は下記の通りである。
<ニトリルゴム>
ニポールDN407(結合アクリロニトリル(AN)量22%):日本ゼオン社製
ニポールDN401L(結合アクリロニトリル(AN)量18%):日本ゼオン社製
ニポールDN2850(結合アクリロニトリル(AN)量28%):日本ゼオン社製
<カーボンブラック>
HAF-HSカーボン(シースト 3H):東海カーボン社製
<黒鉛>
人造黒鉛(平均粒子:6μm):SECカーボン社製
<可塑剤>
DBEEA(アジピン酸ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]):ADEKA社製、アデカサイザー RS-107
(1)硬さ試験
日本工業規格 K 6253-3:2012に準拠するデュロメータ硬さの求め方に基づき、デュロメータのタイプAを用い、Shore Aを測定した。
(2)動的性質試験
日本工業規格 K 6394:2007に準拠する動的性質試験により、tanδを測定し、tanδPEAKの温度を求めた。
(3)示差走査熱量測定
日本工業規格 K 6240:2011に準拠する示差走査熱量測定(DSC)により、Tgを測定した。
表1に示すように、実施例1のニトリルゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が22質量%のニトリルゴムを含有している。実施例2のニトリルゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が18質量%のニトリルゴムを含有している。また、実施例1、及び実施例2のニトリルゴム組成物は、いずれも、カーボンブラック、及び黒鉛の2種類のカーボンフィラーを含有している。さらに、上記カーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、実施例1が90質量部、実施例2が85質量部となっている。そして、実施例1、及び実施例2の架橋ニトリルゴムは、いずれも、Shore Aが70~80、tanδPEAKが-35℃以下、及びTgが-40℃以下の性能を有している。
比較例1のニトリルゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が18質量%のニトリルゴムを含有している。また、カーボンブラック、及び黒鉛の2種類のカーボンフィラーを含有している。一方、上記カーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、50質量部であり、60質量部未満である。そして、比較例1の架橋ニトリルゴムは、Shore Aが70~80、及びTgが-40℃以下の性能を有しているが、tanδPEAKが-24℃であり、-35℃を超えている。このことから、実施例1、及び実施例2の架橋ニトリルゴムは、比較例1の架橋ニトリルゴムに比べ、低温環境下での追従性が優れていることが分かる。
比較例2のニトリルゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が22質量%のニトリルゴムを含有している。また、カーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、100質量部となっている。しかし、比較例2のニトリルゴム組成物は、カーボンフィラーとして、一種類のカーボンブラックだけを含有している。そして、比較例2の架橋ニトリルゴムは、Shore Aが85であり、80を超えている。Shore Aが80を超える架橋ニトリルゴムは、硬すぎるため、上述の架橋ニトリルゴム部材としての採用に、不適である。
比較例3のニトリルゴム組成物は、カーボンブラック、及び黒鉛の2種類のカーボンフィラーを含有している。さらに、上記カーボンフィラーの合計の含有量は、上記ニトリルゴム100質量部に対して、105質量部となっている。一方、上記ニトリルゴム組成物が含有するニトリルゴムの結合アクリロニトリル量は、28質量%であり、22質量%を超えている。そして、比較例3の架橋ニトリルゴムは、Shore Aが70~80、及びTgが-40℃以下の性能を有しているが、tanδPEAKが-28℃であり、-35℃を超えている。このことから、実施例1、及び実施例2の架橋ニトリルゴムは、比較例3の架橋ニトリルゴムに比べ、低温環境下での追従性が優れていることが分かる。
表1から、結合アクリロニトリル量が18~22質量%のニトリルゴムと、二種類以上のカーボンフィラーと、を含有し、上記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量が、前記ニトリルゴム100質量部に対して、60~150質量部である、ニトリルゴム組成物を用いて作製された架橋ニトリルゴムは、硬さ(Shore A)、低温環境下での追従性(tanδPEAK)、及び耐寒性(Tg)に優れていることが、明らかとなった。

Claims (5)

  1. 結合アクリロニトリル量が18~22質量%のニトリルゴムと、
    二種類以上のカーボンフィラーと、を含有し、
    前記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、前記ニトリルゴム100質量部に対して、60~150質量部であり、
    前記二種類以上のカーボンフィラーは、カーボンブラック、及び黒鉛を含む、
    ニトリルゴム組成物。
  2. 前記カーボンブラックの含有量は、前記ニトリルゴム100質量部に対して、30~60質量部である、請求項1に記載のニトリルゴム組成物。
  3. 前記二種類以上のカーボンフィラーの合計の含有量は、前記ニトリルゴム100質量部に対して、100~130質量部である、請求項1又は2に記載のニトリルゴム組成物。
  4. 請求項1~のいずれかに記載のニトリルゴム組成物の加硫物である、架橋ニトリルゴム部材。
  5. 日本工業規格 K 6394:2007に準拠する動的性質試験の損失正接のピークは、-35℃以下である、請求項に記載の架橋ニトリルゴム部材。
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