本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9234USNP1/190717-1M号、発明の名称「METHOD FOR AN ELECTROSURGICAL PROCEDURE」、
・代理人整理番号END9234USNP2/190717-2号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」、
・代理人整理番号END9234USNP3/190717-3号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH JAW ALIGNMENT FEATURES」、
・代理人整理番号END9234USNP4/190717-4号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTATABLE AND ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR」、
・代理人整理番号END9234USNP5/190717-5号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ASYNCHRONOUS ENERGIZING ELECTRODES」、
・代理人整理番号END9234USNP6/190717-6号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ELECTRODES BIASING SUPPORT」、
・代理人整理番号END9234USNP7/190717-7号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH FLEXIBLE WIRING ASSEMBLIES」、
・代理人整理番号END9234USNP8/190717-8号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH VARIABLE CONTROL MECHANISMS」、
・代理人整理番号END9234USNP9/190717-9号、発明の名称「ELECTROSURGICAL SYSTEMS WITH INTEGRATED AND EXTERNAL POWER SOURCES」、
・代理人整理番号END9234USNP11/190717-11号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENTS WITH ELECTRODES HAVING VARIABLE ENERGY DENSITIES」、
・米国特許第END9234USNP12/190717-12号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH MONOPOLAR AND BIPOLAR ENERGY CAPABILITIES」、
・米国特許第END9234USNP13/190717-13号、発明の名称「ELECTROSURGICAL END EFFECTORS WITH THERMALLY INSULATIVE AND THERMALLY CONDUCTIVE PORTIONS」、
・米国特許第END9234USNP14/190717-14号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ELECTRODES OPERABLE IN BIPOLAR AND MONOPOLAR MODES」、
・米国特許第END9234USNP15/190717-15号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT FOR DELIVERING BLENDED ENERGY MODALITIES TO TISSUE」、
・米国特許第END9234USNP16/190717-16号、発明の名称「CONTROL PROGRAM ADAPTATION BASED ON DEVICE STATUS AND USER INPUT」、
・米国特許第END9234USNP17/190717-17号、発明の名称「CONTROL PROGRAM FOR MODULAR COMBINATION ENERGY DEVICE」、及び
・代理人整理番号END9234USNP18/190717-18号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMMUNICATION PATHWAYS」。
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月30日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・米国仮特許出願第62/955,294号、発明の名称「USER INTERFACE FOR SURGICAL INSTRUMENT WITH COMBINATION ENERGY MODALITY END-EFFECTOR」、
・米国仮特許出願第62/955,292号、発明の名称「COMBINATION ENERGY MODALITY END-EFFECTOR」、及び
・米国特許仮出願第62/955,306号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」。
本出願の出願人は、以下の米国特許出願を所有しており、これらの各開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」(現在は米国特許出願公開第2019/0201136号)、
・米国特許出願第16/209,403号、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206569号)、
・米国特許出願第16/209,407号、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION, DETECTION, AND CONTROL」(現在は米国特許出願公開第2019/0201137号)、
・米国特許出願第16/209,416号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION, PROCESSING, DISPLAY, AND CLOUD ANALYTICS」(現在は米国特許出願公開第2019/0206562号)、
・米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」(現在は米国特許出願公開第2019/0200981号)、
・米国特許出願第16/209,427号、発明の名称「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」(現在は米国特許出願公開第2019/0208641号)、
・米国特許出願第16/209,433号、発明の名称「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT, ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION, AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」(現在は米国特許出願公開第2019/0201594号)、
・米国特許出願第16/209,447号、発明の名称「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」(現在は米国特許出願公開第2019/0201045号)、
・米国特許出願第16/209,453号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」(現在は米国特許出願公開第2019/0201046号)、
・米国特許出願第16/209,458号、発明の名称「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」(現在は米国特許出願公開第2019/0201047号)、
・米国特許出願第16/209,465号、発明の名称「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」(現在は米国特許出願公開第2019/0206563号)、
・米国特許出願第16/209,478号、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」(現在は米国特許出願公開第2019/0104919号)、
・米国特許出願第16/209,490号、発明の名称「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」(現在は米国特許出願公開第2019/0206564号)、
・米国特許出願第16/209,491号、発明の名称「METHOD FOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」(現在は米国特許出願公開第2019/0200998号)、
・米国特許出願第16/562,123号、発明の名称「METHOD FOR CONSTRUCTING AND USING A MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MULTIPLE DEVICES」、
・米国特許出願第16/562,135号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING AN ENERGY MODULE OUTPUT」、
・米国特許出願第16/562,144号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING A MODULAR ENERGY SYSTEM USER INTERFACE」、及び
・米国特許出願第16/562,125号、発明の名称「METHOD FOR COMMUNICATING BETWEEN MODULES AND DEVICES IN A MODULAR SURGICAL SYSTEM」。
電気外科用システムの様々な態様を詳細に説明する前に、例示の実施例が、適用又は使用において、添付の図面及び明細書で例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示の実施例は、他の態様、変形形態、及び修正形態で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。さらに、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。さらに、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
様々な態様は、外科処置中に組織の解剖、切断、及び/又は凝固をもたらすために発生器によって給電される電気外科用器具を含む電気外科用システムに関する。本電気外科用器具は、開放的外科処置における使用のために構成され得るが、腹腔鏡、内視鏡、及びロボット支援処置などの他のタイプの外科における用途も有する。
以下でより詳細に説明されるように、電気外科用器具は、一般に、遠位に装着されたエンドエフェクタ(例えば、1つ以上の電極)を有するシャフトを含む。エンドエフェクタは、電流が組織内に導入されるように、組織に対して位置決めすることができる。電気外科用器具は、バイポーラ又はモノポーラ動作用に構成することができる。バイポーラ動作中、電流はそれぞれ、エンドエフェクタの活性電極によって組織に導入され、エンドエフェクタの戻り電極によって組織から戻される。モノポーラ動作中、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織に導入され、患者の体に別個に位置する戻り電極(例えば、接地パッド)を介して戻される。組織を流れる電流によって生成される熱は、組織内及び/又は組織間の止血封止を形成してもよく、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用であってもよい。
図1は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成された発生器900の例を示す。発生器900は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び/又は超音波信号を提供する。発生器900は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ超音波、バイポーラ若しくはモノポーラRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達し得る少なくとも1つの発生器出力部を備え、これらの信号は、組織を治療するために個別に又は同時にエンドエフェクタに送達され得る。発生器900は、波形発生器904に連結されたプロセッサ902を備える。プロセッサ902及び波形発生器904は、開示を明瞭にするために示されていない、プロセッサ902に連結されたメモリに記憶された情報に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換するために1つ以上のDAC回路を含む波形発生器904に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器906に供給される。増幅器906の、調節され増幅された出力は、電力変圧器908に連結されている。信号は、電力変圧器908を横断して患者絶縁側にある二次側に連結されている。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間で外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ910にわたって連結され、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間で外科用器具に提供される。3つ以上のエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、2以上の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
第1の電圧感知回路912は、ENERGY1及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路924は、ENERGY2及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路914は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、示される電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路は、各リターン区間で提供されなければならない。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力が対応の絶縁変圧器928、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。電力変圧器908の一次側(非患者絶縁側)における絶縁変圧器916、928、922の出力は、1つ以上のADC回路926に提供される。ADC回路926のデジタル化された出力は、さらなる処理及び計算のためにプロセッサ902に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、出力インピーダンスなどのパラメータを計算するために使用することができる。プロセッサ902と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路920を介して提供される。センサもまた、インターフェース回路920を介してプロセッサ902と電気通信してもよい。
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路912又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路924のいずれかの出力を、電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配置された電流感知回路914の出力で割ることによって、プロセッサ902により判定されてもよい。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力は、個別の絶縁変圧器928、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。ADC回路926からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ902に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、RFモノポーラエネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFバイポーラエネルギーであってもよい。それでも、バイポーラ及びモノポーラRFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも、超音波エネルギー、不可逆的及び/又は可逆的電気穿孔及び/又はマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、図1に例示された例は、単一の戻り経路RETURNが2つ以上のエネルギーモダリティに提供されてもよいことを示しているが、他の態様では、複数の戻り経路RETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供されてもよい。
図1に示されるように、少なくとも1つの出力ポートを備える発生器900は、実施される組織の治療のタイプに応じて、電力を、例えば、とりわけ超音波、バイポーラ若しくはモノポーラRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギーなどの1つ以上のエネルギーモダリティの形態でエンドエフェクタに提供するために、単一の出力部を有し、かつ複数のタップを有する電力変圧器908を含むことができる。例えば、発生器900は、超音波トランスデューサを駆動するために高電圧かつ低電流のエネルギーを送達し、RF電極を駆動して組織を封止するために低電圧かつ高電流のエネルギーを送達し、又はモノポーラ又はバイポーラRF電気外科用電極のいずれかを使用したスポット凝固のために凝固波形を有するエネルギーを送達することができる。発生器900からの出力波形は、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供するために、誘導、切り替え又はフィルタリングされ得る。一実施例では、RFバイポーラ電極の発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。モノポーラ出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
追加の詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2017年3月30日公開の米国特許出願公開第2017/0086914号に開示されている。
図2は、発生器1100と、これと共に使用可能な様々な外科用器具1104、1106、1108と、を備える外科用システム1000の一形態を示し、外科用器具1104は超音波外科用器具であり、外科用器具1106はRF電気外科用器具であり、多機能型外科用器具1108は組み合わせ超音波/RF電気外科用器具である。発生器1100は、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能である。様々な形態によれば、発生器1100は、例えば、超音波外科用器具1104、RF電気外科用器具1106、並びに発生器1100から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能型外科用器具1108を含む異なるタイプの様々な外科用装置と共に使用するように構成可能であり得る。図2の形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108とは別個に示されているが、一形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108のうちのいずれかと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。発生器1100は、発生器1100のコンソールの前側パネル上に位置する入力装置1110を含む。入力装置1110は、発生器1100の動作をプログラムするのに好適な信号を生成する任意の好適な装置を含むことができる。発生器1100は、有線又は無線通信用に構成されてもよい。
発生器1100は、複数の外科用器具1104、1106、1108を駆動するように構成される。第1の外科用器具は超音波外科用器具1104であり、ハンドピース1105(handpiece、HP)、超音波トランスデューサ1120、シャフト1126、及びエンドエフェクタ1122を備える。エンドエフェクタ1122は、超音波トランスデューサ1120と音響的に連結された超音波ブレード1128及びクランプアーム1140を備える。ハンドピース1105は、クランプアーム1140を動作させるトリガ1143と、超音波ブレード1128又は他の機能にエネルギー供給し、駆動するためのトグルボタン1137、1134b、1134cの組み合わせと、を備える。トグルボタン1137、1134b、1134cは、発生器1100を用いて超音波トランスデューサ1120にエネルギー印加するように構成され得る。
発生器1100はまた、第2の外科用器具1106を駆動するようにも構成される。第2の外科用器具1106は、RF電気外科用器具であり、ハンドピース1107(HP)、シャフト1127、及びエンドエフェクタ1124を備える。エンドエフェクタ1124は、クランプアーム1145、1142b内に電極を備え、シャフト1127の電気導電性部分を通って戻る。電極は、発生器1100内のバイポーラエネルギー源に連結され、バイポーラエネルギー源によってエネルギーを供給される。ハンドピース1107は、クランプアーム1145、1142bを動作させるためのトリガ1145と、エンドエフェクタ1124内の電極にエネルギー供給するためのエネルギースイッチを作動するためのエネルギーボタン1135と、を備える。第2の外科用器具1106はまた、モノポーラエネルギーを組織に送達するためにリターンパッドと共に使用され得る。
発生器1100はまた、多機能型外科用器具1108を駆動するようにも構成される。多機能型外科用器具1108は、ハンドピース1109(HP)、シャフト1129、及びエンドエフェクタ1125を備える。エンドエフェクタ1125は、超音波ブレード1149及びクランプアーム1146を備える。超音波ブレード1149は、超音波トランスデューサ1120と音響的に連結される。ハンドピース1109は、クランプアーム1146を動作させるトリガ1147と、超音波ブレード1149又は他の機能にエネルギー供給し、駆動するためのトグルボタン11310、1137b、1137cの組み合わせと、を備える。トグルボタン11310、1137b、1137cは、発生器1100を用いて超音波トランスデューサ1120にエネルギー供給し、かつ同様に発生器1100内に収容されたバイポーラエネルギー源を用いて超音波ブレード1149にエネルギー供給するように構成され得る。モノポーラエネルギーは、バイポーラエネルギーと組み合わせて、又はバイポーラエネルギーとは別に組織に送達され得る。
発生器1100は、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能である。様々な形態によれば、発生器1100は、例えば、超音波外科用器具1104、RF電気外科用器具1106、並びに発生器1100から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能型外科用器具1108を含む異なるタイプの異なる外科用器具と共に使用するように構成可能であり得る。図2の形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108とは別個に示されているが、別の形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108のうちのいずれか1つと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。上で考察されるように、発生器1100は、発生器1100のコンソールの前側パネル上に位置する入力装置1110を含む。入力装置1110は、発生器1100の動作をプログラムするのに好適な信号を生成する任意の好適な装置を含むことができる。発生器1100はまた、1つ以上の出力装置1112を含んでもよい。電気信号波形をデジタル的に発生させるための発生器、及び外科用器具のさらなる態様は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017-0086914(A1)号に記載されている。
図3は、様々な機能を実行するために始動され得る複数のモータアセンブリを備える外科用器具又はツール600の概略図を示す。図示の例では、閉鎖モータアセンブリ610は、開放構成と閉鎖構成との間でエンドエフェクタを移行させるように動作可能であり、関節運動モータアセンブリ620は、シャフトアセンブリに対してエンドエフェクタを関節運動させるように動作可能である。特定の例では、複数のモータアセンブリは個々に始動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフト組立体を介してエンドエフェクタに伝達することができる。
特定の例では、閉鎖モータアセンブリ610は、閉鎖モータを含む。閉鎖部603は、特にエンドエフェクタを閉鎖構成へと移行させるために閉鎖部材を変位させて閉鎖させるように、モータによって発生された閉鎖運動をエンドエフェクタへと伝達するように構成され得る閉鎖モータ駆動アセンブリ612に動作可能に結合され得る。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと遷移させて組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータの方向を逆転させることによって開放位置に移行され得る。
特定の例では、関節運動モータアセンブリ620は、モータによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る関節運動駆動アセンブリ622に動作可能に結合された関節運動モータを含む。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
外科用器具600のモータのうちの1つ以上は、モータのシャフトにかかる出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の様式で感知されてもよい。
様々な例において、モータアセンブリ610、620は、1つ以上のHブリッジFETを含み得る1つ以上のモータドライバを含む。モータドライバは、例えば制御回路601のマイクロコントローラ640(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源630からモータに伝送される電力を変調し得る。特定の例では、マイクロコントローラ640は、例えばモータによって引き出される電流を決定するために用いられ得る。
特定の例では、マイクロコントローラ640は、マイクロプロセッサ642(「プロセッサ」)と、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット644(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ644は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ642に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の例では、メモリユニット644のうちの1つ以上が、例えば、プロセッサ642に連結されてもよい。様々な態様において、マイクロコントローラ640は、有線若しくは無線チャネル、又はこれらの組み合わせを介して通信してもよい。
特定の例では、電源630を用いて、例えばマイクロコントローラ640に電力を供給してもよい。特定の例では、電源630は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「電源パック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルが、電源630として使用されてもよい。特定の例では、電源630は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
様々な例において、プロセッサ642は、モータドライバを制御して、アセンブリ610、620のモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御してもよい。様々な例において、プロセッサ642は、モータを停止及び/又は無効化するようにモータドライバに信号伝達し得る。「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合した他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサ642は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラム可能装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一例では、プロセッサ642は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な機能の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、外科用器具600と共に使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
特定の例では、メモリ644は、外科用器具600のモータの各々を制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ644は、閉鎖モータ及び関節運動モータを制御するプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ642に、外科用器具600のアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、閉鎖機能及び関節運動機能を制御させることができる。
特定の例では、例えば、センサ645などの1つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ642に警報することができる。例えば、センサ645は、エンドエフェクタの閉鎖及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ642に警報することができる。特定の例では、センサ645は、例えば、閉鎖アクチュエータの位置を感知するために用いられ得る位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ642は、プロセッサ642が閉鎖アクチュエータの作動を示す信号をセンサ630から受信した場合、エンドエフェクタを閉鎖することに関連付けられたプログラム命令を使用して、閉鎖駆動アセンブリ620のモータを始動することができる。
いくつかの例では、モータは、ブラシレスDC電気モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータの1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの例では、モータ駆動部は省略されてもよく、また制御回路601がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
患者の腹壁に導入されたトロカールを通して外科用器具の外科用エンドエフェクタ部分を挿入して、患者の腹部内に位置する手術部位にアクセスするための、様々な腹腔鏡外科処置中の一般的な慣行がある。その最も単純な形態では、トロカールは、外科用エンドエフェクタが導入され得る開口部を身体に創成するために、カニューレ又はスリーブとして知られる中空管の内側で典型的に使用される一方の端部に鋭い三角形の点を有するペン形状の器具である。そのような構成配置は、外科用エンドエフェクタが挿入され得るアクセスポートを体腔内に形成する。トロカールのカニューレの内径は、トロカールを通して挿入され得る外科用器具のエンドエフェクタ及び駆動支持シャフトのサイズを必然的に制限する。
実施される外科処置の特定のタイプに関係なく、外科用エンドエフェクタがトロカールカニューレを通して患者に挿入されると、治療される組織又は器官に対して外科用エンドエフェクタを適切に位置決めするために、トロカールカニューレ内に位置付けられたシャフトアセンブリに対して外科用エンドエフェクタを移動させることがしばしば必要となる。トロカールカニューレ内に留まるシャフトの部分に対する外科用エンドエフェクタのこの移動又は位置決めは、しばしば、外科用エンドエフェクタの「関節運動」と呼ばれる。外科用エンドエフェクタのそのような関節運動を容易にすることを目指して、外科用エンドエフェクタを関連するシャフトに取り付けるための様々な関節運動継手が開発されている。多くの外科的処置において予想されるように、可能な限り大きな関節運動範囲を有する外科用エンドエフェクタを使用することが望ましい。
トロカールカニューレのサイズによって課されるサイズ制約により、関節運動継手構成要素は、トロカールカニューレを通して自由に挿入可能となるようにサイズ決定されなければならない。これらのサイズの制約はまた、握持され得るかあるいはより大きな自動システムの一部分を備え得るハウジング内で支持されるモータ及び/又は他の制御システムと動作可能にインターフェースする様々な駆動部材及び構成要素のサイズ及び組成を制限する。多くの場合、これらの駆動部材は、外科用エンドエフェクタに動作可能に結合されるか、又は動作可能にインターフェース接続されるように、関節運動継手を動作可能に通過しなければならない。例えば、1つのそのような駆動部材が、外科用エンドエフェクタに関節運動制御運動を加えるために一般的に用いられている。使用中、外科用駆動部材は、外科用エンドエフェクタをトロカールに通して挿入することが容易となるように、外科用エンドエフェクタを非関節運動位置へと位置付けるために非作動化され、次いで、外科用エンドエフェクタが患者に進入すると外科用エンドエフェクタを所望の位置へと関節運動させるように作動され得る。
したがって、前述のサイズ制約は、所望の関節運動範囲を達成し得るが、それでいて、外科用エンドエフェクタの様々な特徴部を動作させるのに必要な様々な異なる駆動システムに対処し得る関節システムを開発することに対し、多くの課題を生じさせることになる。さらに、外科用エンドエフェクタが所望の関節運動位置に位置付けられると、関節運動システム及び関節運動継手は、エンドエフェクタが作動する間及び外科処置が完了するまでの間、外科用エンドエフェクタをその位置に保持することができなければならない。そのような関節運動継手の配置構成はまた、使用中にエンドエフェクタが受ける外力に耐えることが可能でなければならない。
1つ以上の外科用デバイスの様々なモードが、特定の外科処置の全体を通じて、しばしば用いられる。外科用デバイスと集中型外科用ハブとの間に延在する通信経路は、例えば、効率を向上させ、外科処置の成功を高め得る。様々な例において、外科用システム内の各外科用デバイスはディスプレイを備え、ディスプレイは、外科用システム内の他の外科用デバイスの存在及び/又は動作状態を通信する。外科用ハブは、通信経路を通して受信された情報を使用して、互いに使用するための外科用デバイスの互換性を評価し、特定の外科処置中に使用するための外科用デバイスの互換性を評価し、かつ/又は外科用デバイスの動作パラメータを最適化することができる。本明細書でより詳細に説明されるように、1つ以上の外科用デバイスの動作パラメータは、例えば、組織の厚さなどの患者の人口統計、特定の外科処置、及び/又は検出された環境条件に基づいて最適化され得る。
図4及び図5は、電気外科用器具(例えば、米国特許出願、代理人整理番号END9234USNP2/190717-2号に記載されている外科用器具)のエンドエフェクタ1200のエンドエフェクタ1200の分解図(図4)及び断面図(図5)を示す。例えば、エンドエフェクタ1200は、米国特許出願、代理人整理番号END9234USNP2/190717-2号に記載されているエンドエフェクタと同様の方法で、外科用器具のシャフトアセンブリに対して、作動、関節運動、及び/又は回転され得る。さらに、本明細書の他の場所で説明されるエンドエフェクタ1200及び他の同様のエンドエフェクタは、外科用システムの1つ以上の発生器によって給電され得る。外科用器具と共に使用するための例示的な外科用システムは、参照によって本明細書に組み込まれる、2019年9月5日出願の米国特許出願第16/562,123号、発明の名称「METHOD FOR CONSTRUCTING AND USING A MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MULTIPLE DEVICES」に記載されている。
図6~図8を参照すると、エンドエフェクタ1200は、第1のジョー1250と第2のジョー1270とを含んでいる。第1のジョー1250及び第2のジョー1270のうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタ1200を開放構成と閉鎖構成との間で移行させるように、他のジョーに向かって、また他のジョーから離れて枢動可能である。ジョー1250、1270は、それらの間に組織を把持して、治療エネルギー及び非治療エネルギーのうちの少なくとも1つを組織に適用するように構成されている。エンドエフェクタ1200のジョー1250、1270によって把持された組織へのエネルギー送達は、モノポーラモード、バイポーラモード、及び/又は交番するか若しくはブレンドされたバイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーの組み合わせモードでエネルギーを送達するように構成された電極1252、1272、1274によって達成される。エンドエフェクタ1200によって組織に送達され得る異なるエネルギーモダリティについては、本開示の他の場所でより詳細に説明される。
電極1252、1272、1274に加えて、患者リターンパッドがモノポーラエネルギーの適用と共に用いられる。さらに、バイポーラエネルギー及びモノポーラエネルギーは、電気的に絶縁された発生器を使用して送達される。使用中、患者リターンパッドは、リターンパッド上の1つ以上の好適なセンサを介してリターンパッドへの電力伝送を監視することによって予期せぬ電力クロスオーバーを検出することができる。予期せぬ電力クロスオーバーは、バイポーラエネルギーモダリティとモノポーラエネルギーモダリティが同時に使用される場合に生じ得る。少なくとも1つの例では、バイポーラモードは、モノポーラモード(例えば、1アンペア)よりも高い電流(例えば、2~3アンペア)を使用する。少なくとも1つの例では、リターンパッドは、制御回路と、それに結合された少なくとも1つのセンサ(例えば、電流センサ)と、を含む。使用中、制御回路は、少なくとも1つのセンサの測定に基づいて、予期せぬ電力クロスオーバーを示す入力を受信することができる。それに応答して、制御回路はフィードバックシステムを用いて、警告を発行すること、及び/又は組織へのバイポーラエネルギー及びモノポーラエネルギーの一方若しくは両方の適用を一時停止することができる。
上記に加えて、エンドエフェクタ1200のジョー1250、1270は、ジョー1250、1270の各々の別個の部分間に複数の角度が規定される斜行プロファイルを備える。例えば、第1の角度は、部分1250a、1250b(図4)によって規定され、第2の角度は、第1のジョー1250の部分1250b、1250cによって規定される。同様に、第1の角度は、部分1270a、1270bによって規定され、第2の角度は、第2のジョー1270の部分1270b、1270cによって規定される。様々な態様において、ジョー1250、1270の別個の部分は、線形セグメントである。連続する線形セグメントは、例えば、第1の角度又は第2の角度などの角度で交差する。線形セグメントは協働して、ジョー1250、1270の各々の全体として斜行するプロファイルを形成する。斜行するプロファイルは、全体として中心軸から離れて屈曲している。
一例では、第1の角度と第2の角度は、同じであるか、あるいは少なくとも実質的に同じである。別の例では、第1の角度と第2の角度は異なる。別の例では、第1の角度及び第2の角度は、約120°~約175°の範囲から選択される値を含む。さらに別の例では、第1の角度及び第2の角度は、約130°~約170°の範囲から選択される値を含む。
さらに、近位部分である部分1250a、1270aは、中間部分である部分1250b、1270bよりも大きい。同様に、中間部分1250b、1270bは、部分1250c、1270cよりも大きい。他の例では、遠位部分は、中間部分及び/又は近位部分よりも大きくてもよい。他の例では、中間部分は、近位部分及び/又は遠位部分よりも大きい。
上記に加えて、ジョー1250、1270の電極1252、1272、1274は、ジョー1250、1270の斜行プロファイルと同様の斜行プロファイルを備える。図4、図5の例では、電極1252、1272、1274は、上述のように、それぞれの交点で第1及び第2の角度を規定する別個のセグメント1252a、1252b、1252c、1272a、1272b、1272c、1274a、1274b、1274cをそれぞれ含む。
閉鎖構成にあるとき、ジョー1250、1270は、それぞれ、ジョー1250、1270の遠位端において電極部分1261、1262から形成された先端電極1260を画定するように協働する。先端電極1260は、それと接触する組織にモノポーラエネルギーを送達するようにエネルギー供給され得る。電極部分1261、1262の両方が同時に活性化されて、図6に示されるように、モノポーラエネルギーを送達することができ、あるいは、電極部分1261、1262のうちの1つのみが選択的に活性化されて、例えば、図10に示されるように、遠位先端電極1260の片側にモノポーラエネルギーを送達することができる。
ジョー1250、1270の斜行プロファイルは、閉鎖構成において近位部分1252cと近位部分1272cとの間で横方向に延在する平面の片側に先端電極1260を位置させる。斜行プロファイルはまた、部分1252b、1252c、部分、1272b、1272c、及び部分1274b、1274cの交点を、先端電極1260と平面の同じ側に位置させ得る。
少なくとも1つの例では、ジョー1250、1270は、例えばチタンなどの導電性材料から構成され得るか、あるいはそれらから少なくとも部分的に構成され得る導電性スケルトン1253、1273を含む。スケルトン1253、1273は、例えば、アルミニウムなどの他の導電性材料から構成されてもよい。少なくとも1つの例では、スケルトン1253、1273は、射出成形によって調製される。様々な例において、スケルトン1253、1273は、電極1252、1272、1274、1260を形成する事前定義された薄いエネルギー供給可能ゾーンを除く全てにおいて、熱伝導及び電気導電を防止するために、絶縁性材料で選択的にコーティング/被覆され得る。スケルトン1253、1273は、電子集束を有する電極として作用し、ジョー1250、1270は、一方のジョーから他方のジョーに分離して内蔵されている。絶縁性材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))などの絶縁性ポリマーであり得る。電極1252、1272によって画定されるエネルギー供給可能ゾーンは、ジョー1250、1270の内側にあり、ジョー1250、1270の間に把持された組織にエネルギーを送達するためにバイポーラモードで独立して動作可能である。一方、電極先端部1260及び電極1274によって画定されるエネルギー供給可能ゾーンは、ジョー1250、1270の外側にあり、モノポーラモードでエンドエフェクタ1200の外側表面に隣接する組織にエネルギーを送達するように動作可能である。ジョー1250、1270の両方が、モノポーラモードにてエネルギーを送達するようにエネルギー供給され得る。
様々な態様において、コーティング1264は、集束的な解剖及び凝固のための3次元幾何電子変調(GEM)を規定する選択的露出金属内部部分をもたらす導電性スケルトンに選択的に適用される、高温ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))コーティングである。少なくとも1つの例では、コーティング1264は、約0.003インチ、約0.0035インチ、又は約0.0025インチの厚さを含む。様々な例において、コーティング1264の厚さは、約0.002インチ~約0.004インチの範囲、約0.0025インチ~約0.0035インチの範囲、又は約0.0027インチ~約0.0033インチの範囲から選択される任意の値であり得る。3次元幾何学的電子変調(GEM)が可能なコーティング1263の他の厚さも本開示によって企図される。
電極1252、1272は、組織を通してバイポーラエネルギーを伝送するように協働するものであり、回路短絡を防止するようにオフセットされている。エネルギーがオフセット電極1252、1272の間を流れるとき、それらの間に把持された組織は加熱されて、電極1252、1272の間のエリアに封止を発生させる。一方、ジョー1250、1270のうちの電極1252、1272を取り囲む領域は、絶縁性コーティング1264が選択的に、そのような領域上のジョー1250、1270上には堆積されるが、電極1252、1272には堆積されないことにより、非導電性組織接触表面をもたらす。したがって、電極1252、1272は、金属ジョー1250、1270のうち、絶縁性コーティング1264がジョー1250、1270に適用された後も露出したままである領域によって画定される。ジョー1250、1270は、この実施例では概ね電気導電性材料で形成されているが、非導電性領域は、電気絶縁性コーティング1264によって画定される。
図6は、ジョー1250、1270の間に把持された組織へのバイポーラエネルギーモードの適用を示す。バイポーラエネルギーモードでは、RFエネルギーは、経路1271に沿って組織を通って流れ、経路は、中央に延在する湾曲平面(CL)に対して斜行し、電極1252、1272が湾曲平面(CL)の両側に位置するようにジョー1250、1270を長手方向に二等分する。言い換えれば、バイポーラRFエネルギーを実際に受信する組織の領域は、電極1252、1257の間に接触及び延在する組織のみとなる。したがって、ジョー1250、1270によって把持された組織は、ジョー1250、1270の横方向全幅にわたってRFエネルギーを受信しない。したがって、この構成は、組織へのバイポーラRFエネルギーの適用によって引き起こされる熱の熱拡散を最小限に抑えることができる。そのような熱拡散の最小化は次に、外科医が溶接/封止/凝固及び/又は切断することを望む特定の組織領域に隣接する組織に対する潜在的な付随的損傷を最小限に抑えることができる。
少なくとも1つの例では、オフセット電極1252、1272の間に、それらの間に組織を伴わない閉鎖構成で横方向のギャップが画定される。少なくとも1つの例において、横方向のギャップは、閉鎖構成において、約0.01インチ~約0.025インチの範囲、約0.015インチ~約0.020インチの範囲、又は約0.016インチ~約0.019インチの範囲から選択される任意の距離だけ、オフセット電極1252、1272の間に画定される。少なくとも1つの例において、横方向のギャップは、約0.017インチの距離によって画定される。
図4及び図5に示される例では、電極1252、1272、1274は、電極1252、1272、1274の各々が近位端部から遠位端部まで延びるにつれて徐々に狭くなる幅を備える。結果として、近位セグメント1252a、1272a、1274aは、それぞれ中間部分1252b、1272b、1274bよりも大きい表面積を含む。また、中間セグメント1252b、1272b、1274bは、遠位セグメント1252c、1272c、1274cよりも大きい表面を備える。
ジョー1250、1270の斜行及び狭小化するプロファイルは、閉鎖構成においてエンドエフェクタ1200に、曲げられた指状の形状又は斜行するフック形状を与える。この形状は、電極先端1260が組織に向かって下に向けられるようにエンドエフェクタ1200を配向することによって、先端電極1260(図10)を使用して組織の小さな部分にエネルギーを正確に送達することを可能にする。そのような配向では、電極先端1260のみが組織と接触し、これによって組織へのエネルギー送達が集束される。
さらに、図8に示されるように、電極1274は、第2のジョー1270の周辺側面1275上の外側表面上に延在し、これにより、エンドエフェクタ1200が閉鎖構成にある間に、それと接触する組織を効果的に分離する能力が得られる。組織を分離するために、エンドエフェクタ1200は、少なくとも部分的に、電極1274を含む周辺側面1275上に位置付けられる。ジョー1270を通じたモノポーラエネルギーモードの起動により、モノポーラエネルギーが電極1274を通ってそれと接触している組織に流れる。
図9~図11は、バイポーラエネルギー動作モードにおいて電極1252’、1272’(図9)を通じて組織にバイポーラエネルギーを送達するために、第1のモノポーラ動作モードにおいて電極先端部1261を通じて組織にモノポーラエネルギーを送達するために、かつ/又は、第2のモノポーラ動作モードにおいて外部電極1274を通じて組織にモノポーラエネルギーを送達するために使用されているエンドエフェクタ1200’を示す。エンドエフェクタ1200’は、多くの点でエンドエフェクタ1200と類似している。したがって、エンドエフェクタ1200に関して先に説明されたエンドエフェクタ1200’の様々な特徴について、簡潔にするために同じレベルの詳細に関しては本明細書で繰り返されない。
電極1252’、1272’は、それらが段付きの又は不均一な組織接触表面1257、1277を画定するという点で、電極1252’’、1272’’とは異なる。ジョー1250’、1270’の電気導電性スケルトン1253’、1273’は、電極1252’、1272’の導電性組織接触表面を形成する膨張又は突出部分を含む。コーティング1264は、電極1252’、1272’のうちの導電性組織接触表面のみを露出した状態に残して、電極1252’、1272’を形成する膨張又は突出部分の周りに部分的に巻き付く。したがって、図9に示す例では、組織接触表面1257、1277の各々は、段を徐々に下降させる2つの絶縁性組織接触表面の間に位置付けられた導電性組織接触表面を含む段を含む。言い換えれば、組織接触面1257、1277の各々は、第1の部分的導電性組織接触表面と、第1の部分的導電性組織接触表面に対して下方に段をなす第2の絶縁性組織接触表面と、を含む。電極1252’、1272’を形成するための方法は、後に図12に関連して説明される。
さらに、それらの間に組織を有さない閉鎖構成では、オフセット電極1252’、1272’は重なり合って、ジョー1250’、1270’の対向する絶縁性外側表面間のギャップを画定する。したがって、この構成は、ジョー1250’、1270’が閉じられたときに互いに垂直にオフセットされ、かつ互いに横方向にオフセットされた電極表面を提供する。一例では、ギャップは、約0.01インチ~約0.025インチである。加えて、重なり合う間、電極1252’、1272’は、横方向のギャップだけ離間されている。回路の短絡を防止するために、横方向のギャップは、所定の閾値以下である。一例では、所定の閾値は、0.006インチ~0.008インチの範囲から選択される。一例では、所定の閾値は、約0.006インチである。
再び図7、図10を参照すると、先端電極1260は、ジョー1250、1270のいずれか又は両方からの先端凝固及び切断創成を可能にするために、円周方向にコーティングされた近位コーティング部分によって直前で先行されるコーティングされていない電極部分1261、1262によって画定される。特定の例では、電極部分1261、1262は、エンドエフェクタ1200の遠位端部が治療される組織に押し付けられたときにのみ電極部分1261、1262を露出させることを可能にする、ばね付勢式の又は柔軟性の絶縁性ハウジングによって被覆される。
加えて、セグメント1274a、1274b、1274cは、ジョー1270の周辺側面1275に沿って延在する斜行プロファイルを画定する。セグメント1274a、1274b、1274cは、周辺側面1275上のスケルトン1273の斜行本体から突出する無コーティング線形部分によって画定される。セグメント1274a、1274b、1274cは、周辺側面1275上に規定されるコーティング1264の外側表面と面一となる外側表面を備える。様々な例で、水平平面は、セグメント1274a、1274b、1274cを通って延在する。電極1274の斜行プロファイルは、電極1274を用いて組織を解剖又は分離する間に、意図しない横方向の熱損傷を防止するために、電極1274が湾曲の中心線から45度を越えて離れて延在しないように、水平平面内に画定される。
図14は、RFエネルギーを使用して組織を治療するために電気外科用器具(例えば、電気外科用器具1106)のエンドエフェクタ(例えば、1200)と共に使用するためのジョー6270を示す。さらに、ジョー6270は、発生器(例えば、発生器1100)に電気的に結合可能であり、また、モノポーラRFエネルギーを組織に送達し、かつ/又は、エンドエフェクタの別のジョーと協働してバイポーラRFエネルギーを組織に送達するために、発生器によってエネルギー供給可能である。加えて、ジョー6270は、多くの点でジョー1250、1270と類似している。例えば、ジョー6270は、ジョー1270の斜行プロファイルと同様の斜行プロファイルを備える。加えて、ジョー6270は、ジョー1250、1270の一方又は両方に適用され得る熱緩和改善を提示する。
使用中、電気外科用器具のエンドエフェクタのジョーは、それらの電極の性能に干渉し得る熱負荷に供される。電極の組織治療能力に悪影響を及ぼすことなく熱負荷干渉を最小限に抑えるために、ジョー6270は、熱絶縁性部分と、熱絶縁性部分と一体の熱伝導性部分と、を有する電気導電性スケルトン6273を含む。熱伝導性部分はヒートシンクを画定し、熱絶縁性部分は熱伝達に抵抗する。特定の例では、熱絶縁性部分は、ジョー6270の電気導電性を損なうことなく、組織と直接接触しているジョー6270の外側表面の熱質量を効果的に隔離する内側ギャップ、ボイド、又はポケットを含む。
図示の例では、熱伝導性部分は、内側伝導性コアを取り囲むか、あるいは少なくとも部分的に取り囲む伝導性外側層6269を画定する。少なくとも1つの例では、内側伝導性コアはギャップ設定部材を備え、ギャップ設定部材は、ギャップ設定部材の間に延在するギャップ、ボイド、又はポケットを伴って、外側層6269の両側の間に延在するピラー、カラム、及び/又は壁の形態をなし得る。
少なくとも1つの例では、ギャップ設定部材は、ジョー(すなわち、ジョー6270及びエンドエフェクタの別のジョー)がそれらの間に(図6のジョー1250、1270と同様に)組織を把持するために閉鎖構成に移行されるときに、方向性力能力を提供するためにハニカム様格子構造6267を形成する。方向性力は、それらのハニカム壁6268が組織接触表面に対して垂直に位置付けられるように、ジョー6270の組織接触表面と交差する方向に格子6267を整列させることによって達成され得る。
代替的に、あるいは追加的に、ジョー6270の伝導性内側コアは、ジョー内により均一な応力-ひずみ分布を作り出すために、ジョーの外部形状に対して事前定義された組成を持たずに、より均一に分布され付形され得る空気のマイクロポケットを含み得る。様々な態様で、電気導電性スケルトン6273は、3次元印刷によって調製されてもよく、また、電気導電性を有するが比例的に熱絶縁されたコアを生成する3次元印刷された内部ポケットを含んでもよい。
さらに図14を参照すると、電気導電性スケルトン6273は、エネルギー源(例えば、発生器1100)に接続可能であり、コーティング1264によって選択的に被覆されていない外側層6273の各部分に画定された電極6262、6272、及び6274を備える。したがって、ジョー6270は、電極6272、6274を通じた組織とのエネルギー相互作用を制御/集束させながら、熱拡散及び熱質量を低減する、選択的な熱伝導性及び電気導電性を提供する。導電性スケルトン6273の熱絶縁部分は、使用中に電極6262、6272、及び6274にかかる熱負荷を制限する。
さらに、外側層6273は、電極6272の両側に延在し、かつコーティング1264によって少なくとも部分的に被覆される把持特徴部6277を画定している。把持特徴部6277は、ジョー6270が組織に付着し、ジョー6270に対する組織の滑りに抵抗する能力を改善する。
図示の例では、壁6268は、ジョー6270の第1の側面からジョー6270の第2の側面まで対角に延在する。壁6268は、構造ノードで交差する。図示の例では、交差する壁6268は、外側層6269によって頂部及び/又は底部から被覆されたポケット6271を画定する。ジョー6270を製造するための様々な方法が以下で説明される。
図12、図13は、ジョー1273”、1273”’を製造するための方法1280、1281を示す。様々な例で、ジョー1250、1270、1250’、1270’のうちの1つ以上は、方法1280、1281に従って製造される。ジョー1273’’、1273’’’は、コーティング1264(例えば、厚さd)を外部表面全体に適用することによって調製される。次いで、電極は、所望のゾーンからコーティング1264の各部分を選択的に除去して、そのようなゾーンでスケルトン1273’’、1273’’’の外部表面を露出させることによって画定される。少なくとも1つの例では、コーティングの選択的除去は、エッチングによって(図12)、あるいはスケルトン1273’’’のテーパ部分をそれらのそれぞれのコーティング部分と共に部分的に切断して(図13)、面一の導電性表面と非導電性表面とを形成することによって実施され得る。図12に示される例では、電極1272’’、1274’’は、エッチングによって形成される。図13に示される例では、電極1274’’’は、スケルトン1273’’’と並んで延在する隆起した狭小バンド又はリッジ1274dから形成される。リッジ1274Dの一部及びリッジ1274Dを直接被覆するコーティング1264が切り落とされて、コーティング1264の外部表面と面一である電極1274’’’の外部表面が現れる。
したがって、方法1281によって製造されたジョー1270’’’は、スケルトン1273’’’に沿って延在する、狭小の隆起した導電性部分1274eから構成されるテーパ電極1274’’’を含み、これは、スケルトン1273’’’から組織に送達されるエネルギーを集束させるのに役立ち得るものであり、部分1274eは、コーティング1264と面一である導電性外部表面を有する。
別の製造プロセス6200では、ジョー6270は、図15に示されるように調製され得る。電気導電性スケルトン6273は、電極6272及び6274を画定する狭小の隆起バンド又はリッジ6274e、6274fを備えて形成される。図示の例では、ジョー6270のスケルトン6273は、電極6272、6274を画定するように構成された平坦な、又は少なくとも実質的に平坦な外側表面を有するリッジ6274e、6274fを含む。少なくとも1つの例では、スケルトン6273は、3D印刷によって調製される。マスク6265、6266がリッジ6274e、6274fに適用され、コーティング1264に類似しているコーティング1264がスケルトン6273に適用される。コーティング後、マスク6265、6266は取り外され、コーティング1264の外側表面と面一である電極6272、6274の外側表面が露出する。
図14及び図15を参照すると、様々な例で、外側層6269は、電極6272の各々の片側又は両側で横方向に延在する把持特徴部6277を備える。把持特徴部6277は、コーティング1264によって被覆されている。一例では、コーティング1264は、エンドエフェクタ1200に加えられるクランプ荷重に応じて、エンドエフェクタのジョー間のギャップを変化させる圧縮可能な特徴部を画定する。少なくとも1つの例では、ジョー上のコーティング1264は、ジョーの中心線に沿って断熱材の少なくとも0.010インチ~0.020インチの重なり合いをもたらす。コーティング1264は、把持特徴部6277及び/又はクランプ誘導ジョー再整列特徴部の上に直接適用され得る。
様々な態様で、コーティング1264は、窒化チタン、ダイヤモンド様コーティング(DLC)、窒化クロム、Graphit-iC(商標)などのコーティング材料を含み得る。少なくとも1つの例では、DLCは、炭素原子間のグラファイトとダイヤモンドの結合を有する非晶質炭素-水素ネットワークから構成される。DLCコーティング1264は、スケルトン1253、1273(図6)の周りに低摩擦かつ高硬度の特性を有するフィルムを形成することができる。DLCコーティング1264は、ドープされても、ドープされていなくてもよく、一般には、非晶質炭素(a-C:H)又はsp3結合の大部分を含有する水素化非晶質炭素の形態である。様々な表面コーティング技術を利用して、オリクロンBalzersによって開発された表面コーティング技術などのDLCコーティング1264を形成することができる。少なくとも1つの例では、DLCコーティング1264は、プラズマ支援化学気相蒸着(PACVD)を使用して生成される。
さらに図15を参照すると、使用中、電気エネルギーは、電気導電性スケルトン6269から電極6272を通して組織に流れる。コーティング1264は、コーティング1264で被覆された外側層6269の他の領域からの組織への電気エネルギーの伝達を防止する。電極6272の表面が組織治療中に温度を上昇させるにつれて、内側コアの壁6268によって画定されるギャップ、ボイド、又はポケットにより、外側層6269からスケルトン6273の内側コアへの熱エネルギー伝達が減速されるか、あるいは減衰される。
図16は、電気外科用器具のエンドエフェクタのジョーと共に使用するために製造されたスケルトン6290を示す。スケルトン1253、1273、1253’、1273’、1273’’、1273’’’のうちの1つ以上は、スケルトン6290と同様の材料組成物を含むことができ、かつ/又はスケルトン6290と同様に製造され得る。図示の例では、スケルトン6290は、少なくとも2つの材料、すなわち、例えばチタンなどの電気導電性材料と、例えばセラミック材料(例えば、セラミック酸化物など)などの熱絶縁性材料と、から構成される。チタンとセラミック酸化物との組み合わせは、複合的な熱的性質、機械的性質、及び電気的性質を有するジョー構成要素をもたらす。
図示の例では、複合スケルトン6290は、例えば、3次元印刷によって形成されたセラミック基部6291を含む。さらに、複合スケルトン6290は、例えば、3次元印刷を使用してセラミック基部6291とは別個に調製されたチタンクラウン6292を含む。基部6291及びクラウン6292は、相補的な取り付け機構6294を含む。図示の例では、基部6291は、クラウン6292の対応する開口部に受容されるポスト又は張り出しを含む。取り付け機構6294はまた、収縮を制御する。追加的に、あるいは代替的に、基部6291とクラウン6292との接触面は、互いに噛合い係合するために特異的に設計された相補的な表面凹凸部6296を含む。表面凹凸部6296はまた、ベース6291とクラウン6292との異なる材料組成によって引き起こされる収縮に抵抗する。様々な例で、複合スケルトン6290は、例えば、ジョー1250、1270に関連して上述したように、電極を画定するクラウン6292の露出した特定の部分を残して、絶縁性コーティング1264で選択的にコーティングされる。
図17及び図18は、電気外科用器具のエンドエフェクタのジョーと共に使用するためのスケルトン6296を作製するための製造プロセスを示す。スケルトン1253、1273、1253’、1273’、1273’’、1273’’’のうちの1つ以上は、スケルトン6295と同様の材料組成物を含むことができ、かつ/又はスケルトン6290と同様に製造され得る。図示の例では、複合スケルトン6295は、セラミック粉末6297とチタン粉末6298を利用する射出成形によって生成される。粉末は一緒に融合されて(図18)、チタンセラミック複合体6299を形成する(図19)。少なくとも1つの例では、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))コーティングが、熱絶縁並びに電気絶縁のために、複合スケルトン6295の金属領域に選択的に適用され得る。
図20~図22は、RFエネルギーを使用して組織を治療するために電気外科用器具(例えば、電気外科用器具1106)のエンドエフェクタ(例えば、1200)と共に使用するためのジョー1290を示す。さらに、ジョー6270は、発生器(例えば、発生器1100)に電気的に結合可能であり、また、モノポーラRFエネルギーを組織に送達し、かつ/又は、エンドエフェクタの別のジョーと協働してバイポーラRFエネルギーを組織に送達するために、発生器によってエネルギー供給可能である。加えて、ジョー1290は、多くの点でジョー1250、1270と類似している。例えば、ジョー1209は、ジョー1270の斜行又は湾曲プロファイルと同様の斜行プロファイルを備える。
加えて、ジョー1290は、ジョー1290も熱緩和改善を提示するという点で、ジョー6270と類似している。ジョー6270と同様に、ジョー1290は、熱絶縁性部分と、熱絶縁性部分と一体であるか、あるいはそれに取り付けられた熱伝導性部分と、を有する伝導性スケルトン1293を含む。熱伝導性部分はヒートシンクを画定し、熱絶縁性部分は熱伝達に抵抗する。特定の例では、伝導性スケルトン1293の熱絶縁性部分は、ジョー1290の電気導電性を損なうことなく、組織と直接接触する電極1294を画定する、ジョー1290の外側表面の熱質量を効果的に隔離する内側ギャップ、ボイド、又はポケットを有する伝導性内部コア1297を備える。熱伝導性部分は、伝導性内側コア1297を取り囲むか、あるいは少なくとも部分的に取り囲む伝導性外側層1303を画定する。少なくとも1つの例では、伝導性内側コア1297はギャップ設定部材1299を備え、ギャップ設定部材は、ギャップ設定部材の間に延在するギャップ、ボイド、又はポケットを伴って、ジョー1290の外側層1303の両側の間に延在するピラー、カラム、及び/又は壁の形態をなし得る。
代替的に、あるいは追加的に、伝導性内側コア1297は、伝導性内側コア1297内に均一に、あるいは不均一に分布し得る空気の微小ポケットを含み得る。それらのポケットは、事前定義された又はランダムな形状を含むことができ、また伝導性内側コア1297の所定の又はランダムな部分で分散され得る。少なくとも1つの例では、ポケットは、ジョー1290内により均一な応力-ひずみ分布を作り出すように分散されている。様々な態様で、スケルトン1293は、3次元印刷によって調製されてもよく、また、電気導電性を有するが比例的に熱絶縁されたコアを生成する3次元印刷された内部ポケットを含んでもよい。
したがって、ジョー1290は、組織とのエネルギー相互作用を制御/集束させながら、熱拡散及び熱質量を低減する、選択的な熱伝導性及び電気導電性を備える。伝導性スケルトン1293の熱絶縁部分は、使用中にジョー1290の電極にかかる熱負荷を制限する。
図22は、ジョー1290の組織接触表面1291の拡張部分を示す。様々な態様において、スケルトン1293の外側層1303は、例えばDLCなどの第1の材料を含む第1の絶縁性層1264で選択的にコーティング/被覆される。図示の例では、DLCコーティングは、電極1294を画定する、組織接触面1291の長さに沿って延在する中間エリアを除いて、組織接触面1291を電気的に絶縁させる。少なくとも1つの例では、DLCコーティングは、スケルトン1293の周りに延在して、電極1294の両側1294’、1294’’に画定された周辺部までジョー1290を被覆する。伝導性ゾーン1294a、1294b、1294cは露出したままであり、電極1294の長さに沿って絶縁性ゾーン1298と交互になっている。様々な態様において、絶縁性ゾーン1298は、高温ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))を含む。DLCコーティングは熱伝導性であるため、組織接触面1291のうちの絶縁性領域1298を含む部分のみが熱絶縁される。問題接触面1291のうちのDLCコーティングで被覆された部分及び薄い伝導性エネルギー供給可能ゾーン1294a、1294b、1294cは、熱伝導性である。さらに、薄い伝導性エネルギー供給可能ゾーン1294a、1294b、1294cのみが電気導電性である。組織接触面1291のうちの、DLCコーティング又はポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))のいずれかで被覆された残りの部分は、電気的に絶縁されている。
伝導性ゾーン1294a、1294b、1294cは、ゾーン1294a、1294b、1294cの幾何学的形状に基づいて、ジョー1290に沿ったエネルギー濃度位置を規定する。さらに、伝導性ゾーン1294a、1294b、1294c及び絶縁性ゾーン1298のサイズ、形状、及び配置は、電極1294を通って伝達される凝固エネルギーを所定の治療領域内の組織の中へと導き、それによって、治療領域からのエネルギーと熱の両方の寄生浸出を防止する。さらに、熱絶縁性の伝導性内部コア1297は、治療領域を形成しないジョー1290の部分への熱伝達に抵抗し、これは、組織とジョー1290の非治療エリアとの偶発的な接触による不注意な付随的な熱損傷を防止することになる。
電極1294は、領域1298によって選択的に中断される。電極1294の各部分への高温ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))コーティングの選択的適用は、電極1294の導電性ゾーン1294a、1294b、1294cでの集中的な切開及び凝固のために、3次元幾何学的電子変調(GEM)を規定する選択的に露出された金属内部部分をもたらす。領域1298は、図22に示されるように、電極1294の上に選択的に蒸着されて、熱的伝導性及び電気的導電性領域と、DLCコーティングによって規定される、熱伝導性を有するが電気絶縁性の外周領域によって取り囲まれた熱的及び電気的絶縁性領域と、を備えた治療表面をもたらす。
図22を参照すると、ジョー1290は、ジョー1290の別個の部分1290a、1290b、1290c、1290dの間に複数の角度が規定される斜行プロファイルを備える。例えば、第1の角度(α1)は、部分1290a、1290bによって規定され、第2の角度(α2)は、部分1290b、1290cによって規定され、第3の角度(α3)は、第1のジョー1250の部分1290c、1290dによって規定される。他の例では、ジョー1290の少なくとも一部分は、角度がない滑らかな湾曲プロファイルを含む。様々な態様において、ジョー1290の別個の部分1290a、1290b、1290c、1290dは、線形セグメントである。連続する線形セグメントは、例えば、第1の角度(α1)、又は第2の角度(α2)、及び第3の角度(α3)などの角度で交差する。線形セグメントは協働して、ジョー1290の各々の略湾曲プロファイルを形成する。
一例において、角度(α1、α2、α3)は、同じ値であるか、あるいは少なくとも実質的に同じ値である。別の例では、角度(α1、α2、α3)のうちの少なくとも2つが異なる値を含む。別の例では、角度(α1、α2、α3)のうちの少なくとも1つが、約120°~約175°の範囲から選択された値を含む。さらに別の例では、角度(α1、α2、α3)のうちの少なくとも1つが、約130°~約170°の範囲から選択された値を含む。
さらに、ジョー1290の徐々に狭くなるプロファイルが故に、近位部分である部分1290aは、中間部分である部分1290bよりも大きい。同様に、中間部分1290bは、ジョー1290の遠位部分を画定する部分1290dよりも大きい。他の例では、遠位部分は、中間部分及び/又は近位部分よりも大きくてもよい。他の例では、中間部分は、近位部分及び/又は遠位部分よりも大きい。加えて、ジョー1290の電極1294は、ジョー1290の斜行プロファイルと同様の斜行プロファイルを備える。
図23を参照すると、特定の態様において、ジョー1300は、DLCコーティング1264によって部分的に取り囲まれた固体伝導性スケルトン1301を含む。スケルトン1301の露出領域は、1つ以上の電極1302を画定する。この配置は、ジョー1300の熱伝導性部分と電気導電性部分とをもたらし、熱エネルギーは無差別に送達されるが、電気エネルギーは1つ以上の電極1302を通して排他的に送達される。
ここで図24~図26を参照すると、電気外科用器具1500は、以下でより詳細に説明されるように、エンドエフェクタ1400によって把持された組織にモノポーラエネルギー及び/又はバイポーラエネルギーを送達するように構成されたエンドエフェクタ1400を含む。エンドエフェクタ1400は、多くの点でエンドエフェクタ1200と類似している。例えば、エンドエフェクタ1400は、第1のジョー1450と第2のジョー1470とを備える。第1のジョー1450及び第2のジョー1470のうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタ1400を開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。次いで、把持された組織は、モノポーラ及びバイポーラエネルギーを使用して封止及び/又は切断され得る。以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ1400は、GEMを利用して、ジョー1450、1470の組織治療インターフェースにおけるエネルギー密度を調整して、所望の組織治療をもたらす。
ジョー1250、1270と同様に、ジョー1450、1470は、互いに対して斜行する直線状部分から形成された略斜行プロファイルを含み、図26に示されるように、屈曲した又は指状の形状をもたらす。さらに、ジョー1450、1470は、ジョー1450、1470の斜行プロファイルに沿って遠位に延在する狭小化する斜行本体を有する導電性スケルトン1452、1472を含む。導電性スケルトン1452、1472は、例えば、チタンなどの導電性材料から構成され得る。特定の態様では、伝導性スケルトン1453、1473の各々は、熱絶縁性部分と、熱絶縁性部分と一体の熱伝導性部分と、を備える。熱伝導性部分はヒートシンクを画定し、熱絶縁性部分は熱伝達に抵抗する。特定の例では、スケルトン1453、1473の熱絶縁性部分は、ジョー1450、1470の電気伝導性を損なうことなく、組織と直接接触しているジョー1452、1472の外側表面の熱質量を効果的に隔離する内側ギャップ、ボイド、又はポケットを備えた内側コアを画定する。
熱伝導性部分は、内側伝導性コアを取り囲むか、あるいは少なくとも部分的に取り囲む伝導性外層1469、1469’を備える。少なくとも1つの例では、内側伝導性コア1297はギャップ設定部材を備え、ギャップ設定部材は、ギャップ設定部材の間に延在するギャップ、ボイド、又はポケットを伴って、ジョー1250、1270の各々の外側層1469、1469’の両側の間に延在するピラー、カラム、及び/又は壁の形態をなし得る。少なくとも1つの例では、ギャップ設定部材は、ハニカム様格子構造1467、1467’を形成する。
上記に加えて、伝導性スケルトン1453、1473は、ジョー1450、1470の斜行プロファイルに沿って遠位に延在する第1の導電性部分1453a、1473aと、第1の導電性部分1453a、1473aから突出し、スケルトン1453、1473の徐々に狭くなる本体の少なくとも一部分に沿って遠位に延在するテーパ電極を画定する第2の導電性部分1453a、1473aと、を含む。少なくとも例においては、第1の導電性部分1453a、1473aは、スケルトン1453、1473の徐々に狭くなる本体の横断面(例えば、図25)における第2の導電性部分1453b、1473bよりも厚い。少なくとも1つの例では、第2の導電性部分1453b、1473bは、第1の導電性部分1453a、1473aと一体であるか、あるいはそれらに恒久的に取り付けられ、その結果、電気エネルギーは、第2の導電性部分1453b、1473bを介してのみ、第1の導電性部分1453a、1473aから組織に流れる。電気絶縁性層1464、1464’は、第1の導電性部分1453a、1473aは完全に電気的に絶縁するが、第2の導電性部分1453b、1473bは完全に絶縁しないように構成されている。電極1452、1472を画定する、第2の導電性部分1453b、1473bの少なくとも外側表面は、電気絶縁性層1464、1464’によって被覆されていない。図示の例では、電極1452、1472と電気絶縁性層1464、1464’は、面一の組織治療表面を規定する。
上述のように、第1の導電性部分1453a、1473aは、全体として第2の導電性部分1453b、1473bよりも厚く、また電気絶縁性層1464、1464’を巻き付けられ、これにより、第2の導電性部分1453b、1473bは高エネルギー密度エリアとなる。少なくとも1つの例では、電気絶縁性層1464、1464’は、高温ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))コーティング、DLCコーティング、並びに/又は絶縁及びチャー固着に対する耐性のためのセラミックコーティングからなる。様々な例では、より厚い第1の導電性部分1453aは、組織に接触する第2の導電性部分1453bにより小さな抵抗でより多くの潜在的な電力を伝導し、電極1452により高いエネルギー密度をもたらす。
様々な態様において、電極1452、1472の外側表面は、ジョー1450、1470の斜行組織治療表面に沿って延在する連続的な線形セグメントを含む。線形セグメントは、事前定義された角度で交差し、線形セグメントが遠位に延在するにつれて徐々に狭くなる幅を含む。図24に示される例では、電極1452は、セグメント1452a、1452b、1452c、1452c、1452dを含み、電極1472は、セグメント1472a、1472b、1472c、1472c、1472dを含む。ジョー1450の電極1452は、エンドエフェクタ1400の閉鎖構成における電極1452に対する電極1452の横方向位置を示すために、図24のジョー1470上の破線によって示されている。電極1452、1472は、閉鎖構成で互いに横方向にオフセットされる。バイポーラエネルギーモードでは、発生器(例えば、発生器1100)によって供給される電気エネルギーは、第1の導電性部分1453aから第2の導電性部分1453bの電極1452へと、また電極1452からジョー1450、1470の間に把持された組織へと流れる。次いで、バイポーラエネルギーは、組織から第2の導電性部分1473bの電極1472へと、また電極1472から第1の導電性部分1473aへと流れる。
様々な態様において、図24、図25に示されるように、第2のジョー1470は、スケルトン1473から離間した電極1474をさらに含む。少なくとも1つの例では、電極1474は、閉鎖構成でジョー1450、1470の間に把持された組織にモノポーラエネルギーを送達するように構成されたモノポーラ電極である。例えば、患者からモノポーラエネルギーを受け取るために、リターンパッドが患者の下に配置され得る。電極1472と同様に、電極1474は、電極近位端から電極遠位端へと、第2のジョー1470によって画定された斜行プロファイルに沿って遠位に延在する連続的な線形セグメント1474a、1474b、1474c、1474dを含む。さらに、電極1474は、電極1472、1452から横方向にオフセットされている。
電極1474は、クレードル近位1480aからクレードル遠位端部1480bへと第2のジョー1470の斜行プロファイルに沿って遠位に延在する、クレードル1480内に位置付けられた基部1474eを含む。クレードル1480は、第2のジョー1470の横方向縁部1470e、1470fに対して中央に位置する。電極1474は、クレードル1480の側壁を越えて基部1474eから延在するテーパ縁部1474fをさらに備える。加えて、クレードル1480は、狭小化する湾曲本体の外側組織処置表面に画定された谷に部分的に埋め込まれている。クレードル1480は、電気絶縁性コーティング1464’によってスケルトン1473の徐々に狭くなる本体から離間されている。図24に示されるように、基部1480は、基部が基部近位端1480aから基部遠位端1480bへと斜行プロファイルに沿って延在するにつれて徐々に狭くなる幅を備える。
様々な例において、クレードル1480は、柔軟性基材から構成される。非圧縮状態では、図25に示されるように、クレードル1480の側壁は、ジョー1472の組織治療表面を越えて延在する。組織がジョー1450、1470の間で圧縮されると、圧縮された組織は、クレードル1480の側壁に対して付勢力を加えて、電極1474のテーパ縁部1474fをさらに露出させる。
本開示によって説明されるジョーのうちの1つ以上は、エンドエフェクタのジョーの組織治療表面の一方又は両方から外向きに延在する特徴部である、停止部材又はギャップ設定部材を含む。停止部材は、ジョー間に組織がない閉鎖構成におけるジョー間の分離又は所定のギャップを維持するのを助ける。少なくとも1つの例では、クレードル1480の側壁は、そのような停止部材を画定する。別の例では、停止部材は、対向するジョーの間のギャップ及び閉鎖構成がクランプ荷重に基づいて変動することを可能にする絶縁性ピラー又は横方向に延在するばね付勢機構の形態をなし得る。
ほとんどの電気外科用発生器は、一定の電力モードを使用する。定電力モードでは、インピーダンスが増加しても、電力出力は一定のままである。定電力モードでは、インピーダンスが増加するにつれて電圧が増加する。電圧の増加により、組織への熱的損傷が引き起こされる。GEMは、例えば、上述のように、電極1252、1272、1274、1260、1294、1472、1452、1474のサイズ及び形状を制御し、組織インピーダンスに基づいて電力レベルを調節して低電圧プラズマを生成することによって、ジョー1250、1270のエネルギー出力を集束させる。
場合によっては、GEMは、手術部位での切断に必要な一定の最小電圧を維持する。発生器(例えば、1100)は、手術部位での切断に必要な最小電圧に可能な限り近い電圧を維持するように電力を変調する。アークプラズマ及び切断を得るために、電流は、電極1252、1272、1274、1260、1294、1472、1452、1474の徐々に狭くなる部分から組織へと電圧によって押し出される。特定の例では、約200ボルトの最小電圧が維持される。200ボルト超での切断は熱損傷を増加させ、200ボルト未満での切断は、組織内のアーク及びドラッグを最小にすることになる。したがって、発生器(例えば、1100)は、電力を変調して、依然としてアークプラズマ及び切断を形成する、可能な最小電圧を利用することを確実にする。
ここで主に図26を参照すると、外科用器具1500がエンドエフェクタ1400を含んでいる。外科用器具1500は、多くの点で、米国特許出願、代理人整理番号END9234USNP2/190717-2号に記載されている他の外科用器具と同様である。そのような外科用器具に関連して他の場所で説明される様々な作動及び関節機構が、外科用器具1500を関節運動及び/又は作動させるために同様に利用され得る。簡潔にするために、このような機構は、本明細書では繰り返されない。
エンドエフェクタ1400は、近位フレームハウジング11230内に回転可能に支持される遠位フレーム部材11220を備えるエンドエフェクタフレームアセンブリ11210を備える。図示の例では、遠位フレーム部材11220は、近位フレームハウジング11230の環状溝内に受容される遠位フレーム部材11220上の環状リブによって、近位フレームハウジング11230に回転可能に取り付けられている。
電気エネルギーは、遠位フレーム部材11220を通って、あるいはそれに沿って遠位に延在する1つ以上のフレックス回路によって、エンドエフェクタ1400の電極1452、1472、1474に伝送される。図示の例では、フレックス回路1490は、第1のジョー1450に固定的に取り付けられている。より具体的には、フレックス回路1490は、絶縁性層1464によって被覆されていない第1のジョー1450の露出部分1491に固定的に取り付けられ得る遠位部分1492を含む。
近位フレームハウジング11230内のスリップリングアセンブリ1550は、電極1452、1472、1474に電気エネルギーを伝送する回路のワイヤを絡み合いを伴うことなく、外科用器具1500のシャフトを中心としたエンドエフェクタ1400の自由回転を可能にする。図示の例では、フレックス回路1490は、スリップリングアセンブリ1550のスリップリング1550aと移動可能に係合する電気接点1493を含む。電気エネルギーは、フレックス回路1490を介して、スリップリング1550aから伝導性スケルトン1453へと、次いで電極1452へと伝送される。電気接点1493は、スリップリング1550aに固定的に取り付けられていないため、外科用器具1500のシャフトを中心とするエンドエフェクタ1400の回転は、電気接点1493とスリップリング1550aとの間の電気的接続を失うことなく許容される。さらに、同様の電気接点が、電気エネルギーをスリップリング1550aに伝送する。
図26に示される例では、スリップリング1550aは、ジョー1450の電極1452にバイポーラエネルギーを伝送するように構成されている。スリップリング1550bは、同様の電気接点及び電極1472と協働して、バイポーラエネルギーのための戻り経路を画定する。加えて、スリップリング1550cは、同様の電気接点及び電極1474と協働して、組織へのモノポーラ電気エネルギーの経路を提供する。バイポーラ及びモノポーラ電気エネルギーは、1つ以上の電気発生器(例えば、発生器1100)を介してスリップリング1550a、1550bに送達され得る。バイポーラ及びモノポーラ電気エネルギーは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、同時にあるいは別々に送達され得る。
様々な例では、スリップリング1550a、1550b、1550cは、図26に示されるように、スリップリング1550a、1550b、1550cを絶縁性支持構造1557、又は絶縁性材料でコーティングされた伝導性支持構造に結合するように構成された機械的特徴部1556a、1556b、1556cを有する一体型の電気スリップリングである。さらに、スリップリング1550a、1550b、1550cは、伝導性流体がスリップリング1550a、1550b、1550cの間の空間を満たす場合に回路短絡が発生しないことを確実にするように十分に離間されている。少なくとも1つの例では、コアフラットスタンプ金属シャフト部材が、スリップリングアセンブリ1550を支持するための、3次元的に印刷された、又はオーバーモールドされた非導電性部分を含む。
図27は、様々な好適な方法で関節運動継手によって近位シャフトセグメントに結合され得る外科用エンドエフェクタ12200を備える電気外科用器具12000の一部分を示す。特定の例では、外科用エンドエフェクタ12200は、関節運動継手に取り付けられた近位フレームハウジング内に回転可能に支持される遠位フレーム部材12220を備えるエンドエフェクタフレームアセンブリ12210を備える。
外科用エンドエフェクタ12200は、第1のジョー12250と、第2のジョー12270と、を備える。図示の例では、第1のジョー12250は、第1のジョーピン12221によって規定される第1のジョー軸FJAを中心に、それに対して選択的に枢動移動するように遠位フレーム部材12220に枢動可能にピン留めされている。第2のジョー12270は、第2のジョーピン12272によって規定される第2のジョー軸SJAの周りで第1のジョー12250に対して選択的に枢動移動するように第1のジョー12250に枢動可能にピン留めされている。図示の例では、外科用エンドエフェクタ12200は、第1のジョー軸FJA及び第2のジョー軸SJAに対して近位にありかつ平行であるジョー作動軸JAAを中心に枢動移動するように、第2のジョー取り付けピン12273によって第2のジョー12270に枢動可能に結合されたアクチュエータヨークアセンブリ12610を用いる。アクチュエータヨークアセンブリ12610は、遠位ロックプレート12630内のねじ穴12632内に螺合可能に受容される近位ねじ付き駆動シャフト12614を備える。ねじ付き駆動シャフト12614は、それらの間で相対回転するようにアクチュエータヨークアセンブリ12610に取り付けられている。遠位ロックプレート12630は、遠位フレーム部材12220内で回転移動するように支持されている。したがって、遠位ロックプレート12630の回転は、アクチュエータヨークアセンブリ12610の軸方向移動をもたらすことになる。
特定の例では、遠位ロックプレート12630は、エンドエフェクタロックシステム12225の一部分を備える。エンドエフェクタロックシステム12225は、本明細書に開示される様々なタイプの回転駆動シャフト12602に取り付けられる複動式回転ロックヘッド12640をさらに備える。ロックヘッド12640は、遠位ロックプレート12630内に形成された複数の近位に面する半径方向溝又は凹部12634に係止係合するように適合された第1の複数の半径方向に配置された遠位ロック特徴部12642を備える。遠位ロック特徴部12642が遠位ロックプレート12630内の半径方向溝12634と係止係合するとき、回転ロックヘッド12640の回転は、遠位ロックプレート12630を遠位フレーム部材12220内で回転させることになる。また、少なくとも1つの例では、回転ロックヘッド12640は、遠位フレーム部材12220内に設けられた対応する一連のロック溝に係止係合するように適合された第2の一連の近位に面する近位ロック特徴部12644をさらに備える。ロックばね12646は、回転ロックヘッドを遠位に付勢して遠位ロックプレート12630とロック係合させるように機能する。様々な例において、回転ロックヘッド12640は、本明細書に記載される方法で、ロック解除ケーブル又は他の部材によって近位に引っ張られ得る。別の構成では、回転駆動シャフト12602はまた、軸方向に移動して、回転ロックヘッド12640を遠位フレーム部材12220内で軸方向に移動させるように構成され得る。回転ロックヘッド12640の近位ロック特徴部12644が遠位フレーム部材12220内の一連のロック溝とロック係合するとき、回転駆動シャフト12602の回転は、シャフト軸SAを中心とした外科用エンドエフェクタ12200の回転をもたらすことになる。
特定の例では、第1及び第2のジョー12250、12270は、以下のように開閉される。上で詳細に論じたように、ジョーを開閉するために、回転ロックヘッド12640は、遠位ロックプレート12630とロック係合する。その後、回転駆動シャフト12602が第1の方向に回転することは、遠位ロックプレート12630を回転させることになり、それによって、アクチュエータヨークアセンブリ12610は、遠位方向DDに軸方向に駆動され、第1のジョー12250及び第2のジョー12270を開放位置に向かって移動されることになる。回転駆動シャフト12602が反対の第2の方向に回転することは、アクチュエータヨークアセンブリ12610を近位に軸方向に駆動し、ジョー12250、12270を閉鎖位置に向かって引っ張ることになる。外科用エンドエフェクタ12200をシャフト軸SAの周りで回転させるために、ロックケーブル又は部材は近位に引かれて、回転ロックヘッド12640が遠位ロックプレート12630から係合解除され、遠位フレーム部材12220と係合する。その後、回転駆動シャフト12602が所望の方向に回転すると、遠位フレーム部材12220(及び外科用エンドエフェクタ12200)は、シャフト軸SAを中心に回転する。
図27は、ジョー12250、12270を、例えば、発生器3106、3107(図36)などの1つ以上の電源に電気的に結合するための電気接続アセンブリ5000をさらに示す。電気接続アセンブリ5000は、図27に示されるように、電気外科用器具12000を通って延在する2つの別個の電気経路5001、5002を画定する。第1の構成では、電気経路5001、5002は協働して、バイポーラエネルギーをエンドエフェクタ12200に送達し、電気経路5001、5002のうちの1つは戻り経路として機能する。加えて、第2の構成では、電気経路5001、5002は別々にかつ/又は同時にモノポーラエネルギー12200を送達する。したがって、第2の構成では、電気経路5001、5002の両方が供給経路として使用され得る。さらに、電気接続アセンブリ5000は、本明細書の他の場所で説明される他の外科用器具(例えば、外科用器具1500)と共に利用されて、そのような外科用器具を1つ以上の電源(例えば、発生器3106、3107)と電気的に結合することができる。
図示の例では、電気経路5001、5002は、少なくとも部分的にコイルチューブ5005を通じて延在するフレックス回路5004を使用して実装されている。図30に示されるように、フレックス回路5004は、PCB(プリント回路基板)基板5009に埋め込まれた2つの別個の導電性トレース要素5006、5007を含む。特定の例では、フレックス回路5004は、完全なシャフト充填/支持を提供するために3D印刷された、又はオーバーモールドされたプラスチックケーシングを備えたコアフラットスタンプ金属シャフト部材に取り付けられ得る。
代替的な例では、図32に示されるように、コイルチューブ5005’を通って延在するフレックス回路5004’は、螺旋状プロファイルをなしてPCB基板5009’内でねじれた導電性トレース要素5006’、5007’を含み、フレックス回路5004’の全体的なサイズの低減をもたらし、次にコイルチューブ5005’の内径/外径の低減をもたらし得る。図31及び図32は、コイルチューブ5005’’、5005’’’を通って延在し、それぞれ、サイズ減少のための代替的なプロファイルを備える導電性トレース要素5006’’’、5007’’、及び5006’’、5007’’’を含む、フレックス回路5004’’、5004’’’の他の例を示す。例えば、フレックス回路5004’’’は、折り畳まれたプロファイルを備え、フレックス回路5004’’は、PCB5009’’の両側にトレース要素5006’’、5007’’を備える。
上記に加えて、経路5001、5002は、それぞれ、トレース部分5006a~5006g、5007a~5007gによって画定される。トレース部分5006b、5006c、及びトレース部分5007b、5007cは、外科用器具12000のシャフトに対するエンドエフェクタ12200の回転を可能にしながら、経路5001、5002を通じた電気的接続を維持するリングアセンブリ5010を画定するリングの形態をなす。さらに、トレース部分5006e、5007eは、アクチュエータヨークアセンブリ12610の両側に配設されている。図示の例では、部分5006e、5007eは、図27に示されるように、第2のジョー取り付けピン12273を受容するように構成された穴の周りに配設される。トレース部分5006e、5007eは、第2のジョー12270上に配設された対応する部分5006f、5007fと電気的に接触するように構成されている。加えて、第1のジョー12250が第2のジョー12270に組み付けられたときに、トレース部分5007f、5007Gは、電気的に接続される。
図29を参照すると、フレックス回路5014は、ばね付勢トレース要素5016、5017を含む。トレース要素5016、5017は、対応するトレース要素に対して付勢力を発揮して、対応するトレース部分が互いに対して移動するときに、それらとの電気的接続を維持することを確実にするように構成されている。経路5001、5002のトレース部分のうちの1つ以上は、フレックス回路5014に従ってバネ付勢トレース要素を含むように修正され得る。
図34を参照すると、グラフ3000は、エンドエフェクタ1400又は本開示の任意の他の適切なエンドエフェクタによって、エンドエフェクタ1400によって把持された組織に適用される組織治療サイクル3001の電力スキーム3005’を示す。組織治療サイクル3001は、フェザリングセグメント3008と、組織加温セグメント3009と、封止セグメント3010と、を含む組織凝固ステージ3006を含む。組織治療サイクル3001は、組織横切又は切断ステージ3007をさらに含む。
図36は、電力スキーム3005’を実行するように構成された制御回路3101を含む電気外科用システム3100を示す。図示の例では、制御回路3101は、メモリ3103の形態をなす記憶媒体とプロセッサ3102とを備えたコントローラ3104を含む。記憶媒体は、電力スキーム3005’を実行するためのプログラム命令を記憶する。電気外科用システム3100は、電力スキーム3005’に従って、エンドエフェクタ1400にモノポーラエネルギーを供給するように構成された発生器3106と、エンドエフェクタ1400にバイポーラエネルギーを供給するように構成された発生器3107と、を含む。図示の例では、制御回路3101は、外科用器具1500及び発生器3106、3107とは別に示されている。しかしながら、他の例では、制御回路3101は、外科用器具1500、発生器3106、又は発生器3107と統合され得る。様々な態様において、電力スキーム3005’は、アルゴリズム、方程式、及び/又はルックアップテーブル、又は任意の好適な他の適切な形式の形態でメモリ3103に記憶され得る。制御回路3101は、発生器3106、3107に、電力スキーム3005’に従ってエンドエフェクタ1400にモノポーラ及び/又はバイポーラエネルギーを供給させることができる。
図示の例では、電気外科用システム3100は、制御回路3101と通信するフィードバックシステム3109をさらに含む。フィードバックシステム3109は、スタンドアロンシステムであってもよく、あるいは、例えば外科用器具1500と統合されてもよい。様々な態様において、フィードバックシステム3109は、例えば、1つ以上の所定の条件が満たされたときに警告を発行するなど、所定の機能を実施するために制御回路3101によって用いられ得る。ある特定の事例では、フィードバックシステム3109は、例えば表示画面、バックライト、及び/又はLEDなど、1つ以上の視覚フィードバックシステムを備えてもよい。ある特定の事例では、フィードバックシステム3109は、例えばスピーカ及び/又はブザーなど、1つ以上の音声フィードバックシステムを備えてもよい。ある特定の事例では、フィードバックシステム3109は、例えば、1つ以上の触覚フィードバックシステムを備えてもよい。特定の事例では、フィードバックシステム3109は、例えば、視覚、音声、及び/又は触覚フィードバックシステムの組み合わせを備えてもよい。加えて、電気外科用システム3100は、制御回路3101と通信するフィードバックシステム3110をさらに含む。ユーザインターフェース3110は、スタンドアロンインターフェースであってもよく、あるいは、例えば外科用器具1500と統合されてもよい。
グラフ3000は、y軸上に電力(W)を、x軸上に時間を示す。バイポーラエネルギー曲線3020は、組織凝固ステージ3005に及び、モノポーラエネルギー曲線3030は、組織凝固ステージ3006から始まり、組織横切ステージ3007の最後に終了する。したがって、組織治療サイクル3001は、図34に示されるように、組織横切ステージ3007ではなく組織凝固ステージ3006を通して組織にバイポーラエネルギーを印加し、凝固ステージ3006及び横切ステージ3007の一部分において組織にモノポーラエネルギーを印加するように構成されている。
様々な態様において、ユーザ入力は、ユーザインターフェース3110から制御回路3101によって受信され得る。ユーザ入力は、制御回路3101に、時間t1での電力スキーム3005’の実行を初期化させる。代替的に、電力スキーム3005’の実行の初期化は、制御回路3101と通信する1つ以上のセンサ3111からのセンサ信号によって自動的にトリガされ得る。例えば、電力スキーム3005’は、エンドエフェクタ1400のジョー1450、1470の間の所定のギャップを示すセンサ信号に応答して、制御回路3101によって自動的にトリガされ得る。
フェザリングセグメント3008の間、制御回路3101は、発生器3107に、エンドエフェクタ1400に供給されるバイポーラエネルギー電力を所定の電力値P1(例えば、100W)へと徐々に増加させ、フェザリングセグメント3008及び組織加温セグメント3009の残りの部分を通して、所定の電力値P1に、あるいは実質的にその所定の電力値P1にバイポーラエネルギー電力を維持させる。所定の電力値P1は、メモリ3103に記憶されてもよく、かつ/又はユーザインターフェース3110を介してユーザによって提供されてもよい。封止セグメント3010の間、制御回路3101は、生成器3107に、バイポーラエネルギー電力を徐々に減少させる。バイポーラエネルギー印加は、組織凝固ステージ3006の封止セグメント3010の終了時に、かつ切断/横切ステージ3007の開始前に終了される。
上記に加えて、t2では、制御回路3101は、例えば、発生器3107に、エンドエフェクタ1400の電極1474にモノポーラエネルギー電力を供給することを開始させる。組織へのモノポーラエネルギー印加は、フェザリングセグメント3008の終了時及び組織加温セグメント3009の開始時に開始する。制御回路3101は、発生器3107に、モノポーラエネルギー電力を所定の電力レベルP2(例えば、75W)へと徐々に増加させ、また組織加温セグメント3009の残りの部分及び封止セグメント3010の第1の部分にわたって所定の電力レベルP2を維持させるか、あるいは少なくとも実質的に維持させる。所定の電力レベルP2もまた、メモリ3103に記憶されてもよく、かつ/又はユーザインターフェース3110を介してユーザによって提供されてもよい。
組織凝固ステージ3006の封止セグメント3010の間、制御回路3101は、発生器3107に、エンドエフェクタ1400に供給されるモノポーラエネルギー電力を徐々に増加させる。組織横切ステージ3007の始まりは、モノポーラエネルギー曲線3030内の変曲点によって導出され、ここで、封止セグメント3010中に経験されるモノポーラエネルギーのこれまでの漸進的な増加の後に、凝固した組織を横切するのに十分な所定の最大閾値電力レベルP3(例えば、150W)へのステップアップが続く。
t4の時点で、制御回路3101は、発生器3107に、エンドエフェクタ1400に供給されるモノポーラエネルギー電力を所定の最大閾値電力レベルP3にステップアップさせ、また所定の期間(t4~t5)にわたって、あるいはは組織横切ステージ3007の終了まで、所定の最大閾値電力レベルP3を維持させるか、あるいは少なくとも実質的に維持させる。図示の例では、モノポーラエネルギー電力は、t5で制御回路3101によって終了される。ジョー1450、1470がt6における問題横切ステージ3007まで把持された組織に圧力を加え続けるとき、組織横切は機械的に継続する。代替的に、他の例では、制御回路3101は、発生器3107に、組織横切ステージ3007の終了時までエンドエフェクタ1400にモノポーラエネルギー電力を供給することを継続させてもよい。
センサ3111及び/又はプロセッサ3102のタイマークロックのセンサ読み取り値は、例えば、電力スキーム3005’などの電力スキームに従って、発生器3107及び/又は発生器3106に、エンドエフェクタ1400へのエネルギー供給をいつ開始、増加、減少、及び/又は終了させるかを決定するために、制御回路3101によって用いられ得る。制御回路3101は、例えば、メモリ3103に記憶され得る1つ以上の所定の時間期間(例えば、t1-t2、t2-t3、t3-t4、t5-t6)から1つ以上のタイマークロックをカウントダウンさせることによって、電力スキーム3005’を実行し得る。電力スキーム3005’は時間ベースであるが、制御回路3101は、例えば、組織インピーダンスセンサなど、センサ3111のうちの1つ以上から受信されたセンサ読み取り値に基づいて、個々のセグメント3008、3009、3010及び/又はステージ3006、3007のいずれかに対する所定の期間を調整し得る。
エンドエフェクタ1400は、把持された組織に3つの異なるエネルギーモダリティを送達するように構成されている。フェザリングセグメント3008中に組織に適用される第1のエネルギーモダリティは、バイポーラエネルギーを含むが、モノポーラエネルギーは含まない。第2のエネルギーモダリティは、モノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーとの組み合わせを含むブレンドエネルギーモダリティであり、組織加温ステージ3009及び組織封止ステージ3010中に組織に適用される。最後に、第3のエネルギーモダリティは、モノポーラエネルギーを含むが、バイポーラエネルギーは含まず、切断ステージ3007の間に組織に適用される。様々な態様において、第2のエネルギーモダリティは、モノポーラエネルギーの電力レベルとバイポーラエネルギーの電力レベルとの合計3040である電力レベルを含む。少なくとも1つの例では、第2のエネルギーモダリティの電力レベルは、最大閾値Ps(例えば、120W)を含む。
様々な態様において、制御回路3101は、モノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーを、2つの異なる発生器3106、3107からエンドエフェクタ1400に送達させる。少なくとも1つの例では、発生器3106、3107のうちの1つからのエネルギーは、他の発生器の戻り経路を使用して、あるいは、他の発生器の取り付けられた電極を利用して、意図しない組織相互作用を短縮して検出され得る。したがって、意図されていない戻り経路を通るエネルギーの寄生損失は、戻り経路に接続された発生器によって検出され得る。偶発的な導電性経路は、使用間の電圧、電力、波形、又はタイミングをもたらすことによって軽減され得る。
外科用器具1500のフレックス回路内の統合されたセンサは、電位が存在しない場合に電極/導電性経路のエネルギー供給/短絡、及び偶発的な使用が感知されると導電性経路を防止する能力を検出し得る。さらに、一方の発生器からもう一方の発生器のソースへのクロストークを防止する方向性電子ゲーティング要素も利用され得る。
本開示によって説明される電極のうちの1つ以上(例えば、ジョー1450、1470に関連する電極1452、1472、1474)は、電極が発生器(例えば、発生器1100)によってエネルギー供給されるときに一緒に連結されたセグメントを有するセグメント化パターンを含み得る。しかしながら、電極がエネルギー供給されていない場合、セグメントは分離されて、ジョーの他のエリアへの電極を横切る回路短絡が防止される。
様々な態様において、熱抵抗電極材料は、エンドエフェクタ1400と共に利用される。材料は、所定の温度レベル以上にある電極を通じた電流は阻止するように構成され得るが、温度閾値未満である電極の他の部分のエネルギー供給は引き続き可能にする。
図37は、代替的な電力スキーム3005’’を表す表を示し、電力スキーム3005’’は、メモリ3103内に記憶され得るものであり、また電力スキーム3005’と同様の様式でプロセッサ3102によって実行され得るものである。電力スキーム3005’’を実行する際、制御回路3101は、発生器3106、3107の電力値を設定する際の時間に加えて、あるいはそれに代わって、ジョー開きに依存する。したがって、電力スキーム3005’’は、ジョー開きベースの電力スキームである。
図示された例では、電力スキーム3005’’からのジョー開きd0、d1、d2、d3、d4は、電力スキーム3005’からの時間値t1、t2、t3、t4に対応する。したがって、フェザリングセグメントは、約d1から約d2(例えば、約0.700インチ~約0.500インチ)のジョー開きに対応する。加えて、組織加温セグメントは、約d2から約d3(例えば、約0.500インチ~約0.300インチ)のジョー開きに対応する。さらに、封止セグメントは、約d2から約d3(例えば、約0.030インチ~約0.010インチ)のジョー開きに対応する。さらに、組織切断ステージは、約d3から約d4(例えば、約0.010インチ~約0.003インチ)のジョー開きに対応する。
したがって、制御回路3101は、例えば、センサ3111のうちの1つ以上からの読み取り値が所定のジョー開きd1に対応するときに、発生器3106に、エンドエフェクタ1400へのバイポーラエネルギー電力の供給を開始させ、それによってフェザリングセグメントを初期化するように構成されている。同様に、制御回路3101は、例えば、センサ3111のうちの1つ以上からの読み取り値が所定のジョー開きd2に対応するときに、発生器3106に、エンドエフェクタ1400へのバイポーラエネルギー電力の供給を停止させ、それによってフェザリングセグメントを終了するように構成されている。同様に、制御回路3101は、例えば、センサ3111のうちの1つ以上からの読み取り値が所定のジョー開きd2に対応するときに、発生器3107に、エンドエフェクタ1400へのモノポーラエネルギー電力の供給を開始させ、それによって加温セグメントを初期化するように構成されている。
図示の例では、ジョー開きは、ジョー1450、1470上の2つの対応するデータ点間の距離によって規定される。対応するデータ点は、ジョー1450、1470が、それらの間に組織がない閉鎖構成にあるときに互いに接触する。代替的に、ジョー開きは、ジョー1450、1470と交差し、かつエンドエフェクタ1500の中心を通じて延在する長手方向軸と垂直に交差する線に沿って測定される、ジョー1450、1470間の距離によって規定され得る。代替的に、ジョー開きは、それぞれ、ジョー1450、1470と交差する第1の平行線と第2の平行線との間の距離によって規定され得る。この距離は、第1及び第2の平行線に対して垂直に延在し、第1の平行線と第1のジョー1450との交点を通って、また第2の平行線と第2のジョー1470との交点を通って延在する線に沿って測定される。
図35を参照すると、様々な例では、電気外科用システム3100(図36)は、電力スキーム3005を使用して組織治療サイクル4003を実行するように構成されている。組織治療サイクル4003は、初期組織接触ステージ4013と、組織凝固ステージ4006と、組織横切ステージ4007と、を含む。組織接触ステージ4013は、組織がジョー1450とジョー1470との間にない開放構成セグメント4011と、ジョー1450及び1470が所望の組織治療領域に対して適切に位置付けられる適切な配向セグメント4012と、を含む。組織凝固ステージ4006は、フェザリングセグメント4008と、組織加温セグメント4009と、封止セグメント3010と、を含む。組織横切ステージ4007は、組織切断セグメントを含む。組織治療サイクル4003は、電力スキーム3005に従って、バイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーを別々に、また同時に組織治療領域に印加することを含む。組織治療サイクル4003は、多くの点で組織治療サイクル3001と同様であり、これについては、簡潔にするために同じレベルの詳細は繰り返されない。
図35は、多くの点で電力スキーム3005’と同様の電力スキーム3005を表すグラフ4000を示す。例えば、制御回路3101は、電力スキーム3005’と同様の方法で電力スキーム3005を実行して、組織治療サイクル4001のうちの3つの連続した期間において、3つの異なるエネルギーモダリティを組織治療領域に送達することができる。バイポーラエネルギーを含むがモノポーラエネルギーを含まない第1のエネルギーモダリティは、フェザリングセグメント4008において、t1~t2の組織治療領域に適用される。モノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーとの組み合わせを含む複合エネルギーモダリティである第2のエネルギーモダリティは、組織加温セグメント4009及び組織封止セグメントにおいて、t2~t4までの組織治療領域に適用される。最後に、モノポーラエネルギーを含むがバイポーラエネルギー4010を含まない第3のエネルギーモダリティは、組織横切ステージ4007において、t4~t5の組織に適用される。さらに、第2のエネルギーモダリティは、モノポーラエネルギーの電力レベルとバイポーラエネルギーの電力レベルとの合計である電力レベルを含む。少なくとも1つの例では、第2のエネルギーモダリティの電力レベルは、最大閾値(例えば、120W)を含む。様々な態様において、電力スキーム3005は、2つの異なる電気発生器3106、3107からエンドエフェクタ1400に送達され得る。電力スキーム3005’の態様と同様の電力スキーム3005のさらなる態様については、簡潔にするために本明細書において同じ詳細レベルで繰り返されない。
様々な態様において、制御回路3101は、発生器3106、3107に、組織インピーダンス4002、ジョーモータ速度27920d、ジョーモータ力27920c、エンドエフェクタ1400のジョー開き27920b、及び/又はエンドエフェクタ閉鎖をもたらすモータの電流引き込みを含む1つ以上の測定されたパラメータに基づいて、エンドエフェクタ1400によって組織治療領域に適用される電力スキーム3005のバイポーラ及び/又はモノポーラ電力レベルを調整させる。図35は、そのような測定されたパラメータと電力スキーム3005との間の経時的な相関関係を示すグラフ4000である。
様々な例では、制御回路3101は、発生器3106、3107に、1つ以上のセンサ3111によって決定された1つ以上のパラメータ(例えば、組織インピーダンス4002、ジョー/閉鎖モータ速度27920d、ジョー/閉鎖モータ力27920c、エンドエフェクタ1400のジョーギャップ/開き27920b、及び/又はモータの電流引き込み)に基づいて、エンドエフェクタ1400によって組織治療領域に適用される電力スキーム(例えば、電力スキーム3005、3005’)の電力レベルを調整させる。例えば、制御回路3101は、発生器3106、3107に、ジョー1450、1470内の圧力に基づいて電力レベルを調整させることができる。
少なくとも1つの例では、電力レベルは、ジョー1450、1470内の圧力に反比例する。制御回路3101は、そのような逆相関を利用して、圧力値に基づいて電力レベルを選択することができる。少なくとも1つの例では、エンドエフェクタ閉鎖をもたらすモータの電流引き込みが、圧力値を決定するために用いられる。あるいは、制御回路3101によって利用される逆相関は、圧力の代用としての電流引き込みに直接基づいてもよい。様々な例において、ジョー1450、1470によって組織治療領域上に加えられる圧縮が大きいほど、制御回路3101によって設定される電力レベルは低くなり、このことは、組織の付着及び偶発的な切断を最小限に抑えるのに役立つ。
グラフ4000は、組織インピーダンス4002、ジョー/閉鎖モータ速度27920d、ジョー/閉鎖モータ力27920c、エンドエフェクタ1400のジョーギャップ/開き27920b、及び/又はエンドエフェクタ閉鎖をもたらすモータの電流引き込みの測定パラメータにおけるいくつかの手掛かりを提供し、これは、組織治療サイクル4003中の組織へのバイポーラエネルギー及び/又はモノポーラエネルギーの印加の始動、調整、及び/又は終了をトリガすることになり得る。
制御回路3101は、組織治療サイクル4003においてデフォルト電力スキーム3005を実行及び/又は調整する際にそのようなキューのうちの1つ以上に依存し得る。特定の例では、制御回路3101は、例えば、1つ以上の監視されるパラメータが、メモリ3103に記憶され得る1つ以上の所定の条件を満たしたときに検知するために、1つ以上のセンサ3111のセンサ読み取り値に依存し得る。1つ以上の所定の条件は、所定の閾値に達すること、並びに/又は監視されるパラメータのうちの1つ以上の有意義な増加及び/若しくは減少を検出することであり得る。所定の条件の満足、又はその欠如は、組織治療サイクル4003におけるデフォルト電力スキーム3005の各部分を実行及び/又は調整するためのトリガ/確認点を構成する。制御回路3101は、電力スキームを実行及び/又は調整する際の手掛かりのみに依存し得るか、あるいはそれに代わって、例えば、電力スキーム3005’などの時間ベースの電力スキームのタイマークロックを誘導又は調整するために、キューを使用し得る。
例えば、所定の閾値(Z1)への組織インピーダンスの突発的低下(A1)は、単独で、あるいは、所定の閾値(F1)へのジョーモータ力の増加(A2)及び/又は所定の閾値(d1)(例えば、0.5インチ)へのジョー開きの減少(A3)と同時に起こるものであり、組織治療領域へのバイポーラエネルギーの印加を始動することによって、組織凝固ステージ4006のフェザリングセグメント4008を開始するように、制御回路3101をトリガすることになり得る。制御回路3101は、エンドエフェクタ1400にバイポーラ電力を供給することを開始するように、発生器3106に信号伝達し得る。
さらに、バイポーラエネルギーの始動後の所定の値(v1)へのジョーモータ速度の減少(B1)は、バイポーラエネルギーの電力レベルを一定の、又は少なくとも実質的に一定の値(例えば、100W)に安定化させる(B2)ように、制御回路3101をトリガして発生器3106に信号伝達することになる。
さらに別の例では、t2におけるフェザリングセグメント4008から加温セグメント4009へのシフトは、組織治療領域へのモノポーラエネルギー印加の始動(D1)をトリガすることになるが、所定の閾値(F2)へのジョーモータ力の増加(C2)、所定の閾値(例えば、0.03インチ)へのジョー開きの減少(C3)、及び/又は所定値Z2への組織インピーダンスの減少(C1)と一致する。条件C1、C2、C3のうち1つ、又は特定の例において2つ、又は特定の例において全てを満たすことは、発生器3101が組織治療領域へのモノポーラエネルギーの印加を開始することを制御回路3101に行わせることになる。別の例では、条件C1、C2、C3のうち1つ、又は特定の例において2つ、又は特定の例において全てを、時間t2にあるいはおよそ時間t2に満たすことは、組織治療領域へのモノポーラエネルギーの印加をトリガすることになる。
制御回路3101による始動信号に応答した、発生器3107によるモノポーラエネルギーの始動は、モノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーのブレンド(D1)を組織治療領域に送達することになり、これは、モノポーラエネルギーの始動前の定常的な減少(C1)と比較して、Z2からZ3へのインピーダンスのより速い減少(E1)を特徴とするインピーダンス曲線のシフトを引き起こす。図示された例では、組織インピーダンスZ3は、組織治療サイクル4003の最小インピーダンスを定義する。
図示された例では、制御回路3101は、(E1)最小インピーダンス値Z3が、(E3)所定の最大ジョーモータ力閾値(F3)及び/又は(E2)所定のジョー開き閾値範囲(例えば、0.01インチ~0.003インチ)に一致するか、あるいは少なくとも実質的に一致する場合に、許容可能な封止が達成されていると決定する。条件E1、E2、E3のうち1つ、又は特定の例において2つ、又は特定の例において全てを満たすことは、加温セグメント4009から封止セグメント4010へとシフトするように制御回路3101に信号伝達することになる。
上記に加えて、最小インピーダンス値Z3を超えると、インピーダンスレベルは、t4における封止セグメント4010の終了に対応する閾値Z4まで徐々に増加する。閾値Z4の満足により、制御回路3101は、モノポーラ電力レベルをステップアップして組織横切ステージ4007を開始するように発生器3107に信号伝達し、また組織治療領域へのバイポーラエネルギー印加の適用を終了するように発生器3106に信号伝達することになる。
様々な例において、制御回路3101は、(G1)最小値Z3から徐々にインピーダンスが増加するにつれて、(G2)ジョーモータ力が減少すること、及び/又は、組織を切断するためにモノポーラエネルギーの電力レベルをステップアップする前に、(G3)ジョー開きが所定の閾値(例えば、0.01インチ~0.003インチ)へと減少したことを確認するように構成され得る。
しかしながら、ジョーモータの力が増加し続けると、制御回路3101は、所定の期間にわたって組織治療領域へのモノポーラエネルギーの印加を一時停止して、ジョーモータ力を減少させ始めることを可能にし得る。代替的に、制御回路は、発生器3107に信号伝達して、モノポーラエネルギーを停止させ、バイポーラエネルギーのみを使用して封止を完了させることができる。
特定の例では、制御回路3101は、フィードバックシステム3109を使用して、ユーザに警告し、かつ/又はモノポーラエネルギーの印加を一時停止するための命令又は推奨を提供し得る。特定の例では、制御回路3101は、組織を横切するために機械的ナイフ上で利用するようユーザに命令することができる。
図示の例では、制御回路3101は、スパイク(I)が組織インピーダンスにおいて検出されるまで、ステップアップされたモノポーラ電力を維持する(H)。制御回路3101は、Z3からZ4へのオーバーへの漸進的増加の後に、Z5へのインピーダンスレベルにおけるスパイク(I)が検出されると、発生器3107に、モノポーラエネルギーの組織への印加を終了させ得る(J)。スパイクは、組織治療サイクル4003の完了を示す。
様々な例では、制御回路3101は、ジョー1450、1470の電極が、適切な閉鎖閾値に到達する前にエネルギー供給されるのを防止する。閉鎖閾値は、例えば、メモリ3103に記憶され得る、所定のジョー開き閾値及び/又は所定のジョーモータ力閾値に基づき得る。そのような例では、制御回路3101は、治療サイクル4003を要求するユーザインターフェース3110を介したユーザ入力には作用しない場合がある。特定の例では、制御回路3101は、適切な閉鎖閾値に到達していないことをフィードバックシステム3109を通してユーザに警告することによって応答し得る。制御回路3101はまた、オーバーライドオプションをユーザに提供し得る。
最終的に、時間t4~t5の間で、モノポーラエネルギーは、患者組織を切断するために送達される唯一のエネルギーとなる。患者組織が切断されている間、エンドエフェクタのジョーをクランプする力は変化し得る。ジョーをクランプする力が、時間t3~t4の間で維持されるその定常状態レベルから減少する(27952)場合、効率的かつ/又は効果的な組織切断が外科用器具及び/又は外科用ハブによって認識される。ジョーをクランプする力が、時間t3~t4の間で維持されるその定常状態レベルから増加する(27954)場合、非効率的かつ/又は非効果的な組織切断が外科用器具及び/又は外科用ハブによって認識される。そのような例では、エラーがユーザに通信され得る。
図38~42を参照すると、外科用器具1601は、多くの点でエンドエフェクタ1400、1500と同様のエンドエフェクタ1600を含み、これについては、簡潔にするために同じレベルの詳細では繰り返されない。エンドエフェクタ1600は、第1のジョー1650と第2のジョー1670とを備える。第1のジョー1650及び第2のジョー1670のうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタ1600を開放構成と閉鎖構成との間で移行させて、第1のジョー1650と第2のジョー1670との間で組織を把持するように移動可能である。電極1652、1672は、図39に示されるように、協働してバイポーラエネルギー源1610から組織にバイポーラエネルギーを送達するように構成されている。電極1674は、モノポーラエネルギー源1620から組織にモノポーラエネルギーを送達するように構成されている。戻りパッド1621は、モノポーラエネルギーの戻り経路を画定する。少なくとも1つの例では、モノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーは、例えば、組織を封止及び/又は切断するために、図36に示されるように、同時に(図36)、あるいは交互に組織に送達される。
図42は、エンドエフェクタ1600を含む電気外科用器具1601に接続可能なモノポーラ電源1620とバイポーラ電源1610と、を含む電気外科用システム1607の簡略化された概略図を示す。この電気外科用システム1607は、電極1672に対する接続構成と、電極1672に対する非接続構成との間で選択的に移行可能な導電性回路1602をさらに含む。スイッチング機構は、例えば、導電性回路1602を開閉することができる任意の好適なスイッチから構成され得る。接続構成では、電極1672は、電極1652と協働して、バイポーラエネルギーを組織に送達するように構成され、導電性回路1602は、組織を通過した後のバイポーラエネルギーの戻り経路を画定する。しかしながら、非接続構成では、電極1672は、隔離され、したがって、ジョー1670上の不活性でかつ内部的には導電性であり、外部的には絶縁された構造になる。したがって、非接続構成では、電極1652は、電極1674を通して送達されるモノポーラエネルギーに加えて、あるいはそれとは別に、モノポーラエネルギーを組織に送達するように構成されている。代替例では、電極1672の代わりに、電極1652は、導電性回路1602に対する接続構成と非接続構成との間で移行可能であってもよく、電極1672は、電極1674を通して送達されるモノポーラエネルギーに加えて、あるいはそれとは別に、モノポーラエネルギーを組織に送達することが可能となる。
様々な態様において、電気外科用器具1601は、周囲組織への意図しない熱損傷を最小限に抑えるために、組織に送達されるモノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーのレベルを調整するように構成された制御回路1604をさらに含む。その調整は、例えば、温度センサ、インピーダンスセンサ、及び/又は電流センサなどの少なくとも1つのセンサの読み取り値に基づき得る。図41及び図42に示される例では、制御回路1604は、それぞれジョー1650、1670上の温度センサ1651、1671に結合されている。組織に送達されるモノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーのレベルは、センサ1651、1671の温度読み取り値に基づいて制御回路1604によって調整される。
図示の例では、制御回路1604は、メモリ3103の形態をなす記憶媒体とプロセッサ3102とを備えたコントローラ3104を含む。メモリ3103は、プロセッサ3102によって実行されると、例えば、温度センサ1651、1671などの1つ以上のセンサから受信されたセンサ読み取り値に基づいて、組織に送達されるモノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーのレベルをプロセッサ3102に調整させるプログラム命令を記憶する。様々な実施例では、以下でより詳細に説明されるように、制御回路1604は、例えば、温度センサ1651、1671などの1つ以上のセンサからの読み取り値に基づいて、デフォルト電力スキーム1701を調整することができる。電力スキーム1701は、多くの点で電力スキーム3005’と同様であり、これについては、簡潔にするために同じレベルの詳細は繰り返されない。
図43は、エンドエフェクタ1600によって把持された組織へのエネルギー送達のための電力スキーム1701の温度ベースの調整を示す。グラフ1700は、x軸上に時間、y軸上に電力及び温度を示す。組織フェザリングセグメント(t1~t2)では、制御回路1604は、バイポーラエネルギーの電力レベルを所定の閾値(例えば、120W)まで徐々に増加させ、これにより、エンドエフェクタ1600によって把持された組織の温度が所定の範囲内(例えば、100℃~120℃)の温度まで徐々に上昇する。バイポーラエネルギーの電力レベルは次いで、組織温度が所定の範囲内に留まる限り、所定の閾値に維持される。組織加温セグメント(t1~t3)では、制御回路1604は、モノポーラエネルギーを始動し、バイポーラエネルギーの電力レベルを徐々に減少させ、その一方で、組織温度を所定の範囲内に維持するためにモノポーラエネルギーの電力レベルを徐々に増加させる。
図示された例では、組織封止セグメント(t3~t4)中に、制御回路1604は、温度センサ1651、1671の読み取り値に基づいて、組織温度が所定の範囲の上限に達したことを検出する。制御回路1604は、モノポーラエネルギーの電力レベルをステップダウンすることによって応答する。他の例では、低減は、徐々に実施され得る。特定の例では、低減値、又は、例えばテーブル又は方程式などの低減値を決定するための方法が、メモリ3103に記憶され得る。特定の例では、減少値は、モノポーラエネルギーの現在の電力レベルのパーセンテージであり得る。他の例では、減少値は、所定の範囲内の組織温度に対応するモノポーラエネルギーの以前の電力レベルに基づき得る。特定の例では、低減は、時間的に離間された複数のステップで実施され得る。各下向きステップの後、制御回路1604は、組織温度を評価する前に所定の期間を経過させる。
図示の例では、制御回路1604は、デフォルト電力スキーム1701に従ってバイポーラエネルギーの電力レベルを維持するが、組織封止が完了している間に、モノポーラエネルギーの電力レベルを低減して組織の温度を所定の範囲内に維持する。他の例では、モノポーラエネルギーの電力レベルの低減は、バイポーラエネルギーの電力レベルの低減と組み合わされるか、あるいはそれと交換される。
上記に加えて、例えば、周囲の組織への意図しない横方向の熱損失を回避するために、モノポーラエネルギーに代わって組織の横切を完了するために、警告がフィードバックシステム3109を通じて発行され得る。特定の例では、制御回路1604は、組織の温度が所定の温度範囲内のレベルに戻るまでモノポーラエネルギー及び/又はバイポーラエネルギーを一時的に一時停止し得る。次いで、モノポーラエネルギーが再始動されて、封止された組織の横切が実施され得る。
図44を参照すると、エンドエフェクタ1600は、例えば、エンドエフェクタ1600によって把持された動脈などの血管の組織治療領域1683にモノポーラエネルギーを印加している。モノポーラエネルギーは、エンドエフェクタ1600から治療領域1683へと流れ、最終的には戻りパッド(例えば、戻りパッド1621)へと流れる。治療領域1683における組織の温度は、組織にモノポーラエネルギーが印加されるときに上昇する。しかしながら、実際の熱拡散1681は、例えばモノポーラエネルギーを不注意で引き出す動脈の狭窄部分1684により、予想される熱拡散1682よりも大きい。
様々な態様において、制御回路1604は、治療領域1683へのモノポーラエネルギーの印加から生じる治療領域1683における熱効果を監視する。制御回路1604は、モノポーラエネルギーと治療領域におけるモノポーラエネルギーの印加から予想される印加された熱効果との間の所定の相関関係に準拠するように、監視される熱効果の欠損をさらに検出することができる。図示の例では、動脈の狭窄部分での偶発的なエネルギー引き抜きは、制御回路1604によって検出される治療領域における熱効果を低減させる。
特定の例では、メモリ3103は、エンドエフェクタ1600によって把持された組織治療領域に印加されるモノポーラエネルギーレベルと、組織治療領域へのモノポーラエネルギーの印加から生じると予想される熱効果と、の間の所定の相関アルゴリズムを記憶する。この相関アルゴリズムは、例えば、配列、ルックアップテーブル、データベース、数学的方程式、もしくは公式などの形態であり得る。少なくとも1つの例では、記憶された相関アルゴリズムは、モノポーラエネルギーの電力レベルと予想される温度との間の相関関係を定義する。制御回路1604は、温度センサ1651、1671を使用して治療領域1683における組織の温度を監視することができ、また、監視される温度読み取り値が特定の電力レベルで予想される温度読み取り値に対応するかどうかを判定することができる。
制御回路1604は、記憶された相関に準拠する失敗が検出された場合に、特定のアクションを行うように構成され得る。例えば、制御回路1604は、ユーザに故障を警告することができる。追加的に、あるいは代替的に、制御回路1604は、治療領域へのモノポーラエネルギーの送達を低減又は一時停止し得る。少なくとも1つの例では、制御回路1604は、組織治療領域へのモノポーラエネルギーからバイポーラエネルギー印加へと調整又はシフトして、寄生電力引き込みの存在を確認することができる。制御回路1604は、寄生電力引き込みが確認された場合、治療領域でバイポーラエネルギーを使用し続けることができる。しかしながら、制御回路1604が寄生電力引き込みの存在を否定する場合、制御回路1604は、モノポーラ電力レベルを再始動又は再増加させ得る。モノポーラ及び/又はバイポーラ電力レベルへの変更は、例えば、モノポーラ電源1620及び/又はバイポーラ電源1610に信号伝達することによって、制御回路1604によって達成され得る。
様々な態様において、例えば、図45に示されるように、組織治療領域1691におけるスペクトル的組織変化及び/又は熱効果を監視するために、マルチスペクトルスコープ1690及び/又は赤外線撮像デバイスなどの1つ以上の撮像デバイスが利用され得る。1つ以上の撮像デバイスからの撮像データが処理されて、組織治療領域1691の温度を推定され得る。例えば、1600のエンドエフェクタによってモノポーラエネルギーが治療領域1691に印加されているとき、ユーザは、赤外線撮像デバイスを治療領域1691に向けることができる。治療領域1691が昇温すると、その赤外線熱シグネチャが変化する。したがって、熱シグネチャの変化は、治療領域1691における組織の温度の変化に対応する。したがって、治療領域1691における組織の温度は、1つ以上の撮像デバイスによって捕捉された熱シグネチャに基づいて決定され得る。特定の部品レベルに関連する治療領域1691における熱シグネチャに基づいて推定された温度が、その電力レベルにおける予想温度以下である場合、制御回路1604は、治療領域1691における熱効果の不一致を検出する。
他の例では、1つ以上の撮像デバイスによって捕捉された熱シグネチャは、推定温度に変換されない。代わりに、電力レベル調整が必要かどうかを評価するために、メモリ3103に記憶された熱シグネチャと直接比較される。
特定の例では、メモリ3103は、エンドエフェクタ1600によって把持された組織治療領域1691に印加されるモノポーラエネルギーの電力レベルと、組織治療領域へのモノポーラエネルギーの印加から生じると予想される熱シグネチャと、の間の所定の相関アルゴリズムを記憶する。この相関アルゴリズムは、例えば、配列、ルックアップテーブル、データベース、数学的方程式、もしくは公式などの形態であり得る。少なくとも1つの例では、記憶された相関アルゴリズムは、モノポーラエネルギーの電力レベルと、予想される熱シグネチャ又は予想されるシグネチャに関連付けられる温度と、の間の相関関係を定義する。
図46及び図47を参照すると、電気外科用システムが、エンドエフェクタ1800を有する電気外科用器具1801を含み、エンドエフェクタ1800は、多くの点でエンドエフェクタ1400、1500、1600と同様であり、簡潔にするために同じ詳細において本明細書では繰り返されない。エンドエフェクタ1800は、第1のジョー1850と第2のジョー1870とを備える。第1のジョー1850及び第2のジョー1870のうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタ1800を開放構成と閉鎖構成との間で移行させて、第1のジョー1850と第2のジョー1870との間で組織を把持するように移動可能である。電極1852、1872は、協働して、バイポーラエネルギーを組織に送達するように構成されている。電極1874は、モノポーラエネルギーを組織に送達するように構成されている。少なくとも1つの例では、モノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーは、例えば、組織を封止及び/又は切断するために、図34に示されるように、同時に、あるいは交互に組織に送達される。
図示の例では、バイポーラエネルギー及びモノポーラエネルギーは、別個の発生器1880、1881によって生成され、また、発生器1880を電極1852、1872に、発生器1881を電極1874及び戻りパッド1803にそれぞれ接続する別個の電気回路1882、1883によって組織に提供される。例えば、電力スキーム3005’に従って電極1852、1872によって組織に送達されるバイポーラエネルギーであった関連する電力レベルは、発生器1880によって設定され、電極1874によって組織に送達されるモノポーラエネルギーに関連する電力レベルは、発生器1881によって設定される。
使用中、図46に示されるように、エンドエフェクタ1800は、バイポーラエネルギー及び/又はモノポーラエネルギーを組織治療領域1804に印加して、組織を封止し、特定の例では横切する。しかしながら、特定の例では、エネルギーは、組織治療領域1804の意図された標的から迂回され、周囲組織へのオフサイトの熱損傷を引き起こす。そのような発生を回避するか、あるいは少なくとも低減するために、外科用器具1801は、オフサイトの熱損傷を検出するために、図46に示されるように、異なる電極の間に、また異なる場所に位置付けられたインピーダンスセンサ1810、1811、1812、1813を含む。
様々な態様において、外科用システム1807は、インピーダンスセンサ1810、1811、1812、1813に結合された制御回路1809をさらに含む。制御回路1809は、インピーダンスセンサ1810、1811、1812、1813の1つ以上の読み取り値に基づいて、オフサイト、又は意図しない熱損傷を検出することができる。それに応答して、制御回路1809は、オフサイトの熱損傷をユーザに警告し、組織封止を完了するために、所定の電力スキーム(例えば、電力スキーム3005’)に従ってバイポーラエネルギーを維持しながら、組織治療領域1804へのエネルギー送達を一時停止するか、あるいはエネルギー送達を自動的に一時停止するようにユーザに指示することができる。特定の例では、制御回路1809は、さらなるオフサイトの熱損傷を回避するために、機械的ナイフを使用して組織を横切するようにユーザに命令することができる。
さらに図46を参照すると、インピーダンスセンサ1810は、バイポーラ電極1852、1872間のインピーダンスを測定するように構成されている。さらに、インピーダンスセンサ1811は、電極1874と戻りパッド1803との間のインピーダンスを測定するように構成されている。加えて、インピーダンスセンサ1812は、電極1872と戻りパッド1803との間のインピーダンスを測定するように構成されている。加えて、インピーダンスセンサ1813は、電極1852と戻りパッド1803との間のインピーダンスを測定するように構成されている。他の例では、追加のインピーダンスセンサが、モノポーラ回路1882とバイポーラ回路1883との間に直列に追加され、これは、場所及びインピーダンス経路に関するより大きな特異性を有するオフサイトの熱異常が検出されるように、様々な場所でインピーダンスを測定するために利用され得る。
様々な態様において、オフサイトの熱損傷は、エンドエフェクタ1800の片側(左/右)上で組織内に生じる。制御回路1809は、インピーダンスセンサ1810、1811、1812、1813の読み取り値を比較することによって、オフサイトの熱損傷が発生した側を検出し得る。一例では、モノポーラ及びバイポーラインピーダンスの読み取り値の非比例変化は、オフサイトの熱損傷を示す。反対に、インピーダンス読み取り値における比例性が検出された場合、制御回路1809は、オフサイトの熱損傷が発生しなかったことを維持する。一例では、以下でより詳細に説明されるように、オフサイトの熱損傷は、バイポーラインピーダンスとモノポーラインピーダンスとの比率から制御回路1809によって検出され得る。
図48は、x軸上に時間、y軸上に電力を示すグラフ1900を示す。グラフ1900は、図34に示される電力スキーム3005’と多くの点で同様の電力スキーム1901を示し、これについては、簡潔にするために本明細書で同じ詳細レベルは繰り返されない。制御回路3101は、電力スキーム1901が発生器1880(GEN.2)、1881(GEN.1)によって適用され、エンドエフェクタ1800によって組織治療サイクルがもたらされるようにする。電力スキーム1901は、治療用電力構成要素1902と、非治療用又は感知用電力構成要素1903と、を含む。治療用電力構成要素1902は、電力スキーム3005’に関連して説明されるモノポーラ及びバイポーラ電力レベルと同様のモノポーラ及びバイポーラ電力レベルを規定する。感知用電力構成要素1903は、エンドエフェクタ1800によって実行される組織治療サイクル全体を通して様々な点で送達されるモノポーラ1905及びバイポーラ1904の感知ピングを含む。少なくとも1つの例では、感知用電力構成要素の感知ピング1903、1904は、所定の電流値(例えば、10mA)又は所定の範囲で送達される。少なくとも1つの例では、3つの異なる感知ピングが利用されて、潜在的なオフサイトの熱損傷の位置/配向が決定される。
制御回路3101は、感知ピング1903、1904を所定の時間間隔で送達させることによって、組織治療サイクル中に非組織療法指向部位へとエネルギーが迂回されているかどうかを判定し得る。次いで、制御回路3101は、送達された感知ピングに基づいて、戻り経路導電率を評価することができる。エネルギーが標的部位から迂回されていると判定された場合、制御回路3101は、1つ以上の応答措置を取り得る。例えば、制御回路3101は、発生器1880(GEN.2)、1881(GEN.1)によって適用される電力スキーム1901を調整し得る。制御回路3101は、標的部位へのバイポーラ及び/又はモノポーラエネルギーの印加を一時停止し得る。さらに、制御回路3101は、例えば、フィードバックシステム3109を介してユーザに警告を発行することができる。しかしながら、エネルギー迂回が検出されないと判定した場合、制御回路3101は、電力スキーム1901の実行を継続する。
様々な態様において、制御回路3101は、例えば、測定された戻り導電率と、メモリ3103に記憶された所定の戻り経路導電率と、を比較することによって、戻り経路導電率を評価する。この比較により、測定された戻り経路導電率と所定の戻り経路導電導率とが所定の閾値を超えて異なっていることが示された場合、制御回路3101は、エネルギーが非組織療法指向部位へと迂回されていると結論付け、前述の応答措置のうちの1つ以上を実施する。
図49は、検出されたオフサイトの熱損傷に起因して、t3’で中断された電力スキーム2001を示すグラフ2000である。電力スキーム2001は、多くの点で図34、48に示される電力スキームと同様であり、これについては、簡潔にするために同じレベルの詳細は繰り返されない。制御回路1809は、例えば、エンドエフェクタ1800によって組織治療サイクルをもたらすために、発生器1880(曲線2010)、1881(曲線2020)に電力スキーム2001を適用させる。電力スキーム2001に加えて、グラフ2000はさらに、バイポーラインピーダンス2011(Zバイポーラ)、モノポーラインピーダンス2021(Zモノポーラ)、及びモノポーラインピーダンスとバイポーラインピーダンスとの比率2030(Zモノポーラ/Zバイポーラ)をy軸上に示す。通常の動作中、モノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーが同時に組織に印加されている間、バイポーラインピーダンス2011(Zバイポーラ)とモノポーラインピーダンス2021(Zモノポーラ)の値は、比例したままであるか、あるいは少なくとも実質的に比例する。要するに、モノポーラインピーダンス2021とバイポーラインピーダンス2011との一定の、又は少なくとも実質的に一定のインピーダンス比2030(Zモノポーラ/Zバイポーラ)は通常の動作中、所定の範囲2031内に維持される。
様々な態様において、制御回路1809は、インピーダンス比2030を監視して、モノポーラエネルギーが非組織療法指向部位へと迂回しているかどうかを評価する。この迂回は、インピーダンス比2030を変化させる、バイポーラインピーダンス2011(Zバイポーラ)の検出値とモノポーラインピーダンス2021(Zモノポーラ)の検出値との比例性を変化させる。所定の範囲2031内のインピーダンス比2030の変化は、制御回路1908に警告を発行させることができる。しかしながら、変化が、所定の範囲2031の下限閾値にまで及ぶか、あるいはそれを下回る場合、制御回路1908は、追加の応答措置を取り得る。
図示された例では、インピーダンス比2030(Zモノポーラ/Zバイポーラ)は、組織へのモノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーとの複合的な印加を伴う治療サイクルの最初の部分にわたって、一定又は少なくとも実質的に一定のままである。しかしながら、B1において、モノポーラインピーダンス(Zモノポーラ)が予想外に低下するか、あるいはバイポーラインピーダンス(Zバイポーラ)と非比例的に低下するという矛盾が生じ、潜在的なオフサイトの熱損傷が示唆される。少なくとも1つの例において、制御回路1809は、モノポーラインピーダンスとバイポーラインピーダンスとの比(Zモノポーラ/Zバイポーラ)の比の変化を監視し、その変化が所定の時間量にわたって持続する場合におけるオフサイトの熱損傷、及び/又は所定の範囲2031の下限閾値以下へ値の変化を検出する。B1では、検出されたインピーダンス比2030が依然として所定の範囲2031内にあるため、制御回路3101は単に、オフサイトの熱損傷が検出されたという警告をフィードバックシステム3109を介して発行し、インピーダンス比2030を監視し続ける。
t3’では、制御回路3101は、インピーダンス比2030が所定の範囲2031の下限閾値以下の値に変化したことをさらに検出する。それに応答して、制御回路3101は、別の警告を発行してもよく、また任意選択的に、モノポーラエネルギーを用いずに組織封止を完了するためにバイポーラエネルギーの電力レベルを維持又は調整しながら、B2において組織へのエネルギー送達を一時停止するか、あるいはエネルギー送達を自動的に一時停止するようにユーザに指示してもよい。特定の例では、制御回路1809は、さらなるオフサイトの熱損傷を回避するために、機械的ナイフを使用して(t4’)組織を横切するようにユーザにさらに命令する。図示の例では、制御回路1809はさらに、発生器1880に、その電力レベルを調整して、モノポーラエネルギーなしで組織封止を完了させ、また、組織封止セグメントに割り当てられる期間を時間t4から時間t4’まで増加させる。言い換えれば、制御回路1809は、バイポーラ電力レベル及びその送達時間を増加させることによってモノポーラエネルギーの損失を補償するために、組織へのバイポーラエネルギー送達を増加させる。
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
実施例セット1
実施例1-エンドエフェクタを備える外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、近位端部から遠位端部へと延在する、徐々に狭くなる本体を備える。徐々に狭くなる本体は、伝導性材料を含む。徐々に狭くなる本体は、近位端部から遠位端部へと延在する第1の伝導性部分と、第1の伝導性部分から突出し、かつ徐々に狭くなる本体の少なくとも一部分に沿って遠位に延在するテーパ電極を画定する第2の伝導性部分と、を備える。第2の伝導性部分は、第1の伝導性部分と一体である。第1の伝導性部分は、徐々に狭くなる本体の横断面において第2の伝導性部分よりも厚い。第2のジョーは、組織から第1の伝導性部分は電気的に絶縁するが、第2の伝導性部分は電気的に絶縁しないように構成された電気絶縁性層をさらに備える。第1の伝導性部分は、第2の伝導性部分を通してのみ組織に電気エネルギーを伝達するように構成されている。
実施例2-テーパ電極は、電気絶縁性層の外側表面と面一の外側表面を備える、実施例1に記載の電気外科用器具。
実施例3-テーパ電極は、テーパ電極が近位端部から遠位端部に向かって延在するにつれて徐々に狭くなる幅を備える、実施例1又は2に記載の電気外科用器具。
実施例4-電気エネルギーは、テーパ電極の外側表面を通して組織に送達される、実施例1、2、又は3に記載の電気外科用器具。
実施例5-第1のジョーは、第1のジョーの少なくとも一部分に沿って遠位に延在する第1の電極を備え、テーパ電極は第2の電極であり、第1の電極は、閉鎖構成において第2の電極から横方向にオフセットされている、実施例1、2、3、又は4に記載の電気外科用器具。
実施例6-第2のジョーは、徐々に狭くなる本体から離間した第3の電極をさらに備える、実施例5に記載の電気外科用器具。
実施例7-第3の電極は、第2のジョーによって画定された斜行プロファイルに沿って、電極近位端部から電極遠位端部へと遠位に延在する、実施例6に記載の電気外科用器具。
実施例8-第3の電極は、第2のジョーの斜行プロファイルに沿ってクレードル近位端部からクレードル遠位端部へと遠位に延在する、クレードル内に位置付けられた基部を備える、実施例7に記載の電気外科用器具。
実施例9-クレードルは、第2のジョーの横方向縁部に対して中央に位置する、実施例8に記載の電気外科用器具。
実施例10-第3の電極は、クレードルの側壁を越えて基部から延在するテーパ縁部をさらに備える、実施例8又は9に記載の電気外科用器具。
実施例11-クレードルは柔軟性基材から構成されている、実施例8、9、又は10に記載の外科用器具。
実施例12-クレードルは、徐々に狭くなる本体に画定された谷に部分的に埋め込まれている、実施例8、9、10、又は11に記載の電気外科用器具。
実施例13-クレードルは、電気絶縁性コーティングによって徐々に狭くなる本体から離間している、実施例8、9、10、11、又は12に記載の電気外科用器具。
実施例14-基部は、基部近位端部と、基部遠位端部と、基部が基部近位端部から基部遠位端部へと斜行プロファイルに沿って延在するにつれて徐々に狭くなる幅と、を備える、実施例8、9、10、11、12、又は13に記載の電気外科用器具。
実施例15-エンドエフェクタを備える外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、近位端部から遠位端部へと延在するテーパ斜行プロファイルを備える伝導性本体を備える。伝導性本体は、近位端部から遠位端部へと延在する第1の伝導性部分と、第1の伝導性部分から突出し、かつ伝導性本体の少なくとも一部分に沿って遠位に延在するテーパ電極を画定する第2の伝導性部分と、を備える。第2の伝導性部分は、第1の伝導性部分と一体である。第1の伝導性部分は、第2の伝導性部分よりも厚い。第2のジョーは、組織から第1の伝導性部分は電気的に絶縁するが、第2の伝導性部分は電気的に絶縁しないように構成された電気絶縁性層をさらに備える。第1の伝導性部分は、第2の伝導性部分を通してのみ組織に電気エネルギーを伝達するように構成されている。
実施例16-テーパ電極は、テーパ電極が近位端部から遠位端部に向かって延在するにつれて徐々に狭くなる幅を備える、実施例15に記載の電気外科用器具。
実施例17-第1のジョーは、第1のジョーの少なくとも一部分に沿って遠位に延在する第1の電極を備え、テーパ電極は第2の電極であり、第1の電極は、閉鎖構成において第2の電極から横方向にオフセットされている、実施例15又は16に記載の電気外科用器具。
実施例18-第2のジョーは、伝導性本体から離間した第3の電極をさらに備える、実施例15、16、17に記載の電気外科用器具。
実施例19-第3の電極は、テーパ斜行プロファイルの少なくとも一部分に沿って遠位に延在する、実施例18に記載の電気外科用器具。
実施例20-第3の電極は、テーパ斜行プロファイルの少なくとも一部分に沿ってクレードル近位端部からクレードル遠位端部へと遠位に延在する、クレードル内に位置付けられた基部を備え、クレードルは柔軟性基材から構成されている、実施例19に記載の電気外科用器具。
実施例セット2
実施例1-エンドエフェクタを備える外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、斜行プロファイルを形成するように協働する線形部分と、斜行プロファイルに沿って延在するセグメントを備えた治療表面と、を備える。セグメントは、異なる幾何学的形状及び異なる導電性を含む。セグメントは、処理表面に沿って可変エネルギー密度を生成するように構成されている。
実施例2-セグメントは、近位セグメントと、遠位セグメントと、を含む、実施例1に記載の電気外科用器具。近位セグメントは、第1の表面積を含む。遠位セグメントは、第2の表面積を含む。第2の表面積は、第1の表面積よりも小さい。
実施例3-セグメントのうちの少なくとも1つは、非導電性治療領域によって長手方向に中断された導電性治療領域を含む、実施例1又は2に記載の電気外科用器具。
実施例4-可変エネルギー密度は、セグメントの異なる幾何学的形状及び異なる導電性の選択に基づいて事前決定される、実施例1、2、又は3に記載の電気外科用器具。
実施例5-セグメントのうちの少なくとも1つは、その長さに沿って徐々に狭くなる幅を含む、実施例1、2、3、又は4に記載の電気外科用器具。
実施例6-セグメントは、第2のジョーの周辺側面に沿って延在する、実施例1、2、3、4、又は5に記載の電気外科用器具。
実施例7-セグメントは、第2のジョー内に画定され、第1のジョー内には画定されない、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載の電気外科用器具。
実施例8-第2のジョーは、第1の材料及び第2の材料で部分的にコーティングされた電気導電性スケルトンを含み、第1の材料は、熱的に伝導性であるが電気的に絶縁性であり、第2の材料は、熱的にも電気的にも絶縁性である、実施例1、2、3、4、5、6、又は7に記載の電気外科用器具。
実施例9-第1の材料はダイヤモンド状炭素を含む、実施例8に記載の電気外科用器具。
実施例10-第2の材料はポリテトラフルオロエチレンを含む、実施例8又は9に記載の電気外科用器具。
実施例11-エンドエフェクタを備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、近位端部から遠位端部へと延在する、徐々に狭くなる本体を備える。徐々に狭くなる本体は、組織接触表面を含む。組織接触表面は、第1の材料を含む絶縁性層を含む。絶縁性層は、徐々に狭くなる本体の長さに沿って延在する中間エリアの両側に延在する。組織接触表面は、組織接触表面に沿って可変エネルギー密度をもたらすように構成されたセグメントをさらに含む。セグメントは、導電性セグメントと、中間エリアに沿って導電性セグメントと交番する絶縁性セグメントと、を備える。絶縁性セグメントは、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
実施例12-導電性セグメントは、近位セグメントと、遠位セグメントと、を含む、実施例11に記載の電気外科用器具。近位セグメントは、第1の表面積を含む。遠位セグメントは、第2の表面積を含む。第2の表面積は、第1の表面積よりも小さい。
実施例13-第2のジョーは、第1の材料で部分的にコーティングされた電気導電性スケルトンを含む、実施例11又は12に記載の電気外科用器具。
実施例14-電気導電性スケルトンは、内側熱絶縁性コアと、内側熱絶縁性コアを少なくとも部分的に取り囲む外側熱伝導性層と、を備える、実施例13に記載の電気外科用器具。
実施例15-可変エネルギー密度は、導電性セグメントの異なる幾何学的形状及び異なる導電性の選択に基づいて事前決定される、実施例11、12、13、又は14に記載の電気外科用器具。
実施例16-セグメントのうちの少なくとも1つは、その長さに沿って徐々に狭くなる幅を含む、実施例11、12、13、14、又は15に記載の電気外科用器具。
実施例17-セグメントは、第2のジョーの周辺側面に沿って延在する、実施例11、12、13、14、15、又は16に記載の電気外科用器具。
実施例18-セグメントは、第2のジョー内に画定され、第1のジョー内には画定されない、実施例11、12、13、14、15、16、又は17に記載の電気外科用器具。
実施例19-第1の材料はダイヤモンド状炭素を含む、実施例11、12、13、14、15、16、17、又は18に記載の電気外科用器具。
実施例20-第2の材料はポリテトラフルオロエチレンを含む、実施例11、12、13、14、15、16、17、18、又は19に記載の電気外科用器具。
実施例セット3
実施例1-エンドエフェクタを備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、電気回路と、を含む。第1のジョーは、第1の電気導電性スケルトンと、第1の電気導電性スケルトンの各部分を選択的に被覆する第1の絶縁性コーティングと、第1の電気導電性スケルトンの露出部分を含む第1のジョー電極と、を含む。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、第2の電気導電性スケルトンと、第2の電気導電性スケルトンの各部分を選択的に被覆する第2の絶縁性コーティングと、第2の電気導電性スケルトンの露出部分を含む第2のジョー電極と、を含む。電気回路は、第1のジョー電極及び第2のジョー電極を通して、バイポーラRFエネルギー及びモノポーラRFエネルギーを組織に送信するように構成されている。モノポーラRFエネルギーは、バイポーラRFエネルギーを伝送するために電気回路によって画定された第1の電気経路及び第2の電気経路を共有する。
実施例2-電気回路は、第1の電気経路及び第2の電気経路とは別個の第3の電気経路を画定する、実施例1に記載の電気外科用器具。
実施例3-エンドエフェクタは、第1の電気導電性スケルトン及び第2の電気導電性スケルトンから電気的に絶縁された切断用電極を備える、実施例1又は2に記載の電気外科用器具。
実施例4-切断電極は、第3の電気経路を通して切断モノポーラRFエネルギーを受容するように構成されている、実施例3に記載の電気外科用器具。
実施例5-切断電極は、組織の凝固がバイポーラRFエネルギーによって開始された後、切断モノポーラRFエネルギーによって組織を切断するように構成されている、実施例4に記載の電気外科用器具。
実施例6-切断電極は、第1のジョー及び第2のジョーのうちの1つの中央に位置する、実施例3、4、又は5に記載の電気外科用器具。
実施例7-エンドエフェクタは、切断モノポーラRFエネルギーとバイポーラRFエネルギーとを同時に組織に送達するように構成されている、実施例4又は5に記載の電気外科用器具。
実施例8-第1のジョー電極は第1の遠位先端部電極を含み、第2のジョー電極は第2の遠位先端部電極を含む、実施例1、2、3、4、5、6、又は7に記載の電気外科用器具。
実施例9-第1の電気伝導性スケルトンと第2の電気伝導性スケルトンは、第1の遠位先端部電極及び第2の遠位先端部電極を通じて組織表面へとモノポーラRFエネルギーを送達するために、同時にエネルギー供給される、実施例8に記載の電気外科用器具。
実施例10-第2のジョーは、第2のジョーの周囲表面に沿って延在する切開用電極を備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、又は9に記載の電気外科用器具。
実施例11-エンドエフェクタと、電気回路と、を備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、少なくとも2つの電極セットと、第1のジョーと、第2のジョーと、を備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。エンドエフェクタは、少なくとも2つの電極セットから、把持された組織にバイポーラRFエネルギーとモノポーラRFエネルギーとの組み合わせを送達するように構成されている。電気回路は、バイポーラRFエネルギー及びモノポーラRFエネルギーを伝送するように構成されている。モノポーラRFエネルギーは、活性経路と、バイポーラRFエネルギーを伝送するための電気回路によって画定される戻り経路と、を共有する。
実施例12-少なくとも2つの電極セットは、電気回路内で一緒に使用される3つの電気的相互接続を含む、実施例11に記載の電気外科用器具。
実施例13-少なくとも2つの電極セットは、電気回路の少なくとも一部分及び別の別個の電気回路を画定する3つの電気的相互接続を含む、実施例11又は12に記載の電気外科用器具。
実施例14-別個の電気回路は、少なくとも2つの電極セットの切断用電極につながっており、切断用電極は、隔離され、第1のジョー及び第2のジョーのうちの1つにおいて中央に位置する、実施例13に記載の電気外科用器具。
実施例15-切断用電極は、少なくとも2つの電極セットの第2及び第3の電極を使用して組織の凝固が開始された後に組織を切断するように構成されている、実施例14に記載の電気外科用器具。
実施例16-少なくとも2つの電極セットは、モノポーラRFエネルギーとバイポーラRFエネルギーとを同時に組織に送達するように構成されている、実施例14又は15に記載の電気外科用器具。
実施例17-エンドエフェクタを備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、電気導電性部分と熱伝導性部分を選択的に生じるように構成された少なくとも2つの異なる材料の複合スケルトンを含む。
実施例18-複合スケルトンはチタンセラミック複合材を含む、実施例17に記載の電気外科用器具。
実施例19-複合スケルトンは、セラミック基部と、セラミック基部に取り付け可能なチタンクラウンと、を含む、実施例17又は18に記載の電気外科用器具。
実施例20-複合スケルトンは、電気絶縁性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、実施例17、18、又は19に記載の電気外科用器具。
実施例21-電気外科用器具のエンドエフェクタのジョーを製造するための方法。方法は、金属射出成形プロセスでチタン粉末をセラミック粉末と融合させ、複合スケルトンを電気絶縁性材料で選択的にコーティングして複数の電極を生じさせることによって、ジョーの複合スケルトンを調製することを含む。
実施例セット4
実施例1-第1のジョーと、第2のジョーと、を備える電気外科用器具。第1のジョーは、第1の電極を画定するように構成されている。第1のジョーは、第1の電気導電性スケルトンと、第1の電気絶縁性層と、を備える。第1の電気導電性スケルトンは、第1の熱絶縁性コアと、第1の熱絶縁性コアと一体であり、かつ第1の熱絶縁性コアの周りに少なくとも部分的に延在する第1の熱伝導性外側層と、を備える。第1の電極は、第1の熱伝導性外側層の外側表面に第1の電気絶縁性層を選択的に適用することによって画定される。第2のジョーは、第2の電極を画定するように構成されている。第2のジョーは、第2の電気導電性スケルトンと、第2の電気絶縁性層と、を備える。第2の電気導電性スケルトンは、第2の熱絶縁性コアと、第2の熱絶縁性コアと一体であり、かつ第2の熱絶縁性コアの周りに少なくとも部分的に延在する第2の熱伝導性外側層と、を備える。第2の電極は、第2の熱伝導性外側層の外側表面に第2の電気絶縁性層を選択的に適用することによって画定される。
実施例2-第1の電極は、バイポーラエネルギー動作モードにおいて、第2の電極との間に位置付けられた組織を通して、第2の電極にRFエネルギーを伝送するように構成されている、実施例1に記載の電気外科用器具。
実施例3-第1の熱絶縁性コアは、エアポケットを含む、実施例1又は2に記載の電気外科用器具。
実施例4-第1の熱絶縁性コアは格子構造を備える、実施例1、2、又は3に記載の電気外科用器具。
実施例5-第2のジョーは、第3の電極を備え、第3の電極は、第2の熱伝導性外側層の外側表面に第2の電気絶縁性層を選択的に適用することによって画定される、実施例1、2、3、又は4に記載の電気外科用器具。
実施例6-第3の電極は、モノポーラエネルギー動作モードにおいて、第3の電極と接触している組織にRFエネルギーを送達するように構成されている、実施例5に記載の電気外科用器具。
実施例7-第1の電気絶縁性層及び第2の電気絶縁性層の少なくとも一方は、ダイヤモンド状物質を含む、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載の電気外科用器具。
実施例8-第1のジョーは組織接触表面を備え、第1の熱絶縁性コアは、組織接触表面を横切する方向に直立する壁を含んだ格子構造を備える、実施例1、2、3、4、5、6、又は7に記載の電気外科用器具。
実施例9-方向は、組織接触表面に対して垂直である、実施例8に記載の電気外科用器具。
実施例10-電極を画定するように構成されたジョーを備える電気外科用器具。ジョーは、第1の電気導電性部分と、第2の電気導電性部分と、電気絶縁性層と、を備える。第1の電気導電性部分は、それを通じた熱伝達に抵抗するように構成されている。第2の電気導電性部分は、第1の電気導電性部分と一体であり、その周囲に少なくとも部分的に延在する。第2の電気導電性部分は、ヒートシンクを画定するように構成されている。電極は、第2の電気導電性部分の外側表面に電気絶縁性層を選択的に適用することによって画定される。
実施例11-電極は、電極に当接して位置付けられた組織にRFエネルギーを伝送するように構成されている、実施例10に記載の電気外科用器具。
実施例12-第1の電気導電性部分はエアポケットを含む、実施例10又は11に記載の電気外科用器具。
実施例13-第1の電気伝導性部分は格子構造を備える、実施例10、11、又は12に記載の電気外科用器具。
実施例14-電気絶縁性層はダイヤモンド状物質を含む、実施例10、11、12、又は13に記載の電気外科用器具。
実施例15-第1のジョーは組織接触表面を備え、第1の電気導電性部分は、組織接触表面を横切する方向に直立する壁を含んだ格子構造を備える、実施例10、11、12、13、又は14に記載の電気外科用器具。
実施例16-方向は、組織接触表面に対して垂直である、実施例15に記載の電気外科用器具。
実施例17-電極を画定するように構成されたジョーを備える電気外科用器具。ジョーは、電気導電性スケルトンと、電気絶縁性層と、を備える。電気導電性スケルトンは、熱絶縁性コアと、熱絶縁性コアと一体であり、かつ熱絶縁性コアの周りに少なくとも部分的に延在する熱伝導性外側層と、を備える。電極は、熱伝導性外側層の外側表面に電気絶縁性層を選択的に適用することによって画定される。
実施例18-熱絶縁性コアは格子構造を備える、実施例17に記載の電気外科用器具。
実施例19-ジョーは組織接触表面を備え、格子構造は、組織接触表面を横切する方向に直立する壁を含む、実施例18に記載の電気外科用器具。
実施例20-方向は、組織接触表面に対して垂直である、実施例19に記載の電気外科用器具。
実施例セット5
実施例1-エンドエフェクタを備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョーは、第1の電極を備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、第1のモノポーラエネルギーを組織に送達するように構成された第2の電極と、第3の電極と、第3の電極との接続構成と第3の電極との非接続構成との間で選択的に移行可能な導電性回路と、を備える。接続構成では、第3の電極は、第1の電極と協働して、バイポーラエネルギーを組織に送達するように構成されている。導電性回路は、バイポーラエネルギーのための戻り経路を画定する。非接続構成では、第1の電極は、組織に第2のモノポーラエネルギーを送達するように構成されている。
実施例2-接続構成と非接続構成との間で交番するためのスイッチング機構をさらに備える、実施例1に記載の電気外科用器具。
実施例3-第1の電極を通じた組織へのバイポーラエネルギーの送達と第2のモノポーラエネルギーの送達との間で交番するためのスイッチング機構をさらに備える、実施例1又は2に記載の電気外科用器具。
実施例4-エンドエフェクタは、モノポーラエネルギーと第1のモノポーラエネルギーとを同時に組織に送達するように構成されている、実施例1、2又は3に記載の電気外科用器具。
実施例5-エンドエフェクタは、モノポーラエネルギーと第1のモノポーラエネルギーとのエネルギーブレンドを組織に送達するように構成されている、実施例1、2、3、又は4に記載の電気外科用器具。
実施例6-エネルギーブレンドにおけるバイポーラエネルギー及び第1のモノポーラエネルギーのレベルが、組織の少なくとも1つの温度を示す温度センサの少なくとも1つの読み取り値に基づいて決定される、実施例5に記載の電気外科用器具。
実施例7-エネルギーブレンドにおけるバイポーラエネルギー及び第1のモノポーラエネルギーのレベルが、組織の少なくとも1つのインピーダンスを示すインピーダンスセンサの少なくとも1つの読み取り値に基づいて決定される、実施例5又は6に記載の電気外科用器具。
実施例8-エネルギーブレンドにおけるバイポーラエネルギー及び第1のモノポーラエネルギーのレベルが、第1のジョーと第2のジョーとの間の組織治療領域を越えて検出される横方向熱損傷を低減するように調整される、実施例5、6、又は7に記載の電気外科用器具。
実施例9-エンドエフェクタと、制御回路と、を備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、少なくとも1つのセンサと、を備える。第1のジョーは第1の電極を備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。第2のジョーは、モノポーラエネルギーを組織に送達するように構成された第2の電極と、第1の電極と協働してバイポーラエネルギーを送達するように構成された第3の電極と、を備える。制御回路は、組織治療サイクルにおいて組織を封止及び切断するために所定の電力スキームを実行するように構成されている。電力スキームは、モノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーの所定の電力レベルを含む。制御回路は、組織治療サイクルにおいて少なくとも1つのセンサの読み取り値に基づいてモノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーの所定の電力レベルのうちの少なくとも1つを調整するようにさらに構成されている。
実施例10-所定の電力スキームは、組織治療サイクルにおいて組織にバイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーを同時に印加すること及び別々に印加することを含む、実施例9に記載の電気外科用器具。
実施例11-所定の電力スキームは、組織治療サイクルのフェザリングセグメントにおいて組織にバイポーラエネルギーは印加するが、モノポーラエネルギーは印加しないことと、組織治療サイクルの組織加温セグメント及び組織封止セグメントにおいて組織にバイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーを同時に印加することと、を含む、実施例9又は10に記載の電気外科用器具。
実施例12-電力スキームは、組織治療サイクルの組織横切セグメントにおいて組織にモノポーラエネルギーは印加するが、バイポーラエネルギーは印加しないことをさらに含む、実施例11に記載の電気外科用器具。
実施例13-少なくとも1つのセンサは、インピーダンスセンサを含む、実施例9、10、11、又は12に記載の電気外科用器具。
実施例14-制御回路は、インピーダンスセンサからの読み取り値に基づいて、モノポーラ組織インピーダンスとバイポーラ組織インピーダンスとのインピーダンス比を監視するように構成されている、実施例13に記載の電気外科用器具。
実施例15-所定の範囲内のインピーダンス比の変化が、制御回路に警告を発行させる、実施例14に記載の電気外科用器具。
実施例16-所定の範囲の下限閾値以下へのインピーダンス比の変化が、制御回路に所定の電力スキームを調整させる、実施例15に記載の電気外科用器具。
実施例17-所定の範囲の下限閾値以下へのインピーダンス比の変化が、制御回路に組織へのモノポーラエネルギーの印加を一時停止させる、実施例15又は16に記載の電気外科用器具。
実施例18-所定の範囲の下限閾値以下へのインピーダンス比の変化が、制御回路にさらに、組織の封止を完了するための組織へのバイポーラエネルギーの印加を調整させる、実施例17に記載の電気外科用器具。
実施例19-エンドエフェクタと、制御回路と、を備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョーは、第1の電極を備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。組織は、標的部位にある。第2のジョーは、モノポーラエネルギーを組織に送達するように構成された第2の電極と、第1の電極と協働してバイポーラエネルギーを送達するように構成された第3の電極と、を備える。制御回路は、組織治療サイクルにおいて組織を封止及び切断するために所定の電力スキームを実行するように構成されている。電力スキームは、モノポーラエネルギー及びバイポーラエネルギーの所定の電力レベルを含む。制御回路は、標的部位からのエネルギー迂回を検出し、モノポーラエネルギーの所定の電力レベル及びバイポーラエネルギーの所定の電力レベルのうちの少なくとも1つを調整して、エネルギー迂回を軽減するようにさらに構成されている。
実施例20-所定の電力スキームは、組織治療サイクルにおいて組織にバイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーを同時に印加すること及び別々に印加することを含む、実施例19に記載の電気外科用器具。
実施例21-所定の電力スキームは、組織治療サイクルのフェザリングセグメントにおいて組織にバイポーラエネルギーは印加するが、モノポーラエネルギーは印加しないことと、組織治療サイクルの組織加温セグメント及び組織封止セグメントにおいて組織にバイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーを同時に印加することと、を含む、実施例19又は20に記載の電気外科用器具。
実施例セット6
実施例1-エンドエフェクタと、制御回路と、を備える電気外科用システム。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。制御回路は、組織凝固ステージと組織横切ステージとを含む組織治療サイクル中に2つの異なるエネルギーモダリティを同時に、また別々に組織に適用させるように構成されている。
実施例2-第1のエネルギーモダリティはモノポーラエネルギーモダリティである、実施例1に記載の電気外科用システム。
実施例3-第2のエネルギーモダリティはバイポーラエネルギーモダリティである、実施例2に記載の電気外科用システム。
実施例4-制御回路は、バイポーラエネルギーモダリティによる組織凝固ステージの完了前に、組織へのモノポーラエネルギーモダリティの適用を始動するように構成されている、実施例2又は3に記載の電気外科用システム。
実施例5-制御回路は、組織へのバイポーラエネルギーモダリティの停止の前に、組織へのモノポーラエネルギーモダリティの適用を始動するように構成されている、実施例2又は3に記載の電気外科用システム。
実施例6-制御回路は、組織凝固ステージ中に組織へのモノポーラエネルギーモダリティとバイポーラエネルギーモダリティの同時適用を引き起こすように構成されている、実施例3、4、又は5に記載の電気外科用システム。
実施例7-制御回路は、プロセッサと、記憶媒体と、を含み、組織への2つの異なるエネルギーモダリティの適用は、記憶媒体に記憶されたデフォルト電力スキームに基づくものである、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載の電気外科用システム。
実施例8-少なくとも1つのセンサをさらに備え、制御回路は、少なくとも1つのセンサの1つ以上のセンサ読み取り値に基づいてデフォルト電力スキームを修正するように構成されている、実施例7に記載の電気外科用システム。
実施例9-エンドエフェクタを備える電気外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。エンドエフェクタは、組織凝固ステージと組織横切ステージとを含む組織治療サイクル中に3つの異なるエネルギーモダリティを組織に適用させるように構成されている。
実施例10-第1のエネルギーモダリティはバイポーラエネルギーを含む、実施例9に記載の電気外科用器具。
実施例11-第2のエネルギーモダリティは、モノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーとのエネルギーブレンドを含む、実施例10に記載の電気外科用器具。
実施例12-第3のエネルギーモダリティは、モノポーラエネルギーを含むが、バイポーラエネルギーは含まない、実施例11に記載の電気外科用器具。
実施例13-組織へのモノポーラエネルギー印加の始動が、組織凝固ステージの完了前に開始するように構成されている、実施例11又は12に記載の電気外科用器具。
実施例14-組織へのモノポーラエネルギー印加の始動が、組織へのバイポーラエネルギーモダリティの適用の停止前に開始するように構成されている、実施例12又は13に記載の電気外科用器具。
実施例15-制御回路をさらに備え、制御回路は、プロセッサと、記憶媒体と、を含み、組織への2つの異なるエネルギーモダリティの適用は、記憶媒体に記憶されたデフォルト電力スキームに基づくものである、実施例9、10、11、12、13、又は14に記載の電気外科用器具。
実施例16-少なくとも1つのセンサをさらに備え、制御回路は、少なくとも1つのセンサの1つ以上のセンサ読み取り値に基づいて組織治療サイクル中にデフォルト電力スキームを調整するように構成されている、実施例15に記載の電気外科用器具。
実施例17-バイポーラエネルギーを出力するように構成された第1の発生器と、モノポーラエネルギーを出力するように構成された第2の発生器と、第1の発生器及び第2の発生器に電気的に結合された外科用器具と、制御回路と、を備える電気外科システム。外科用器具は、エンドエフェクタを備える。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように、互いに対して移動可能である。制御回路は、プロセッサと、プログラム命令を含んだ記憶媒体と、を備え、プログラム命令は、プロセッサによって実行されると、第1の発生器及び第2の発生器に所定の電力スキームをエンドエフェクタに適用させることを、プロセッサに行わせる。電力スキームは、組織治療サイクルにおいて組織にモノポーラエネルギーとバイポーラエネルギーとを同時に印加すること、及び別々に印加することを含む。
実施例18-少なくとも1つのセンサをさらに備え、制御回路は、少なくとも1つのセンサの1つ以上のセンサ読み取り値に基づいて治療サイクル中に電力スキームを調整するように構成されている、実施例17に記載の電気外科用システム。
実施例19-電力スキームは、組織治療サイクルのフェザリングセグメントにおいて組織にバイポーラエネルギーは印加するが、モノポーラエネルギーは印加しないことと、組織治療サイクルの組織加温セグメント及び組織封止セグメントにおいて組織にバイポーラエネルギーとモノポーラエネルギーを同時に印加することと、を含む、実施例17又は18に記載の電気外科用システム。
実施例20-電力スキームは、組織治療サイクルの組織横切セグメントにおいて組織にモノポーラエネルギーは印加するが、バイポーラエネルギーは印加しないことをさらに含む、実施例17、18、19に記載の電気外科用システム。
いくつかの形態が示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。さらに、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。さらに、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブル論理装置(programmable logic device、PLD)、プログラマブル論理アレイ(programmable logic array、PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることがさらに理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。さらに、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。さらに、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。さらに、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
本明細書では、特に指示がない限り、本開示で使用される「約」又は「およそ」という用語は、特に明記されない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容誤差を意味し、これは、値が測定又は決定される方法に部分的に依存する。特定の実施形態では、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。特定の実施形態では、「約」又は「およそ」という用語は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
本明細書においては、別途示されない限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において、「約」なる語により先行及び修飾されているものとして理解すべきであり、かかる数値パラメータは、パラメータの数値を求めるために用いられる基礎となる測定法に固有の変動特性を有するものである。最低でも、特許請求の範囲の範囲に対して均等論の適用を制限することを試みてはならず、本明細書に記載される各数値パラメータは、報告された有効桁の数字を考慮し、通常の四捨五入の手法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
本明細書に記載される任意の数値範囲は、記載された範囲内に包含される全ての部分範囲を含む。例えば、「1~10」の範囲には、記載された最小値である1と記載された最大値である10との間(かつ最小値と最大値を含む)の全ての部分範囲、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する全ての部分範囲が含まれる。また、本明細書に列挙される全ての範囲は、列挙された範囲の終点を含む。例えば、「1~10」の範囲は、終点1及び10を含む。本明細書に記載されるあらゆる最大の数値限界は、これに包含される全てのより小さい数値限界を含むことを意図し、本明細書に記載されるあらゆる最小の数値限界は、これに包含される全てのより大きい数値限界を含むことを意図している。したがって、出願人は、明示的に記載された範囲内に包含されるあらゆる明示的に記載された部分範囲を含むように、請求項を含む本明細書を補正する権利を有するものである。全てのそのような範囲は、本明細書中に本質的に記載されている。
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
〔実施の態様〕
(1) 電気外科用器具であって、
エンドエフェクタであって、
第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョー及び前記第2のジョーのうちの少なくとも1つは、前記エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように移動可能であり、前記第2のジョーは、
近位端部から遠位端部へと延在する、徐々に狭くなる本体であって、導電性材料を含み、
前記近位端部から前記遠位端部へと延在する第1の導電性部分と、
前記第1の導電性部分から突出し、前記徐々に狭くなる本体の少なくとも一部分に沿って遠位に延在するテーパ電極を画定する第2の導電性部分であって、前記第1の導電性部分と一体であり、前記第1の導電性部分は、前記徐々に狭くなる本体の横断面において前記第2の導電性部分よりも厚い、第2の導電性部分と、を備える、徐々に狭くなる本体と、
前記第1の導電性部分は前記組織から電気的に絶縁するが、前記第2の導電性部分は電気的に絶縁しないように構成された電気絶縁性層であって、前記第1の導電性部分は、前記第2の導電性部分を通してのみ前記組織に電気エネルギーを伝送するように構成されている、電気絶縁性層と、を備える第2のジョーと、を備えるエンドエフェクタを備える、電気外科用器具。
(2) 前記テーパ電極は、前記電気絶縁性層の外側表面と面一の外側表面を備える、実施態様1に記載の電気外科用器具。
(3) 前記テーパ電極は、前記テーパ電極が前記近位端部から前記遠位端部に向かって延在するにつれて徐々に狭くなる幅を備える、実施態様1に記載の電気外科用器具。
(4) 前記電気エネルギーは、前記テーパ電極の外側表面を通して前記組織に送達される、実施態様1に記載の電気外科用器具。
(5) 前記第1のジョーは、前記第1のジョーの少なくとも一部分に沿って遠位に延在する第1の電極を備え、前記テーパ電極は第2の電極であり、前記第1の電極は、前記閉鎖構成において前記第2の電極から横方向にオフセットされている、実施態様1に記載の電気外科用器具。
(6) 前記第2のジョーは、前記徐々に狭くなる本体から離間した第3の電極をさらに備える、実施態様5に記載の電気外科用器具。
(7) 前記第3の電極は、前記第2のジョーによって画定された斜行プロファイルに沿って、電極近位端部から電極遠位端部へと遠位に延在する、実施態様6に記載の電気外科用器具。
(8) 前記第3の電極は、前記第2のジョーの前記斜行プロファイルに沿ってクレードル近位端部からクレードル遠位端部へと遠位に延在する、クレードル内に位置付けられた基部を備える、実施態様7に記載の電気外科用器具。
(9) 前記クレードルは、前記第2のジョーの横方向縁部に対して中央に位置する、実施態様8に記載の電気外科用器具。
(10) 前記第3の電極は、前記クレードルの側壁を越えて前記基部から延在するテーパ縁部をさらに備える、実施態様9に記載の電気外科用器具。
(11) 前記クレードルは、柔軟性基材から構成されている、実施態様10に記載の電気外科用器具。
(12) 前記クレードルは、前記徐々に狭くなる本体に画定された谷に部分的に埋め込まれている、実施態様10に記載の電気外科用器具。
(13) 前記クレードルは、電気絶縁性コーティングによって前記徐々に狭くなる本体から離間している、実施態様12に記載の電気外科用器具。
(14) 前記基部は、
基部近位端部と、
基部遠位端部と、
前記基部が、前記基部近位端部から前記基部遠位端部へと前記斜行プロファイルに沿って延在するにつれて徐々に狭くなる幅と、を備える、実施態様10に記載の電気外科用器具。
(15) 電気外科用器具であって、
エンドエフェクタであって、
第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョー及び前記第2のジョーのうちの少なくとも1つは、前記エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成へと移行させて、それらの間に組織を把持するように移動可能であり、前記第2のジョーは、
近位端部から遠位端部へと延在するテーパ斜行プロファイルを備える導電性本体であって、
前記近位端部から前記遠位端部へと延在する第1の導電性部分と、
前記第1の導電性部分から突出し、前記導電性本体の少なくとも一部分に沿って遠位に延在するテーパ電極を画定する第2の導電性部分であって、前記第1の導電性部分と一体であり、前記第1の導電性部分は、前記第2の導電性部分よりも厚い、第2の導電性部分と、を備える、導電性本体と、
前記第1の導電性部分は前記組織から電気的に絶縁するが、前記第2の導電性部分は電気的に絶縁しないように構成された電気絶縁性層であって、前記第1の導電性部分は、前記第2の導電性部分を通してのみ前記組織に電気エネルギーを伝送するように構成されている、電気絶縁性層と、を備える第2のジョーと、を備えるエンドエフェクタを備える、電気外科用器具。
(16) 前記テーパ電極は、前記テーパ電極が前記近位端部から前記遠位端部に向かって延在するにつれて徐々に狭くなる幅を備える、実施態様15に記載の電気外科用器具。
(17) 前記第1のジョーは、前記第1のジョーの少なくとも一部分に沿って遠位に延在する第1の電極を備え、前記テーパ電極は第2の電極であり、前記第1の電極は、前記閉鎖構成において前記第2の電極から横方向にオフセットされている、実施態様16に記載の電気外科用器具。
(18) 前記第2のジョーは、前記導電性本体から離間した第3の電極をさらに備える、実施態様17に記載の電気外科用器具。
(19) 前記第3の電極は、前記テーパ斜行プロファイルの少なくとも一部分に沿って遠位に延在する、実施態様18に記載の電気外科用器具。
(20) 前記第3の電極は、前記テーパ斜行プロファイルの前記少なくとも一部分に沿ってクレードル近位端部からクレードル遠位端部へと遠位に延在する、クレードル内に位置付けられた基部を備え、前記クレードルは柔軟性基材から構成されている、実施態様19に記載の電気外科用器具。