JP7615709B2 - 粘着剤組成物、粘着剤、粘着シート、および粘着付与剤用ポリエステル系樹脂 - Google Patents
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Description
また、画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために粘着テープが用いられている。具体的には、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために両面粘着テープが用いられている。このような両面粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる。また、車輌部品を車輌本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられており、このような粘着剤に、アクリル系樹脂を用いた粘着剤が検討されている。
例えば、特許文献1においては、アクリル系樹脂と所定の水酸基価を有する粘着付与樹脂を含有してなるアクリル系粘着剤組成物が提案されている。
そして、特許文献2においては、ポリエステル系樹脂と粘着付与剤を含有するポリエステル系粘着剤組成物が提案されている。
また、特許文献3においては、アクリル系樹脂、反応性化合物および所定酸価を有する環構造含有ポリエステルを含有するアクリル系粘着剤組成物が提案されている。
[1] 重合体(A)、および、多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位およびポリオール(b2)由来の構造単位を有し、少なくとも1つの反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂(B)を含有する粘着剤組成物。
[2] 上記ポリエステル系樹脂(B)が、数平均分子量が50~5000の封鎖剤(b3)により少なくとも1つの反応性分子末端が封鎖されてなる[1]記載の粘着剤組成物。
[3] 上記ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)が-80~30℃である[1]または[2]記載の粘着剤組成物。
[4] 上記ポリエステル系樹脂(B)の数平均分子量が300~30000である[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5] 上記ポリエステル系樹脂(B)の水酸基価が10mgKOH/g以下である[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6] 上記ポリエステル系樹脂(B)の酸価が3mgKOH/g以下である[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7] 上記ポリエステル系樹脂(B)の結晶融解熱が10J/g以下である[1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[8] 上記多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位、上記ポリオール(b2)由来の構造単位および上記封鎖剤(b3)の少なくとも1つに芳香族構造単位を含有してなる[2]~[7]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[9] 上記ポリエステル系樹脂(B)の含有量が、重合体(A)100重量部に対して0.1~180重量部である[1]~[8]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[10] 上記重合体(A)が、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位およびポリオール(a2)由来の構造単位を有するポリエステル系樹脂である[1]~[9]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[11] 上記ポリエステル系樹脂が、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位およびポリオール(a2)由来の構造単位の少なくとも1つに芳香族構造単位を含有するポリエステル系樹脂である[10]記載の粘着剤組成物。
[12] 上記重合体(A)のガラス転移温度(TgA)が-70~40℃である[1]~[11]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[13] 上記重合体(A)のガラス転移温度(TgA)が、ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)よりも高い温度である[1]~[12]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[14] [1]~[13]のいずれかに記載の粘着剤組成物が架橋されてなる粘着剤。
[15] [14]記載の粘着剤を含有する粘着剤層を有する粘着シート。
[16] 電子部材の貼り合わせに用いる[15]記載の粘着シート。
[17] 多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位およびポリオール(b2)由来の構造単位を有し、少なくとも1つの反応性分子末端が封鎖剤(b3)により封鎖され、上記多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位、上記ポリオール(b2)由来の構造単位および上記封鎖剤(b3)の少なくとも1つに芳香族構造単位を有する粘着付与剤用ポリエステル系樹脂。
しかし、本発明では、あえてポリエステル系樹脂中の水酸基またはカルボキシ基を封鎖したポリエステル系樹脂を配合したものであり、これにより意外にも粘着力が低下することもなく、耐薬品性、保持力やタック性に優れ、本発明の目的を達成することができたものである。
また、本発明において、「yおよび/またはz(y,zは任意の構成または成分)」とは、yのみ、zのみ、yおよびz、という3通りの組合せを意味するものである。
以下、本発明の粘着剤組成物に用いられる各構成成分について詳述する。
上記重合体(A)は、粘着剤組成物の主成分であり、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。なかでも粘着力、耐熱性の点でポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、耐薬品性、耐可塑剤性の点でポリエステル系樹脂が特に好ましい。なお、上記主成分とは、粘着剤組成物の特性に大きな影響を与える成分の意味であり、その成分の含有量は、通常、粘着剤組成物全体の30重量%以上であり、好ましくは50重量%以上である。
以下、重合体(A)の好ましい態様である、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂について説明する。
本発明で用いることができるポリエステル系樹脂は、後述するポリエステル系樹脂(B)を除くものであり、通常、構成原料として、多価カルボン酸類(a1)およびポリオール(a2)を含む共重合成分を共重合することにより得られ、そのポリエステル系樹脂は、その樹脂組成として、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位およびポリオール(a2)由来の構造単位を有するようになる。
上記ポリエステル系樹脂が、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位およびポリオール(a2)由来の構造単位の少なくとも1つに芳香族構造単位を含有することが耐薬品性に優れる点から好ましく、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位に芳香族構造単位を有することが特に好ましい。
なお、本発明において、「カルボン酸類」との用語は、カルボン酸に加え、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等のカルボン酸誘導体も含むものである。
上記多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位としては、例えば、二価カルボン酸類由来の構造単位、三価以上の多価カルボン酸類由来の構造単位が挙げられ、ポリエステル系樹脂を安定的に得られる点から二価カルボン酸類由来の構造単位を含むことが好ましい。
フタル酸類、テレフタル酸類、イソフタル酸類、ベンジルマロン酸類、ジフェン酸類、4,4’-オキシジ安息香酸類、さらに1,8-ナフタレンジカルボン酸類、2,3-ナフタレンジカルボン酸類、2,7-ナフタレンジカルボン酸類等のナフタレンジカルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸類由来の構造単位;
1,3-シクロペンタンジカルボン酸類、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸類、1,3-シクロペンタンジカルボン酸類、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸類、2,5-ノルボルナンジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸類等の脂環式ジカルボン酸類由来の構造単位;
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等から誘導されるダイマー酸類(炭素数36~44のものを主とする)由来の構造単位;等が挙げられる。
また、上記三価以上の多価カルボン酸類由来の構造単位としては、例えば、トリメリット酸類、ピロメリット酸類、アダマンタントリカルボン酸類、トリメシン酸類等由来の構造単位が挙げられる。
これらの多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位は単独でもしくは2種以上含まれていてもよい。
ポリオール(a2)由来の構造単位としては、二価アルコール由来の構造単位、三価以上のポリオール由来の構造単位が挙げられる。
1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等の脂環式ジオール由来の構造単位;
4,4’-チオジフェノール、4,4’-メチレンジフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、o-,m-、およびp-ジヒドロキシベンゼン、2,5-ナフタレンジオール、p-キシレンジオール、およびそれらのエチレンオキサイド付加体やプロピレンオキサイド付加体等の芳香族ジオール由来の構造単位等が挙げられる。
さらに、ヒマシ油から誘導される脂肪酸エステル由来の構造単位や、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸や、エルカ酸等から誘導されるダイマージオール由来の構造単位、グリセロールモノステアレート由来の構造単位等が挙げられる。
また、上記三価以上のポリオール由来の構造単位としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,3,6-ヘキサントリオール、アダマンタントリオール由来の構造単位等が挙げられる。
これらポリオール(a2)由来の構造単位は単独でもしくは2種以上含まれていてもよい。
重縮合反応の反応条件としては、上記のエステル化反応で用いるものと同様の触媒を、さらに同程度の量配合し、反応温度を好ましくは220~280℃、特に好ましくは230~270℃として、反応系を徐々に減圧して最終的には5hPa以下で反応させることが好ましい。かかる反応温度が低すぎると反応が充分に進行しにくい傾向があり、高すぎると分解等の副反応が起こりやすい傾向がある。
本発明で用いることができるアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(α1)と官能基含有モノマー(α2)、必要に応じて、その他の共重合性モノマー(α3)とを共重合させて得られるものである。
なお、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(α1)のなかでも、共重合性、粘着物性、取り扱いやすさ、および原料入手しやすさの点で、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;
2,2-ジメチル2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマー等を挙げることができる。
上記水酸基含有モノマーのなかでも、後述する架橋剤(D)との反応性に優れる点で、1級水酸基含有モノマーが好ましく、特には2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、測定温度範囲は-90~100℃で、温度上昇速度は、10℃/分である。
ここで、アクリル系樹脂を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K 7121-1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
上記ポリエステル系樹脂(B)は、粘着付与剤としての効果を奏するものであり、多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位およびポリオール(b2)由来の構造単位を有し、少なくとも1つの反応性分子末端が封鎖されたものであり、上記反応性分子末端は封鎖剤(b3)により封鎖されることが好ましい。
また、上記多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位、上記ポリオール(b2)由来の構造単位および封鎖剤(b3)の少なくともひとつに芳香族構造単位を含有することが耐薬品性に優れる点から好ましく、多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位および/または封鎖剤(b3)に芳香族構造単位を含有することがより好ましく、封鎖剤(b3)に芳香族構造単位を含有することが特に好ましい。
以下、末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’)について説明する。
上記末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’)〔以下、「ポリエステル系樹脂(B’)」と称する場合がある〕は、通常、構成原料として、多価カルボン酸類(b1)およびポリオール(b2)を含む共重合成分を共重合することにより得られ、そのポリエステル系樹脂(B’)は、樹脂組成として、多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位およびポリオール(b2)由来の構造単位を有するようになる。
上記多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位としては、前記多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位で説明したものが挙げられる。
上記ポリオール(b2)由来の構造単位としては、前記ポリオール(a2)由来の構造単位で説明したものが挙げられる。
また、カルボキシ末端を有するポリエステル系樹脂(B’)とする場合は、ポリオール(b2)1当量あたり、多価カルボン酸類(b1)が1~2当量であることが好ましく、特に好ましくは1.03~1.8当量であり、より好ましくは1.05~1.7、殊に好ましくは1.1~1.6である。多価カルボン酸類(b1)の配合割合が低すぎると重合体(A)との相溶性が低下する傾向があり、高すぎると粘着剤として凝集力が低下し耐薬品性が低下する傾向がある。
また、カルボキシ基末端を有するポリエステル系樹脂(B’)とする場合は、10mgKOH/g以下であり、好ましくは5mgKOH/g以下、さらに好ましくは3mgKOH/g以下、特に好ましくは1mgKOH/g以下、殊には0.5mgKOH/g以下である。なお、下限は0.0mgKOH/gである。水酸基価が高すぎるとタック性が低下する傾向がある。
また、カルボキシ基末端を有するポリエステル系樹脂(B’)とする場合は、5~200mgKOH/gであり、好ましくは10~150mgKOH/g、さらに好ましくは15~100mgKOH/gである。酸価が高すぎると、凝集力の低下や、加水分解が進行しやすくなる傾向や、粘着剤層の一方の面に、金属等の層を貼り合わせた場合に腐食させてしまう傾向がある。
上記封鎖剤(b3)は、上記ポリエステル系樹脂(B’)の反応性末端と反応性を有する官能基を含有するものであり、例えば、イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、エポキシ基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、カルボキシ基含有化合物、ヒドロキシ基含有化合物等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
上記モノイソシアネート化合物としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、n-ブチルイソシアネート、t-ブチルイソシアネート、イソブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ネオペンチルイソシアネート、2-エチル-ヘキシルイソシアネート、2-イソシアナトエチルメタクリレート、2-イソシアナトエチルアクリレート、イソシアン酸オクタデシル等の脂肪族モノイソシアネート化合物、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、1-ナフチルイソシアネート、2-ナフチルイソシアネート、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート等の芳香族モノイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。なかでも、反応性、耐薬品性に優れる点で芳香族モノイソシアネート化合物が好ましく、フェニルイソシアネートが特に好ましい。
上記モノカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、およびナフチルカルボジイミド等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
上記モノカルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ピロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2-メチルブタン酸、ピバル酸、ヘキサン酸、4-メチルペンタン酸、2-エチルブタン酸、2,2-ジメチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、へプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、ヘキサコサン酸、トリアコンタン酸などの脂肪族モノカルボン酸類、安息香酸、トルイル酸、ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸類が挙げられ、これらを単独もしくは2種以上を併用することができる。なかでも、反応性、耐薬品性に優れる点で芳香族モノカルボン酸類が好ましい。
上記モノアルコールとしては、例えば、ブタノール、ヘキサノール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノールなどの脂肪族モノアルコール、ベンジルアルコール、3-フェニル-1-プロパノールなどの芳香族モノアルコールが挙げられ、これらを単独もしくは2種以上を併用することができる。
なお、測定温度範囲は-90~100℃で、温度上昇速度は、10℃/分であり、100℃まで昇温し完全融解させたのち、-90℃まで降温し、再び100℃まで昇温させた場合の融解発熱の熱量を結晶融解熱とした。
本発明の粘着剤組成物は、さらに加水分解抑制剤(C)を含有することが好ましい。かかる加水分解抑制剤(C)は、長期耐久性を担保するために含有されるものである。
なお、カルボジイミド当量とは、カルボジイミド基1個あたりの化学式量を示す。
上記グリシジルエステル化合物としては、例えば、安息香酸グリシジルエステル、t-Bu-安息香酸グリシジルエステル、p-トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ペラルゴン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、ベヘニン酸グリシジルエステル、バーサチック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレン酸グリシジルエステル、ベヘノール酸グリシジルエステル、ステアロール酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは2種以上を併用することができる。
また、加水分解抑制剤(C)としては、耐加水分解性の観点から重量平均分子量が高いものを用いることが好ましい。加水分解抑制剤(C)の重量平均分子量は、500以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましく、3000以上であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量の上限は通常50000である。
加水分解抑制剤(C)の分子量が小さすぎると、耐加水分解性が低下する傾向がある。なお、分子量が大きすぎると、重合体(A)との相溶性が低下する傾向がある。
例えば、重合体(A)がポリエステル系樹脂の場合では、粘着剤組成物中のポリエステル系樹脂の酸性官能基のモル数合計(X)に対する、粘着剤組成物中の加水分解抑制剤(C)の官能基のモル数合計(Y)のモル比〔(Y)/(X)〕が、0.5≦(Y)/(X)であることが好ましく、特に好ましくは1≦(Y)/(X)≦1000、さらに好ましくは1.5≦(Y)/(X)≦100である。
(X)に対する(Y)のモル比が低すぎると、耐湿熱性能が低下する傾向がある。なお、(X)に対する(Y)のモル比が高すぎると、重合体(A)との相溶性が低下したり、粘着力、凝集力、耐久性能が低下する傾向がある。
本発明の粘着剤組成物には、更に架橋剤(D)を含むことが好ましい。
上記架橋剤(D)としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物、ポリエポキシ系化合物等、重合体(A)に含まれる水酸基、およびカルボキシ基の少なくとも一方と反応する官能基を有する化合物が挙げられる。これらのなかでも初期粘着力と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、特にポリイソシアネート系化合物を用いることが好ましい。
かかる架橋剤(D)に含まれる反応性基の当量数が小さすぎると凝集力が低下する傾向があり、大きすぎると柔軟性が低下する傾向がある。
本発明の粘着剤組成物は、ウレタン化触媒(E)をさらに含有することが好ましい。 上記ウレタン化触媒(E)としては、例えば、有機金属系化合物、3級アミン化合物等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート等が挙げられる。
鉄系化合物としては、例えば、鉄アセチルアセトネート、2-エチルヘキサン酸鉄等が挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
チタン系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等が挙げられる。
鉛系化合物としては、例えば、オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。
コバルト系化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルト等が挙げられる。
亜鉛系化合物としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物においては、ポットライフを延長し、塗工性を向上させる点で上記ウレタン化触媒(E)に触媒作用抑制剤を含有させることが好ましい。
触媒作用抑制剤としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステルや、アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ-ジケトンが挙げられる。これらはケトエノール互変異性化合物であり、これらが上記ウレタン化触媒(E)を保護することにより、ウレタン化触媒(E)の溶液状態での触媒活性を低下させ、配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長することができる。
これらのなかでも、ポットライフと硬化速度のバランスの点から、触媒作用抑制剤としてアセチルアセトンを用いることが好ましい。なお、これらの触媒作用抑制剤は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、本発明において「シート」とは、「フィルム」や「テープ」をも含めた意味である。
上記粘着シートは、例えば、つぎのようにして作製することができる。
かかる粘着シートの製造方法としては、公知一般の粘着シートの製造方法にしたがって製造することができ、例えば、基材の一方の面に、上記粘着剤組成物を塗工、乾燥して、粘着剤層を形成し、その表面(基材に接する面の反対面)に離型シートを貼合し、必要により養生することで、基材と粘着剤層とを有し、上記粘着剤層が上記基材の少なくとも片面に設けられた本発明の粘着シートが得られる。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン製フィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム;塩化ビニル樹脂フィルム;酢酸ビニル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;ポリアミド樹脂フィルム;フッ素樹脂フィルム;ポリウレタンフィルム;セロハン等が挙げられる。
上記紙としては、例えば、和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が挙げられる。
上記布としては、例えば、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等が挙げられる。上記繊維状物質としては、例えば、綿、スフ、マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられる。
上記ゴムシートとしては、例えば、天然ゴムシート、ブチルゴムシート等が挙げられる。
上記発泡体シートとしては、例えば、発泡ポリウレタンシート、発泡ポリアクリルシート、発泡ポリオレフィンシート等が挙げられる。
上記金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。
これらの基材は、単層体としてまたは2種以上が積層された複層体として用いることができる。
また、下記実施例中におけるガラス転移温度や重量平均分子量、数平均分子量、酸価、水酸基価等に関しては、前述の方法に従って測定した。
以下のポリエステル系樹脂の製造例で記載する多価カルボン酸類である各成分のモル%は、多価カルボン酸類の合計量を100モル%とした場合のモル比を示す。
また、以下の製造例で記載するポリオールである各成分のモル%は、ポリオールの合計量を100モル%とした場合のモル比を示す。
〔ポリエステル系樹脂(A-1)の製造〕
加熱装置、温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管、および真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸類(a1)としてイソフタル酸386部、アジピン酸146部、ポリオール(a2)としてエチレングリコール113部、1,6-ヘキサンジオール216部、ネオペンチルグリコール138部、触媒として二酸化ゲルマニウム0.04部仕込み、内温250℃まで除々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
その後、内温270℃まで上げ1.33hPaまで減圧し、3時間かけて重縮合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A-1)を得た。
得られたポリエステル系樹脂(A-1)のガラス転移温度(Tg)は-5℃、数平均分子量は10000、重量平均分子量(Mw)は33000であった。その他の諸物性等は後記の表1の通りであった。
また、出来上がり成分割合は、多価カルボン酸類(a1)としてイソフタル酸/アジピン酸=70モル%/30モル%、ポリオール(a2)としてエチレングリコール/1,6-ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール=35モル%/39モル%/26モル%であった。
[末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-1)~(B’-4)の製造]
加熱装置、温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管、および真空装置の付いた反応缶に、後記の表2に示す通りの多価カルボン酸類(a1)およびポリオール(a2)、触媒として二酸化ゲルマニウム0.04部仕込み、内温250℃まで除々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
その後、内温260℃まで上げ100hPaまで減圧し、1時間かけてエステル化反応を行い、末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-1)~(B’-4)を得た。
また、得られた末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-1)の出来上がり成分割合は、多価カルボン酸類(a1)としてイソフタル酸/アジピン酸=5モル%/95モル%、ポリオール(a2)として1,6-ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール=40モル%/60モル%であった。また、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は92.2mgKOH/gであった。
得られた末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-2)の出来上がり成分割合は多価カルボン酸類(a1)としてアジピン酸=100モル%、ポリオール(a2)として3-メチル-1,5-ペンタンジオール=100モル%であった。また、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は227.5mgKOH/gであった。
得られた末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-3)の出来上がり成分割合は多価カルボン酸類(a1)としてアジピン酸=100モル%、ポリオール(a2)として3-メチル-1,5-ペンタンジオール=100モル%であった。また、酸価は0.2mgKOH/g、水酸基価は115.3mgKOH/gであった。
得られた末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-4)の出来上がり成分割合は多価カルボン酸類(a1)としてイソフタル酸/アジピン酸=50/50モル%、ポリオール(a2)として3-メチル-1,5-ペンタンジオール=100モル%であった。また、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は56.0mgKOH/gであった。
得られた末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-1)~(B’-4)の諸物性等を後記の表2に示す。
次に、上記の末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-1)100部に対して酢酸エチル40部、封鎖剤としてフェニルイソシアネート19.6部を仕込み、内温60℃で4時間かけて反応し、反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂(B-1)を得た。
得られたポリエステル系樹脂(B-1)の酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は0.0mgKOH/gであった。なお、得られたポリエステル系樹脂(B-1)は、結晶融解熱(J/g)のピークが観察できず、融点がなかった。
上記の末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-2)について、封鎖剤としてフェニルイソシアネート47.3部に変更した以外は上記(B-1)と同様にして、反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂(B-2)を得た。
得られたポリエステル系樹脂(B-2)の酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は4.6mgKOH/gであった。なお、得られたポリエステル系樹脂(B-2)は、結晶融解熱(J/g)のピークが観察できず、融点がなかった。
上記の末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-3)について、封鎖剤としてフェニルイソシアネート24.0部に変更した以外は上記(B-1)と同様にして、反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂(B-3)を得た。
得られたポリエステル系樹脂(B-3)の酸価は0.2mgKOH/g、水酸基価は2.3mgKOH/gであった。なお、得られたポリエステル系樹脂(B-3)は、結晶融解熱(J/g)のピークが観察できず、融点がなかった。
上記の末端封鎖前のポリエステル系樹脂(B’-4)について、封鎖剤としてフェニルイソシアネート11.8部に変更した以外は上記(B-1)と同様にして、反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂(B-4)を得た。
得られたポリエステル系樹脂(B-4)の酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は0.6mgKOH/gであった。なお、得られたポリエステル系樹脂(B-4)は、結晶融解熱(J/g)のピークが観察できず、融点がなかった。
(C-1):ポリカルボジイミド化合物(日清紡ケミカル社製、「カルボジライトV-09GB」)
(D-1):トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(東ソー社製、「コロネートL55E」)
(E-1):アセチルアセトンで固形分濃度1%に希釈したジルコニウム系化合物(マツモトファインケミカル社製、「オルガチックスZC-150」)
上記で得られたポリエステル系樹脂(A-1)を酢酸エチルで固形分濃度50%に希釈し、このポリエステル系樹脂(A-1)(固形分として100部)に対し、ポリエステル系樹脂(B-1)30部、加水分解抑制剤(C-1)0.5部、架橋剤(D-1)4部(固形分)、ウレタン化触媒(E-1)0.05部(固形分)を配合し、撹拌、混合することにより、粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B-2)30部、架橋剤(D-1)4部を8部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B-3)50部、架橋剤(D-1)4部を7部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B-3)100部、架橋剤(D-1)4部を11部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B-4)50部、架橋剤(D-1)4部を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B-4)100部、架橋剤(D-1)4部を9部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B-4)150部、架橋剤(D-1)4部を11部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)を配合せず、架橋剤(D-1)4部を3部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を(B’-4)30部、架橋剤(D-1)4部を6部に変更したに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(B-1)30部を脂肪族酸エステル化合物としてアジピン酸ジオクチル30部、架橋剤(D-1)4部を3.4部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組物を得た。
上記実施例および比較例にて得られた粘着剤組成物を用いて、下記の通り粘着シートを作製し、下記の通り評価した。
実施例1~7および比較例1~3で得られた粘着剤組成物を、厚み38μmのPETフィルム(東レ社製、「ルミラーT60」)上にアプリケータを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥し、粘着剤組成物層の厚みが25μmのPETフィルム付き粘着シートを得た。
次いで、得られたPETフィルム付き粘着シートの粘着剤組成物層表面を厚み38μmのPET製離型フィルム(三井化学東セロ社製、SP-PET-01-BU)で覆い、40℃で4日間エージング処理を行い、片面離型フィルム付き粘着シートを得た。
上記で得られた粘着シートを200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、浸漬前の粘着剤成分の重量と浸漬後の金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量を測定し、以下の計算式の通り百分率を算出し、ゲル分率(%)とした。ただし、基材の重量は差し引いた。
浸漬後の金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量/浸漬前の粘着剤成分の重量×100(%)
[粘着力(初期)]
上記で得られた片面離型フィルム付き粘着シートを、23℃、50%RHの環境下で25mm×200mmの大きさに裁断した後、離型フィルムを剥がし、粘着剤層側を、鏡面仕上げステンレス鋼板(SUS-BA板)に2kgローラーを往復させ加圧貼付し、同雰囲気下で24時間静置した後に、オートグラフ(島津製作所社製、「オートグラフAG-X 50N」)を用いて、剥離速度300mm/minで180度剥離度(N/25mm)を測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
○・・・5N/25mmより大きく、剥離状態が被着体界面剥離
△・・・3N/25mmより大きく5N/25mm以下であり、剥離状態が被着体界面剥離
×・・・3N/25mm以下、もしくは剥離状態が凝集剥離、基材界面剥離、ジッピング剥離、被着体汚染
上記で得られた片面離型フィルム付き粘着シートを、23℃、50%RHの環境下で25mm×200mmの大きさに裁断した後、離型フィルムを剥がし、粘着剤層側を、鏡面仕上げステンレス鋼板(SUS-BA板)に2kgローラーを往復させ加圧貼付し同雰囲気下で30分間養生し、測定サンプルとした。次いで、上記測定サンプルをイソプロピルアルコールが入った容器に浸漬し、60℃雰囲気下で24時間静置した。その後、上記測定サンプルをイソプロピルアルコールより取り出し、付着したイソプロピルアルコールを吹き取り、23℃、50%RHの環境下で30分間養生し、オートグラフ(島津製作所社製、「オートグラフAG-X 50N」)を用いて、剥離速度300mm/minで180度剥離度(N/25mm)を測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
○・・・5N/25mmより大きく、剥離状態が被着体界面剥離
△・・・3N/25mmより大きく5N/25mm以下であり、剥離状態が被着体界面剥離
×・・・3N/25mm以下、もしくは剥離状態が凝集剥離、基材界面剥離、ジッピング剥離、被着体汚染
上記で得られた片面離型フィルム付き粘着シートを、23℃、50%RHの環境下で25mm×50mmの大きさに裁断した後、離型フィルムを剥がし、ステンレス鋼板(SUS304)に2kgローラーを往復させ加圧貼付(貼り付け面積25mm×25mm)し、クリープテスター(テスター産業社製、高温恒湿槽付保持力試験機BE-501)を用いて荷重1kgを60℃雰囲気下で24時間かけて保持力を測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
〇・・・ズレなし
△・・・ズレが1.0mm以下
×・・・ズレ1.0mmより大きい、もしくは落下
上記で得られた片面離型フィルム付き粘着シートを、23℃、50%RHの環境下で12mm×12mmの大きさに裁断した後、離型フィルムを剥がし、プローブタック(テスター産業社製、TE-6001)を用いてプローブ径5mmΦ、押し込み速度10mm/sec、引き上げ速度10mm/sec、加圧時間5秒、貼付圧力1000gf/cm2でプローブタックを測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
〇・・・0.8N以上
×・・・0.8Nより小さい
これに対し、比較例1の粘着剤組成物から得られる粘着シートは、耐薬品性、保持力は有するものの、剥離状態にてジッピング剥離が見られ、タック性についても劣るものであった。また、反応性分子末端が封鎖されていないポリエステル樹脂を用いた比較例2でも同様に剥離状態、タック性に劣るものであった。さらに、反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂のかわりに脂肪酸エステル化合物を用いた比較例3では、脂肪酸エステル化合物の数平均分子量が小さく、エステル結合による繰り返しを有さないため、重合体(A)との相溶性が低くブリードが生じ、粘着力、耐薬品性、タック性に劣るものであった。このことからも、反応性分子末端封鎖されたポリエステル系樹脂を含有する粘着剤組成物が、粘着特性に優れるものであることがわかる。
Claims (15)
- 重合体(A)、および、多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位およびポリオール(b2)由来の構造単位を有し、少なくとも1つの反応性分子末端が封鎖されたポリエステル系樹脂(B)を含有し、
上記重合体(A)が、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位およびポリオール(a2)由来の構造単位を有するポリエステル系樹脂であり、
上記重合体(A)の含有割合が、粘着剤組成物全体に対して30重量%以上であることを特徴とする粘着剤組成物。 - 上記ポリエステル系樹脂(B)が、数平均分子量が50~5000の封鎖剤(b3)により少なくとも1つの反応性分子末端が封鎖されてなることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
- 上記多価カルボン酸類(b1)由来の構造単位、上記ポリオール(b2)由来の構造単位および上記封鎖剤(b3)の少なくとも1つに芳香族構造単位を含有してなることを特徴とする請求項2記載の粘着剤組成物。
- 上記ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)が-80~30℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記ポリエステル系樹脂(B)の数平均分子量が300~30000であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記ポリエステル系樹脂(B)の水酸基価が10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記ポリエステル系樹脂(B)の酸価が3mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記ポリエステル系樹脂(B)の結晶融解熱が10J/g以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記ポリエステル系樹脂(B)の含有量が、重合体(A)100重量部に対して0.1~180重量部であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記重合体(A)が、多価カルボン酸類(a1)由来の構造単位およびポリオール(a2)由来の構造単位の少なくとも1つに芳香族構造単位を含有するポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記重合体(A)のガラス転移温度(TgA)が-70~40℃であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記重合体(A)のガラス転移温度(TgA)が、ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)よりも高い温度であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1~12のいずれか一項に記載の粘着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
- 請求項13記載の粘着剤を含有する粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
- 電子部材の貼り合わせに用いることを特徴とする請求項14記載の粘着シート。
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