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JP7614666B2 - 磁場センサおよび磁場検出方法 - Google Patents

磁場センサおよび磁場検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁場センサおよび磁場検出方法に関し、例えば、単一(1個)のモードマッチ(直交する2軸の共振周波数が一致)した2次元振動子を有するジャイロ装置を用いた磁場センサおよび磁場検出方法に関する。
従来から、磁場の大きさや方向を検出するための磁場センサ(磁気センサ等とも称される)が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、ホールセンサ等の半導体素子を使用した磁場センサが開示されている。
特表2016-510116号公報
特許文献1に記載されているような、ホールセンサ等の半導体素子を用いた磁場センサは温度依存性を有するため、温度の変化に対して頑強ではない。このため、温度の変化によって磁場の測定精度が悪化してしまう虞がある。したがって、温度の変化に対して頑強な磁場センサが望まれている。
本発明の目的の一つは、これらの問題を解決するための新規かつ有用な磁場センサおよび磁場検出方法を提供することにある。
本発明の一の態様は、
第1回転振動モードに対応する駆動信号および第2回転振動モードに対応する駆動信号によって駆動され、さらに、第1回転振動モードに対応する第1電流信号および第2回転振動モードに対応する第2電流信号が入力される単一の2次元振動子と、
2次元振動子から出力される信号から、第1回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第1検出部と、
2次元振動子から出力される信号から、第2回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第2検出部と、
第1検出部によって検出された位相に基づいて、第1回転振動モードに対応する第1共振周波数を出力する第1発振回路と、
第2検出部によって検出された位相に基づいて、第2回転振動モードに対応する第2共振周波数を出力する第2発振回路と、
第1共振周波数第2共振周波数との差分に基づいて、磁場を検出する磁場検出部と
を備える
磁場センサである。
また、本発明の他の態様は、
2次元振動子に対して、第1回転振動モードに対応する駆動信号および第2回転振動モードに対応する駆動信号、および、第1回転振動モードに対応する第1電流信号および第2回転振動モードに対応する第2電流信号が入力され、
第1検出部が、2次元振動子から出力される信号から、第1回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
第2検出部が、2次元振動子から出力される信号から、第2回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
第1発振回路が、第1検出部によって検出された位相に基づいて、第1回転振動モードに対応する第1共振周波数を出力し、
第2発振回路が、第2検出部によって検出された位相に基づいて、第2回転振動モードに対応する第2共振周波数を出力し、
磁場検出部が、第1共振周波数第2共振周波数との差分に基づいて、磁場を検出する
磁場検出方法である。

本発明によれば、温度の変化に頑強な磁場センサおよび磁場検出方法を提供できる。なお、本明細書により例示された効果により、本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 本発明の前提となる技術についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態の概要についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態の概要についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態の概要についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態の概要についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態の概要についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態の概要についての説明がなされる際に参照される図である。 一実施形態に係る2次元振動子の構成例を説明するための図である。 一実施形態に係る磁場センサの構成例を示すブロック図である。 一実施形態により得られる効果の一例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<本発明の前提となる技術について>
<一実施形態>
<変形例>
以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。
<本発明の前提となる技術について>
本特許出願の発明者は、先に、ジャイロ装置およびジャイロ装置の制御方法を提案している。提案内容は、特許文献である特開2020-169819号公報として公開されている。本特許出願は、当該特許文献に記載された内容を適用することができる。本発明は、概略的には、上記特許文献に記載されたジャイロ装置を改良した磁場センサ、すなわち、FM(Frequency Modulation)ジャイロスコープの原理を応用した磁場センサである。そこで、本発明の理解を容易とするために、本発明の前提となる上記特許文献に記載された内容について簡単に説明する。なお、本発明は、上記特許文献に記載の内容を必ずしも全て含む必要は無く、その一部が用いられる態様であってもよい。
まず始めに、一般的なジャイロ装置(ジャイロスコープ)について説明する。なお、以下の説明では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を使用した小型の振動型ジャイロ装置を例にして説明する。ジャイロ装置は、回転の角速度(以下、回転角速度と適宜、称する)を検出する。回転角速度Ωzを検出する方法として、複数の方法が知られている。第1の方法として、AM(Amplitude Modulation)モードと称される方法が知られている。AMモードでは、ドライブ軸(例えばX軸)方向に振動を与えたときに、コリオリ力によって変化するセンス軸(例えばY軸)方向の振幅(変位)を計測することで角速度を得る。センス軸方向の振幅が回転角速度Ωzに比例することから、当該振幅を検出することにより回転角速度Ωzを検出することができる。AMモードでは、ドライブ軸方向に与えられる振動がセンス軸方向を直接励振してしまう点を考慮して、ドライブ軸、センス軸方向における共振周波数が異なるように設定される(モードミスマッチ)。しかしながら、AMモードでは、共振周波数から離れた周波数で計測を行うため,感度が低下する等の問題がある。また、AMモードでは、感度と測定帯域に原理的にトレードオフがあり、高感度と広帯域を両立させることは不可能である。
第2の方法は、フォースリバランスと呼ばれる方法であり、AMモードのセンス軸方向の振幅が常に0になるようにフィードバック制御をかけ、そのフィードバック信号の大きさから回転角速度を得る方法である。この場合は、ドライブ軸とセンス軸の共振周波数を合わせた(モードマッチさせた)振動子を用いることができる。しかしながら、スケールファクタ(回転角速度に対する出力の大きさ)が、温度等により変動してしまう等の問題がある。
以上のような第1、第2の方法の問題に鑑み、後述する実施形態では、FMモードによるジャイロ装置の駆動を採用している。FMモードの特徴としては、他の方法に比べ、感度(スケールファクタ)が正確で安定する、原理的に温度特性に優れている、ダイナミックレンジに制限がない等の利点を有している点が挙げられる。
ここでFMモードの基本的な原理について説明する。なお、FMモードの原理そのものは公知であるのでここでは概略的な説明に留める。FMモードのジャイロは、直交(独立)する2軸方向に振動する振動子(共振子、共振器とも称される)で構成される。FMモードでは、各軸における共振周波数を一致させた振動子(モードマッチ)を用いる。この状態において、振動子に対して回転角速度が与えられた時、下記の数式1で表される関係が成り立つことが知られている。なお、数式1におけるλは共振周波数、ωは回転を与えていない場合の共振周波数(モードマッチしてあるので、2軸ともに同じ共振周波数)、Ωzは振動子に与えられる回転角速度を表している。
なお、以下で言及する振動は直線振動(例えばX方向、Y方向)に限らず、モードマッチした直交振動モードであれば、どのような振動でも利用できる。例えば、リング型の共振器の場合は、図1、2に示すように、直交する2つの振動は必ずしも単純な直線振動にはならないが、それぞれの振動モードにおける変位の状態をモード座標(一般化座標)で表すと、直線振動と全く同じように扱うことができる。以下では、これらのモード座標(一般化座標)も含めて、一つのモードを"X軸(もしくはX方向)"、これと直交するモードを"Y軸(もしくはY方向)"と呼ぶ(なお、図1、2におけるモード1、2は数学的、もしくは振動学的に直交している状態を示している)。
Figure 0007614666000001
数式1から下記の数式2が導出される。
Figure 0007614666000002
すなわち、数式2により示されるように、回転が与えられない時にはX軸、Y軸方向の共振周波数が一致していた、すなわちモードマッチしていたものが、回転を与えることにより共振周波数λがω+Ωzとω-Ωzとに分かれる。この2つの共振周波数をλ1、λ2とすると、共振周波数λ1、λ2の差(ずれ)が回転角速度Ωzに比例することから、2つの共振周波数をλ1、λ2を検出すれば、下記の数式3により回転角速度Ωzを得ることができる。
Figure 0007614666000003
ここで、λ1(=ω+Ωz)に対応する運動は時計回り(CW)に対応しており、λ2(=ω-Ωz)に対応する運動は反時計回り(CCW)に対応している。すなわち、モードマッチしている振動子に回転が与えられた場合には、固有振動モードは直線(X方向もしくはY方向単独の振動)ではなく、回転振動(X方向とY方向の振動の位相が±90度(°)ずれている2次元振動)になる。なお、実際の振動子の回転は、これらCWモードおよびCCWモードの重ねあわせとなる。
「各モードの成分の検出方法について」
以上、FMモードについて説明した。例えば、上述したFMモードで2次元にモードマッチした1個の振動子(以下、2次元振動子と適宜、称する)を励振させる制御が行われる。したがって、回転角速度Ωzを得るためには、2次元振動子の回転振動(出力)に含まれるCWモード(第1回転振動モード)の成分とCCWモード(第2回転振動モード)の成分を独立して検出する必要がある。そこで、次に、2次元振動子の出力からCWモードの成分とCCWモードの成分を分離して検出する方法について説明する。
図3は、一般的な同期検波方式を説明するための図である。入力信号(Signal)SIにある所定の振幅(Amplitude)および位相(Phase)を有する信号が入力される。入力信号SIが分岐され、乗算器(ミキサ)1、3のそれぞれに入力される。同期検波方式では、位相を90度ずらした2つの信号を参照信号として使用し、この参照信号を別々の乗算器1、3で乗算した後、フィルタ処理を行うことで復調出力を得る。例えば、参照信号としてcos波およびsin波が使用され、入力信号SIにcos波を乗算する処理が乗算器1により行われ、入力信号SIにsin波を乗算する処理が乗算器3により行われる。
乗算器1から出力される信号がLPF(Low Pass Filter)2に入力されフィルタ処理がなされる。LPF2によるフィルタ処理により、LPF2からは、参照信号(本例ではcos波)と同じ周波数であり、且つ、同じ位相を持つ成分のみが出力される。
一方、乗算器3から出力される信号がLPF4に入力され、フィルタ処理がなされる。LPF4によるフィルタ処理により、LPF4からは、乗算器3における参照信号(本例ではsin波)と同じ周波数であり、且つ、同じ位相を持つ成分のみが出力される。
LPF2、4からの出力により入力信号SIが復調され、復調出力に基づいて入力信号SIの振幅rと位相θとが検出される。
この同期検波方式を発展、応用してCWモードの成分とCCWモードの成分とを検出する処理が行われる。なお、以下の説明では、2次元振動子内に生じているCWモードとCCWモードとが組み合わさった信号から、CWモードの成分のみを検出する例について説明するが、同様の処理によりCCWモードの成分を検出することができる。
図4は、入力信号SIからCWモードの成分を検出する方法を説明するための図である。入力信号SIとして、2次元振動子から出力される信号が入力される。2次元振動子を使用した場合には、図示するように、X、Y方向の成分を含むベクトル的な表記で入力信号SIを示すことができる。
入力信号SIが分岐され、乗算器1、3のそれぞれに入力される。参照信号として信号CW-I(In phase)、CW-Q(Quadrature Phase)が使用され、入力信号SIに信号CW-Iを乗算する処理が乗算器1により行われ、入力信号SIに信号CCW-Iを乗算する処理が乗算器3により行われる。信号CW-I、信号CW-Qは、図4にシンボル的に示されているように、振幅、周波数、回転方向は同じで位相が90度ずれている信号である。
入力信号SIに対して信号CW-Iが乗算器1により乗算され、その出力がLPF2に供給される。入力信号SIに対して信号CW-Qが乗算器3により乗算され、その出力がLPF4に供給される。LPF2、4のそれぞれによるフィルタ処理の結果、入力信号SIが復調され、復調出力に基づいて入力信号SIに含まれるCWモードの成分の振幅rおよび位相θを検出することができる。
図5は、上述した乗算器1、3の詳細な構成例を説明するための図である。乗算器1は、例えば、乗算器1aと、乗算器1bと、加算器1cとを備えている。乗算器3は、例えば、乗算器3aと、乗算器3bと、加算器3cとを備えている。
上述したように、2次元振動子の場合は入力信号SIとしてX軸、Y軸方向の信号(振幅)(以下、信号SIX、SIYと適宜、称する)が乗算器1に入力される。乗算器1aは、信号SIXに対して信号CW-IのX軸方向の成分を乗算し、乗算器1bは、信号SIYに対して信号CW-IのY軸方向の成分を乗算する。加算器1cは、乗算器1a、1bの出力を加算してLPF2に出力する。
乗算器3aは、信号SIXに対して信号CW-QのX軸方向の成分を乗算し、乗算器3bは、信号SIYに対して信号CW-QのY軸方向の成分を乗算する。加算器3cは、乗算器3a、3bの出力を加算してLPF4に出力する。
上述した方法により、2次元振動子の出力に含まれるCWモードの成分を検出できる点について、図6乃至図9を参照して更に詳細に説明する。図6に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例である。なお、本例では、CW-IのX軸方向の信号をsin波とし、Y軸方向の信号をcos波としている。入力信号SIが信号CW-Iの成分のみと仮定した場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1aとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2aとなる。各乗算器の出力を加算器1cで加算した信号の波形は、波形WA3aとなる。この信号波形をLPF2に通すと、LPF2によるフィルタ処理は平均を得る処理と等価の処理であることから、得られる信号の波形は波形WA3aと同様の波形WA4a(直流成分)となる。すなわち、入力信号SIに信号CW-Iの成分が含まれる場合は、信号CW-Iを使用した検波によりその成分を検出することができる。
図7に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例であるが、入力信号SIが信号CW-Iと位相が90度異なる信号CW-Qの成分のみと仮定した例である。この場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1bとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2bとなる。これらの波形の出力を加算器1cで加算した信号は図示する通り0となり、したがって、LPF2の出力も図示する通り0となる。
図8に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例であるが、入力信号SIが信号CW-Iと回転方向が異なる反時計回りの信号CCW-Iの成分のみと仮定した例である。この場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1cとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2cとなる。各乗算器の出力を加算器1cで加算した信号の波形は、0を中心として対称となる波形WA3cとなる。この波形WA3aの信号をLPF2に通すとその出力は図示する通り0となる。
図9に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例であるが、入力信号SIが信号CW-Iと回転方向が異なる反時計回りの信号であり、信号CCW-Iと位相が90度異なる信号CCW-Qの成分のみと仮定した例である。この場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1dとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2dとなる。各乗算器の出力を加算器1cで加算した信号の波形は、0を中心として対称となる波形WA3dとなる。この波形WA3dの信号をLPF2に通すとその出力は図示の通り0となる。
すなわち、2次元振動子内に生じている任意の2次元振動(CW-I,CW-Q,CCW-I,CCW-Qの線型結合で表される)を、信号CW-Iを参照信号として同期検波ですると、2次元振動子の出力信号に含まれる信号CW-Iの成分のみが得られる。このことは参照信号として他の信号を使用した場合の検出される成分についても当てはまる。以上をまとめると下記の表1が得られる。
Figure 0007614666000004
表1に示すように、2次元振動子の出力に信号CW-Qの成分が含まれている場合には、参照信号を信号CW-Qとして検波できる一方、他の信号の成分については出力が0となる。2次元振動子の出力に信号CCW-Iの成分が含まれている場合には、参照信号を信号CCW-Iとして検波できる一方、他の信号の成分については出力が0となる。2次元振動子の出力に信号CCW-Qの成分が含まれている場合には、参照信号を信号CCW-Qとして検波できる一方、他の信号の成分については出力が0となる。つまり、例えば2個の検出器を設け、各検出器における参照信号を信号CW-Iおよび信号CW-Qの組合せ、信号CCW-Iおよび信号CCW-Qの組合せにそれぞれ設定すれば、2次元振動子の出力からCWモードの成分およびCCWモードの成分を独立して検出できることになる。
以上の説明を踏まえて、角速度を検出可能なジャイロ装置(ジャイロ装置10)について説明する。図10は、ジャイロ装置10の構成例を示す図である。ジャイロ装置10は、例えば、単一の2次元振動子15と、駆動信号生成部20と、第1検出部30aと、第1発振回路の一例としての第1PLL(Phase Locked Loop)回路40aと、第1AGC(Automatic Gain Control)部50aと、第2検出部30bと、第2発振回路の一例としての第2PLL回路40bと、第2AGC部50bと、2次元振動子15の入力側に設けられた増幅器61a、61bと、2次元振動子15の出力側に設けられた増幅器62a、62bとを備えている。
なお、図示は省略しているが、ジャイロ装置10は、DA(Digital to Analog)変換器およびAD(Analog to Digital)変換器を備え、デジタル信号処理により各処理を行うようにしても良い。この場合、DA変換器は、例えば、増幅器61a、61bの前段に設けられ、駆動信号生成部20から出力されるデジタル形式の駆動信号をアナログ形式に変換するように構成される。また、AD変換器は、例えば、増幅器62a、62bの後段に設けられ、2次元振動子15から出力されるアナログ形式の信号をデジタル形式に変換するように構成される。
2次元振動子15は、例えば、リング形状を成しCWモードおよびCCWモードのそれぞれに対応した駆動信号により励振可能な振動部材である。なお、2次元振動子15の形状はリング形状に限定されるものではなく、正四角板、円柱、正四角柱、4個のマスを使用した4重マス型等、任意の形状とすることが可能である。
駆動信号生成部20は、CWモードに対応する駆動信号(第1駆動信号)およびCCWモードに対応する駆動信号(第2駆動信号)を多重化した駆動信号を2次元振動子15に供給する。駆動信号生成部20から供給される駆動信号により2次元振動子15が励振させられる。本例では、CWモードに対応するX軸方向の駆動信号としてcos波(以下、coscw信号と表記する)、Y軸方向の駆動信号として-sin波(以下、-sincw信号と表記する)を用いている。なお、駆動信号は、Y方向信号がX方向信号に比べて90度位相が進んでいれば、必ずしもcos波、-sin波である必要はない。また、CCWモードに対応するX軸方向の駆動信号として-cos波(以下、-cosCCW信号と表記する)、Y軸方向の駆動信号として-sin波(以下、-sinCCW信号と表記する)を用いている。なお、駆動信号は、Y方向信号がX方向信号に比べて90度位相が遅れていれば、必ずしも-cos波、-sin波である必要はない。駆動信号生成部20は、例えば、第1PLL回路40aからフィードバックされる信号に基づいてCWモードに対応する駆動信号を生成し、第2PLL回路40bからフィードバックされる信号に基づいてCCWモードに対応する駆動信号を生成する。駆動信号生成部20は、例えば、乗算器201と、乗算器202と、乗算器203と、乗算器204と、加算器205と、加算器206とを備えている。
第1検出部30aは、2次元振動子15の出力に含まれるCW成分の振幅rcwおよび位相θcwを検出する。なお、第1検出部30aの詳細については後述する。
第1PLL回路40aは、位相比較器41aと、PID(Proportional Integral Differential)制御部42aと、VCO(Voltage Controlled Oscillator)やNCO(Numerical Controlled Oscillator)等の発振周波数を変化することができる発振器43aとを備えている。図示が煩雑となることを防止するために詳細な図示を省略しているが、第1PLL回路40aの出力(全ての出力でもよいし一部の出力でもよい)が駆動信号生成部20、第1検出部30aのそれぞれにフィードバックされるように構成されている。
第1AGC部50aは、振幅比較器51aと、PID制御部52aとを備えている。第1AGC部50aの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされるように構成されている。
第2検出部30bは、2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分の振幅rCCWおよび位相θCCWを検出する。なお、第2検出部30bの詳細については後述する。
第2PLL回路40bは、位相比較器41bと、PID制御部42bと、VCOやNCO等の発振周波数を変化することができる発振器43bとを備えている。図示が煩雑となることを防止するために詳細な図示を省略しているが、第2PLL回路40bの出力(全ての出力でもよいし一部の出力でもよい)が駆動信号生成部20、第2検出部30bのそれぞれにフィードバックされるように構成されている。
第2AGC部50bは、振幅比較器51bと、PID制御部52bとを備えている。第2AGC部50bの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされるように構成されている。
図11は、第1検出部30aの構成例を説明するための図である。第1検出部30aは、2次元振動子15から出力される信号が分岐されて入力される検出器31a、32aと、検出器31aの出力にフィルタ処理を行うLPF33aと、検出器32aの出力にフィルタ処理を行うLPF34aと、LPF33aおよびLPF34aからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCW成分の振幅rcwおよび位相θcwを検出する振幅位相検出部35aとを備えている。
検出器31aは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器310aと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器311aと、乗算器310a、311aのそれぞれの出力を加算する加算器312aとを備えている。検出器32aは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器320aと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器321aと、乗算器320a、321aのそれぞれの出力を加算する加算器322aとを備えている。
なお、本例では、X軸方向のCW-I成分をsin信号とし、Y軸方向のCW-I成分をcos信号とし、X軸方向のCW-Q成分をcos信号とし、Y軸方向のCW-Q成分を-sin信号としている。
図12は、第2検出部30bの構成例を説明するための図である。第2検出部30bは、2次元振動子15からの信号が分岐されて入力される検出器31b、32bと、検出器31bの出力にフィルタ処理を行うLPF33bと、検出器32bの出力にフィルタ処理を行うLPF34bと、LPF33bおよびLPF34bからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCCW成分の振幅rCCWおよび位相θCCWを検出する振幅位相検出部35bとを備えている。
検出器31bは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器310bと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器311bと、乗算器310b、311bのそれぞれからの出力を加算する加算器312bとを備えている。検出器32bは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器320bと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器321bと、乗算器320b、321bのそれぞれの出力を加算する加算器322bとを備えている。
なお、本例では、X軸方向のCCW-I成分を-sin信号とし、Y軸方向のCCW-I成分をcos信号とし、X軸方向のCCW-Q成分を-cos信号とし、Y軸方向のCCW-Q成分を-sin信号としている。
次に、ジャイロ装置10の動作例について図10~図12を参照しながら説明する。駆動信号生成部20は、2次元振動子15に対する駆動信号を生成する。coscw信号および-sincw信号のそれぞれに対して、PID制御部52aからフィードバックされた信号が乗算器201、202で乗算された後、乗算器201からの出力信号が加算器205に供給され、乗算器202からの出力信号が加算器206に供給される。-cosCCW信号および-sinCCW信号のそれぞれに対して、PID制御部52bからフィードバックされた信号が乗算器203、204で乗算された後、乗算器203からの出力信号が加算器205に供給され、乗算器204からの出力信号が加算器206に供給される。加算器205は、乗算器201からの出力信号と乗算器203からの出力信号とを加算して出力する。加算器205からの出力信号が増幅器61aにより適宜な増幅率でもって増幅された後、2次元振動子15に入力Xdとして入力される。一方、加算器206は、乗算器202からの出力信号と乗算器204からの出力信号とを加算して出力する。加算器206からの出力信号が増幅器61bにより適宜な増幅率でもって増幅された後、2次元振動子15に入力Ydとして入力される。
入力Xd、Ydによって2次元振動子15が励振され、2次元振動子15からの出力Xs、Ysが得られる。2次元振動子15からの出力Xs、Ysが増幅器62a、62bによって適宜な増幅率でもって増幅された後、出力Xsが分岐されて第1、第2検出部30a、30bのそれぞれに入力され、出力Ysが分岐されて第1、第2検出部30a、30bのそれぞれに入力される。
第1検出部30aは、2次元振動子15の出力に含まれるCW成分を検出する。具体的には、第1検出部30aにおける検出器31aが信号CW-Iを使用して検波し、その結果にLPF33aによるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCW-I成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35aに供給する。また、第1検出部30aにおける検出器32aが信号CW-Qを使用して検波し、その結果にLPF34aによるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCW-Q成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35aに供給する。振幅位相検出部35aは、LPF33aおよびLPF34aからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCW成分の振幅rcwおよび位相θcwを検出する。すなわち、既述したように、信号CW-I、信号CW-Qのそれぞれを参照信号として同期検波することで、2次元振動子15の出力に含まれるCW成分のみを検出することができる。
第1検出部30aにより検出された位相θcwが第1PLL回路40aに供給される。第1PLL回路40aにおける位相比較器41aは、位相θcwと設定位相θcw,set(以下の説明ではθcw,set =90°として話を進める)とを比較し、比較結果に基づいてPID制御部42aが位相θcwを90°すなわち共振周波数fcwとなる制御を実行する。PID制御部42aからの出力で発振器43aを制御し、これにより発振器43aからは共振周波数fcwの信号sincwおよび信号coscwが出力される。これらの信号が入力側にフィードバックされ、CWモードに対応する駆動信号の共振周波数が共振周波数fcwで維持される制御がなされる。また、信号sincwおよび信号coscwが第1検出部30aにフィードバックされ、これに基づいて参照信号としての信号CW-I、信号CW-Qが生成される。本例では、フィードバックされる信号と参照信号との間に、sin=sincw、cos=coscw、-sin=-1*sincwの関係が成り立っている。
第1検出部30aにより得られた振幅rcwが第1AGC部50aに供給される。第1AGC部50aにおける振幅比較器51aは、振幅rcwと所定の第1設定値Rset,cwとを比較し、比較結果に基づいてPID制御部52aが、振幅rcwが所定の第1設定値Rset,cwとなる制御を実行する。PID制御部52aからの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされ、CWモードに対応する駆動信号の振幅が第1設定値Rset,cwで維持されるようにゲインをコントロールする制御がなされる。
2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分を検出する系についても同様の処理が実行される。具体的には、第2検出部30bにおける検出器31bが信号CCW-Iを使用して検波し、その結果にLPF33bよるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCCW-I成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35bに供給する。また、第2検出部30bにおける検出器32bが信号CCW-Qを使用して検波し、その結果にLPF34bによるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCCW-Q成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35bに供給する。振幅位相検出部35bは、LPF33bおよびLPF34bからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCCW成分の振幅rCCWおよび位相θCCWを検出する。すなわち、上述したように、信号CCW-I、信号CCW-Qのそれぞれを参照信号として同期検波することで、2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分のみを検出することができる。
第2検出部30bにより得られた位相θCCWが第2PLL回路40bに供給される。第2PLL回路40bにおける位相比較器41bは、位相θCCWと90°とを比較し、比較結果に基づいてPID制御部42bが位相θCCWを0すなわち共振周波数fcwとなる制御を実行する。PID制御部42bからの出力で発振器43bを制御し、これにより発振器43bからは位相が一致した換言すれば共振周波数fCCWの信号sinCCWおよび信号cosCCWが出力される。共振周波数fCCWが入力側にフィードバックされ、CCWモードに対応する駆動信号の共振周波数が共振周波数fCCWとなるように維持する制御がなされる。また、信号sinCCWおよび信号cosCCWが第2検出部30bにフィードバックされ、これに基づいて参照信号としての信号CCW-I、信号CCW-Qが生成される。本例では、フィードバックされる信号と参照信号との間に、-sin=sinccw、cos=cosccw、-cos=-1*cosccw、の関係が成り立っている。
第2検出部30bにより得られた振幅rCCWが第2AGC部50bに供給される。第2AGC部50bにおける振幅比較器51bは、振幅rCCWと第2設定値Rset,CCWとを比較し、比較結果に基づいてPID制御部52bが、振幅rCCWが第2設定値Rset,CCWとなる制御を実行する。PID制御部52bからの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされ、CCWモードに対応する駆動信号の振幅が第2設定値Rset,CCWで維持されるようにゲインをコントロールする制御がなされる。
図13は、ジャイロ装置10における信号の流れを模式的に示した図である。図13における太線が信号の流れを示している。2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分は第1検出部30aによりカットされ、CW成分のみが一方の系(図13における上側の系)をループすることになる。2次元振動子15の出力に含まれるCW成分は第2検出部30bによりカットされ、CCW成分のみが他方の系(図13における下側の系)をループすることになる。
次に、角速度検出部(角速度検出部70)の構成例について説明する。なお、本例では、角速度検出部70は、ジャイロ装置10に組み込まれているものとして説明するが、他の装置に組み込まれていてもよい。
図14は、角速度検出部70の構成例を示す図である。角速度検出部70は、例えば、減算器71と、乗算器72とを備えている。角速度検出部70は、第1PLL回路40aから出力される共振周波数fcwおよび第2PLL回路40bから出力される共振周波数fCCWを得、両共振周波数を減算器71で減算し、その結果を乗算器72で定数倍(角度ゲインが1である理想的な振動子の場合は1/2倍)する。すなわち、角速度検出部70は、上述した数式3と同様の演算を行うことで回転角速度Ωzを検出する。この回転角速度Ωzを積分することでジャイロ装置10は、回転した角度を検出することができる。
以上、説明したジャイロ装置10によれば、単一の2次元振動子により構成しているので、装置を小型化することが可能となるとともに、複数の振動子を使用した場合のように振動子の特性や使用環境を一致させる必要がなくなる。さらに、2次元振動子の出力からCW、CCWモードに対応する成分を独立して検出することができ、それらの検出結果から回転角速度を検出し、最終的には回転した角度を検出することができる。
<一実施形態>
[概要]
本実施形態は、上述したジャイロ装置10を改良することで温度依存性をキャンセルした磁場センサ(磁場センサ1000)を実現する。始めに、図15から図18を参照しつつ、係る磁場センサの原理を概略的に説明する。
図15は、上述したCWモードにおける2次元振動子15の円運動を示し、図16は、上述したCCWモードにおける2次元振動子15の円運動を模式的に示した図である。図15および図16(図17、図18についても同様)では、2次元振動子15を円形で示すマスと、当該マスを支持する4つのバネ(X方向およびY方向のそれぞれにおける一対のバネ)により模式的に示している。
2次元振動子15は、x軸、y軸におけるバネ定数等が等価、換言すれば、縮退していることから、通常(磁場がかかっていないとき)は、各回転振動モードにおいて同じ周波数f0で振動する。CWモードにおける回転運動の周波数をfcwとし、CCWモードにおける回転運動の周波数をfccwとすると、fcw=f0およびfccw=f0が成り立つ。なお、f0は、マスの質量とバネ定数により規定される周波数である。また、縮退とは、多数のモードで同じエネルギー(つまりは共振周波数)をもっていることであり、本例では、2次元振動子15の共振周波数が、静止座標系において各回転振動モードで同じであることを意味する。
ここで、図17に示すように、CWモードでの振動時に磁場(Bz)がある場合を考える。2次元振動子15に対して、振動に同期して電流iを流す。磁場Bzがあることから、電流iを流すとローレンツ力F(F=I×BL)が発生する。振動と同期させることで、換言すれば、回転の接線方向に電流iを流すことにより、図17に示すように、常に内向きのローレンツ力Fが発生する。なお、X方向に流れる電流とY方向に流れる電流の大きさの比や流す電流の量を変化させることにより、回転の接線方向に電流が等価的に流れるようにすることができる。
内向きのローレンツ力Fが発生することにより、バネの復元力が等価的に強められる。これにより共振周波数が高くなる。これを式で示すと下記の式(4)になる。
Figure 0007614666000005
また、図18に示すように、CCWモードでの振動時に磁場(Bz)がある場合を考える。2次元振動子15に対して、振動に同期して電流iを流す。CCWモードで流す電流iの向きはCWモードで流す電流iの向きとは反対側になる。磁場Bzがあることから、電流iを流すとローレンツ力Fが発生する。振動と同期させることで、換言すれば、回転の接線方向に電流iを流すことにより、図18に示すように、常に外向きのローレンツ力Fが発生する。なお、X方向に流れる電流とY方向に流れる電流の大きさの比や流す電流の量を変化させることにより、回転の接線方向に電流が等価的に流れるようにすることができる。
外向きのローレンツ力Fが発生することにより、バネの復元力が等価的に弱められる。これにより共振周波数が低くなる。これを式で示すと下記の式(5)になる。なお、ローレンツ力の向きは、CWモートとCCWモードにおいて反対に作用すれば、上記と逆の方向(つまり、CWモードで外向きのローレンツ力、CCWモードで内向きのローレンツ力)であってもよい。
Figure 0007614666000006
以上の変化を式で表すと下記の式(6)になる。
Figure 0007614666000007
式(6)に示すように、磁場があることで縮退が解け、各振動モードにおける振動の周波数が式(4)、式(5)に示したものになる。ここで、f0は、2次元振動子15のヤング率が温度によって変化する、すなわち、温度依存性を有する。しかしながら、周波数差(fcw-fccw)はf0がキャンセルされるため温度の影響を受けない。また、2次元振動子15に流す電流はコントロール可能である。以上から、例えば、周波数差を測定した後に電流iの影響を演算により除去することにより磁場を測定することができる。上述したように周波数差は温度変化の影響を受けないことから、磁場を高精度に測定することが可能となる。
ところで、ジャイロ装置10を磁場センサとして用いる場合には、磁場センサは角速度も検出する。磁場がない場合には、下記の式(7)に示すように、角速度で変調された周波数の項kΩが表れる(CWモードの場合)。
Figure 0007614666000008
磁場がある場合は上述した式(4)で表すことができるから、式(4)と式(7)とにより下記の式(8)が導出される。
Figure 0007614666000009
同様のことはfCCWについてもあてはまる。以上から、ジャイロ装置10を磁場センサとして用いた場合の周波数差Δf(fcw-fccw)は、下記の式(9)で表される。
Figure 0007614666000010
式(9)におけるΔfの式では、角速度依存の項2kΩと磁場および電流に依存する2Δf(I,B)の項(演算を行うことにより最終的には磁場そのものに対応する項)が表れる。図19は、それぞれの項に対応する波形のスペクトルを模式的に示した図である。図19の横軸は信号周波数を示し、縦軸は信号の大きさを示す。また、角速度依存の項2kΩに対応する波形が波形WA5であり、磁場および電流に依存する2Δf(I,B)の項に対応する波形が波形WA6である。
図19に示すように、両波形は、一般に周波数領域で重なりあうため、このままでは、角速度と磁場とを分離することができず、両者を検出することができない。そこで、コントロール可能な電流iの大きさを、所定の周波数で変調する。所定の周波数(変調信号の周波数)は、検出されると想定される角速度の周波数(例えば、100Hz)よりも高い周波数である。例えば、電流iを所定の周波数WBで変調する(i=i0sin(WB,t))。なお、第1周波数および第2周波数は同じでもよいし、異なっていてもよい。
これにより、図20に模式的に示すように、磁場による周波数変動成分(本例における波形WA6)が高周波側に周波数シフトされる。これを式で表すと下記の式(10)になる。
Figure 0007614666000011
周波数WBで同期検波することにより磁場による周波数変動成分を検出することができる。電流iの大きさはわかっていることから、電流iで除算等することにより磁場の成分のみを検出することができる。
[2次元振動子の一例]
次に、本実施形態に適用可能な2次元振動子15Aについて説明する。2次元振動子15Aは、例えば、2次元振動子15に電流を流すための構成を追加したものである。図21は、2次元振動子15Aの構成例を示している。
2次元振動子15Aは、中央付近にマス151を有している。マス151の形状は矩形状に限定されることはなく、円形状等の他の形状であってもよい。また、マス151は原理的には1個でもよいが、複数個あってもよい。例えば、4個のマス151を用いることでQ値を上げることができる。
2次元振動子15Aは、2次元振動子15と同様に縮退振動子であることから、X方向およびY方向のそれぞれにおいてそれぞれ対称且つ等価な構成を有している。係る構成には、概略的には、ドライブ電極、マス151と接続されドライブ電極で駆動されるシャトル、および、シャトルの変位を検出するセンス電極が含まれる。
例えば、X+側(図21における右側)には、ドライブ電極151Aが設けられる。ドライブ電極151Aがシャトル151Bに接続されている。ドライブ電極151Aの櫛歯電極に電圧が印加されることでシャトル151Bが変位し、これにより、シャトル151Bと接続されるマス151も変位する。シャトル151Bの変位は、センス電極151Cが有する櫛歯電極に発生する静電容量の変化を検出することにより、検出可能である。また、シャトル151Bには、電流を流すためのポート151D、151Eが設けられている。例えば、ポート151Dからポート151Eに向かって電流を流す制御が行われる。
X-側(図21における左側)には、ドライブ電極152Aが設けられる。ドライブ電極152Aがシャトル152Bに接続されている。ドライブ電極152Aの櫛歯電極に電圧が印加されることでシャトル152Bが変位し、これにより、シャトル152Bと接続されるマス151も変位する。シャトル152Bの変位は、センス電極152Cが有する櫛歯電極に発生する静電容量の変化を検出することにより、検出可能である。また、シャトル152Bには、電流を流すためのポート152D、152Eが設けられている。例えば、ポート152Dからポート152Eに向かって電流を流す制御が行われる。
例えば、Y+側(図21における上側)には、ドライブ電極153Aが設けられる。ドライブ電極153Aがシャトル153Bに接続されている。ドライブ電極153Aの櫛歯電極に電圧が印加されることでシャトル153Bが変位し、これにより、シャトル153Bと接続されるマス151も変位する。シャトル153Bの変位は、センス電極153Cが有する櫛歯電極に発生する静電容量の変化を検出することにより、検出可能である。また、シャトル153Bには、電流を流すためのポート153D、153Eが設けられている。例えば、ポート153Dからポート153Eに向かって電流を流す制御が行われる。
例えば、Y-側(図21における下側)には、ドライブ電極154Aが設けられる。ドライブ電極154Aがシャトル154Bに接続されている。ドライブ電極154Aの櫛歯電極に電圧を印加されることでシャトル154Bが変位し、これにより、シャトル154Bと接続されるマス151も変位する。シャトル154Bの変位は、センス電極154Cが有する櫛歯電極に発生する静電容量の変化を検出することにより、検出可能である。また、シャトル154Bには、電流を流すためのポート154D、154Eが設けられている。例えば、ポート154Dからポート154Eに向かって電流を流す制御が行われる。
[磁場センサの構成例]
図22は、本実施形態に係る磁場センサ(磁場センサ1000)の構成例を示すブロック図である。磁場センサ1000は、例えば、上述したジャイロ装置10が有する構成の全てを備えている。なお、ジャイロ装置10が有する構成と同一または同質の構成については同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜、省略する。また、図22では、本発明と関連性が強い構成のみを図示し、他の構成に関する図示を適宜、省略している。
磁場センサ1000は、2次元振動子15A、駆動信号生成部20、第1検出部30a、第2検出部30b、第1PLL回路40a、および、第2PLL回路40bを含む。また、磁場センサ1000は、さらに、第1電流信号生成部80a、第2電流信号生成部80b、信号源82、ミックス部85、加算器86、磁場検出部91、および、角速度検出部としてのLPF92を含む。
第1電流信号生成部80aは、CWモードに対応する第1電流信号を生成する。第1電流信号生成部80aは、第1電流信号変換部81a、第1ゲイン変調部82a、および、乗算器83aを有している。第1電流信号変換部81aは、第1PLL回路40aの発振器43aから出力される信号(例えば、共振周波数fcwのsincw、coscw)を用いて、当該信号を電流に変換する。第1ゲイン変調部82aは、信号源82が発生する所定の周波数信号(例えば、100Hz以上の正弦波信号)から、振幅変調用の信号を生成する。この信号が、乗算器83aで電流信号に乗算されることで変調が与えられ、第1電流信号が生成される。なお、電流信号変換81aと乗算器83aとは構成的な順序が逆であっても良い。
第2電流信号生成部80bは、CCWモードに対応する第2電流信号を生成する。第2電流信号生成部80bは、第2電流信号変換部81b、第2ゲイン変調部82b、乗算器83b、および、反転回路84を有している。第2電流信号変換部81bは、第2PLL回路40bの発振器43bから出力される信号(例えば、共振周波数fcwのsinccw、cosccw)を用いて、当該信号を電流に変換する。反転回路84は、第2電流信号変換部81bから出力される電流信号を反転する。これにより、第2電流信号生成部80bで生成される第2電流信号の向きが第1電流信号の向きと反対になる。第2ゲイン変調部82bは、信号源82が発生する所定の周波数信号(例えば、100Hz以上の正弦波信号)から、振幅変調用の信号を生成する。この信号が、乗算器83bで電流信号に乗算されることで変調が与えられ、第2電流信号が生成される。なお、電流信号変換81bと乗算器83b、および、反転回路84は、構成的な順序が入れ替わっても良い。
ミックス部85は、第1電流信号生成部80aで生成された第1電流信号と、第2電流信号生成部80bで生成された第2電流信号とをミックス(多重化)する。ミックス部85でミックスされた第1電流信号および第2電流信号が2次元振動子15Aに入力される。
加算器86は、PID42aから出力される共振周波数fcw(第1共振周波数の一例)と、PID42bから出力される共振周波数fccw(第2共振周波数の一例)との差分を演算する。これにより、共振周波数fcwと共振周波数fccwとの差分であるΔfが得られる。Δfが磁場検出部91および第2LPF92のそれぞれに入力される。
磁場検出部91は、共振周波数fcwおよび共振周波数fccwに基づいて、磁場を検出する。磁場検出部91は、乗算器91aおよび第1LPF91bを有している。乗算器91aは、Δfに対して信号源82からの変調信号を乗算する。第1LPF91bは、乗算器91aの出力に対して低域(カットオフ周波数以下)の信号のみを通過させるフィルタ処理を行う。第1LPF91bの後段で、磁場を検出するための適宜な演算(例えば、電流成分を取り除く演算等)が行われることで磁場が検出される。
第2LPF92は、加算器86の出力に対して低域(カットオフ周波数以下)の信号のみを通過させるフィルタ処理を行う。これにより、角速度に対応する成分の信号のみが抽出される。第2LPF92を通過した信号に対して適宜な演算(例えば、上述したジャイロ装置10における角速度検出部70で行われる演算と同様の演算)が行われることにより、角速度が検出される。
[磁場センサの動作例]
次に、磁場センサ1000の動作例について説明する。駆動信号生成部20によって生成された駆動信号により2次元振動子15Aが励振される。このとき、ミックス部85でミックスされたx方向およびy方向のそれぞれの電流信号(第1電流信号(Ix)および第2電流信号(Iy))が2次元振動子15Aに入力される。
第1検出部30aが上述した処理を行うことにより位相θcwを検出する。位相θcwが、第1PLL回路40aに供給される。PID制御部42aは、位相比較器41aでの比較結果に基づいて、位相θcwが共振周波数fcwとなる制御を実行する。PID制御部42aから出力される共振周波数fcwは、加算器86に供給される。発振器43aから出力される信号は、駆動信号生成部20にフィードバックされ、駆動信号の生成に用いられる。また、発振器43aから出力される信号は、第1電流信号変換部81aにより電流信号に変換される。変換された電流信号は、信号源82が発生した信号により第1ゲイン変調部82aと乗算器83aにより振幅変調され、第1電流信号が生成される。CCWループでも同様の処理が行われることにより第2電流信号が生成される。第1電流信号および第2電流信号がミックス部85でミックスされた後に、2次元振動子15Aに入力される。
第2PLL回路40bのPID制御部42bから出力される共振周波数fcwは、加算器86に供給される。加算器86で行われる演算により、共振周波数fcwと共振周波数fccwとの差分であるΔfが得られる。
乗算器91aにより信号源82が発生する信号がΔfに対して乗算されることで、磁場成分の信号が低周波側にシフトする(角速度成分の信号は高周波側にシフトする。)。そして、第1LPF91bによって低周波側にシフトした磁場成分の信号が検出され、検出された磁場成分の信号を用いて磁場が検出される。
また、Δfに対して第2LPF92によって低周波側の角速度成分の信号が検出され、検出された角速度成分の信号を用いて角速度が検出される。
[本実施形態により得られる効果]
以上、本実施形態によれば、角速度だけでなく、磁場を検出することができるセンサを提供することができる。例えば、加速度や角速度の検出結果を磁場センサのセンシング結果によって補正することができる。磁場センサを別デバイスとして追加する必要がないので、センサのコストを低減でき、さらに、センサの小型化を実現することができる。
図23A~図23Cは、本実施形態により得られる効果の一例(シミュレーション結果)を示す。図23Aは、磁場(横軸)とCWおよびCCWの各モードの周波数(縦軸)との関係を示す図である。図中、ラインLNAがCWモードに対応し、ラインLNBがCCWモードに対応している。図23Aに示すように、磁場が加わると各モードの周波数が変化する(大きさは、同じで、増減方向は逆である。)
図23Bは、図23Aの結果を周波数差でみた場合のグラフである。図23Bに示すように、周波数差は磁場に略正比例していることがわかる。
図23Cは、図23Bの結果をログスケールで表示したグラフである。図23Cに示すように、広範囲(本例では、6桁の範囲)で線形を示していることがわかる。1nT(ナノテスラ)で1μHz程度の変化である。FMジャイロの場合には、1°/hrの変化が0.77μHzに相当する。FMジャイロでは,1°/h程度の安定性が得られている。すなわち、nT以下の安定度で磁場を十分に検出可能であることを示している。本実施形態によれば、地磁気よりも小さく、さらに、ダイナミックレンジが広い磁場センサを実現できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく各種の変形が可能である。
信号源82で発生する信号としては、単一周波数の正弦波のみでなく、他の方法、例えば広帯域の信号を用いたスペクトラム拡散技術が適用されてもよい。すなわち、ゲインを所定の拡散符号で拡散し後段で逆拡散することで、磁場成分の信号と角速度成分の信号とを分離するようにしてもよい。
本発明は、2次元にモードマッチする振動子であれば、形状、励振方法(静電、電磁、圧電など)等は特定の方法等に限定されることはない。
2次元振動子15の出力を処理する回路は、ASIC(Application Specific integrated Circuit)等の集積回路で構成することも可能である。
本発明の作用効果を奏する範囲で、磁場センサが他の回路素子等を備える構成でもよい。また、磁場センサにおける一部の処理が、他の装置やクラウドサーバー等によって行われるようにしてもよい。また、本発明が、角速度を検出しない磁場のみを検出するセンサとして構成されてもよい。
本発明の磁場センサは、他の装置(例えば、ゲーム機器、撮像装置、スマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の各種の電子機器や、自動車、電車、飛行機、ヘリコプター、小型飛行体、宇宙用機器等の移動体、ロボット等)に組み込まれて使用されてもよい。
上述した実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。また、本発明は、装置、方法、複数の装置からなるシステム(クラウドシステム等)により実現することができ、複数の実施形態および変形例で説明した事項は、技術的な矛盾が生じない限り相互に組み合わせることができる。
10・・・ジャイロ装置
15、15A・・・2次元振動子
30a・・・第1検出部
30b・・・第2検出部
40a・・・第1PLL回路
40b・・・第2PLL回路
42a、42b・・・PID制御部
80a・・・第1電流信号生成部
81a・・・第1電流信号変換部
82a・・・第1ゲイン変調部
83a・・・乗算器
80b・・・第2電流信号生成部
81b・・・第2電流信号変換部
82b・・・第2ゲイン変調部
83b・・・乗算器
91・・・磁場検出部
91a・・・乗算器
91b・・・第1LPF
92・・・第2LPF
1000・・・磁場センサ
CW・・・第1回転振動モード
CCW・・・第2回転振動モード

Claims (8)

  1. 第1回転振動モードに対応する駆動信号および第2回転振動モードに対応する駆動信号によって駆動され、さらに、前記第1回転振動モードに対応する第1電流信号および前記第2回転振動モードに対応する第2電流信号が入力される単一の2次元振動子と、
    前記2次元振動子から出力される信号から、前記第1回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第1検出部と、
    前記2次元振動子から出力される信号から、前記第2回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第2検出部と、
    前記第1検出部によって検出された位相に基づいて、前記第1回転振動モードに対応する第1共振周波数を出力する第1発振回路と、
    前記第2検出部によって検出された位相に基づいて、前記第2回転振動モードに対応する第2共振周波数を出力する第2発振回路と、
    前記第1共振周波数前記第2共振周波数との差分に基づいて、磁場を検出する磁場検出部とを備える
    磁場センサ。
  2. 前記第1共振周波数および前記第2共振周波数に基づいて回転の角速度を検出する角速度検出部を備える
    請求項1に記載の磁場センサ。
  3. 前記第1発振回路からフィードバックされる信号に基づいて、前記第1回転振動モードに対応する第1駆動信号を生成し、さらに、前記第2発振回路からフィードバックされる信号に基づいて、前記第2回転振動モードに対応する第2駆動信号を生成する駆動信号生成部を備える
    請求項2に記載の磁場センサ。
  4. 前記第1電流信号を生成する第1電流信号生成部と、
    前記第2電流信号を生成する第2電流信号生成部と
    を備え、
    前記第1電流信号生成部は、前記第1発振回路からフィードバックされる信号を電流信号に変換し、当該電流信号に対して変調を与えることで前記第1電流信号を生成し、
    前記第2電流信号生成部は、前記第2発振回路からフィードバックされる信号を電流信号に変換し、当該電流信号に対して変調を与えることで前記第2電流信号を生成する
    請求項3に記載の磁場センサ。
  5. 調信号の周波数は、前記角速度検出部で検出されると想定される角速度の周波数よりも大きい値に設定される
    請求項4に記載の磁場センサ。
  6. 前記角速度検出部は、前記第1共振周波数と前記第2共振周波数との差分に基づいて、前記角速度を検出する
    請求項2からまでの何れかに記載の磁場センサ。
  7. 前記第1電流信号の向きは、前記第2電流信号の向きとは反対側である
    請求項1からまでの何れかに記載の磁場センサ。
  8. 2次元振動子に対して、第1回転振動モードに対応する駆動信号および第2回転振動モードに対応する駆動信号、および、前記第1回転振動モードに対応する第1電流信号および前記第2回転振動モードに対応する第2電流信号が入力され、
    第1検出部が、前記2次元振動子から出力される信号から、前記第1回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
    第2検出部が、前記2次元振動子から出力される信号から、前記第2回転振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
    第1発振回路が、前記第1検出部によって検出された位相に基づいて、前記第1回転振動モードに対応する第1共振周波数を出力し、
    第2発振回路が、前記第2検出部によって検出された位相に基づいて、前記第2回転振動モードに対応する第2共振周波数を出力し、
    磁場検出部が、前記第1共振周波数前記第2共振周波数との差分に基づいて、磁場を検出する
    磁場検出方法。
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