JP7609795B2 - 新規選択マーカーを含む細胞株及びタンパク質製造のためのそれらの使用 - Google Patents
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Description
本発明は、タンパク質製造のための細胞株及び選択マーカーに関する。
工業規模での組み換えタンパク質の製造は、大量の組み換えタンパク質を産生するクローンの単離を必要とする。異種遺伝子を動物宿主細胞に導入し、そして加えられた遺伝子の発現についてスクリーニングすることは、非常に長く複雑なプロセスである。このプロセスは、トランスフェクション及び安定な長期発現するクローンの選択、並びに対応する組み換えタンパク質について高い発現率を有するクローンのスクリーニングを含む。
本発明は、目的のタンパク質を産生する細胞を、その細胞株におけるDHODH遺伝子の部分的又は完全な不活化の結果、ウリジンを含まない培地において選択することができる細胞株の本発明者らによる設計から生じるものである。DHODH遺伝子が部分的又は完全に不活化されているこの細胞株は、典型的にはウリジンを添加した培地において増殖されるが、哺乳動物DHODH、特に変異した哺乳動物DHODHをコードするヌクレオチド配列、及び目的のタンパク質を発現するための発現カセットを含む発現ベクターを用いてトランスフェクトされた場合、培地は典型的にはウリジンを含まない培地に変更され、それにより目的のタンパク質を産生する細胞を選択する。
a)特にCRISPR-Cas9法のような遺伝子編集法により、細胞における内因性DHODH遺伝子を不活化すること、及び
b)該細胞を、ウリジンを含む培地で、内因性DHODH遺伝子が部分的又は完全に不活化された細胞株を生成するために適した条件下で培養すること
により製造される。
(i)上で定義された部分的又は完全に不活化されている内因性ジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)遺伝子を含む細胞株、並びに
(ii)外因性哺乳動物DHODHをコードするヌクレオチド配列及び組み換えタンパク質を発現するための少なくとも1つの発現カセットを含む発現ベクター、
を含む発現系であり、ここで該外因性DHODHは、配列番号2の配列又は配列番号4の配列と少なくとも60%同一である配列を含む。
A) a1)外因性哺乳動物DHODHをコードするヌクレオチド配列及び組み換えタンパク質を発現するための少なくとも1つの発現カセットを含む発現ベクターをさらに含む、上で定義された細胞株を供給する工程、[ここで該外因性DHODHは、配列番号2の配列又は配列番号4の配列と少なくとも60%同一である配列を含む];
又は
a2)上で定義された細胞株を供給する工程、及び
a2’)上で定義された発現ベクターを、工程a2)において供給された細胞株に導入する工程;
又は
a3)内因性DHODH遺伝子を含む細胞株を供給する工程、
a3’)工程a3)において供給された細胞株において内因性DHODH遺伝子を部分的もしくは完全に不活化する工程、及び
a3’’)上で定義された発現ベクターを、工程a3’)において得られた部分的もしくは完全に不活化された内因性DHODH遺伝子を含む細胞株に導入する工程;
B)該細胞株を、組み換えタンパク質の産生に適した条件下で培養する工程;並びに
C)該組み換えタンパク質を単離及び/もしくは精製する工程
を含む。
ジヒドロオロト酸脱水素酵素
本明細書で使用されるように、用語「ジヒドロオロト酸脱水素酵素」又は「DHODH」は、以下の反応により表されるような、ジヒドロオロタート (4,5-ジヒドロオロト酸又は2,6-ジオキソ-1,3-ジアジナン-4-カルボン酸)のオロタート(オロト酸又は1,2,3,6-テトラヒドロ-2,6-ジオキソ-4-ピリミジンカルボン酸)への変換を触媒することができるポリペプチドを指す:
(S)-ジヒドロオロタート + O2 ←→ オロタート + H2O2
このようなポリペプチドは、酵素委員会(Enzyme Commission)(EC)番号1.3.3.1に分類される。上記の反応を触媒することができるポリペプチドは、「DHODH」活性を示す。
本発明は、部分的又は完全に不活化された内因性ジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)遺伝子を含む細胞株に関する。
a)特にCRISPR-Cas9法のような遺伝子編集法により、細胞における内因性DHODH遺伝子を不活化すること、及び
b)該細胞を、ウリジンを含む培地で、内因性DHODH遺伝子が部分的又は完全に不活化された細胞株を生成するために適した条件下で培養すること
により製造される。
本発明において使用される発現ベクターによりコードされるDHODH(さらに「外因性DHODH」と呼ばれる)は、配列番号2又は配列番号4と少なくとも60%、62%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%;92%;93%、94%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%又は100%同一である配列を含んでいても、該配列からなるものであってもよい。また、配列番号2又は配列番号4の少なくとも100、150、200、250、300又は350個の連続したアミノ酸のフラグメントを含んでいても、該フラグメントからなるものであってもよいが、ただしそのタンパク質はDHODH活性を保持する。
本発明の状況において使用される発現ベクターは、組み換えタンパク質の製造に適しており、そしてジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)をコードする配列を含む。
- 初期SV40プロモーターの制御下に置かれた、上で定義されたような外因性DHODHをコードする配列;
- 抗体の軽鎖をコードする配列がCMVプロモーターの制御下に置かれている第一の発現カセット;
- 抗体の重鎖をコードする配列がCMVプロモーターの制御下に置かれている第二の発現カセット;
- 原核生物複製起点;及び
- その天然のプロモーターの制御下に置かれた、原核生物細胞における使用のための選択的マーカー、すなわち、アンピシリンに対する耐性を付与するタンパク質をコードする配列。
- CMV最初期エンハンサープロモーター(例えば、Teschendorf et al.(2002)Anticancer Res.22:3325-3330に記載される配列を有するもの);又は
- マウスCMV由来のIE2プロモーター/エンハンサー領域(例えば、Chatellard et al.(2007)Biotechnol Bioeng.96:106-117に記載される配列を有するもの);又は
- hCMV-MIE制御エレメント(例えば、WO89/01036に記載される配列を有するもの)
を含み得る。
本発明は:
(i)上の「細胞株」のセクションにおいて定義されたように部分的又は完全に不活化されている内因性DHODH遺伝子を含む、上の「細胞株」のセクションにおいて定義された細胞株、及び
(ii)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義された発現ベクター
を含む発現系を提供する。
A) a1)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義される発現ベクターを含む本発明に従う細胞株を供給する工程;
又は
a2)本発明に従う細胞株を供給する工程、及び
a2’)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義される発現ベクターを、工程a2)において供給された細胞株に導入する工程;
又は
a3)内因性DHODH遺伝子を含む細胞株を供給する工程、
a3’)工程a3)において供給された細胞株において内因性DHODH遺伝子を部分的もしくは完全に不活化する工程、及び
a3’’)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義される発現ベクターを、工程a3’)において得られた部分的もしくは完全に不活化された内因性DHODH遺伝子を含む細胞株に導入する工程;
B)該細胞株を、組み換えタンパク質の産生に適した条件下で培養する工程;並びに
C)該組み換えタンパク質を単離及び/もしくは精製する工程
を含む。
A) a1)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義される発現ベクターを含む本発明に従う細胞株を供給する工程;
又は
a2)本発明に従う細胞株を供給する工程、及び
a2’)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義される発現ベクターを、工程a2)において供給された細胞株に導入する工程;
又は
a3)内因性DHODH遺伝子を含む細胞株を供給する工程、
a3’)工程a3)において供給された細胞株において内因性DHODH遺伝子を部分的もしくは完全に不活化する工程、及び
a3’’)上の「発現ベクター」のセクションにおいて定義される発現ベクターを、工程a3’)において得られた部分的もしくは完全に不活化された内因性DHODH遺伝子を含む細胞株に導入する工程;
B)該細胞株を、組み換えタンパク質の産生に適した条件下で培養する工程;並びに
C)高レベルの組み換えタンパク質を産生するクローンを単離する工程
を含む。
この実施例は、ATCCから番号ATCC CCL-61で市販されているCHO-K1細胞株からCHO 9E4細胞株を得ることを記載する。
ウシ血清の存在下で1969年に凍結されたCHO-K1細胞(ATCC CCL-61)のバイアルをATCCから得た。
CHO-K1バイアルを、4mMグルタミンを添加したEx-CellTM 302培地(SAFC)中で直接解凍し、そして静的支持面上で、次いでスピナーにおいて増幅した。得られたCHO-LG-APFバンクを12継代及び17.3世代後にEx-CellTM 302培地中で凍結した。
CHO-LG-APFバイアルをEx-CellTM 302培地中で解凍し、そして増幅した。得られたABC-024 P22バンクを18.5世代後に解凍した。
CMV07-024バンクを解凍し、そして4mMグルタミンを添加したEx-cellTM CDCHOフュージョン培地(SAFC)にそのまま順化させ、そして振盪機で12.5世代にわたってABC-003バンクをEx-cellTM CDCHOフュージョン培地で凍結するまで順化させた。
ABC-003バイアルをCDCHOフュージョン培地中で解凍し、そして希釈した後、 ABC-53バンクを4.2世代後に凍結した。
4mMグルタミンを添加したEx-cellTMCDCHOフュージョン培地(SAFC)においてABC-053バンクを解凍した。培養物を増幅した後、プレートでの限界希釈によりクローニングし、次いでCDCHOフュージョン培地において増幅した。このクローニングから得られたクローンP15A11のバンクを凍結した。このクローニング及び増幅は、およそ94世代に相当する。
4mMグルタミンを添加したEx-cellTM CDCHOフュージョン培地(SAFC)においてP15A11バンクを解凍し、そしてCDCHOフュージョン培地において2継代後に、細胞をCDCHO培地中で希釈した。CDCHO培地において3継代後、CHOSP10-002バンクを合計15.9世代後に凍結した。
6mMグルタミンを添加したCDCHO培地(Invitrogen)中でCHOSP10-002バンクを解凍し、次いで増幅した。細胞塊を除去するために培養物を遠心分離し、そして上清から単離された細胞のみを用いて培養を続けた。この段階で、解凍から11.3世代が生成された。
この培養物を96ウェルプレートにおいて1ウェルあたり10細胞で分割した。懸濁液中で孤立して増殖する細胞を含むウェルを6ウェルプレートで、次いで振盪機で増幅した。CHOSP10-012バンクを凍結するまでに23.2世代追加された。
6mMグルタミンを添加したCDCHO培地(Invitrogen)中でCHOSP10-012バンクを解凍し、次いでエルレンマイヤー段階から17lバイオリアクターまで増幅した。
9E4バンクを合計10世代後に凍結した。
A - CRISPR CAS9ガイドRNA(gRNA)の設計及び構築
CHO細胞においてDHDOH遺伝子を無効にするために、本発明者らは、ハムスターDHODH遺伝子配列を回収し、CHOゲノムにおけるCRISPR-Cas9を用いたトランスフェクションのために異なるガイドRNA(gRNA)を設計するために公開で利用可能なTeforソフトウェアを使用することから開始した。イントロン及びエクソンを含むCHO DHODH配列全体を図1に示す。
配列1
CACCGGGATGCAGCCATCATCCTTG (配列番号6)
AAAACCAAGGATGATGGCTGCATCC (配列番号7)
配列2
CACCGGATGCAGCCATCATCCTTGG (配列番号8)
AAAACCCAAGGATGATGGCTGCATC (配列番号9)
配列3
CACCGGCAGCCATCATCCTTGGGGG (配列番号10)
AAAACCCCCCAAGGATGATGGCTGC (配列番号11)
配列4
CACCGGCCATCATCCTTGGGGGAGG (配列番号12)
AAAACCCTCCCCCAAGGATGATGGC (配列番号13)
配列5
CACCGGCTATTCGCTTCACGTCCCT (配列番号14)
AAAACAGGGACGTGAAGCGAATAGC (配列番号15)
配列6
CACCGGCCTCTACAAACTGGGCTTT (配列番号16)
AAAACAAAGCCCAGTTTGTAGAGGC (配列番号17)
配列7
CACCGGGCTTTGGGTTTGTCGAGGT (配列番号18)
AAAACACCTCGACAAACCCAAAGCC (配列番号19)
配列8
CACCGGCTGGTCTGAGGAGCCTACA (配列番号20)
AAAACTGTAGGCTCCTCAGACCAGC (配列番号21)
CHO 9E4細胞を単離し、そして実施例1に開示されるように、ATCCから購入されたCHO K-1細胞から選択し、そして6mM L-グルタミンを添加され、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の増殖に最適化されたCDCHO無血清既知組成培地中で懸濁培養として37℃でインキュベーターにおいて8% CO2及び80%湿度を用いて増殖及び維持した。
MaxCyte STX及びそのCHO規定プロトコルを使用してエレクトロポレーションによりトランスフェクションを行った。これらはOC-100(トランスフェクションあたり2000万個の細胞)プロセシングアセンブリにおいて行われた。
A - CRISPR CAS9ガイドRNA(gRNA)の設計及び構築
CHO細胞においてDHDOH遺伝子を無効にするために、本発明者らは、ハムスターDHODH遺伝子配列を回収し、そしてCHOゲノムにおけるCRISPR-Cas9を用いたトランスフェクションのために異なるガイドRNA(gRNA)を設計するための公開で利用可能なTeforソフトウェアを使用することから開始した。
配列1’
GGATGCAGCCATCATCCTTGGTTTT (配列番号24)
CAAGGATGATGGCTGCATCCCGGTG (配列番号25)
配列2’
GATGCAGCCATCATCCTTGGGTTTT (配列番号27)
CCAAGGATGATGGCTGCATCCGGTG (配列番号28)
配列3’
GCAGCCATCATCCTTGGGGGGTTTT (配列番号29)
CCCCCAAGGATGATGGCTGCCGGTG (配列番号30)
配列4’
GCCATCATCCTTGGGGGAGGGTTTT (配列番号31)
CCTCCCCCAAGGATGATGGCCGGTG (配列番号32)
配列5’
GCTATTCGCTTCACGTCCCTGTTTT (配列番号33)
AGGGACGTGAAGCGAATAGCCGGTG (配列番号34)
配列6’
GCCTCTACAAACTGGGCTTTGTTTT (配列番号35)
AAAGCCCAGTTTGTAGAGGCCGGTG (配列番号36)
配列7’
GGCTTTGGGTTTGTCGAGGTGTTTT (配列番号37)
ACCTCGACAAACCCAAAGCCCGGTG (配列番号38)
配列8’
GCTGGTCTGAGGAGCCTACAGTTTT (配列番号39)
TGTAGGCTCCTCAGACCAGCCGGTG (配列番号40)
CHO 9E4細胞を単離し、そして実施例1に開示されるように、ATCCから購入されたCHO K-1細胞から選択し、そして6mM L-グルタミンを添加したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の増殖に最適化されたCDCHO無血清既知組成培地において37℃で8% CO2及び湿度80%における懸濁培養として増殖させ、そして維持した。
MaxCyte STX及びそのCHO規定プロトコルを使用するエレクトロポレーションによりトランスフェクションを行った。これらはOC-100(トランスフェクションあたり2000万個の細胞)プロセシングアセンブリにおいて行われた。
これらのクローンがテリフルノミドなしで抗体を発現することができるがどうかを検証するために、実施例2又は3において得られた有効なDHODH欠乏CHOクローンで抗体産生を試験した。
ヒトDHODHを損なった形態の使用がCHOゲノムへの組み込みコピー数を増強し、そしてそれによりより良好な生産性を可能にするかどうかを確認するために、DHODH KO2、KO19及びWT CHO 9E4細胞株を、ミラー症候群患者において記載される3つのヒトDHODH cDNAバリアント(R135C、G202A及びR346W、詳細にはFang et al. (2012) Biosci.32:631-639を参照のこと)を用いてトランスフェクトした。コントロールベクターとしてヒトWT DHODHをコードするcDNAを有するプラスミドをトランスフェクトした。
最終生産性が、少なくとも選択可能マーカーとしてヒトグルタミン合成酵素(GS)を使用する従来技術の発現系と同じ範囲であることを確認するために、本発明の発現系を使用して、特に上の実施例3において開示された有効なクローンCHO 9E4 KO2及びKO19における上で開示されたG202A変異を含むヒトDHODH cDNAを使用して、様々な種類のタンパク質を製造した。
- リパーゼ:
・ 単シストロン性cDNA PLBL2-Hisを使用する、及び
・ 選択可能マーカーhDHODH G202Aプラスミド又はhGSプラスミドを使用する、
- モノクローナル抗体(mAb-B):
・ 抗体のVH及びVL鎖をコードする2シストロン性cDNAを使用する、並びに
・ 選択可能マーカーhDHODH G202Aプラスミド又はhGSプラスミドを使用する;
- 二重特異性抗体:
・ (i)抗体のVH及びVL鎖をコードする2シストロン性cDNA、又は(ii)それぞれ抗体のVH及びVL鎖をコードする2つの単シストロン性を使用する、並びに
・ 選択可能マーカー(i)hDHODH G202Aプラスミド(2シストロン性cDNA)又は(ii)2つのhDHODH G202AプラスミドもしくはhDHODH G202Aプラスミド及びhGSプラスミド(単シストロン性cDNA)を使用する;
- 三重特異性抗体:
・2つの2シストロン性cDNAを使用する、及び
・選択可能マーカーhDHODH G202Aプラスミド及びhGSプラスミドを使用する。
Claims (19)
- 部分的又は完全に不活化されている内因性ジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)遺伝子を含む細胞株であって、前記細胞株は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、HEK293、HKB11、PER-C6、HT1080、Jurkat、Daudi、RajiおよびCAP細胞株の中から選択される、前記細胞株。
- チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である、請求項1に記載の細胞株。
- 細胞株は、
a)細胞における内因性DHODH遺伝子を不活化すること、及び
b)該細胞を、ウリジンを含む培地で、内因性DHODH遺伝子が部分的又は完全に不活化された細胞株を生成するために適した条件下で培養すること
により製造される、請求項1又は2に記載の細胞株。 - 内因性DHODH遺伝子は遺伝子編集法により不活化される、請求項3に記載の細胞株。
- 内因性DHODH遺伝子はCRISPR-Cas9法により不活化される、請求項4に記載の細胞株。
- 内因性DHODH遺伝子の1つもしくはそれ以上又は全ての対立遺伝子が部分的又は完全に不活化されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の細胞株。
- 細胞株は、外因性哺乳動物DHODHをコードするヌクレオチド配列及び組み換えタンパク質を発現するための少なくとも1つの発現カセットを含む発現ベクターをさらに含み、ここで該外因性DHODHは、配列番号2の配列又は配列番号4の配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の細胞株。
- (i)請求項1~6のいずれか1項に記載の細胞株、並びに
(ii)哺乳動物DHODHをコードするヌクレオチド配列及び組み換えタンパク質を発現するための少なくとも1つの発現カセットを含む発現ベクター
を含む発現系であって、ここで、該DHODHは、配列番号2の配列又は配列番号4の配列と少なくとも90%同一である配列を含む、上記発現系。 - 上記ヌクレオチド配列は、配列番号1の配列又は配列番号3の配列を含む、請求項7に記載の細胞株又は請求項8に記載の発現系。
- 上記組み換えタンパク質はモノクローナル抗体である、請求項7もしくは9に記載の細胞株又は請求項8もしくは9に記載の発現系。
- 上記ベクターは、抗体軽鎖のクローニングに適した第一の発現カセット、及び抗体重鎖のクローニングに適した第二の発現カセットを含む、請求項7、9及び10のいずれか1項に記載の細胞株、又は請求項8~10のいずれか1項に記載の発現系。
- (i)請求項7及び9~11のいずれか1項に記載の細胞株、又は請求項8~11のいずれか1項に記載の発現系、及び(ii)ウリジンを含まない培地、を含むキット。
- A) a1)請求項7及び9~11のいずれか1項に記載の細胞株を供給する工程;
又は
a2)請求項1~6のいずれか1項に記載の細胞株を供給する工程、及び
a2’)請求項9~11のいずれか1項において定義される発現ベクターを、工程a2)において供給された細胞株に導入する工程;
又は
a3)内因性DHODH遺伝子を含む細胞株を供給する工程、
a3’)工程a3)において供給された細胞株において内因性DHODH遺伝子を部分的もしくは完全に不活化する工程、及び
a3’’)請求項9~11のいずれか1項において定義される発現ベクターを、工程a3’)において得られた部分的もしくは完全に不活化された内因性DHODH遺伝子を含む細胞株に導入する工程;
B)該細胞株を、組み換えタンパク質の産生に適した条件下で培養する工程;並びに
C)該組み換えタンパク質を単離及び/もしくは精製する工程
を含む、組み換えタンパク質をインビトロで製造する方法。 - 工程B)は、ウリジンを含まない培地で行われる、請求項13に記載の方法。
- 上記組み換えタンパク質を製剤化して医薬組成物にする工程D)をさらに含む、請求項13又は14に記載の方法。
- 組み換えタンパク質を製造するための、請求項7及び9~11のいずれか1項に記載の細胞株、請求項9~11のいずれか1項に記載の発現系、又は請求項12に記載のキットの使用。
- 細胞株、発現系又はキットは、ウリジンを含まない培地と組み合わせて使用される、請求項16に記載の使用。
- ウリジンを含まない培地が、さらにDHODH阻害剤を含まない、請求項12に記載のキット。
- ウリジンを含まない培地が、さらにDHODH阻害剤を含まない、請求項14に記載の
方法または請求項17に記載の使用。
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EP19305331 | 2019-03-19 | ||
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